証券コード:2469 ヒビノ株式会社 第 43 期事業報告書 2005.4.1- 2006.3.31 History of HIBINO 2 1 音楽喫茶ブーム 1970 大阪万博 3 1980 4 余暇需要増大 5 6 7 8 1990 9 地上デジタル放送開始 2003年 2000 アナログ 音 Visual 映像 Audio 1964年 設 立 全国放送開始 2007年 アナログ放送終了 2011年 デジタル の 時 代 へ プロ用音響設備機器の販売 プロからプロシューマへ市場拡大 音響 1971年 PA(コンサート音響)事業へ進出 デジタル化対応コンテンツ市場の拡大 日本のPA業界における草分け 1984年 映像事業へ進出 2002年∼ 映像機器の開発・ 製造・販売事業を開始 デジタル化対応コンテンツ市場の拡大 1987年 システム事業を開始 Information Technology IT 2000年∼ 映像 デジタル化対応設備・施設の拡大 プロデュース& IT事業へ進出 2003年∼ 人材派遣事業へ進出 情報 技術 専門人材ニーズの拡大 ト ー タ ル ・ ソ リ ュ ー シ ョ ン 企 業 へ 1 1971年7月 箱根アフロディーテにおけるPink Floydのコンサートに「SHURE」の音響機材提供。 6 1998年2月 長野冬季オリンピックにおいて大型映像機器の貸出・オペレートをサポート。 2 1978年2月 約1年半の研究開発の末、オリジナル・コンサート音響システム「BINCOシステム」を完成。 Bob Dylan初来日コンサート・ツアーで採用。日本武道館設立以来初の8回公演の記録樹立。 7 1999年6月 千葉県千葉市美浜区幕張の特設会場にて日本最大規模の20万人集客の GLAYコンサートで音響・映像表示を担当。 3 1980年9月 Y.M.O.(Yellow Magic Orchestra)世界ツアーの音響を全面的にサポート。海外へ進出。 8 2000年9月 シドニー夏季オリンピックにおいて、会場4ヶ所の大型映像機器の貸出・オペレートをサポート。 4 1988年2月 東京ドームこけら落とし公演のMick Jaggerコンサートの音響サポートを担当。 9 2002年2月 ソルトレイク冬季オリンピックにおいて、大型映像機器の貸出・オペレートをサポート。 5 1992年3月 B’ z浜名湖渚園5万人野外コンサートの音響を担当。 CONTENTS History of HIBINO……………………………P1 営業の概況………………………………………P9∼10 ごあいさつ ………………………………………P2 財務諸表…………………………………………P11∼12 社長インタビュー ………………………………P3∼5 株式の状況………………………………………P13 財務ハイライト(単体)…………………………P6 会社概要・株主メモ ……………………………P14 事業紹介…………………………………………P7∼8 1 ごあいさつ 「創造と革新」の経営理念のもと、 「音と映像」を基軸とした プロ用AV&ITのトータル・ソリューション企業として、 各事業部門の相乗効果を高め、グローバル展開を推進し 「世界のHIBINO」を目指してまいります。 代表取締役社長 日比野 晃久 株主の皆様におかれましては、ますますご清祥のことと イ・システムの拡販を重要な課題として取り組んでおり お慶び申し上げます。平素は格別のご支援を賜り厚く御 ます。 礼申し上げます。第43期(2005年4月1日∼2006年3月31 その結果、売上高14,593百万円(前期比10.3%増)、営業 日)の事業報告書をお届けするにあたり、一言ご挨拶申 し上げます。 利益972百万円(前期比13.8%増)、経常利益868百万円 (前期比13.7%増)、当期純利益は694百万円(前期比 当期におけるわが国経済は、原油価格の高騰が続きまし 54.5%増)と、いずれも過去最高の業績をあげておりま たが、企業収益の改善が進み設備投資や個人消費も順調 す。 で、緩やかな回復基調で推移しました。 2006年2月、ジャスダック証券取引所に上場したことで、 当業界におきましても、企業の広告宣伝費の増加や高音 社会の一員としての責任を改めて自覚・認識するととも 質・高画質なデジタル機材の需要も増加していることか に、社会貢献も視野に入れ、全社一丸となって各事業部 ら、市場は明るさを増してきております。 門間の相乗効果を高めながら事業の拡大を図り、企業価 このような状況のもと当社は、「音と映像」を基軸とした 値の最大化を目指してまいりますので一層のご支援を賜 プロ用AV&ITのトータル・ソリューション企業として、 りますよう、よろしくお願い申し上げます。 「音」と「映像」、「販売」と「サービス」に関する事業を マトリックス展開しております。