Japanese - International Camellia Society

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Japanese
translated by Shigeo Matsumoto
会長のメッセージ
心が躍った50周年記念の年後で且つ2014年のスペイン及びポルトガルの大会の諸々
の準備の前の年に当たる今年2013年は寧ろ平凡で、必ずしも面白い年ではないかも
知れません。私は間違っているでしょうか!
昨年は年中、私共は面白い品種開発の可能性のある交配の努力を続けて来ました。
例えば、マシュー・デントン=ガイルズにより成されたツバキ花腐れ病に耐性があ
る原種に関する研究を本会誌の中に読むことが出来ます。北カリフォルニアのダ
ン・シャルベットにより、花腐れ病に耐性のある品種を利用して、新交配種が商品
化されました。私共はこの1月、カリフォルニアのナパ・バレーに於けるアメリカ
椿協会の大会で彼の花の幾つかのサンプルを見ることが出来ました。実に印象的な
花でした。
潜在的にツバキの開花期を延長することが出来る、夏咲きのアザレア椿に関する研
究を基にして作出した新品種のニュースを、私共は中国の高継銀教授から継続して
受けて来ました。また、米国のクリフォード・パークス教授により伝統的なジャポ
ニカ、トウツバキ、サザンカ以外の原種から作出された、幾つかの栽培品種を見る
ことが出来ました。
中国南寧市に於ける第3回黄色ツバキに関する学術フォーラムに出席して、金花茶
のような原種が持つ達成困難な金色を帯びるが、生存するに必要なクリチカルな気
温や湿度が必要でない交配品種の作出に関する研究が成されていることに私は大い
に感銘を受けました。
ビー・ロブソン編集長のもと、今年度の会誌にこれらの多くの研究が掲載されてい
ます。ジェニファー・トレハーンの国際ツバキ誌編集長としての華々しい期間に続
き、今年度からその地位をビー・ロブソンに引き継ぐに際して、私共はビー・ロブ
ソンが彼女の最初の会誌を面白い、話題に満ちた原稿で埋めるであろうことを祈り
ました。この点に関して、私共の幅広い会員にアピールする様々の話題を提供する
ことで、大いに成功していることを皆さんが見出していると私は信じています。本
会誌の為に情報を提供した各位に感謝申し上げます。
然しながら、大伴基金に関するニュースが本年度誌に掲載されなかったのは残念で
あります。と言うのも、2013年については助成金への申込みが皆無であったからで
あります。大伴基金により助成されるに値する科学研究プロジェクトが本当に無か
ったのでしょうか?オゾン・ツバキ・トラスト基金とロザメイ・デービス、並びに
2012年のグレッグ・デービス前会長の逝去に当たり、ICS自体から寛大な寄付が今年
寄せられたのに、助成金申込みがなかったのは実に皮肉なことであります。
会誌の内容の殆どの記事は全文が私共のウェブサイトに載せられています。これま
で会員全員がウェブサイトwww.internationalcamellia.orgにアクセスし、利用して
いると信じます。2013年初めの新発足に先立ち、ウェブサイトの改訂が2012年中に
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行われました。ICSの各地域から独自の資料を掲示できるように改修がなお成される
べきであります。これには、資料が正しく掲載されるかどうかを確認するために、
各地域のボランティアのトレーニングが必要であります。ウェブマネージャーのデ
ービッド・トレハーンとボランティアにとり、面倒で込み入ったスケジュールとな
ります。しかし、私共は貴方方の忍耐に感謝しています。
一つの例を挙げれば、ウェブサイトは来るべき国際大会に関する情報を会員に提供
するのに計り知れないほど貴重であります。出来るだけ多くの会員が世界の最も印
象的で綺麗なツバキを見る機会を利用するように希望します。ポルトガルで幾つか
の実に素晴らしい庭園を訪問するプレツアーに引き続き、スペイン北西部のガリシ
