田中耕一郎 TANAKA, Koichiro 今回は、DB2 UDB データへアクセスするクライアントの DB2 ア ジニ ン エ 構成方法についてに解説します。基本的にクライアント の設定は何度も行なうものではなく、しかもローカルな 環境では構成の設定も必要ないので、なかなか覚える 機会がないことも確かです。この機会に是非ともしっか 実践講座 第3回 り覚えて、得点源にできるようにしておきましょう。 データへのアクセス DB Magazineサイトへ はじめに 「DB2 UDB サーバーの発見と認識」です。 環境です。複数のデータベースを 1 つのイ この問題で問われるのは、ずばり 「ノードと ンスタンス内に作成でき、また、単一のマシ エンジニア試験では、DB2 UDB データ データベースのカタログ方法」です。詳細は ン上に複数のインスタンスを作成できます。 のアクセスカテゴリからの出題が全出題数の 後述しますが、コマンドを使用する方法と インスタンスに特有の設定項目は、データ 15 %を占めています (表 1) 。エンジニア試験 ツールを使用する方法とがあります。 ベース・マネージャー構成ファイル(DBM 構 の全問題数が 54 問あるとすると、およそ8 問 次に 2 つ目の「基本的な DB2 UDB オブ 成ファイル) にパラメータとして登録されてい がこの項目から出題される計算になります。 ジェクトの作成」と3 つ目の「DB2 UDB オ ます。これらの値を参照するには、CLP(コ DB2 UDB データへのアクセスカテゴリの ブジェクトのアクセスと操作」ですが、DB2 マンド行プロセッサー)から get dbm cfg 問題は、次の 3 つの項目から構成されます。 UDB オブジェクトと一言で言っても多岐に コマンドやコントロール・センターから見るこ 渡ります。そのため、誌面の都合上今回は とができます。これらの個々の値が何を意 ・DB2 UDB サーバーの発見と認識 解説しません。次回の「DB2 UDB データ 味するのかはひとまず置いておいて、これ ・基本的な DB2 UDB オブジェクトの作成 の使用」カテゴリで、DB2 GUI ツールの中 らのパラメータがインスタンス・レベルでそ ・DB2 UDB オブジェクトのアクセスと操作 心的な役割を果たすコントロール・センター のインスタンスに属するすべてのデータベー の紹介を含め、DB2 オブジェクトについて スに影響を与えることを覚えておいてくださ も解説したいと思います。 い。デフォルトでは、DB2という名前のイン DB2 では、クライアントマシンからDB2 サ ーバーのデータベースに接続するために 今回は、カタログとは何かを説明する前 「カタログ」 という作業が必要になります。そ に、DB2 の論理的な構成要素を説明しま データベースとは、表や索引といったデータ のカタログの知識を問う問題が、1 つ目の す。これらの理解なくしては、ノードとは何 ベースオブジェクトを格納できる論理的な構 表 1:エンジニア試験の出題項目と問題配分 カテゴリ 出題項目 計画 15% ② セキュリティ 10% ③ DB2 UDB データのアクセス 15% ④ DB2 UDB データの使用 30% ⑤ DB2 UDB オブジェクトの使用 20% ⑥ データの同時実行性 合計 か、また、なぜカタログする必要があるのか 造です。また、ユーザーからの接続を受け付 といったことが見えてこないからです。 ける単位でもあります。個々のデータベースの 設定を規定するために、インスタンスと同様の 配分 ① 10% 100% スタンスが作成されます。 構成ファイルを持っています。これらはデータベ DB2 の構成 ース構成ファイルと呼ばれ、get db cfg for [データベース名] コマンド、あるいはコントロー インスタンスとデータベース インスタンスとは、論理的な DB サーバー ル・センターから参照できます。画面 1 は、 DB2 付属の SAMPLE データベースの構成 DB Magazine 2003 September 209 DB2インスタンス データベース データベース・ マネージャ 構成ファイル 管理サーバー 構成ファイル リモートからの管理 表スペース 表 索 引 DASインスタンス データベース 構成ファイル インスタンス1 図 1:インスタンスとデータベースの論理的な関係 インスタンス2 DISCOVERY ジョブのスケジューリング インスタンス3 図 2:DAS によるインスタンス管理 パラメータをコントロール・センターから表示し トで管理するための特殊な DB2 インスタン す。インスタンス、データベース、DAS には、 たものです。図 1は、インスタンスとデータベー スです。DAS の役割を次に挙げます。 それぞれ特有のパラメーター値を保持する スの論理的な関係を示しています。 ファイルがあることはすでに説明しましたが、 図 1 から、それぞれのオブジェクトが階層 的になっていることが分かるかと思います。 ・DB2 サーバーのリモート管理 このほかにも 「DB2 プロファイル・レジストリ」 ・スケジューラーを使用して、ユーザーが作成 と 「DB2システム環境変数」があります。 表スペースは実際の物理ファイルにマップさ したジョブをローカルまたはリモートで実行 れる論理的な単位で、複数の表や索引な ・DB2ディスカバリーを使ったリモート・クライ アントに情報を戻す (詳細については後述) どのオブジェクトを格納できます。表スペー DB2 プロファイル・レジストリ DB2 インターフェイスや通信パラメーター をコントロールするための DB2COMM や スにより、実際のデータの物理的な格納先 (ファイルシステムやテープ) を気にしなくて 済みます。 DB2 UDB 管理サーバー 図 2 は、DAS がインスタンス1 から3まで DB2PATH などのパラメーターが保管され を管理している様子を表わしています。図に ています。パラメーターとその値を参照する ある管理サーバー構成ファイルの内容は、 には、次のコマンドを発行します。 get admin cfgコマンドで取得できます。 また、 DB2 UDB 管理サーバー(以降、DAS) は、DB2 サーバーをローカルおよびリモー ■ db2set -all DAS の開始と終了はそれぞれ db2admin start、db2admin stopコマンドで行ないま 結 果 [e] [i] [i] [i] [i] [i] [g] [g] [g] [g] ■ DB2PATH=D:¥IBM¥SQLLIB DB2ACCOUNTNAME=DIANNE¥db2admin DB2INSTOWNER=DIANNE DB2PORTRANGE=60000:60003 DB2INSTPROF=D:¥IBM¥SQLLIB DB2COMM=TCPIP DB2SYSTEM=DIANNE DB2PATH=D:¥IBM¥SQLLIB DB2INSTDEF=DB2 DB2ADMINSERVER=DB2DAS00 DB2 システム環境変数 OS のシステム環境変数として保存される いくつかのパラメーターがあります。これらは OSによって異なります。画面 2 は Windows の 環 境 変 数 です。D B 2 I N S T A N C E と DB2TEMPDIR が登録されていることが分 かります。 画面 1:SAMPLE データベースの構成を コントロール・センターから表示 210 DB Magazine 2003 September 画面 2:Windows の環境変数 DB2 ア ジニ エン 実践講座 インストール時に TOOLSDB(タスク・センタ 点では、クライアントマシンのシステム・デー ーなどの GUIツールを使用するときに必要) タベース・ディレクトリーには当然ながら1 つ とSAMPLE データベースを作成しているの もデータベースはカタログされていません。 で、そのときに暗黙的にカタログされていま そのため、該当リモートデータベースの情 「データベースをカタログする」 とはどうい す。ローカルに既に存在しているデータベー 報を元にカタログ作業をしなければなりま うことでしょうか。カタログとは、一般的に一 スに対して別名を持たせたいときは、次の せん。カタログするためには、次の 4 つの作 覧表やリストのことですから、データベース ようにコマンドを入力します。なお、ここで 業が必要になってきます。 のカタログとは、使用できるデータベースの は S A M P L E デ ータベ ー スに 対 して データベースのカタログ クライアントの構成 一覧であると言えます。つまり、データベー スをカタログするとは、データベースの情報 moniker という別名を付けています。 ■ 通信プロトコルの設定 DB2 がサポートする通信プロトコルは、 db2 catalog database sample as moniker TCP/IP、NetBIOS、Named Pipes、 を一覧の中に登録する作業です。 では、なぜこのようなカタログという作業が コマンドを入力後、再び list database APPC です。ほとんどの場合 TCP/IP プロ 必要なのでしょうか。それは、アプリケーショ directoryコマンドを発行します。結果的に トコルが選択されます。以降もTCP/IP を ンがアクセスしたいデータベースを特定するた データベース・エントリーが 3 つになり、デ 前提として解説します。 めの情報として必要となるからです。ローカル ータベ ー ス S A M P L E の 別 名 として な環境でDBを明示的にカタログする必要は MONIKER が登録されているはずです。 成ファイルのSVCENAME エントリーで示す 結 果 接 続ポート名が O S の s e r v i c e s ファイル 動的にカタログされるからです。