9 S e p t e m b e r, 2 0 1 0 不動産マーケットレポート 住宅ローンの金利・貸出動向について ・・ 2 経済トレンド・ウォッチ ・・・・・・・・・・・ 6 個人住宅ローンの利用状況 ・・・・・・・・ 8 ■本レポートに関するお問い合わせ先■ みずほ信託銀行株式会社 不動産企画部 下山田 英介 TEL.03-3274-9079(代表) 住宅ローンの金利・貸出動向について 本年は、 持ち家取得や賃貸住宅建設を促進するため、 住宅ローン減税をはじめ住宅エコポイント制度、 住宅取得等資金の贈与に係る非課税措置の拡大などの優遇措置が講じられています。 また、 6月以降、 長期金利が一段と低下しており、 住宅ローン金利の動きが注目されます。 そこで今回は、 個人住宅及び賃貸住宅のローン金利と貸出の動向についてみてみましょう。 ●住宅ローンの金利タイプ・種類 民間の住宅ローンには、 『 個人住宅ローン』 と 『賃貸 定期間 (通常2年∼20年) 固定するもので、 短期プライム 住宅ローン (アパートローン)』があります。 どちらも金利 レートに固定期間の長さに応じた金利を上乗せする方 設定の基本的な仕組みは同じで、 大別すると変動金利 法等で基準となる金利が設定されます。 方式と固定金利方式があります。 また、変動金利方式 固定金利方式には、全期間固定金利型と段階固定 をベースとし、一定期間の金利の見直しを行わない固 金利型があり、基準となる金利は長期金利など金融市 定金利選択方式(固定金利特約型などともいう) があり、 場の影響を受けて変動します。全期間固定金利型は 多くの民間金融機関でこれら3つの方式(金利タイプ) 契約時の金利が返済終了まで一定で、返済額が確定 に基づく商品が取り扱われています (図表1) 。 しています。段階固定金利型は、借入から10年間は年 変動金利方式の基準となる金利 (店頭表示金利) は、 2%、 それ以降は年3%というように金利がスライドします 短期プライムレートに連動するものと長期プライムレート が、契約時に金利と返済額が確定しているものです。 に連動するものがあります。 前者は期間1年未満の貸出 なお、超長期の固定金利型の個人住宅ローンとして、 金利の基準となる短期プライムレートに1%程上乗せし 民 間 金 融 機 関と住 宅 金 融 支 援 機 構 の 提 携 商 品 た水準に金利が設定され、 後者は期間1年以上の貸出 「フラット35」 (借入期間最長35年) や「フラット50 (同50年) 」 金利の基準となる長期プライムレートに連動しています。 があり、 いずれも民間金融機関が取扱い窓口となってい 固定金利選択方式は、 特約により、 当初の金利を一 ます。 図表1 住宅ローンの種類別にみた特徴 (注1) タイプ 変 動 金 利 ローンの種類 短期プライムローン 連動型 適用金利 (注2) 毎月返済額 (利息+元本) 毎月返済額 の上限 金利は最も低く、返済期間中は半年ごとに適用金利が見直されるので、 半年毎に 見直し 5年毎に改定 (5年間一定) 従前返済額の 1.25倍以内 利が想定外に上昇すると利息支払額が大きくなり、 元本返済が進まない。 当初の一定 期間は固定 固定期間内 は一定 ↓ ↓ 当初から一定期間(通常2年∼20年) の金利が固定される。 適用金利は固定期間が長いほど高くなる。 ↓ 終了した時点 の金利を適用 返済額は 改定される 固 定 金 利 全期間固定金利型 全期間固定 (改定なし) 期間の長短に 係わらず一定 段階固定金利型 固定金利を 段階的に設定 金利改定と 同時に改定 固定期間終了後は変動金利型に切り換わるか、再度固定金利選択 型を選択できる(注3)。 固定期間終了後 <基本は変動金利> 金利低下局面などでメリットがある。 毎月返済額は5年間一定。 その後の変動幅は、 従前の1.25倍以内なの で、 金利が上昇しても返済額がそれ以上増加することはない。 ただし、 金 長期プライムローン 連動型 固定金利選択型 (固定金利特約型) 特 徴 ローンの種類 で異なる その際、金利が見直され、適用金利が高くなった場合、返済額が大幅 に増加する可能性がある。 金利は最も高くなるが、全期間の金利が一定で、返済額が確定してお り、生計が立てやすいなどのメリットがある。 借入から一定期間経過後に金利と返済額が変わるタイプで、 初期の返済 負担軽減などのメリットを享受できる。 注1:変動金利型は、 適用金利に上限を設定するタイプを取り扱う金融機関もあります。 