ファンサイト・マーケティング - MAPS(株式会社マップス)

Ten Minutes Marketing
033
教えて、ミニッツ先生・・・。
友人たちが、「ハーレーダビッドソンに乗っているんだけど、ハーレーダビッドソ
ンにはオーナーズクラブがあり、そのサイトはコミュニケーションが非常に活発な
んだ」「まさに、ファンサイト・マーケティングの典型だね」と言っていました。
そもそも・・・、
「ファンサイト・マーケティング」
ファンサイト・マーケティング」 って何ですか。
2004年4月に刊行された(ダイヤモンド社)、日野佳恵子氏の「ファンサイト・マーケティング」で使われ
るようになった言葉なんだ。この言葉は、日野氏の造語なんだね。
「ファンサイト」は、“企業と顧客の新しいかかわり方を生み出す方法”なんだ。生活者にとって、“自分
の思いや価値基準、使い勝手などを企業に伝えることで、いい商品・サービスを提供してもらえるとい
う実感があり、その企業が身近に感じられ、ファン”になる。そういう「
「WinWin-Win」
Win」の関係が
関係が培われるサイ
トのことなんだ。
「ファンサイト」を詳しく説明して下さい。
サイトのファンは、早く情報が入り、良い商品・サービスづくりに自分の意見が役立つ喜びがある。一方、
企業も様々な情報を得られ、販促やリアル店舗への誘導が出来る。情報を見せたい企業と、情報を見た
Sample
い訪問者の間に、“共通目的達成
共通目的達成の
開発物
共通目的達成の場が誕生”する。これが「Win-Win」なんだ。今の生活者は、開発物
誕生
語を知ったり参加
ったり参加したり
参加したり共感
したり共感することで
共感することで、
することで、“モノだけでなくコトを買
モノだけでなくコトを買いたい”
いたい”という意識
という意識が
意識が強い。ファンサイト
は、企業と顧客の新
新しいかかわり方
しいかかわり方を生み出す方法なんだね。
方法
企業サイトに求められるものは何ですか。
著者は、“インタラクティブ
インタラクティブ性
インタラクティブ性/ユーザーとの関係性
ユーザーとの関係性/
関係性/大事にされているか
大事にされているか/
にされているか/やさしさ/
やさしさ/アクセシビリティ
(使いやすさ)/
いやすさ)/顧客
)/顧客と
顧客と顧客の
顧客の対話/
対話/おもてなしサイト/
おもてなしサイト/接触/
接触/コミュニメーション/
コミュニメーション/プレミアム/
プレミアム/ロイヤリ
Sample
ティ”をキーワードとして挙げている。インターネットは「個」のためのツールだが、最近になって「
「人とのつ
ティ
ながり」
ながり」を重視する企業が増え、ネットで“顧客との対話モデルに本腰を入れる”時期にきているんだ。
成功しているファンサイトを教えて下さい。
国内最大級のファンサイトであるベネッセコーポレーションが運営する「
「ベネッセウィメンズパーク」
ベネッセウィメンズパーク」がある。
雑誌読者から「自分に合った情報がない」「地域や身のまわりの情報不足」との声を受けて、2000年にサ
Sample
イトを立ち上げた。同サイトの“「おしゃべり広場」「地域の口コミ広場」では1日1万件以上の発言があり、
毎日全部チェック
健全性を
毎日全部チェック”しているそうだ。サイトの健全性
チェック
健全性を維持するため、匿名だが会員登録する、パスワード
維持
を後日郵送する、規約がある、会員の身元管理を行うなどで運営をしている。参加者
参加者の
参加者の安心感、
安心感、安全感の
安全感の
ためのコミュニティ機能
ためのコミュニティ機能を
機能を考えるという姿勢の表れなんだ。
える
[文中の“
‐1‐
” の部分は書籍の引用]
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ファンサイトを成功させるポイントは何でしょうか。
成功の条件を著者は、“「
「集客」
「訪問者の
集客」と「
訪問者の問題解決のためのコミュニティ
問題解決のためのコミュニティ」
のためのコミュニティ」”と言っているんだ。集客を
Sample
考えていないサイトは閉鎖する。サイトの会議室は会員の居場所であり、著者の経験では、“1つの会議
室につき最低千人
千人は
課題のないところにコミュニティは
千人は必要”だそうだ。また、課題
必要
課題のないところにコミュニティは起
のないところにコミュニティは起こらず、「ベネッセウィメン
こらず
ズパーク」も子育てやダイエットなど“主婦たち悩みや不安などの「
「課題提示の
課題提示の場」”なんだ。
ファンサイトからのビジネス(収益)をどう考えれば良いのでしょうか。
ファン(コミュニティ)サイトは、マーケティングコストで運営し続けることで、“競合を意識しない独自
独自の
独自の顧客
との繋
との繋がりを、
がりを、販売戦略に
販売戦略に連携できる
連携できる時期
できる時期がくる”んだ。成功しているファンサイトに共通しているのは、
時期
Sample
“参加者自身
参加者自身がサイトに
参加者自身がサイトに訪
がサイトに訪れることに価値
