第33回農業環境シンポジウム 農業からみた生物多様性、生物多様性からみた農業 農業における 新たな生物資源の 利用とリスク管理 2010年9月4日 農業環境技術研究所 農業における 新たな生物資源:とは ①外来生物、②雑草のよ うな未利用生物、あるいは 昔使われていたもの 藤井 義晴 yfujii@affrc.go.jp 外来生物の利用とリスク管理に関する日本農学会シンポジウム 外来生物のリスク管理と有効利用 2008年、日本農学会 (編) 養賢堂, 2300円 本日は外来植物について紹介 します。外来動物については この本をご参照下さい。 CBD(Convention on Biological Diversity) 「生物多様性条約」の3つの目的 1.生物多様性の保全 2.生物多様性構成要素の 持続可能な利用 3.遺伝資源の利用から生じる 利益の公正かつ衡平な分配 先進国、特にアメリカ合衆国は反対 (そのため、現在も批准していない) 岩槻邦夫先生 I. 生物多様性の持続的な利用 -人と自然の共生- pp.13-22 ★30数億年前に地球上に出現した とき生物はたったひとつの型だっ た→多様化は生き物の存在意義 ★多様であるほど良い訳ではない 砂漠と熱帯林では異なる ★里山など人為的な環境では自然 の進化で生じたのとはちがった顔 ぶれもある・・・さらに研究が必要 藤井義晴 II. 生物多様性を活用した農業 の生産性の向上-とくにアレロ パシー活性の強い未利用の 作物について- pp.42-51 (昭和堂、1400円) 池田清彦さん (早稲田大学国際教養部教授) 第1章 地球温暖化はウソ 【CO2が原因ではない】 第2章 ダイオキシンは 危険ではない 【人間には毒性が弱い】 第3章 外来種は悪玉では ない 第4章 自然保護運動は あやしい ちくまプリマー新書 2005年 どれも、農環研で重要な 研究課題である・・・ 面白い本だが、反論したい 池田清彦さんの疑問 外来植物とは? ★ • 稲も大豆もソバもダイコンも、全て外来 種 ・・・伝統食も文化も外来のもの・・・ • 今の農業はこのような「外来植物」を使っ て成り立っている。外来植物はむしろ農 業にとって不可欠なものである! 「外来」の定義、考え方に 誤解がある・・・一方的な考え ★大豆はツルマメから栽培化された日本原産の植物かもしれない CBD(生物多様性条約事務局)が2008年に作成した冊子(環境省訳) 生物多様性は農業の基盤 ←全ての作物・家畜 高等植物27,000種のうち、 7,000種を利用→主要30種 特に米、小麦、トウモロコシの3種 パキスタンの伝統的混合農法 (絨毯の絵) 環境省の見解 外来生物の定義 外来生物法(2005)で外来生物を定義 おおむね「明治元年」以降に我が国 に入ってきた生物 日本の外来植物の種数の増加 明治維新 第二次 世界大戦 終戦 したがって、 帰化植物 米、麦、さつまいも、大根等 は環境省の言う外来生物ではない (江戸時代より前に導入) 外来植物 明治維新以降、外来の植物 の導入が増加している! 狩山 (1987)+山下・榎本 (2007) この新たな導入・侵入を問題にしている 明治以降の「外来植物」も日本人の食生活に貢献している 明治以降に導入された野菜・果樹 • • • • • • • • • • トマト 白菜 タマネギ キャベツ レタス メロン ピーマン リンゴ キウイ オレンジ 年間売上高 約6兆円! 江戸時代に食べられていた野菜・青物 ・ダイコン(大根) ・ゴボウ(牛蒡) ・サトイモ(里芋) 野菜(青物)として、よめな(嫁菜)、たんぽぽ、 よもぎ(蓬)、はこべ(繁縷)、なずな(薺)、はは こぐさ(母子草)、つくし(土筆)、せり(芹)、くさ ぎ(常山)、うど(独活)、わらび(蕨)、ぜんまい (薇)、すべりひゆ(滑克)、あかざ(葱)、蓼、う こぎ、のびる、など・・・ リンゴも環境省の定義では「外来植物」! 日本で品種改良した「ふじ」が世界に広がり 有名・・・・日本の育種技術は世界一 生研センター「イノベーション創出基礎研究推進事業」技術シーズ開発型(一般枠) 平成20~24年度 (農環研、徳島大学、九州大学) 研究代表者 藤井義晴 アレロケミカルの探索と 新規生理活性物質の開発 国際共同研究を実施する国・地域 強いアレロパシーを示す植物 東南アジア アレロパシーの強い植物の利用 アレロケミカル由来の物質の利用 被覆植物利用 新除草剤開発 イスラム 南米 O O OH H H HO C HO H3C O O 安全性の高い 作用機構解明 O OH R O OH S O H HO HO 新たな除草剤 の出発物質 K O O H S O O-R 減農薬栽培の実施 農林業への貢献 環境保全・生態系の保護 生物多様性条約の目的のうち 2.生物多様性構成要素の 持続可能な利用 3.遺伝資源の利用から生じる 利益の公正かつ衡平な分配 共同研究とし、資源の略奪に ならないように配慮した研究 をしています アレロパシー(他感作用) Allelopathy 植物から放出される天然の物質が, 他の植物・微生物・昆虫・動物等に, 阻害・促進,あるいはその他の 何らかの影響,を及ぼす現象 アレロパシーは、植物に含まれる特殊な成 分の存在意義→除草剤、殺虫剤、殺菌剤 等を減らした有機農業に利用できる シラン 日本原産のラン(紫蘭) Bletilla striata Reichb.fil. 