2014年中堅・中小企業における「グループウェア」の利用実態とユーザ評価に関する調査報告 PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2014年10月2日 2014年中堅・中小企業における「グループウェア」の利用実態とユーザ評価 調査設計/分析/執筆: 岩上由高 ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691 URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2014年の国内中堅・中小市場における「グループウェア」の利用実態およびユーザ 評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2014年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態 と評価レポート」の「グループウェア」カテゴリに関するサンプルおよびダイジェストである。 <「既存パッケージ」と「クラウド形態」は競合と共存のどちらに進むか?の見極めが重要> ■中小企業層はサイボウズOffice、中堅中位企業層はLotus Notes/Dominoが優位を保つ ■年商5億円未満の小規模企業層はクラウド形態のグループウェア提案における主戦場 ■シェア上位のクラウド形態グループウェアはユーザ評価が高い何らかの「個性」を持つ 対象企業: 対象職責: 日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業 以下のいずれかの権限を持つ社員 「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」 「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」 調査実施時期: 2014年7月~8月 有効回答件数: 1300社(有効回答件数) ※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 http://www.norkresearch.co.jp/pdf/2014itapp_rep.pdf 中小企業層はサイボウズOffice、中堅中位企業層はLotus Notes/Dominoが優位を保つ 以下のグラフはグループウェアを導入済みの年商10億円以上~20億円未満、年商50億円以上~100億円未満、年商100億 円以上~300億円未満のユーザ企業に対し、導入済みの製品/サービス(複数回答可)を尋ねた結果である。従来、リリース (兼ダイジェスト/サンプル)では全年商帯を対象とした全体シェアのみを掲載してきたが、全体のシェアだけでは実態を的確 に把握することはできない。そのため、本年からは一部の年商帯についてのシェア状況をサンプル兼ダイジェストと して掲載することにしている。 年商10億円以上~20億円未満の年商帯を含む中小企業層では「サイボウズOffice」、年商100億円以上~300億円 未満の中堅中位企業層では「Lotus Notes/Domino」が最も高いシェアを獲得している。だが、この数字は「累積の シェア」である点に注意する必要がある。値は同じであっても、最近の新規導入が多いのか?それとも過去に導入したユーザ 企業が長く使い続けているのか?によって状況は変わってくる。 これを知るための観点が「導入年」だ。次頁以降ではこうした 「導入年」も加味したシェア状況の分析/集計の一部をダイジェスト/サンプルとして掲載している。 P7-1AS.導入済みの製品/サービス(いくつでも) 10億円以上~20億円未満(n=89) 50億円以上~100億円未満(n=127) 100億円以上~300億円未満(n=138) 34.8% 19.7% 16.7% 14.6% 18.1% 24.6% 6.3% 9.0% 15.0% 13.8% サイボウズガルーン: Google Apps: 9.4% 3.4% 4.5% 4.5% 5.6% 7.9% 3.4% 3.4% 3.9% 3.1% 3.9% 3.1% 4.7% 4.7% 3.1% 4.7% TeamWARE: グーグル 富士通 Star Office: IBM SmarterCloud for Social Business(旧:Lotus Live): アルファオフィス: 日本IBM OfficeForce: 日立製作所 eValue NS /EasyPortal: ネオジャパン Office365 / Microsoft Exchange Online: 日本マイクロソフト サイボウズ intra‐mart Accel Collaboration/イントラネット・スタートパック: NTTデータイントラマート Groupmax: 4.3% 7.2% 3.6% 日本IBM desknet's NEO/desknet's/iOffice: 日本マイクロソフト 9.0% 9.4% 3.1% 4.3% 8.0% 10.1% 5.8%5.8% 5.1%6.5% 7.2% Lotus Notes/Domino: サイボウズOffice: サイボウズ Microsoft Exchange Server: 11.2% OSK(大塚商会) NEC 大塚商会 NEC その他のパッケージ製品またはサービス 独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの) 独自開発システム(完全なスクラッチ開発) 2014年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と展望レポート(ノークリサーチ) 1 Nork Research Co.,Ltd 2014年中堅・中小企業における「グループウェア」の利用実態とユーザ評価に関する調査報告 年商5億円未満の小規模企業層はクラウド形態のグループウェア提案における主戦場 グループウェア市場において留意しておくべき点の1つが、年商5億円未満の小規模企業層における動きだ。