社団法人 電子情報通信学会 THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS 信学技報 IEICE Technical Report TV 番組を中心としたコミュニティ形成をサポートするユーザインター フェースの提案 紺家 裕子†‡ 中茂 睦裕 † †NTT コミュニケーションズ 先端 IP アーキテクチャセンタ 〒108-8118 東京都港区芝浦 3-4-1 ‡お茶の水女子大学 〒112-8610 東京都文京区大塚 2-1-1 E-mail: †{y.konya, m.nakashige}@ntt.com, ‡yuko.konya@is.ocha.ac.jp あらまし テレビを中心としたコミュニケーションツールとしてソーシャルテレビがある.ソーシャルテレビは 多くの検討がなされているが,家族・知人など近親者とのコミュニケーションを対象にしたものである.しかし, 映像視聴環境は多数あり,実社会上の知人・友人が必ず同じサービス上に存在しているとは限らない.そのため, 新たな友人をつくる仕組みをサポートする必要がある.本稿では,友人形成モデルを考慮し,仲間意識,一体感 を醸成することで親しくなるきっかけをサポートする UI を提案し IPTV 上で実装したので報告する. キーワード 映像サービス,ソーシャルテレビ,twitter, A User Interface That Grab a Common Interest on TV Receiver Yuko KONYA†‡ and Mutsuhiro NAKASHIGE† †Innovative IP Architecture Center, NTT Communications 3-4-1 Shibaura, Minato-ku, Tokyo, 108-8118 Japan ‡Ochanomizu University 2-1-1 Otsuka, Bunkyo-ku, Tokyo, 112-8610 Japan E-mail: †{y.konya, m.nakashige}@ntt.com, ‡yuko.konya@is.ocha.ac.jp Abstract: There are a lot of studies involving social interactive TV. Most of these services target families and friends. Although your friend in the real-world does not always use the same TV service or watch the same program. Therefore constructing a new community is needed. We describe the design and implementation of social interactive TV on a TV receiver, and propose a user interface that supports the format of a digital TV that considers a model of relationship development similar to that of a sports game viewed in a sports bar or at the actual location. We evaluate the user interface of IPTV and confirm the advantage. Keyword: TV/Video Service, Social TV, twitter 1. ま え が き の 高 機 能 化 が 進 ん だ .デ ジ タ ル テ レ ビ の 規 格 [1]の 中 で テレビを中心としたコミュニケーションツールと Ethernet に よ る ネ ッ ト ワ ー ク 接 続 が 規 定 さ れ , ほ と ん してソーシャルテレビがある.一般的にソーシャルテ どのテレビはブロードバンドネットワーク接続対応と レビとは,ソーシャルメディアなどを用いて遠隔地の なっている.その機能を活用するために,ウェブブラ 人と共同視聴したり,視聴体験を共有したりすること ウザを搭載したテレビやストリーミングビデオが視聴 である. 可 能 な Video On Demand( VoD) サ ー ビ ス を 利 用 で き デジタルテレビが普及し,ネットワーク(インター る テ レ ビ [2]が 発 売 さ れ た .近 年 で は ,ウ ィ ジ ェ ッ ト( ア ネット)につながったテレビではインタラクティブ性 プ リ )と い う Java ア プ リ ケ ー シ ョ ン が イ ン ス ト ー ル 可 のあるコンテンツを表示できるようになった.