庭園や畦畔に植えると 雑草抑制能が高い ⇒被覆植物として有望 OH O HO HO O O OH O OH O O HO OH OH O O OH militarin Militarine O HO HO O OH O OH O O HO O O O HO OH OH O シラン粗抽出液の活性 militarin 純品の活性 1000 mg F.W./dish 300 mg F.W./dish 100 OH OH O OH OH dactylorhin A Dactylorhin A 100 mg F.W./dish 全活性=220 Inhibitory rate (%) 30 mg F.W./dish 10 mg F.W./dish 50 Militarineの EC50=100 mg/L (ppm) militarine EC50: 100~150 mg/L 含有量=生葉中0.6% 活性それほど強くないが、 ⇒アレロケミカルの本体 含有量が生葉中で0.6%と多い 3 mg F.W./dish 1 mg F.W./dish 0 1 10 100 Concentration (mg/L) 1000 10000 Sakuno al., Weed Sakuno et et al., Weed Biology and and Management, Management, Biology 10,press 202-207 (2010) in (2010) ヘアリーベッチ Vicia villosa Roth. アレロケミカルは H H N C N 果樹園 大潟村にて 1ha 水田(JAS認証) 中央アジア~欧州原産 シアナミド 生物界で初めての発見 殺虫・殺菌・除草・雑草の 休眠覚醒作用 レンゲに替わる緑肥、休耕地管理、 果樹園下草管理植物として普及 →約5000ヘクタールに普及 藤井義晴, 農業技術 50(5), 199-204 (1995) Kamo, et al., J. Chemical Ecol. 29, 275-283 (2003) H H HO HO C COOR COOR HO HO OH L-mimosine S OH OH CH CH22OH OH H O OH OH zeylanoxide A CH2OH OH HO HO O OH O HO C C CH3 HO O OH OH H 1,2-propanediol OH HO O O HO NH2 HO O OH HO R=α-L-Rha-(1→3')-β-D-Api-(1→4)-α-L-RhaOH HO O (1→2)-β-L-Ara (durantanin I) R=α-L-Rha-(1→3)-β-D-Xyl-[β-D-Api(1→3)] -α-L-Rha-(1→2)-β-L-Ara (durantanin II) R=α-L-Rha-(1→3)-β-D-Xyl-(1→4)-α-L-Rha(1→2)-β-L-Ara (durantanin III) 1-O-cis-cinnamoyl-β-D-glucopyranose HO COOH HO O O NH2 O H S COOH N OH H L-DOPA OH H3C N OH OH rosmarinic acid (-)-catechin HO CH2 H H COOH NH2 N C N cyanamide CH N L-tryptophan H3C N H juliflorine N 図 これまでに農環研で同定した有力なアレロケミカル 新しい作物の導入は国を強くし、歴史を変える 個人的な意見 ジャガイモ アンデス・中南米からヨーロッパに導入 +産業革命 → ヨーロッパの発展 ジャガイモの疫病で 開拓者、新大陸アメリカに移住 → 先住民から トウモロコシを教わる → アメリカの発展 コメ、サツマイモ → 日本・薩摩藩の発展 世界にはまだ知られていない植物がある アフリカにテフ、フォニオ、インドにバジラ、南米に キウイチャ、キノア(以上は穀類あるいは擬穀類) イモ類等で、南米に、ヒカマ、オカ、アラカチャ、マ シュア、オユコ、マウーカ、アキラ、ペカイなど・・・ テフ、Teff、<エチオピアの主食> Eragrostis tef (Zucc.) Trotter ★C4 植物, エチオピアで、紀元前3359年 に利用の記載がある。 イネ科 エチオピア以外では、インドとオーストラ リアで少量栽培されるのみ。 ★種子はたいへん小さい(穀物中で最小)。 ★パンをつくったり、発酵食品を作る。 発酵食品は、 ‘Enjera’ と呼ばれ、パンケーキの ようなパンでエチオピアでのみ食べられる。 パンはスポンジ状で柔らかく、酸味がある。 ★タンパク質含有量は13%。 河川敷で繁茂して問題となる外来植物のシナダレスズメガヤに近縁 アレロパシー活性、雑草抑制能強い Eragrostis curvula それ自身が雑草化する危険性も・・ キウイチャ(ヒモゲイトウ)<ペルーの穀物> Amaranthus caudatus L. ★南米(インカ)で、7000年以上前 から食用。ヒユ科(擬穀類)。C4 型で高い光合成能。 インカでは、トウモロコシに匹敵する重 要作物(現在も食べられている)。 ★日本に江戸時代に鑑賞用に伝来。 ★小麦、米、ソバを上回る栄養価。 タンパク質16%、脂質5.5% ★中央農業研究センター、九州農業試験 場等で研究 強害雑草のアオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)に近縁 アレロパシー活性は中程度 それ自身が雑草化する危険性は低いが 環境への影響に関する研究は必要・・・ ヒカマ Yam bean (Pachyrhizus erosus) アメリカでは1キロ3ドル、自然食品店で販売 • • • • • • • • • インカの人が食べていたイモ マメ科、耐虫性、雑草抑制 作用成分 ロテノン等(殺虫剤) O O 無農薬栽培可能 O (緑肥・食糧・雑草抑制) CH O Rotenone OCH メキシコ、カリフォルニアで市販 東南アジア(フィリピン、マレーシア、タイ)にも普及 → 日本でも、新たな食糧に! 