れることに価値を
価値を感じていること”だ。これは、“企業にとって顧客満足度を高
じていること
めることに繋がる”んだね。つまり、参加者
参加者が
参加者が訪れる価値
れる価値を
価値を感じられるサイトを構築すれば、ビジネスに繋
じられるサイト
がると言える。
ファンサイトを構築するメリットは何ですか。
“「
「商品企画のための
「生活者の
商品企画のための情報
のための情報、
情報、アイディア収集
アイディア収集」
収集」と「
生活者の生の声の収集」
収集」”がメリットだ。どちらも企業に
とっては膨大な時間と費用がかかり、必ずしもヒット商品につながらない。ファンサイトを手広く運営できな
い場合、最初は商品開発
商品開発/
顧客同士の交流/
交流/調査など
調査など、
明確に目的を
目的を絞り込んだサイトにし、その目的
んだサイト
商品開発/顧客同士の
など、明確に
Sample
に特化して顧客と関係性を持つ方法があるんだ。
例えば、無印良品が展開している「無印良品ネットコミュニティー」とその会員組織「MUJI.net」がある。こ
れらは「商品開発」「プロモーション」の機能を担っている。狙うべき効果は企業によって異なるが、目的
目的を
目的を
達成できてこそ
達成できてこそ、
できてこそ、ファンサイトは経済価値
ファンサイトは経済価値を
経済価値を創出しているんだね。
創出
[文中の“
【ファンサイトの事例】
”の部分及び下図は書籍の引用]
【会員型コミュニティのアンケートとのメリット】
企業が会員制のコミュニティを作った場合、まず
は自社製品をよく買っている人たちの属性をよく
つかみ、この層の人たちがプラスアルファで買
いたいもの、さらに買い続けたいもの、繰り返し
買いたいものを聞いた方が、効率的なニーズの
把握につながる。
◆無印良品の「無印良品ネットコミュニティー」「MUJInet」
サイトから生まれた「体にフィットするソファ」は、普
通の商品の10倍以上売れた。
チョコレート菓子のアンケートで、サイトモニターから
20名程度を本社に招いて意見を聞いた。顧客と企
業が双方向に交流し、購買意欲が高まる。
◆化粧品のコミュニティサイト「アットコスメ」
話題・人気の商品のクチコミをランキング形式で見
られる「アイテム別クチコミランキング」や、価格やブ
ランド、年齢・肌質などをキーワードに検索できる
「商品検索」、メンバー参加型の「商品企画室」など
を提供。
中立なサイトとの認知が浸透するまで一切の広告
掲載はせず、クチコミ投稿はチェックし、営業的な
書込みや誹謗中傷は削除を徹底。その結果、「信
頼して話せる、聞ける、ユーザー主導型サイト」とし
て会員数が約45万人(2004年11月現在)で、その
数は毎月増え続けている。
新規の市場に飛び込むよりも、既存顧客のライ
フスタイルをつかんで商品を広げていくほうが、
難易度も低くなる。
Sample
そうした意味でも、ファンサイトから得られるアン
ケートデータは、十分に価値があるものと言って
良い。
‐2‐
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「価値」を生むファンサイトを作るためには、どうしたら良いでしょうか。
ファンサイトは、企業のファンが集まるサイトなんだ。決してコアなファンではなくても、その企業
企業が
企業が運営す
運営す
るサイトに行
マーケティングを目的
るサイトに行く価値を
価値を見出している
見出している人
している人たちが集
たちが集まっている。基本的に“マーケティングを
まっている
マーケティングを目的に
目的に会員化を
会員化を図
Sample
ることが理想
ることが理想”なんだね。
理想
会員化とは、“メール会員化という意味ではなくて、「
「絆」を持たせる”と著者は言っている。
たせる
会員化の「絆」って何でしょうか。
顧客がサイトを訪れた際、“楽
楽しい/
しい/参加の
参加の場がある/
がある/自分の
自分の意見を
意見を聞いてくれるなど、
いてくれるなど、企業との
企業との繋
との繋がり”
がり
を感じられることが「絆」なんだ。まずは、「何のサイトか」ということと「売りたいもの」がマッチする「
「共通の
共通の
価値を
。さらに、“その情報がどんどん増加し、進化
進化していけるようなコミュニティ
価値を見出すこと
見出すこと」
すこと」が求められる。
進化していけるようなコミュニティ
Sample
に発展させることが
発展させることが大切
させることが大切”なんだ。せっかくサイトを構築して投資しても、“期待を裏切る場合もあるので、
大切
堅実で
堅実で確実なコミュニティづくりと
確実なコミュニティづくりと成長
なコミュニティづくりと成長のストーリィを
成長のストーリィを描
のストーリィを描いていく”のが賢明だね。
いていく
ファンサイトのコミュニティとは、顧客との接触や繋がりを重視している。その関係から信頼を得た、プッ
シュではなく“プル
プル型
プル型の「指名される
指名される顧客
される顧客づくり
顧客づくり戦略
づくり戦略」
戦略」”なんだね。
他に、ファンサイトの事例はありますか。
