DOWNSTREAM No.29 日本語版・要約編 DOWNSTREAM No.29 本編 p.3∼5 p.6∼7 p.8 p.9 p.10∼11 p.12∼14 p.15 p.15 p.16 p.18∼19 Cytopilot Miniによるモノクローナル抗体の生産性の改善 Viral vectors and vaccines ─第5回会議 Press release Fast Trak Purification TÜV approves Y2K readiness ベンダー監査 国際バイオ会議 逆相クロマトグラフィーハンドブック(改定版) 大型製品の搬入の様子(日本) SOURCE 5RPC −アルカリpH条件でも使用できる新しい高分離能カラム p. 3∼ 5 Improved MAb productivity with Cytopilot Mini Cytopilot Miniによる モノクローナル抗体の生産性の 改善 最近の治療用モノクローナル抗体医薬品の分 野における進歩が、細胞培養に使用されるシ ステムとマイクロキャリア担体の開発を推し 進めています。アメリカの大手バイオ医薬品 メーカーのアムジェン社は従来の攪拌式バイ オリアクターと弊社のCytoPilot Miniシステ ムを比較し、その結果 Cytopilot Miniの高い 生産性が示されました。 最近のモノクローナル抗体における関心は、 生産に向けていかに効率よく細胞培養の工程 を行うかに集中しています。医薬品の製造企 業は生産性を向上させ、コストを低減できる 新しい細胞培養方法を探しています。 Ten-fold increase アムジェン社ではラットハイブリドーマ細胞 の培養において、新しい流動床方式のバイオ リアクターCytopilot Miniと従来のパイロッ トスケールの攪拌式培養槽方式を比較しまし た。容積あたりの生産性はCytopilot Miniが 従来法より10倍も高くなりました。 今回の評価試験では必要とされる栄養素、代 謝産物の蓄積量、抗体の生産力が比較され ました。 Cytopilot Miniは容積2リットルのバイオリア クターで、Cytolineマイクロキャリアによる 細部培養のためにデザインされています。バ イオリアクターは上部ガラスチャンバー部分 と下部のステンレスチャンバーからなってお り、下部チャンバーには各種センサーの取り 付け部と培地回収用のサンプリングバルブが ついています。内部循環機構により培地は上 下チャンバーを循環することですぐれた攪拌 効果をしめします。Cytopilot Miniは流動床 式、充填床式双方とも使用可能です。 Cytoline 1は楕円形をしたマイナス電荷を持 つマイクロキャリア担体で、比重は1.32、担 体のポアサイズは10∼400µmに分布していま す。Cytoline担体の表面積は約0.3m2/gとなっ ています。マイクロキャリアは円盤状の形を しているため、従来の球状の担体に比べて培 地中の栄養成分の移動が迅速です。高い比重 のマイクロキャリア担体を流動床状態で使用 することで従来の5∼10倍の高密度での培養 が可能になりました。またマイクロキャリア 内部の培養細胞は周辺の環境変化から保護 されるため長期間の安定した培養も可能にな りました。 Preparations Cytopilot Mini 培養体積2リットルのCytopilot Miniを使用す る場合は300mlのCytoline担体と0.2%の子ウ シ血清を添加した1500mlの培地を使用しま す。培地は16時間ごとに一部を回収、新し い培地の添加を繰り返し、22日間の培養が 行なわれました。この期間で使用した全培地 量は70リットルでした。 Stirred tank bioreactor 従来の150リットル容積の攪拌式バイオリア クターでは65リットルの培地を使って培養を 行ないました。73時間後に7リットルの2倍濃 縮培地を添加し、142時間で細胞の生育が停 止したため回収しました。 Potential to increase 今回のこの報告でCytopilot-Miniでは従来の 攪拌式バイオリアクターより、高い効率で細 胞培養が行われていることが示されました。 さらに今回のCytopilot-Miniでの培養条件は まだ至適化されておらず、さらに生産性の向 上も期待でき、より大型の生産スケールでの 応用の可能性も示されました。 DOWNSTREAM No. 29 p.6∼ 7 Viral vectors and vaccines 5th annual meeting ウィルスベクターとワクチンの第 5回会議の報告 開催場所:ウィリアムズバーグ、バージニア州、USA 開催期間:1998年11月16日∼19日 今回の会議では、アデノウィルスやレトロウ ィルス、ヘルペスウィルスやHIV、インフル エンザなどの各種ウィルスベクターに関し て、主だった研究者達が研究経過とその成 果を発表しています。この内容は遺伝子治 療の分野における最新の研究の概要といる でしょう。 遺伝子治療の分野において、遺伝子を標的細 胞に運搬する手段としてウィルスがよく研究 されています。標的細胞に感染し、時には細 まだまだ未発達な分野ですが、すでに構築さ 胞内の染色体に自身の遺伝子を組み込む能力 れているワクチンや組換えタンパク質の生産 を持つことからウィルスが注目されています。 における手法をもとに、迅速に発展しつつあ ります。