審査ガイド - Afnor

審査ガイド
QSE(品質・労働安全衛生・環境)
マネジメントシステム
クライアント・審査員用
2013 年版
AFNOR Certification – Head Office : 11, rue Francis de Pressensé – 93571 La Plaine Saint-Denis Cedex – France
T. +33 (0)1 41 62 80 00 – F. +33 (0)1 49 17 90 00
Simplified joint-stock company with a capital of 18 187 000 euros – Incorporated in the Bobigny Register of Compamies under number 479 076 002
審査ガイド –クライアント&審査員
目次
1. 関連用語・定義・使用される略語 ............................................................................................... 6
1.1. 審査報告書の関連用語 ............................................................................................................................ 6
1.2. マネジメントシステム審査の関連用語 ......................................................................................................... 7
1.3. 略語 ........................................................................................................................................................ 9
2. 審査の種類 ............................................................................................................................ 11
2.1.
2.2.
2.3.
2.4.
2.5.
2.6.
初回審査:第一段階審査と第二段階審査 ................................................................................................. 11
定期審査 ............................................................................................................................................... 11
再認証審査(更新審査は同義語) ............................................................................................................ 11
特別な審査 ............................................................................................................................................ 12
文書の検証(不適合のクローズ) .............................................................................................................. 13
抗議と苦情 ............................................................................................................................................ 13
3. 審査の流れ ............................................................................................................................ 14
3.1.
3.2.
3.3.
3.4.
3.5.
3.6.
3.7.
3.8.
3.9.
3 年間に渡る審査サイクルの提示 ............................................................................................................ 16
審査の開始............................................................................................................................................ 17
文書レビュー .......................................................................................................................................... 20
審査計画書の準備 ................................................................................................................................. 24
現地審査の実施..................................................................................................................................... 27
QSE の審査報告書の準備、承認及び送付 ............................................................................................... 32
認証判定の上申と判定結果の通知 .......................................................................................................... 33
審査後のフォーローアップ ....................................................................................................................... 34
審査サイクルの終了 ............................................................................................................................... 35
4. 多数サイトがある組織のサンプリング審査の特徴 .................................................................... 36
4.1. 定義(IAF MD 1:2007 より抜粋) ................................................................................................................ 36
4.2. 審査リーダーが記入する多数サイト審査の報告書..................................................................................... 37
5. QSE 審査報告書の構成.......................................................................................................... 38
5.1. QSE 審査報告書の特徴 .......................................................................................................................... 39
5.2. QSE 審査報告書の構成 .......................................................................................................................... 39
6. QSE 審査報告書のテンプレート説明 ....................................................................................... 40
6.1. 事前レビュー及び審査計画書 .................................................................................................................. 40
6.2. 不適合報告書(軽微、または重大) ............................................................................................................ 40
6.3. オープニング/クロージング会議 ............................................................................................................... 42
7. マネジメントシステムの成熟度評価 ......................................................................................... 43
A – マネジメントの責任................................................................................................................................. 44
B – 資源のマネジメント................................................................................................................................. 44
C – 製品実現及び運用マネジメント ............................................................................................................... 44
D – 測定、分析及び改善................................................................................................................................. 44
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審査ガイド –クライアント&審査員
8. 本手引書の付属書 ................................................................................................................. 48
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審査ガイド – クライアント&審査員
序文
本ガイドの最新版の主な変更事項は下記の通りである。

・

・
・
・
本ガイドの変更点・追加点については、青で記載。審
査員用審査ガイドもしくは顧客用審査ガイドから転載
され、変更のない箇所については黒で記載。
QSE 審査ガイドは、顧客と審査員の両方を対象に、
一冊のガイドとしてまとめられている。これは、同じ情
報を共有し、QSE マネジメントシステムの審査につい
て同じ理解を得るようにするためである。審査員に必
要な情報は、別冊『審査ガイド付属書 1(審査員用)』
に記載している。
認証機関は認証業務において、ISO17021 2011 版を
参照する。
本手引書は、2013 年 6 月に改版された QSE 審査報
告書の定型書式第 6 版に適用する。

不適合報告書において、根本的な原因の分析
と是正処置の提案とを区別する
オープニングおよびクロージングミーティングは
トップマネジメントの参加を必須とする
「環境特記事項」と「OH&S 労働安全の特記事
項」は別々に分ける
審査報告書を書くために必要な手引書と定型書式は、
AFNOR Certification より、フランス語と英語で発行してい
る。
審 査 報 告 書 の 定 型 書 式 は 、 認 証 機 関 AFNOR
Certification より発行されたものを AFNOR グループ内の
他の認証機関(AFNOR UK)でも使用し、また、他の言語に
翻訳して使用している。このため、国際的には英語版が
最も使用頻度が高い。
このガイドは認証機関のITシステムの情報は含んでいな
い。フランス国外の組織はフランス国内の組織とは異なる
ソフトウェアやデータベース、そしてコミュニケーション方法
を採用していることから、IT システム関連の情報について
の記載は 本ガイドより除外されている。このため、IT ガイ
ドはそれぞれの国及び認証機関で作成することとし、審査
員は自分が所属する認証機関と連絡を取り、確認するこ
と。
審査員は、本手引書が発行された日より、記載されてい
る内容に従わなければならない。
認証組織である AFNOR Certification のみに適用
される個別規定はこの部分のような(グレーで囲
まれた)背景のページ枠に表示されている。
審査に関する主要な変更点:
・ オープニングとクロージングミーティングは、トップマ
ネジメントの参加を必須とする
・ 審査のオープニングミーティングにおいて、幅広い側
面(業務の安全性、緊急時および安全対策等、審査
を通じて確認する)を、より詳細にレビューする
・ 報告書の定型書式に関する変更点は、以下に要点を
示す。
 前回審査の不適合(NCR)の個数を記入する
 審査適合証拠(Note)を示す
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審査ガイド – クライアント&審査員
はじめに
本手引書は以下のマネジメントシステ
2012 年 1 月版 QSE 報告書と 2011 年度版 報告書定型書式との移行に関
する規定:
ムすべての審査に作成される。
・
品質マネジメントシステム: ISO
9001:2008)
・
労働安全衛生マネジメントシステ
ム: OHSAS 18001: 2007、ILOOSH: 2001
環境マネジメントシステム: ISO
14001: 2004
・
報告書の定型書式は最新版を使用する。しかしながら、報告書の改定前に初回、もしくは再認
証審査で作成されたものは、データ移行を行わず、当サイクル期間中は古いバージョンの使
用を認める。(エクセル形式のファインディングシート、環境特記事項、OH&S 労働安全の特記
事項がこれに該当する)。
上記マネジメントシステムの 複
合または単独のシステム
・
AFNOR グループは、グループ内の全認証機関のマネジメントシステム審査に対し、同一の報
告書定型書式を適用する。
他のマネジメントシステムに関す
る追加付属書については第 8 章
で述べる
AFAQ ロゴの変更:
新しい認証ロゴマーク(AFAQ ロゴ)の使用は、2011 年 1 月より開始している。新しいロゴへの
