実験動物病理 プラットフォーム

東北大学大学院医学研究科
実験動物病理
プラットフォーム
東北大学大学院医学研究科
共通機器室管理運営委員会委員長
五十嵐 和彦
実験動物病理プラットフォーム責任者
小野
栄夫
伊達
文子
岩佐
博雄
田澤
智香
新本
美紀
同
技術担当者
(平成 25 年 4 月 1 日現在)
実験動物病理標本作製支援業務について
平成 21 年 7 月 1 日
平成 24 年 5 月 1 日
平成 25 年 4 月 1 日
共通機器室管理運営委員会委員長
五十嵐 和彦
実験動物病理プラットフォーム責任者
小野 栄夫
同 技術担当者
伊達文子 岩佐博雄 田澤智香 髙橋美紀
e-mail:brc@med.tohoku.ac.jp
電話:022-717-8165
東北大学大学院医学系研究科共通機器室では、平成20年6月23日から、実験動
物を対象とした光顕ならびに電顕組織標本作製の研究支援業務を目的とする「実験
動物病理プラットフォーム」を開設致しております。この支援業務では、研究現場の意
見を積極的に取り入れ、サービスの充実を図るとともに、近代化への対応も行なって
いく方針ですので、ご利用のほどよろしくお願い致します。
なお、経費は利用者負担とさせて頂きますのでご了承ください。
利用方法
1 受付:標本作製を依頼する場合は、実験動物病理プラットフォーム利用依頼書(共
通機器室予約管理システム http://reserv.brc.med.tohoku.ac.jp//右下、水色の四
角「病理標本作製支援」からダウンロード)に必要事項を入力し、e-mail 添付で、依
頼前日までに brc@med.tohoku.ac.jp へお送り下さい。
2 組織の搬入:病理および電顕標本用組織は、組織摘出後、直ちに充分量の固定
液(組織の 10 倍量以上)に入れ、できるだけ早急に1号館11階実験動物病理プラ
ットフォーム(内線 7584)に搬入して下さい。組織の切り出し面の指定など詳細につ
いては搬入時にご相談下さい。なお、固定液の提供もしておりますのでお申し出下
さい。
3 標本受領:依頼者は、標本仕上がりのメール連絡を受けた後、組織の搬入場所(上
述2)で受領サインのうえプレパラート、ブロックおよび残りの組織などをお受け取り
下さい。
4 経費負担:別に定める運用取り決めおよび運用細目(後記)を参照して下さい。
1
実験動物病理プラットフォーム運用取り決め
平成 20 年 6 月 23 日施行
平成 22 年 4 月 1 日改正
平成 22 年 4 月 25 日改正
平成 24 年 5 月 1 日改正
「実験動物病理プラットフォーム」は、東北大学大学院医学系研究科の研究・教育
活動を支援するために、以下の項目についての支援サービスを提供する。
1 支援項目
A 研究用病理組織標本作製
(1)
組織標本作製(パラフィンブロック、凍結ブロック作製と HE 染色および未
染スライド作製)
(2)
持ち込みブロックの薄切、染色および持込みスライドの染色
(3)
HE 染色以外の特殊染色
(4)
免疫染色(一次抗体は持ち込みを原則)
(5)
ISH (In situ hybridization)
(6)
実験動物病理プラットフォーム機器および染色などによる部屋使用
(7)
その他、各種ご要望に応じた対応
B 電子顕微鏡技術(観察撮影以降は病院中央電顕室にて実施)
(1)
試料作製
(2)
撮影
(3)
写真
(4)
撮影技術指導
2 経費負担
支援項目の利用にあたっては、別に定める共通機器室利用分野負担金のほか、
分室登録料および個人登録料(6ページ参照)を納めなければならない。経費に関し
ては半期毎に清算し、上半期は標本作製料(6ページ参照)のみ、下半期は標本作製
料、共通機器室利用分野負担金、分室登録料および個人登録料を清算する。経費に
関しては校費または委任経理金からの支払いとする。
2
3 依頼
標本作製依頼に関しては、依頼書の提出をもって受付ける。
4 試料保存
標本作製後は依頼者に試料をすべて返却し、保管の責任は負わない。
5 不可抗力により生じた試料の損害に対しては、一切責任を負わない。
6 機器および染色などによる部屋使用についての注意事項
1) 病理プラットフォーム室利用の際は事前に電話で予約すること。
2) 使用するスライドガラスなど消耗品は原則として持ち込みとする。
3) 機器使用した場合は、必ず使用記録ノートに下記の必要事項を記入すること。
① 使用日
② 分野名
③ 使用者名(複数の場合は全員分)
④ 使用時間
⑤ 使用内容(機器名、消耗品名・数量、染色の種類など)
⑥ トラブルおよび気がついたこと。
4) 使用後は、必ずもとの通りに整理整頓し、汚した場合は必ず掃除をすること。
5) 使用時間は原則として平日の午前 9 時から午後 5 時までとする。
7 電子顕微鏡に関する技術の提供。
但し、観察、撮影および写真に関しては病院中央電顕室の運営規定に基づき実施
