Goetheanum

普遍的アントロポゾフィー協会
2005/2006年
年
次
報
告
Goetheanum
目
次
編集部より
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .3
アントロポゾフィー協会
2006/07年の年間テーマ:季節の変遷―「心での思考」を発展させていく道 . . . . . . . . . . . . .4
ルーマニアにおけるアントロポゾフィー協会:たいまつと橋渡し . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .4
会員の発達:現実を深刻に受け止める . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .5
霊学自由大学
一般アントロポゾフィー部門:中心的な人智学のテーマへの関心 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .6
自然科学部門:現象に近くあること . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .8
数学と天文学部門:新たな歩み . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .9
医学部門:自我への道は子供時代に始まる . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .9
教育部門:先駆者の役割を立証する . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .10
音楽と言葉の芸術部門:新たな意志と改新された意志の間で . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .10
美的学問部門:学術的な人文科学に人智学を浸透させる . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .11
農業部門:有機的な発展とスピリチュアルな背景 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .11
ユースセクション:何かを、そして自分を動かすために何をすべきか? . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .12
社会科学部門:社会の基本法則100年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .13
造形芸術部門:美術館もしくは源への立ち帰り . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .13
ゲーテアヌム
オイリュトミー・アンサンブル:ひとつひとつの音が凝結した痛みであり同時に愛である . . . . . . .14
ゲーテアヌムにおける諸発展:見出しによる概観 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .16
2005/2006年の会計報告 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .16
2006/07年の主な催し . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .18
発行者/普遍的アントロポゾフィー協会。
文章とインタヴュー/ヴォルフガング・ヘルド(一般アントロポゾフィー部門/ボド・フォン・プラトー、ロビン・シュミット、ハ
インツ・ツィマーマン。数学と天文学部門/オリヴァー・コンラッド。美的学問部門/マルティーナ・マリア・サム。会計報告/
コルネリウス・ピッツナー)。
編集/ヴォルフガング・ヘルド、ボド・フォン・プラトー。
レイアウト/クリスチャン・ペーター。
日本語翻訳/浅田豊、香川裕子。
印刷/Kooperative Dürnau (ドイツ)。
編集部より
アントロポゾフィー協会の会員並びに友人の皆様、
アントロポゾフィー協会は成長しています。それはとりあえ
ず会員数のことを言っているのではありません。過去数年、会
員数はヨーロッパ以外の国を除いてはだいたい同じくらいにと
どまっています。もっと重要なのは、その性格において成長し
ていることです。人間的・魂的な多様性、会員の霊性への憧れ、
能力を得たことが、協会が新たな次元を獲得することを可能に
しました。今日アントロポゾフィー協会で活動している人達の
一人一人がたいへん異なる文化的地平から経験と可能性を協会
内部にもたらしてくれることによって、協会の活動と仕事の方
法が幅広く、多様になってきています。
この発展が私達の協会のありかたに絶え間なく、時には落
着きのない変化をもたらすとしても、この変化の中に人智学的
人生の生命線があるのだと私たちには思えます。このような状
況の中で、ゲーテアヌムの理事会と大学職員会は、私たちそれ
ぞれが異なる方法で関っている現代が人智学的な考えとイニシ
アティヴによって本当に受精されるよう、とりわけ人智学的活
動の核を強めたいです。すなわち、霊学自由大学、世界中のた
くさんのグループ、支部、諸施設、そして公の場において。こ
こにおいて私たちはルドルフ・シュタイナーと結びついている
と感じます。というのは、彼が彼の時代を認知し、理解し、共
感することによって人智学を創始したように、まさに今日、時
代により密接した人智学が協会と世の中で成長しなければなら
ないのです。
今日、私達の前向きの姿勢と能力において、人智学に対する
要望は2つの方向において頂点を極めるでしょう:一つには、
人智学の活動によって、私達にとって意義の大きい現代に、あ
る精神(ガイスト)をもたらすことです。二つ目には、これほ
ど矛盾の多い現代において、尊厳ある人類に奉仕している精神
を見つけ、それを強化することです。この二つの方向は、今の
時代、おのおのの場所で働いている精神の区別化を学習するこ
とを要求します。それによって各人はアントロポゾフィー協会
の生活に取り違えようのないものをもたらし、会員の多様性が
増すことに貢献することができます。
私たちが世界各地への旅行と訪問において認知したのは、あ
る要望が高まっているということです。それは、協会内部にこ
れほど対照性に富んだ多様性があることを抗争の機会にしてし
まうのでも、一般的な忍耐を練習する機会として活用するので
もなく、それを肯定し、実りをもたらす共通の視点を探す機会
にしてほしい、という要望です。その試みは、たとえ成功がご
く小さなものであっても、アントロポゾフィー協会から輝き出
るものを眼に見えて増大させます。
普遍的アントロポゾフィー協会のこの報告は、協会のこの実
情にほんの少しだけよりふさわしく、少なくとも年次報告にお
いてだけでも世界の協会、大学の各部門、ゲーテアヌムでおき
ていることにできるだけ多くの会員に参加してもらえるよう、
初めて17カ国語で出されます。
ゲーテアヌム理事会を代表して
ボド・フォン・プラトー
3
アントロポゾフィー協会
2006/07年の年間テーマ
季節の変遷―「心での思考」を発展させていく道
今日、世界と人間間の隔たりは、出会って、即座に理
解しあう努力をせずには出会いがほとんどおきないほど
にまで大きくなってしまいました。見知らぬ人を理解す
るには共感能力、鋭い思考、そして努力が要求されます。
それには全人格の関与が必要とされます。昨年、私達
