“豹”に憧れ、ケンシロウを目指した 筋トレど素人。 筋トレをすればするほど なぜか体が弱くなっていった筋トレど素人。 そんな男のお話・・・ “無知”からステージへ Men’s ダイエット Produced by yoshi こんにちは。 yoshi です。 さて。 今回のレポートは予告していましたとおり筋トレのテクニック的なお話や、肉体改造に必 要な具体的な知識のお話ではありません。 しかし、私があえてこのお話をする、とうことは、もちろんあなたに知っておいてほしい こと、何かしらここからあなたに“学んでほしいこと”というのがあるわけで、そんなこ とを念頭に置きながら読んでいただけたらとおもってキーボードを打っている次第です。 では、早速スタートしたいと思っているのですが、ところで、私はいろんな目標をもって 今自分の肉体をコーディネイト&デザインしているのですが、あなたはいかがですか? というか、その前に、あなたの理想の体はどんな体ですか? 自分なりの“理想の体像”みたいなものを持ってらっしゃるかとおもうんですが。 ブラピみたいな体ですか? あるいはキックボクサーみたいな体? それともプロレスラーみたいに強くて大きな体ですか? 今の私の目標はあまりにも、あなたの目標と、かけ離れすぎていると思いますので(笑)、そ れについては語りませんが、私が“筋トレ”をはじめた頃の理想の体は、というと・・・。 今日は私自身の“過去”について少しお話しておこうかな、と思っています。過去といっ てもはじめにしたプロフィール的なものではありません。またロマンチックな恋愛遍歴と かでもありません。 ましてや、波乱万丈ドラマチックな私生活全般の過去でもありません。 2 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi トレーニングライフの過去についての話です。 こういうことをお話しするということは、言いたいことというか、必ずテーマがあるわけ でして、それがなんなのか、なんてことを気にしつつ読んでもらえたらな、と思っていま す。 それではいってみましょう。 ゴリラではなく“豹”、 ラオウではなく“ケンシロウ” 私はもともと、父の影響で幼い頃から野球をやっていました。私の父は、“野球バカ”とい う言葉が額に浮き出て見えるんではないかというくらいの野球好きでして、近所に溢れ返 っている第二次ベビーブームの子供たちを集めて、自分で、少年野球チームを作ってしま いました。 このことからもどれだけ野球が好きか、ということが分かってもらえるかとおもいます。 そんな彼ですから、私たち息子(二人)には物心が付く前から、野球を教え、やらせてい たわけなのです。実際、私は気付いたら野球やっていましたから(笑)。 で、普段は短気ながらもやさしくやたらと“明るい”父ではあるのですが、こと野球を教 えているときは別人でして、冗談も少なく真剣で、しかも恐く、私に言わせてもらえれば まさに、 「星一徹」。 私は 3 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi 「飛馬」。 “巨人の星”。 さすがに“ちゃぶだい”をひっくり返すことは一度もありませんでしたが、声はよくひっ くり返していました。まあ、精神的にも、肉体的にもよく鍛えられました。 精神的なことに関してはこの際置いといて、肉体的な面で言えば、“筋トレ”です。腹筋、 背筋、腕立て伏せ、ランニング。でワンセット。表を作らされ、毎日そこに今日は何回や ったと書き込むのです。 今考えれば、小学生にそこまでやらせ、しかもほぼ毎日なわけで、(父のいない日はやって いませんでした)今日の科学的な筋トレ理論から考えれば、とってもナンセンスで、どれ だけ回復を無視しているんだ、という話ではあるのですが、まあ、それでもそれは父の私 たち息子への“野球がうまくなってほしい”という一心からの、良かれと思ってやったこ とでしょうから、それを今さら、あーだこーだと言うつもりはありません。 ないのですが、まあ、私としてはよくやったな~、と。 でも、基本的に好きだったのです。 筋トレが。 プロレス中継を見た後や、マッチョな主人公の出ているアメリカ映画、そして、ブルース リーやジャッキーチェンなどのカンフー映画などを見た後はすぐに自分から筋トレしてま したから。 そんなことをずっと続けていましたので、中学に入る頃には私の体は、腹筋は割れボコボ コ、体はもうすでに痩せマッチョプラスアルファレベルでちょっと“キモイ”子供になっ ていたのです。 4 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi ですので、中学では“目指せ yoshi”的な存在でした(あなたのクラスや学年にもかならず 1人はいませんでしたか? マッチョなやつ(笑))。 