注2:毎月返済額の記載は、 一般的に利用される元利均等返済方式を利用した場合です。 注3:固定金利選択型は、 固定期間終了後に選択できる金利タイプが金融機関によって異なる場合があります。 資料:都市未来総合研究所作成 2 2010, September みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート ●変動金利型は低金利が継続、固定金利型は金利低下が進行 変動金利型(短期プライムレート連動型)の店頭表 3年固定の金利も概ね安定的に推移しています。 示金利は、2009年1月から現在まで年2.475%の水準で 一方、全期間固定金利型の貸出金利は、2009年後 安定しています(図表2)。これは、世界金融危機の影 半から低下傾向が続いています(図表2)。これは、個 響により、 日銀が政策金利(短期金利の誘導目標:無担 人消費の指標である消費者物価指数や長期金利(新 保コール翌日物の金利) を2008年末に引き下げたことを 発長期国債流通利回り) の低下が一段と進行したこと 受け、短期プライムレートが年1.475%で推移しているこ が影響していると考えられます (図表3) 。 とによるものです(図表3)。同様に、固定金利選択型: 図表2 住宅ローン貸出金利の推移 6.50 (%) 6.00 全期間固定(返済期間:21年∼35年) 変動:短期プライムレート連動型 固定金利選択型:10年固定 変動:長期プライムレート連動型 固定金利選択型:3年固定 5.50 5.00 4.50 4.00 3.50 3.00 2.50 2.00 1.50 1.00 0.50 0.00 1月 95年 1月 96年 1月 97年 1月 98年 1月 99年 1月 00年 1月 01年 1月 02年 1月 03年 1月 04年 1月 05年 1月 06年 1月 07年 1月 08年 1月 09年 1月 10年 注1:全期間固定は、 住宅金融支援機構と民間金融機関の提携商品「フラット35」 の借入金利の最高値。 注2:全期間固定以外は、 みずほ信託銀行の個人住宅及び賃貸住宅ローンの店頭表示金利。10年固定は賃貸住宅ローンのみの値。 資料:住宅金融支援機構の公表資料及びみずほ信託銀行の店頭表示金利に基づき都市未来総合研究所作成 図表3 長期金利・短期金利及び消費者物価の推移 5.50 (%) 長期プライムレート 無担保コール翌日物レート 消費者物価指数 新発長期国債流通利回り 短期プライムレート 基準割引率及び基準貸付利率 5.00 4.50 (旧、公定歩合) 4.00 3.50 ▽世界金融危機 (08年9月) 量的緩和政策:01年3月∼06年3月 3.00 2.50 2.00 1.50 1.00 0.50 0.00 ↑ゼロ金利 0.50 1.00 1.50 2.00 1月 95年 景気後退 1月 96年 1月 97年 1月 98年 1月 99年 △景気の山 (07年10月) 景気後退 1月 00年 1月 01年 1月 02年 1月 03年 1月 04年 1月 05年 1月 06年 1月 07年 1月 08年 1月 09年 1月 10年 注1:新発長期国債流通利回りは末値。 1998年11月以前は東証上場国債最長期利回りの末値。 注2:短期プライムレートは都銀各行が自主採用した金利のうち最も多い金利。 長期プライムレートはみずほ銀行の公表値。 注3:消費者物価指数は、 食料及びエネルギーを除く消費者物価指数総合の前年同月比。 資料:日銀「金融経済統計」、総務省「消費者物価指数」、住宅金融支援機構公表資料に基づき都市未来総合研究所作成 みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート 2010, September 3 ●新規貸出は、変動金利型と固定金利選択型の10 年固定などが増加傾向 2006年から2008年にかけて、 景気は拡大から後退に 変動金利型の低金利のメリットを重視するタイプと、 10年 転じ、 金利は上昇から下落へと変化しました (図表3) 。 こ 程度の金利の安定を重視するタイプが多くなる傾向がう の期間に着目し、 民間住宅ローンの貸出状況をみると、 かがえます。 金利タイプ別のシェアが大きく変化しています (図表5) 。 賃貸住宅ローンの新規貸出についても同様な傾向が 住宅金融支援機構の調査によると、 個人住宅ローン みられます。