移行期間は 3 年間あり、2014 年 1 月以降は新しい AFAQ ロゴを使用しなければならない。
AFAQ ロゴの使用規則 『AFAQ USER CHARTER CERTIF 0974 2013 版』を参照。
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審査ガイド – クライアント&審査員
1. 関連用語・定義・使用される略語
下記の定義や略語は ISO 17021 の第 3 章に記載されている定義を補足するものである。
1.1. 審査報告書の関連用語
懸念領域 / (AOC)
Area of Concern
現時点では規格の要求事項に適合しているが、組織が、短期又は中期の内に、規格の
要求事項を満たすことができなくなる危険性がある。
·
·
·
重大な不適合 /
(Maj NC)
Major Nonconformity
懸念領域の原因となるリスクや事例を、組織に通知する。
懸念領域は、
 審査チームが作成するファインディングシートに理由を記載する
 審査チームより懸念領域と定義された指摘事項は、アフノール本
部の判定で軽微又は重大な不適合のいずれかとして、再定義され
ることはない。
次回の審査において懸念領域はクローズを確認しなければならない。
マネジメントシステムの重要かつ特定の規格要求事項を満たしていない。
重大な不適合がクローズされない限り、登録証の発行、マネジメントシステムの維持もし
くは更新をすることは出来ない。
マネジメントシステムによって、考慮されるべきリスクは異なった利害関係者を対象とし
ている。
· 品質の場合、主に顧客が対象である。
· 安全衛生の場合、主に社員が対象である。
· 環境の場合、広域の意味で社会全体が対象である。
軽微な不適合 /
( Min NC)
Minor Nonconformity
マネジメントシステムの重要なリスクの構成要素ではない規格要求事項に対する不満
足。 マネジメントシステムの有効性又は改善を危うくしかねない要求事項の不満足。
軽微な不適合がクローズされていない場合でも、審査チームリーダの推薦に基づき、登
録証の発行、マネジメントシステムの維持もしくは更新をすることが出来る。
但し、一連(複数)の軽微な不適合がクローズされていなかった場合、アフノール本部の
判定で重大な不適合と再定義する場合がある。
適合証拠 /
(Note) 略語
Note of Conformity
適合証拠もしく Note は、観察された審査基準の適合性を示すものである。
Note は以下の場合に使用される
·
審査基準への適合性を示す
·
「審査するべき特定事項」への回答(「事前レビュー及び審査計画書」参照)
·
マネジメントシステム内の特筆すべき事例
·
審査中の観察を記録する
·
指摘事項(SP、OFI、AOC、Min NC、Maj NO)の下に Note を記録する
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審査ガイド – クライアント&審査員
改善の機会(OFI)
Opportunity for
Improvement
組織が改善できる機会を提供する、
·
審査規格の要求事項や基準以上の運用をしている
·
審査規格の要求事項を超えることなく、マネジメントシステムのパフォーマンスを向
上する
審査員への注意:
·
·
·
充実点(SP)
Strong Point
改善の機会とアドバイスの違いをはっきり認識すること。 審査員はアドバイスの提
供は慎むこと。
改善の機会(OFI)と懸念領域(AOC)の違いを認識すること。
改善の機会(OFI)を取り入れるか否かは、クライアント組織の任意である
(必須ではない)。
組織は、審査規格の要求事項以上の運用をしている、又はパフォーマンス、方法、テク
ニックに際立った側面がある。
充実点とは、
· マネジメントシステムの要素が審査の要求事項を超えている
· 審査の要求基準を超過しないが、クライアント組織が特筆すべきパフォーマンスを
模範的に実施している場合
1.2. マネジメントシステム審査の関連用語
アドバイス:
マネジメントシステムの発展、実施、そして維持に対してアドバイスを行う。
注意 :
審査員は、倫理的な理由から口頭、文書による記述を問わず、審査活動中にアドバイ
スを提供してはならない。
審査業務依頼
アフノールジャパンより、審査員に業務を依頼する文書。実施すべき審査の目的、内
容、特定事項(認証機関に寄せられた組織に対する苦情の処理など)を記載したものを
送付する。
審査の基準
審査の標準
審査基準
[審査の基準]、そして[審査の標準]という用語は類義語である。ISO17021 :2011
9.1.2.2.4 には[審査の基準]という用語が使われている。
の
審査の基準とは、クライアント組織側(文書化されたマネジメントシステムの要求に沿っ
て 、 方 針や 手 順を 定 め )が 参 照 する 、 一 つ又 は 複数 の 国 際規 格 (ISO 9001:2008,
OHSAS 18001:2007, ILO-OSH 2001、ISO 14001:2004)である。
[審査の標準]と[規格]、または規格の内容は混同しないこと。審査の所見は[審査の基
準]に則って記入されなければならない。
審査サイクル/
審査プログラム
マネジメントシステムの審査は、原則 3 年間(1 サイクル)は同じ審査リーダーが行う。
ただし、クライアント組織から審査チーム変更の要望があれば、必ずしも同じ審査チー
ムである必要はない。
審査所見
審査の証拠
審査証拠および関連した規格要求事項は、ファインディングシートに記録する。
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審査ガイド – クライアント&審査員
審査範囲
審査の範囲 (ISO17021:2011 の 9.1.2.2.3 項を参照のこと。)
審査チームリーダー(ATL) 審査チームのリーダーは審査チームをとりまとめる。
Audit Team Leader
・ 少なくとも 1 回は当該規格の審査リーダーを行ったことがある。
・ 熟練した審査リーダーである。 数人の審査員を率いて審査を行った経験があ
る。
・ 大局的にものごとを見ることができ、チーム内の他の審査員に対し権限を持
つ。審査の中では、クライアント組織と審査チームの仲介役を務め、クライアン
ト組織に審査結論を明確に説明する。
遠隔地からのアクセス
(CAAT :
Computer Assisted
Auditing Techniques )
テレビ会議等を利用した審査手法(CAAT)
ISO17021 :2011 と IAF MD 4 :2008 は、遠隔地とのコミュニケーションに電話会議、テレ
ビ会議等を利用し、マネジメントシステムのプロセス・記録を確認することを認めている。
CAAT の利用は、現地審査に費やされる時間の 30%を超えてはならない。 CAAT を
利用する場合、審査チームリーダは審査計画にその旨を記載しなければならない。
認証契約
AFNOR Group でサービスを提供する審査員は、DGECE(AFNOR 内の審査員評価管
理)が定めた契約を結んでいる(CERTIF 0792.X)。これはフランス国内及び海外の審査
員に適用される。
クライアント組織
被審査組織
本ガイドで使用されている[クライアント組織]と[被審査組織]は類義語。
機密保持
機密保持契約には、潜在的な利害対立の防止に関する規約が記載されてお り、
AFNOR Group 審査員全員が署名する。なお、本契約は DGECE が管理する。
複合審査
複数のマネジメントシステム(QMS、OHSMS、EMS)を同時に審査する。
完全審査
審査基準のすべての要求事項を審査する。
認証判定
認証の評価・判定を行う専門家。
アフノール本部より認定された AFNOR Group 内外の評価決定専門家。登録認証決定
の際に、意見を述べることができる。
案内人(ガイド)
審査期間中、クライアント組織が指名したガイド役を務める者。 審査員が審査計画に
基づいて、各部署を訪問する際にサポートを行う。
オブザーバー
審査プロセスには関わらないが、審査に同行する者。
部分審査
審査の特定基準、もしくはマネジメントシステムの部分的な審査を行う。
リモート・アクセス
審査中、テレビ会議等の電子技術を利用して記録を参照し、インタビューを行う。サイト
間の移動時間やコストを節約できる。このような審査方法は、審査チームリーダーから
クライアント組織に提案する。クライアント組織がリモート・アクセスの利用に合意した場
合、審査チームリーダーは審査計画書にその旨を記載し、必要な資源(部屋、時間、参
加者、ログインコード、必要な機器等)を連絡する。リモートアクセスにより収集された審
査結果は、ISO17021 の 9.1.9 項 Note1に示されている審査サンプルと見なされる。
単一システム審査
単一のマネジメントシステム(QMS、EMS)を対象とした審査
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審査ガイド – クライアント&審査員
第一段階審査:
第一段階審査とは、一般的に審査チームリーダーがクライアント組織の準備状況を確
認するために行われる現地審査である。クライアント組織との合意内容は、業務依頼書
を通じて審査チームリーダーに伝えられる。
第一段階審査は、初回認証の一部である。また、著しい変更(サイト増減、合併等)があ
るクライアント組織にも適用可能である。
第一段階の審査結果は、2つの報告書に記録される。
「第一段階報告書」と「(第一段階)事前レビュー及び審査計画書」
第二段階審査
クライアント組織と合意した審査計画書に基づき、審査チームによって実施される現地
審査
定期審査:
サーベランス審査
審査チームには、ISO 17021 の規則に基づいた審査業務依頼を発行する。
定期審査では、規格の要求事項を継続して満たしているかを判定する。
サンプリング:
サンプリングは一つ以上のサイトの中から、共通するマネジメントシステムを適用してい
る、同じ活動の中から選ばなければならない。審査チームリーダは、審査計画段階にマ
ニュアル、内部監査報告書、マネジメントレビュー等から、この点を確認しておかなけれ
ばならない。
例)20 事業所がある組織
全ての事業所が同じ活動を行い、同じ内部監査・マネジメントレビューが適用されている
場合、これら 20 事業所のマネジメントシステムは同じレベルの成熟度、パフォーマンス
であるとみなすことができる。 この場合、いくつかの事業所をサンプリングで選んで、審
査できる。
事業所の 1 つで不適合が見つかった場合は、審査チームリーダーは選んだ事業所特
有のものなのか、全事業所に当てはまるものなのか確認する。 もし、不適合が他の事
業所にも当てはまる場合、クライアント組織は該当する全ての事業所の不適合を是正し
なければならない。(本ガイドの第 4 章でさらに詳しく述べる)
技術専門家
審査員の知識やノウハウを補う技術専門家(翻訳者、通訳者も含む)。
技術専門家は、審査計画に明記され、審査中は審査員の指示に従って業務を行う。
(ただし、審査工数には加算されない)
同行する技術専門家には審査員と同等の機密保持が適用される。
1.3. 略語
AO
審査員向けの審査業務依頼書 : Assignment Order
AOC
懸念領域 : Area of Concern
AM
認証機関に所属し、クライアント組織との窓口になる人物。: Account Manager
※アフノールジャパンでは、カスタマーセンターがこれに該当する。
CAAT
コンピューター技術を利用した審査手法 : Audit Techniques Assisted by Computer
CB
認証機関 : Certification Body
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審査ガイド – クライアント&審査員
DGECE
AFNOR Group の審査員資格管理を行う
Expertise & External Skills Management Department
EMS
環境マネジメントシステム (ISO 14001:2004) : Environmental Management System
ES
環境・労働安全衛生マネジメントシステム :
Environmental and Occupational Health & Safety Management System
IS
認証機関の情報システム : CB Information System
LA
審査チームリーダ : Lead Auditor
上記、審査チームリーダーの定義を参照
Maj NC
重大な不適合 : Major nonconformity
Min NC
軽微な不適合 : Minor nonconformity
MS
マネジメントシステム : Management System
NCR
不適合報告書(重大、または軽微な不適合を記録する)
Nonconformity Report
OH&S
労働安全衛生 : Occupational Health and Safety
OHSMS
労働安全衛生マネジメントシステム :
Occupational Health and Safety Management System
OFI
改善の機会 : Opportunity for Improvement
PPE
保護具 (安全靴、ゴーグル、ヘルメットなど) : Personal Protection Equipment
QMS
品質マネジメントシステム (ISO 9001: 2008) : Quality Management System
QSE
品質、衛生、安全、環境 : Quality, Health and Safety, Environment
SP
充実点 : Strong Point
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審査ガイド – クライアント&審査員
2. 審査の種類
審査は初回審査(二段階)、そして 1 年目と 2 年目の定期審査で構成される。 再認証審査は認証有効期限が切れる前
の 3 年目に計画する。
2.1. 初回審査:第一段階審査と第二段階審査
目的
クライアント組織のマネジメントシステムは審査基準に適合して実施しており、維持されていることを確認する。
特徴
初回審査は、クライアント組織の登録範囲に定義されたマネジメントシステム全ての要素を確認する。 第一段階審査と第
二段階審査の 2 段階で確認する。
 第一段階は、現地審査での登録範囲確認、組織マネジメントシステムの構築状況を確認する。
 第二段階は、現地審査を行いマネジメントシステムが適切に運用されているか評価し、認証の判定を行う。
審査チームは、第一段階審査で策定した第二段階審査計画を第二段階審査で実施する。
2.2. 定期審査
目的
マネジメントシステムは審査基準に適合しており、継続的に維持されていることを確認する。
計画
認証有効期限が切れるまでの間に 2 回の定期審査を計画する。
· 初回後の定期1審査は、第二段階審査の最終日から 12 ヶ月以内に実施する(必須)。
(一般的には、第二段階審査より 11 ヶ月後に実施を計画する)
· 定期 2 審査は、第二段階審査より 24 ヶ月後に計画する。
クライアント組織の要請があれば、6 ヶ月毎に定期審査を計画することもできる。
その場合は 6 ヶ月目、12 ヶ月目、18 ヶ月目、24 ヶ月目、そして 30 ヶ月目に定期審査を計画する。
※審査計画に関する確認は、アフノールジャパン カスタマーセンターにお問合せください。
審査チーム
定期審査は、原則、初回審査を実施した審査チームリーダーが担当し、必要に応じて審査メンバーを加える。
2.3. 再認証審査(更新審査は同義語)
目的
クライアント組織のマネジメントシステムが 3 年後も審査基準に適合しており、有効的に実施、維持されていることを確認す
る。
計画
再認証審査は初回審査または前回の再認証審査後 36 ヶ月後に計画する。(認証の有効期限が切れる約 2 ヶ月前が望ま
しい)。 2 ヶ月前に計画するのは、認証有効期限が失効する前に、組織が是正措置を実施する十分な時間を与えるためで
ある。
再認証審査は認証有効期限が切れる前に実施しなければならない。
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審査ガイド – クライアント&審査員
特徴
再認証審査では、認証範囲に適用するマネジメントシステムの全ての要素を確認する。
審査チーム
再認証審査は、前回の審査サイクルを実施した審査チームとは異なるチームが行う。
しかし、同じ審査チームで行った方が情報や審査の統一性という観点からみて望ましい場合や、組織の要望があれば同じ
審査チームを組むことも可能である。
2.4. 特別な審査
2.4.1.