日本で 能なテレビが発売され,インターネット上の情報(ニ は ,2011 年 7 月 に 電 波 放 送 の デ ジ タ ル 化 が 完 了 し ,ほ ュースや天気など)を番組視聴中に閲覧できるテレビ と ん ど す べ て の テ レ ビ で Broadcast Markup Language も あ る .ウ ィ ジ ェ ッ ト の 中 に は「 twitter」や「 Facebook」 ( BML)ブ ラ ウ ザ が 搭 載 さ れ て い る .BML は 簡 単 に 言 と い っ た Social Network Site(SNS)を 表 示 す る こ と が 可 う と 放 送 受 信 機 向 け HTML ブ ラ ウ ザ の よ う な も の で あ 能 な ア プ リ も あ る .た と え ば , 「 Bravia」に 搭 載 さ れ て り 一 般 の HTML ブ ラ ウ ザ と 類 似 点 が 多 く あ る . デ ジ タ い る「 ア プ リ キ ャ ス ト 」[3]や「 PlayStation3」に 接 続 し ル 放 送 に 対 応 し た 放 送 受 信 機 上 で は BML を 利 用 し , て 利 用 す る「 torne」[4],海 外 の IPTV 事 業 者 で は AT&T インタラクティブコンテンツを提供できるようになっ が 提 供 し て い る「 FiOS TV」[5]な ど で twitter を 表 示 で ている. きるサービスがある.ただし,これらウィジェット型 テレビのデジタル化と平行するようにして,テレビ のサービスはテレビ視聴中にコミュニケーションをと ることを目的としておらず,利用方法や楽しみ方は利 Copyright ©2011 by IEICE 用者にゆだねられている. 一般的にスポーツの試合などでは,一人で観戦する このプロトタイプシステムでは,登録している友人 が 見 て い る 番 組 が ア イ コ ン で わ か る 番 組 表( 図 1 参 照 ), より,多くの人と一緒に観戦したほうが盛り上がる. 番組を見ながら定型文を選択または自由文を入力する そのため,スタジアムへ出向くほか,パブリックビュ ことで感想を投稿する機能と同じ番組を見ている人の ーイングやスポーツバーなどに集まって試合を観戦す 投稿した感想を表示するブラウザ(図2参照)を備え る 形 態 が あ る . ま た , 近 所 に 当 該 施 設 が な く て も SNS たものである.このプロトタイプシステムを用いヒア などを利用してほかの人とコミュニケーションをとっ リングを行った結果,ほぼ全員に共同視聴の欲求はあ て い る 事 例 も あ る . Akioka ら [6]は テ レ ビ を 見 な が ら るものの,以下の課題点が見えてきた. twitter が 活 発 に 利 用 さ れ て い る こ と を 報 告 し て い る . 2. 従 来 技 術 ・ 友人が同じ時間に見ているとは限らない. ・ 近親者からであればよいが,視聴行動がさらけ 出されるのでプライバシーがなくなるように感 遠隔地にいる友人らと共同視聴環境をシステムで じる. 実 現 し て い る 事 例 は い く つ か あ る .「 Amigo TV」 [7]や 「 Collabora TV」 [8]で は ウ ェ ブ カ メ ラ を 利 用 し テ レ ビ 画面上に,友人の映像が表示され,一緒に視聴する仕 ・ 友人の詳細な感想(コメント)より,何人が見 ているかなどの統計情報のほうが知りたい. 組 み を 提 供 し て い る . Davit ら [9]は 音 声 チ ャ ッ ト を 用 いて感想を共有するシステムを提案し,時間のずれが どの程度許容されるかを評価している. また,私たちもソーシャルテレビの検討を実施する に あ た り , プ ロ ト タ イ プ シ ス テ ム を 作 成 し た . [10] 一方,共同視聴をする場合,友人同士で行いたい, または友人のコメントがわかるようにしたいという意 見も多数ある.友人と共同視聴はしたいが,同じ番組 を見ているとは限らないというギャップが発生してい る状況である. 3. 課 題 テレビの視聴環境は多様化しており,地上波放送, 衛 星 放 送 (BS や CS), ケ ー ブ ル テ レ ビ , IPTV な ど さ ま ざまなテレビサービスがある.家族や実社会上の友人 が同じテレビサービスに加入しているとは限らず,た とえ同じ時間にテレビを見ていたとしても,必ずしも 同じ番組を視聴しているとは限らない.テレビサービ ス の 中 で ,一 番 利 用 者 が 多 い の は 地 上 波 放 送 で あ る が , 図 1 友人の視聴状況がわかる番組表.アイコンで 地上波放送は放送エリアごとに編成が異なる.