いくつかの工程は、すでに製造スケ p. 10∼ 11 TUV approves Y2K readiness 2000年問題の対応 西暦2000年が近づくにつれ、各社はその対応 に追われております。1999年12月31日以降 も通常通りに仕事を行えるためにも、予想で きる全てのバグへの対処法の検討が要求され ています。アマシャム ファルマシア バイオ テクでは、1997年の初めから2000年問題に 向けて準備を進めて参りました。 Early start pays off 弊社では、どのような問題が考えられるのか については1996年から情報技術(IT)部で調査 を進めておりました。そしてIT部だけでなく 他部署も含めて2000年問題プロジェクトチー ムを形成し、1999年の6月までに会社として の対応策を整えることを使命といたしており ます。このプロジェクトは非常に広範囲に及 び、そして非常に奥深いものです。 p.12∼ 14 Vender auditing:turning an inspection into an oppotunity ベンダー監査 ールへと開発が進んでおり、1000Lの培養槽 やマイクロ流動体、膜処理、クロマトグラフ ィー、遠心分離などの工程が分離、精製のた めに使用されています。さらにこれらの工程 はcGMPやBL-2などの規制当局の要求に適合 するように工程開発が行われています。 この遺伝子治療にフォーカスした会議には、 240人を超える参加がありました。 詳細な内容については、本文をご参照くだ さい。 しかし早くから対処法の検討を開始したこと リストアップしました。そして修復するのか、 が功を奏し、最近ドイツの試験証明機関の関 変更が必要なのかを判断して試験を行い、文 連会社TUVの監査を受け、承認されました。 書作成いたしました。 Two-dilight date 2000年問題は、年号を2桁で認識しているた めに「2000年」を「1900年」と識別できな くなり、コンピューターが誤作動を起こすこ とをいいます。この日付の誤認識により、デ ータが失われたり、システムネットワークに エラーが生じたりする可能性があり、非常に 深刻です。製造工程への影響だけでなく、空 調システムやセキュリティーシステムなどへ の様々な影響を過小評価していることがあり ます。 The procedure 弊社では、この問題について3つに分類して 取り組みました。 Strategic application; 受注や購買などのすべてのシステム Local-site operations; 各地域のIT、PC、製造設備など Instrument compliance; すべてのハードウェア、ソフトウェア まず目録を作成し、予想される問題をすべて ものかを保証するため、供給元に対しての監 査訪問を実施しています。最近では、各社が 当局から認められた第三者団体に監査を委任 するケースもあるようです。 私どもアマシャム ファルマシア バイオテク では、1990年に初めての監査訪問をお迎え して以来、その件数が年々増加しており、初 ここ数年、ベンダー監査を実施する医薬品企 年度は年間3件でありましたが、最近は年間 業が増えています。これは、FDAのような規 30件に増え、98年末には遂に100件目のベン 制当局が、医薬品の製造業者にその原料お ダー監査を受けました。監査を受ける事は、 よび製造方法の管理を求めているからです。 お客様に弊社製品の高い品質をご理解いただ 医薬品企業はそのため原料が適切に製造され けるとともに、私どもにとっても我々の製品 ているかまた医薬品製造に適した品質を持つ がお客様のもとで、どのように性能を発揮し Inventory of every clock 弊社では、社内のすべての時計をもつ機器類 について試験を繰り返してまいりました。そ れだけではなく、ウプサラにおいては130以 上の原料などの重要な供給元に対して2000年 問題の対応状況と製品の安定供給についての 情報の提示を求めてまいりました。 Impressive project TUVの監査は1999年1月に実施されました が、我々の体制に感銘を受けておりました。 そして最終的には、公式の認可証明書にサイ ンをいただきました。 Corporate Y2K compliance 弊社における2000年問題のプロジェクトは最 終段階に入っています。いくつかの試験と重 大な工程の証明を残すのみですが、全員が 1999年6月までに会社としての2000年問題 適応体制が整うことを確信しています。 ているのかを学ぶ事が出来る、貴重な機会で す。私どもはベンダー監査を歓迎しており、 品質保証部は豊富な監査経験を持っており ますので、皆様にもご満足いただけることで しょう。監査のスケジュールといたしまして は、2日間で原料供給、工程開発、製造、 品質保証の各部門について監査していただく 事になります。 今後も、ベンダー監査は、品質保証に関す る、お客様とのより強固なコミュニケーショ ンに効果を発揮するとともに、製品の性能の 向上、また皆様のニーズをより多く学ぶ機会 となると我々は信じております。 DOWNSTREAM No. 29 議題としては以下のようなものがあります。 ・バイオ医薬品の適応問題 ・工程開発、技術移管、スケールアップ ・バイオ医薬品生産施設の設計、建設、 バリデーション及び実操作 ・ 画期的な技術 ・バイオ医薬品のドラッグデリバリーシス テム ・ バイオ医薬品の特徴づけ ・ 製造、変更管理、同等性の検証 p.15 Moving from Development to a Commercial Process 会議のご案内「開発から商業 生産化への移行」 1999年9月22日から24日にスウェーデンのス トックホルムにて、バイオ医薬品の開発から 商業生産へのスムースな移行に関して、いろ いろな側面から討論する会議が開かれます。 