する。
8 この運用取り決めに定めるもののほか必要な細目は、共通機器室管理運営委員会
委員長が別に定める。
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運用細目
1 組織材料
1) 実験動物の器官・組織に限る。(関連の培養細胞も可)
2) 未固定や凍結の感染性試料、肝炎ウイルス、エイズ、結核、梅毒、P3 および P4
レベルを要件とする病原体は受け付けない。
プリオン感染が疑われる組織・細胞は固定されたものでも受付けない。
2 ヘマトキシリン・エオジン染色(HE)
基本的にはすべてのブロックについて行う。
3 特殊染色
HE 染色以外の特殊染色を必要とする場合は、固定法、染色条件ならびに目的など
事前に打ち合わせを要する。染色の種類によって以下2段階の負担額を設定する。
レベル1 :
エラスチカ・マッソントリクローム染色(EM)
過ヨウ素酸シッフ染色(PAS)
レベル2 :
上記以外の特殊染色
4 免疫染色
固定法,染色条件、目的など事前に打ち合わせを必要とする。なお、一次抗体は原
則として持ち込みとする。
5 ISH(In situ hybridization)
1) 固定法、染色条件等の事前打ち合わせを必要とする。
2) プローブは各自作製、精製し、ハイブリの条件は指定のこと。
3) 薄切したスライド標本の持ち込み
*スライドガラスはベンチマーク専用かマツナミAPSコート付きを使用のこと。
4) 標本作製 : 薄切から染色までは組織標本作製に準ずる。
5) 条件設定
6) 原則としてバーコード印刷および貼付、プローブの分注は依頼者が行う。
7) 所見が得られない場合も課金となる。
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6 電顕組織標本
1) 灌流固定
2) 固定、脱水、包埋
3) 準超薄切片、トルイジン青染色
4) 超薄切片、電子染色
5) 免疫染色
6) 観察(デジタル画像)
7) フィルム撮影(ネガ)
8) 印画紙焼き付け
7 利用負担額の算定
1) 病理組織標本(光顕レベル)の算定根拠は1ブロックまたは1スライド当たりとする。
動物組織は組織の大きさ、あるいは目的により複数臓器が1ブロックに包埋される
こともある。また、1臓器が複数になる場合もある。
2) 電顕標本の算定根拠は1組織検体当たりとする。たとえば、腎皮質、腎髄質およ
び右心室などは、それぞれ1組織検体とする。
3) 分室利用登録料の算定根拠は、1 人の年間 1 回以上の使用当たりとする。
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利用負担額
平成 24 年 4 月 1 日改正
1 分室登録料(技術使用料)
¥10,000/人/年
2 個人登録料
¥1,000/人/年
3 標本作製料
(1)病理標本作製
パラフィンブロック作製
¥400/ブロック
凍結ブロック作製
¥100/ブロック
切片、凍結切片作製
¥100/スライド
未染スライド作製 コーティング 無
¥50/スライド
コーティング 有
¥80/スライド
HE染色
¥100/スライド
脱灰
¥50/ブロック
特殊染色
レベル1:EM染色又はPAS染色
¥250/スライド
レベル2:その他特殊染色
¥500/スライド
免疫染色*
¥800/スライド
ISH
¥2,500/スライド
*一次抗体は原則として持込みとする。
また、所見が得られない場合も課金とする。
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(2)電顕標本作製〔透過型電子顕微鏡用サンプル作製〕
灌流固定
¥1,000/1匹
標本作製:固定、脱水、包埋
¥4,000/サンプル
:準超薄切片、トルイジン青染色
¥1,000/ブロック
:超薄切片、電子染色
¥2,500/ブロック
観察(デジタル画像)
¥1,000/1時間
フィルム撮影(ネガ)
¥250/枚
印画紙焼き付け
¥200/枚
*作製するブロック数は、通常5個(/サンプル)。希望により5個を超える場合は、
5個追加毎に¥1,000 負担となる。
*準超薄切片、トルイジン青染色、超薄切片、電子染色は、希望により複数のブロック
から標本作製する。ただし、担当者が固定不良等、不適当と判断した場合、複数の
ブロックで標本作製を行う。いずれの場合もブロック数に応じて料金が加算される
が、ブロック数が多い場合は応相談とする。
*免疫染色の場合、上表の料金の他に¥800 負担となる。尚、抗体は各自持込みとなり、
抗体と共にあらかじめ染色した標本も持参すること。また、免疫染色で抗原抗体反
応が確認されない場合も課金となる。
(3)電顕標本作製〔走査型電子顕微鏡用サンプル作製〕
灌流固定
¥1,000/1匹
標本作製:固定~金属コーティング
¥4,000/サンプル
観察(デジタル画像)
