『第1回 武蔵野大学就業力育成シンポジウム』 成果発表 「コンシェルジュ哲学の継承を通し、真のホスピタリティ人材を育成する」 March 9 , 2012 池 田 里 香 子 《 コンシェルジュの定義 》 *コンシェルジュサービスの最大のミッションは、お客さま一人 一人に最も適した情報を正確に、迅速に、丁寧に、思いやり を持って提供すること。 *コンシェルジュはお客さまに完全に信頼される存在でなくては ならない。 *コンシェルジュの知識は、自身の興味と勉学から成り立つ。 *コンシェルジュの仕事は、常に調和やルールの上に成り立つ。 *コンシェルジュデスクのあるロビー全体の調和をも管理する。 《 講 義 実 績 》 1.担当科目/ホスピタリティマインド実践1 2.年度/2010年度 143名 2011年度 138名 3.対象学年/2年生 4.対象履修者/日本語・日本文学、英語・英米文学、現代社会学、 政治経済学、人間関係学、社会福祉学、児童学、環境学など 5.講義回数/各年度 前期 16回 6.講義到達目標/「『コンシェルジュ』とはどんな人物なのか?」「何がコンシェルジュの仕事 なのか?」「コンシェルジュの最大の使命とは?」という命題を検証して いく中で、『ホスピタリティの本質とは何か?』を理解し、自己の知性を磨き 社会人として、最も大切である『信頼される存在』となるべく、心豊かな人格 形成に役立てる。 7.評価方法/小テスト30%、レポート50%、その他(平常点、出席回数など)20% 《 講 義 概 要 》 1.ヨーロッパのコンシェルジュの間で長きにわたり読み継がれているフラ ンスの伝説のバイブルを翻訳し、解説を交えた「Le Hall(ル・アール)∼読 み継がれるコンシェルジュのバイブル∼」を主な教材とし、講義。 *コンシェルジュ:巡礼の際、修道院や教会でろうそくをともしたりする係り⇒城館や宮殿、牢 屋の門番⇒パリのグランドホテルからお客さまのあらゆるリクエストに応える係りとして地位 を確立。 現在はあらゆる業種で「一流のサービス」「接遇のプロフェッショナル」の代名詞として進化。 *ホスピタリティ:巡礼者の世話をしていた教会での相手をいたわり、尽くすといった意味合 いが語源。 2.コンシェルジュが大切にしている理念、哲学を学ぶことで、「ホスピタリテ ィマインド」について、ホテルでの実例や実体験を学生と共有し、深く掘り 下げながら理解を深める。 *哲学とは?:『NO』と言わないサービス、『コンシェルジュはお客さまのリクエストの終着駅 である』 3.社会生活、又、基本的な人間生活の中で、人格形成における「ホスピタ リティマインドの大切さ」も言及する。 《 講 義 テ ー マ 》 第1回.オリエンテーション 第11回.同僚、他部署との関係 第2回.教材「Le Hall」の解説、 コンシェルジュの歴史 第12回.ホテル外の人脈 第3回.コンシェルジュの規律、定義 第4回.コンシェルジュの哲学 第5回.コンシェルジュの外見、資質 第6回.コンシェルジュの知識、常識 第7回.コンシェルジュの組織、デスク 第8回.コンシェルジュの役割、業務 第9回.お客さまとの関係 第10回.マネジメントとの関係 第13回.コンシェルジュの利点 第14回.小テストとレポート 第15回.小テスト総評、まとめ 第16回.コンシェルジュの 一流のホスピタリティ 《 教育効果 ① / 学生レポートの紹介 》 《 教育効果 ② / 評価データの紹介 》 受講後の「社会的強み」の変化(成長)データ ※別紙資料参照 1)13項目中11項目が上昇 2)国際性が著しく上昇 3)適応力、意欲、ストレス耐性、共感力、自主性が高い上昇値を示す 《 総評 》 グローバル時代を向かえた今、ホスピタリティ産業分野を目指す 学生のみならず、様々な学科の学生に「コンシェルジュ原論」を 伝授することで、それぞれの学生一人一人の人間の可能性を 引き出すこと、自己発見や過去に自身が他の人から感じた感動、 又、自身が他の人へ施したホスピタリティの心を以て行った行動や 言動から得た喜びといった双方が共鳴し合う「真のホスピタリティ」に 気付くきっかけとなり、その後の学生の生活、授業、目標設定などに 於いて、変化が見られた。
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