の視点は、思考の大きな外的視点から瞑想的な実践へ
(2003/04年の年間テーマ:宇宙的知性の変容と
内なる文化の形成)、つまり、感情生活と思考生活が統
合されて、「心が思考し始める」ことの思考の拡張へと
向けられました。
ある思考内容の体験は、第一次的には人間の内部でお
こる霊的な体験です。それが現実のもう一つの側面、す
なわち感覚世界と結びつくと、ある新しい次元が獲得さ
れます。ルドルフ・シュタイナーはこの関係性を表わす
ために、ある概念を作りました。それは人間のリズム系
を示唆する、「光の呼吸」という概念です。この概念に
よって、感覚的現象が生理学に投影されていることに注
意が向けられるだけでなく、広い意味で、ある感覚的現
象によって、何が魂的、霊的に投影されて私たちの内
部に呼び起こされるのかに注意が向けられます(全集
194巻、1919年11月30日の講演)。この過程
が呼吸過程と見なされることは、「心での思考」の問題
との関係において貴重です。
この問題を深めていくと、ある発見にいたるでしょう。
地球の大きな呼吸過程である四季の変遷は、魂の中で霊
的な呼吸としてなされていることを正にイメージとして
表わしているのです。そのため、自然のリズムに共感す
ることは瞑想的であり、同時に、宇宙的かつ人間的な意
味を帯びてきます。私たちは、地球と地球を取り巻く宇
宙環境へのある関係性に私達の人間存在をおくのです。
それは私達の固有の体験にとってばかりでなく、地球に
ルーマニアにおけるアントロポゾフィー協会
たいまつと橋渡し
ルーマニアのアントロポゾフィ
ー協会の国代表ドクター・ゲオ
ルゲ・パクシーノ
4
2004/05年の年次
報告において、オランダのア
ントロポゾフィー協会の事務
総長であるロン・ドゥンゼル
マンが西ヨーロッパにおける
アントロポゾフィーの活動に
ついて報告しました。今回の
報告では、ルーマニアのアン
トロポゾフィー協会の国代表
であるゲオルゲ・パクシーノ
が、東欧における彼の国とア
ントロポゾフィーの発達につ
いての質問に答えます。
ルーマニアにおけるアントロ
ポゾフィー協会の現状につい
てお話し下さい。
とっても意味があります。つまり、環境問題への関与に
始まり、地球をとりまく環境に結びついているキリスト
存在、地球霊にいたるまでの関係性です。心での思考が、
季節の変遷と内的に結びつくことでいかに活性化され、
深まっていくかを、生活に密接したところで把握するこ
とはやりがいがあります。「魂の暦」や全集229巻
「四季の宇宙的イマジネーション」に収録されている講
演はそういった修練のための基盤を提供してくれます。
また、もう一つ、別の観点があります。霊学自由大学
職員会で、全集223巻に収められた、地球の呼吸とし
ての四季の変遷についての講演を研究したところ、ルド
ルフ・シュタイナーはここで、当初の目論見においては
失敗した社会三層化運動を、「ミカエルについての考え
方が多くの人の思考の中で十分に強くなっており、時代
を形成する力として本当に感じられているかどうかの試
験」なのだと述べているのです。このミカエル思考の一
つの側面は四季の変遷に共感することです。というのは、
社会的関係を形成する絆がそれと関係しているからです。
これらのテーマを結びつけることで、私たちは非常に
現代的な課題の真ん中に立つことになります。それは、
社会問題と環境問題の場合と同様、大きな公の問題提起
と人智学者の閉ざされたサークルでの問題提起に立ち向
かうことなのです。
アントロポゾフィー協会の設立の年に魂の暦が現れた
ことが偶然ではないように、ルドルフ・シュタイナーが
季節の変遷に共感することを1923年の重要なテーマ
として扱ったことは偶然ではありません。この年には、
年間を通してアントロポゾフィー協会の基礎が固められ、
クリスマス会議が準備されたのです。
ゲーテアヌムにおける霊学自由大学職員会を代表して
ヨハネス・キュール
アントロポゾフィー協会はルーマニア社会の一部にな
りました。共産主義の下ではアントロポゾフィーは許さ
れていなかったのですが、おかしなことに、1980年
にアントロポゾフィー協会はあらためて禁止されたので
す。既に禁止されていた協会がもう一度禁止されたので
す。それにはもちろん理由があったのです。
ルーマニアにおける独裁はハンガリーやポーランドと較
べて、特に深く徹底していました。今日でもそれは感じ
られますか?
共産主義時代、私たちは実際に深淵を体験しました。
しかし深淵は1989年のいわゆる方向転換から長い時
間のたった今日も体験しています。私の考えているのは
政治的な脅威、腐敗の増加、または社会的、経済的な不
確実性です。私たちが1990年に新しい政治的状況の
なかでアントロポゾフィー協会を新たに創設したとき、
多くのことが形のうえだけで変わったけれども、その本
性では古いものが残っていると感じました。しかし、協
会の新創設によって、霊学の勉強と並行して、人智学を
職業や社会の現場で実践していく意志のある若い人達が
入ってきました。このようにして、数多くの教育、治癒
教育、農業におけるイニシアティヴが成立しました。こ
れにはドイツ、スイスからたくさんの友人が協力してく
れています。
ルーマニアはヨーロッパの東の端に位置しています。そ
のことはこの国にとってどういう意味があるのですか?
今日のルーマニアの言語圏は3つの地域に及んでいま
す。1つは西:カルパーテン山地の曲がりで、ドイツと
ハンガリーの文化、つまり中央ヨーロッパの影響の濃い
ジーベンビュルゲン地方です。その東には、東モルダウ
地方があり、そこではスラヴとロシアの文化がまざりあ
っています。カルパーテンの南はバルカン文化が色濃く
感じられます。そこで、本来的にルーマニア的といえる
文化がいきています。ジーベンビュルゲン地方は、オー
ストリアとハンガリーと同様、この意味で中央と東ヨー
ロッパの橋渡しをしています。ところで、興味深いこと
に、ヘルマンシュタット(シビウ)はルドルフ・シュタ
イナーの最初期に講演の一つが行なわれたところなので
す。それは1889年12月25日で、彼の「最東」講
演なのです。ヘルマンシュタットは2007年の「ヨー
ロッパの文明都市」に選ばれました。もう今からたくさ
んの準備がなされています。当然、文化的な脚光を浴び
ることをルーマニアは誇らしく思っています。
どうやってアントロポゾフィーはルーマニアで早くに地
盤を獲得できたのですか?
それは、ルーマニアが別の観点からしても橋を渡して
いるからです。ブカレストは19世紀の末「東における
小パリ」と呼ばれていました。それが言わんとしている
ことはたくさんあります。ルーマニアのオペラハウスは
ウィーンのオペラハウスと比較できるほどです。ルーマ
ニアでは音楽が大変重要です。他の多くの国でも見られ
るある現象を取り上げてみます。橋を渡す重要人物とい
うのは、その創造的、芸術的、学問的な活動を人類精神
へと高めた人達です。大木のように、東に根を張ってい
ますが、枝ははるか周辺に張り出しているのです。ここ
で挙げたいのは二人の人物の名前です。一人は、その作
品がヴァルドルフ学校でよく上演されているオイゲーネ・
イオネスコです。彼と指揮者のセルゲゥ・チェリビダー
ケは中央ヨーロッパへの橋を架けました。
ルーマニアの地形はどんな風ですか?
ルーマニアの地形は豊かで力強いです。荒々しい山々、
他に類を見ないドナウ川のデルタ、広大な森林がありま
す。これはもちろん文化にも影響を及ぼしています。
ルーマニア、ルーマニアでのアントロポゾフィーの活動
にとって何を望むことができますか?