特別なケース:認証規格の変更、大幅な登録範囲の変更(サイト・業務の追加)がある
想定されるケース
・初回もしくは再認証審査において、当初の計画より大幅な変更があった場合(単一規格の審査を予定していたが、
複数規格を同時に審査する複合審査に変更する)
・定期審査において、当初の計画より大幅な変更(適用範囲を拡大し、業務を追加する)があり、当初の審査工数が
不足する
当社では、上記登録内容の変更には、審査工数を再計算し、再度審査日数を提案する。 状況によっては、第一段
階審査を提案することもある。
2.4.2. 追加の審査
目的
追加の審査は、不適合(重大な不適合または、複数の軽微な不適合)のクローズを確認するため、審査員が現地審査を行
い、是正措置の有効性を確認する場合に適用される。
計画
重大な不適合が通知されてから、3 ヶ月以内に追加の審査を実施しなければならない。
現地審査工数は、不適合の数・要求事項を考慮し算出する。(審査計画は不適合の原因となった業務に焦点をあてる)。
審査チーム
追加の審査は不適合を指摘した審査チームリーダーが実施する。
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クライアント組織で大幅な改編があった場合の特例
組織に大幅な改編(組織の再編成、社屋の移転、M&A等)があった場合、認証の一時停止を申し出ることができる。
過渡期の移行審査
条件を以下に示す:

クライアント組織は、移行計画を提示する。

認証機関は、移行期間中の認証継続か一時停止かを決定する。

4 ヶ月毎に状況確認のため、審査を実施する。
2.5. 文書の検証(不適合のクローズ)
審査員は現地審査を行わない。
2.5.1. 審査チームリーダーによる文書検証
目的
文書を検証(組織より提示された文書、写真、映像等)することにより、重大な不適合と複数の軽微な不適合のクローズを
確認する。
計画
文書の検証は、指摘を受けてから 3 ヶ月以内に実施しなければならない。
審査工数は、確認する記録の数を考慮し算出する。
審査チーム
不適合を検出した審査チームリーダーが実施する。
2.5.2. 認証機関による不適合クローズの確認
認証機関は、不適合の是正内容、文書による証拠に基づき判断する。
計画
指摘が発覚してから 3 ヶ月以内に行われなければならない。
実施
最終的な判定は、審査チームリーダーではなく、認証機関判定者が行う。
2.6. 抗議と苦情
認証機関は、ISO17021 9.7 条、9.8 条に基づき、クライアント組織又は利害関係者から申し立てられた抗議苦情
をすべて記録し、確認し、対応する。
苦情の手順は以下のオンラインページより入手可能である。
http://www.afnor.org/metiers/certification/engagements#p32531
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審査ガイド – クライアント&審査員
3. 審査の流れ
概要
通常の審査サイクルは 3 年間(3つの審査)で構成されている。初回もしくは再認証のあと、2つの定期審査が続く。再認証
審査は 3 年後に実施する。
標準審査サイクルは上記の記載の通りだが、例外的な審査も発生する可能性がある。:
· 重大な不適合の検出により、追加審査が必要になった場合
· 登録範囲の大幅な増減、認証規格の変更、審査サイクルの変更により、当初計画されていた審査工数では過不足が
発生する場合
§ 3.1
初回認証
3 年間のサイクル提示
§ 3.8
フォーローアップ
§ 3.2
§ 3.3
文書レビュー
審査の開始
§ 3.9
審査サイクル
終了
第一段階審査
(現地審査)
§ 3.4
現地審査の準備
第二段階審査計画書作成
§ 3.7
認定の判定
§ 3.6
審査報告書の作成
§ 3.5
第二段階審査
現地審査の実施
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各ステージの期間:
ターゲット日
審査 6 ヶ月前
内容
組織に審査日程案内
審査 3 ヶ月前
組織に『対応計画書(審査日/審査チーム)』の送付
審査チームに『業務依頼書』発行
第一段階審査の実施(第二段階審査の約1ヶ月~1.5 ヶ月前)
審査チームに審査資料の送付
第二段階審査の詳細計画送付
現地審査の実施
不適合があった場合、審査チームリーダーより『不適合報告書』を組織に送付
アフノールジャパンに審査報告書を提出(審査チームリーダー)
不適合があった場合は組織の是正措置を確認し、クローズした上で、
アフノールジャパンに審査報告書を提出(審査チームリーダー)
AFNOR 本部にて、認証の付与/継続の判定
判定手続き完了後、組織へ登録証/審査報告書を送付
審査 2 ヶ月前
審査 2 週間前
審査日
審査 1 週間後
審査 2 週間後
審査1ヶ月後
関連図:
関連図を下記に示す。
·
·
·
·
·
·
営業担当者は、顧客の要望をヒアリングし、見積もりを提示し、契約を結ぶ。
アフノールジャパンは、審査準備を進める。 審査員をアサインし、業務依頼書を発行する。
これらのやりとりの中心にクライアント組織が位置する。
審査チームリーダーの指示に従い、審査員は業務を遂行する。
審査チームリーダーは審査報告書をまとめ、アフノールジャパンに提出する。
アフノール本部は、認証の判定を行う。
ホームページ等
情報公開
営業担当者
見積り&契約
クライアント
組織
アフノール本部
判定
アフノール
ジャパン
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審査チームリーダー
審査員
技術専門家
オブザーバー
通訳者/翻訳者
DGECE
審査員の管理
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審査ガイド – クライアント&審査員
3.1. 3 年間に渡る審査サイクルの提示
担当:初回&移転審査:営業担当/ 既存のお客様:カスタマーセンター
目的 :
·
·
クライアント組織に AFNOR グループの提案を行う
クライアント組織と認証マネジメントシステムの契約を締結する
適用規定 :
このステージでは、クライアント組織の要望に基づき、営業担当者/カスタマーセンターが提案を行う。契約締結後は、カスタ
マーセンターが審査準備を行う。(3.2 段階を参照)
プロセス
認証契約
の締結
入力データ
顧客の要望を収集
措置内容
営業担当/カスタマーセンター:
御見積もり、認証取得の提案を行う
審査の手順を説明する
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出力データ
3 年間の審査プログラムを含
む契約を顧客と締結する
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審査ガイド – クライアント&審査員
3.2. 審査の開始
担当: 審査部/カスタマーセンター
目的 :
·
審査日を確定し、審査チームをアサインする。
プロセス
入力データ
組織へ審査チーム提示
契約情報
審査員専門分野の確認
審査員アサイン
措置内容
審査員 :
- 組織との利害関係の有無確認する。
- 業務の詳細を確認する。
- 業務要請を検討する。
出力データ
カスタマーセンタ->審査員
業務依頼書の送付
カスタマーセンター:
- 審査日を提案し、組織に審査チーム編成を連絡する。
クライアント組織:
- 審査チームと審査日程を確認する
– 審査チームの変更を希望する場合は、アフノールジャパンに
その旨を伝える
カスタマーセンタ->組織:
審査日程と審査チーム
通知
審査リーダーの業
務受諾
カスタマーセンター:
- 必要に応じて、審査日程と審査チームを変更する。
審査資料
審査リーダ :
登録範囲・認証サイトのリストと - マネジメントシステムに関する情報や資料を確認する。
住所・前回報告書/登録証コピー - 審査計画書を作成し、組織と審査詳細を調整する。
審査リーダ->組織:
審査詳細計画書
組織より提出:
マネジメントシステム文書
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審査ガイド – クライアント&審査員
ルール :
·
審査チームの編成
審査員を選定する。
・ 組織の特徴(規模)
・ 業種/専門性
・ 審査日
・ 地理的要素
・ その他
クライアント組織に審査チームを提案する。審査チームは、審査チームリーダーに加えて、必要に応じて複数の審査員ま
たは技術専門家で構成する。
クライアント組織が審査チームの変更を要請する場合、「マネジメントシステムの審査に係わる一般認証契約書」の条項
に基づき、「対応計画書への同意書」に不同意の意向を記載の上、アフノールジャパンに送付する。
審査チームリーダーは、提案されたチームメンバーやオブザーバーを却下することができる。その場合は、リーダーはア
フノールジャパン宛てに書面にて却下した理由を通知すること。
·
複数のリーダーで構成する”審査チームリーダー“の特例
・ 複数の規格を審査する場合、1 名のリーダーでは全ての規格の資格を持っていない。
・ 多数サイトの審査で、個々のサイトで審査や不適合のクロージングを行う。たとえ一つの規格の審査であっても、
サイト毎にチームを分けて、リーダーをアサインすることもある。このような場合、複数のリーダーが存在するため、
本社を審査するリーダーには全体を統括する「統括リーダー」に任命する。
·
”審査チームリーダー“の役割
・ 審査メンバーに対して権限を持つ(他の審査員と良好な関係を保つ)
・ 広い視点で審査計画をまとめる
・ 組織と審査チームメンバーの仲介役となり、不適合に対するフォローアップを行う
・ 本社のマネジメントシステム全体を鳥瞰する
・ 審査報告書をとりまとめる
・ 認証機関とクライアント組織の窓口となる
・ 認証機関の指示に従い、審査員と協力して審査を進める
・ 第一段階審査のリーダーを務める
・ 審査チームリーダーの任命は、業務依頼書に明記する
·
審査員の独立性
AFNOR 業務委託契約に従って、下記に該当する場合はアフノールジャパンに連絡をする。
・ クライアント組織と、個人的、そして業務上に係らず(アドバイスの提供や親族間のつながりなど)、利害関係がある
・ クライアント組織と直接的な競合関係がある(公平性が損なわれる恐れがある)
・ 利害関係がある場合、2 年間は被審査関係者と商業的な相互関係を確立してはならない。
上記は、顧客に対し審査員の中立性・独立性を維持することを目的としている。
クライアント組織は、審査チームの独立性に疑問がある場合は異議を申し立てることができる。
·
追加審査/文書審査/が要求された特例
アフノール本部の決定により、追加審査や文書審査が要求されることがある。一般的には、軽微又は重大な不適合のクロ
ーズ確認を目的としている。
· カスタマーセンターが審査チームに送付する審査資料
審査に必要な資料は、カスタマーセンターより審査チームに送付される。
・ 多数サイト審査の場合、サンプリングによって審査計画を策定するよう依頼をする。
・ クライアント組織より申し立てのあった認証機関に対する異議・苦情を伝える。
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審査ガイド – クライアント&審査員
·
クライアント組織との対応計画書の合意
・ 初回審査:審査範囲と諸条件の同意が得られた後 カスタマーセンターは審査員に審査員へ「審査業務依頼書」
を発行し、必要な審査資料を送付する。事前に、第一段階審査及び第二段階審査の日程を組織と合意する。第
一段階審査は、原則として主となる事業所(本社)にて実施する。(環境マネジメントシステムの審査では、初回審
査は本社に限定するものではなく、環境面でのリスクが最も高いと思われる場所で行われる)
・ 第二段階審査:原則として第一段階審査の 1 ヶ月後に行う。 第一段階報告書を組織に送付する際、第二段階計
