2006 年 7 月 6 日 株式会社三菱総合研究所 楽天リサーチ株式会社 デジタルオーディオプレーヤーと携帯電話の統合端末でモバイル音楽利用が拡大 ~第 22 回携帯電話コンテンツ/サービス利用者調査結果より~ 楽天リサーチ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:森 学)と株式会社三菱総合研究所 (代表取締役社長:田中 將介、東京都千代田区大手町二丁目3番6号)は、15 歳から 69 歳の 男女を対象に、「第 22 回携帯電話コンテンツ/サービス利用者調査」を行った。 調査は、6 月 7 日から 6 月 12 日にかけて Web 上で実施し、回答者は 2,400 人(男性 50.0%、女 性 50.0%) 、そのうち主要 4 社(NTT ドコモ・au・ボーダフォン・TU-KA)の携帯電話利用者(※) は 2,122 人(回答者の 88.4%)であった。 ※以下、特に記載がない限り、記事中の数値は主要 4 社利用者に対する割合とする。 第 22 回調査は、携帯電話の音楽利用等について調査した。主な調査結果は以下の通りである。 ・ 携帯電話で音楽を聴く人の割合は 9.2%と iPod 等のデジタルオーディオプレーヤーの半 分以下である。 ・ 携帯電話で音楽を聴いている人が利用している音源についてみると、約 6 割が CD をパ ソコン経由でリッピング(音楽 CD 内のデジタル形式の音楽データをパソコンやデジタ ル・携帯電話で処理できるファイル形式に変換すること)して聴いており、携帯電話を 通じたダウンロード(着うたフル)を利用している層は 4 割となっている。 ・ 着うたフル利用者における過去 1 ヶ月あたりのダウンロード曲数をみたところ、1、2 曲 とする回答が多く、頻繁にダウンロードを行うケースは少ない。 ・ au ユーザを対象に LISMO(携帯電話とパソコンを組み合わせた音楽配信サービス)の利 用状況についてみると、5.0%が利用しており、6.7%が「LISMO 対応機種は持っている が利用はしていない」と回答している。対応機種保有者の 4 割が利用していることにな る。 ・ LISMO の利用内容については、CD からリッピングした楽曲を携帯電話で聴くことがもっ とも高く、86.2%である。そのほかでは、携帯電話で購入した楽曲の PC による再生保 存、携帯電話の画像・スケジュールなどの PC への保存といった機能が 2 割程度利用さ れており、専用サイトからの PC 経由での楽曲ダウンロードは 3.4%とまだ多くはない。 ・ iPod やウォークマンなどのデジタルオーディオプレーヤーと携帯電話とを統合した端 末について利用意向をみると、 「是非利用したい」が 11.2%、「利用したい」が 27.8% であり、全体として 4 割程度の利用意向がみられる。 ・ 現在デジタルオーディオプレーヤーを持っていないが今後利用したいというニーズの ある層においては、統合端末の利用意向も高い。統合端末の登場によって携帯電話での 音楽利用がいちだんと拡大する可能性が示唆される。 調 査 結 果 1 1.携帯電話による音楽利用 (1)携帯電話による音楽利用の実態 ここ 3 ヶ月以内に音楽ファイルの再生機能付携帯電話によって音楽を聴いた人の割合は、9.2% であり、iPod 等のデジタルオーディオプレーヤーにおける 23.9%と比べると低い水準にある。ま た、音楽再生機能付の携帯電話を持っていても利用しない層の割合は 13.1%と、利用層の割合を 上回っている(図 1)。 図 1 各種モバイルでの音楽視聴端末の利用状況 ここ3ヶ月間に利用した 持っていないが今後購入したい 持っているがここ3ヶ月間は利用していない 今後とも購入するつもりはない 0% 携帯電話 (音楽再生機能付のもの) 20% 9.2 13.1 11.7 60% 80% 24.4 5.8 23.9 デジタルオーディオプレーヤー MDプレーヤー 40% 53.3 29.9 18.7 100% 40.4 8.5 61.2 (N=2,400) 携帯電話で音楽を聴いている人が利用している音源についてみると、約半数が CD をパソコン経 由でリッピングして聴いており、携帯電話を通じたダウンロード(着うたフル)を利用している 層は約 4 割となっている。男女別にみると利用音源にはかなりの差があり、男性は着うたフルの 利用が 3 割にとどまるのに対し、女性ではこの割合が 5 割を超えている(図 2)。 