情けないほど、体は変わり果てる しかし、小学校時代から週末ごとに野球、野球、野球、野球と“野球づくし”だっ たので、反動からなのでしょうか、高校からは野球よりも“友達との遊び”の方が楽しく、 野球も、筋トレも“全く”しなくなったのです。 そこからは、情けないほど、体は変わり果てました。 ある程度は筋肉質だったのですが(貯金みたいなもので少しは筋肉が残っていた)、ただ、 どうみてみても、部活で“精”を出している連中と比べると、子供みたいな感じ。 昔の栄光はどこへやら。 高校からの私はその後20歳くらいまでずっとまったく運動をすることがなくなったので す。ホント、紙切れのように薄い体になってしまったのです。薄い“やせ”なのに、腹回 りにはドーナッツ状のリングみたいな脂肪があるのです。 枝のように細い痩せと、中途半端なプチおデブ。 異性への関心が異常に高いこの年代にとって、自分の体に自信を持てないことは本当にき つかったです。とくに水泳の授業はいやでした。まあ、自分がだらしない生活を送ってき ていたから自業自得なのですが、その自業自得を分かっていながら放置している自分を認 識していたからますますいやな気分だったのです。 5 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi それが。 あることがきっかけでまた“筋肉”を付けたい!と思うことになり、始めることになった のです。そのへんのことについてはいずれお話するとして、そこから“理想の体づくり” という名のサイクリングが始まったのでした。 豹とケンシロウ で、今日の冒頭であなたに、理想の体をお聞きしましたが、私にも一応、当時なりたい体 というのがありました。 まず、一番に考えていた理想の体というのは、外観的な“かっこよさ”はもちろんのこと、 (機能性) 。 その“実用性” 服を着ていると分からないけど、脱ぐとすごく筋肉質で、しかしながら“しなやかな印象” を与えるような体。しかも実践的で、実用的。早く動け、身が軽い。体のすべてのパート が自分の支配下にあり、すべて“思うようにコントロールでき”、そのように支配される体。 。 そう、“豹” ゴリラのようにでかく“グロテスク”な印象を与えるよなものでなく、 “豹”。 そんな体に憧れていたのです。 これが大雑把な総合的視点から見た“理想の体”でした。外見だけに絞るなら、あの当時 6 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi でしたら、ジャッキー・チェンだったり、ブルース・リーだったり、プロレスラーだった り。 とくに、ロッキー4に出てきたドラーゴには腰を抜かされました。ロッキーとランボーの シルベスタースタローンにもです(10代、20代の方はあまり分からないでしょうね)。 また、これは中学からの憧れで、今も目指しているところではあるのですが、 “ケンシロウ” です。 “北斗の拳”の。 ラオウではなく“ケンシロウ”です(笑) あなたも、少なからず私と似たような傾向にあるんではないでしょうか? 20代前半の方はまた違うでしょうけど、20代だったら誰でしょうか? 最近は格闘技が民放で頻繁にやるから、映画や漫画のキャラクターではなく、キックボク サーやボクサー、総合格闘家あたりでしょうか? とにかく、筋肉質には変わらないですよね。 さて。 そんなものを目指し、また体を鍛え始めるのですが、ここから苦難の旅が“約1年も”続 くのでした。 ~~ ~~ 7 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi チェーンの外れた自転車 “ちょっとしたきっかけ”から、憧れに向かい、また“筋トレ”を始めるようになりまし た。そのきっかけは私にとってある意味相当“衝撃的”なもので、私を筋トレに向かわせ るには十分なものではあったのですが、いかんせん、まだ二十歳前後の年頃。 遊びたい盛り。 でも、筋肉は欲しい。 でも遊びたい。 でも筋肉も・・・(笑) 。 そんな狭間で揺れ動きながら“中途半端”な筋トレを“約半年間”続けたのです(“続けた” という表現すら使うのがおこがましい中途半端さでした) 。そんな半年間でしたから “とても薄い半年間”で、あっという間に過ぎ去っていったのです。 外見的な変化? ほとんどなかったです。 いや、やるときは一生懸命やったのです。 2時間くらい(あ、長けりゃいいって話じゃないですよ) 。 でも、ぜんぜん“定期的な継続”をしてなかったのです。例えば、今週3回筋ト レしたら、次の週は全くやらず、その次の週は2回ほどやり、その次の週はまた全くやら なかったり、3回やったり。で、次の月はまるまる1ヶ月間やらなかったり(苦笑)。 そんな“筋トレ”です。 8 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi 付くわけないじゃないですか。