画書を同封し、組織と審査内容の合意を得る。
・ その他の審査準備:審査チームが決定し、現地審査の日程が確定すると(複数の審査員でチームが構成されて
いる場合)、審査チームには業務依頼書が送付される。 審査チームリーダーは、メンバー審査員と緊密に連絡を
とり、審査準備を進める。 クライアント組織とも事前に審査当日の打合せを行っておくこと。
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審査ガイド – クライアント&審査員
3.3. 文書レビュー
担当: 審査チームリーダー
3.3.1. 文書レビュー
文書レビューは、第一段階審査の実施に係らず、審査計画を作成する際に全ての審査で実施しなければならない。
(審査ガイドの§ 3.4 も参照のこと。)
目的:
·
組織より提供されたマネジメントシステム文書を読み込み、前回審査より製品・サービスに変更がないか事前確認を行
う。
· マネジメントシステム文書が、規格の要求事項を満たしているか、登録範囲は適切か確認する。
文書レビュー
プロセス:
入力データ
措置内容
出力データ
カスタマーセンター :
業務依頼書に文書レビューの有
無を記載する。
審査チームリーダー :
- マネジメントシステム文書以外にも、補完的情報が必要と判
断した場合は、顧客に連絡する。
また、第一段階審査実施前に文書レビューを実施し、NG があ
ればその旨をクライアント組織に通達する。
審査リーダー->顧客:
NG項目があれば、顧客にそ
の旨を連絡する。
審査員:
疑問があれば、リーダーに連絡する。
レビュー結果に問題がなけれ
ば、審査計画書案(もしくは第
一段階審査の継続)を作成す
る。
ルール:
文書レビューは、現地審査前に審査リーダーが実施する。
マネジメントシステムに大きな変更が生じた場合、もしくは、機密事項の観点から顧客が現地審査での確認を要望した場合、
本ガイド 3.3.2 項『第一段階審査』が示す条件にしたがって、現地審査で確認を行う。
文書レビューと審査の準備:
現地審査の準備のため、審査開始の少なくとも 3 週間前には必要審査資料を受取る。もし第一段階審査を実施する
場合は、その時までにレビューを終了させておく。
審査資料は以下の通りである。
·
組織の管理マニュアル
·
組織のマネジメントプロセスの理解を深めるための資料(組織図や施設、販売・提供しているサービス・製品の
カタログ等)
·
直近の内部監査報告書
·
直近のマネジメントレビュー報告
·
環境のリスク分析
·
組織が審査に関連があると考える資料
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審査ガイド – クライアント&審査員
ウェブサイト
組織のウェブサイトがある場合、組織のサービスや製品を理解する上で有用な情報となるため、必ず参照すること。加えて、
組織が自社のウェブサイトに認証機関のロゴマークを掲載している場合は、そのロゴマークの使用が規定に遵守している
か確認する。
審査の一貫性
審査は、一貫性がなければならない。審査チームリーダーは必要に応じて、前回の審査チームリーダーと連絡を取ることも
検討する。(前年審査チームに確認が必要な場合は、アフノールジャパン カスタマーセンターに連絡すること)
もし、文書レビューの際に登録範囲について疑問や矛盾が発覚した場合は、カスタマーセンターに連絡をすること。
再認証審査: 文書レビューでは前回の認証サイクルにおけるマネジメントシステムのパフォーマンスも確認する。
審査指摘事項(ファインディングシート)の提示レベルは、審査サイクルの開始時に審査チームリーダーとクライ
アント組織の間で合意すること
指摘事項(ファインディングシート)の提示レベル(案):
· クライアント組織のプロセス単位とする
これは品質又は複合認証システムにおいて、最も一般的なオプションである。
(とりわけ、組織より要望が無い場合、AFNOR は、この方法を推奨する)
· QSE マネジメントの原則に従う。(例、品質における 8 つのマネジメント原則)
·
クライアント組織の事業部・部門を単位とする
·
製品ラインに基づく、マトリックスで選択する。
·
規格の条項で作成する。
どのような提示レベルを選択するかは、審査サイクルの開始時に合意する。
審査の一貫性・連続性を保つため、審査サイクルの途中での変更は望ましくない。
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審査ガイド – クライアント&審査員
3.3.2 第一段階審査
目的:
第一段階審査の目的は以下である。
· マネジメントシステムの文書化を確認する。
· クライアント組織のサイトの場所や状況を確認し、組織と第二段階審査の準備を進める。
· 審査の要求事項をレビューする。(重要なプロセス/方針目的、マネジメントシステム運用上の主要機能を特定する。)
· マネジメントシステムの範囲、また各サイトが遵守しなければならない主要な法規制を確認する。
· 直近の内部監査とマネジメントレビューの結果に基づき、組織は第二段階審査の準備ができているかを確認する。
多数サイトや一時サイトがある場合、審査チームリーダーはサンプリング審査の対象サイトや数を確認しなければなら
ない。(4.1 条:適格条件 参照)。審査業務依頼書に基づき、審査リーダーは、サンプル対象となるサイトを確認し、
クライアント組織と合意する。
· クライアント組織とともに、第二段階審査計画書を作成する。
もし、第二段階審査で重大な不適合になる問題を発見した場合、審査リーダーは組織に内容を説明した上で、
第一段階審査報告書にその旨を記載する。 第二段階審査前にクローズが必要なため、組織とは第二段階審査の
日程を検討する。もし、日程の変更が生じた場合は、審査リーダーは速やかにアフノールジャパン カスタマーセンター
に連絡する。
プロセス:
審査リーダーは、文書や関係者との面接による証拠に基づき、審査を実施する。
現地審査
第一段階審査
入力データ
カスタマーセンター -> 組織:
審査ガイド
(第一段階の目的・手順)
組織 -> カスタマーセンター:
マニュアル・その他文書
事前送付
措置内容
審査リーダー:
-§ 3.3.1 に従い、組織提出資料を確認する。
- 第一段階審査を実施する。
- 審査結果(指摘事項)を組織に通知する。
- 第一段階報告書をまとめ、アフノールジャパンに提出する。
出力データ
第一段階審査報告書
ルール :
初回審査では、ISO 17021:2011 導入に伴う審査準備という点では QMS、EMS、OHSMS、それぞれに大きな違いはない。
第一段階審査の審査は、一般的には 1 日~1 日半の審査になる。
この審査は、第二段階審査の約 1 ヶ月前に実施する。 審査チームリーダーは、審査前にクライアント組織の管理責任者と
連絡をとり、審査当日の計画を合意しておく。
第一段階審査(現地審査)
第一段階審査を行う場所については、事前にクライアント組織と合意を得ておく。
サイト訪問(一般的なケース):
多数サイトの場合、訪問サイトは製造を行っているサイトを選ぶ方が望ましい。
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審査ガイド – クライアント&審査員
第一段階審査のクロージング
·
第一段階審査で重大な指摘がなければ、当初予定されていた日程で第二段階審査を実施する。
·
重大な指摘があった場合、第二段階審査の実現性を検討し、当初予定の審査日で実施するか、または延期するかを
組織と協議する。組織は、問題を除去する時間を十分にとり、第二段階審査で不適合が検出されないようにしなけれ
ばならない。
もし、組織が第二段階審査の延期を決めた場合、審査リーダーは第一段階審査終了後 24 時間以内にアフノールジャ
パンに報告しなければならない。
・第一段階審査報告書は、審査終了後 2 週間以内に組織に送付する。
第一段階審査では、下記二つの報告を行う
·
第一段階審査報告書
·
第一段階「事前レビューと審査計画」
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審査ガイド – クライアント&審査員
3.4. 審査計画書の準備
担当者: 審査チームリーダー
協力者:クライアント組織 管理責任者
目的:
·
クライアント組織、審査チームメンバーと審査計画を合意する。
プロセス:
組織合意後の審査計画書
審査リーダー作成
審査計画案
開始データ
上記§3.3 の結果
文書レビュー
又は
第一段階報告書
措置内容
審査チームリーダー :
- サンプリングに基づき、審査詳細計画を作成する。
- 各審査員にタスクを割り振る。
- 審査計画案を組織に提示する。
終了データ
審査計画書案
第一段階審査結果:第一段階審査報告書と第二段階審査計画
書を一緒に送付する。
組織/カスタマーセンター - 審査チームリーダー :
> 審査リーダー :
- 組織と審査計画を確認する。
- 顧客が提案した変更や修正事項が許容出来るものであるこ
審査計画書改定
とを確認する。
(組織要望があった場合) - 第 4 章に記載されている全ての規格要求事項は、審査チー
ムの誰が確認するのか、計画に明記されている。
- 移動手段や宿泊の手配
-最終計画書を提出する。
最終計画書
ルール
審査計画書の基本
PDAC 手法(「計画」(Plan)、「実行」(Do)、「点検」(Check)、「改善」(Act))が好まれるが、審査計画書は審査の種類(初回
/再認証/定期)、クライアント組織の規模、そして業務のあり方(例:夜間シフト・週7日間労働など)を考慮に入れて作成され
なければならない。また、QSE に関連する確認だけでなく、クライアント組織のプロセスとリスクも考慮に入れなければなら
ない。
審査計画は、サンプリングによってどのサイト・活動を選択したか明示しなければならない:
· 審査プロセスと活動
· 審査で確認する規格の要求事項
· 前回審査時に指摘としてあがった不適合やAOC(懸念領域)のクローズ確認
· 認証機関に寄せられたクライアント組織に対する苦情
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審査ガイド – クライアント&審査員
審査計画は、単に規格の要件を羅列するものではない。
全ての審査のサンプリングは、論理的な側面に基づいて行わなければならない(移動手段・コミュニケーション・オブザーバ
ー・審査には誰に参加してもらうのか等)。
効率的な審査計画を作成することにより、クライアント組織のストレスを少なくし、各関係者が審査に参加しやすいようスケ
ジュールの調整を行うこと。
初回審査の計画
初回審査の計画では、契約上定められた認証の登録範囲に適用されるマネジメントシステム全ての側面を網羅する。
審査を開始するに当たっての最低条件は規定 QES-0051/1 を参照。(http://regles-pratiques.afnor.org/)
体系的に確認する側面
審査リーダーは、審査計画書には下記側面を含めなければならない。
· クライアント組織、審査範囲、マネジメントシステムの変更
· 前回の審査で不適合が発見された場合、クライアント組織は有効的な措置を講じているか
· 今回の審査中に取り扱うべき事項 「事前レビュー及び審査計画書」を参照
· ロゴマークの使用と規定遵守
· 認証機関に寄せられたクライアント組織に対する苦情の処理(該当がある場合)
· 多数サイトのサンプリング(詳細は当ガイドの 4 章参照)
ミーティングの計画
審査計画には 5 つのミーティングを含める。
· 複数の審査員で審査チームが構成されている場合、オープニング会議前に審査リーダーと審査員の間で話合いを行う
· クライアント組織トップマネジメントとの審査オープニング会議
· 現地審査の一日をまとめる日毎会議
· 審査クロージング会議に向けた準備
· 審査のクロージング会議
内部監査とマネジメントレビュー
