NEWSLETTER Issue 8: May 2007 Crestec Europe の春季版ニュースレターをお届けします。今回のニュースレターでは、弊社の Crestec Thailand DTP センター の業務についてご案内します。また、EU(欧州連合)の新規 加盟国と、スペインとラテンアメリカで使用されているスペイン語についても、お知らせし ます。そして最後に、弊社の QC (翻訳品質管理)部門のリーダー、Cristiana Luppi をご紹介 いたします。 Crestec Thailand DTP センターのご案内 Crestec Thailand の手がける幅広い業務のひとつに DTP があります。DTP センターでは、 Crestec Europe を含む、弊社全グループのデスクトップ・パブリッシング業務をサポートして います。当センターは開設されてから 5 年以上がたちました。 この DTP センターがおよそ 10 人ほどのスタッ フで設立された当初は、主にフィルムのアウト プット(現像)やデータ作成を中心に、現地の マーケットを主な対象としていました。しかし、 全グループが受注する DTP 業務が増えるのにと もない、アプリケーションの使い方、データ・ マネジメントの方法、編集や校正などの基本業 務において、先導的な役割を担うようになりま した。スケールとしては小さくとも、瞬く間に 業務内容を十分に把握し、スタッフの数も急速 に増やすことができました。ISO(国際標準化 機構)の認定を非常に早い時期に受け、円滑な 作業の流れと優れたマネジメントは、設立当初から組織内に深く根付いています。当センタ ーが設立された当時オペレーターとして入社したスタッフは、今ではおよそ 40 人のスタッフ を監督するスーパバイザーやマネージャーとなって活躍しています。 取り扱い言語の増加と納期の短縮化で、一日に取り扱うページ数は増加していますが、質の 上で妥協することなく、幅広い要求にこたえられる組織が確立されています。各従業員の技 術を向上させることは重要ですが、チームワークを犠牲にすることはできません。また、互 いに補い合う個々の技術をさらに束ねて、より大きな成果を生むために、積極的にコミュニ ケーションを図ることが奨励されています。毎朝のミーティングでは、各部門のリーダーが、 仕事の進み具合や新しい問題をチェックします。そして、スタッフ全員が参加する 2 ヵ月ご とのミーティングでは、問題点についてのフィードバックや問題の原因と取り組み方などが 話し合われます。また、ISO のワークショップもその時に開かれます。 近年 DTP は高度にシステム化され、オペレーターやエディターに求められる技術が常に進化 し続けています。効率的な作業には、データとシステムの構造を完全に理解することが必要 です。与えられた時間内で、質の高い製品を供給するには、無駄な努力は避け、問題が起こ り次第、直ちに改善することが重要です。Crestec Thailand の DTP センターでは、増え続ける 要求を満たせる労働力を強化し、今後の課題に対応し得る技術を高め続けます。 ブルガリアの EU 加盟 2007 年 1 月、EU に 2 つの国が加盟しました。EU 諸国の東隣にあるブルガリアとルーマニア の加入で、加盟国の総数は 27 カ国となりました。今回のニュースレターでブルガリアを紹介 し、次回のニュースレターではルーマニアを紹介します。 ブルガリア ブルガリア共和国はバルカン地方 の中心にあり、110,912 平方キロメ ートルの面積を有しています。欧 州の中でも最も古い国のひとつで、 最初に建国されたのは 681 年でし た。この国の豊かな歴史は、その 伝統的な民俗音楽や、美術、食べ 物に反映されています。近年ブル ガリアの人口は減り続け、現在の 欧州の中では最も急激に減少して います。 年 1988 2007 (推定) 人口 8,859,000 7,322,858 経済 困難な時期が何年か続いた後、ブルガリアの経済は現在では安定し、年間 4 パーセントから 5 パーセントの割合で成長しています。2007 年度に予測されている GDP は 825 億 3300 万ドル となっています。主な輸出品は食べ物やワイン、軽工業製品、それにエネルギーです。電子 及び電気機器の生産は、重要な成長分野です。高度の資格を持った労働人口と優れた教育で、 製造業や IT 利用、遠隔通信関連製品の中心として拡大し続けています。 EU に加盟後、ブルガリアは機械類やローカリゼーションの材料、輸出品や輸入品に対して、 他の加盟各国と同様の規則や法律を適用しています。しかしながら、ブルガリアはまだユー ロ圏には加わっていません。 Български език (ブルガリア語) 公用語であるブルガリア語は人口の大部分で話されています(84.5%)。このほかに、トルコ 語(9.6%)とロマ語(4.1%)という言語的に重要な少数派の言語があります。 ブルガリアはスラブ派の言語で、現代ブルガリア語の起源は、およそ 16 世紀までさかのぼり ます。道路や通りの標識は、一般的にラテン文字(ローマ字)でも表記されていますが、これ 以外はほとんどキリル文字が使われます。これは、キリル文字が今では、欧州連合の公用ア ルファベットのひとつになったことを意味します。