高知大学・前田和美先生「トロピカルポテト」命名 3 3 CH2 C O CH3 一方、 牧草・緑化植物はほとんど外来種 イネ科 イタリアンライグラス(ネズミムギ)、ペレニアルライグラス(ホソムギ)、 オーチャードグラス(カモガヤ)、トールフェスク (オニウシノケグサ)、 ケンタッキーブルーグラス (ナガハグサ)、チモシー (オオアワガエリ)、 レッドトップ(コヌカグサ)、ウイーピングラブグラス(シナダレスズメガヤ)、 ダリスグラス(シマスズメノヒエ)、バミューダグラス(ギョウギシバ)、 ギニアグラス(ギニアキビ)、ナギナタガヤ マメ科 アルファルファ(ウマゴヤシ)、シロクローバ(シロツメクサ)、 アカクローバ(アカツメクサ) 牧草名:英語をカタカタ読みしたものが多い 和名:雑草化したときに呼ばれることが多い 牧草名(和名) 外来牧草・緑化植物が雑草化して、生態系・人間・農業に悪 影響を及ぼすとの報告がある(ホソムギ、ネズミムギが国立 公園に侵入、花粉症の原因、麦畑の雑草になる) しかし、畜産業に不可欠で代替がない植物もある→ リスク管理 が必要 リスク管理(リスクマネージメント) リスクの把握: どのようなリスクがあるのか調べる リスクの評価: 雑草性リスク評価法 発生頻度(P)と影響の程度(S)の 積でリスクの大きさを評価する リスクへの対策: ・リスクの種類に応じて対策を講じる ・リスクを最小限に抑える対策を取る 特定外来生物被害防止法 「外来生物法」 公布:平成16年6月2日(法律第78号) 法律の目的: 施行:平成17年6月1日 特定外来生物 による 環境省外来生物法ホームページ http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html 生態系、人命や健康、農林水産業への 被害を防止する。 この法律に貢献するために 「外来植物のリスク評価と蔓延防止策」 に関する研究を実施しました =リスクの把握・リスクの評価・その対策を行う研究 文部科学省科学技術振興調整費・重要課題解決型プロジェクト 外来植物のリスク評価と蔓延防止策 平成17年から19年まで3年間実施 参画研究機関:農環研(中核機関)、岡山大学、 畜産草地研、近畿中国四国農業研究センター、 雪印種苗、植調協会 研究費:3年間で5億円(人件費込み) リスクの把握 景観・調査情報システム(RuLIS)の活用 生物多様性の観点から調査研究の成果を 効果的に蓄積・利用するためのシステム 1 全国の農村景観(農 業生態系)を類型化 (60タイプ) 風土による景観、生物 相の違いを考慮した調 査・解析を行う 地形、土壌、気象、植生 等の自然立地条件や農 業立地条件を利用した 農業生態系の類型化 (3次メッシュ単位) legend 64 66 67 68 農業生態系の分類 利根川流域における6つのクラス ・全国の農業生態系を60のクラスに分類 ● 6-e 内陸部の水田景観 ● 6-f 下流域低地水田景観 *この地図はレベル3で表示 ● 6-g 下流域台地谷津田景観 ● 6-h 下流域台地市街地景観 2 関東地方(利根川流 域)の水田景観で生 態系をモニタリング 農環研で開発したRuLISというシステムを用いて どのような場所に外来植物が侵入しやすいのか 広域データと詳細デー タの結びつけと、生態 を明らかにしました 系の変化の解析を行う モニタリング地点における土地被覆分類等の調 査手順の汎用化、サンプルプロットにおける調査 手順の汎用化等、調査システムの確立 生態系に関するデータの収集 1.土地被覆の現況状況 2.土地被覆の変化の把握 3.地区内の植生把握 4.希少種の分布 5.外来種の分布 legend Monitoring Sites * RuLIS 利根川流域におけるモニタリング地点 current land cover 既存の植生調査データ等の収集 Rural Landscape Information System 楠本・山本他、平成19年度農環研主要成果 2 リスクの把握 セイヨウタンポポと雑種タンポポの全国分布(芝池ら2002) 4倍体雑種 3倍体雑種 雄核単為生殖雑種 セイヨウタンポポ 日本で普通に見られるセイヨウタンポポのほとん どは日本タンポポとの雑種であることを遺伝子レ ベルで明らかにしました→日本に近縁在来種が ある外来植物には注意が必要です 470個体(54.9%) 174個体(20.6%) 76個体(9.0%) 131個体(15.5%) 芝池ら、平成16年度農環研主要成果 24 リスクの評価 雑草性リスク評価法 オーストラリア方式の 雑草性リスク評価法 49項目の質問事項 →日本型に改造 点数による判定 10点超 「導入を避ける」 侵入する前に評価し、 リスクの高いものは 導入しないようにする 西田ら、平成20年度農環研主要成果 6 リスクの評価 表 外来植物の改良FAO方式による雑草性リスク評価 水 生 和名 植 物 3 ボタンウキクサ ミズヒマワリ 3 ブラジルチドメグサ 3 ナガエツルノゲイトウ 3 特定外来 アレチウリ 0 生物(現 (アゾラ・クリスタータ) 3 在指定さ オオフサモ 3 れている 3 オオカワヂシャ 12種) (スパルティナ・アングリカ) 3 ナルトサワギク 0 オオハンゴンソウ 0 オオキンケイギク 0 オオサンショウモ 3 ホテイアオイ 3 ギンネム 0 要注意外 キシュウスズメノヒエ 3 来生物 ハリエンジュ 0 (トップ8) オオカナダモ 3 セイタカアワダチソウ 0 キショウブ 3 今後導 ツノアイアシ 0 入・侵入 ナンバンアカバナアズキ 0 の可能性 ヒゲナガスズメノチャヒキ 0 のある植 アメリカタカサブロウ 3 物(トップ アメリカキンゴジカ 0 