夢がつなぐ市民と動物園 ひたち NPO センター・with you 代表理事 安田尚道 ひたち NPO センター・with you は地域の抱える問題を解決し、地域の人たち がともに生き生きと暮らしていけるために、市民と行政と企業をつなぐことをミ ッションにしています。私たちは、ワークショップの準備段階でかみね公園が、 地域住民の植樹から始まり、市民と行政が協働して築き上げてきた歴史をもち、 この一角にある動物園も市民とともに歩んできたことを学んできました。 現在、ライフスタイルの変化やレジャーの多様化などにより、かみね動物園の 新しいあり方が模索されています。まさに、かみね動物園は市民と行政の協働の 新しいモデルケースともなりうると考えました。 そこで、私たちは、地域社会のあらゆる人々とともに、動物園の新しいあり方 を探るために、 「かみね動物園で私たちにできること」というテーマで、昨年の9 月から 10 月にかけてワークショップを四回にわたり開催しました。本報告書は ここでの英知を集めたものであり、市民の熱き思いだけでなく、市民の具体的な アイデアがつまったものです。私たちは、本報告書が具体的に動物園の発展につ ながるものであると確信しています。 ところで、 今回のワークショップは次のような特徴をもっていました。 第一に、 このワークショップそのものが市民と行政と企業の協働の場になったということ です。ワークショップが日立市、動物園に関するボランティア団体であるみねこ クラブの共催と NPO 法人市民 ZOO ネットワークの後援のもと、地元企業の㈱金 馬車に場所を提供していただき、多数の市民に参加いただいたからです。 第二に、市民の思いと専門家の知識と実践が交流する場になったということで す。ワークショップ一日目に交流フォーラムが開催されました。そこでは、アク アワールド大洗水族館前副館長の舟橋正隆先生と、市民 ZOO ネットワークの牧 慎一郎さんに専門家あるいは市民的専門家の立場から講演いただいただけでなく、 みねこクラブの山田成代表からボランティア団体としての経験そして動物園の田 尻政光園長から動物園の現状と課題をお話しいただきました。フロアーからも活 発な質問がだされました。また、二日目には、市民 ZOO ネットワークの赤見理 恵さんのファシリテートにより、 動物園におけるフィールドワークがおこなわれ、 市民の興味と思いと夢が市民的専門家の知識と結びつきました。 第三に、三日目、四日目に行われた、みねこクラブ代表の山田成さんのファシ リテートにより具体的なアイデアが出されたということです。この報告書に現れ ているように、動物園に対する市民ひとりひとりの思いが具体的なアイデアとな るだけでなく、現在、これが現実に動きだしつつあります。 本報告書により動物園が市民の夢のなかから再生し、成長過程における暖かな 思いで、そして市民の生活を豊かにし、よりよき動物園の発展につながることを 主催者として祈念いたしております。 最後に、忙しい中、ご協力いただいた皆様、そして参加してくださった市民の 皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
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