当社事業の3本柱である 音響機器販売事業部門、コンサート音響事業部門、イベ ント映像事業部門に加えて、4つ目の柱となるよう映像製 2006年6月 品の開発・製造・販売事業部門においてLEDディスプレ 代表取締役社長 日比野 晃久 2 社長インタビュー 2006年2月、ヒビノ株式会社はジャスダック証券取引所に上場いたしました。 上場に際しては皆様の温かいご支援ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。 お蔭様で、業績は順調に推移しております。 プロフェッショナル分野でのパイオニア 音響&映像事業における 「ヒビノ」の実績 映像事業へ進出いたしました。 国内初のマルチビジョンを舞台 映像装置として導入するなど、こ ――まずヒビノ株式会社の音響事業の実績について お聞かせください。 の分野でも業界の先駆者として の役割を果たしています。 創業者である現取締役会長がヒビノ電気音響株式会社を設 当初は主催者側の予算の問題 立したのが1964年のことです。当初は、業務用音響機器の設 もあり、思ったように利益を上げ 計・製造・販売・施工などの音響設備事業がメインで、喫茶店 ることはできませんでした。 しかし、 など店舗向け音響システムの販売が中心でした。 日本の景気拡大が進行し、一 『箱根アフロディーテ※2』 PA※1事業をスタートさせた1971年には 大イベントと化した大規模コンサートが開催されるようになった の音響システムを手がけ、また武道館で初めて吊り下げ式のス ことで、このビジネスも軌道に乗せることが出来ました。また、 ピーカ・システムを運用したり (1973年) 、 『ワールド・ロック・フェ 当社が得意とするコンサートだけでなく、スポーツイベント (オリ をはじめとする野外コンサートでの音響サポート、 スティバル※3』 ンピック、国体、モーターレースなど) や博覧会・企業展示会な 東京ドームや横浜アリーナのこけら落としコンサートで音響を担 どへの進出も果たしました。 当するなど、コンサート音響の世界で、常に先進的かつ信頼性 この成功により、 「音」 と 「映像」 という両輪が確立され、現在の の高いシステムを提供していったのが当社なのです。 事業基盤が成立したといってよいと思います。 こうした実績を重ね、放送局の音響・録音設備や劇場・ホール の音響設備など、世界中から選りすぐった優良ブランドの輸入 販売を行うことでプロフェッショナルの世界で「ヒビノ」の名を不 動のものにしていきました。 ※1 PA=Public Addressの略語。コンサート音響のことをいう。 ※2 1971年8月開催。日本の屋外コンサートイベントの草分けで、Pink Floydの初来日公演が話題を 集めた。他の出演はかぐや姫、 トワ・エ・モア、赤い鳥、渡辺貞夫など。 ※3 1975年8月、国内初の大型ロック・フェスティバル・ツアー。後楽園球場で開催。出演はジェフ・ ベック・グループ、カルメン・マキ&OZ、四人囃子など。 世界の「HIBINO」 に向けて新たなるステップ 「ヒビノ」の今後の事業戦略 ――新規事業、市場開拓分野やそれに向けての マネジメント的な取り組みについて説明してください。 時代の先端をいくことで、信頼と実績を積み重ねてきた当社で すから、常にチャレンジすることを忘れてはいません。 プロ用AV&ITのトータル・ソリューション企業として、各事業の ――1980年代には映像事業へも進出していますが、 映像事業の立ち上げと実績についてお聞かせください。 3 さらなる拡大を図る一方、新たな分野にも積極的に挑戦し企 業価値の最大化を図ってまいります。その具体策として、映像 1984年にAVCC (オーディオ、ビジュアル、コンピュータ&コミュ 事業の分野では、2002年より映像機器の開発・製造・販売事 ニケーション) を経営方針として、音と映像の一体化を目指し、 業において世界トップクラスの高精彩LEDを使用したディスプ レイ・システムの開発・製造・販売を開始しました。また同年に、 す。国内では2年に1回ですが、ワールドワイドで見ると年に20 イベント・プロデュース、技術者の人材派遣、ITサービスなどの 数回開催されており、マーケットとしても今後の成長が十分見 事業も同時に立ち上げました。 込める市場規模と考えております。 これらの施策に加えて、音響機器販売事業においては、著名 我々の「音」 と 「映像」 というビジネスには国境がありません。当 なブランドだけでなく優秀なブランドの獲得により、一層の業績 社の技術力からすれば、グローバル展開は必ずや成功するも 拡大を図っています。新規マーケットとして、プロシューマ層(プ のと確信しております。 ロとコンシューマの中間に位置する高品質志向の一般消費 者) へ家電量販店を通じて販売網を広げるなど、市場開拓を進 めています。 ――現在の「ヒビノ」の他社に対する優位性、強みについて お聞かせください。 