仮想化: IT環境の複雑さを 克服するために ABERDEEN GROUP 1 ITに関する課題の現実 課題は常に存在します。日常的に、プライベートでも仕事でも、課題に対処しながら最善を尽くし て問題を克服し、成功を手に入れています。ビジネス部門向けのITサービスの提供/管理においては、複雑さ や、高コスト、時間が課題になることがあります。IT部門は、例外なく、組織全体に有益なサービスを提供 するために、ITインフラストラクチャで貧弱なパフォーマンスやダウンタイム、障害が発生しないよう尽力 しています。 企業は現在、数年前には存在すらしていなかったニーズに直面しています。現代のユーザーは、あらゆる サービスにモバイル対応と高速アクセスを求めており、旧式のツールやシステムはほとんど受け入れられな くなっています。ビッグデータ、モバイル動画ストリーミング/カンファレンスなどに対応する最新テクノロ ジーにより、ITインフラストラクチャには大きな負荷がかかっており、企業では競争力を維持するために、 IT戦略を見直し、そのような新しいテクノロジーを活用できるソリューションを採用せざるを得ない状況に 陥っています。そして、そのような要件を満たすことで、複雑化し、インフラストラクチャへの要求も発生 しており、多くのIT部門は専門業務以外のことも求められるようになっています。 ITに関する最大のプレッシャーと課題 旧式のインフラストラクチャ 43% さまざまなハードウェア要件 32% 高いITコスト 27% 26% アプリケーションの配備に時間がかかる 20% 高い初期費用 0% 10% 20% n=97 Aberdeen Group、2015年12月 30% 40% 50% 2 仮想化で複雑さを克服 今日の企業は、複雑さの克服、目標の達成、ビジネスの加速を可能にする ITインフラストラクチャを構築できます。 優れた企業は、サーバー仮想化を採用し、仮想サーバーの管理とアプリケーションのプロビジョニングを 容易にするプライベートクラウドも導入することで、インフラストラクチャのパフォーマンスを飛躍的に 向上させ、ユーザー満足度を高めながら、コストを削減できます。 仮想化は、特に中堅/中小規模企業にとって有益なテクノロジーです。中堅/中小規模企業は、多くの場合、 サーバーインフラストラクチャを最大限に活用し、信頼性の高いアプリケーションとサービスをエンド ユーザーに提供できる最適なソリューションを求めています。Aberdeen Groupが中堅/中小規模企業に対 し、ITインフラストラクチャを向上させるために採用している戦略について調査したところ、1番多く挙げ られたのがサーバー仮想化の導入でした。 当然なから、単独ですべてを解決するテクノロジーはありません。ただし当社では、適切な戦略を活用し て問題を回避し、仮想化への取り組みから最大の価値を引き出している優れた企業を見てきました。 本書では、そのような優れた企業がどのようにして効果的に仮想化を導入しているかを調べ、さらにどの ようしたら同じ段階を ます。 り、企業独自の高性能インフラストラクチャを構築できるかについて手順を示し 3 迅速かつ容易: 仮想化についての誤解 63% 現在、何らかの 形で仮想化を 使用している 企業の割合 出典:Aberdeen Group 今日の仮想化の状況について考えると、多くの組織が何らかの方針を用いていることは明らかです。 ご覧のように、仮想化は、どのような形にせよ、大半の企業が採用しています。ただし、その中でも、最高 クラスの効率性を発揮するインフラストラクチャを実現している企業は少数です (上位20%の企業)。 高性能システムに仮想化を実装しない企業や、確立されたベストプラクティスと適切な管理ツールを使用し ない企業は、仮想化への取り組みから最大の価値を得ることはできません。それどころか、仮想サーバーを 管理できないことが原因で、仮想マシンの無秩序な拡大、孤立したアプリケーション、過負荷状態のサー バーといった新たな問題を生じさせています。 そのような企業は仮想化のメリットやパワーを認識していたものの、それらを引き出すために必要とされる 作業や準備に投資しませんでした。