図 2 男女別携帯電話による音楽利用者における利用音源(複数回答) パソコンでCDからダウンロードした音楽ファイルを携帯電話へ転送 音楽ファイルをファイル交換ソフトや友人などから取得し携帯電話へ転送 パソコンを利用して音楽配信サイトより購入した音楽ファイルを携帯電話へ転送 携帯専用配信サイトより音楽ファイルを直接携帯電話にダウンロード その他 0% 20% 40% 60% 80% 100% 60.6 14.9 全体(N=221) 12.2 40.7 3.6 71.7 14.2 13.3 男性(N=113) 30.1 2.7 49.1 15.7 女性(N=108) 11.1 51.9 4.6 次に、着うたフル利用者について、過去 1 ヶ月あたりのダウンロード曲数をみたところ、1 曲 や 2 曲とする回答が多く、頻繁にダウンロードを行うケースは少ない(図 3)。 2 現在着うたフルを利用していない層において今後の利用意向をたずねた結果、「是非利用した い」が 9.9%、 「利用したい」が 18.4%であり、全体としては 4 分の 1 程度が利用意向を示してい る。男女別では女性の利用意向の方が男性よりも高くなっている(図 4)。 図 3 着うたフルによる過去 1 ヶ月のダウンロード曲数 10曲以上, 5.6% かつては利用し ていたが、現在 は利用していな い, 24.4% 8~9曲, 1.1% 6~7曲, 1.1% 4~5曲, 13.3% 3曲, 6.7% 1曲, 25.6% 2曲, 22.2% (N=90) 図 4 男女別着うたフルの利用意向 是非利用したい あまり利用したいとは思わない 0% 全体(N=2,310) 男性(N=1,166) 女性(N=1,144) 20% 9.9 7.3 12.5 利用したい 利用したいと思わない 40% 34.9 18.4 16.7 60% 35.2 20.2 80% 100% 36.8 40.8 34.6 32.7 (2)携帯電話と PC との連携サービスの利用について au がサービスを開始した LISMO は携帯電話でダウンロードした楽曲の PC での保存のほか、PC でリッピングした楽曲や専用音楽配信サイトから PC 経由でダウンロードした楽曲の携帯電話で の利用も可能となる PC 連携型のサービスとして注目されている。 au ユーザーを対象に LISMO の利用状況についてみると、5.0%が利用しており、6.7%が「LISMO 対応機種は持っているが利用はしていない」と回答しており、保有者の 4 割強が利用していると いう結果となっている(図 5)。 また、 利用内容については、CD からリッピングした楽曲を携帯電話で聴くことがもっとも高く、 86.2%である。そのほかでは、着うたフルを除くと、携帯電話で購入した楽曲の PC による再生保 存、携帯電話の画像・スケジュールなどの PC への保存といった機能が 2 割程度利用されており、 専用サイトからの PC 経由での楽曲ダウンロードは 3.4%と低くなっている(図 6)。 3 図 5 LISMO の利用状況 利用している, 5.0% LISMO対応機 種は持っている が、 LISMOは利用し ていない, 6.7% よくわからない, 27.9% LISMO対応機 種は持っていな い, 60.3% (N=580) 図 6 LISMO の利用機能 (N=29) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 86.2 CDから録音した音楽ファイルを携帯へ転送して再生 48.3 携帯電話から着うたフルのダウンロード 24.1 携帯のメール・画像・スケジュールをパソコンで管理 携帯で購入した楽曲をパソコンに転送して再生、保存 20.7 自分と同じ音楽を聴いている人が他にどのような音楽を 聴いているかを確認する 10.3 LISMO Music Storeより楽曲をダウンロード 3.4 同じような音楽を聴いている人同士で情報交換する 3.4 購入した音楽に関してコメントを読んだり、書いたりする 0.0 自分が作成した楽曲のプレイリストを友人等に メールで送る 0.0 その他 0.0 このような携帯電話と PC との連携サービスについて、サービス仕様や料金が LISMO と同じとし た場合の利用意向を、現在利用していない携帯電話利用者に聞いてみた。この結果、 「是非利用し たい」が 8.0%、 「やや利用したい」が 23.0%であり、31%が利用意向を示している。男女年齢別 では、若年層ほど利用意向が高まる傾向がみられるが、とくに 10 代女性では 6 割を超える層が利 用意向を示している(図 7)。 