これら以外にも、今後数多くの新しい取り組みを発表できるこ これまでお話しさせていただいた当社の歴史、技術力や組織 とになると思いますが、事業の多角化というより、マーケットの 体制が、他社に対する優位性です。豊富な現場経験とノウハ 拡大を目指した施策と考えていただければと思います。 ウの蓄積は当社の最大の財産です。また、 「音」 と 「映像」に加 これら新規参入事業のマネジメント面では、技術革新や社会 え 「販売」 と 「サービス」 を一社で提供できる当社の様な企業は 的インフラ整備の進行など、当社を取り巻く変化を先取りし柔 業界に出現していません。これは当社の特長でもあり最大の 軟に対応しながら、事業を継続的に繁栄させることが必要であ 強みでもあります。開発・製造・販売事業と機材のレンタル事 ると考えております。組織的な取り組みとしては、音響機器販 業を持ち合わせていることも、優位なポイントといえます。 売事業部門、コンサート音響事業部門、イベント映像事業部 具体的な強みについては三つあります。一つ目が音響・映像 門に加えて、LEDディスプレイ・システムを中心とした映像製品 機器の保有量で、質・量ともに業界トップクラスです。二つ目と の開発・製造・販売事業部門、これら4つを事業の柱として事 して人材です。当社には音響・映像のプロフェッショナル・エン 業拡大を目指しており、各事業を支える人材育成及び組織・体 ジニアが多数在籍しています。全従業員の約半分が何らかの 制作りにも力を注いでおります。 技術者ですから、層の厚さも業界トップクラスです。そして三つ 目に企画・制作・オペレーショ ――グローバル展開も画策されているようですが? ン・保守までを一貫して提供で 新規市場開拓という面では、当社の技術力を武器にしたグロ きるサービス体制を敷いており、 ーバル展開を考えております。一つは当社が開発したLEDディ プロのお客様からご評価いただ スプレイ・システムの輸出販売。もう一つは、海外でのイベント いております。 映像案件の受注で、これらはすでに実績を築きつつあります。 また、先ほどお話したように、音 受注実績としてはヨーロッパが多く、アメリカやアジアなどにも 響機器販売、コンサート音響、 進出し、世界各地で開催されるモーターショーでLEDディスプ イベント映像、及び映像製品の レイ・システムが採用されていることからさらに注力してまいりま 開発・製造・販売、これら4つの 4 社長インタビュー 事業部門を構築できたのも当社 の強みです。これらは車でいう四 ――最後に株主の皆様へのメッセージをお願いいたします。 輪駆動車のようなもので、それぞ 高精彩LEDディスプレイ・システムの拡販は堅調に推移し、進 れが駆動することで、安定性の 行中の新規参入事業のプロデュース事業も、当社の将来を支 向上に寄与しています。さらに、 える重要な事業に成長させてまいります。現在、将来に向けた それぞれのシナジー効果も期待 中期経営計画を策定中であり、近いうちに株主の皆様に向け できます。今後市場拡大を考え て発表できると思います。 ているイベントの総合受注やグローバル展開などにおいては、 当社では既存事業の拡大 この四輪が互いに補完し合うことで、大いに機能してくれるも による利益追求はもちろん のと考えております。 ですが、新規ビジネス展開 さらなる飛躍に向けて 株式上場と株主様へのメッセージ ――株式上場の目的を伺えますでしょうか? を推進することも、企業価 値向上となることと考えてお 屋外用砲弾型LEDディスプレイの一例 ります。経営体質を強化す るために必要な内部留保と成果配分とのバランスを勘案しな 当社は業界内ではトップクラスの実績を上げてきましたが、私個 がら、株主の皆様への利益還元に努め、安定配当を継続して 人はまだまだ成長過程にある 「ベンチャー企業」 と思っています。 いくことを基本方針としております。 常にチャレンジしてきたことが現在の当社の基礎を築き上げて 内部留保につきましては、当社成長の根源である高精彩LED きました。今後も当社の経営理念である 「創造と革新」のもと、 ディスプレイ・システムの研究開発、サービス事業の事業用機 事業を継続的に繁栄させるために「ヒビノオリジナル」 、 「業界・ 材投資へ向けて投資採算効果を十分検討した上で、資金投 世界初」 を追求してまいります。 入してまいります。 この目的の達成に向け、製品開発や設備投資を積極展開して いく所存です。そのためには、資金調達の多様化を図ることが 株主の皆様におかれましては、当社事業について一層のご理 必要です。上場はこうした当社のさらなる飛躍へ向けての一つ 解をいただき、当社の事業発展の夢を共有していただき、心か のきっかけになると思います。 らご満足いただける企業へと発展できるよう、ご期待いただけ また、当社の知名度を高め、社員のモチベーションを上げると ればと思っております。