カタログの作業 は、リモートにあるデータベースにアクセスする クライアントマシン上か、あるいはローカル DB ですでに登録されているデータベースに別名 を持たせたいときに行ないます。実例を見てみ ディレクトリー中の項目数 データベース 1 項目 : データベース別名 データベース名 データベース・ドライブ ディレクトリー項目タイプ = 3 = = = = MONIKER SAMPLE D:¥DB2 間接 ましょう。自分のPCにDB2とSAMPLEデー タベースをインストールしている方は、CLPを起 動して次のコマンドを入力してみてください。 db2 list database directory システム・データベース・ディレクトリー ディレクトリー中の項目数 = 2 データベース 1 項目 : データベース別名 = TOOLSDB データベース名 = TOOLSDB データベース・ドライブ = D:¥DB2 ディレクトリー項目タイプ = 間接 データベース 2 項目 : データベース別名 = SAMPLE データベース名 = SAMPLE データベース・ドライブ = D:¥DB2 ディレクトリー項目タイプ = 間接 %SYSTEM%¥SYSTEM32¥drivers¥etc にあります) に定義されているかも確認します。 リモート・ノードの登録 以降、MONIKER へは他のデータベース ノードは、インスタンスとほぼ同じものだと と同様に CLP あるいはクライアント・アプリ 覚えておいてください。該当データベースが ケーションからアクセスできます。 存在するインスタンスを、使用する通信プロ ドとその結果を次に示します。 connect to moniker 結 果 トコルとともにノードとしてシステム・データベ ース・ディレクトリーとノード・ディレクトリーに エントリーを追加します。 ■ リモート・データベースの登録 先ほど登録したノード内に存在するデー データベース接続情報 データベース・サーバー = DB2/NT 8.1.0 ローカル・データベース別名 = MONIKER タベースの情報をクライアント・マシンのシス テム・データベース・ディレクトリーとノード・ ディレクトリーに登録します。 クライアントからの DB2 サーバーへのアクセス db2 list database directoryコマンド ( Windows NTファミリー の 場 合 は 、 ■ CLP から MONIKER に接続するコマン 結 果 がTCPIPになっていることを確認します (前出 のdb2setコマンドを使用) 。続いて、DBM 構 ありません。なぜなら、データベース作成時 (CREATE DATABASE 文発行時) に自 まず、DB2レジストリー変数のDB2COMM では、クライアントアプリケーションから、 ■ 登録したリモート・データベースへの接続 登録したデータベース名で接続できるか は、システム・データベース・ディレクトリーを リモートのデータベースサーバーへ接続す を確認します。ノードとデータベースがカタ 参照して、カタログされているデータベース るときにはどのような手順が必要でしょうか。 ログされたことを確認し、接続コマンドを発 の情報を表示します。この環境では、DB2 クライアントモジュールをインストールした時 行して実際に接続します。 DB Magazine 2003 September 211 これらの 4 つの作業を行なうためには、 次の 3 通りの方法が提供されています。 ここまでが JACK 側で行なう作業です。 結 果 これより、クライアント側の DIANNE での 設定について解説します。まず、TCP/IPノ ・手動で行なう システム・データベース・ディレクトリー データベース別名 = R_SAMPLE データベース名 = R_SAMPLE ノード名 = R_JACK ディレクトリー項目タイプ = リモート ードを R̲JACK としてカタログします。 ・DB2 の GUI ツールであるディスカバリー db2 catalog tcpip node r_jack remote jack server db2c_DB2 を使用する ・アクセス・プロファイルを使用する DIANNE 側での設定は以上です。それ ノードが正常に作成されたかどうかは、 それでは、カタログのメカニズムを追うた めに、それぞれのやり方を見ていきましょう。 次のコマンドで確認できます。 では、接続テストを行なってみましょう。次 のコマンドで J A C K 上 のデータベース db2 list node directory SAMPLE への接続確認ができます。 ● 手動でカタログを行なう 結 果 db2 connect to r_sample user xxxx using xxxxx まず、手動で設定する場合を見ていきま す。