アに於いて、本大会とポストツアーの期間に、これらもまた同様に素晴らしい庭園
を訪れます。これらの美しいツバキ庭園の綺麗な花を愛でることを共有するべく、
古くからの又は新しい友人と共に訪れることには途方もなく特別な何物かを感じま
す。
何時もの如く、ICSはその会員の何名かを失いました。何名かの人々は私共の最も古
い、長年に亘る会員でありました。これら会員の追憶を共にするに当たり、私共の
古い会員間の結束が衰退していることに思い至ります。若し貴方方の地域で、長年
に亘り会員である人が居れば、是非それらの貴重な会員を祝福することを私は促し
たいと思います。それらの会員達を集会やイベントに名誉会員として招待して下さ
い。それらの人々のICSの黎明期の記憶を共有して下さい。きっとそれらの思い出は
素晴らしいと貴方方は知るでしょう。
最後に、北ドイツのビングストのピーター・フィッシャーのツバキ園、カメリエ
ン・パラダイスが永遠に閉鎖され、2013年9月末に全てのツバキが売り払われたこと
を知り、私とハーブは大変悲しい思いをしました。ナーセリーマンの2代目のピー
ターは数十年に亘り、2002年に国際優秀つばき園に指定され、昨年再指定された庭
園を設計し、築き上げた。可なりの数に及ぶツバキの木々はドイツ椿協会により、
ケルン植物園の為に入手されたと聞いています。これらの木々は「ピーター・フィ
ッシャー・コレクション」として指定されることを希望します。このことは、ツバ
キ属にたいする情熱がツバキ界に遍く尊敬と賞賛を勝ち取った男に相応しい賛辞と
なることでありましょう。ピーターの二人の子息が屋敷を再編成する意向だと聞い
ています。彼等の努力が報いられることを望みます。
パトリシア・ショート(国際ツバキ協会会長)
編集長のノート
新編集長としてどのような新しいチャレンジを始めるべきでしょうか。ジェニファ
ーの知識、献身及び情熱は会誌にとり極めて高い規範となっていました。
現在のツバキ界には極めて高いエネルギーの感情が認められます。南寧に於ける金
花茶シンポジュームの論文を読みますと、無限に魅力的な植物の我々の利用と楽し
みに新たな局面を追加する、新種の発見と交配又は新品種作出に於ける新しい科学
的大発見が行われた時のはっきりと分かる興奮の感触を覚えます。
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我々が追及すべく選んだ趣味に途方もなく幸せであると私は思います。貴方は、実
際に出掛けて又は行った積りで、世界中の春を追いかけるでしょう。実際に又はイ
ンターネットで、異国の友に会うでしょう。そして、これらの花の美がより増すの
を経験するでしょう。次のシーズンを期待して貴方の希望と期待は益々深まるでし
ょう。
この会誌では、ジョージ・オレル及びトニー・カリーと共に、私共はベトナムのジ
ャングルを歩き回り、新原種を発見するスリルを味わいます。私共はマッジョー
レ湖を渡ってマドレ島に行き、見事なツバキを植えた昔の庭師達の仕事を楽しみま
す。私共はマデイラ諸島に行き、森林火災の熱を感じ、200年間も秘められたツバキ
の貴重品を収容する温室の中に入ります。ツバキ花腐れ病との戦いが実施されてい
る研究を見て、私共がその挑戦にどのように参加できるかをネービル・ヘイドンか
ら学びます。世界中の国際優秀ツバキ園を辿り、また、近くICS/UK重要庭園として
指定さる4つの独創的ツバキ庭園を見ます。
最後に、歴史的ツバキグループにより成されている、古いツバキの正確な品種同定
を行うことを可能にするシステムを用意する方法の研究があります。このシステム
は、あらゆる面に於いて各ステップが正確であることを保障しながら、十分な注意
を以て進めなければならない最終目的であります。
論文や記事を提供した全ての人々に、また、この会誌の準備に当たり、惜しみない
助力をした人々―マイク・ロブソンはルース・パーキンスと共に彼らの校正の能力
を以て、マシュー・デントン=ガイルズはロス・スミスと共に彼らの科学的専門知