今後とも当社に、多大なるご協力とアド ともに、広く優秀な人材を確保することや、海外市場における バイスをいただけますよう、ご支援のほど、よろしくお願いいたし 信用力の獲得、などの効果も期待しています。加えて当社が ます。 上場したことによりプロ用音響・映像業界全体の信頼性や地 位の向上にも繋がるものと考えております。 5 財務ハイライト(単体) 売上高 経常利益 当期純利益(△は純損失) (単位:百万円) 14,593 15,000 13,228 12,000 900 868 763 800 11,191 9,957 (単位:百万円) 449 400 300 9,955 600 200 59 100 500 0 −100 364 400 6,000 △119 −200 300 262 −300 235 −400 200 3,000 −500 −600 −700 100 第39期 第40期 第41期 第42期 第43期 総資産額/純資産額 ■ 総資産額 ■ 純資産額 0 第39期 第40期 第41期 第42期 9,563 8,966 10,136 9,378 −800 第39期 △769 第40期 第41期 第42期 第43期 ROA(総資産経常利益率) (単位:円) 144.50 150 10,614 10,000 第43期 1株当たり当期純利益(△は純損失) (単位:百万円) 12,000 (単位:%) 10 96.60 100 8.4 7.6 8 50 8,000 16.63 6 0 △30.30 6,000 −50 3,530 3.8 4 5,004 4,000 2,000 694 700 600 500 700 9,000 0 (単位:百万円) 2.9 −100 3,564 2,785 3,139 0 第39期 第40期 第41期 第42期 第43期 2.5 2 −150 −200 △176.84 第39期 第40期 第41期 (注)1.第40期は、子会社整理損370百万円を特別損失に計上しております。 2.第41期は、減損会計を早期適用し、減損損失1,413百万円を特別損失に計上しております。 第42期 第43期 0 第39期 第40期 第41期 第42期 第43期 6 事業紹介 「音と映像」のトータル・ソリューション企業 当社は、 「音と映像」を基軸としたプロ用AV&ITのトー タル・ソリューション企業として、 「音」 と「映像」 、 「販売」 と「サービス」に関する事業をマトリックス展開しており 音響 映像 システム設計 販 音響機器販売 開発・製造 ・販売 (注) LEDディズプレイ・システム市場は国内外の市場規模では、 2004年165億円から 売 2010年には260億円に拡大 (富士キメラ総研) 事 商品 製品 技術情報 技術情報 業 システム販売 ます。 当社は、顧客のニーズに、長年の実績により積上げて きたノウハウや技術力に裏打ちされた、信頼性の高い、 機材レンタル・ オペレート 安全で高品質の製品・商品・サービスを適正な価格で 提供してまいります。 プロデュース コンサート音響 機材レンタル・オペレート イベント映像 サ ー ビ ス 事 業 顧客 ■販売事業 Sales business 販売事業は、音響機器販売事業部門、映像製品の開発・製 造・販売事業部門で構成されています。 音響機器販売事業では、放送局やスタジオ、ホールやシアター、 ライブハウス等を中心にプロ用音響機器の販売を行っておりま す。JBLやSHUREをはじめとした世界中から選りすぐった優良 な海外ブランドの輸入代理店として輸入販売を行うほか、国内 外多数のメーカー品を幅広く取扱い、特定メーカーにとらわれ ることなく長年の実績により積上げてきたノウハウにより、お客 様のニーズに最適な機器選定やシステム設計を行っています。 また、プロシューマ (プロとコンシューマの中間に位置する高品 質志向の一般消費者)市場にも進出し、高性能なイヤホンや DJミキサといった品揃えを増強しています。 7 ライブハウス 「横浜ブリッツ」 。音響システムを設計し、 音響設備を納入。 BELDENのオーディオ・ケーブル。日本 市場にあわせてコネクタ等を当社で組み 合わせ、パッケージングして販売。 映像製品の開発・製造・販売事業部門では、LEDディスプレ す。また、映像関連だけでなく、音響やネットワーク等にも熟知 イ・システムをはじめとした映像機器を開発・製造・販売してい したスタッフがお客様のニーズに合ったシステムプランを提供し ます。製品の企画・研究開発段階から、現場で活躍する当社 ています。 のシステムエンジニアやオペレータ等の要求・要望を取入れ、 試作段階からフィールドテストを実施し、性能はもちろんのこと ユーザとしての視点から見た意見を製品に反映させるようにし ています。 