内部監査とマネジメントレビューは、審査の最後に確認する。
o
現地審査が、内部監査の審査結果に影響されないようにする
o
現地審査の中であげた指摘事項で最終判断を行うようにする
よって、当該項目は審査リーダーが担当し、必要な場合は審査メンバーの出席を促す。
「事前レビュー及び審査計画書」の送付
審査リーダーは、移動手段、会議室の使用、組織の営業時間、テレビ会議の有無などについて、事前に組織と調整
の上、審査計画書を作成する。
審査リーダーは、「事前レビュー及び審査計画書」案を作成し、組織と合意を得た後、アフノールジャパンに送付する。
アフノールジャパンは審査部長承認後、審査日の 2 週間前までに「事前レビュー及び審査計画書」を関係者に送付す
る。
· クライアント組織の代表者
· 審査チームの各メンバー
· オブザーバー(該当する場合のみ)
審査計画書は、審査オープニングミーティング開催時に、クライアント組織と協議の上、変更を行うことは可能である。
※ただし、訪問サイトや審査日の変更を行う場合は、速やかにアフノールジャパンに連絡を行い、承認を得る必要が
ある。
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審査ガイド – クライアント&審査員
審査チームの役割分担
審査リーダーは審査チームメンバーと調整の上、審査における役割分担を審査計画書に記載する。
機密保持
本章の 3.7 項を参照のこと。
審査報告書 の準備:
· 審査員は QSE マネジメントシステム審査ガイド、ロゴマークの使用ガイドを参照し、下記の報告書テンプレートを審査
時に使用すること。
第一段階審査
· IAR01 第一段階審査報告書
· IAR04 第一段階事前レビュー及び審査計画書
第二段階審査
· IAR02 ファインディングシート
· IAR03 不適合報告書
· IAR04 事前レビュー及び審査計画書(承認済)
· IAR07 クロージングミーティング及び出席者リスト
· QMS 審査
審査計画は 3 段階で構成され、時間配分の目安は下記の通りである。
2 日以上の現地審査がある場合:
・オープニングミーティングと品質マネジメント(品質方針、計画、責任等) 約半日
・クロージングミーティングとマネジメントレビュー 約半日
・残りの時間は、その他のプロセス確認
1 日半またはそれ未満の審査の場合:
・オープニングミーティングと品質マネジメント 約 2 時間
・クロージングミーティングとマネジメントレビュー 約 2 時間
・残りの時間は、その他のプロセス確認
· EMS 審査
設計開発の取扱い
認証の登録範囲に設計・開発が含まれる場合、審査計画書には必ず設計開発プロセスの確認を入れなければならない。
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審査ガイド – クライアント&審査員
3.5. 現地審査の実施
担当者: 審査チームリーダー
3.5.1. 第一段階審査:
審査チームリーダーに送付される業務依頼書には、必ずクライアント組織のサイトが明記される。 審査リーダーは現地審
査でそのサイトを確認する。
前出の 3.3 項を参照のこと。
3.5.2. 第二段階審査
目的 :
·
審査計画書に基づいて審査を実施し、規格要求事項に適合するか指摘事項をまとめる。審査チームで話し合いを行い、
審査結論をまとめる。
プロセス:
審査計画書
(承認済)
クロージング会議
クロージングに向
けた準備
オープニング会議
~現地審査
入力データ
措置内容
審査リーダー :
- オープニングで、審査計画の変更有無に組織と確認する。
- 必要に応じてミーティングを開催する。
- 審査中の観察方法、記録の確認方法を審査チームで取り決める。
審査リーダーと審査チーム:
- 指摘事項(不適合や懸念領域)を、日毎会議で組織に内容を伝える。
審査リーダーと審査チーム:
- 充実点や懸念事項、不適合を審査チーム内で協議する。
- クロージング会議で提示する不適合やその他指摘事項の詳細をまとめ
る。
- 不適合があった場合は、不適合報告書を作成し、クロージング会議前に
管理責任者と話し合う
審査リーダ:
- クロージング会議を主催する。
- 審査チームの結論を組織に伝える。
- IAR07 クロージングミーティングに組織署名を依頼する。
審査リーダーと審査チーム:
- 審査中に使用したドキュメント類を組織に返却する。
審査リーダー:
- もし組織が登録証に記載される文言の変更を要求した場合、48 時間以
内にアフノールジャパンに連絡をすること。
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出力データ
審査リーダー:
変更が必要であれば審査
計画書を修正する。
組織:
日毎、審査報告を受ける
組織:
不適合の合意
組織:
不適合報告書
部外秘の書類は返却確認
アフノールジャパン:
登録変更内容の確認
アフノール本部への届出
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審査ガイド – クライアント&審査員
ルール
審査リーダーと審査メンバーの間で実施するミーティング
複数の審査員で審査チームを構成する場合、オープニング会議実施前に、審査チーム内で打ち合わせを実施する。
ミーティングの 3 つの目的
1.
初対面の場合、お互いを紹介する。
2.
各メンバーの役割を確認する。
3.
審査メンバーが審査リーダーに審査所見を報告する方法を確認する。
ただし、このミーティングは、審査計画の現地審査工数に組み入れることはできない。
(本手引書の 3.3 項を参照のこと。)
また、本ミーティングの開催時間は 15 分以内に限定すること。
· オープニング会議
ISO17021 では、オープニング及びクロージング会議は、クライアント組織のトップマネジメントの参加が必須となっている。
オープニング会議の議題:
o 会議出席者の紹介
o 審査の目的、範囲、規格の確認。クライアント組織より要望があれば、オープニング会議で確認する。
o 審査手法を説明する:
記録をノートに取る
サンプリング審査の原則
インタビューの実施
前日の審査で不適合があれば、この場で再度説明する
審査員が守るべき機密保持
審査の終了予定時刻(早めに終了する場合は、組織と終了時刻を確認すること)
審査言語(複数の言語で審査が行われる場合)
o
o
o
o
o
o
o
充実点、改善の機会、適合証拠、懸念領域、軽微又は重大な不適合の分類を説明する。
審査計画書の変更有無を確認する。
現地審査の際の注意事項(立ち入り禁止、緊急時の避難など)を確認する。
QSE 報告書の説明。(当審査ガイドに基づいていることを引き合いに出す)
審査リーダー、審査メンバーや技術専門家の役割を説明する。
クライアント組織より寄せられた質問への回答
クロージング会議の日時を確認する。(トップマネジメントの参加必須)
日毎のフィードバック会議
日毎会議の目的は、下記 2 つである。
1.
その日の審査結果を協議する。
o 曖昧な点を明確にする。
o クロージング会議に向けた準備
2.
審査側面をレビューし、必要に応じて、審査計画を変更する。
日毎会議は、クロージング会議とは別のものである。会議は一日の終わりにクライアント組織と実施し、通常は少人数で開
催する。
審査員へ: ファインディングシートは、たとえ指摘事項のレベルが定まっていない場合でも、毎日記入を行った方が良い。フ
ァインディングシートは、最終的に審査リーダーがとりまとめて、クロージング会議で組織に提示する。
複数のサイトで審査を実施した場合、審査メンバー各自がファインディングシートに記入し、審査チームリーダーに提出する。
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審査ガイド – クライアント&審査員
審査の案内人、オブザーバーの介入や干渉の回避について:
案内人(組織が指名したガイド)、オブザーバー(審査員に同行し、審査チームに属する者)は、審査に干渉してはなら
ない。
万が一、案内人、またはオブザーバーが上記規定を遵守しない場合、審査リーダーは下記の手段を行使出来る。
o 認証機関が任命したオブザーバーの場合:ただちに審査部長に通知する。
o クライアント組織が任命した案内人の場合:組織に干渉をやめてもらうよう依頼する。それが効果を発
揮しない場合は、ただちに審査を中断し、審査部長に連絡する。
一時サイトの審査
クライアント組織は一時サイトで従事しているスタッフがいる場合、認証機関にその旨を連絡する必要がある。
(一時サイトの定義は Practical Rule Q-0050 を参照)
一時サイトの規模や経過年数により、審査時に確認するべき内容が変わってくるため。
ロゴマークの使用と遵守
審査チームは、ロゴマークが誤解を招くことなく、正しく使用されているか確認する。
(詳細は、後述の第 6 章を参照)
前回審査の懸念領域
前回の審査で懸念領域(AOC)がある場合、今回の審査でクローズ状況を確認する必要がある。
ファインディングシートへの記載
・審査リーダーは、今回クローズが確認できたら、右端に完了の印「×」を入力する。
・前回の懸念領域のクローズが確認できなかった場合は、右端に継続の印「>>」を入力する。
・今回新しく懸念領域があった場合、右端に継続の印「>>」を入力する。
審査報告書に、懸念事項の数を記録する。
前回審査の不適合の取扱い
前回審査であがった不適合の是正を、今回の審査で確認する。
不適合は:
・クローズの場合: ファインディングシートの右端に完了の印「×」を入力する。
不適合報告書に確認した事例を記録する。
・再発の場合: 新たに不適合報告書を作成する。
前年の軽微な不適合が再発した場合、今回は重大な不適合になる可能性もあるが、不適合のレベルは
審査リーダーの判定による。
・審査報告書へのまとめ
前回の不適合がクローズ/再発どちらにしても、審査報告書に指摘事項の数を記入する。
また、審査報告書の最終ページに、不適合報告書の枚数を記載する。
今回審査で指摘した不適合の取扱い
不適合があった場合、組織より提出された具体的証拠を確認し、不適合のクローズを判断する。
o 不適合の主要因が特定されたか
o 是正処置は実施されたか
o 是正措置は有効的であるか
上記条件が満たされていれば、不適合はクローズできる。審査リーダーは、審査報告書及びクロージングミーティングに不
適合の数を記入する。
重大な不適合の一部がクローズとなった場合
o 重大な不適合は、軽微な不適合に再定義される。
o 状況に応じて、新規の不適合として取り扱う。
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審査ガイド – クライアント&審査員
クロージングミーティングの準備
審査チームリーダーと審査メンバーで実施する。
o 重大または軽微な不適合、懸念領域を定義する(ファインディングシートにまとめる)
o 審査結果の合意を得る
クロージングミーティングの実施前:指摘事項についてクライアント組織の管理責任者の同意を得る
o 不適合がある場合、管理責任者の同意を得た上で、不適合報告書のコピーを提出する。
o 管理責任者に審査結果の総括を説明し、曖昧点や誤解がないようにしておく。
クロージング会議
クロージング会議の議題:
·
審査への協力を感謝する
·
クロージング会議の予定を説明する
·
審査はサンプリングによって実施され、従って審査結論は全てを網羅した結果ではないことを繰り返し組織に伝える。
また、認定の判定は審査チームではなく、アフノール本部(認証機関)が行う旨を伝える。
·
IAR07 クロージングミーティングに記載された登録範囲に間違いはないか確認する。もし、組織が変更を申し出た場合、
審査リーダーは 48 時間以内にEメールでアフノールジャパンに連絡すること。
·
審査の結論 :
o
o
o
o
重大または軽微な不適合、懸念領域、改善の機会、充実点の確認.