ただし、 個人住宅ローンに比べ10年超固定 の新規貸出シェア (金額ベース) は、 2年∼5年固定の固 のシェアが大きくなっています。 これは、 事業計画の上で、 定金利選択型が減少し、 変動金利型と10年固定の固 返済期間を11年から20年程に設定し、 返済額を確定し 定金利選択型が増加しています。 この点から、 利用者は て収支を安定化したいというニーズがあるためと推察さ れます。 図表4 ெపᏩ࣭ࣞࣤ࣬㈜㈒పᏩ࣭ࣞࣤࡡᗉ㢄⾪♟㔘ฺ 個人住宅ローン 種 類 変 動 金 利 型 (注1) (注3) 基準金利 基準金利 利の先安感が強まったことから、 変動金利型の利用シェ (9月1日現在:年率) (9月1日現在:年率) ア (利用件数ベース) が大幅に増加しています (本紙巻 2.475 2.475 末のグラフ参照) 。 また、 直近では全期間固定金利型の 長期プライムレート 連動型 1.400∼1.650 1.400 2.550∼3.000 2.600∼3.150 2.800∼3.350 3.500∼3.800 2.550 2.600 2.800 3.000 借入金利が低下し、 金利の割安感からその利用シェア 選択型 全期間 固定金利型 〔11年∼20年〕 1.870∼3.200 〔21年∼35年〕 2.060∼3.200 が増加に転じています。 注1:個人住宅ローンは主要都市銀行・信託銀行の店頭表示金利。 注2:個人住宅ローンの全期間固定金利型は、 民間金融機関と住宅 金融支援機構の提携商品 (フラット35) の借入金利の値。 注3:賃貸住宅ローンはみずほ信託銀行のアパートローン店頭表示金利。 (注2) 固 定 金 利 型 同機構の定期調査でみると、 世界金融危機の影響で金 短期プライムレート 連動型 2年固定 3年固定 5年固定 10年固定 固 定 金 利 賃貸住宅ローン (アパートローン) 次に、 2009年以降の個人住宅ローンの利用状況を、 〔11年∼35年〕 3.800∼4.300 資料:主要都市銀行・信託銀行の店頭表示金利及び住宅金融支援 機構の公表資料に基づき都市未来総合研究所作成 図表5 Ằ㛣㔘⼝ᶭ㛭࡞࠽ࡄࡾపᏩ࣭ࣞࣤࡡ᩺ぜ㈒ฝ≟Ἓ 図表6 Ằ㛣㔘⼝ᶭ㛭ࡡపᏩ࣭ࣞࣤ᩺ぜ㈒ฝጶເ (%) 100 8.4 7.0 (%) 1.2 100 5.3 4.9 3.4 2.3 1.3 25.6 40 2.0 8.9 26.0 1.7 2.9 25.6 1.5 8.1 14.3 22.8 0.6 5.1 10年超固定 9.2 14.8 16.4 現在:消極的 今後:慎重、縮小 80 1.4 22.7 17.5 7.2 10年固定 2.5 11.1 0.9 10.1 全期間固定型 0.9 20.2 40.0 37.1 1.9 13.1 16.3 80 60 0.8 2.7 13.0 11.7 9.0 2.1 その他10年 未満固定 5年固定 60 57.7 88.7 56.4 89.9 40 3年固定 4.0 4.9 20 9.7 36.7 22.3 40.6 31.5 2年固定 現在:積極的 今後:積極的 20 27.6 14.0 0 現在:自然体 今後:現状維持 27.5 27.2 現在 今後 変動金利型 2006年 2007年 2008年 2006年 2007年 2008年 個人住宅ローン 賃貸住宅ローン 注1:調査対象は、民間住宅ローン (フラット35を除く) を取扱う都市 銀行、 信託銀行、地方銀行、信用金庫など民間金融機関。 0 現在 今後 個人住宅ローン 賃貸住宅ローン 注:調査対象は、民間住宅ローン (フラット35を除く) を取扱う都市 銀行、 信託銀行、 地方銀行、 信用金庫など民間金融機関。 注2:新規貸出の構成比は、 貸出金額の加重平均値による。 資料:住宅金融支援機構「平成21年度民間住宅ローンの貸出動 向調査」 ( 2009年9月) に基づき都市未来総合研究所作成 4 2010, September 資料:同左 みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート ●貸出姿勢:個人住宅ローンは全般に積極的、賃貸住宅ローンは一部で積極的 国内銀行の個人住宅ローンの貸出残高は、 2009年3 間金融機関では、 競合する他機関の金利を考慮しながら 月末約100兆円、 2010年3月末約101兆円と漸増していま (図表7) 、 各種の優遇金利 (図表4の店頭表示金利より すが、 新規貸出額は景気後退による住宅需要の低迷か 低い貸出金利) を適用し、 顧客ニーズに対応する動きが ら減少しています。 