人間 同種に 活動 雑草 で広 がある がる 2 2 2 2 2 2 2 0 2 2 2 2 2 2 2 0 2 0 2 0 0 2 0 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 0 2 2 2 0 2 0 2 0 刺 他 人や動 や 感 物に有 針を 作 害有毒 持つ 用 0 0 1 0 0 1 0 0 1 0 0 1 1 0 1 0 0 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 1 1 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 1 1 0 0 0 1 0 1 0 0 1 0 1 1 0 0 0 1 1 1 0 0 1 1 0 1 0 0 0 0 1 0 栄 蔓性か 種子 切断や耕 改良 養 被覆力 寿命 耘・火入れ FAO 用途 繁 が強い 長い に耐性 点数 殖す 1 0 1 1 11 アクアリウム 1 0 1 1 11 1 0 1 1 11 アクアリウム 1 1 1 1 10 (不明) 1 1 0 1 9 (非意図的) 0 0 1 0 9 0 0 1 0 8 アクアリウム 0 0 0 0 7 0 1 0 0 6 未侵入 0 1 1 0 6 鑑賞用 1 1 0 0 5 鑑賞用 1 1 0 1 5 緑化植物 1 1 1 0 11 アクアリウム 1 1 1 0 10 アクアリウム 1 1 0 1 10 緑化植物 1 1 0 1 10 緑化植物 1 1 1 1 10 蜜源植物 0 0 1 1 10 アクアリウム 1 1 1 0 9 園芸植物 0 1 1 0 9 園芸植物 1 1 1 1 9 1 1 0 0 7 緑肥作物 1 1 0 1 7 0 1 0 0 6 0 1 1 1 6 侵入してしまったものに対して そのリスク・蔓延危険性を評価する ネット情報等から簡単に評価できる FAO方式雑草性リスク評価法を寄与率で評価し簡素化したもの 藤井ら、平成19年度農環研主要成果 6 ナガエツルノゲイトウに注意! 中国では水路に蔓延 大問題に! 最初は豚のえさに導入 日本でも、千葉県・兵庫県 などで急に広がりつつある リスクの評価 表8今後導入される可能性のある外来植物600種のアレロパシー活性の検定結果(抜粋) 表2.7 今後導入される可能性のある外来植物600種のアレロパシー活性の検定結果(抜粋、データは追加・変更の可能性あり) 学 名 和 名 科 名 アオイ科 イネ科 イネ科 ヒメヌカボ イネ科 イトコヌカグサ イネ科 イネ科 イネ科 イネ科 イネ科 イネ科 イネ科 イネ科 ヒロードアオイ アオイ科 ヒユ科 イヌビユ ヒユ科 オオホナガアオゲイトウ ヒユ科 ヒユ科 ヒユ科 ヒユ科 セリ科 イネ科 イネ科 アオイ科 セリ科 セイヨウヌカボ イネ科 セリ科 アザミゲシ ケシ科 セリ科 クロガクモメンヅル マメ科 カラスムギ イネ科 イネ科 シグナルグラス イネ科 イネ科 イネ科 イネ科 イネ科 チャボチャヒキ イネ科 イネ科 アレチノチャヒキ イネ科 ナガミノアマナズナ ツバキ科 アブラナ科 セリ科 ヤグルマギク類 セリ科 セリ科 ベニバナセンブリ リンドウ科 ハナハマセンブリ リンドウ科 ムラサキチョウマメモドキ マメ科 ミミナグサ ナデシコ科 オランダミミナグサ ナデシコ科 ヤナギラン アカバナ科 ローズグラス イネ科 キク科 セリニガナ セリ科 サントリソウ セリ科 トモシリソウ アブラナ科 ヤクヨウトモシリソウ アブラナ科 ドクニンジン セリ科 ルリヒエンソウ キンポウゲ科 セリ科 イネ科 レモングラス イネ科 タマガヤツリ カヤツリグサ科 カヤツリグサ科 カモガヤ イネ科 タツノツメガヤ イネ科 ヨウシュチョウセンアサガオ ナス科 コメススキ イネ科 マメ科 ゴマノハグサ科 イネ科 イネ科 アブラナ科 マツムシソウ科 マツムシソウ科 マツムシソウ科 イネ科 イネ科 SW法 DP法 PB法 総合評価 学 名 和 名 31 105 21 1 Echinochloa frumentacea 1 Echinochloa hispidula 111 27 60 119 60 0 Echinochloa oryzzoides ノゲタイヌビエ 44 0 Echinochloa utilis 97 29 36 1 Echium italicum 90 24 42 0 シャゼンムラサキ 106 43 Echium plantagineum 46 0 シベナガムラサキ 88 43 Echium vulgare 43 0 100 43 Eclipta alba 56 0 106 37 Eclipta erecta 41 134 95 0 Eclipta prostrata 64 0 シコクビエ 91 61 Eleusine indica 31 88 38 0 Emex australis 63 イヌスイバ 0 Emex spinosa 41 109 41 47 106 50 0 Erodium cicutarium 0 Erysimum orientale 40 107 30 25 76 53 1 Eupatorium cannabinum タイワンヒヨドリ 0 31 100 60 Euphorbia corollata 42 86 64 0 Euphorbia cyparissias 0 27 100 31 Euphrasia rostkoviana 44 92 15 1 Festuca arundinacea 2 86 7 Festuca ovina 21 96 24 1 Fimbristylis littoralis 50 0 44 89 64 Fimbristylis