ローカリゼーションの際には、正しいバ ージョンの文書を作成するために、オリジナルのソフトウェアのコードが、キリル文字をサ ポートすることが必須となります。さらに、ブルガリアの言語の特徴が、時には文法やサイ ジングに関して、問題をおこす場合があります。ですから、製品の優れたローカリゼーショ ンのためには、オリジナルのコードを作成する際に、いっそうの注意を払うことが求められ ます。 当然、Crestec Europe はブルガリアのマーケットに対するローカりゼーションに必要な専門知 識を備えています。さらに詳しい情報をお求めの方は、ご遠慮なく弊社までご連絡ください。 スペイン語 スペイン語はみなさんもご存知の ように、現在世界で 3 番目に、説 によっては 2 番目に、最も広く話 されている言葉です。公用語とし て使用されている国々での登録さ れ て い る 使 用 者 は 322,299,171 人 (出典: Ethnologue: Languages of the World, 15th edition )です。スペイ ン語を公用語としているのは以下 の国々です: アルゼンチン、ボリビア、チリ、コロンビア、コスタリカ、キューバ、エクアドル、エルサ ルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペル ー、プエルトリコ、ドミニカ共和国、ウルグアイ、ベネズエラ、赤道ギニア、スペイン。 スペイン語を話す人の数は増え続けているといわれています。実際に、スペイン語は英語圏 の国々でもっとも学ばれている外国語で、世界全体では英語に次いでもっとも学ばれている 外国語です。 スペインのスペイン語 現代スペイン語の起源はカスティーリャ地方の方言です。現 に、スペイン語はいまだに、「castellano」(カスティーリャ 語)と呼ばれることがあります。しかし、現在の公式の名前 は España (エスパーニャ=スペインの意味)から派生した 「español 」(エスパニョール)です。スペイン語がラテン 語由来のロマンス諸語の中から際立って出現してきたのは、 8 世紀から 13 世紀にかけてのイベリア半島の歴史、特に、イ スラム教徒の支配から取り戻した地域のレコンキスタ(国土回復運動)、再植民活動と関係が あります。様々な、政治的、経済的、文化的、そして社会的な理由から、カスティーリャの 方言が、当時そこで使用されていた他の言語に代わって普及していったのです。 スペイン語はその歴史を通じて、常に他の言語と接触してきました。そして、明らかにそれ らの言語に影響を受け、また、他の言語もスペイン語の影響を受けました。これ以外にも、 スペイン本土には 4 つの公式言語があります。カタロニア語、ガリシア語、バスク語、そし てバレンシア語です。しかし、これらは主に、特定の地域に限られています。バスク語 (Euskara)以外は、皆スペイン語と同じロマンス諸語から派生し、ある程度までは似ています。 バスク語はインド―ヨーロッパ語族にも属していません。ほとんど全てのスペイン人が、第 一言語、あるいは第二言語としてスペイン語を話します。 ラテンアメリカのスペイン語 欧州で話されるスペイン語とラテンアメリカで話されるスペイン語の違いを理解するために は、スペインによる征服や帝国時代の移民の出身地を 考慮することが重要です。入植者の大半は、スペイン 南部、特にアンダルシア地方の出身でした。ですから、 彼らの方言が、大西洋の向こう側で話される言葉に、 強い影響を与えたのです。移民たちは、また、数多く の現地の言葉に出会い、それらも彼らの言語に影響を 与え、各地域による変化を育むこととなったのです。 その影響度については、学問的な議論が激しく戦わさ れているところですが、発音や語彙のレベルでの「借 用」があったことは疑いがありません。もうひとつの興味深い現象は、新しいアメリカの現 実に触れた結果、スペイン語の表現の意味が変化したということがあります。 地理的な拡大にもかかわらず、スペイン語は比較的均質な言語です。驚かされるのは、スペ イン語を公式言語にしている国々では、その 95 パーセントが実際にスペイン語を話している ということです。これに比べると、フランス語は 35 パーセント、英語に関しては 27 パーセ ントが話すだけです。語彙の点では多様性が見られ、地域レベルでは高度に方言化されては いますが、基本的なスペイン語は、驚くほどに普遍的で安定しています。発音や綴りに関す る言語的な規則は、言語の学術機関である academias de la lengua española(スペイン語アカデ ミー)で決められます。この種の機関の最初のものはマドリッドの the Royal Academy(王立ア カデミー)で、1713 年に設立されました。その後、時間がたつにつれて、その数は増えていき ました。現在は 22 ヵ所あり、もっとも新しいものは、1980 年に設立された North American Academy of the Spanish Language(北アメリカスペイン語アカデミー)です。 言語上の違い 上にも述べましたように、スペイン語は比較的均質な言語です。しかしながら、異なる地域 で出版する場合に考慮に入れなければならない、いくつかの違いがあります。これらの多く は語彙に見られます。以下にその例を挙げてみます。 