口頭による論文発表の摘要もお待ちしており この会議では安全性を重視しつつ、現在と将 ます。 来の動向を探りながら開発から上市までのス 締め切り日は1999年6月30日です。 ムースな工程管理などを討論します。 詳しくは下記まで: The Secretariat P.O.Box 1082 SE-181 22 Lidingo Sweden Tel: +46 8767 4440 Fax: +46 8767 4514 E-mail: lunden@ellow.se 次のホームページもご利用ください。 http://www.lunden.ellow.se/ibc.html ご好評のハンドブック「逆相クロマトグラフ ィーの原理と方法」が、最新の逆相クロマト グラフィー(RPC)製品、SOURCE 30RPC および SOURCE 5RPC の情報を加えて新しく なりました。弊社が提供している全RPC関連 製品に関する取り扱い説明から実践的ガイド などの応用例まで、いろいろな情報がご覧い ただけます。 SOURCE 5RPC (アルカリ pH条件でも使用できる新しい高 分離能RPCカラムの登場) ました。SOURCE 5RPC は、均一な粒径 5µmのポリスチレン/ジビニルベンゼンをベ ースとしたポリマー系担体で、アルカリpH条 件においても高分離能を示し、シリカベース のRPC担体では成し得なかった、優れた特性 を持っています。ぺプチドマッピングや酸性 pH条件では不溶性のぺプチドの分離におい て、その性能は発揮されます。 すため、RPCでの分離の困難なぺプチド)が あり、このぺプチドのSOURCE 5RPC による アルカリpH条件での分離例は、この担体の 今後の可能性を期待させる、非常に興味深い 結果を示しています。製品仕様情報なども含 め、詳細は本文をご参照ください。 また、データファイル、アプリケーションノ ートも用意されておりますので、ご興味のあ る方は弊社にご請求ください。 SOURCE担体シリーズに、新たにSOURCE 5RPC ST 4.6/150プレパックカラムが加わり アルツハイマー病患者に特有なぺプチド: amyloid-β1-42(アルカリ条件で溶解性を示 p.15 新版逆相クロマトグラフィーの 原理と方法 Code No.18-1134-16 p.18∼ 19 SOURCE 5RPC column gives high resolution any pH 内容に関するお問い合わせは、 アマシャム ファルマシア バイオテク(株) インダストリー事業部 T E L 0 :3 5 3 3 1 9 3 1 6 までお願いいたします。 発行者:アマシャム ファルマシア バイオテク (株)インダストリー事業部 バイオプロセスグループ Downstream No.29資料請求FAX用紙 ●●ファクシミリ番号 03-5331-9372●● アマシャム ファルマシア バイオテク株式会社インダストリー事業部 マーケティング部 バイオプロセス 宛 資料ご希望の方は、下記に必要事項をご記入してファクシミリにてご送付ください。 ご所属、ご住所等に変更がございましたらお手数ですが、変更箇所をお知らせください。 ◆ご所属の学会など □生化学会 □免疫学会 □癌学会 □農芸化学会 □その他 □薬学会 ◆フリガナ ◆お名前 ◆ご所属 ◆ご住所 〒 ◆よく購読される雑誌 □蛋白質核酸酵素 □Nature □実験医学 □ファルマテクジャパン □バイオインダストリー □現代化学 □その他 ◆電話番号 内線( ) ◆ファクシミリ番号 ◆弊社製品をご購入いただく代理店 ◆電子メールアドレス 代理店ご担当者 ◆今回Downstreamで取り上げた製品について下記のような資料をご用意しております。 ご希望の資料に印をお付けください。 □ CytoPilot Mini データシート □ SOURCE 5RPC ST 4.6/150 データシート □ Cytoline 1&2 データシート □ サイエンスプログラム □その他( ) ◆新製品SOURCE 30RPCについて下記のような資料をご用意しております。 ご希望の資料に印をお付けください。 □ SOURCE 30RPC データシート □ 評価用サンプル申込み □ SOURCE 担体アプリケーションノート □その他( ) ◆バイオプロセスグループでは新製品のデモンストレーションのご要望をお受けしております。 ※ □ □ □ デモンストレーション希望 CHROMAFLOW自動充填カラム STREAMLINE 吸着流動床技術による初期精製システム BioProcessスタンダードシステム(弊社実験室でのデモンストレーションとなります) ※折り返し担当者より実施の日程などについてご連絡させていただきます。 ◆「Downstream」のバックナンバーはアマシャム ファルマシア バイオテクのホームページでも ご覧いただけます。 http://www.apbiotech.com/product/product index.html Publications から DownStream へお進みください。
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