milliacea 41 59 57 1 Fumaria capreolata ニセカラクサケマン 1 96 34 Galium mollugo 24 0 93 48 Geranium molle 56 1 38 98 24 Geranium pratense 0 34 123 39 Geranium pusillum 1 23 95 35 Geranium pyrenaicum 1 32 101 16 Geranium robertianum 95 10 1 Geum rivale 38 2 88 28 24 Geum urbanum 79 29 0 Guizotia abyssinica キバナタカサブロウ 41 0 アレチガラシ 115 43 Hirschfeldia incana 58 85 27 1 Holcus lanatus シラケガヤ 58 1 ヒヨス 98 18 Hyoscyamus niger 78 105 22 2 20 Hypochaeris glabra 0 ブタナ 83 63 Hypochaeris radicata 36 65 20 3 Ipomoea aquatica 23 1 Ipomoea hederacea 28 95 22 26 48 37 2 Ipomoea lacunosa 0 ハマタイセイ 39 106 57 Isatis tinctoria 33 83 29 0 Juncus articulatus 0 40 91 84 Juncus bufonius 1 53 0 60 Kichxia commutata 1 Lathyrus latifolius 28 11 70 0 40 105 46 Lathyrus nissolia 1 Lathyrus phaseoloides 20 98 47 オオミゾカクシ 0 Legousia speculum veneris 55 105 55 1 Leontodon autumnalis 17 106 40 0 100 47 Leontodon hispidus 31 42 95 85 0 Leontodon taraxacoides カワリミタンポポ コショウソウ 0 Lepidum sativum 74 91 47 46 69 48 1 Lespedeza striata フランスギク 2 Leucanthemum vulgare 37 20 28 15 115 28 2 Lolium multiflorum 1 Lolium rigidum 33 85 25 42 61 13 2 Lolium temulentum 0 39 100 59 Lotus corniculatus 39 90 47 0 Lupinus perennis 0 126 39 47 Lychinis viscaria 35 74 75 1 Malva alcea 0 Malva hirsuta 62 95 77 86 32 0 Malva neglecta ゼニバアオイ 39 ウサギアオイ 2 Malva parviflora 107 20 16 ニガハッカ 2 Marubium vulgare 33 63 10 0 105 82 Matricaria discoidea 45 1 77 94 24 Matricaria inodora 0 44 104 38 Matricaria maritima 0 27 111 58 Matricaria perforata 115 82 0 Matricaria recutita 50 2 Matricaria suaveolens 22 90 27 112 83 0 Medicago lupulina 66 0 54 130 58 Medicago sativa 66 116 77 0 Melandrium album マツヨイセンノウ 1 99 71 Melandrium rubrum 26 90 42 1 Melilotus albus シロバナシナガワハギ 23 注1)SW法は葉から溶脱する物質による活性を、DP法は葉から揮発する物質による活性を、PB法は根から滲出する物質による活性を示す。 注2)表注の数字は、検定植物レタスの生育率(%)を表しており、数値が小さいほどアレロパシーによる阻害活性が強いことを示す。 注3)判断基準は、それぞれの活性の全てのデータの平均値から標準偏差を引いた値よりも小さい場合、活性が強いとした。 Abutilon theophrasti Aegilops cylindrica Agropyron repens Agrostis canina Agrostis capillaris Agrostis castellana Agrostis gigantea Agrostis stolonifera Agrostis tenuis Alopecurus geniculatus Alopecurus myosuroides Alopecurus pratensis Althaea officinalis Amaranthus albus Amaranthus lividus Amaranthus palmeri Amaranthus rudis Amaranthus spinosus Amaranthus thumbergii Ammi majus Anisantha madritensis Anisantha rigida Anoda cristata Anthriscus caucalis Apera spica-venti Arctium minus Argemone mexicana Artemesia vulgaris Astragalus danicus Avena fatua Avena sterilis