英語 Computer(コンピュ ータ) Car(車) to take (持つ、取る) スペインのスペイン語 Ordenador ラテンアメリカのスペイン語 Computador Coche Coger carro/auto tomar, agarrar (ラテンアメリカ の幾つかの国々では, 『coger』 は『性交する』を意味します!) 違いは他のレベルでも見られます。例えば、発音においては、ラテンアメリカではアンダル シア方言の特徴が多くみられます。また、既に言語の規則が確立されているにもかかわらず、 文法的な違いが存在します。例えば、二人称の複数代名詞は ustedes がラテンアメリカでは広 く使われていますが、スペインでは尊称としてのみ使われます。また、もうひとつの形の二 人称単数である vos はスペインやラテンアメリカの主要都市では使われなくなっていますが、 チリ、ラプラタ川流域地方、コロンビアやベネズエラの草原地帯、その他の地域ではいまだ に使われています。さらに、この形を使用すると動詞の活用が変わり、そのため、vos を使わ ない人たちが使うことは難しいかもしれません。 スタッフ紹介: Cristiana Luppi Cristiana Luppi をご紹介しましょう。Luppi は、イタリ アのサルディニアの出身で、カリアリ 大学で外国語と 文学の学位を取得後、EU 出資団体の欧州情報担当官と して、カリアリ、エジンバラ、ブリュッセルに勤務しま した。2001 年 1 月に Crestec Europe に入社し、プロジェ クト・コーディネーターとして働いたあと、すぐに部署 のセクションリーダーに指名されました。セクションリ ーダーを数年務めたあと、翻訳関連部門の強化担当者に 任命されました。現在、QC (翻訳品質管理)部門のリーダーとして、高い翻訳品質を維持す るために必要な人材管理部門の責任者を務めています。翻訳者管理システムが設立されたこ とにより、弊社が使用する全ての翻訳者を定期的にモニターし、必要なフィードバックを提 供することが可能になりました。 データベースには何人の翻訳者が登録されていますか。 「当社の翻訳者データーベースには、およそ 700 名が登録されており、その半数には定期的 に仕事を依頼しています。」 なぜそれほど多いのでしょうか。 「当社では様々な分野で様々な言語を取り扱っていますので、当社の全てのプロジェクトや クライアントに対して、安定した、信頼できる人材を提供する必要があります。このため、 翻訳者を分野や専門によって分類しています。当社のポリシーとして、各クライアントには それぞれ専属の人材を起用します。そして、私たちは各言語に対して最低でも 2 人から 3 人 の信頼できる人材を使って仕事をします。長年にわたって、これが組織上、非常に成功する 方法だということが実証されています。」 現在は自動化された翻訳ツールが使用可能であることを考慮すると、なぜ、人間の翻訳者を そのような大きなスケールでモニターすることがそれほど重要なのですか。 「自動化された翻訳ツールは、そのまま使用しても信頼できないからです。人間の行った翻 訳の質に勝る自動翻訳はありません。翻訳者は当社の最も重要な資産です。当社は全ての翻 訳者と、とても密接なパートナーシップのもとで作業します。それぞれの仕事では、毎日コ ンタクトを取り、彼らの仕事ぶりをモニターしています。それが、安定した、非常に質の高 い翻訳を確実にするのです。」 翻訳者のパフォーマンスをどのようにモニターしているのですか。 「当社では、非常に厳しい採用過程を実践しています。このため、もっとも将来性のある翻 訳者だけに、実力を発揮させるチャンスを与えます。新規採用者は厳重に監視され、非常に 厳正な評価を伴ういくつかの試験的な仕事を終了して初めて、メインの人材プールに加えら れます。そして、各翻訳者の仕事ぶりは、その翻訳がクライアントに届けられる前に、入念 に言語的な編集を行なうことによりモニターされています。もし何か問題が指摘されれば、 その大小に関わらず、当社のエディターが公式に評価を行います。そして、直ちにフィード バック用のデータベースに記録され、QC 及び人材部門から翻訳者に知らされます。翻訳者は このようにして、当社が求める品質基準を会得することになります。QC では翻訳者の一般的 な態度とプロ意識についてもモニターしますので、締め切りに遅れることは認められませ ん。」 CRESTEC EUROPE BV Teleportboulevard 110, 1043 EJ Amsterdam, the Netherlands. Tel.: +31 20 585 4640. Fax: +31 20 585 4646. Note 弊社Europeオフィスの情報につきましては、英語版web site (www.ceu.crestec.com) を、そして 株式会社クレステック(日本)につきましては、日本語版web site (www.crestec.co.jp) をご覧ください。 さらに、弊社 Europeオフィスについてご意見・ご希望のある方は、弊社担当者もしくは、 sales@crestec.nl へご連絡ください。 なお、今回のニュースレターは弊社メーリングリストより配信しております。配信中止をご希望の方 は、News@crestec.nl まで連絡頂きますようお願い致します。
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