何らかの仮想化ソフトウェアを予備サーバーに放り込むだけという、早 くて安易な道を選んだのです。これでは成功を手に入れることはできません。 4 クラス最高のアプローチ クラス最高のITインフラストラクチャに関するAberdeenの調査によると、優れ た企業では仮想化に対して効果的な方法を取り入れています。つまり、プライベートクラウドソリューションを活 用して、仮想化アプリケーションの管理を向上させています。また、仮想インフラストラクチャの基盤には、コス トのかかるダウンタイムの回避に不可欠な、高可用性を備えた強力なサーバーとハードウェアプラットフォームを 使用しており、競合他社を寄せ付けません。さらに、動的なワークロードを実装することで、必要なときに適切な リソースが確実に提供されるようにしています。 仮想化実装時によく使用されるIT戦略 56% 60% 50% 35% 40% 30% 34% 20% 10% 0% サーバー仮想化の 導入 n=108 Aberdeen Group、2015年4月 オペレーティングシステムの 標準化 1種類のサーバーで 標準化 5 IT運用環境全体にメリットをもたらす適切なアプローチ 前述したソリューションを備えた優れた組織では、仮想化インフラストラクチャの実装から最大の価値を引き 出すだけではなく、IT運用環境全体を加速させています。 優れた組織が実現していること 55% 40% 20% アプリケーションの エンドユーザーの ITコストを アップグレードと 満足度が 大幅に削減している インストールが 高い 迅速である ITインフラストラクチャ管理におけるリーダー企業は、仮想化を適切に実装すれば、IT組織全体で メリットを享受できることを理解しています。 6 優れた組織になるには 当社を含むIT業界の組織は、重要な最新テクノロジーを配備/活用する際に困難な状況に陥りがちです。新しいテクノロ ジーが登場したらすぐに飛び付き、最終的には求める目標に達しないどころか、これまでに遭遇したことのない予期せ ぬ問題に直面しているのではないでしょうか。 しかしながら、そのような問題は乗り越えられないものではありません。リーダー企業は、準備を怠らず、失敗から学 び、業務遂行に最適な戦略を取り入れています。 優れた仮想化インフラストラクチャを実現するまでの手順 「クラウド以前」および「仮想化以前」の時代に設計されたハードウェアを使用している可能性 が高いことを理解します。リーダー企業は、現在および将来にわたるニーズを満たすサーバー ハードウェアプラットフォームで標準化しようとします。 何の計画も立てずにテクノロジーに飛び付くのではなく、仮想化を最大限に活用して管理する方 法を調べて準備します。高い業績を誇る企業は、サーバーを仮想化し、プライベートクラウドの 負荷を処理できるよう、自社のサーバーを最適化します。 ダウンタイムや貧弱なパフォーマンスに妥協しません。妥協すると、企業は莫大な不利益を被る ことがあります。高可用性を備え、ビジネス継続性を維持するハードウェアを実装します。 適切な管理ツールとプロセスを導入します。賢明な企業は、サーバー、アプリケーション、仮 想化サービスのパフォーマンスについてリアルタイムで豊富な情報を提供するツールを使用す ることで、インフラストラクチャを正常に運用し、あらゆるサービスを処理できるようにして います。 7 仮想化: IT環境の複雑さを克服するために 仮想化は、過去15年間で最も重要なテクノロジーの1つです。 カスタムサーバーとアプリケーションの容易な循環を可能にする仮想化により、クラウドの導入、 動的なソフトウェア・デファインドITインフラストラクチャの構築、効率/効果的な業務運営が実現 されています。 適切なシステム、ソフトウェア、プロセスを準備して実装することで、組織は仮想化システムから 最大の価値を引き出し、パフォーマンスおよび信頼性を向上させ、コストを削減できるようになり ます。 © 2016 The Aberdeen Group
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