なお、利用意向を示さなかった層について、どのようなサービス仕様や料金の改善があれば利 用したいかを聞いてみたところ、PC 向け音楽配信サービスの料金の低額化、楽曲ファイルの CD や DVD への保存などが可能となることなどの指摘が高くなっており、今後の課題として位置づけ られる(図 8)。 4 図 7 音楽に関する携帯電話と PC の連携サービスの利用意向 是非利用したい 利用したい 0% 全体(N=2,371) あまり利用したいと思わない 20% 8.0 40% 男性20代(N=196) 10.7 男性30代(N=197) 9.6 100% 31.1 28.1 24.0 32.3 30.1 29.1 30.1 41.1 21.8 27.4 37.2 20.6 男性40代(N=199) 80% 37.9 23.0 15.6 男性10代(N=192) 利用したいと思わない 60% 36.7 5.5 男性60代(N=200) 1.5 8.0 1.0 34.0 35.5 55.5 22.3 女性10代(N=193) 女性20代(N=196) 43.5 21.0 男性50代(N=200) 24.4 41.5 12.2 43.9 29.6 14.3 45.2 26.6 女性30代(N=199) 11.9 21.1 7.0 47.7 22.1 女性40代(N=199) 24.6 5.5 36.5 17.5 女性50代(N=200) 42.5 3.5 10.0 女性60代(N=200) 36.5 51.0 2.5 図 8 携帯電話と PC の連携サービスの非利用意向層における改善要望点 (N=1,636) 0% 10% 20% 30% パソコンからの音楽配信における楽曲ダウンロード の料金を下げる 40% 50% 33.1 24.9 CDやDVDに保存できる お持ちの携帯電話やパソコン以外でも再生可能にする 20.0 音質を上げる 16.5 提供しているアーティストやレーベルを増やす 16.4 11.0 対応するフォーマット形式を増やす 端末の保存可能容量を増やす 9.8 契約期間中のみ再生可能となるようなダウンロードし放題 (月額定額制)にする 9.7 端末の再生可能時間を伸ばす 9.4 ポッドキャスティングのようにトーク番組等の音声ファイルを 携帯電話に転送していつでも聴ける機能を付加する 3.1 その他 3.3 46.1 サービスの改善によらず利用したくない (3)デジタルオーディオプレーヤーと携帯電話の統合端末へのニーズ iPod やウォークマンなどのデジタルオーディオプレーヤーと携帯電話の統合端末について、4 割程度の利用意向がみられる。男女年齢別にみると、男女とも若年層ほど利用意向が高まる傾向 があり、とくに女性 10 代では 6 割以上が利用意向を示している(図 9)。デジタルオーディオプレ ーヤーの利用状況別にみると、現在デジタルオーディオプレーヤーを持っていないが今後利用し たいというニーズのある層において利用意向も高く、「是非利用したい」(16.7%) 「利用したい」 (43.0%)合わせて、6 割近くとなっている。こうした端末の登場によってモバイルでの音楽利 5 用端末の市場がいちだんと拡大する可能性が示唆される。 非利用理由をみたところ、現在デジタルオーディオプレーヤーを利用している層においてはバ ッテリーとともに、デジタルオーディオプレーヤーと携帯電話は別々に利用したいとする理由が 高くなっている。こうした点からは、デジタルオーディオプレーヤーの利用層は携帯電話との統 合端末化に向かう層と併用化に向かう層とに分化していくものと考えられる(図 10)。 図 9 男女年齢別デジタルオーディプレーヤーと携帯電話の統合端末利用意向 是非利用したい 利用したい 0% 全体(N=2,400) 11.2 23.0 26.0 32.0 30.5 3.0 20.5 29.5 30.5 35.0 28.0 14.5 男性60代(N=200) 30.6 27.5 33.5 7.0 100% 25.0 33.0 男性50代(N=200) 80% 30.3 27.5 11.0 利用したいと思わない 60% 27.8 16.5 男性20代(N=200) 男性40代(N=200) 40% 27.0 男性10代(N=200) 男性30代(N=200) あまり利用したいと思わない 20% 34.0 22.0 60.0 3.5 26.5 女性10代(N=200) 女性20代(N=200) 女性30代(N=200) 女性40代(N=200) 7.5 