また, 友 人 の 視 聴 状 況 を マ ー ク す る .( プ ロ ト タ イ プ シ ス 映像は電波(アンテナ)による片方向の受信であり, テム) 上り通信が必要な双方向サービスを利用するためには ネットワーク(インターネット)にテレビをつなぐ必 要 が あ る .現 状 の テ レ ビ の ネ ッ ト ワ ー ク 接 続 率 は 23% 程 度 [11]で あ る . そ の た め , 実 世 界 の 友 人 で ネ ッ ト ワ ークに接続されたテレビを保持し,かつ同時に同じ番 組を視聴している割合は少ないといえる. 前記の既存研究は既存友人や家族間など親しい間 柄での利用をターゲットとしている.たとえば,ウェ ブカメラを利用する方法では,実際の顔が映り,背景 (室内)が映りこむ場合もある.これは視聴者が気軽 に使用することを妨げる要因である.自分の視聴して 図 2 視聴者の感想を投稿,表示するブラウザ.定 いる場所がダイレクトに映像となって流れ,見せたく 型文を用いて投稿.コメントは画面の片側に流れる ないものまで見えてしまっているのでは,プライバシ よ う に 自 動 ス ク ロ ー ル す る .( プ ロ ト タ イ プ シ ス テ ーがなくなるのではと不安が生まれるからである.ま ム) た,実際の画面に各人の映像が映りこむことを考える と,テレビ画面上のスペースも必要になり,おのずと 少人数での利用となる.まったく知らない人と数人で では,ほかの視聴者との共通点をみつける,目的を共 視聴する場合と,既存の友人と数人で視聴する場合で 有 し な が ら 視 聴 を す る 関 係 に な る こ と で あ る . Level3 は楽しさの質が異なることは容易に想像できる.音声 の「 相 互 性 」 で は 番 組 視 聴 行 動 に 関 し て 互 い に 信 頼 感 チャットにおいては,映像で見えない部分は隠蔽でき が生まれ,番組推薦などの行動や互いの視聴行動を見 るが,音として流れるものがあること,ある程度の人 せることができる.たとえば,A さんとは視聴の趣味 数で限られることは同様である.さらに,音声のみの があうので A さんの視聴しているほかの番組も面白い コミュニケーションでは,表情や身振りが見えないこ のではという信頼感をもつ関係である. とによる感情の伝わりにくさというマイナス要因もあ るため,特に見知らぬ人との利用では楽しさが得られ にくい. 友人同士で楽しむ仕組みやニーズはあるが,実際に 利用する環境に既存の友人がいないという課題がある. 既 存 の ソ ー シ ャ ル テ レ ビ で は , Level2 以 上 , 特 に Level3 の 関 係 の 視 聴 者 同 士 が 利 用 す る こ と を 想 定 さ れ て い る .本 提 案 で は ,現 状 Level0 の 関 係 に あ る 視 聴 者 た ち が Level1 や Level2 の 関 係 へ 上 げ る こ と を 目 的 と する.たとえば,スポーツバーでは,同じ場所に集ま る こ と で 相 手 に 気 づ き( Level1),番 組 視 聴 を 通 じ 会 話 4. 提 案 方 式 をすることで仲良くなり楽しみを共有している. そこで,私たちは前記ギャップを埋めるために親 ( Level2) ス ポ ー ツ バ ー な ど で の 共 同 視 聴 で も 同 様 で 密さを表すモデルを応用し,同じテレビサービスに加 あるが,仲間意識や一体感を持つことで仲良くなり視 入している人たちの中で仲良くなる,コミュニティを 聴の楽しさが増すことがある.それらを表現する仕組 形成する仕組みをもつユーザインターフェースを提案 みとしてユーザインターフェース上に実現する方法を する. 提案する. 親密さのレベルや友人形成を表すモデルは多数あ る が , 根 本 は 類 似 し て い る た め 今 回 は Levinger and 一 般 的 に デ ジ タ ル 放 送 の 画 面 は L 字 型 と い い ,映 像 Snoek[12]の モ デ ル を 参 考 に し た . Levinger and Snoek を少し小さくし,空いたスペースの左側と下側に文字 は未知の者同士が何らかのきっかけで出会い,親密に 情報や画像情報を表示するものである.今回の提案イ なっていく過程を,大きく 3 つのレベルに分け,その ンターフェースでは映像を中央に配置し,両サイドに コミュニケーションの特徴について述べている.表1 情報(ユーザコメント)を表示できるようにした.