びっくりする質問ですね。まずは、始まった政治的な
解放が引き続きうまく進行し、希望に満ちた人智学的イ
ニシアティヴがさらに展開されていくことが、私達の望
むすべてです。つまり、発展する市民社会の中に組み込
まれ、生き生きとしたアントロポゾフィー協会です。1
996年にハインツ・ツィマーマンがユースセクションの
青年たちと一緒に来ました。昨年はユースセクション長
のエリザベス・ヴィルシングがルーマニアに来て、若者
の活動を力づけてくれました。この若者パワーがここで
のアントロポゾフィー協会の活動を支えるようになって
きています。理事会には若者が五人と年長者が二人いま
す。どうか、この若者たちがたいまつを受け取ってくれ
るようにと、私たちは望んでいます。
会員の発達
現実を深刻に受け止める
普遍的アントロポゾフィー協会には会員が何人いるの
でしょうか?公式には現在4万9300人の会員がいま
す。しかし、現実とつきあわせてみると、この問いには
漠然としか答えられません。なぜなら、上の数字に加え
て、多くの会員が協会の活動にも参加していないし、会
費も払っていないという事実があるからです。様々な理
由から、協会から内的に離れているけれども、脱会して
いない人が多くいるのです。いわば「休会中」の会員と
してデーターの上でのみ会員であり続けています。多く
の邦域協会の先触れがあった末、ゲーテアヌムでは1年
半前から「休会中」もしくは行方不明の会員の会員性を
見直すプロジェクトが進行しています。各邦域協会に協
力を仰いで、ハンス・ハスラーの指揮下、会員の最新の
住所の更新が行なわれていますが、その際、「休会中」
の会員が把握され、これまでに約5500人が判明しま
した。邦域協会の総書記・代表とゲーテアヌムの理事会
との話し合いで、連絡もなく、会費も払わず、データー
上でしかない会員のあり方は実際と対応していない、と
いう意見の一致がみられました。そこで、邦域協会の了
解の下、住所がわかっている休会会員にゲーテアヌムか
ら手紙が送られ、未だに会員であることを真面目に考え
ているのか、それとも脱会することを望むのかが問われ
ました。この口調は新しいものです。これまでは、火が
消えて久しい状態のところに明確な問いかけをする、ま
して脱会を勧めるなどということはそぐわないと考えら
れていました。この明確な問いにまたもや答えがない場
合は、理事の一人がサインをした最後の手紙が送られ、
この手紙に対する沈黙は深刻に受け止められ、当該の人
物はもはや協会の会員とはみなされないことが通知され
ます。
何人かの会員においては喜ばしい動きがあり、興味深
い通信が交わされ、古い傷やなおざりにされたことがら
が白日の下に出てきました。多くの場合、会員のあり方
を見直してほしいという要求は受け止められ、会員の権
利・義務への新たな決意や、幽霊会員よりはましな脱会
へと到っています。
住所の更新と並行して、安全性を厳格に考慮した上、
これまで古典的にカードシステムで管理されていた全住
所がデジタル情報化されました。この一歩を踏み出すの
に賛成でない意見があったことは理解できますが、より
信頼性の高いコミュニケーションが可能になったことに
よって徐々にその意見も変わってきています。私たちが
将来、会員との話し合い、活動のための連絡がより精確
にとれるとしたら、それはハンス・ハスラーの入念な仕
事ぶり、会員事務局の職員、邦域協会の協力のおかげで
す。そして、年次報告は、この住所プロジェクトのおか
げで、初めて17か国語で書かれ、会員に送付されるこ
とが可能になりました。
我々の協会は将来どう
なっていくべきなのか?
ゲーテアヌムではこの
問いをめぐって、いく
つもの会議が行なわれ
ました。エギンハード・
フックスの公開の手紙
をきっかけに協会の責
任者が集りました。ボ
ド・フォン・プラトー
(左)とゲラルド・へ
フナー(右)。
5
霊学自由大学
一般アントロポゾフィー部門
中心的な人智学のテーマへの関心
一般アントロポゾフィー部門では2005年の夏、初
めて、ゲーテアヌムにおける霊学自由大学職員の多くが
長年待望していたある構想を実現しました。一週間の会
議の間に19時間の大学会員向け講義がドイツ語と英語
で行なわれたのです。大学におけるスピリチュアルな活
動の核を一緒に体験するため、世界中から何百人もの参
加者がゲーテアヌムに集りました。この仕事に無言のオ
イリュトミーフォームが伴ったため、初日から集中した
濃密さが達成できました。大学職員会のこのイニシアテ
ィヴは引き続きゲーテアヌムの活動の中心にあり、多く
の国とグループで、マントラと第一級の修行の諸要素と
一緒に生きるという次の一歩に踏み出す勇気が増大した
ことが、今日もなお感じられます。
第一級講義の内容を行ずることに一層の重点をおくこ
と、それにふさわしい形に助言を与えることが第一級朗
読者(レクトーレン)の集りの中心を形成しました。
2006年の秋に行なわれる第一級朗読者の集まりでは
「霊学自由大学の参加の手
引き」の原稿が討議されま
す。
ヨ ハ ネ ス ・ キルシ ュ は
2005年の秋、第一級
の歴史ついての研究をま
とめあげました。ゲーテ
アヌム出版社から「霊学
自由大学の発展-第一級」
という書名で2005年
に出版されました。理事
のヴァージニア・シーズ、
ハインツ・ツィマーマン、
ボド・フォン・プラトー、
ヨハネス・キールシュは自由大学 ゲーテアヌム文書科のウヴ
を包括的に扱った本をまとめまし ェ・ヴェルナーらの協力の
た。
下、特に大学が設立され、
その後の方針を決定した最初の何十年かを秘教的、人間
的、社会的次元から深く洞察することにヨハネス・キル
シュは成功しました。英語とフランス語への翻訳は20
06年中に出る予定です。
一般人智学部門の仕事分野の分担が、漸く明らかにな
ってきました:人間学、霊学の研究と瞑想:ハインツ・
ツィマーマン、カルマと輪廻転生:パウル・マッカイ、キ
リスト学と天使の位階論:ヴァージニア・シーズとセル
ゲイ・プロコフィエフ、スピリチュアルな社会能力:コ
ルネリウス・ピッツナー、時代霊と発展の問題:ボド・フ
ォン・プラトーです。これは新しい部門化やグループ化を
意味するのではなく、これらのアントロポゾフィーの中
心的課題がより発展させられることを目的としています。
特に、研究と瞑想の分野で活動が盛んになってきたこと
が感じられます。2004/05年にはドイツからナナ・
ゲーベル、スイスからマルク・ドゥソール、オランダか
らロン・ドゥンゼルマン、理事会からボド・フォン・プラ
トーとハインツ・ツィマーマンといったメンバーが参加
して、アントロポゾフィー協会の将来の課題を考えるイ
ニシアティヴも活動しました。
6
霊学の学習と瞑想についての催し
2005年にはゲーテアヌムで霊学の学習と瞑想とい
うテーマについて数多くの催しが行われました。そのう
ち、最も重要だったと思われるのは、7月初旬の、霊学
自由大学の第一級の会員のための会議でした。一般アン
トロポゾフィー部門では、一年間の「アントロポゾフィ
ー基礎講座」と、英語で行われるアントロポゾフィー課
程の他に、「中級講座」が開かれました。その中心テー
マは、礎石の瞑想のリズムの学習でした。それ以外に一
連の週末講座が開かれました。そこでは、「いかにして
超感覚的世界の認識を獲得するか」をもとにした行の道
の最初の歩みが取り扱われました。また四季の変遷、「
魂の暦」、「ミカエルの手紙」、「礎石の言葉」の中の
瞑想の要素についての講座が行われました。それ以外に
も例えば、美的学問部門が、R.シュタイナーのマント
ラの言葉についてのセミナー、また教育部門は教師とい
う職業における瞑想の実際についての研修会を開きまし
た。類似の講座は、その他の部門でも行われました。そ
れに加えて、ゲーテアヌムでは冬の間10月から4月ま
で、月曜日に大学職員会とゲーテアヌム支部による講座
が行われます。一年をとおして夕方行われる、入門と深
化のための一連の講演が、以上のような目的のために、内
容豊富なプログラムを補完しています。
2006年に予定されている催しは年に三回発行され
るパンフレット ”Kurse, Fortbildungen, Studiengänge”に掲載されています。(申し込み先: Ursula Seiler,
Goetheanum, Postfach, CH-4143 Dornach 1,
ursula.seiler@goetheanum.ch)
「瞑想は教えることができません」
瞑想は教えることができません。瞑想は習う
ことはできますが、人からではなく、自分自身から習う
のです。私は自分を導いていける、ということを発見で
きます。そして、試しながら、間違いながら、修正しな
がら、自らの道を見つけ、自らを内的に洗練します。瞑
想が、認識しながら高次の自我と融合することであり、
すべての超感覚的な認識への門だとすると、瞑想がなさ
れるのは「自我の場所」においてです。私はここで自分
の自我の弟子になります。ルドルフ・シュタイナーはこ
の場所を指し示しているのです。この場所は一つの道で
す。そうすると、彼の弟子であるということは、自我の
弟子であることを意志することです。このような、また
類似したような経験が、過去において、瞑想について意
見交換も会話も行われなかったという状況を助長しまし
た。瞑想と行は各自がそれぞれとり行うべきだという考
えです。本来の瞑想については、これはあたっています。
なぜなら、もしここで他人の意志が働くと、瞑想は本来
求められる領域には到達しないからです。しかしそれに
たいしては次のように言えます。瞑想の本来の困難さが
瞑想自身の内にあるのでは全くなく、その前庭、瞑想に
先立つ条件、障害物、諸事情の内にあるということがし
ばしばあります。そしてこの場においては、協同作業と
意見交換は非常に実り多いものであり、自らの進歩の条
件にさえなりえます。この意味からゲーテアヌムとその
他の場所において、瞑想と行の実際についての講座と小
講習会が行われます。
主催者にとって重要なのは、誠実な雰囲気です。私は
実際どこに立っているのか?失敗してもいいのだろうか?
