血液検査で何がわかるの? - 犬山動物総合医療センター

第102号
犬山動物総合医療センター
動物病院だより
愛知県犬山市羽黒大見下29
2013
TEL 0568-67-1267
FAX 0568-67-8008
5月
20日
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私たちと同様に動物も健康状態を見るために時々血液検査を行います。
血液検査の項目はアルファベットなどで記載されることが多く、どの検査項目が何の機能や状態
を表しているのか、わかりにくい事はないですか?
今回は一般的に行う検査項目について紹介します。
血液は、血管内を循環している液体で、生きていくために必要な物質を体のあら
ゆるところに運んで、代謝によってできた老廃物を受け取って排出器官に運ぶ働
きをしています。
☆血液は固体成分と液体成分に分けられます。血液検査は血液全体
を使う検査と液体部分だけを使う検査があります
固体成分
赤血球・白血球・血小板に分けられます。
液体成分 血漿(水分・タンパク質・ホルモン・グルコースなどが
含まれます)
名称
働き
RBC
(赤血球)
酸素を体のすみずみまで運ぶ働き
をしています
WBC
(白血球)
考えられる主な症状
増加:脱水・多血症
減少:貧血
細菌やウイルスを処理する働きがあ 増加:興奮・ストレス・化膿・炎症
ります
減少:ウイルス感染・ショック・敗血症
Hb
(ヘモグロビン)
赤血球の中にある物質です
酸素の運搬機能がわかります
増加:脱水
減少:貧血
HCT
(ヘマトクリット)
血液全体に対しての固体(赤血球・
白血球・血小板)の割合を示します
増加:脱水
減少:貧血
PLT
(血小板)
ケガなどで出血した時、血液を固ま
らせる働きをしています
増加:自己免疫疾患
減少:自己免疫疾患・骨髄抑制・播種性血管内凝固・
凝集
血液の液体成分で測定する検査です。内臓機能やホルモンの
濃度を見ることができます。
略字
名称
TP
総タンパク質
T-Bil
総ビリルビン
AST
(GOT)
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
ALT
(GPT)
アラニンアミノトランスフェラーゼ
ALP
アルカリフォスファターゼ
γ-GTP
ガンマグルタミントランスペプチダーゼ
T-Cho
総コレステロール
TG
トリグリセニド
略字
名称
TP
総タンパク質
BUN
血中尿素窒素
Cre
クレアチニン
Ca
カルシウム
P
リン
血液検査はその時点での健康状態の確認ができま
す。動物は人間に比べると寿命が短いので速く年を
取ります。そのため日が経つと状態も変わりやすい
ので手術を行うための血液検査は手術日近くに検
査することをお勧めします。
mf(ミクロフィラリア)検査:心臓内にフィラリアの成虫が寄生しているか、いないかを
調べる検査です
甲状腺機能の検査:T3(トリヨードチロニン)・T4(チロキシン)
膵臓機能の検査:インスリン・アミラーゼ・リパーゼ
血液検査の結果表には正常基準値が記載されています。正常基準値は
動物種や性別によって変わってくることがあります。また比率などが大切
な項目もあるので正常基準値はあくまでも目安にとどめておきましょう。
今回紹介した以外にも、様々な病気を見つけるために、たくさんの検査項
目があります。獣医師の指示に従って検査を受けるようにしてください。
質問などがありましたら気軽にスタッフにお尋ねください。