しかしながら、 本年は、 住宅取得等の 活発です。 利用者にとっては、 商品の選択肢が増え、 新 ための優遇措置が重点的に講じられていることもあって、 規利用や借り換えなどを検討する好機といえるでしょう。 民間金融機関は顧客の獲得に力を注いでいます。 賃貸住宅ローンについては、 全国的にみると、 新規貸 個人住宅ローンの新規貸出の姿勢をみると、 今後も積 出の姿勢は金融機関によりまちまちですが、 貸出実績が 極的であるという民間金融機関が大多数を占めていま 多い金融機関では貸出姿勢が積極的な傾向があります す (図表6) 。 借り換えについても同様に積極的な取組姿 (図表6) 。 勢がみられます。 賃貸住宅ローンの取扱い実績が豊富なみずほ信託 一方、 利用者は、 物価の下落が続き、 実質的な金利負 銀行では、 物件の耐用年数 (構造) 等に応じ、 柔軟な返 担が増加して、 住宅ローンの店頭表示金利より更に低い 済計画が立てられるよう、 多彩な金利タイプを選択できる 金利を期待する傾向が強くなっています。 このため、 民 サービスを提供しています。 ●今後の住宅ローン金利について 円高・株安が急激に進行し、 今後の景気回復の見通 変動金利型などの貸出金利は、 当分横ばいまたは下落 しや物価への影響が懸念されます (図表8) 。 日銀は、 8月 基調で推移する可能性が高いと考えられます。 末に追加金融緩和策を決定しましたが、 経済の先行き また、 固定金利型の貸出金利については、 長期金利 に不透明感が増し、 金融緩和を強化する必要性が高く の急落に伴って最近数ヶ月間に大幅に低下したことか なっています。 このため、 専ら短期金利の影響を受ける ら、 今後の動きには暫く注意が必要でしょう。 (以上、都市未来総合研究所 黒須 良次) 図表7 Ằ㛣㔘⼝ᶭ㛭࡞࠽ࡄࡾపᏩ࣭ࣞࣤ㈒ฝ㔘ฺ ࠈࠈࠈỬᏽࡡ⩻៎こᅄ (%) 図表8 ᾐ㈕⩽∸౮ᣞᩐ࣬*'3ᠺ㛏⋙ࡡ᥆⛛࡛ず㏳ࡊ 6.0 (%) (%) 6.0 変動金利型 71.3 今後の見通し 18.2 15.6 14.3 7.3 1.6 29.9 競合する他機関 の金利 4.0 長期国債流通 利回り 2.0 4.0 2.4 1.0 固定金利選択型 85.0 25.6 無担保コール 翌日物レート 0.0 5.1 スワップ金利 37.7 8.6 3.2 12.8 −2.0 長短金利差 −4.0 全期間固定型 75.1 27.6 イールドカーブ 形状 4.5 27.1 その他 24.0 20 40 0.0 0.0 0.1 0.0 ‒0.2 ‒0.7‒0.6 ‒1.0 ‒1.0 ‒1.2‒1.2 ‒1.7 ‒2.3 0.0 −2.0 消費者物価指数 −4.0 名目GDP成長率 −6.0 (複数回答) −8.0 0 2.0 1.0 実質GDP成長率 −6.0 9.5 3.6 1.4 60 80 100 −8.0 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 注:調査対象は、民間住宅ローン (フラット35を除く) を取扱う都市 銀行、信託銀行、地方銀行、信用金庫など民間金融機関。 注1:消費者物価指数 (生鮮食品を除く総合) は前年同期比。 資料:住宅金融支援機構「平成21年度民間住宅ローンの貸出動向 調査」 (2009年9月) に基づき都市未来総合研究所作成 資料:総務省・内閣府公表資料、 社団法人経済企画協会「ESP フォーキャスト調査」に基づき都市未来総合研究所作成 みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート 注2:実質GDP成長率、 名目GDP成長率は前年同期比。 2010, September 5 経済トレンド・ウォッチ ■ 景気の動向(全国) 図1 景気動向指数 110 (景気動向:CI指数 2005年=100) 101.7 101.3 101.3 99.0 景気一致指数 100 景気先行指数 (4月) (6月) 90 80 70 1月 2001年 1月 2002年 1月 2003年 1月 2004年 1月 2005年 1月 2006年 1月 2007年 1月 2008年 1月 2009年 1月 2010年 資料:内閣府「景気動向指数」 図2 景気ウオッチャーの景気判断指数 70 (景気の方向性:DI指数) 景気の現状判断D I 60 景気の先行き判断D I 49.8 46.6 50 40 (7月) 30 20 10 1月 2001年 1月 2002年 