特に高輝度・高精彩なLEDディスプレイ・システムは、放送局 や商業施設、映像機器のレンタル会社等国内だけでなく海外 からも高い評価を得ており、ワールドワイドに販売展開していま 自社製映像周辺機器 レイアウト・フリーなLEDディスプレイ・システム ■サービス事業 Service business サービス事業は、コンサート音響事業部門、イベント映像事業 サポートしています。 部門、プロデュース事業部門で構成されています。 プロデュース事業部門は、イベントの企画立案から制作、演出、 コンサート音響事業部門は、ロック・ポップス系を中心としたコ 進行までのトータルプロデュースを提供するとともに、音響・映 ンサートや各種イベントの音響システムの企画立案から機材の 像分野へのプロフェッショナルな人材派遣や人材紹介を行って レンタル、オペレート、ライブ録音等を行っています。日本のコ おります。 ンサート音響における草分け的な存在として事業を立ち上げ、 豊富な実績とノウハウで、常に業界をリードしてきました。機材 量と現場運営スタッフ数は業界トップクラスで、数多くの国内 外アーティストのコンサートをサポートし、厚い信頼を得ています。 イベント映像事業は、イベントやコンサート等の映像システムの 企画立案から機材のレンタル、オペレートを行っています。高輝 度・高精彩のLEDディスプレイやプロジェクターなどの大型映 像装置をはじめとした最新鋭かつ豊富な機材量により、多様化 する映像ニーズに対応しております。運用ノウハウも豊富で機 器の性能を最大限に引き出す技術者を配置し、国内外のモー ターショーや展示会、コンベンション、コンサート等のイベントを 藤井フミヤコンサートツアー (音響と映像でサポート) 8 営業の概況 当期におけるわが国経済は、原油価格の高騰が続きましたが、 企業収益の改善が進み、設備投資や個人消費も順調で、緩 やかな回復基調で推移しました。 当業界におきましては、企業の広告宣伝費の増加や高音質・ 高画質なデジタル機材の需要も増加していることから、市場 は明るさを増してきております。 このような状況のもと当社は、音と映像を基軸としたプロ用 AV&ITのトータル・ソリューション企業として、 「音」 と 「映像」 、 「販売」 と 「サービス」に関する事業をマトリックス展開しており ます。当社事業の3本柱である音響機器販売事業部門、コン サート音響事業部門、イベント映像事業部門に加えて、4つ目 の柱となるよう映像製品の開発・製造・販売及びシステム販 売事業部門においてLEDディスプレイ・システムの拡販を重 要な課題として取り組んでおります。 当期は、 「愛・地球博」や「東京モーターショー」等の大型案件の 受注に加え、自社製LEDディスプレイ・システムの販売も好調 であったことから、売上高14,593百万円(前期比10.3%増) 、 営業利益972百万円(前期比13.8%増) 、経常利益868百万 円(前期比13.7%増) となりました。 また、経営資源の有効活用を図るために2005年5月に東京都 港区白金の事業所跡地を売却しました。さらに、2005年6月に 代表取締役を辞任した日比野宏明氏へ、創業者として40年の 永きに亘る多大な貢献に対して役員退職慰労金を支給して おります。 これらの結果、当期純利益は694百万円(前期比54.5%増) となりました。 LANG AV社(ドイツ)に納入した自社製3mmピッチLEDディスプレイ・ システム(写真はドイツ放送局のスポーツ番組で使用) 9 販売事業 音響機器販売事業部門は、毎日放送をはじめとした放送局やレ ンタル会社へハイエンド・デジタル・ミキシング・コンソールを納入す ることができました。また、SHUREの高性能イヤホンの販売が引 続き好調であったことやシネマ関連案件の受注も堅調でした。 商品面では、エフェクタで有名なLexicon (アメリカ) の輸入代理 店業務を開始しました。 映像機器の販売事業を当社事業の4つ目の柱とすべく、シス テム販売部門と開発・製造・販売部門を統合し、映像製品の 開発・製造・販売及びシステム販売事業部門としました。 当部門は、LEDディスプレイの拡販を課題として掲げておりま すが、新製品の3mmピッチ高精彩LEDディスプレイ・システム を国内大手自動車メーカーや海外のレンタル会社に納入する ことができました。また、大型商業施設や大型住宅展示場向 けに映像機器をシステム販売することができました。 これらの結果、販売事業の売上高は、8,421百万円(前期比 9.3%増) となりました。 (参考資料:主な納入案件) ■毎日放送デジタル・ミキシング・コンソール他音響機器納入 ■FM NACK5アナログ・ミキシング・コ ンソール他音響機器納入 ■北海道文化放送デジタル・ミキシング・コンソール他音響機器納入 ■シ ネマコンプレックス 「MOVIX三郷」向け音響機器納入 ■大手自動車メーカー特注3mmピッチLEDディ スプレイ・システム納入 ■LANG AV (ドイツ) 3mmピッチLEDディスプレイ・システム納入 ■SMART VISION (フランス) 自社製映像機器納入 ■秋葉原商業施設向けLEDディスプレイ・システム納入 ■ 大型住宅展示場向け映像システム納入 (2ヶ所)■国内レンタル会社LEDディスプレイ・システム納入 ■LEDディスプレイ・システム納入 (海外レンタル会社3社) 毎日放送に納入したデジタル・ミキシング・コンソール サービス事業 次期の見通し コンサート音響事業部門は、大規模コンサートツアーや集客力の 今後のわが国経済の見通しは、原油価格の動向等で懸念材 高いアーティストのコンサートツアーを多く受注することができまし 料はあるものの企業収益の改善を背景に景気は回復基調で た。また、2005年4月より録音中継部門を統合しておりますが、コ 推移すると思われます。 ンサート音響とライブ録音の相乗効果がでてきております。 当業界におきましては、高音質・高画質なデジタル機材をはじ イベント映像事業部門では、前期に引続き 「愛・地球博」関連 めとした民間の設備投資が続くと予想されます。 の案件を受注することができました。また、自社製LEDディスプ このような状況のもと、当社は、LEDディスプレイ・システムの レイ・システムの品質が好評なことから、東京モーターショーで 拡販やさらなるブランドの輸入販売権の確保等により一層の は主要メーカー各社に採用され、各国モーターショーにおいて 事業拡大に努めてまいります。 も定着化しつつあります。それに加え、コンサート関連案件の なお、販売体制の強化を図るため、2006年4月より一部組織 受注も増加しております。 を変更し、映像製品の開発・製造・販売及びシステム販売事 まだ十分な採算ベースに乗り切れていない新規参入事業につ 業部門を映像製品の開発・製造・販売事業部門としておりま いては、それぞれ事業基盤が確立するまでは相互に補完しあっ す。 ていくこととして、2005年4月より、人材派遣部門とIT部門をプロ 以上により、次期の業績は、売上高15,064百万円(前期比 デュース事業部門に統合しております。 3.2%増) 、経常利益956百万円 (前期比10.1%増) を見込んで これらの結果、サービス事業の売上高は6,172百万円 (前期比 おります。また、高額な特別損益は予定されていないことから、 11.8%増) となりました。 当期純利益538百万円 (前期比22.4%減) を見込んでおります。 (参考資料:主なサポート案件) ■SMAPスタジアムコンサートツアー ■浜田省吾アリーナコンサートツアー ■B'zドームコンサートツアー ■浜崎あゆみアリーナコンサートツアー ■サザンオールスターズスタジアムコンサートツアー ■槙原敬之 アリーナコンサートツアー ■L’ Arc∼en∼Cielアリーナコンサートツアー ■韓流アーティストコンサート (パク・ヨンハ、Rain (ピ) 他)■アニメ・アキバ系(声優―堀江由衣・坂本真綾、Perfume) イベント ■EXILEアリーナコンサートツアー (新規アーティスト)■織田裕二コンサートツアー (新規アーティスト) ■ORANGE RANGEコンサートツアー (新規アーティスト)■CHEMISTRYコンサートツアー (新規ア ーティスト)■岡山国体 ■萬有製薬イベント ■東京モーターショー (トヨタ、日産、ホンダ、スバル、ヤ マハ)他 ■海外(ニューヨーク、上海、ソウル、デトロイト、ブリュッセル) モーターショー ■愛・地球博 (愛知県館、中日共同館、三井東芝館、ガスパビリオン、ロボットステーション) 第39回東京モーターショー レクサスブースで採用された自社製3mmピッチLED ディスプレイ・システム 10 財務諸表 単体貸借対照表(要旨) (単位:千円) 前期 科目 11 当期 6,162,682 1,306,161 610,849 2,316,366 1,604,913 111,272 239,437 △26,317 4,451,935 3,048,249 642,910 1,078,648 176,948 1,048,724 101,017 154,961 1,248,724 126,367 789,670 201,600 139,832 △8,746 10,614,618 6,451,723 2,037,568 356,947 2,051,369 1,688,089 194,617 192,151 △69,019 3,684,318 2,872,004 619,754 1,504,986 178,165 404,627 164,469 169,133 643,179 178,275 191,767 198,826 79,544 △5,232 10,136,041 前期 科目 (2005年3月31日現在) (2006年3月31日現在) (資産の部) 流動資産 現金及び預金 受取手形 売掛金 棚卸資産 繰延税金資産 その他 貸倒引当金 