識を以て、不動の助力をした—に謝意を表します。また、私は新任編集長として、グ
ラハム・マレットの会誌の知識と経験は今回の引き継ぎを円滑ならしめるために計
り知れないほど貴重なものであったことを認めます。
ICSは強力な新しい手段を持っています。それは会員が巨大な情報量にアクセス出来
る手段であり、論文や記事が各会員に入手を可能ならしめる手段であります。スペ
ースの不足及びスペースのコストの為に会誌自体の中では実現することは従来不可
能でありました。
ウェブマネージャーのデービッド・トレハーンがウェブサイトに掲載する資料の必
要性を強調していることを私は知っています。その資料は会員の貴方方のみが供給
可能であります。私もこのことを会誌の為に支持します。貴方方が送って下さるも
のだけを出版することが出来ます。更に写真のことがあります。一枚の写真は1000
の言葉に値すると言います。従って、会誌とウェブサイトの双方の為に、写真は成
るだけ高精度のものにして下さい。極限の精細度まで膨らませた花の美は大変貴重
なものです。
是非会誌を楽しんで下さい。そして、将来の会誌に掲載出来る、何か良い考え、意
見や記事を思い付いたらご連絡下さい。
ビー・ロブソン(国際ツバキ誌編集長)
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ウェブマネージャーの報告
貴方方がこの報告を読む頃は、私共がニュールックのICSウェブサイトをインターネ
ット上で働くようにしてから丸一年になっていることでしょう。その頃は皆さんの
多くの方々からいろいろのコメントを頂いていて、感謝申し上げていることでしょ
う。
今回のように、多くの可能性のあるサイトを開発するには可なりの時間を要し、現
在も多くのことを尚やるべきことが残っています。私の同僚並びにウェブ記者のス
ティーブ・ライアスは皆さんが今読んでいる本会誌の記事の全内容を取り入れるべ
く多くのページを作成するのに多忙を極めました。これは如何にICSがそのウェブサ
イトを利用し、会員の皆様により良い情報をお伝え出来るかを示すことの手始めで
す。
統計的に見ると、サイトは高級なビジターの真の数量に関しての証拠となります。
古いサイトへのビジターを追跡して見ますと、2012年3月20日から2013年1月20日の
間に、2,162名のユニークなビジターがあり、平均して1.22頁を読みました。89%の
ビジターは最初のページを見るだけで、平均滞在時間は37秒でした。2013年1月か
ら10月までの間、新しいサイトには8,610名のユニークなビジターがあり、夫々4頁
を見て、3分間留まりました。51%のみが最初のページを見るだけで、サイトを離れ
ました。
サイトを支える肝心な物はそのコンテンツです。私共には沢山のコンテンツが必要
です。若し、貴方のツバキに関する記事があれば、如何なる面についてでも良い
ですから、私共は喜んでウェブサイトに掲載させて頂きます。どの言語を使用され
ても構いません。原稿をwebadmin@internationalcamellia.orgの私宛にお送り下さ
い。後は私共にお任せ下さい。
また、私共は貴方の地域に焦点を当てたページも作成しています。目下、ページの
レイアウトの見本を作り終えようとしています。これが完成した暁には、貴方の地
域の地域マネジャーがローカルの各イベントや庭園を宣伝出来るし、貴方の地域の
ウェブページに直接アクセスする方法を貴方の言語で公表出来るようになります。
若し、貴方がICSサイトにまだ最初のアクセスをしていないで、サインもしていのな
ら(多くの方々はまだです)、私共が昨年の会誌を配布した際に同封した招待状と
共にお届けしたログイン情報を紛失しているかも知れません。そのむきは、私にご
連絡下さい。アドバイスを差し上げます。
2014年にはサイトに多くの面白いコンテンツが増えて、読者が頻繁に訪れ、我々の
魅力的なツバキ属について多く学べることを私は切望しています。
皆様、ごきげんよう。
デービッド・トレハーン(ICSウェブマネージャー)