ス に Levinger and Snoek の モ デ ル の Level0~Level3 に 対 し ポーツの応援合戦を想定したインターフェースである. てテレビ視聴がきっかけでであった場合の対応を示す. Level0 の 関 係 に あ る 視 聴 者 数 は Level2,Level3 の 関 係 表 1 Levinger &Snoek の モ デ ル と テ レ ビ 視 聴 体 験 へ にある視聴者数より多いため,コメントとしては映像 や音声は使用せず,テキストメッセージとアイコンの の対応 LEVINGER &SNOEK の モ デ ル Level 0 テレビ番組をきっかけと した行動 みを利用した. また,映像下部の中央のエリアではモデレータエリ アとしてさまざまな情報を表示できるようにしてある. 「無接触」 会ったことがない 知らない テレビを一人で視聴する. Level 1 「一方的知覚」 相手に気づく 意識する 同じ番組を見ているほか の視聴者の存在を感じる. Level 2 「表面的接触」 挨拶をかわす 共 通 点・類 似 点 を み つけようとする 同じ番組を見ているほか の 視 聴 者 と ,同 じ 目 的 を も って視聴する. Level 3 「相互性」 互いに影響しあう, 頼りあう, 自己開示する. 一緒に視聴している番組 を離れても関係が続く. 番組を薦める. 視聴行動をフォローする. 通常では参加者数をグラフで表示し,どちらの応援が 優勢かを表現した.これらは対抗意識から参加意欲を 持たせる意味がある. 通常テレビを視聴している状況で視聴者間の関係は Level0「 無 接 触 」 で あ り , ほ か の 視 聴 者 の 存 在 は わ か 図 3 ら な い . Level1 の 関 係 は 「 一 方 的 知 覚 」 で ほ か の 視 聴 ー ザ コ メ ン ト を 表 示 .映 像 の 下 部( ま た は 上 部 )へ 者 の 存 在 を 感 じ る こ と で あ る .Level2 の「 表 面 的 接 触 」 モ デ レ ー タ エ リ ア を 配 置 .( 対 戦 モ ー ド ) 提 案 ユ ー ザ イ ン タ ー フ ェ ー ス .両 サ イ ド に ユ に そ れ ぞ れ チ ー ム A, チ ー ム B の ハ ッ シ ュ タ グ 検 索 結 果 を 表 示 . 以 下 ,「 対 戦 モ ー ド 」 と い う .( 図 3 参 照 ) モ デ レ ー タ エ リ ア で は ハ ッシュタグごとのツイート数をグラフ表示. 5. 実 装 お よ び ユ ー ザ 評 価 私たちは上記の提案ユーザインターフェースを IPTV 上 で 実 装 し ,評 価 を 実 施 し た .図 4 に 野 球 中 継 用 に実装した画面を示す. 2. IPTV プ ラ ッ ト フ ォ ー ム 上 の BML を 利 用 し , 片 側 に チ ー ム A, チ ー ム B の ハ ッ シ ュ タ グ 検 索 結 果 を 表 示 .放 送 の L 字 表 示 と 類 似 し た 形 式 で あ る .以 下「 通 常 モ ー ド 」と い う . (図 4 参 照 )モ デ レ ー タ エ リ ア で は 2 つ の ハ ッ シ ュ タグ合計でのツイート数を表示. 3. テ レ ビ に 搭 載 さ れ た twitter ウ ィ ジ ェ ッ ト で チ ー ム A の ハ ッ シ ュ タ グ を 検 索 し て 表 示( 図 3 参照) 4. PC で の twitter ア プ リ を 利 用 し ,チ ー ム A, チ ーム B のハッシュタグ検索結果を表示し, テレビでの映像視聴(参考方式) し た 場 合 ,Level1 ま た は Level2 を 満 た す か ど う か ,お 図 5 BML で 構 築 し た ユ ー ザ イ ン タ ー フ ェ ー ス . よ び ,提 案 方 式 を 利 用 し た 場 合 ,楽 し み を 得 ら れ た か , 片側にユーザコメントを表示し,映像の下部(また の 2 つを検証する. は 上 部 )へ モ デ レ ー タ エ リ ア を 配 置 . (通常モード) 5.1. 実 装 IPTV サ ー ビ ス で の 双 方 向 シ ス テ ム 標 準 規 格 [13] に の っ と っ た 形 の BML[14]を 用 い て 実 装 し た .コ メ ン ト 収 集 に は twitter を 用 い ハ ッ シ ュ タ グ で コ メ ン ト を 2 つ の表示エリアに分類した. # teamA 図 4 # teamB 実装した提案ユーザインターフェース(モデ レータエリアを上部へ配置したもの) 5.2. 評 価 実 験 視 聴 者 間 の 関 係 が Level0 の 場 合 に ,提 案 方 式 を 使 用 評価実験方法は以下の通りとした. 20 代 か ら 40 代 の 男 女 12 人( 被 験 者 )に 実 際 に 放 送 映像と一緒に 4 種類の方法でユーザコメント(ツイー ト)を閲覧してもらい,アンケートを実施した.対象 とする映像はスポーツ(野球)にて,8 月の平日のナ イ ト ゲ ー ム で 評 価 し た .