私の怠惰をどのように克服したらいいのか?何度も何度
も新しく始めるためにはどうしたらいいのか?このよう
な問題について話し合っていると、例えば、様々な障害
の一部だけが私の中から由来していることがわかります。
それ以外の重要な部分は、現代という時代に生きていく
ときに付随している現象です。情報娯楽番組、情緒化、
無関心、毎日のあわただしさによって、魂の相応しい情
緒が自ずとあらわれてくることはありません。講座にお
いては、自らつくりあげる情緒の空間ができあがるため
の能力を伸ばすことができます。
そのような前庭を形づくる要素は、R.シュタイナー
のテキストの言葉のなかに隠れていて、それを呼び覚ま
すことができます。ですからこのような講座の一つの重
点は、霊学の学習と、この言葉を、言語的にそしてオイ
リュトミーによって深め、生き生きさせることにありま
す。私たちがある思考有機体の理解をとおして、その体
験にいたるとき、また、オイリュトミーの動きが内的動
きと協調して体験されるとき、また、一つの言葉の音形
成が全体の意味のまとまりを受容するとき、そのような
とき、関係と諸力の、言葉のない世界の中で自分の位置
をみきわめるための第一歩がなされます。アントロポゾ
フィーの言葉は、体験された理念への橋となります。シ
ュタイナーの行についての様々な提案が、個人個人のた
めに、全く多様に変化させられ得ることについて意見を
交換すると、私たちは元気づけられます。「シュタイナ
ーが言っているように」すべてを正しく行いたいという
最初の憧れが薄れていき、彼の行についての豊かな提案
の中に、具体的な実現方法についての指示が殆どないこ
とに気づくでしょう。しかしこの提案に従っていくと、
自分自身と向かい合わざるをえません。そして何かを「
間違って」行っているのではないかと疑惑します。その
とき他者と話し合ってみると、また次の発見があります。
瞑想の道の重要な一部は、自分はどの行をどのように行
ったらいいかについて、自ら必要なファンタジーを発達
させることです。
講座を提供することは、一つの矛盾でもあります。な
ぜなら、講座が成功すれば、それはもはや不要になるの
ですから。この移行過程の中で、それに比例して人間関
係がふくらんでいき、その中で様々な分野における責任
ある協同作業が進捗する可能性があります。
自然科学部門
現象に近くあること
去年は、多くの日刊紙が独自の自然科学的な記事を掲
載し、テレビでは動物ルポと自然科学についての番組が
まれに見るほどの高視聴率を獲得しました。私たちの、
完全に理解しつくされているように見える世界において、
魔法、すなわち自然に意味を与えてくれるものに対する
憧れはこれまでになく大きくなっているようです。とはい
え、「すべてのものに潜む歌」をもっと聞きたいという
この望みは、通常、劇的な現象に対する驚嘆の念によっ
てしか刺激されないし、それに続いて理性的な解明がさ
れれば片が付きます。それに対して、自然科学部門の研
究員たちはさらにその先を問い、理論とモデルの彼岸で、
現象の近くにありつつ、更なる認識を探求しています。
「もし、我々が感覚的に認知できる世界を即物的に理
解するなら、霊界もまた、即物的にしか理解したくない
であろう。」部門長のヨハネス・キュールは自然科学が
人智学の中で中心的な位置を占め、そのことが人類全体
に対して大きな意義を持つことを、このように性格付け
ています。
その例として、フロリアン・タイルマンとゲオルグ・
光の行動をいかにしてモデル構築の彼岸で捉えることができるか?フ
ロリアン・タイルマンの実験設備。
マイヤーの2人の物理学者による光速についての研究
は、光の性質を即物的なモデルの考え方の彼岸で理解
することに貢献しました。このプロジェクトの成果は
2005年の夏、ベルリンのフンボルト大学で行なわ
れた「Open Eyes」会議で発表されました。
基礎研究と並行して、実際的な意義のある問題を扱う
ことも大きな役割を果たしています。遺伝子操作がどれ
ほど深く植物の本性に影響を与えるのかを知るための、
操作された栽培植物の形態学的検査、電子レンジが食品
に与える影響を理解するための、イメージ化する方法を
作った品質検査などがそれにあたります。
研究所内で行なわれている数々のプロジェクトは、オ
ランダのボルク研究所、ヴェレダ、流水学研究所など、
外部の研究機関との交流にも寄与しています。また、外
部の機関とだけでなく、機関内部でも研究の分かち合い
が活発になってきており、そこから新たな共同研究が生
まれてきています。先にあげた栽培植物の遺伝子操作の
検査はその例の一つです。
2006年末に予定されているグラスハウスの改修工
事が完了したら、自然科学部門の研究者が一堂にまとま
って仕事をすることが初めて可能になります。そうなれ
ば日常的な学問的交流が促進されるでしょう。部門の仕
事について、ヨハネス・キュールのヴィジョンはもっと
先を行っています:「本来、我々は、物理学、生物学、
化学、地質学の専門分野ごとに最低3人の研究者を必要
とします。その中でおきる対話と相互のインスピレーシ
ョンが、ゲーテアヌムでの研究生活が脈打ち、成果があ
がるための、豊かな土壌を形成するのです。」
数学と天文学部門
新たな歩み
数学と天文学部門は、数学と天文学を通して人智学に
出会ったり、人智学的観点から数学・天文学的分野で活
動している人達の問題関心を援護し、出会いの場を提供
しています。
2005年8月からオリヴァー・コンラッド博士がゲ
オルグ・グレックラーの後任として部門を率いることに
なりました。彼のもとでも、引き続き、ヨハネス・ケプ
ラー天体観測所における公開の観測の夕べは行なわれて
いますし、天体位置推算暦と年次カレンダーの値が計算
され、様々な会議も主宰されています。
7
新規なこととして、2006年の9月にオランダから
リズベス・ビスターボッシュ、ドイツからトーマス・シ
ュミットを始めとする講師陣を招聘して、天文学研究週
間が開催されます。1週目は小学校教師、2週目は中学・
高校教師が対象で、3週目は部門の研究テーマが扱われ
ることになります。
翌10月には、線幾何学とその自然科学への応用をテ
ーマとして、数学学究週間が開催されます。講師として
はイギリスからニック・トマスとドイツからウヴェ・ハン
センを予定しています。
ドルナッハでは年に約3回、「数学と霊学」という研
究会が行なわれています。そこでは目下、線幾何学、数
学と人智学的霊学の関係が扱われています。また、天文
学とその霊学との関係についての研究会を立ち上げるこ
とも目指されています。その以外に、パウル・シャッツ
に元を発する、ひっくり返しのテクニックも部門の研究
課題となっています。
必要に応じて刊行されるべきである機関紙がまた出る
ことも2006年に予定されています。そこには、部門
の仕事と活動、天文学的、数学的、選科教育的課題につ
いての論考が掲載されます。
医学部門
自我への道は子供時代に始まる
「病気は単なる偶然的
で敵対的なできごとで
はなく、自伝的側面に
始まり、共同体的側面
までの様々な人生の側
