「赤・青めがね」で遊ぶ 青森・野呂茂樹 1 赤青めがねを作る 赤・青セロファンで作ります。 上下に窓があるタイプと左右に窓があるタイプ (一般タイプ)を作りましょう。 一般タイプだけでも、構いません。 一般タイプの窓の大きさは、 (4~5cm)×(2~3 cm)程度がよいでしょう。 2 色鉛筆の色を観察する 白紙に色を塗ります。黒枠の中にも塗りまし ょう。 赤と青めがねで見てみましょう。見えない色 がありますね。 色が消えたのではないのです。見えない色は セロファンを通っています。 例えば、赤セロファンでは赤色付近の色が消 えたように見えますが、赤セロファンは赤付近の光を通しそれ以外の光を通しません。 また、赤絵の具は赤付近以外の光を吸収しますので、太陽の光(白色光)を当てる と、赤付近の光だけが反射します。白紙は赤∼紫と全ての可視光線を反射しますが、 赤セロファンは赤付近の光だけを通過させます(それ以外は吸収してします)。 そのため、白紙からの赤と絵の具からの赤の光が目に入り、区別がつかなかったので す。黒枠の中の赤絵の具は赤みがかった白に見えますね。 3 赤色と空色で絵を描く 文具店で市販されている青セロファンの多くは、絵の具を見 ると「青色」でなく「空色」が消えたように見えることが多い ようです。そのため、 「空色」を用いました。 絵を描いて、赤と青めがねで、交互に見てみましょう。 絵が消えたり現れたりして、楽しいですね。 赤色と空色を重ねたり、別な色も使った絵を描いて、 めがねで見てみましょう。 4 立体絵を描く 赤色と空色で左右にずれた同じ物体の絵を 描きます。手前の物体は、ずれを大きくしま す。一般的な赤青めがねで見てみましょう。 物体が浮き上がって見えますね。 5 色のついた影 2つの懐中電灯に赤と青セロファンをかぶせ、 物体の影を白い壁に映します。 色のついた影が映ります。注意して見ると、赤の電 灯の影は、「青」ですね! 電灯は強力タイプが適しています。 100 円ショップで販売されている、自転車用電灯が 使えます。前面のレンズ部分は穴をあけ取り除きます。反射板には黒い紙を貼り付け ます。電球は先端がレンズ状でない、丸電球が適します。セロファンは2重にした方 がよいでしょう。 赤、青、緑の3つ光源を作ると、 「光の加法混合」 「補色」 「選択吸収」などの実験が できます。多面体の物体の光を当てると、とてもきれいです。 6 立体影絵 赤・青の2つの点光源を近づけ、物体の影を白い壁に映しま す。この影を一般タイプのめがねで見ると、影が宙に浮いて見 えます。 とても不思議です! 7 立体写真 赤青めがねで見られる立体写真を 写しましょう。同じ対象を、数 10cm 右(左)に移動して撮影します。これ をアナグリフ画像作成ソフトで1枚 に合成します。赤青めがねで見ると、 立体に見えます。 1台のデジカメを使って、赤青めがね用の立体写真を作れるアナグリフ画像作成ソ フト「Anaglyph Maker」(STEREO eYe)は、インターネットからダウンロードでき ます。(簡単に立体写真ができる優れたソフトです。フリーウェアです) 。 【参考文献】 ・「遊びの博物誌」「新・遊びの博物誌」 坂根巌夫 朝日新聞社 ・「からだのふしぎ」 藤田千枝監修 赤藤由美子著 フレーベル館 ・あかいめがねでみるえほん「ふしぎなうみ」 「まほうのもり」 ・「三つの色のふしぎなぼうけん」 村田道紀 アネット・チゾン&タラス・テーラー著 竹林亜紀訳 ・「絵を映す魔法の杖」 「第 220 号 「第 158 号 裸眼で ・ 多くの Web ページ 評論社 広井ら共訳 丸善 ・よせなべ物理サークルニュース 原色」 偕成社 「第 191 号 虹は何色?」 「第 191 号 影が立体となって宙に浮く」 立体視」 いずれも 「第 158 号 光の三 立体影絵」 野呂茂樹 「立体写真」「立体視」「アナグリフ」などで検索
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