ジ 秋育ち春育ちのアゲハチョウの成長Ⅱ 山鹿市立稲田小学校 4年 野中 1 研究の動機 3年生の時、冬をサナギですごす秋育ちのアゲハチョウといろいろな春育ちのチョウを観察した。 秋育ちのアゲハチョウは約半年後の春、最高気温が 20 度以上に1週間続いた後羽化した。アゲハチョ ウの成長には温度と昼間の長さが関係しているのではないかと思い調べてみることにした。 2 研究の目的 ⑴ 秋育ちのアゲハチョウが春に羽化するのは、本当に最高気温 20 度以上が1週間続いた後だろ うか。 ⑵ 春育ちのアゲハチョウの昼間の時間を秋のように短くすると、よう虫の成長やサナギでいる期 間が変わるのだろうか。 ⑶ アゲハチョウ以外のチョウでも昼間の時間を短くすると、ふつうに育てたチョウと成長やサナ ギでいる期間が変わるのだろうか。 3 研究の方法 ⑴ 1ぴきずつよう虫をビンにさした葉で調べる。育てる部屋の最高、最低気温と日の出・日の入 りの時刻を調べる。 ⑵ できるだけ同じ日に生まれたよう虫をさがす。ふつうに育てるよう虫の飼育ケースと、日の長 さを短くして育てるよう虫の飼育ケースに分ける。日の長さを短くする飼育ケースは決められた 時間にダンボールに入れて暗くし、朝の決めた時間に出す。昼間は同じ場所に置く。1日通して 観察するが、よう虫の大きさは夕方決めた時間にはかる。 ⑶ ツマグロヒョウモン、キアゲハ、ナガサキアゲハ、ジャコウアゲハを (2) のように調べる。 4 研究の結果 ⑴ 秋育ちのアゲハチョウが春に羽化するのは、最高気温 20 度以上が1週間続いた後だろうか。 ・昨年から疑問に思っていた秋育ちのアゲハチョウが春に羽化するのは、最高気温が 20 度以上 が約1週間続いた後かということは本当だった。 ⑵ 春育ちのアゲハチョウの昼間の時間を秋のように短くすると、よう虫の成長やサナギでいる期 間が変わるのだろうか。 - 28 - ・昼間の明るい時間が長い方がわずかだが、よう虫が早く大きくなりサナギになった。 ⑶ アゲハチョウ以外のチョウでも昼間の時間を短くすると、ふつうに育てたチョウと成長やサナ ギでいる期間が変わるのだろうか。 ・昼間の明るい時間が長い方がわずかにだが早く大きくなり、サナギになった。ツマグロヒョウ モン、ナガサキアゲハ、キアゲハはふつうに育てたよう虫と昼間の時間を短くして育てたよう 虫のサナギから羽化するまでに日にちに変わりはなかった。 5 研究のまとめ ⑴ 秋育ちのアゲハチョウが春に羽化するのは、最高気温 20 ~ 25 度が約1週間続いた後で、本当 に温度が関係していた。 ⑵ 春育ちのアゲハチョウの昼間の時間を短くすると、秋育ちのアゲハチョウのようにサナギでい る期間が長くなることがわかった。昼間の明るい時間が長い方がわずかだが、よう虫が早く大き くなり、サナギになるので、よう虫の成長には昼間の日の長さが関係していた。 ⑶ ツマグロヒョウモン、ナガサキアゲハ、キアゲハは昼間の時間を短くしても、普通に育てたよ う虫とサナギでいる期間は変わらなかったが、ジャコウアゲハは昼間の時間を短くするとサナギ でいる期間が長くなった。昼間の時間が長い方が、わずかにだが、よう虫が早く大きくなりサナ ギになるので、よう虫の成長には昼間の日の長さが関係していた。 - 29 -
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