女性50代(N=200) 女性60代(N=200) 図 10 20.0 7.5 21.5 39.0 13.0 32.5 32.5 29.0 15.0 40.5 23.0 34.0 31.5 27.0 31.0 20.5 46.0 2.5 14.5 33.5 49.5 2.5 デジタルオーディプレーヤーの利用状況別統合端末利用意向および非利用理由 (1)デジタルオーディオプ レーヤーの利用状況 (2)統合端末の利用意向 0% ここ3ヶ月間に利用した 持っているがここ3ヶ月間は利用 していない 持っていないが今後購入したい 今後とも購入するつもりはない 20% 18.8 0% 40% 34.5 20% 40% 60% 80% 28.4 60% 100% 18.3 80% (3)統合端末の非利用理由 80% (N=574) 36.7 35.3 63.8 100% 19.4 (N=139) 20.5 (N=268) 10.1 20% 0% 3.4 3.0 80% 60% 8.6 65.3 60% 40% 9.3 (N=76) 44.7 42.1 40% 20% 31.6 14.5 7.9 7.9 7.9 0% 23.9% 40.4% 5.8% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 80% 60% 29.9% 16.7 43.0 29.1 11.2 (N=717) 50.5 (N=289) 41.2 29.8 40% 20% 18.0 13.1 3.8 8.3 0% (N=2,400) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 11.4 80% 60% 3.0 31.6 53.9 (N=970) 40% 20% バ ー ー ィ ー と 6.7 プ携 レ帯 電 ヤ話 や 等デ でジ 音タ 楽ル をオ 聴 こデ う とオ 思 わ な ー ィ 6 携デ 帯ジ 電タ 話ル はオ 別 々デ で 使オ いプ たレ い ヤ ー が 不 安 保 存 で き る 楽 曲 数 が 少 な そ う 23.6 14.6 ー テ リ ー 是非利用したい 利用したい あまり利用したいと思わない 利用したいと思わない 3.7 ッ 0% 20.0 (N=830) 43.7 32.4 や電 外車 出や 先バ でス 音等 楽の を公 聴共 こ交 う通 と機 は関 思で わの な移 い動 中 音 楽 自 体 に 興 味 が な い そ の 他 2.回答者の属性 回答者の属性は、以下の通りである。 (n=2,400) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 男性 16.7% 16.7% 16.7% 16.7% 16.7% 16.7% 女性 16.7% 16.7% 16.7% 16.7% 16.7% 16.7% 10代 20代 30代 40代 50代 60代 (n=2,400) 0% 20% 利用キャリア 40% 43.3% 60% 80% 24.2% 18.7% 100% 0.6% 11.0% 2.3% NTTドコモ TU-KA (n=2,122) 0% 20% 利用サービス au その他 40% Vodafone 持っていない 60% 57.9% 80% 100% 第3世代 第2世代 42.1% (n=2,122) 携帯電話 利用金額 0% 0.6% 20% 22.5% なし 15,000円以下 40% 60% 33.6% 36.1% 3,000円以下 15,000円超 80% 5,000円以下 不明 100% 4.8% 0.3% 2.1% 10,000円以下 ※ より詳細なデータに関しては、以下連絡先までお問い合わせください。 【お問い合わせ先】 株式会社三菱総合研究所 〒100-8141 東京都千代田区大手町 2-3-6 情報通信技術研究本部 佐野、二瓶、大山 E-mail: info-icd@mri.co.jp TEL:03-3277-0791 広報グループ 馬場、山村 E-mail: ccd-mg@mri.co.jp TEL:03-3277-0003 楽天株式会社 〒106-6118 東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ森タワー グループ広報部 勝浦、松本 E-mail:pr@rakuten.co.jp TEL: 03-4523-1104 7
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