対 戦 カ ー ド は 仮 に チ ー ム A と チ ー ム B と す る . 地 上 波 で は 放 送 さ れ て お ら ず , CS 放 送 と IPTV の み で の 放 送 で あ っ た . 提案ユーザインターフェースと従来技術である,ウ ィジェット方式,参考としてウィジェット対応テレビ 図 6 など専用装置を保持しない視聴者が利用している 2 画 ジェットエリアが固定されている. テレビ上のウィジェット表示.片側にウィ 面 方 式( パ ソ コ ン 画 面 と テ レ ビ 画 面 を 一 緒 に 見 る ),提 案 方 式 と 同 じ IPTV プ ラ ッ ト フ ォ ー ム 上 の BML で 構 築 したウィジェット方式と類似した表示方法の 3 つの方 アンケートとして以下の 4 つの質問を実施した. 法を使用した.それぞれの詳細は以下に示す通りであ Q1~Q3 で は そ れ ぞ れ 4 段 階( と て も 感 じ た ,や や そ う る.また,テレビのみウィジェットの機能として 2 つ 感じた,あまり感じない,まったく感じない)で回答 のハッシュタグを同時に閲覧ができなかったため,片 を収集した. 側のチームのみとした. 1. 今 回 の 提 案 ユ ー ザ イ ン タ ー フ ェ ー ス . IPTV プ ラ ッ ト フ ォ ー ム 上 の BML を 利 用 し , 両 側 <Level 1 を 満 た し て い る か ど う か の 確 認 > Q1.誰 か と 一 緒 に 視 聴 し て い る 気 持 ち に な り ま し た 表 4 か? ユ ー ザ ア ン ケ ー ト Q3 の 結 果 ( Q3. 仲 間 意 識 や一体感を得られましたか?) <Level 2 を 満 た し て い る か ど う か の 確 認 > 単 位 :人 Q2. 球 場 に 行 っ た よ う な 気 分 に な り ま し た か ? Q3. 仲 間 意 識 や 一 体 感 を 得 ら れ ま し た か ? 対戦 通常 ウィジェット PC 5 5 1 1 2 7 2 1 2 4 3 3 1 3 7 1 とても感 じた やや感 じた ま た ,Q4 で は 2 段 階( は い ,い い え )で 回 答 を 収 集 あまり感 じない 全 く感 じない した. 表 3,表 4 は Level2 を 満 た し て い る か ど う か を 確 認 <Level 3 へ の 遷 移 意 向 の 確 認 > Q4.書 き 込 み( ツ イ ー ト )を し た く な り ま し た か ? する項目である. 「 対 戦 モ ー ド 」に お い て は ほ と ん ど の 被 験 者 が 「 と て も 感 じ た 」,「 や や 感 じ た 」 を 選 択 . 一 方 ウ ィ ジ ェ ッ ト や PC で は 半 数 以 上 が 「 あ ま り 感 じ な 5.3. 結 果 ・考 察 上記 5 つの質問結果を表 2 から表 6 にまとめる.そ い 」,「 全 く 感 じ な い 」 を 選 択 し て い る .「 通 常 モ ー ド 」 れ ぞ れ の 閲 覧 方 法( ウ ィ ジ ェ ッ ト ,PC,通 常 モ ー ド ,対 に お い て は ,「 や や 感 じ た 」,「 あ ま り 感 じ な い 」 の 2 戦モード)ごとに 5 問の質問をした結果である. 回答が多く,利用者によって意見が分かれた.これは 2 つのチーム分のハッシュタグ検索結果を表示できて 表 2 ユ ー ザ ア ン ケ ー ト Q1 の 結 果 ( Q1. 誰 か と 一 いたことやモデレータエリアにてツイート数を表示し 緒に視聴している気持ちになりましたか?) ていたことが意見を分けた箇所である. 単 位 :人 とても感 じた やや感 じた あまり感 じない 全 く感 じない 対戦 通常 ウィジェット PC 5 7 0 0 4 7 1 0 1 6 4 1 1 6 4 1 表 2 で は Level1 を 満 た し て い る か ど う か を 確 認 し た . 4 パ タ ー ン に お い て 多 く の 被 験 者 が 「 と て も 感 じ た 」, 「やや感じた」を選択しており,すべての場合におい て Level1 の 存 在 感 の 認 識 は 得 ら れ て い る と い え る .特 に今回の提案方式の「対戦モード」では被験者全員が 「 と て も 感 じ た 」,「 や や 感 じ た 」 を 選 択 し て お り , ほ かの表示方法より存在感を感じやすいインターフェー スとなっていることがいえる. 表 3 ったような気分になりましたか?) 単 位 :人 やや感 じた あまり感 じない 全 く感 じない 未回答 ているといえる. 