1月 2003年 1月 2004年 1月 2005年 1月 2006年 1月 2007年 1月 2008年 1月 2009年 1月 2010年 資料:内閣府「景気ウオッチャー調査」 図3 企業の業況判断指数:全国 (業況判断指数:業況D.I) 30 20 全規模合計 10 0 0 大企業 10 ー11 ー16 ー25 20 30 中堅企業 40 中小企業 50 60 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 注:「大企業」は資本金10億円以上、「中堅企業」は資本金1億円以上10億円未満、「中小企業」は資本金2千万円以上1億円未満 2010年9月は2010年6月時点における予測値。 資料:日本銀行「全国企業短期経済観測調査(短観)」 【デー タ 概 要 】 図1 景気動向指数のCI指数 : CI指数は、景気の拡大・後退の大きさやテンポを示す。 (CI:コンポジット・インデックス) 景気一致指数は、実際の景気動向とほぼ一致して動き、景気の現状を示す指数。 景気先行指数は、景気一致指数より数ヶ月先行して動き、景気を予知するための指数。 図2 景気ウオッチャーの景気判断指数 :景気の動きに敏感な職業の人を景気ウオッチャーに選び、街中の景気の現状や先行き (2,3ヵ月先)について、景気ウオッチャーの判断による景気の方向性を示す指数。 (DI指数:50 = 変わらない・横ばい、50より高い = 良くなる、50より低い = 悪くなる) 図3 企業の業況判断指数 :業況が「良い」と答えた企業の割合から、「悪い」と答えた企業の割合を引いた値を 業況判断指数とするもの。「良い」と「悪い」の回答割合が同じ場合は「0」となる。 6 2010, September みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート ■ 物価・雇用・金利等の動向(全国) 図4 物価指数 (2005年平均=100) 120 消費者物価指数 (生鮮食品を除く総合) 115 110 国内企業物価指数 (総平均) 105 102.7 100 99.0 95 (7月) 90 85 80 1月 2001年 1月 2002年 1月 2003年 1月 2004年 1月 2005年 1月 2006年 1月 2007年 注:国内企業物価指数の7月は速報値。 図5 1月 2008年 1月 2009年 1月 2010年 資料:総務省「消費者物価指数」、日本銀行「企業物価指数」 雇用情勢 (完全失業率:%) 8.0 (有効求人倍率:倍) 1.60 完全失業率 (左目盛) 7.0 有効求人倍率 (右目盛) 1.40 6.0 1.20 5.2 5.0 4.0 0.80 3.0 0.53 2.0 (7月) 1.0 1月 2001年 1月 2002年 1月 2003年 1月 2004年 1月 2005年 1月 2006年 1月 2007年 注:図の値は季節調整値。 図6 1.00 1月 2008年 1月 2009年 1月 2010年 0.60 0.40 0.20 資料:総務省「労働力調査」、厚生労働省「職業安定業務統計」 主要金利 (%/年) 4.000 3.500 3.200 3.000 2.500 2.475 長期固定金利型 住宅ローン (返済期間20年以下) 都市銀行 住宅ローン(変動) 2.000 1.500 1.40 1.000 0.975 (8月) 0.500 長期プライムレート 長期国債(10年物) 新発債流通利回り 0.000 1月 2004年 1月 2005年 1月 2006年 1月 2007年 1月 2008年 1月 2009年 1月 2010年 資料:日本銀行「金融経済統計」、日本相互証券及び住宅金融支援機構ホームページ公表資料。 【デ ー タ 概 要 】 図4 消費者物価指数 国内企業物価指数 図5 完全失業率 有効求人倍率 :全国の家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価を時系列的に測定する指数。 :企業間で取引される国内向け国内生産品の価格水準を示す指数。 :労働力人口(15歳以上で働く意志をもつ人)に占める完全失業者の割合。完全失業者は一定 期間中に収入を伴う仕事に従事しなかった人で、実際に求職活動を行った人。 :公共職業安定所で扱う求職者1人に対する求人数。 