今回は JACKとDIANNEというマシン 上に、DB2 サーバーとクライアントモジュール をインストールして、JACK 上の SAMPLE デ ータベースをDIANNEに R̲SAMPLEとし ノード・ディレクトリー ディレクトリー中の項目数 ノード 1 項目 : ノード名 プロトコル ホスト名 サービス名 以上で、リモートサーバー上の SAMPLE = 1 データベースが R̲SAMPLE という名前で = = = = R_JACK TCPIP jack db2c_DB2 クライアント上にカタログされました。ここまで の作業を図にしたのが図 3 です。DIANNE てカタログします。まず、JACK のレジストリー 変数であるDB2COMM が、TCPIPに設定 されていることを、次のコマンドで確認します。 db2set -i 上のクライアントアプリケーションからデータベ 次 に 、サ ー バ ー で ある J A C K 上 の ースに対して接続要求が来たときに、システ SAMPLE データベースを R̲SAMPLE と ム・データベース・ディレクトリーが対象データ いう名前でクライアント上にカタログします。 ベースはリモートかローカルかを判断して、そ れぞれのノード・ディレクトリーにデータベース db2 catalog database r_sample remote at node r_jack 結 果 が 次 のように 表 示 され れ ば 、 DB2COMMはTCP/IPに設定されています。 とノードの情報を問い合わせていることが分 データベースが正常にカタログされたか かると思います。 どうかは、次のコマンドで確認できます。 説明が多少冗長になってしまいましたが、 結 果 クライアント・アプリケーションが DB2 サー db2 list database directory バーに接続するためにどのような設定が必 DB2COMM=TCPIP 次に、DBM 構成ファイルのパラメーター DIANNE SVCENAME を調べます。 db2 get dbm cfg SAMPLE JACK TOOLSDB ⑤リモートデータベースへの 接続 インスタンス:DB2 db2 connect to r̲sample 結 果 TOOLSDB SAMPLE TCP/IP サービス名 (SVCENAME) = db2c_DB2 続いて、db2c̲DB2という名前のエントリ ーが services ファイルに存在しているかを 確認します。 db2c_DB2 R̲JACK TOOLSDB R̲SAMPLE ローカル・ ディレクトリー ノード・ ディレクトリー システム・ データベース・ ディレクトリー ③ TCPIPノード: R̲JACKの作成 db2 catalog tcpip node …. ローカル/リモートの 全データベース情報 ④データベース: R̲SAMPLEのカタログ db2 catalog db … 50000/tcp 図 3:手動でカタログを実行する際の作業の流れ 212 DB Magazine 2003 September ①プロファイル・レジストリー DB2COMM=TCPIP ② db2c̲DB2 50000/tcp DB2 ア ジニ エン 実践講座 要かを理解すると、次に説明する構成アシ スタントやアクセス・プロファイルのツールも 理解しやすくなると思います。エンジニア試 験対策の観点から言うと、使用できる通信 プロトコルの種類などが頻繁に問われてい ますし、TCP/IP の設定に必要なレジスト リー変数や DBM 構成ファイルも覚えておい てください。 【例題】 画面 3:データベースの 追加ウィザード LIST DB DIRECTORYコマンドについ ての記述で、最も適切なものは次のうち どれですか? 〔A〕ローカル・データベースのディレクト リー項目型は ホーム と表示される 〔B〕システム・データベース・ディレクト リーの内容がリストされる 〔C〕リモート・データベースのディレクト リー項目型は 間接 と表示される 〔D〕各リモート・データベースに対する コネクション数がリストされる 【解説】 services ファイルにあるエントリーのポート 通信プロトコルに TCP/IP を使用する場 合には、DB2 UDB サーバーにて、 いですが、server が正しいです。 ・DB2COMM レジストリー変数に TCPIP ● ディスカバリーを使ってカタログを行なう の追加 ディスカバリーは、db2クライアント構成ア ・DB2 サーバー側の servicesファイルにサ ービス名とポート番号の追加 解答:B 【解説】 式のツールで、ステップ・バイ・ステップで接 続の構成を行なえます。ディスカバリーには SVCENAMEを追加したサービス名で更新 「KNOWN ディスカバリー」 と 「SEARCH デ ィスカバリー」の 2 種類があります。ディスカ バリーを起動するには、CA のメニューから を行なう必要があります。 めのコマンドです。