面、それと時代の側面
に関係する意味があり
ます」。「人智学的医
師」の手引きの昨年の
原稿で、病気に関して
の特に人智学的な視点
はこのように記述され
ています。
この理想的な基盤の
記述は、人智学的医療
とセラピーの源、その
霊的な次元と同一性に
物理療法士の年次会議にはスピリチュ ついてより包括的に解
アリティを志向する他のセラピー法の治
明した枠の中に見出せ
療士も招かれました。
ます。人智学的治癒の
インスピレーションの源をより強力に顕在化させるため、
次回の医学者年次会議では700人の参加者が小グルー
プに分かれ、シュタイナーの医学のための著書のうちで
も最重要である「医術を拡張するための基礎付け」を章
ごとに勉強し、総会においてまとめることにする、と医
学部門長のミヒャエラ・グレックラーは述べています。
このように理念的な活動を強化すると同時に、教育部
門との協力のもと、人間にふさわしい教育が健康におよ
ぼす意義をテーマとして、9つの会議が世界各地で行な
われます。南アフリカから始まり、インド、台湾まで、
このいわゆるコリスコ会議の枠の中で、このように高度
に技術的になった世界で、成長途上の子供たちに個人的
な自立性を確立するのに必要な健康を与えてくれる教育
が可能である、もしくはこれまでになく必要であること
8
を、人智学的医師と教師が講演、分科会、セミナーを通
じて立証することでしょう。なぜなら、自我への道は子
供時代に始まるのです。医学部門と教育部門、多くの現
地の学校、スタッフを巻き込むこの企画が地球上でも社
会的、経済的な危機にある地域に集中していることには
理由があります。これは人智学的発展援助の大望を含む
プロジェクトだと確実に言えましょう。この点からして
、フランスにおけるコリスコ会議がUNESCOを会場に
得られたことには格別の意味があります。
教育部門
先駆者の役割を立証する
「学校」というテー
マは公の議論で重要性
を増してきました。親
向けの雑誌、あるいは
一般的な週刊誌で、定
期的に学校問題が取り
上げられています。そ
こにおいては、喜ばし
いことに、親の古典的
な憂慮、「どの学校教
育が最良の職業機会を
約束してくれるのか」
に代わって、「どの学
校教育がより健全なの
か」という問いが増加
してきています。身体
的、魂的な健康に関る
国際幼稚園会議における「子供時代の
この問いから、人間ら
ためのアライアンス」の創設者の一人、
しい教育、つまるとこ
ジョアン・アルモン。
ろはヴァルドルフ教育
の理念への隔たりはごく小さなものに過ぎません。
どうしたら健康的に生活を形成し、仕事をすべきなの
かという問いを医学が目指しているように、そこにおけ
る授業によって健康になるような学校を追求することが
教育問題の頂点です。我々が80年来ヴァルドルフ学校
で実践してきたことの多くが、徐々に公立学校教育に取
り入れられてきています。それは喜ばしいことですが、
同時に、人智学的人間像の源泉から、子供たちの体質が
変わってきていることに対して新しい考えに基づいて答
えるよう、ヴァルドルフ教育に対して要求がされていま
す。
医学部門と教育部門の協働のもと、2006年に世界
各国で開催されるコリスコ会議ではこのテーマが扱われ
ます。今年は医学・教育的診断が中心的な課題となりま
す。その背景には、たとえば、ある子供の魂の状態が、
子供の表現から読み取り難くなっていることがあげられ
ます。我々は子供において、もはや眼には見えないこと
を発見しなければならないところに来ています。ある行
動に決まりきった処置をする、いわゆる「反応」教育は
ますます不毛になってきています。
それが意味することは、教師の個人的な直観能力が非
常に高い水準で要求されているということです。その関
連において、子供についての話し合いをテーマとした研
修の機会が3回ありました。この、皆が共同で生き生き
と子供を意識にのぼらせるというヴァルドルフ教育の核
は、非常に幅広い反応を得ました。
音楽と言葉の芸術部門
新たな意志と改新された意志の間で
この、関連はありますが同一とはいえない二つの意志
の方向性を使って、音楽と言葉の芸術部門長のヴェルナ
ー・バーフォードは、今日のオイリュトミーの状況を表
しました。オイリュトミーは音楽、言語造形、人形劇と
並んで、この部門の主要分野です。これによって、大変
大きな一歩を踏み出すことに成功したのです。少し前ま
ではオイリュトミストの間でも観客の間でも対極的な立
場(ニュー・ユーリズミーと本物のオイリュトミー)が
互いに和解することなく対峙していました。ヴェルナー・
バーフォードをはじめとする人達が出会いの文化を作る
ことに集中して努力したおかげで、この紛争が実りある
共存に転ずることに達成されました。
一般でオイリュトミーに興味を持つ人達のための催し、
学生の出会いの場、オイリュトミー学校の責任者の会議、
そして数え切れないほどたくさんの個人対談において、
この意見交換がなされました。そうして、例として、毎
年行なわれるオイリュトミー学校卒業生の集いで、公演
の後、その公演についての印象が各学校の責任者の間で
話し合われるという信頼関係が成立しました。また、多
数のオイリュトミー・アンサンブルが週末の催しに招か
れ、互いに自分たちの活動について説明し、稽古場公演
を見せ、公演の後、それについて話し合われるという機
会も設けられました。一人のオイリュトミストが他の人
たちの活動方法について何項かの発見をすることも出会
いなら、2006年のイースターに開催される、300
人の活動的なアマチュア、学生、そして経験豊富なオイ
リュトミストが互いにオイリュトミーを見せ合う会議も
出会いだし、シュツットガルトとドルナッハのアンサン
ブルが交響曲を合同で舞台化する二度目のプロジェクト
も出会いなのです。
オイリュトミー内部での交歓のほか、部門の活動が公
の場と共存しながら運営されることにも重点がおかれて
います。これはトレーニング、職業としての認可の問題
に関ってきます。なぜかというと、教師への要請が高ま
ってきているからです。学生と同様、教師は高い職業的
目標を持ち、同時に、しばしば、芸術的活動のための特
殊な守りを固めなければならないのです。トレーニング
の中では、職業のための実際的能力とともにスピリチュ
アルな質も達成しなければなりません。これと同じこと
は、言語造形と俳優養成にもあてはまります。言語を使
う職業においても、ますます、お互いの連絡を密にする
ことが必要になってきました。
2006年は聖杯(グラー
ル)というテーマに重点がお
かれることになりました。そ
れについては精霊降臨節の会
議「未来のヨーロッパにとっ
てのインスピレーションの源
泉としての聖杯」で詳細に取
り扱われることになります。
春にはそれに加えてシャルト
ル大聖堂のステンドグラスに
ついての会議が行なわれ、秋
には「薔薇十字の活躍の流れ
におけるゲーテ」という会議
が行なわれます。もう一つの 光の行動をいかにしてモデル構
テーマはメルヘンで、そのた 築の彼岸で捉えることができる
か?フロリアン・タイルマンの