図6 長期固定金利型住宅ローン 都市銀行住宅ローン(変動) 長期プライムレート 長期国債新発債流通利回り みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート :民間金融機関と住宅金融支援機構の提携商品「フラット35」の借入金利の最高。 :個人向け都市銀行住宅ローンの変動金利型の基準金利。 :民間金融機関が信用力の高い企業に資金を1年以上貸付ける際の基準となる貸出金利。 :金融機関や機関投資家などの間で取引される長期国債新発債の利回り。 2010, September 7 個人住宅ローンの利用状況 住宅金融支援機構の調査により、 民間住宅ローンの金利タイプ別に利用件数のシェアの推移をみてみます。 「変動金利型」の利用シェアは、 世界金融危機 (2008年9月) 後に景気後退が加速し、 金利の先安感が徐々に強 まったことから、 2008年後半から2009年末にかけて大幅に増加しています。2009年10月 (調査期間:同年7月か ら10月までの4ヶ月間、 以下同様) には利用シェアが50%を超え、 2010年2月には51.8%にのぼっています。 一方、 長 らく住宅ローンの主流であった「固定金利選択型」の利用シェアは、 世界金融危機の直後から減少し、 減少した 分は貸出金利が低い「変動金利型」に流れる格好となっています。 直近(2010年6月) の利用シェアみると、 「変動金利型」が45.6%で最も多く、 「固定金利選択型」が32.8% (うち 「10年固定」及び「10年超固定」が18.8%) 、 「全期間固定金利型」が21.6%となっています。前回調査(2010年2 月) に比べ、 「変動金利型」がやや減少、 「全期間固定金利型」が増加しており、 傾向に変化がみられます。 その 理由として、 長期金利の急落に伴って「全期間固定金利型」の貸出金利が一段と低下したことが考えられます。 ■個人住宅ローンの金利タイプ別利用状況(件数割合)の推移 (%) 100 29.4 24.0 17.3 29.6 24.6 25.9 4.2 80 4.8 3.5 3.7 4.4 28.5 16.1 25.5 1.7 7.5 40 0.9 7.7 9.1 19.3 11.6 3.5 20 8.5 1.9 8.3 06年4月 ∼07年4月 0.9 5.4 1.4 6.6 7.4 1.0 6.9 1.3 2007年 10月 2008年 2月 0.6 4.8 0.5 4.3 5.2 1.0 6.0 0.7 4.6 0.5 4.0 14.8 1.5 6.9 4.4 1.2 全期間固定型 10年超固定 10年固定 その他10年 未満固定 5年固定 3年固定 35.3 21.4 19.1 51.8 50.5 2.5 22.0 1.5 6.9 7.3 2.0 8.0 14.6 0 1.3 2.0 17.6 20.0 21.6 1.5 19.3 24.4 23.3 2.2 15.5 18.8 固定金利選択型 3.5 60 22.1 35.8 42.9 45.6 2年固定 26.5 変動金利型 2008年 6月 2008年 10月 2009年 2月 2009年 6月 2009年 10月 2010年 2月 2010年 6月 注1:調査対象者は、 各調査対象期間(2008年以降は4ヶ月間) に民間住宅ローンを借り入れた方。 注2:調査方法は、 インターネットによるアンケート調査。 各調査期間の集計回答数は1千件強。 資料:住宅金融支援機構「民間住宅ローン利用者の実態調査」 (2010年7月、 他) 不動産の仲介物件のご紹介、売却のご依頼やご相談はこちらへ。 〈掲載物件等のお問合せ先〉 宅地建物取引業:届出第2号 所属団体:社団法人不動産協会、社団法人不動産流通経営協会 社団法人首都圏不動産公正取引協議会加盟 みずほ信託銀行株式会社 不動産マーケットレポート 2010.9 発 行 みずほ信託銀行株式会社 不動産企画部 編集協力 株式会社都市未来総合研究所 〒103-0028 東京都中央区八重洲1-3-7 八重洲ファーストフィナンシャルビル17階 http://www.mizuho-tb.co.jp/ 〒103-0027 東京都中央区日本橋1-14- 7 http://www.tmri.co.jp/ ※本資料は参考情報の提供を目的とするものです。当社は読者に対し、本資料における法律・税務・会計上の取扱を助言、推奨もしくは保証するものではありません。 ※本資料の全部または一部の無断複製・無断転載を禁じます。
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