図 3にあるように、ローカ ル/リモートのデータベースの情報がシステ シスタント (CA)から起動できるウィザード形 ・D B M 構 成 ファイル の パ ラメーター LIST DB DIRECTORYは、システム・デ ータベース・ディレクトリーの内容を表示するた 番号を使用するので services 混同しやす [選択] − [データベースの追加(ウィザード 【例題】 を使用) ] を選択し、 「データベースの追加ウ ム・データベース・ディレクトリーに格納されま TCP/IP ノードを R̲JACK という名前 ィザード」を立ち上げ、 ネットワークを検索 す。ここで表示されるディレクトリー項目型は、 で、ホスト名 JACK にある DB2 サーバ する を選択します(画面 3)。 ローカル・データベースの場合は間接、リモー ーに対して構成しようとしています。次の ト・データベースの場合はリモートになります。 どのコマンドを実行したらよいですか? 〔A〕db2 catalog npipe R̲JACK remote JACK server 50000 【例題】 TCP/IP ノードをカタログする際に、DB2 サーバー側で設定されていなくてはなら ない項目はどれですか? (2 つ選択) 〔A〕データベース・ディレクトリー 〔B〕PORT DBM 構成パラメーター 〔B〕db2 catalog node R̲JACK remote JACK server 50000 using tcpip 〔C〕db2 catalog tcpip node R̲JACK remote JACK server 50000 〔D〕db2 catalog tcpip node R̲JACK remote JACK service 50000 すでにクライアントで認識しているリモー トサーバーのインスタンス/データベースの 情報を検索します。 データベースの追加ウィザードで[システ ムの追加] ボタンを押して、出現したダイアロ グボックスにマシン名、プロトコルなどの必 要な情報を入力してノードとデータベースの カタログを行ないます(画面 4)。 〔C〕DB2COMM レジストリー変数 解答:C 〔D〕SVCENAME DBM 構成パラメーター 【解説】 解答:C、D ・Known ディスカバリー 前 述 の 解 説 を 参 考 にしてください 。 ・Search ディスカバリー ローカルネットワーク上にブロードキャス DB Magazine 2003 September 213 画面 4:必要な情報を入力してノードと データベースのカタログを行なう トした問い合わせに対してレスポンスを返 画面 5:ネットワーク検索の結果から利用可能な DB2 サーバーの一覧を表示 【例題】 のインスタンスを選択し、メニューより [サー した DB2 サーバーのインスタンスとデータ リモートDB2 サーバーへの TCP/IP デー バー・プロファイルのエクスポート] を選ぶこ ベースの情報を使用します。これは、事前 タベース接続をカタログするには、次の とにより作成されます(画面 6)。 に接続先の情報を知らなくても良い反面、 うちどの情報が最低限必要ですか? Search ディスカバリーからのメッセージが ルーターとブリッジによってフィルタリングさ れてしまい、適切な情報を取得できない場 合があります。その場合は、Known ディス カバリーを選択してください。画面 5 は、ネ ・クライアント・アクセス・プロファイル 〔A〕ホスト名 クライアントで構成されたカタログ情報が 〔B〕パスワード 入ったプロファイルで、他のクライアントに設 〔C〕許可 ID 〔D〕オペレーティングシステムのバー ジョン番号 アシスタントからプロファイルをエクスポート することにより作成されます(画面 7)。 ットワーク検索を行なった結果リストされ 解答:A た利用可能な DB2 サーバーの一覧を示し ています。 定をコピーできます。クライアント上の構成 【解説】 ● それぞれ構成方式の考慮点 Known/Search ディスカバリーを使用す Search ディスカバリーを使用すれば、対 ここまで、カタログを行なう3 つの方式を る場合、次のパラメーターを有効にする必 象となるマシン名だけで接続の構成を行な 見てきました。それぞれに長所と短所があ 要があります。 うことが可能です。 りますので、環境に合わせて適宜選択して ください。表 2 に方法選択のためのガイド ・クライアント/サーバーの DBM 構成 ファイルのパラメーター ● アクセス・プロファイルを使用したカタログ を示します。 アクセス・プロファイルには、 「サーバー・アクセス・プロファイ DISCOVER=SEARCH(or KNOWN) DISCOVER_COMM=TCPIP(使用する通信プロトコル) ル」 と 「クライアント・アクセス・プ ロファイル」の2 種類があります。 ・サーバーのDBM 構成ファイルのパラメーター DISCOVER_INST=ENABLE ・サーバー・アクセス・プロ ファイル DB2 サーバーのすべてのイ ・サーバーの DB 構成ファイルのパラメーター DISCOVER_DB=ENABLE ンスタンス、データベースに関 する情報が記載されています。 コントロール・センターから対象 画面 6:コントロール・センターからサーバー・ プロファイルをエクスポート 214 DB Magazine 2003 September 日本アイ ・ビー・エム より おトクなお知らせ DB2 グローバルマスター 1万人達成記念 スキルアップ・キャンペーン 実 施 中! 期間 対象 画面 7:構成アシスタント からプロファイル をエクスポート 表 2:環境の違いによるカタログ方法一覧 構成方式 環境 サーバー・アクセス・プロファイル ・クライアントが多数存在している ・接続するデータベース・サーバーが多数ある クライアント・アクセス・プロファイル ・クライアントが多数存在している ・クライアントは同じデータベースにアクセスする Known ディスカバリー ・大規模なネットワーク環境 Search ディスカバリー ・単純なネットワーク環境 ・クライアントが多数存在している ・DB2 サーバーが頻繁に増加するような環境 手動 ・拡張オプションを使用する場合 ・APPC プロトコルを使用する場合 ・スクリプトを使用する場合 2003年5月1日〜12月20日まで DB2アドバイザー資格保有者 および DB2エンジニア資格保有者 DB2 技術者の需要拡大に伴い、おかげさまで、 昨年 1 年間で1 万人以上の方がDB2グローバ ルマスターの資格を取得され、その数は約 1 万 2000名となりました。今年度は1万人達成記念 として、上位資格の取得を目指される「DB2アド バイザー」 「DB2エンジニア」の有資格者を対 象に、スキルアップ・キャンペーンを実施していま す。ぜひこの機会に上位資格を取得して、DB2 の知識をより深めていただくと同時に、データベー スの世界において活躍の場を広げてください! スキルアップ・キャンペーン 対象 内容 A DB2アドバイザー資格保有者 DB2エンジニア取得支援 (2003年5月1日〜9月30日まで) 1. 試験対策セミナーと試験割引バウチャーを キャンペーン価格でご提供 2. セミナー参加者、先着100名に 翔泳社「iStudy(DB2エンジニア模擬試験 CD-ROM)」 (定価15,000円)をご提供 【例題】 ーを使用した基本的な DB2 オブジェクトの 3. エンジニア合格者には 特製DB2 グローバルマスターグッズ プレゼント(後日郵送いたします) 同じデータベースにアクセスするクラ 作成方法も見ていきたかったのですが、思 イアントが多数ある場合に、最も適して いのほかカタログの説明にページを費やし いるクライアント構成方法は、次のうち てしまいました。ただ、例題を見てもらえば どれですか? 分かるように、表層的な知識だけではなか 書籍『IBM 教科書 DB2エンジニア』 (翔泳社) をWebからご購入の方に、DB2エンジニア認定 試験割引バウチャーをご提供 なか追いつかない問題も出てくることがあ 14,000 円 ⇒ 10,000 円(税別) 〔A〕Searchディスカバリー ります。元来、クライアントの設定は何度も 〔B〕Knownディスカバリー 行なうようなものでもなく、ローカルな環境で 〔C〕手動構成 〔D〕クライアント・アクセス・プロファイル を使用する は構成の設定も必要ないので、なおさら覚 【解説】 表 2 を参照してください。 対象 内容 B DB2エンジニア資格保有者 える機会がないことも確かです。これを機 会に是非とも覚えておきましょう。 解答:D スキルアップ・キャンペーン 次回は今回説明できなかったコントロー ル・センターを使ったDB2オブジェクトの作成 と基本的な SQL の使用方法を解説します。 DB2エキスパート取得支援 (2003年5月1日〜12月20日まで) 1. 試験対策セミナーと試験割引バウチャーを キャンペーン価格でご提供 2. セミナー参加者、先着100名に 翔泳社「iStudy(DB2エキスパート模擬試験 CD-ROM)」 (定価15,000円)をご提供 キャンペーンの詳細はこちらをご覧下さい。 おわりに 今回は、クライアントの構成方法について 説明しました。本当はコントロール・センタ 田中耕一郎(たなかこういちろう) たがわ製作所 技術主任。DB2、Oracle な どの商用 RDBMS に精通したデータベース プログラマー。週末のバスフィッシングのた めに、平日身を粉にして働く。 ibm.com/jp/software/data/db2gm DB2 グローバルマスターに関するお問い合わせ E-mail: db2gm@jp.ibm.com DB Magazine 2003 September 215
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