前回審査の不適合及び懸念領域のクローズ確認
登録文言の変更(該当がある場合)
多数サイトの審査を実施した場合、繰り返しになるがサンプリングの原則に基づいて審査を実施した
旨を組織に伝えること。
審査の結論は、クライアント組織が理解し、同意出来るように提示する。
もし、クライアント組織と審査チームの間で意見の相違があれば、審査リーダーはその旨を IAR07 クロージングミーティング
に記載する。
·
審査リーダは、アフノール本部(認証機関)に推薦を行う
審査チームリーダーからアフノール本部への推薦は、IAR07 クロージングミーティングの記載に基づいている。
(詳細は、当審査ガイド(3.7 章)を参照)
審査リーダは下記の点に留意すること。
o 認証の判定はアフノール本部(認証機関)が行う。
o 不適合があった場合、組織には是正処置に必要な時間を与える。
·
審査のフォローアップ
審査リーダーは :
o 不適合の是正期限を組織に明示する。(詳細は、当ガイドの 3.6 章を参照)
o 不適合の是正は、組織より十分な証拠を提示してもらうこと。(○△文書参照のように、内容を記載せ
ず、対象文書名のみ記載するような是正は受け取ってはならない)
o 次回の審査予定を組織に伝える。
o 組織より、苦情や要望があれば記録する。
クロージング会議の最後に、審査リーダーはファインディングシート、不適合報告書(該当ある場合)のコピーをクライアント
組織に提出する。
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審査ガイド – クライアント&審査員
·
品質マネジメントシステム審査
審査員のアプローチ
下記の 4 点に要約できる:
o 審査員は、組織の立場にたって考えなければならない。
o QMS のアプローチは、クライアント組織の手順よりも業務を確認する。そのため、現地審査を重視す
る。
o 審査の指摘事項を放置するリスクを評価する。
o 規格の要求事項を文字通り厳密に適用することよりも、組織に[有効的]であるかどうかを考える。
不適合が発見された場合、審査員が念頭に置くこと:
o 不適合が起因となって、エンドユーザーに与えるであろうリスクを評価する
o クライアント組織の将来に付加価値を与えるような不適合を提示する
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審査ガイド – クライアント&審査員
3.6. QSE の審査報告書の準備、承認及び送付
担当者:アフノールジャパン カスタマーセンター
目的 :
·
審査リーダーは、業務依頼書に基づき、審査報告書を作成する。
プロセス
措置内容
出力データ
審査メンバー
→審査リーダー
指摘事項の報告を受
け、審査報告書にまと
める。
審査リーダー :
- 審査チームより報告された指摘事項を、審査報告書にまとめる。
- 不適合報告書を作成する。
―前回の不適合報告書をクローズする。
- 審査中に変更があった場合、実施審査に基づいて、審査計画書を修正
する。
審査報告書一式
(不適合報告書)
審査報告書の作成
入力データ
- 審査報告書を完成させ、アフノールジャパンに電子データで提出する。
a) 不適合があった場合
- 審査終了から 7 暦日以内に、組織に不適合報告書を送付する。
その際に、是正期限も組織に提示すること。
組織→審査リーダー 審査リーダー:
不適合の是正措置及 - 組織より提示された是正処置を確認し、不適合報告書を完成させる。
びその証拠
- 組織が期限内に不適合の是正ができなかった場合、審査リーダーはア
フノールジャパンにその旨を届け出る。リーダーは新しい是正の期日を組
織に提示する。(不適合の是正は、3 ヶ月以内に完了しなければならな
い)
ルール:
不適合報告書の詳細
クライアント組織に記入を依頼する項目:
· [不適合の取扱い/問題修正のための処置]は、不適合の除去を効果的に行う処置を示す。
· [根本的原因の分析]は、不適合の根本原因を示す。
· [体系的な是正措置の提示]は、不適合の再発防止に向けて、取った処置を示す。
· [処置の責任者]及び[是正処置期限]は、組織が定める。
クライアント組織から是正報告を受理したら、審査リーダーは是正処置の妥当性を確認の上、各是正処置の実施に係る完
了日を記入する。組織からの報告に不明点・納得がいかない点があった場合、審査リーダーは組織と連絡を取り、適切な
処置がとられるようにする。
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審査ガイド – クライアント&審査員
3.7. 認証判定の上申と判定結果の通知
担当者:アフノールジャパン カスタマーセンター
目的:
·
·
·
·
アフノールジャパンより、アフノール本部に判定の上申を行う。
審査リーダーの推薦を参考に、アフノール本部は認証の判定を行う。
判定員よりフィードバックがあれば、その内容を審査員に伝える。
アフノール本部認定手続きが完了したら、アフノールジャパンよりクライアント組織に判定結果を通知する。
プロセス:
審査の終了
入力データ
アフノールジャパン
→アフノール本部
認証判定の上申
措置内容
審査チーム:
- 審査サイクルの終了後、審査資料は削除すること
出力データ
カスタマーセンタ->組織:
判定結果の通知
審査報告書の送付
登録証の送付
アンケートの送付
ルール
· 機密保持
審査の際に使用したドキュメント類(不適合の是正検証のための資料も含む)、審査報告書やその電子データには、機密保
持の規定が適用される。
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審査ガイド – クライアント&審査員
3.8. 審査後のフォーローアップ
責任者:アフノールジャパン カスタマーセンター
目的:
·
審査のフォーローアップが必要な場合は、次回審査までに必要な措置をとる。
プロセス:
入力データ
審査終了後
不適合、懸念領域(AOC)が
クローズできなかった
次回審査時の特定確認事項
組織:
アンケート提出
措置内容
審査部長:
対応方法を検討する
アフノール本部:
審査員のパフォーマンス評価
アンケートの分析
審査員:
同僚審査員のモニタリングレポート提
出
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出力データ
審査員へのフィードバック
・審査報告書
(本部より指摘ありの場合)
・審査パフォーマンス
組織より要望があった場合:
アンケートに対する認証機関から
の連絡
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審査ガイド – クライアント&審査員
3.9. 審査サイクルの終了
担当者:審査部長
目的:
·
3 年間の審査サイクル終了後、次の審査サイクルの準備を行う。
プロセス:
サイクル終了
次のサイクル開始
開始データ
措置内容
カスタマーセンタ ->組織
審査チーム:
新しい審査サイクルの案内 - 機密保持の規定に従い、審査資料を削除する。
終了データ
アフノール
:機密保持を遵守する
※次のサイクルも同一の審査チームを組むことは可能
ルール:
3 年サイクルの終了後、アフノールジャパンは:
· 次の審査サイクルは、これまでとは異なった観点を提示するために別の審査チームを提案する場合がある。
(審査チームを変更する際は、審査メンバー全員を変更するのではなく、前回メンバーも組み入れた方が
審査の実施がスムーズな場合があります)。
· 組織からの要望があった場合は、同じ審査チームを組むことも可能である。
なお、審査リーダーは、「認証機関へのコメント」に次回審査時の確認事項、推奨事項を記入する。
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4. 多数サイトがある組織のサンプリング審査の特徴
この章の目的:
・サンプリング審査が適用できる組織と適用できない組織の違いを述べる。
・一時サイトの有無を明確にする。この一時サイトは登録証に記載するサイトではない。
・サンプリング審査の原則について述べる。
・認証機関の取り組みを説明する。
・審査手順、また審査リーダーはサンプリング結果をどのように審査報告書にまとめるか説明する。
4.1. 定義(IAF MD 1:2007 より抜粋)
多数サイトの組織とは:特定の活動の計画・管理・運営を本部が行っており、ネットワークで繋がっている支社や支店はその
活動の一部/全部を実行している組織を指す。
サイトとは、組織が活動サービスを実行している常駐サイトを示す。
一時サイトは、組織が特定の活動サービスを提供するために、期間を限定して運用しており、常駐サイトになる予定がない
サイトを示す。これら一時サイトで実行する活動は、組織のマネジメントシステムに組み込まれるべきであり、サンプリング
審査の対象となりうる。
多数サイトにサンプリング審査を適用できる条件
サンプリング審査は、以下の条件を満たしていなければならない。
・多数サイトは実在するサイトである
本社機能(総務・品質管理・財務・購買・研究開発)があり、
一時サイトがある
・詳細条件
・組織のマネジメントシステムは、本社の管理で計画され、マネジメントレビューを実施している。
・組織のマネジメントシステムは、登録範囲全般に権限を持っており、管理責任者が任命されている。
・全社に適用できるマネジメントシステムがある、または少なくとも一つのプロセスは同じカテゴリー、
同じタイプ、類似の手法/手順を導入している。
・本社を含む全ての支社/支店の内部監査を実施している。
・全てのサイトで、下記のデータを提供できる
システム文書
マネジメントレビュー
苦情
是正の評価
内部監査
環境側面
法規制
審査対象サイトを選択し、対象サイトを審査詳細計画書に記入する
・ランダムにサイト数の 25%を選ぶ
・代表的なサイト、特別関心のあるサイト
・組織管理責任者より要望のあったサイト
・審査サイクルの中で、まだ審査していないサイトを選ぶ
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審査ガイド – クライアント&審査員
4.2. 審査リーダーが記入する多数サイト審査の報告書
ファインディングシート:多数サイト審査の場合、どのサイトの指摘事項なのか明示しなければならない。
クロージング・ミーティング:
審査リーダーは、クロージング会議の中で、審査はサンプリングによって実施していることを組織に説明し、指摘事項をあげ
る場合はどのサイトに対する指摘なのかを明確にしなければならない。
不適合性の報告:
不適合はどのサイトで発覚したのか、また組織の全サイトに当てはまるものなのか明記する。
環境の特記事項:
どのサイトのコメントなのか、明示しなければならない。
審査報告書:
審査の技術的側面(背景-サイト-認証範囲):
審査では複数カテゴリの中から、サンプリングによって選んでいる。よって、全体の中から、どのサイトを選んだのか明記す
る。
マネジメントシステムの特記事項概要 充実点/懸念領域:
審査リーダーの報告はサンプリング審査に基づくものであるが、その報告は全てのサイトやカテゴリーについて言及する。
組織のトップマネジメントに分かりやすい表現で充実点と懸念領域を記入すること。
認証機関へのコメント:
[次回審査時の確認事項]には、
·
次回審査で確認するサイト(一時サイトも含む)
·
次回が再認証審査の場合、どのサイトを審査するか審査リーダーの推薦は必須である。
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5. QSE 審査報告書の構成
クライアント組織のニーズ
クライアント組織は、複数の規格(品質・環境マネジメントシステム)を統合した付加価値があり、読みやすい報告書を求め
ている。
アフノール報告書の特徴は:
·
審査の規格が単一あるいは複数あっても、同じ報告書テンプレートを使用する。
·
審査報告書の構成は、規格に沿ったものであり、読み手が充実点と懸念領域を把握しやすいようにまとめられている。
また、規格に関連した技術的な知識がなくても、理解し易いものになっている。
·
審査報告書の付属書(ファインディングシートや環境の特記事項等)は、審査詳細や指摘事項をまとめたものである。
·
指摘事項をまとめる「ファインディングシート」は、1 サイクルの審査で使用できるようエクセル形式になっている。
