ハードウェアシステム設計 AP2060

ハードウェアシステム設計
AP2060
教員名 : 村本充 muramoto@tomakomai-ct.ac.jp
教員室 : J321(0144-67-8035)
Hardware System Design
電子・生産システム工学専攻 1年
単位数・必修/選択・授業時間
2学修単位・選択・後期週2時間
授業の進め方
我々の身の回りにある多くの家電製品は、その制御中枢としての役割をディジタル回路(ロジック回路)が果たして
いる。ロジック回路は大規模・複雑化し、回路図作成による従来の方法では設計できなくなってきており、HDL(ハード
ウェア記述言語)を用いて設計するのが一般的である。
本科目では、VHDL によるハードウェアシステムの設計法を学習する。VHDL の基本構文の習得だけでなく、多くの演習
を通じて、実際の回路設計の方法を体験し、応用力を養うことを目標とする。
履修上の注意
履修には電気電子回路の基礎知識が必要である。
授
授
業
項
目
業
の
授業
時間
内
容
授 業 項 目 に 対 す る 達 成 目 標
1.ガイダンス
2
1.学習目的、達成目標を理解する。
2.システム設計概論
2-1 電子部品の使用法
2-2 電気回路図の書き方
2-3 システムと機能ブロック
2
3.CPLD/FPGA の基礎
3-1 ディジタル回路の設計手法
3-2 CPLD/FPGA
3-3 ハードウェア記述言語
2
2.プルアップ抵抗、フィルタ(コンデンサ)の使い方や
定数の決め方、トランジスタやオペアンプの具体的
な使い方を学び、簡単な電気回路図を書くことがで
きる。電子サイコロや超音波距離計などの簡単なシ
ステムについて、機能ブロックに分割してシステム
全体の動作を考察できる。
4.設計の流れ
4-1 ターゲットデバイスの選定
4-2 開発ツールの使い方
4
5.組み合わせ回路の設計
5-1 VHDL の書き方
5-2 VHDL 文法の基礎
5-3 各種組み合わせ回路
5-4 階層設計の基礎
5-4 組み合わせ回路の実習
4
6.順序回路の設計
6-1 フリップフロップの設計
6-2 カウンタの設計
6-3 シフトレジスタの設計
6-4 7セグデコーダの設計
6-5 タイマーの設計
8
7.総合演習
7-1 演習Ⅰ(ストップウォッチの設計)
7-2 演習Ⅱ(キッチンタイマーの設計)
7-3 演習Ⅲ(ディジタル時計の設計)
7-4 演習Ⅳ(スロットマシンの設計
/LED マトリクス文字表示の設計)
8
3.ソフトウェアとハードウェアの違い、汎用ロジック
IC とカスタム IC の違いを理解する。また、ハードウ
ェア記述言語とは何かを理解する。
4.仕様や開発規模の条件から、最適なデバイスを選定
できる。開発ツールを用いた設計方法(コンパイル、
シミュレーション、ダウンロード)の概要を理解す
る。
5.VHDL の基本構文を覚え、SW や LED を用いた簡単な
回路を制御する VHDL 記述ができる。また、階層設計
の記述法を理解し、効率的な設計を行うことができ
る。
6.クロックの概念および同期式と非同期式の違いを説
明できる。シフトレジスタやカウンタの VHDL 記述が
できる。チャタリングの除去を行う VHDL 記述ができ
る。
7.与えられた仕様から、どのような機能が必要かを考
え、それを満足するシステム設計ができる。
前期定期試験
自学自習時間
60
授業の予習復習、課題・演習への取組み、定期試験の
準備等を総合したのもとする。
(1)簡単な電気回路図を書くことができる。
(2)シフトレジスタやカウンタなどの基本的な回路をクロックやタイミングを考慮した VHDL で設計す
ることができる。
(3)製品仕様が与えられとき、必要となる機能を考え、与えられた条件下でそれを実現する回路を VHDL
で記述できる。
達 成 目 標
評価の観点
学習目標
Ⅱ
専攻科の点検項目(「環境・生産システム工学」教育プログラム
学習・教育到達目標)
D-4,E-2,F-1
JABEE 基準 1 学習・教育到達目標
(c),(d-2a),(e)
定期試験では、達成目標に挙げた知識と能力が身についていることを次の観点で出題し採点する。
・ ディジタル信号を扱うための基礎知識を身につけているか。
・ SW や LED の使い方を理解し、簡単な電気回路図を書くことができるか。
・ ソフトウェアとハードウェアの違いを認識し、タイミングを考慮して、ハードウェアの動作を説明
することができるか。
・ VHDL の基本構文を理解し、与えられた VHDL 記述を解読することができるか、また、簡単な回路を
VHDL で記述できるか。
演習では、与えられた条件を満足する仕様を策定し、それを実現する回路を VHDL で記述できている
かどうかを次の観点で評価する。
・ 期限を遵守して課題に取り組んだか。
・ 創意工夫をこらしているか。
・ 与えられた条件を満足し、仕様どおりに動作するか。また、動作確認を行っているか。
関 連 科 目
電気工学、電子回路、ディジタル回路、電力システム工学、計算機システム
教
自作プリント
科
書
参 考 図 書
藤井信生「なっとくするディジタル電子回路」講談社
兼田護「VHDL によるディジタル電子回路設計」森北出版株式会社
坂巻佳壽美「見てわかる VHDL」工業調査会
長谷川裕恭「VHDL によるハードウェア設計入門」CQ 出版社
トランジスタ技術 SPECIAL「初歩の HDL 設計学習帳」CQ 出版社
PETER J.ASHENDEN “The Student’s Guide to VHDL”Morgan Kaufmann Publishers
講義及び試験の
内容水準確認の
ための参考資料
堀桂太郎著「VHDL 実習」森北出版株式会社
PETER J.ASHENDEN “The Student’s Guide to VHDL”Morgan Kaufmann Publishers
評価法及び基準
授業項目に対する達成目標に関する内容の試験および演習のレポートで総合的に達成度を評価する。
定期試験 60%、演習およびレポート 40%とする。合格点は 60 点である。
再試験を実施することがあるが、方法等については別途連絡する。
備考