めに今年はセミナーが三つと 実験設備。
会議が一つ予定されています。
年初に二冊目の『美的学問のための年次報告-言葉は
単なるしぐさ』が部門から刊行されました。この本は、
部門がカバーする分野すべてからの成果を収録したもの
ですが、ドイツ語と、部分的に英語で刊行されました。
今回は特別期待されるものが2つ載っています:それは、
これまで知られていなかったライナー・マリア・リルケ
の文章で、出版されなかった詩が一つと未公開の手紙が
一通です。
2005年にはオランダで新しいグループが立ち上げ
られ、2006年にはフランス語圏でグループが一つ立
ち上げられる予定です。美的学問部門の年次催し予定表
(部門の事務局を通して入手可能)には、今年の催しす
べてについての情報だけでなく、様々な分科会、各国の
活動についての情報も載っています。
農業部門
有機的な発展とスピリチュアルな背景
美的学問部門
学術的な人文科学に人智学を浸透させる
美的学問、または現代的に言うならば人文科学は、文
学、言葉に関する学問、芸術・文化史、哲学、そして人
間意識の歴史といった分野をカバーします。美的学問部
門の課題は、これらの分野を人智学を背景として照らし
出し、これらの分野に人智学を浸透させることにありま
す。人間の言葉は観察対象としても表現手段としてもこ
のほぼすべてで中心をなすため、美的学問部門では言葉
というテーマについて様々な催しを企画しています:言
語学研究会、抒情詩研究会、詩人の会議、講演やセミナ
ーなどですが、特にルドルフ・シュタイナーの言葉につ
いては大事な分野です。
知っている友人とも見知らぬ友人とも連携をなさい、とドイツの政治
家レナーテ・キューナストは農業会議で述べました。
今日、ドイツの食品の約3%が有機農法から生み出さ
れています。この数値は小さくて、落胆させるかもしれ
ませんが、量よりも質的にどれほど食品業界に食い込ん
でいるかが重要です。次の数値がそれを明らかにしてく
れます:全所帯の半数の所帯で、少なくともたまには、
エコ栽培・製法の食品が消費されています。環境に配慮
した栽培法・製法で作られた食品に対するこの高い評価
は、有機の業界が「確信者の逃げ場」から脱却したこと
9
を示します。有機食品の消費は今日、当たり前のこと、
個人的な責任感の表現になりました。静かなる緑の革命
が多くの国で進行しているのです。
このように、有機農法がより幅広い承認を得てきたこ
とは、世界中で5000ほどの、バイオダイナミックス
農法を行なっている農場や農園にとっては、心を開いて、
自意識をもって、振興しつつある「エコとフェアーな取
引の場」に参画することを意味します。現在の健康的で
遺伝子操作抜きの食品に対する需要は、スピリチュアル
な背景から生み出された食品を得たいという望みへここ
数年間の内に発展していくだろうと、農業部門長のニコ
ライ・フックスは予測しています。
有機農法がこのように社会のあたりまえの一部に発展
してきたことに対し、農業部門、つまりニコライ・フッ
クスと責任を担う各国代表の集団は、二通りに反応して
います。一つには、過去の批判、潜在的な批判に対し、
先手をとって活動することです。ニコライ・フックスが
挙げた例の一つ目は、近年、バイオダイナミックス農法
とナチ運動との関係に焦点があてられ、批判されたのに
対して、目下、部門の研究員のフロリアン・ライバーがバ
イオダイナミックス農法を学問的に根拠付ける研究に取り
組んでいることです。この研究の目論見は、2005年に
ヴィッツェンハウゼン大学に設けられたバイオダイナミ
ックス農法のための基金講座と合体する予定です。
二つ目には、「アイデンティティと公開性―新しい農
業構造の探求」というタイトルの下、それに応じた部門
の研究テーマが毎年選ばれることです。2006年の2
月には、ゲーテアヌムにおける農業会議で、何百人もの
参加者がこのテーマと向き合いました。この会議では著
名なドイツの国会議員が二人講演をしたほか、様々な話
し合いが中心で、「スローフード」「世界にパンを」な
どの関連団体との意見交換も行なわれました。
ユースセクション
何かを、そして自分を動かすために何をすべきか?
ある会議の報告書にあったこの言葉は、新世紀に成長
しつつある世代について多くを語っています。すべての
活動は自分自身を豊かにする意味を持たなければならず、
逆に、自分の成長の歩みが世界を眼に見える形で良くし
コネクト2005では700人の高校生がゲーテアヌムを「占拠」し
ました。
10
ていかねばならないの
です。若い世代は文化
全体の状態を新鮮に鏡
に映し出しますが、外
的な活動を内的な成熟
と手を携えて行いたい
のはどんな年齢層の人
間にもあてはまります。
ですから、当然、部門
長のエリザベス・ヴィ
ルシングはユースセク
ションが大学の全部門
に故郷を見出すことを
重視しています。20
05年には、初めて「
ゲーテアヌムにおける
一月会議」が大学職員
会によって催され、若者のこの包括性が少なくとも一週
間の間、実現されました。「学問とスピリチュアリティ
―生活におけるスピリチュアリティ」のテーマの下、学
生、青年が大学部門長たちと出会いました。今年は実際
的な理由から一月会議ではなく「ゲーテアヌムにおける
二月会議」になり、100人以上の熱意ある若者がゲー
テアヌムに集いました。「自我をめぐる闘い」というテ
ーマについての個人発表と研究会はそれぞれ、若者と部
門長の協力によってなされました。ここで、共存関係が
協力関係へと発展しました。
ユースセクションの活動は三つの層で行なわれていま
す。二月会議は人智学を幾分か知っている人達を対象とし
たことで、中間の位置を占めています。それに対して、夏休
みの会議、12年生の絆のための会議(「コネクト」)、
各地での生徒会義などの催しは、人智学と初めて出会う
機会を多面的に提供しています。ユースセクションで活
動している人達は、人智学に興味を持つ人達と国際的な
ネットワークを築くことに、段々と成功してきています。
IDEMプロジェクト(「identity through initiativ」)
は、夏に予定されている大会がブラジルでのConnectivity
のために貢献しているのと同様、大きな役目を果たして
います。部門の活動の他方の極には、ある意味で一般ア
ントロポゾフィー部門への過渡として、瞑想と第一級の
マントラとの付き合い方についての週末の会議や定期的
なセミナーが行なわれています。
冒頭に挙げた報告書は次の言葉で締めくくられていま
す:「生活実践におけるスピリチュアリティについての理
想や思索が頭の中にあれば、確かにそれはうまく、安全
に保管されているが、誰の役にも立たない。それを考え
る人にすら役立たない。理想と思索は外に出たがってい
る。他の考え方と対峙し、議論し、腕を組み、連携した
がっている。そして、『ごらん、全く違った仲間とも、
意志さえあればうまくやっていけるよ。意志あるところ
に道はそのうちできるものさ。』と言いたがっている。
それはしかし、最も難しい行のひとつを要求する。つま
り、自分の主観について客観的に認識するという行であ