Brachiaria decumbens Bromus arvensis Bromus hordeaceus Bromus lanceolatus Bromus racemosus Bromus rubens Bromus secalinus Bromus sterilis Camelina sativa Cardamine pratensis Cenchrus longispinus Centaurea maculosa Centaurea phrygia Centaurium erythraea Centaurium tenuiflorum Centrosema pubescens Cerastium frontanum Cerastium glomeratum Chamaenerion angustifolium Chloris gayana Chrysanthemum parthenium Cichorium intybus Cnicus benedictus Cochlearia danica Cochlearia officinalis Conium maculatum Consolida orientalis Crepis capillaris Criteson secalinum Cymbopogon citratus Cyperus difformis Cyperus fuscus Dactylis glomerata Dactylocenium aegyptum Datura stramonium Deschampsia flexuosa Desmodium ovalifolium Digitalis purpurea Digitaria adscendens Digitaria ischaemum Diplotaxis muralis Dipsacus fullonum Dipsacus pilosus Dipsacus sylvestris Echinochloa colonum Echinochloa crus galli イチビ ヤギムギ 科 名 SW法 DP法 イネ科 イネ科 イネ科 イネ科 ムラサキ科 ムラサキ科 ムラサキ科 セリ科 セリ科 セリ科 イネ科 タデ科 タデ科 フウロソウ科 アブラナ科 セリ科 トウダイグサ科 トウダイグサ科 ゴマノハグサ科 イネ科 イネ科 カヤツリグサ科 カヤツリグサ科 ケシ科 アカネ科 フウロソウ科 フウロソウ科 フウロソウ科 フウロソウ科 フウロソウ科 バラ科 バラ科 セリ科 アブラナ科 イネ科 ナス科 セリ科 セリ科 ヒルガオ科 ヒルガオ科 ヒルガオ科 アブラナ科 イグサ科 イグサ科 ゴマノハグサ科 マメ科 マメ科 マメ科 キキョウ科 セリ科 セリ科 セリ科 アブラナ科 フトモモ科 セリ科 イネ科 イネ科 イネ科 マメ科 マメ科 ナデシコ科 アオイ科 アオイ科 アオイ科 アオイ科 シソ科 セリ科 セリ科 セリ科 セリ科 セリ科 セリ科 マメ科 マメ科 ナデシコ科 ナデシコ科 マメ科 38 46 25 22 73 28 39 82 96 77 19 60 57 69 39 37 18 80 63 35 61 47 33 27 39 77 57 72 82 56 73 56 37 17 20 14 81 78 25 45 75 42 54 49 15 23 47 36 42 51 69 50 36 68 35 24 29 50 40 68 48 26 24 21 12 26 63 70 32 65 30 50 45 28 58 37 13 109 109 94 131 89 129 107 124 96 107 135 107 92 131 111 97 64 136 97 110 97 127 100 153 100 77 104 117 89 98 115 102 115 112 100 27 101 88 96 84 109 71 88 111 92 110 77 122 115 96 130 74 94 138 113 84 114 118 18 115 99 108 100 48 88 107 119 110 110 108 98 93 88 91 93 109 61 PB法 総合評価 55 68 30 54 41 43 46 79 62 79 22 54 69 21 16 48 17 39 75 61 29 79 85 30 54 21 38 37 39 33 72 74 65 22 46 47 79 69 57 66 72 25 83 40 59 59 43 40 37 72 61 51 38 27 61 56 81 60 61 36 32 54 81 29 34 83 92 57 47 102 61 94 28 39 28 31 29 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 2 0 0 1 1 0 3 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 2 1 2 0 0 1 0 0 2 0 0 1 1 0 0 0 0 0 1 0 1 0 1 0 0 1 0 0 1 1 2 1 1 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 2 学 名 Melilotus officinalis Melilotus sulcata Mentha arvensis Myosotis arvensis Nicotiana sylvestris Oenanthe crocata Oenothera erythrosepala Onobrychis viciifolia Ononis spinosa Panicum