開拓民のくらしを切り撮 った写真家から

教 育
文 化
撮影 前川茂利氏
撮影 前川茂利氏
と
開拓民のくらしを切り撮った写真家から まえかわしげとし
はいたつ
どくがく
しゅうとく
小沢で生まれた前 川茂利さん(1930—1999)は、郵便配 達の仕事をしながら独 学で写真の技術を習 得。
にしむらけいゆう
後志の風土と、地域に根ざして生きる人々のすがたをカメラにおさめました。一方、共和町出身の西村計雄氏
きょてん
かつやく
(1909—2000)はパリを拠点に活躍した画家です。その作品を所蔵・展示している西村計雄記念美術館では、
たいしょう
たさい
子どもから大人までを対象にアートにまつわる多彩な活動を行っています。
まえかわ しげとし
きょうわの歩みを写真で記録 写真家/故・前川 茂利さん
まえかわしげとし
まえかわ
前川茂利さんの写真集『開拓地のくらし』
しく、前 川さんの思いがにじむよう。き
は、戦後まもない 1948 年(昭和 23 年)
びしくつらい労 働だったことをリアルに
から小沢開拓地に入 植した人々の 20 年
伝えながらも、叙 情あふれる美しい写真
余りを追い、その営 みを丹 念に撮 り続け、
もあって、まさに生きることの意味を問
最後の一人が離農するまでをカメラにお
いかけてくる写真集です」。ふるさと 60
さめました。西村計雄記念美術館の学芸
年の歴史の一 端をひもとく写真集『開拓
員である磯 崎亜矢子さんは、写真集につ
地のくらし』、そして数十年にわたって記
いてこう語ります。「ページをめくると、
録したまちの人々。 前 川さんの写真は、
過 酷なくらしのなかに幸福な瞬 間がちり
同じ時代をけんめいに生きる人によせる
ばめられていることがわかります。なか
あたたかさ、次代を担 う子どもたちへの
でも子どもたちに向けたまなざしはやさ
やさしさにあふれています。
にゅうしょく
いとな
たんねん
と
い そ ざ き あ や こ
かこく
29
しゅんかん
|三世代で語りつぐ60年
ろうどう
じょじょう
いったん
まえかわ
にな
地域の日常風景も数多く撮影されています
芸術活動が活発なまちへ
美術館を中心に
てんかい
さまざまな芸術活動を展開
西村計雄記念美術館では、画伯の作品を所
蔵・展示するだけでなく、さまざまな活動
いっかん
を行っています。学校学習の一 環としての
みずと
みすず
■ふるさときょうわで器を創作 陶芸家/水戸 美鈴さん
みずと
水戸さんは共和町発足出身。就職により一度はふるさと
を離れましたが、6年前に地元に戻り陶工房を構えまし
た。心和ませる器を創作する傍ら、未経験者にも対応す
る陶芸教室を開いています。
かんしょう
鑑 賞活動はもとより、月に1度、制作など
ちょうせん
こうざ
に挑 戦する美術館講 座『トライアート』を
じっし
実施。
子どもから大人まで多くの人が参加し、
アートに親しんでいます。また、つくる人も
見る人も参加できる『箱絵展』やボランティ
うんえい
かいさい
アが主体的に企画・運営するイベントの開催
てんかい
など、幅広い芸術活動を展開しています。
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教 育
文 化
西村計雄記念美術館
小沢村で生まれた西村計雄氏は国際的に
も評価が高い洋画家で、パリ時代も含め
70 年にわたり絵を描き続けました。美術
館では画伯の油彩約 5300 点を収蔵。体
験プログラムや各種イベントを行うなど、
まちの芸術活動の拠点となっています。
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|三世代で語りつぐ60年
生涯学習センター
およそ 30,000 冊の蔵書を誇る図書室を核とした「学習施設」、アリーナを中心に柔道や剣道の専用格
技室を備えた「体育施設」
、大ホールやサークル室を配置した「文化施設」の3ゾーンで構成。町民の
さまざまな活動に利用されています。
かかし古里館
開拓にはじまり、農業の変遷、生活様式の変
化など、共和町の歴史をふり返ることができ
る施設です。旧幌似小学校を復元した収蔵
展示室と一般展示室で構成され、とくに農
業関連の展示物や資料が充実しています。
学校給食センター
最新の調理機器を備え、安全でおいしい給食を町内の小中学校
に届けています。
共和中学校
西陵小学校
東陽小学校
北辰小学校
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