海外安全対策情報(平成25年第3四半期) 1.治安情勢及び一般犯罪の傾向 (1)8月、シンガポール警察庁は、2013年上半期(1~6月)の犯罪情勢を発表しま した。犯罪認知件数は昨年同期比6.3%減の1万4,562件。懸念犯罪として取り組 んできた「無許可貸金(Unlicensed Money Lending)」及び関連する「(取り立て等の) 嫌がらせ行為」は、認知件数が減少(9.5%減)する一方、逮捕者数は前年同期1, 016人から1,117人へと増加(9.9%増)しており対策の効果が表れているとして います。その一方、インターネットを利用した恐喝事件(未遂を含む)が増加(22.7% 増)しました。典型手口は、チャットサイトで知り合った異性をそそのかし、ウェブカメラ の前で服を脱いだり、性的行為をさせ、この様子を録画し、後に映像を公開すると脅 して金銭を要求するもので被害が多数報告されております。 (2)8月、内務省中央麻薬局は、2013年上半期(1~6月)の薬物犯罪情勢を発表し ました。薬物使用による逮捕者数は昨年同期比3%増の1,731人。再犯者が多くを 占め、初犯逮捕者数は6%減の519人でした。逮捕者数ベースで最も乱用された薬 物はヘロイン、次いで覚醒剤であり、全体の92%を占めた。大麻は3番目でしたが、 大麻使用による初犯逮捕者数は昨年同期比で34%増加しており、「導入薬物」として 大麻の蔓延が懸念されています。 2.殺人、強盗等凶悪事件の事例 (1)7月、現職警察官による殺人事件が発生しました。同警察官は、金銭の貸し借り を巡りトラブルとなった被害者男性(66歳)及び同人の息子(42歳)を相次いで殺害 し、犯行後、マレーシアのジョホールバルに逃走していたところを発見され逮捕されま した。同警察官は、ギャンブル等の金銭問題から懲戒処分を受けており、本事件当時、 休職状態でありました。 (2)10月、在留邦人女性が深夜帰宅途中の路上でタバコをせびってきた白人男から 拳銃様のもので脅され財布を奪われる強盗事件が発生しました。数日後、カザフスタ ン国籍の男(21歳)が警察に逮捕され、拳銃様の物はスプレーペイントされた玩具拳 銃であったことが判明しました。 3.テロ・爆弾事件発生状況 シンガポールにおけるテロ・爆弾事件の発生は確認されておりません。 4.誘拐・脅迫事件発生状況 (1)邦人が何らかの誘拐・脅迫事件に巻き込まれたとの情報は把握しておりません。 (2)シンガポール警察庁は、誘拐を装って金品を詐取する「誘拐詐欺」が引き続き発 生しているとして国民に注意喚起しています。
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