clandestinum Panicum miliaceum Panicum virgatum Papaver dubium Papaver hybridum Paspalum scrobiculatum Pennisetum glaucum Phalaris aquatica Phalaris canariensis Phalaris minor Physalis alkekengi Picris echioides Pimpinella anisum Plantago lanceolata Poa pratensis Poa trivialis Poterium sanguisorba Prunella vulgaris Puccinellia distans Pueraria javanica Ricinus gibsonii Rorippa austriaca Rottboellia exaltata Rubus fruticosus Rumex conglomeratus Rumex crispus Rumex hydrolapathum Rumex patientia Rumex rupestris Rumex sanguineus Rumex stenophyllus Sagina subulata Salvia hormoroides Sanguisorba minor Senecio jacobaea Senecio vulgaris Sesbania exaltata Setaria faberi Setaria macrostachia Setaria verticillata Setaria viridis Sida alba Sida rhombifolia Sida spinosa Sison ammonum Sorghum bicolor Sorghum sudanense Spergularia bocconei Sporobolus cryptandrus Stachys annua Tanacetum vulgare Tephrosia purpurea Trifolium album Trifolium arvense Trifolium campestre Trifolium dubium Trifolium pratense Tripleurospermum maritimum Verbascum nigrum Verbascum thapsus Verbena officinalis Veronica anagalloides Veronica persica Vicia hirsuta Vulpia bromoides Vulpia myuros Xanthium spinosum Xanthium strumarium 和 名 科 名 セイヨウエビラハギ マメ科 マメ科 シソ科 ムラサキ科 ナス科 セリ科 アカバナ科 マメ科 ハリモクシュク マメ科 イネ科 イネ科 イネ科 ナガミヒナゲシ ケシ科 トゲミゲシ ケシ科 イネ科 トウジンビエ イネ科 オニクサヨシ イネ科 カナリークサヨシ イネ科 ヒメカナリークサヨシ イネ科 ヨオシュホウズキ ナス科 ハリゲコウゾリナ セリ科 アニス セリ科 ヘラオオバコ オオバコ科 イネ科 イネ科 オオスズメノカタビラ バラ科 シソ科 アレチタチドジョウツナギ イネ科 マメ科 アカネ科 ミミイヌガラシ アブラナ科 ツノアイアシ イネ科 バラ科 アレチギシギシ タデ科 タデ科 タデ科 タデ科 タデ科 タデ科 タデ科 ナデシコ科 シソ科 オランダワレモコウ バラ科 セリ科 ノボロギク セリ科 マメ科 アキノエノコログサ イネ科 イネ科 ザラツキエノコログサ イネ科 エノコログサ イネ科 アオイ科 アオイ科 アオイ科 セリ科 ソルガム イネ科 スーダングラス イネ科 ウシオハナツメクサ ナデシコ科 イネ科 シソ科 ヨモギギク セリ科 マメ科 マメ科 マメ科 マメ科 コメツブツメクサ マメ科 アカツメクサ マメ科 セリ科 ゴマノハグサ科 ビロードモウズイカ ゴマノハグサ科 クマツヅラ科 ゴマノハグサ科 ゴマノハグサ科 スズメノエンドウ マメ科 イネ科 ナギナタガヤ イネ科 セリ科 セリ科 外来植物のアレロパシー活性の検定 外来植物の他感作用の検定 (特異的な検定手法を用いた) SW法 DP法 2 1 32 64 71 25 65 64 45 39 58 45 44 17 40 36 49 50 26 60 54 25 76 53 32 63 76 15 38 45 16 63 24 73 72 79 84 76 71 55 31 59 70 42 37 16 24 25 28 19 9 35 58 72 21 38 36 51 32 38 22 29 51 59 52 56 59 72 69 77 52 39 29 46 18 21 42 62 37 75 88 100 95 113 105 68 95 81 104 98 104 112 113 42 94 86 88 109 100 101 122 119 89 86 20 122 102 78 108 90 92 147 95 96 103 128 123 81 103 83 141 103 99 124 99 71 86 114 100 121 114 80 30 99 122 106 80 133 110 121 119 82 110 98 126 101 87 148 117 77 81 81 104 120 PB法 総合評価 19 30 97 37 40 93 47 49 32 39 31 62 25 17 65 30 26 34 39 40 46 56 75 55 34 47 91 64 33 75 53 35 67 85 70 