固定資産 有形固定資産 建物 2 機械及び装置 器具備品 3 土地 その他 無形固定資産 投資その他の資産 投資有価証券 4 繰延税金資産 差入保証金 その他 貸倒引当金 資産合計 1 (単位:千円) 5 5 6 5 7 7 8 当期 (2005年3月31日現在) (2006年3月31日現在) (負債の部) 流動負債 支払手形 買掛金 短期借入金 一年以内返済予定長期借入金 一年以内償還予定社債 未払法人税等 賞与引当金 その他 固定負債 長期借入金 退職給付引当金 役員退職慰労引当金 その他 負債合計 (資本の部) 資本金 資本剰余金 利益剰余金 株式等評価差額金 自己株式 資本合計 負債・資本合計 4,893,212 477,234 1,098,460 1,100,000 641,000 300,000 182,777 194,340 899,399 2,582,335 2,105,000 338,108 139,106 119 7,475,547 3,193,912 489,101 806,136 ― 941,000 ― 21,467 293,838 642,367 1,937,828 1,432,000 412,557 ― 93,271 5,131,741 1,037,209 1,159,323 922,607 19,930 ― 3,139,071 10,614,618 1,572,709 1,925,823 1,460,562 45,398 △193 5,004,300 10,136,041 1 2006年2月のジャスダック証券取引所上場に伴う公募増資等により現金及 び預金が増加しております。 5 短期及び長期の借入金の返済により減少しております。 2 レンタル用LEDディスプレイ・システム等の新規導入により増加しております。 6 第6回無担保社債を2005年12月26日付で全額買入償還しております。 3 東京都港区白金の事業所跡地を売却したことにより減少しております。 7 2006年2月のジャスダック証券取引所上場に伴う公募増資により資本金、 資本剰余金が増加しております。 4 東京都港区白金の事業所跡地を売却等にかかる過去減損処理分の繰延 税金資産が減少しております。 8 2006年2月のジャスダック証券取引所上場に伴う公募増資により自己資本 比率は29.6%→49.4%へ改善しております。 単体損益計算書(要旨) 単体キャッシュ・フロー計算書 (単位:千円) 科目 前期 当期 自 2004年4月 1日 至 2005年3月31日 自 2005年4月 1日 至 2006年3月31日 ( ) ( 14,593,565 売上原価 9,327,445 10,026,239 売上総利益 3,900,719 4,567,325 販売費及び一般管理費 3,046,590 3,594,949 854,128 972,376 営業外収益 56,088 49,718 営業外費用 146,308 153,905 経常利益 763,908 868,189 特別利益 1,019 458,189 特別損失 183,672 135,472 税引前当期純利益 581,255 1,190,906 法人税、住民税及び事業税 203,767 13,780 ― △14,011 △71,773 497,085 449,261 694,052 営業利益 還付法人税等 法人税等調整額 当期純利益 科目 ) 13,228,164 売上高 (単位:千円) 前期 当期 自 2004年4月 1日 至 2005年3月31日 自 2005年4月 1日 至 2006年3月31日 ( ) ( ) 1 営業活動によるキャッシュ・フロー 882,776 1,273,217 2 投資活動によるキャッシュ・フロー △759,606 399,354 3 財務活動によるキャッシュ・フロー 46,326 △604,691 現金及び現金同等物に係る換算差額 881 △474 現金及び現金同等物の増加額 170,378 1,067,406 現金及び現金同等物期首残高 779,147 970,161 20,635 ― 970,161 2,037,568 合併による現金及び現金同等物の受入 現金及び現金同等物期末残高 (注)前期は監査対象外であったため、参考数値を記載しております。 1 税引前当期純利益の増加、減価償却費の増加、売上債権の減少等によ るものであります。 2 有形固定資産売却による増加、定期預金払戻による増加、保険積立金解 約による増加等によるものであります。 3 長・短期借入金の返済、社債の償還、配当金の支払い等によるものでありま す。 