普通に考えても。 そんなんで、ケンシロウになれるなら、いたるところケンシロウで溢れかえってるよ、 って話なわけで。 まあ、そんな状況ではありましたが、それでも憧れへの“欲求”はなぜか強く、半年が過 ぎた辺りに、 「ちょっとマジでやらないと、こりゃ、いつまでたっても筋肉なんて付かないな。まあ、 俺が真面目に毎日やれば2ヶ月くらいで、かなりいい“ガタイ”になれるでしょ。2ヶ月 か、まあちょっと長いけどやってみるか!」 と思い、しっかりやろうと決意するのでした。その前に、2ヶ月が長いって(笑)。 この浅はかさ、この上ないですよね、今考えると。 さて、そういう精神的状況と決意でしたから、“そうと決めたらやる私?”です(笑)。とり あえず、自宅での自重トレーニングをメインにときどき区のトレーニングジムに通い、ケ ンシロウ目指し、“筋トレという名の自転車”を目一杯全力で漕ぎ始めたのです。 チェーンがはずれていることも知らずに・・・。 ~~ ~~ 9 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi ケツの皮が剥けるほど・・・ 最初の一ヶ月は週4くらいでトレーニングしていました。 週4もやって大丈夫なの?とおもわれるかもしれませんが、もともと、中学までは筋トレ をやりこんでいましたので、最低限の基礎力があったことと、この半年間は、先ほど言っ たような感じではありますが、一応は、やっていたので週4でもなんとかできたのです。 面白いもので、最初の2週間くらいはどんどん、回数(レップ数)が伸びていきました。 腕立てとか、20回が30回になったり、シットアップなら、40回もできるようになった り、ヒンズースクワットが100回から200回になったりと(まあ、すべて正確な動作 ではなかったですが)。 でも、2週間が過ぎ、3週間も過ぎようとするあたりから、あまり伸びなくなってくるの です。 1ヶ月が過ぎ、2ヶ月目に入りました。 回数はさすがに、最初のような“伸び”こそ見せませんが、それでも少しずつ伸びていま す。が、筋肉が全く付かないのです。 いや、多少は付いてはいるんでしょうが、“見た目”でそれが確認できるほどは付いていな いのです。だから。 「もっとたくさんやらなきゃダメなんだ!」 と思い、トレーニングの“量”を増やしたのでした。 “たくさんやれば筋肉が付く”と思って・・・。 腕立てだけで1時間やりました。 10 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi ヒンズースクワットを30セットやりました。 腹筋(シットアップ)もケツの皮が剥けるほどやりました。 それでも、筋肉はピクリとも反応しないのです。 2ヶ月が過ぎようとしていました。 さすがの自信過剰の私も“げんなり”していました。 ちょうどそんな時です。会社の先輩に 「yoshi くん、筋トレしてんだって?だったらうちの会社にトレーニングクラブあるからさ、 そこでやんなよ。まあ、みんなでお金出し合って器具買ってやってるから会費制なんだけ ど。今度見に来なよ。 」 と誘われたのでした。そして、仕事終了後、早速見に行ったのです。もうみんなトレーニ ングしていました。倉庫のような部屋に所狭しと置かれた、ハードコアなフリーウェイト 器具達。(フリーウェイトとはバーベルやダンベルのことです。) 鉄のきしむ音。 鉄のぶつかり合う音。 それらが狭い倉庫内でエコーがかかって反響している。 男臭い雰囲気と、実際臭いニオイ(笑)。 でも、すごかったです。ビックリしました。会社の一画にこんなところがあったなんて。 見学した30分後、部長にこう言っていました。「よろしくお願いします!」と。 そして、私は密かに思っていました。 11 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi 「これだけの設備があれば、すぐに筋肉が付くだろう。」 と。 ここから、自重で行う筋トレから本格的なウェイトトレーニングという“筋トレ”に 移行することとなったのです。 これで理想の体がつくれる! 期待に胸を膨らます、とはまさにこのときのことを言うのでしょう。 ~~ ~~ これじゃ、ダメだ・・・、何とかしなきゃ(愕然)・・・ 早速、次の日仕事が終了するとトレーニングにいきました。初めて本物のベンチプレスを やりました。 “35kgをふらふらとした軌道でなんとか1レップ”。 今でも鮮明に覚えています。恐々挙げたあの感覚を。これがはじめてのウェイトトレーニ ングでした。そこからは、もう毎日のようにトレーニングです。なんか、すごく楽しかっ たのです。 記録が伸びたから楽しかったとか、仲間と一緒にトレーニングできるから楽しかったとか、 そんなんじゃないんです。