以下のグラフは 同年商帯における導入社数シェア(複数回答可)をプロットしたものである。「サイボウズOffice」を始めとするパッケージ製品 だけでなく「Office365 / Microsoft Exchange Online」や「Google Apps」といったASP/SaaSの導入も見られる点に注意が必要だ。 グループウェアは多くの社員が日々利用するアプリケーションであるため、「慣れ」に起因する移行の障壁が意外と高い。その ため、技術的な障壁はそれほど高くないにも関わらず、パッケージ製品からASP/SaaSへの移行は同一の製品/サービスを継続 的に利用できる場合を除くと実はそれほど多くない。しかし、年商5億円未満の小規模企業層においては既存の製品/サービス が存在しない全くの新規導入の割合も高くなるため、「慣れ」に起因する選択肢の制限がなくなってくる。その結果、パッケージ 製品だけでなく、ASP/SaaSも含めた幅広い製品/サービスの導入が見られるものと考えられる。 P7-1A.導入済みの製品/サービス(いくつでも)(年商5億円未満) 0.0% サイボウズOffice: 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% サイボウズ 20.5% Google Apps: グーグル 20.5% Microsoft Exchange Server: 日本マイクロソフト 15.4% Lotus Notes/Domino: 日本IBM 10.3% Office365 / Microsoft Exchange Online: 日本マイクロソフト 10.3% intra‐mart Accel Collaboration/イントラネット・スタートパック: NTTデータイントラマート 7.7% サイボウズガルーン: サイボウズ 5.1% Star Office: NEC 5.1% アルファオフィス: 大塚商会 5.1% 富士通 2.6% IBM SmarterCloud for Social Business(旧:Lotus Live): 日本IBM 2.6% eValue NS /EasyPortal: OSK(大塚商会) 2.6% TeamWARE: 25.0% その他のパッケージ製品またはサービス 15.4% 独自開発システム(完全なスクラッチ開発) 2.6% n=39 2014年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と展望レポート(ノークリサーチ) また、以下のグラフは導入社数シェア上位の代表的な製品/サービス毎の導入年を尋ねた結果である。製品/サービスによって はサンプル件数がやや少ないものもあるが、導入年と製品/サービスの関係を知る上では有用なデータといえる。「Office365 / Microsoft Exchange Online」や「Google Apps」といったASP/SaaSにおいては2012年以降の導入の占める割合が高くなっている。 つまり、グループウェアでは「慣れ」に起因する現状維持志向がASP/SaaS移行の障壁となっているものの、新規導入が多くを 占める年商5億円未満の小規模企業層を中心にASP/SaaS導入が見られ、導入年別に見た場合にも近年の伸びが確認できる 状況となっている。 本リリースの元となる調査レポートでは下記に挙げた以外の主要な製品/サービスの「導入年」の傾向や本リリースに掲載 されていない年商帯における製品/サービスのシェア、それらの「導入経緯」など様々な詳細データが含まれている。 P7-2.最も主要な製品/サービスの導入年 0% サイボウズOffice: Google Apps: 2008年以前 グーグル(n=33) 6.1% 9.1% 3.0% 2010年 60% 7.7% 7.7% 21.2% 19.2% 2011年 80% 100% 7.4% 6.7% 10.4% 6.7% 5.9% 5.9% 72.3% 日本IBM(n=94) 日本マイクロソフト 2009年 40% 57.0% サイボウズ(n=135) Lotus Notes/Domino: Office365 / Microsoft Exchange Online: (n=26) 20% 8.5% 8.5%5.3% 4.3% 27.3% 7.7% 2012年 30.3% 19.2% 23.1% 2013年 3.0% 15.4% 2014年 2014年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と展望レポート(ノークリサーチ) 2 Nork Research Co.,Ltd 2014年中堅・中小企業における「グループウェア」の利用実態とユーザ評価に関する調査報告 シェア上位のクラウド形態グループウェアはユーザ評価が高い何らかの「個性」を持つ 本リリースの元となる調査レポートでは13種類の業務アプリケーションのそれぞれについて、「ユーザ企業が満足している機能 は何であり、今後求めている機能は何であるか?」や「ユーザ企業が抱えている課題は何であり、その解決策としてどのような 機能が求められるか?」を詳しく尋ねている。その際の設問内容は当然ながら13種類の業務アプリケーションですべて異なる。 以下のグラフは代表的なグループウェア製品/サービスについて、「評価/満足している機能や特徴」を尋ねた結果の一部だ。 (本リリースの元となる調査レポートでは20以上に渡る項目について、シェア上位15製品/サービスについて詳しく尋ねている) 「導入時の初期費用が安価である」という項目についてはその他の製品/サービスの値が53.2%であるのに対し、シェア上位の 製品/サービスも同程度またはそれより低い値に留まっている。そのため、初期費用を低くしたとしてもシェア獲得には必ずしも 直結しない可能性が高い。 「Lotus Notes/Domino」において「独自のアプリケーションを自社で作成することができる」の回答割合が20.2%と高い点など、 シェア上位のパッケージ製品は細かい点での機能面の優位性が幾つかあるものの、その他の製品/サービスと比較して突出 した項目はそれほど多くない。一方で、「Office365 / Microsoft Exchange Online」や「Google Apps」については前者では「導入 後の保守/サポート費用が安価である」(50.0%)、後者では「メール関連の機能が包含されている」(36.4%)、「スマートフォンや タブレットからも利用することができる」(30.3%)といったように他の製品/サービスと比較して突出した優位性が見られる。 本リリースの元となる調査レポートではこうした状況において、現行でパッケージ製品をユーザ企業に導入している開発元 や販売元がどのように対処していくべきなのか?既存パッケージ製品とクラウド形態は競合するのか共存するのか?など について詳しく分析や解説を行っている。 P7-7S.最も主要な製品/サービスに関して評価/満足している機能や特徴(いくつでも) 0.0% 10.0% サイボウズOffice: サイボウズ(n=135) Lotus Notes/Domino: 日本IBM(n=94) 20.0% 30.0% 6.7% 7.4% その他のパッケージ製品 またはサービス(n=62) 60.0% 51.1% 27.7% 27.7% 23.4% 23.4% 3.2% 20.2% 30.3% 30.3% 45.5% 36.4% 36.4% 53.8% 50.0% 19.2% 19.2% 3.8% 1.6% 4.8% 50.0% 37.0% 25.2% 25.2% Google Apps: グーグル(n=33) Office365 / Microsoft Exchange Online: 日本マイクロソフト(n=26) 40.0% 15.4% 53.2% 32.3% 11.3% 11.3% 導入時の初期費用が安価である 導入後の保守/サポート費用が安価である メール関連の機能が包含されている メール関連の機能が包含されている スマートフォンやタブレットからも利用することができる 独自のアプリケーションを自社で作成することができる 2014年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と展望レポート(ノークリサーチ) 3 Nork Research Co.,Ltd 2014年中堅・中小企業における「グループウェア」の利用実態とユーザ評価に関する調査報告 調査実施時に選択肢として挙げた製品/サービス一覧 本調査においてはグループウェアを「スケジューラ、掲示板、ToDoといった情報共有を担うアプリケーション」と定義している。 この定義に基づき、アンケート回答者はグループウェアを含む13種類のアプリケーションカテゴリから導入済みのものを選び、 選ばれたカテゴリの中から導入済みの製品/サービス名称を選択する。 また、以下の選択肢は過去の調査結果に基づいて、自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、 逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するといった形で年毎に調整を行っている。 サイボウズOffice Lotus Notes/Domino Microsoft Exchange Server desknet's NEO/desknet's/iOffice サイボウズガルーン Office365 / Microsoft Exchange Online Google Apps TeamWARE intra-mart Accel Collaboration/イントラネット・スタートパック Star Office IBM SmarterCloud for Social Business(Lotus Live) アルファオフィス Groupmax OfficeForce eValue NS /EasyPortal その他のパッケージ製品またはサービス 独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの) 独自開発システム(完全なスクラッチ開発) サイボウズ 日本IBM 日本マイクロソフト ネオジャパン サイボウズ 日本マイクロソフト グーグル 富士通 NTTデータイントラマート NEC 日本IBM 大塚商会 日立製作所 NEC OSK(大塚商会) 本リリースの元となっている「2014年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の詳細は下記URLを参照 http://www.norkresearch.co.jp/pdf/2014itapp_rep.pdf 本データの無断引用・転載を禁じます。引用・転載をご希望の場合は下記をご参照の上、担当窓口にお問い合わせください。 引用・転載のポリシー: http://www.norkresearch.co.jp/policy/index.html 株式会社 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