る。それができて初めて、実りがもたらされ、努力が報
われる。この自己研究は大変な学び、真理への愛、両足
を現実という地面に着けることを要請する。そうして初
めて、認識は楽しくなり、外の世界にとっても喜びとな
る。」
社会科学部門
社会の基本法則100年
造形芸術部門
美術館もしくは源への立ち帰り
個人化の最も美しい面は、出会いに対する欲求、すな
わち、自分の個性の発達と社会の形成のための鍵を人間
間の出会いに求めることです。自由に形成された人間関
係が増加してきて、人間共同体の生活条件とスピリチュ
アルな可能性をより良く理解することへの要求が高まっ
ています。ここに、社会科学部門にとってのひとつの本
質的な課題分野があります。
2005年には、家族の成員間の魂的・霊的空間がテ
ーマとなった家族文化についての会議に始まり、100人
のバイオグラフィー・ワーカーの会議を経て、「性と自
我の発達」の会議、そして秋にオランダで開かれた「ヨ
ーロッパの魂」という公開の会議で、いかにして人間の
共同体形成を精神性で浸透させられるのか、が扱われま
した。
人智学的な社会学の特徴として、常に、生活に近いと
ころで処方が行なわれることがあります。2006年の
秋にはそれが前面に押し出されます。ルドルフ・シュタ
イナーが社会の基本法則において、非所有と共同使用を社
会生活を生き返らせるための万能薬として提唱してから
100年がたちます。
その記念の年に、ゲー
テアヌムにおけるミカ
エル会議は、基本収入
の共有化の考え方に向
けられることになりま
した。このテーマを現
代の公の議論に持ち込
むことに成功したゲッ
ツ・ヴェルナーが、部
門と協力してこの会議
を引き受けてくれます。
その準備として、今
年の初め「理論家」の
ヴァルター・クーグラ
ー、ウルリッヒ・レッ
シュ、クリストーファ
ー・ホウトン・ブッド
家族構成員の間では感覚的・超感覚的
が「実践家」として人 に何がおきているのか?家族問題会議
智学的銀行運動から来 中の円卓での話し合い。
たペーター・ブロム、
トーマス・ヨーベルグと意見交換する研究会が行なわれ
ました。
2005年の秋には、カッセルで法律研究者の会議が
「法の精神―ヨーロッパの様々な法律はいかなる特別の
インスピレーションを持っているのか?」というテーマ
の下で行なわれました。五つの法体系が取り上げられ、
いかにヨーロッパの統合が法律的に現実的になりうるの
か、が発見されました。
部門の国際的性格は「ヨーロッパの魂」会議でも明ら
かでした。アムステルダムで開催された部門会議は昨年
の活動の頂点で、公の代表者として招かれた二人のゲス
ト、オランダの政治家ファン・イェンニップと詩人のネ
ッレケ・ノルデルフリートは、会議のタイトルを当たり
前のこととして受け止め、彼らなりにヨーロッパの魂
について語ってくれました。この路線の次回の会議は
2007年春、ブダペストで行なわれる予定です。
大学職員会は、以前の部門長クリスチャン・ヒッチの
後任をまだ見つけられずにいます。この部門の長として
必要な資質は、芸術的能力に加えて、人智学的造形芸術
家の活動が統合され、組織されるために、自分の芸術活
動を犠牲にする覚悟があることです。2006年の初め
に部門長を探すグループ(マルティーナ・サムとパウル・
マッカイ)が部門の構成員であるアストリッド・エルス
ナーとトアヴァルド・ティルシュにまで拡大され、今年
中、できれば部門の11月会議までに新しい責任者を推
薦したい意向です。
人事問題の見通しが立っていないにもかかわらず、様々
なプロジェクトは進行しています。たとえば、2005年
の国際的活動は「芸術的創作における対極的な出発点」
というテーマに捧げられました。今年はヴェネチアでこ
のテーマが「芸術における霊性?人間の中心の探求」と
いうタイトルの下、さらに追求されます。建築の分野で
は、新たに都市建築を問題としてシンポジウムが開催さ
れ、多くの参加者を得ました
ドルナッハで2000年に開催された建築の大会議と
大展覧会以来、展覧会は世界中をまわっていましたが、
最近、ウクライナとインドで行なわれました。ゲーテア
ヌムの部門とキエフの大学の建築学科が協力し合ったお
かげで、「有機建築」が建築家の養成課程に組み込まれ
ることになりました。
植物色素の研究所は残念ながらゲーテアヌムに存続で
きなくなり、彫金学校も学生数の減少のせいで閉鎖され
ました。これらの変遷から明らかなのは、空間芸術の分
野で、いかに、内容に関して新しい展望を持つことが大
切かということです。そのために2007年は、ミュン
ヘン会議で始まったルドルフ・シュタイナーの芸術衝動
が誕生100年を記念することで、特別な機会を提供す
ることになります。多くの人智学的志向を持つ芸術家が
この年を活動の目標としています。すべての衝動や助言
が100年後に新たに理解され、受け止められるべきで
あるように、ルドルフ・シュタイナーの絵画と彫刻にお
ける芸術活動を今日にふさわしく継承していくという義
務を、2007年という年は私たちにつきつけます。
「美術館もしくは源への立ち帰り」という言葉がこの要
請の強さを表現しています。
11
ゲーテアヌム
オイリュトミー・アンサンブル
ひとつひとつの音が凝結した痛みであり同時に愛である
ゲーテアヌム舞台グループ、オイリュトミー・アンサ
ンブルの責任者であるカリーナ・シュミットがモーツァ
ルトのハ短調ピアノコンチェルトのオイリュトミー化の
過程について語ってくれました。
では、もし私がこう言うことを許されるなら、それは過
去の企画で克服され、死んでいます。私たちがソフィア・
グバイドリーナの「十字架における七つの言葉」を演出
しなかったら、決してモーツァルトと向き合うことはで
きなかったでしょう。そこでは皆が、個人的な小さな死
をくぐり抜けました。それがモーツァルトにおける矛盾
と出会うことを可能にするのです。彼は常に遊ぶ子供で
あり、同時に、地上的なものを超越した円熟なのです。
この対極性を自らの魂の内で創造しなくてはなりません。
オイリュトミーの大プロジ
ェクトでは何が主要な関心
事ですか?
交響曲を扱うような大プ
ロジェクトでは、催しが問
題なのではなく、新しい文
化を発展させることが問題
となります。ですから、私
達の最初のプロジェクト、
シュツットガルトとの共同
プロダクションで明らかに
なったのは、大劇場で1回だ
ゲーテアヌム舞台グループのオ けでなく、できれば3回続
イリュトミー・アンサンブルの けて客演すべきであるとい
責任者、カリーナ・シュミット。
うことです。しかし、これ
は実に容易なことではあり
ません。交響曲のオイリュトミーは芸術的に困難である
ばかりでなく、社会的な意味でもおおごとで、周囲の支
えが多大に要求されますから。
どうしたらそれができるのですか?
新約聖書に「おまえたちは子供のようにならなければ
ならない」とあります。この根源性と円熟は私たちが永
遠の個人の核を発見し、形成したとき、初めて生じるも
のです。この過程は常に死と関係しています。
具体的には何のことを言っているのですか?