一生懸命に打ち込める、有り余っているエネルギーを放出でき る、そんなことがすごく気持ちよく、楽しかったのです。 だから、結構やりました。「筋肉痛なんか関係ねー」という勢いで(苦笑)。そして、のめ 12 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi り込み、自分の情熱とエネルギーを注ぎ、 “非日常の感覚”を鮮烈に味わっていま した。トレーニング“中”は。でも。 トレーニング“後”は違いました。 異様なほどの倦怠感と疲労感。 トレーニングの次の日以降いつまでも取れない筋肉痛。 そんな状態で2ヵ月を過ごしました。 で、体はどうなっていたか? 多少筋肉が付いたかな、程度の進歩。なんとなく締まったかな、という程度の進歩。 でも、基本的にほとんど変わらない。筋トレをちょこちょこやるようになってから数える と、この段階でもうかれこれ約10ヶ月。 「なにが悪いんだろう???(あせり)」 「もしかして俺センスないのかな?」 「もっとハードにやらな そんなことを思いながら辿りついた単純極まりない素人解決策が、 きゃ!」でした。 もう“量”は増やしています。だからこれ以上は増やせないと思ったのです。長いときで 2時間はやっていましたから、これ以上増やしたら、一体何時間やらなきゃいけないんだ、 って話しになるわけで、4時間??なんてことになったらやる価値を見出せません。 だから、もっとトレーニングをハードにやればいい、と思ったのです。基本的にハードに はやっていましたが、それを上回らなければ、と、さらに“激しい追い込み”でトレーニ ングしたのです。 13 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi ベンチだけで2時間様々な追い込みテクニックを使いやりました。 “100レップ腕立て伏せ”もしました。(当時は腕立てもメニューでした) スクワットを気絶するんじゃないかと思うくらいまでやりました。 懸垂も手の皮が剥けるまでやりました。 それまで、なんとなく敬遠していたプロテインも摂るようになりました。 2ヵ月後。 “愕然” 。 まさにこの言葉がピッタリ。ほとんど体に変化がみられません。いや、正確には見られま “内部的軟弱化”です。 した。でもそれは“外見的向上”ではありません。 やたらと風邪の引きやすい体に・・・。 疲れの“全く抜けない体”に・・・。 「これじゃ、ダメだ・・・、何とかしなきゃ(愕然)・・・。」 もう“理想の体”をあきらめようか、あるいは、さらに時間を増やし、さらにハードにす るべきなのか、はたまた・・・ 約1年が過ぎようとしていました。 14 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi なんで、この人たちはこんなに 筋肉を付けることができんだろう? 「これじゃ、ダメだ・・・、何とかしなきゃ(愕然)・・・。」 本気で思いました。 見た目が変わらないだけでも、やる意味を見出せなくなっているのに、さらに、体まで弱 くなっているんじゃ、意味があるとか、ないとかの問題じゃありません。 即刻中止すべきかどうかの問題です。 でも、トレーニング自体は好きなのです。やっと、一生懸命になれるものを見つけたんで す。だから、やめたくはない・・・。 そんなジレンマに右往左往していたあの頃の昼休み、休憩室がいっぱいだったので、トレ ーニングルームに行ってベンチで寝そべっていました。ふと、頭の向こう側にある棚に目 をやると、片隅で誇りをかぶっている本が目に入りました。 トレーニング教本とボディービル雑誌です。 トレーニングチームに入ってから、何回か手に取って見たことはあるのですが、いかんせ ん、教本に関してはすぐに閉じたくなるほどつまらなく、最初の数ページを読んではすぐ に置き、読むことはなかったのです。 ボディービル雑誌においても同様。 ムキムキの人たちの写真だけを“仲間と冷やかし半分”で見て置き、決して記事を読むこ とはなかったのです。ボディービルに興味なんて全くなく、“気持ち悪い”とさえ思ってい ましたから。 でも、なぜかそれらのほうにスーっと引き寄せられて行くのです。 15 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi というか、この頃はとにかく一生懸命やっているのに筋肉が付かないのですから、“もしか したらなにか解決策が”という気持ちが奥底にあったのでしょう。特に深い考えもなく、 そこに向かっていました。 最初にボディービル雑誌ではなくて、ウェイトトレーニング教本を手に取りました。ろく に目次も見ず、すぐに最初の章から読み始めました。でも、やっぱり前回同様、全く面白 くありません。小難しい、専門用語ばっかりで読み物として“全く”面白くないのです。 やはりすぐに置いてしまいました。 次はボディービル雑誌。 