¥1,000/1時間
フィルム撮影(ネガ)
¥250/枚
印画紙焼き付け
¥200/枚
標本作製料金の負担方法
4~9 月お渡し分は分野ごと集計して同年度に請求、10~3 月お渡し分は次年度に請求し、
請求時に研究基盤経費、教育基盤経費、寄附金(寄附講座を含む具体名)のいずれから
負担となる。科研費は使用不可。
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標本作製依頼から受取りまでの流れ
病理組織標本および電顕標本の依頼は、原則として下記の流れに従って行う。
依頼書のダウンロード
共通機器室予約管理システムHP
右下、
「病理標本作製支援」よりダウンロード
http://reserv.brc.med.tohoku.ac.jp//
依頼書の送信
依頼書に必要事項を入力、メールに添付し、前日までに
brc@med.tohoku.ac.jpへ件名「標本作製依頼」として送信
検体の搬入と依頼受付(依頼No.の押印)
病理組織標本
9:00~17:00
電顕標本
当日10:00まで
搬入前の固定液の受取り
ホルマリン
9:00~17:00
電顕用固定液
9:00~17:00
1号館11階実験動物病理プラットフォームにて
標本の受取り
標本は出来次第、各依頼者にメール連絡
標本の受取り
9:00~17:00
1号館11階実験動物病理プラットフォームにて
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※ 但し、12:00 から 13:00 の昼休み時間は受付をしておりません。
実験動物病理プラットフォーム組織標本作製手順
(依頼者と事前に打ち合わせ)
凍結切片
パラフィン切片
未固定、または4%PF
電顕標本
10%ホルマリン固定
4%PFによる灌流固定
(4%PF固定の場合は
脱水、中間剤、
グルタール、オスミウムの二重固定
10〜30% sucrose/PBS
パラフィン浸透
脱水、プロピレンオキシド、エポン浸透
の後処理必要)
凍結ブロック作製
パラフィンブロック作製
エポンブロック作製
クリオスタットで
ミクロトームで
ウルトラミクロトームで
凍結切片作製
パラフィン切片作製
準超薄切片作製
一般染色
一般染色(HE染色)
特殊染色
特殊染色
光顕顕微鏡で
観察チェック
脂肪染色
結合組織、フィブリン
免疫染色
グリコ−ゲン、多糖類
蛍光抗体法
脂肪 (オスミウム再固定)
酵素抗体法
アミロイド
酵素組織化学
無機物、金属
エステラーゼ
病原菌、真菌
ATPase
内分泌、生体内色素
超薄切片作製
電子染色
ISH
など
神経組織
生体内血液細胞
電子顕微鏡観察
生体内酵素など
写真撮影
免疫染色
酵素抗体法
ISH
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病理組織標本、並びにISHにおける切り出し・固定の注意事項
(各依頼者は下記の注意に従って組織を固定した後、実験動物病理プラットフォームに搬入する。)
1.
摘出した組織は自家融解をできるだけ早く阻止するため、直ちに
切り出しをし、固定液に入れる。柔らかく切り出しにくい組織は大き
いまま固定し、硬くなってから再度切り出すとよい。
2.
組織の厚さは、固定液の浸透を考慮して5mm以下とし、大きさはス
ライドガラス(76〜26mm)におさまることとする。
3.
切り出しには鋭利な刃物を用い、組織が損傷、挫滅しないようにす
る。
4.
観察したい部位、面については係に説明する。
5.
固定液は少なくとも組織の5〜10倍以上の充分量を用いる。また、
血液や組織液により濁った場合は交換する。
6.
腎臓、脾臓、リンパ節など、被膜で覆われている組織は固定液が
浸透しにくいので割を入れてから固定する。
7.
固定は充分に行なう。固定時間は組織の大きさにもよるが、1日か
ら1週間以内が望ましい。
電顕標本における切り出し・固定の注意事項
1.
電顕標本にする場合は灌流固定することが必要である。
2.
固定後、目的の組織は素早く傷をつけないようにていねいに摘出
し、プラチック板の上で切り出す
3.
両刃カミソリは下図のように折り、両手に持ち左右に引くようにしな
がら組織を小さく切る。またはピンセットで軽く組織を押さえてピン
セットの間にカミソリの刃を入れ、引くようにして、1〜2mm角くらい
に切る。(後者はむずかしい)
刃
※ カミソリはあらかじめアセトンにつけておいたものを使用する。
※ 組織は絶対乾燥させない。
※ 押し切りはしない。
4. 組織にグルタール固定液をピペットで滴下し、その中で小さく切る
とよい。小さく切った試料はグルタール液と共に軽くつまんで、秤
量瓶に入れ、冷蔵庫で2時間(多少長くともよい)固定し、11階
実験動物プラットホームに即、搬入する。
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