75 60 78 82 70 53 23 70 43 77 45 23 37 29 26 51 71 46 56 21 18 44 30 54 93 35 15 48 42 21 65 70 43 24 82 97 46 3 46 30 64 79 3 2 1 0 0 1 0 0 1 0 0 0 1 2 0 0 2 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 2 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 2 1 1 2 1 0 0 0 2 2 0 0 0 0 1 1 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 1 0 1 1 0 近い将来導入・侵入が予想される外来植物・ワイルドフラ ワー類約600種の他感作用活性を検定した →リスク評価のためのデータベース構築に貢献 藤井義晴:「外来植物のリスクを評価しその蔓延を防止する」、pp.19-60、 「外来植物のリスク管理と有効利用」、養賢堂、pp.61-78 (2008) リスクへの評価 http://www.rib.okayama-u.ac.jp/wild/index.sjis.html 外来植物64科554種を記載した データベースを完成(岡山大学) 写真・検索機能付き 日本で普通に見られる外来植物を収蔵 カバークロップデータベース 今後導入される可能性がある外来 植物800種について、試験的に栽 培し、種子生産量、草丈・開花・出 穂・群の広がりを調査した。種子の 形態、百粒重、大きさ、飛散・布付 着性も測定した。 これらの情報をまとめた図鑑を作成 した(未公開) 雑草化に関する基礎データ になるので、今後データベー ス化して公表したい 今年は予算がつかず・・・ リスクの評価 特に危険な外来植物 ①水生植物 (川や水路で急に蔓延する) ②種子が多産で雑草化しやすいもの ③有毒成分、花粉症成分、アレロケミ カル、トゲを持つもの ④農地や国立公園等に侵入する雑草 ⑤人間が好み、つい播いてしまうもの 「かわいい」ものに気を許さないこと ナガミヒナゲシなど・・・ ケチョウセンアサガオ (Datura inoxia) 種子10~20粒 でも子供なら死 ぬことがあると 種子を容易に いわれる つけ、すぐ発芽 マウス 経口毒性 LD50:80mg/kg 全草に有毒成分(アトロピン) を含み人畜に有害 有毒物質は、ごく少量でも、 生態系における他の生物や 人間への影響が大きい H3C N H OH H O atropine O ツノアイアシ:(Rottboellia cochinchinensis) アレロパシー活性が強く他の植物の生育を阻害する 種子が鱗状 に剥がれて、 容易に再生 茎にガラス状 のトゲがあり、 皮膚に刺さる と痛い(危険) 温暖化で増加 藤井ら、平成19年度農環研主要成果 6 東南アジアで問題雑草。沖縄に既に侵入あり。 ナギナタガヤ (Vulpia myuros (L.) C. C. Gmel). OH O O HO (-)-3-hydroxy-beta-ionone 欧州~中央アジア 原産のイネ科被覆 植物。愛媛県等で、 ミカン園等の下草と して雑草防除に利用 され農家に好まれる (+)-3-oxo-alpha-ionol 種子による再生産能が旺盛で 強いアレロケミカルを含むこと が明かとなったので、雑草化 リスクを研究する必要がある 藤井ら、平成21年度農環研主要成果 8 Kato et al., Plant Growth Regulation 60:127-131(2010) ナガミヒナゲシ 花が美しいので播く人もいる ①ナガミヒナゲシはアレロパシー活性が強く、改良FAO方式で 評価した侵入後の雑草化リスクも大きい。 ②現在日本全土に急速に分布を広げており、農地への侵入も みられるようになった。 ③種子は一株から15万粒も生産され、未熟種子からの再生 も可能、梅雨時に車のタイヤにくっつき道路沿いに広がる。 ④防除には開花前の駆除が重要。 ロゼット葉 花と未熟な実 (赤い円内) 藤井ら 実の中の種子 完熟した実 平成21年度農環研主要成果 10 リスクへの対策 被覆植物としてソバを使った 生物除草の検討事例 (独)農業環境技術研究所 無処理区 除草剤→ソバ区 春先に発生してきたオオブタクサを一度除草剤で枯らした後、 ソバを播種して被覆することで後から発生するオオブタクサを抑えた → 種子供給場所となっている河川敷内の放棄畑などでの活用を リスクへの対策 平舘らによる成果 場所のリスク 外来植物が発生しやすい土壌環境 外来植物 は人為的 攪乱のあ る所に発 生する 高い 有効態リン酸 外来植物が分布する領域 農業活動 中程度 在来植物が分布する範囲 低い 土木工事などによる表土の撹乱 酸性 中性 アルカリ性 土壌pH 外来植物の蔓延防止策へのヒント!? 土壌の化学的特性を もとの自然状態へ戻す 在来植生の回復 外来植物の蔓延防止 平舘俊太郎ら、平成20年度農環研主要成果 7 個人的な意見 世界中で、日本人ほど、いろいろなも のを食べている民族はない。 日本には世界中の美味しいもの、良いものが集まっている 日本人には、新しいものを受け入れる 勇気と好奇心があった。 危機をバネにして、しぶとく生き残る柔軟性がある 古いモノを大切にしながら、新しい モノ(植物)も積極的に導入したい 新たな生物資源の導入は重要 そのリスクに関する研究が必要である 37 しかし、外来種のリスク研究は縮小→なくなりそう→助けてほしい
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