表 5 ユ ー ザ ア ン ケ ー ト Q4 結 果 ( 書 き 込 み ( ツ イ ート)をしたくなりましたか?) 単 位 :人 あり なし 対戦 通常 ウィジェット PC 7 5 7 5 4 8 6 6 表 5 では共同視聴への参加意向が強くあるかどう かを書き込み欲求から確認する項目である.書き込み 欲 求 が 高 い ほ ど 参 加 意 向 が 強 い と い え る .「 対 戦 モ ー ド」および「通常モード」では入力機能がないのにも か か わ ら ず ,過 半 数 の 被 験 者 が 参 加 意 向 を 示 し て い る . 一 方 , ウ ィ ジ ェ ッ ト や PC で は 書 き 込 み イ ン タ ー フ ェ ユ ー ザ ア ン ケ ー ト Q2 の 結 果 ( Q2. 球 場 に 行 とても感 じた よ っ て ,「 対 戦 モ ー ド 」 で は Level2 の 関 係 性 が 築 け 対戦 通常 ウィジェット PC 5 4 2 1 0 1 5 4 1 1 1 1 6 4 0 0 3 7 2 0 ースを備えているが,あまり多くの被験者が参加意向 を示さなかった. ま た ,「 対 戦 モ ー ド 」 の モ デ レ ー タ エ リ ア で 表 示 し ている参加状況のグラフが番組視聴を楽しむために有 効 で あ る か ど う か を「 は い 」,「 い い え 」で 回 答 さ せ た . 12 人 中 10 人 が 有 効 で あ る と 回 答 し て お り , 有 効 性 が 認められる. 総合的に評価してどのユーザインターフェースが 楽しめたかをヒアリングした結果を表 6 に示す.各被 験者に 4 つのインターフェースを楽しめた順に順位を つけてもらった.今回の提案インターフェースである 「対戦モード」は 9 人が 1 番に楽しめた,3 人が 2 番 目に楽しめたという状況であった.2 番を選択した3 人については1番を選択したものは「通常モード」で あり,対戦型を選択しなかった理由としては「映像が 大 き い ほ う が よ い 」,「 映 像 を メ イ ン で 見 た い 」 と , コ ミュニケーションより試合の中身を重視している視聴 者であった. 共同視聴より試合を重視する一部の被験者を除き ほとんどの被験者が「対戦モード」を楽しめたと評価 しており,提案方式は,ほかの 3 つの方式より楽しみ を得やすいインターフェースとなっていることがいえ る. 表 6 どのインターフェースが視聴を楽しむため に有効であったか. 単 位 :人 1位 2位 3位 4位 対戦 通常 ウィジェット PC 9 3 0 0 2 5 3 2 0 3 4 5 1 3 4 4 *1 人 は 1 位 対 戦 型 , そ れ 以 外 2 位 と 回 答 6. ま と め /今 後 の 展 開 私たちは,ソーシャルテレビのユーザインターフェ ー ス を 提 案 し ,IPTV プ ラ ッ ト フ ォ ー ム 上 で 実 装 ,評 価 実験を実施した.提案ユーザインターフェースである 「対戦モード」では,既存の知人,友人が同時に視聴 している可能性が少ないソーシャルテレビ視聴環境に おいて視聴者同士が仲間意識を得ることができるよう 設計し,コミュニケーションをとりやすくする方法と し た . 評 価 実 験 に よ っ て テ レ ビ の ウ ィ ジ ェ ッ ト や PC とテレビの 2 画面で視聴するような既存の共同視聴方 法より共同視聴が楽しめるものであることが確認でき た. 今 後 , ト ラ イ ア ル サ ー ビ ス と し て IPTV サ ー ビ ス 上 で一般視聴者に利用してもらうフィールドトライアル を実施する予定である.ここでは,大人数での利用を 想定し負荷設計なども実施する予定である. 文 献 [1] 社 団 法 人 電 波 産 業 会 ,「 技 術 資 料( 放 送 分 野 )地 上 デ ジ タ ル テ レ ビ ジ ョ ン 放 送 運 用 規 定 」 ARIB TR-B14 4.5 版 [2] acTVila, http://actvila.jp/ [3] ア プ リ キ ャ ス ト , http://sony.jp/bravia/technology/internt [4] Torne, http://www.jp.playstation.com/ps3/torne/ [5] FiOSTV, http://www22.verizon.com/residential/fiostv?CMP= DMC-CV090057 [6] S.Akioka, N.Kato, Y.Muraoka and H.Yamana, "Cross-media Impact on Twitter in Japan", SMUC '10 Proceedings, pp.111-118. 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