相変わらず“グロテスクな筋肉をまとった男達”が、パンツ一丁でポーズをとっています。 でも、それを以前とは少し違った気持ちで見ていたのです。 「なんで、この人たちはこんなに筋肉を付けることができんだろう?」 と。 いままで、ただ単に“自分とは関係のない世界の人たち”と思っていたのですが、少なく とも彼らは私が欲しいと思っている“筋肉”をたくさん身にまとっている。 そんな気持ちで見ていました。だから自然とページをめくり、小見出しを追っていたので す。そこには、夢のようなことがたくさん書かれていました。びっくりしました。 私はこの方法で40cmの腕を作った! 厚い胸板を作るトレーニング完全ガイド! 広い背中を作る七つのバリエーション! 16 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi だからあなたは筋肉が付かないのです! などなど。筋肉が全く付かない私にはなんとも魅力的でタイムリーなコピーが山のように あるではないですか。引き込まれて、貪るように瞬きもせず読んでいました。 読んでいくと、ボディービルの世界は“ゲテモノ”の世界ではなく、真摯でストイックで 科学的な世界だ、ということが分かりました。それと同時に私がいかに“無知”だっ たかを思い知らされたのです。 いかに“愚か”だったのか、もついでに思い知らされました。 特に私の目を釘付けにした記事のタイトルは“喰わなきゃ筋肉なんて付かない!”という ものです。それまで、やたらと脂肪が付くことを気にして、トレーニング“前中後”と、 ほとんどなにも食べずにトレーニングをしていたからです。 しかも半年も。 トータルで考えれば一年も。 量も多くハードなトレーニングを。 今思えば、若かったからいいようなものの、もしあれが30代だったら・・・、と想像す ると恐ろしい限りです。だから、筋肉が付かないことはもちろん、トレーニング後は、あ の妙な“倦怠感”と“いつまでも抜けない疲労感”があったのでしょう。 それで体が内部的に“軟弱化”していたのです。 17 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi “半分の努力”で、効果は“2倍” その後は、本を中心に調べまくりました。とくに、昼休みには毎日トレーニングルームに 行って関連本を読み漁りました。もちろん、あのつまんない“教本”も全部読みました。 いつの間にか、面白く読めるほど予備知識が付いていたのです。 ただ、特に雑誌、これには結構困惑させられました。だって、同じ雑誌内で全く対極のト レーニング法とかが平気で紹介されているんですから。 また、食べ物に関しても、高脂肪の方がいいとか、高炭水化物の方がいいとか、ヨーグル トがトレーニーにとって最高の食べ物だ!とか、トマトを食え!とか(苦笑)。 それらを取捨選択するのが大変でした。結局は実際に自分で試し吟味し、試行錯誤し、 “デマ”を見抜き、取り入れていったのです。そして、それにより少しずつ体が変化して いくようになったのです。もちろん良い方向に。 それまでの“半分の努力”で、効果は“2倍” 。 やっとトレーニングの“本当の喜びと面白さ”を味わうことができるようにな ったのです。 やっと、自分の“想いと効果と結果”が一直線に結ばれるようになっていったのです。し っかりした知識を得たことによって。 ここからは、本当に早かったです。 当時のトレーニングチームのリーダーが、厚い胸板を持っていたのですが、その彼を1年 も経たないうちに抜いてしまったのですから。 その後、いろいろな事情でトレーニングチームの存続ができなくなりなくなってしまった のですが、私はスポーツクラブに入りトレーニングを続けていました。そして、99年に なる頃にはもう、トレーニングをしていると他のメンバーさんによく声をかけてもらえる 18 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi 体になっていたのです。 もうそのときは、多くの人が憧れるレベルの体以上になっていたので次のステージを自然 に見るようになっていました。 “無知”からステージへ・・・ それが、ボディービルです。 あれほど、興味のなかった世界。 あれほど“異様”だと思っていた世界。 それに興味がいっていたのです。 これだけ筋肉が付くと、競技として、また、自分の才能のチャレンジとして、自分はどれ くらいのレベルにいるのか? 同じようなことをしている人たちの中で、自分はどの辺にいるのか? どれくらいまで、筋肉を付けることができるのか? ただ単に、世間的にちょっとマッチョで“かっこいい体”を求めていた状態から、 新たなレベルの究極の自分の理想を追い求めるような状態になっていったのです。 もっともっと上へ・・・。 こうして、2000年にコンテストに出場。 