·
審査の指摘事項は、規格要求事項(重大、または軽微な不適合、懸念領域、適合証拠)の遵守だけでなく、継続的改善事項
(改善の機会や充実点)を加えられる構成になっている。
審査員のニーズ
審査員の要望を取り入れ:
·
·
·
どの規格の審査であっても、同じ審査報告書テンプレートを使用している。
チェックリストは、報告書の記録として位置づけている。
クロージング会議で使用可能なプレゼン用のパワーポイントを用意している。
認証機関のニーズ
認証機関が報告書に期待するものは、下記 4 つである:
· 付加価値をつける
審査報告書はクライアント組織にとって有用なものでなければならない。
・内容は包括的で、首尾一貫して、正確で明確である。
· ファイルの管理が容易である
認証機関は、電子データで報告書一式を受け取り、管理している。このため、ファイルは認証機関が定めたファイル管理規
定に適合していなければならない。
· 認証判定に必要な情報を含む
審査リーダーの推薦に基づき、認証機関は認証の判定(認証の付与・維持・再認証、追加審査の要否、認証の一時停止・
取消し)を行う。 この判定を行うにあたり、報告書には包括的な情報が網羅されており、正確な情報が提示されていなけれ
ばならない。
· 認証に適合している
私たち認証機関は、(ISO/IEC 17021:2011 と IAF ガイドライン)に従って運用している。 全ての審査報告書は、認証機関が
定めたルール、IAF ガイドラインに沿ったのものでなければならない。
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5.1. QSE 審査報告書の特徴
初回審査報告書は、2 つの報告書に分かれている。それは、第一段階審査報告書と第二段階審査報告書である。
定期審査と再認証審査は、第二段階審査報告書を使用する。
QSE 審査報告書の特徴:
·
·
規格の統合
o
規格が単一あるいは統合(複合)であるかに関わらず、同一の報告書を作成する
o
数年に渡って組織のマネジメントシステム運用を記録できる。(一般的に 3 年間)
例)ファインディングシート、環境の特記事項
継続的改善と遵守に焦点を当てている
付加価値
o
·
モジュール方式
o 規格によっては報告書の付属書を用意し、詳細を補足できる構成になっている。
·
包括的、正確で、首尾一貫して、明確である
o 世界中の AFNOR Group で、報告書テンプレートは共通のものを使用している。
5.2. QSE 審査報告書の構成
5.2.1 第一段階審査報告書の構成
· 第一段階審査報告書の本体 : § 3.3.2 に記載あり
· 付属書 : 「事前レビュー及び審査計画」
5.2.2 審査報告書の構成(第二段階審査が該当する)
· 報告書の本体
審査結果を要約したワードの報告書である。
o タイトルページ
o 組織の概要
o 審査結論概要と審査リーダーの推薦
o マネジメント – 充実点
o マネジメント – 懸念領域
o 審査の技術的側面
o 審査報告書付属書
付属書とは:
· マネジメント – 定義 – 原則
· 「ファインディングシート」
o 審査の指摘事項を記入する。
· 「不適合報告書」 : 今回の不適合または前回の不適合があった場合のみ必要
· 「環境の特記事項」: 環境マネジメントシステムのみ記入必須
· 審査実施した審査計画書:
認証機関に提出する書類 :
· オープニング・クロージングミーティング及び出席リスト 自筆の署名が必要
※登録サイト、登録範囲に変更が必要な場合は審査後 48 時間以内にアフノールジャパンに届け出ること。
· 認証機関のためのコメント
· 不適合の是正を確認するために使用した資料
· 審査時に使用した規格のチェックリスト
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審査ガイド – クライアント&審査員
6. QSE 審査報告書のテンプレート説明
本章の目的は、下記 2 点である:
QSE 審査報告書の各テンプレートの目的を明らかにし、クライアント組織と審査員が情報を共有する。
·
審査員が報告書を作成するにあたり必要な情報は、別添の「審査ガイド付属書1」に記載している。
·
6.1. 事前レビュー及び審査計画書
4つの段階がある。
・審査リーダーは、審査計画書(案)を組織に提示すること
・クライアント組織は、審査リーダーと協議の上、計画を完成させること
・審査初日のオープニングミーティングで、審査計画を最終合意すること
・審査チームは、審査計画書に沿って審査を進めること
・審査計画に変更があった場合は、その変更を計画書に反映させ、審査報告書に同封してアフノールジャパンに
提出すること(審査計画書の最終ページにある、‘遂行された計画書’チェックボックスの更新を忘れずに行
うこと)
事前レビュー
目的:
· 審査の目的
· 審査の規格、審査種別(初回/定期/再認証)
· 認証対象のサイト、登録範囲
· 前回の審査に起因する確認事項(懸念領域、不適合の数)
· 認証機関が受け取った組織に対する苦情
· 審査で使用するマニュアルの版数
· 審査前のドキュメントレビュー時に発見した気づき事項(該当ある場合のみ)
· 計画された日程で現地審査を実施出来るか否か
· サンプリング対象を組織と合意する
審査計画
目的:
· 組織に計画書詳細を提示する。関連部署と事前に調整を行い、当日の審査がスムーズに行えるようにする。
· 計画に記載した内容をチェックリストとして活用する。
6.2. 不適合報告書(軽微、または重大)
目的
·
·
·
事実に基づき、組織に分かりやすいように、審査結果を示す。
根本的原因と是正措置の記録を残す。
不適合報告は、4つの段階から成り立っている。
1. 不適合の報告:審査リーダーが一日の終わりに、不適合を報告する
2. 是正措置:組織が不適合の是正をまとめる
3. 是正のレビュー:審査リーダーは是正措置が適切であるか確認する
4. 是正の有効性確認(次回審査):審査リーダーは是正の有効性を評価する
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審査ガイド – クライアント&審査員
1 段階:【不適合の報告】記入者:審査リーダー
·
不適合報告書の記載
o [審査日} : 現地審査の最終日を記入する。
o [軽微、または重大] 不適合報告書のレベルを記入する。
o
[N°] 不適合の番号 重大な不適合、軽微な不適合は番号を分けて記入する
«検出された不適合» : 不適合は1件毎に1枚不適合報告書を作成する。
o [該当する規格の条項] : もし不適合が複数の規格に該当する場合、最もリスクの高い要求事項を記
載すること。
o [不適合の証拠] : 具体的な証拠をあげること(サイト、部署、担当、プロジェクト番号、注文番号等)。
o
[不適合の名称] : 不適合の内容、根本原因がシステマチックなものなのか、記入する。
o [リスク(クライアント/製品/プロセス/システム)] : 不適合によるリスクを記入する。
o [関連サイト] : 不適合が発見された場所を記入する。
o [審査員名] : 不適合を特定した審査員の名前
o [日付] : クロージングミーテイングの開催日を記入する。(不適合が発見された日付ではない。)
o 組織には、クロージングミーティングで不適合報告書のコピーを渡すこと。
2 段階:【是正措置】記入者:クライアント組織:
組織により提示された是正措置
[組織による是正処置の提示] : 組織と審査リーダーが合意した期限内に是正措置を実施する。
·
[問題修正のための措置] : 現地審査で発覚した不適合に対する処置を記入する。(例:緊急時の対応として、製品を
リコールし回収した。)
· [根本的原因の分析] : 不適合の根本的原因を記入する。(例:オペレーターが適切な監視機器を使用していなかっ
た)
· [体系的な是正措置の提示] : 再発防止として導入したプロセス・文書の是正を記入する。(例:テスト計画に適切な監
視機器を使用する項目を追加し、その他の場所でも同じ問題が起こらないか全社的にレビューを実施した。次回の生産
部の会議でオペレーターに再度確認する)
·
[処理の責任者]、[是正の期限] : 組織の対応責任者、及び是正期限を記入する。
3 段階:【是正のレビュー】記入者:審査リーダー
クライアント組織より是正の報告を受領後、審査リーダーは 7 暦日以内に是正措置が適切であるか「Yes/No」を確認す
る。是正の確認に現地審査が必要な場合は、「オンサイト」にチェックを入れること。
4 段階:【是正の有効性確認】記入者:審査リーダー
★次回審査で確認
是正のレビューは、下記に方法で確認する。
o 組織より提示された証拠(文書、写真等)を確認する。
o 追加の現地審査を実施する。
審査リーダーの評価は:
o 不適合が完全にクローズした場合、
・不適合報告書の「不適合はクローズした」のボックスにチェックを入れる。
・ ファインディングシートの当該項目のステータス欄にも「×:クローズ」を入力する。
o 不適合がクローズできない場合、
・不適合報告書の「 N°xx 拡大された不適合」のボックスにチェックを入れる。
・新しく採番した上で不適合報告書を発行する。
・ファインディングシートには、指摘事項を記入する。
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審査ガイド – クライアント&審査員
[認証機関によるレビューが必要] (審査リーダーが要求した場合のみ実施):
審査リーダーが認証機関によるレビューを要求した場合、アフノール本部にてレビューを行う。
アフノール本部のレビュー結果は、審査部長に連絡する。ただし、判定員の匿名性を保つために判定員は署名を行わな
い。当該項目が適用された場合は、アフノールジャパン審査部長が署名する。
6.3. オープニング/クロージング会議
クライアント組織及び審査チームは、自筆で署名を行う。
·
作成手順
o
o
審査リーダーは、審査前にフォーマットを印刷しておく。
オープニング会議の参加者(トップマネジメント必須)全員が出席欄に記入する。
クロージング会議では:
o 審査リーダーは、登録証に記載される文言に変更がないか確認する。(審査リーダーと組織代表者署名)
o 審査リーダーは、不適合の数を記入する。
o クロージング会議参加者の署名をもらう。(トップマネジメントの参加必須)
o 組織の署名が終わったら、審査チームも全員署名を行う。
o 組織が審査結果に不同意の場合、該当欄にその旨を記載する。(組織代表者署名欄の上に記載)
アフノール本部に、すみやかに報告すること。
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審査ガイド – クライアント&審査員
7. マネジメントシステムの成熟度評価
クライアント組織は、下記2つの条件を満たせば審査において、マネジメントシステムの成熟度評価を受けることができる。
条件:
・マネジメントシステムは規格の要求事項に適合しており、軽微又は重大な不適合がない。
・現地審査前に、組織は自身のマネジメントシステムを自己評価の上、アフノールジャパンに提出する。
もし組織が成熟度の評価を望まない、又は上記の条件に該当しない場合は、成熟度の評価は行わない。この場合、審査リ
ーダーは審査報告書の「総括」に、評価を実施しない理由を記入する。
適用ルール
評価の原則
この評価には16 項目あり、4 つのカテゴリーに分類されている。
·
マネジメントの責任
·
資源のマネジメント
·
製品実現および運用マネジメント
·
分析および改善
各項目に対して、3 段階の評価が行われる。
<確立 –Managed>
少なくともマネジメントシステムの基礎レベルは達成している。
<最適化-Optimized>
QMS の場合は ISO 9004:2000 レベルに相当しており、審査基準の要求事項以上のレベルを継続的に発展させている。
<優秀-Excellence >
QMS の場合は ISO 9004:2000 レベルを超えており、EFQM の優秀又は表彰レベルを継続的に発展させている。
※EFQM: European Foundation for Quality Management の略
注意)評価は、QMS の ISO9004 :2000 版を基準としている。
評価の結果