12 株式の状況(2006年3月31日現在) ◆ 発行する株式の総数…………………… 17,000,000株 ◆ 発行済株式総数…………………………… 5,149,940株 ◆ 株主数………………………………………………… 4,733名 ◆ 株式分布状況 所有者別株式分布状況 個人・その他 65.8% 金融機関 10.0% ◆ 大株主 証券会社 4.6% 持株数(千株) 持株比率(%) 日比野晃久 749 14.5 有限会社ハイビーノ 498 9.6 日比野宏明 473 9.1 ヒビノ従業員持株会 233 4.5 西田孝信 150 2.9 野村ホールディングス株式会社 100 1.9 電通ドットコム第二号投資事業有限責任組合 92 1.7 日比野純子 89 1.7 株式会社みずほ銀行 80 1.5 株式会社三井住友銀行 80 1.5 合計 5,149千株 その他法人 18.0% 外国法人等 1.3% (注)持株数、持株比率とも表示単位未満を切り捨てて表示しております。 13 会社概要・株主メモ ◆ 会社概要 社 名 本社所在地 U R L ◆ 株主メモ ● 事 〒108-0075 東京都港区港南三丁目5番14号 ● 定 時 株 主 総 会 毎年6月 TEL:03-3740-4391 ● 剰余金の配当の基準日 中 間 配 当 期 末 配 当 9月30日 3月31日 FAX:03-3740-4390 http://www.hibino.co.jp/ 業 年 度 立 1964年11月13日 資 本 金 15億7270万9600円 売 上 高 2003年度 111億円 ● 単 元 株 式 数 2004年度 132億円 ● 株式の名義書換 設 ※その他、必要があるときは、あらかじめ公告して臨時に基準日を定めます。 2005年度 145億円 決 算 役 日 年一回 3月31日 員 代表取締役社長 日比野晃久 取 締 役 会 長 日比野宏明 株主名簿管理人 東京都中央区八重洲一丁目2番1号 みずほ信託銀行株式会社 同事務取扱場所 東京都中央区八重洲一丁目2番1号 みずほ信託銀行株式会社 本店証券代行部 取 締 役 橋本 良一 取 締 役 宮 同 常 務 取 締 役 野牧 幸雄 ( 雅春 ) 取 次 所 取 締 役 高橋 学 取 締 役 池村 康男 単元未満株式の買取 上記株主名簿管理人事務取扱場所及び同取次 所にて受け付けております。 ただし、株券保管振替制度により単元未満株 式を預託されている場合には、お取引の証券 会社にお申し出ください。 441名 (2006年3月31日現在) ● 公 告 掲 載 方 法 日本経済新聞 みずほ銀行 芝支店 ● 上 ジャスダック証券取引所 三菱東京UFJ銀行 田町支店 ● 証 券 コ ー ド 常 勤 監 査 役 金子 一輝 監 査 役 自閑 博巳 監 査 役 荒明 治彦 数 取 引 銀 行 みずほ信託銀行株式会社 全国各支店 みずほインベスターズ証券株式会社 本店及び全国各支店 ● 取 締 役 芋川 淳一 員 100株 お 問 合 せ 先 及 び 〒135-8722 郵 便 物 送 付 先 東京都江東区佐賀一丁目17番7号 みずほ信託銀行株式会社 証券代行部 TEL:0120-288-324(フリーダイヤル) 専 務 取 締 役 成岡 武 社 毎年4月1日から翌年3月31日まで ヒビノ株式会社 場 市 場 2469 三井住友銀行 恵比寿支店 14 株主の皆様の声をお聞かせください 下記URLにアクセスいただき、アクセスコード入力後に表示される アンケートサイトにてご回答ください。所要時間は5分程度です。 当 社では、株主の皆様の声 を お 聞 か せ い た だ く た め 、 http://www. e-kabunushi. com アンケートを実施いたし ま す 。 アクセスコード 2469 お手数ではございますが、 右 記 の 方 法 にて アンケートへのご協力を お 願いいたします。 携 帯 電 話 からも アクセスできます QRコード読み取り機能の つ いた 携帯電話をお使い の方は、 右のQRコードからもアクセスできます。 空メールにより URL自動返信 kabu@wjm.jpへ空メールを送信してください。 (タイトル、本文は無記入) アンケート回答用のURLが直ちに自動返信されます。 ●アンケート実施期間は、 本事業報告書がお手元に到着してから約2ヶ月間 (2006年8月31日まで) です。 ご 回 答 いただ いた方の中から抽 選で 薄 謝(図 書カード 5 0 0 円)を進 呈させていただきます ※本アンケートは、株式会社エーツーメディアの提供する「e - 株主リサーチ」サービスにより実施いたします( 。株式会社エーツーメディアについての詳細 http://www.a2media.co.jp) ※ご回答内容は統計資料としてのみ使用させていただき、事前の承諾なしにこれ以外の目的に使用することはありません。 ●アンケートのお問い合わせ「e - 株主リサーチ事務局」 TEL:03 - 5777 - 3900 MAIL:info@e-kabunushi.com
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