本書にあるバンダイとキリンの例を挙げよう。バンダイのキャラクター「プリモプエル」の公式サイトは、当初
一方的な情報発信だけだったが、ファンサイト「プリモプエル・はーとねっと」を開始したところ、クチコミで
訪れた人を増やしていった。結果、“サイトリニューアル後、アクセス
アクセス数
アクセス数が2倍になり、
になり、売上も
売上も伸ばした”。
ばした
Sample
キリンビールは、女性社員と女性消費者が出会えるコミュニティ、「ビアジェンヌ.com 」を発足させた。女性
向けのビール、ワイン・イベントへの参加者にサイトの紹介と会員登録を促した。サイトを知った女性たち
だけが、友人知人にサイトをクチコミして会員を増やした。こうして、“「秘密のコミュニティ」のスタイルを徹
底した結果、参加者の安心感、ステイタス性、仲間意識が高まり、リピーターが
リピーターが増
リピーターが増えた”んだ。
えた
[文中の“
” の部分は書籍の引用]
最近の「ファンサイト・マーケティング」の論点
ネットの世界では、企業サイトやコミュニティサイト、mixi、ブログ、Facebook、Twitterな
ど各種コミュニティサイトが乱立している。しかし、ネットの開放性を受け入れられない企
業は多い。ひとつ対応を間違えれば、ブログ、Twitterなど個人サイトの水面下でのコミュ
ニティでクレームや評価は横に広がり、「サイト炎上」という事態が起きてしまうためだ。ベ
ネッセ、無印良品、バンダイ、キリンなど本書で紹介された各社は、顧客や生活者との繋
がりをネットでも重視している。ネットの開放性を受容し、その力で企業を変えていくこと
が求められている。
また、ファンサイト構築は、上記のそれなりの資金力を持った企業に限定されるのでは
なく、そこまでの予算をとれない企業でも、ブログやTwitterなどで「小さく始める」ことが
可能だ。事実、ブログやTwitterを中心に小さなコミュニティができ、在野のオピニオン
リーダーが誕生している。ターゲットユーザーを多く抱えるブログやTwitterのオーナー
(プロシューマー)をまずは自社のファンにし、そこの読者もファンになってもらう、といっ
たマーケティングが考えられる。
Sample
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「ファンサイト・マーケティング」/日野佳恵子[著]
<著者紹介>
<目次>
日野 佳恵子
(ひの かえこ)
株式会社ハー・ストーリィ代
表取締役。
第1章 ファンサイト・マーケ
ティングとは
第2章 企業Webサイトの
1961年生まれ。タウン誌編集長、
広告代理店プランナーを経て、90
年、さとうみどり(現・代表取締役副
社長)と広島市で女性の企画集団、
ハー・ストーリィを設立。
企業のWebビジネスコンサルティ
ング、マーケティング、プロモー
ション、広告宣伝などに10万人を
超える女性ネットワークを活用し注
目される。
著者に「クチコミニティ・マーケティ
ング」など。
現状と方向性
第3章 企業事例に学ぶ、
成功するファン
サイト
第4章 具体的メリットに絞り
込んだファンサイト
第5章 「価値」を生むファン
<2011年1月現在>
サイトを作る
ダイヤモンド社/2004年
4月14日発行/1,575円
[税込]/224頁
<内容紹介>
著者は近年のネット事業において注目される経営者の1人である。90年に女性の企画集団「ハー・
ストーリィ」を設立。ネットで10万人を超える主婦ネットワークを構築し、多くの企業でWebビジネスを
サポートしたり、マーケティングを請け負うなどして事業を拡大させてきた。
『ファンサイト・マーケティング』は著者の造語。顧客の声や動向をダイレクトかつ迅速につかみ、
ファンを育てるWebサイトとは何かについて、自社のサイトや成功企業の事例を挙げながら解説する。
強調点の1つは「Webサイトは広告メディアではない」ということだ。Webサイトを宣伝のための新しい
メディアだと考えると失敗すると注意を促す。Webサイトは顧客が自らの意思で訪れる「場」であり、企
業が顧客との絆を強める場、同時に共通の価値観を持った顧客同士が出会う場であると指摘する。
また、「ファンサイト」を構築し成功に導く秘訣は顧客のクチコミにあると言い、ダスキン、ベネッセコー
ポレーション、無印良品などの成功事例を示しながらクチコミパワーの有効性と活用法を示す。
=出版社から内容紹介文より抜粋=
こんな本もある
「クチコミュニティ・マーケティング」
「企業ファンサイト入門」
(日野佳恵子著 朝日新聞社)
(川村隆一著 日刊工業新聞社)
「バズ・マーケティング」
「バイラルマーケティング」
(マーク・ヒューズ著 ダイヤモンド社)
(セス・ゴーディン著 翔泳社)
「図解でわかるくちコミマーケティング」
(中島正之、吉松徹郎、鈴木司著 日本能率協会マネジメントセンター)
Ten Minutes Marketing
株式会社 マップス
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