評価の結果はクロージング会議で発表され、QSE 審査報告書に添付される。
「マネジメントシステムの成熟度評価」の使用ルール
審査リーダーは、審査チームの評価結果をとりまとめて「マネジメントシステムの成熟度評価」を作成する。
審査報告書への評価結果反映
充実点および改善の機会
[最適化]、もしくは、[優秀]に該当する場合、審査報告書において組織の強みとして記録されなければならない。
CERTI I 0419.5 – 06/2013
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審査ガイド – クライアント&審査員
マネジメントシステムの成熟度評価
審査:[月/年]
テーマ/成熟度の程度
確立
最適化
優秀
A – マネジメントの責任
A.1 利害関係者の意見、分析、及び対応
A.2 組織が順守しなければならない法規制及びその他要求事項
A.3 目的及び方針への関わり
A.4 マネジメントシステムの計画
A.5 プロセスアプローチ
A.6 責任及び権限
A.7 内部及び外部コニュニケーション
B – 資源のマネジメント
B.1 スキルマネジメント
B.2 職場環境
B.3 サービスマネジメント (供給者及び下請負業者)
B.4 情報マネジメント
C – 製品実現及び運用マネジメント
C.1 運用マネジメント
C.2 緊急事態の予防及び危機マネジメント (是正処置 –予防処置)
D – 測定、分析及び改善
D.1 プロセスの有効性の監視、監査、及び分析
D.2 パフォーマンス及びシステムの有効性
D.3 継続的改善
左から右にいく程、成熟度が高い
総括
A –マネジメントの責任
B –資源のマネジメント
C –製品実現及び運用マネジメント
D –測定、分析及び改善
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審査ガイド – クライアント&審査員
評価基準に対する三段階の定義
A-マネジメントの責任
基準
確立
最適化
優秀
A.1 利害関係者の意見、分析、及
び対応
リスク分析手順、および利害関係者
の意見収集方法が確立され、体系
的に実施されている。
リ スク 分析、および 意見 収集に よ
り、顧客や利害関係者の現状のニ
ーズを明確に把握し、将来的なニ
ーズを予測している。
リスク分析(製品・サービス)、およ
び意見収集は継続的に行われ、ア
クションプランを策定する際に、イノ
ベーションをもたらしている。
A.2 組織が順守しなければならない
法規制及びその他要求事項
法規制、およびその他の要求事項
が定義されている。
法規制や規格に関連する情報を収
集するプロセスは、将来的の法規
制および規格を予測できるよう組織
されている。
組織は、法規制および規格の発展
に寄与している。
A.3 目的及び方針への関わり
マネジメントの関与は確立された方
針に基づいて行われている。目的
および方針は定期的に発表され
る。
マネジメントの関与は、利害関係者
のニーズを考慮に入れている。
マネジメントは、利害関係者と将来
のビジョンを共有している。そのビ
ジョンは、持続可能な発展などの戦
略が盛り込まれている。
A.4 マネジメントシステムの計画
組織は目的の達成に必要な活動、
および資源を定めている。
資源の最適化を計画の要素に入れ
ている。
マネジメントシステムの計画は、戦
略計画に盛り込まれ、パフォーマン
ス目標の達成に貢献している。
A.5 プロセスアプローチ
ISO 9001
組織は、一貫性をもってマネジメン
トシステムを定義している。マネジメ
ントシステムの特徴は、戦略と顧客
に対して評価/分析を行っている。
ISO 9001
組織は方針と戦略をサポートするこ
とを通じて、主要なプロセスの有効
性を実証している。各トップマネジメ
ントは、少なくとも 1 つ以上の主要
プロセスのマネジメントに関わって
いる。
ISO 9001
組織の財務、顧客、およびスタッフ
にとって、プロセスマネジメントシス
テムは継続的な改善をもたらしてい
る。(例、バランススコアカード)
複数規格
品質、環境、および安全衛生の要
求事項は、組織のプロセスや入力
情報を定義する際、考慮に入れら
れている。
複数規格
品質、環境、安全衛生の要求事項
と関連するリスクは、組織の広範囲
のプロセスに適用されている。
その結果は、マネジメントレビュー
で確認されている。
複数規格
品質、環境、安全衛生の要求事項
と関連するリスクは、組織のすべて
のプロセスに適用されている。
組織のマネジメントシステム(マネジ
メントレビュー)は、独自で統合され
ており、利害関係者から独立してい
る。
A.6 責任及び権限
利害関係者の責任及び権限は、定
義されている。
(品質/安全衛生のリスクに依存す
る)
すべての関係者はマネジメントシス
テムの中で利害関係者として定義
され、リスクの軽減に貢献するよう
に責任が定義されている。
継続的な改善は、組織の価値の一
部であり、個人、及び集団の責任と
して定義されている。
A.7 内部及び外部コニュニケー
ション
内部、および外部コミュニケーショ
ンは、顧客に関連する情報すべて
が含まれている。(環境/安全衛生
に関連する利害関係者を含む)
マネジメントシステムは、緊急時の
状況を含む、利害関係者のニーズ
を、内部および外部コミュニケーショ
ンのプロセスに組み入れている。
組織はすべての利害関係者に対す
るコミュニケーションの有効性を評
価し改善させている。
<注意>
この基準は、環境マネジメントシス
テムのみの認証組織には適用でき
ないかもしれない
複数の規格認証を取得している組
織には、右の3段評価が適用でき
る。
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B-資源のマネジメント
基準
確立
最適化
優秀
組織の変更の都度、必要なスキ
ルは定期的に分析される。
スキルマネジメントプロセスは、ス
タッフ の力量向上に効果的であ
る 。( 例、 マ ル チ タスク 、 専 門知
識、リスク管理等)。
このプロセスは、組織の将来的な
ニーズを予測する。
スタッフは、仕事を通じて又はキ
ャリアを積むことによって、満足度
とモチベーションを向上できる。
継続的な改善にスタッフを関与さ
せ、その効果を目に見える形で
認識できるシステムがある。
確立
最適化
優秀
B.2 作業環境
職場環境は、製品の適合を保障
する(そして、環境/安全衛生では
スタッフおよび環境を保護する。)
組織は、製品と利害関係者の環
境を改善する視点にたち、職場環
境を分析する方法がある。
組織は、企業の社会的責任を果
たす、職場環境がスタッフの権利
を向上させるという点で、模範的
な実績を残している。
組織はスタッフの話に耳を傾けて
いる。
B.3 サービスマネジメント (供給者
及び下請負業者)
サー ビス 供給 者と は、 製品 、環
境、安全の管理とリスクを回避す
る関係にある。
サービス供給者とは、相互に恩恵
を受ける(Win Winの関係)関係を
維持している。
サービス供給者は、組織の戦略
実施に際して、積極的な役割を果
たしている。
B.4 情報マネジメント
スタッフのニーズが明確にされて
いる。
重要な情報は共有されている。
情報システムは、関連する利害
関係者のニーズにあっている。
情報システムは、市場のベストプ
ラクティスやフィードバックを取り
込んでいる。
組織は、「学習」している。
B.1 スキルマネジメント
基準
C- 製品実現及び運用マネジメント
基準
C.1 運用マネジメント
C.2 緊急事態の予防及び危機マネ
ジメント (是正処置 – 予防処置)
確立
最適化
優秀
品質/環境/安全衛生
リスクは定義され、そのリスクは監
視、管理されている。
品質/環境/安全衛生
各プロセスのリスクは定義され、効
果的なアプローチで監視、管理され
ている。
品質/環境/安全衛生
組織は、革新的な技術を用いて、リ
スク管理、パフォーマンスの改善を
行っている。利害関係者とは常に協
議を行っている。
環境/安全衛生
著しい環境 側面とリ スク が定義 さ
れ、全社的に監視(インパクトを測
定)、管理されている。
環境/安全衛生
著しい環境 側面とリ スク は定義 さ
れ、監視(インパクトを測定)、一貫
したプロセスを通して軽減されてい
る。
環境/安全衛生
ライフサイクルの分析は、製品とサ
ービスの設計フェーズに統合されて
いる。組織は、市場において技術・
経済的に最適な方法で、プロセスを
実施している。
品質
製品の不適合は、各プロセスのリス
ク定義と評価によって予防されてい
る。
品質
各プロセスのリスク軽減につながる
よう定期的にリスク分析を更新して
いる。
過去に発生した、もしくは発生の可
能性がある緊急事態を定めてい
る。緊急事態は、定期的に見直し
し、テストを行っている。
緊急事態は、利害関係者の意見を
取り入れて定義されている。また、
他の組織の事例を取り入れてい
る。
組織は最新の情報を学んでいる。
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重大なリスクの予防とマネジメント
は、組織の文化と運営に組み込ま
れている。
緊急事態のテストは、スタッフの訓
練と注意を喚起させるものになって
いる。また、利害関係者も参加して
いる。
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審査ガイド – クライアント&審査員
D- 測定, 分析、および改善
基準
確立
最適化
優秀
D.1 プロセスの有効性の監視、監
査、及び分析
品質
監視・分析プロセスは製品の適合
を保証する。
プロセスパフォーマンスは向上し、
資源が最適化されている。
組織プロセスのパフォーマンスは、
高いパフォーマンスをあげている他
社と定期的に比較し、改善に役立
てている。
環境/安全衛生
監視・分析活動は管理を手助けし
ている。
環境/安全衛生
規制に違反しないよう、定期的に適
合を評価している。
D.2 パフォーマンス及びシステムの
有効性
マネジメントシステムは、組織運営
のための統治ツールである。
システムの有効性は:
- 顧客の満足度
- 環境への影響、リスク管理
- 目標達成に向けた貢献
- 利害関係者の要望への対応能力
- その他
パフォーマンスは改善され、資源は
最適化されている。
- 目標は達成されている。
- 環境への影響とリスクは軽減され
ている。
- 顧客満足度の向上
- 利害関係者の将来的なニーズを
考慮し予測する
- その他
パフォーマンスに優れている。
- 改善を目標に他社と比較する
-業界のリーダーシップを取る
- 利害関係者の満足度の向上
D.3 継続的改善
企業統治ツールとしての継続的改
善は、以下の方法に基づいている
- データ分析
- マネジメントレビュー
-内部監査
-不適合の管理
-事故後に導入した活動
-顧客、利害関係者の不満に対す
る対応
改善活動を広く展開している。
マネジメントは、同じ定義・レベルに
定期的に実施している
集団的な改善行動は、品質ツール
に基づいて行われている。
個人の貢献にインセンティブシステ
ムを導入している。
継続的な改善を定義し、自社の能
力でプロセスをマネジメントしてい
る。
各ユニットは、全社的な改善計画に
沿って、独自の改善計画を有してい
る。
各スタッフは、各自目標を持ってい
る。
すべての利害関係者が改善プロセ
スに関与している。
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審査ガイド – クライアント&審査員
8. 本手引書の付属書
本ガイドは、審査員用に下記付属書を用意している。
付属書1:審査員用の QSE マネジメントシステム手引書
CERTI I 0419.5 – 06/2013
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AUDIT GUIDE – AUDITORS
本ガイドは、アフノールグループとその審査員の協力を得て、AFNOR Certification がまとめました。
改善へのご提案は以下のアドレスにお送りください。
customer@afnor.co.jp
お送りいただきましたご提案は、次回ガイド改定の際に参考にさせていただきます。
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