そのレベルまで体を作ることができたのです。 19 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi そのレベルまで“筋肉”を付けることができたのです。 パンツ一丁でステージに立って思いっきりポーズをとっても“ある意味恥ずかしくない体” になったのです(笑)。 そして、海に行けば声をかけてもらえる体になったのです。 完 ~~ ~~ さて、今回ちょっとした昔話をここまでに渡り長々とお話してきたのにはちゃんと意味が あります。 覚えていますか? この話をする前、冒頭でこう↓言っていたことを。 今回のレポートは予告していましたとおり筋トレのテクニック的なお話や、肉 体改造に必要な具体的な知識のお話ではありません。しかし、私があえてこの お話をする、とうことは、もちろんあなたに知っておいてほしいこと、何かし らここからあなたに“学んでほしいこと”というのがあるわけで、そんなこと を念頭に置きながら読んでいただけたらとおもってキーボードを打っている次 第です。 ここまでこんなに長く私の過去をお話してきたのには、理由があったのです。 20 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi それは・・・、 、それを私の経験を通 “筋肉を付ける”ということの“難しさ”と“簡単さ” して知ってほしかったからなのです。 特に“難しさ”ではなく“簡単さ”です。 ??? とあなたはおもわれるでしょうね。こんなこと一回も言ったことありませんでしたから。 誤解を招くからこの言葉を今まで絶対使いませんでしたし、そのようなことを匂わせるよ うなことも今まで一回もしませんでした。その前にこの言葉が適切か?っていったら今で も適切ではないと思いますが、それでもあえて今回はこの言葉を使います。 というのは、先ほども言いましたとおり、正しい知識とそれに導かれる“正しい方向性” を持ってすれば、そこまで難しいものではないからです。 人間である以上。 でも、先にそれを言ってしまうと始めから筋トレを“舐めた態度”で取り組む“ヤツ”が 必ず出てくるから言わなかったのです。トレーニングさえ毎日でもやっていればすぐ筋肉 が付く、と思う“ヤツ”がたくさん出てくると思ったから言わなかったのです。 そこまで簡単じゃないよ、と。 で、その典型的な“ヤツ”が私だったわけで(苦笑)。 2ヶ月で相当なマッチョになれるって・・・、ねえ(苦笑)。 21 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi だから、今まで言わなかったのですが、あまりに難しい、難しい、というのもどうかな、 と。 それが、逆にあなたの無意識に刷り込まれちゃうのも困ったものでして、メンタルブロッ クを外しておかなきゃ、とおもい、今回長々とお話してきたのでした。 だから、筋肉を付けることというのは、思っているほど、簡単ではないですよ、でも、思 っているほど、難しいものではないですよ、ということがどうしても言いたくてここまで お話してきました。 「なーんだ、ここまで長く引っ張ってそんなことかよ」 って思ってもらっては困ります。 考え方一つで、ものの見方ひとつで、見る角度、捉える角度が一つ 違うだけでその“結果”はすごく変わるのですから。 こういったパラダイム(思考の枠組み)を少し変えるだけで急に成長する人もいますので。 それともう一つ言いたかったことがあります。 それは、今、周りにいるちょっとマッチョな人や、ジム内で目立つレベルの体をもってい る人たち、彼らも最初からそんな体をしていたわけではないんですよ、ということです。 どうしても人は見えるところからしか判断しないですからね。 特に“見た目”に表れるこのスポーツは。 でも、そこにいくまでは、ほとんどの分野においてみんな苦労をしています。そのへんを 22 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved. Men’s ダイエット Produced by yoshi 今一度確認して、再度モチベーションを上げてもらえたらな、ということもあり、お話し てきました。 今回私がお話したことからいろいろなことを感じ取って筋トレに向かってほしいな、と思 っています。 今回の一連の話を聞いてなにかおもうところがあったらメールください。 faq@kintore-daihyakka.com 件名は「ケンシロウレポを読んで」でお願いします。 それでは、トレーニングがんばってください。 またメールします。 では。 yoshi 23 Copyright2010 mensdiet yoshi. All Rights Reserved.
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