2003年にこの交響曲的三部作を始めるときには、
このような芸術的、経済的な冒険をすることは私達の熱
意と芸術的意志だけの問題でした。しかし、今、始まっ
てからは、常に経済的そして観念的に私たちを援助して
くれる人達との話し合いです。オイリュトミーにするの
に最も難しい課題―モーツァルトをやっていくのに勇気
を与えてくれるのは、何といっても、その人達の信頼と
期待なのです。
普遍的アントロポゾフィー協会と霊学自由大学の本拠
地としてのゲーテアヌムでは現在、2006年始めの時
点で28カ国から180人のフルタイムとパートタイム
の職員が働いています。昨年、透明性のある給与体系が
整えられ、一括の基本給に加えて社会的、家族的状況、
仕事の異なる機能が取り入れられました。
週に一回職員は集り、ゲーテアヌムにおける発展、で
きごと、計画について話し合う機会があります。月例の
分野会議では計画と組織に関っている人達が部門、分野
から参加します。
昨年はゲーテアヌム舞台グループの2つの大きな分野、
ゲーテアヌムの建物管理部以外に、第3の部署「ゲーテ
アヌムへの歓迎と催し」が設置されました。
舞台グループは、2005年に新たに責任者になった
サラ・ケインが去ったことで、また変化に迫られていま
す。現在の課題は神秘劇の新
しい演出のための準備です。モ
ーツァルトの魔笛、夏の音楽
とオイリュトミーの催しは昨
年の、多くの観客を動員した
シラー年に続いて、2006
年にアクセントをつける催し
となります。
2005/06年の変わ
り目にジョン・ヘルディンが
クルト・レームンドから建物
管理部門の責任者の任を引き
継ぎました。他に類を見ない
ゲーテアヌムの敷地内の建築・ 人智学の資料の日に自分の仕事
について語るゲーテアヌム文書
風景を日々、維持することに 課の責任者、ウヴェ・ヴェルナ
加えて、グラスハウスが全面 ー。
モーツァルト年の今年、ザルツブルグなどでもモーツァ
ルトについては多くが語られています。そういう際に何
度も言われているのは、モーツァルトが捉えがたきこと、
他の星から来た人間のごとし、ということです。彼の曲
をオイリュトミーで表現するのが困難なのはそれと関係
していますか?
ルドルフ・シュタイナーはもっと美しく表現していま
す。モーツァルトは一人の天使にインスピレーションを
受けた、彼の中に一人の天使が住み込んだかのようであ
る、と。彼の音楽は非常に純粋で単純なので、この天上
的な単純さを俗っぽく、子供じみたものにしないために
は、高度な成熟度、芸術的な成熟と人生における円熟が
要求されます。これは大変高度な要求です。なぜなら、
彼の音楽は完璧で、ひとつひとつの音が凝結した痛みで
あり、同時に愛なのです。
オイリュトミーの様式のための道具は往々にして愛らし
い性格のものに見受けられます。それはこの場合チャン
スですか、それとも障害ですか?
オイリュトミーは一見モーツァルトに近いですが、そ
の近さは死ななければなりません。私達のアンサンブル
12
死は同時にモーツァルトのピアノコンチェルトのテーマ
ですね。この曲はハ短調という、最も暗い調で書かれて
います。ベートーベンの第五交響曲で、私たちは皆なじ
みがあります。
そうです、この調は暗いです。しかし、四季との関連
で言うとクリスマスの時期と関係していて、それがこの
作品の性格でもあります。何度も光が闇を貫いて輝きま
す。この闇を貫く光をオイリュトミーの作品で幾分かで
も見えるようにしたいと思っています。
ゲーテアヌムにおける諸発展
見出しによる概観
改修されて、2006年の終わりには大学と部門の活動
を拡張する新たな空間を提供してくれる予定です。
同じく2005/06年の変わり目にクリスティーネ・
ブランケが歓迎と催し部門の責任を引き受け、一方では
これまでいくつもの部門に散っていた、訪問
客に直接関係する機能をまとめ、他方では施設に関する
要望に応じることになりました。
ゲーテアヌムの事務管理部門では、部門や分野ごとの
多様な課題の関係性が統括されました。
ゲーテアヌムで研究と芸術に携わる職員は定期的話し
合い、散発的な話し合い、プロジェクト関連の話し合い、
研究会、会議に参加しています。
普遍的アントロポゾフィー協会の責任者としての理事、
そして霊学自由大学の責任者としての部門長たちは現在、
週ごとの集り、何日間かの集中会議の枠で、あるテーマ
や計画を深める仕事をしています。このように理事会と
大学職員会の二つの集団において、組織をまとめ、運営
する課題を削り、他に受け渡していったおかげで、過去
数年間、漸進的に霊学の研究が強化されました。
ゲーテアヌムの歓迎部門に従事
するシルヴィア・エッシャー。
2006/07年の主な催し
霊学自由大学は会議、研究会、セミナーを企画しています。催しの完全な概観はドイツ語の年次報告には同封されま
す。また、それと同じものがwww.goetheanum.org/vk.htmlで見られます。また、たいていの部門では専門的な年
間の催し予定表を作っています。
2006年
USA,サンタ・バーバラにて6月20-
25日 国際青年会議
「対極性を超えて-極端の時代における
人間性の発見」
ロンドンにて7月16-21日
「ルドルフ・シュタイナー、薔薇十字会、
ミカエル学院」
霊学自由大学の会議
ゲーテアヌムにて7月28-8月3日
芸術の夏の祭典
ブラジルにおける青年会議
日付とタイトルはブラジルが決定する
2007年
ゲーテアヌムにて10月12-15日
自然科学部門の秋の公開会議
ゲーテアヌムにて10月16-20日
一般人間学研究週間
教育部門
ゲーテアヌムにて11月17-19日
現象学に関する会議
自然科学部門とイエナ大学
ゲーテアヌムにて12月25-31日
クリスマス会議
ゲーテアヌムにて1月2-5日
動き-内的・外的可動性の見通し
一般アントロポゾフィー部門
ゲーテアヌムにて1月26-28日
アルベルト・シュテッフェン会議
美的学問部門
ゲーテアヌムにて3月16-18日
平和教育に関する会議
社会科学部門
ゲーテアヌムにて3月23-25日
紛争研究会議
社会科学部門
ゲーテアヌムにて8月5-10日
音楽が作用する力
音楽と言葉の芸術部門
ゲーテアヌムにて4月9-14日
オイリュトミー専門会議:セルゲイ・プロ
コフィエフと共に
ゲーテアヌムにて9月17-20日
人智学的医学運動の年次会議
医学部門
ゲーテアヌムにて4月14-21日
家族文化についての会議
社会科学部門
ゲーテアヌムにて9月29-10月1日
ミカエル会議:社会の基本法則100年
―人智学的社会インパルスの100年
社会科学部門
ゲーテアヌムにて4月14-21日
コネクト
ユースセクション
ゲーテアヌムにて10月6-10日
治療教育と社会治療の国際会議
医学部門
ゲーテアヌムにて7月14-22日
人間の尊厳についての夏会議
ゲーテアヌムにて9月23-30日
霊学自由大学会員のためのミカエル会議
13
2005/2006年の会計報告
経済的な観点からすると、2005年はゲーテアヌム
にとって順調な年でした。大方の計画が予想されていな
かった寄付のおかげで手がつき、各国からの会費収入が
8年来初めて再び増加に転じました。このことは、新し
く始められた道をこのまま進めばよいという力づけにな
ってくれます。それには、何と言っても、邦域協会との
対話を強化し、決定を下す人達とできるだけ直接的な接
触をもつことがあげられますが、その他にも、大学の展
望についての開かれた対話、ゲーテアヌムでおきている
ことについてコミュニケーションと透明性を強化する努
力などです。
2005年の振り返り
表2: 収支内訳
表1: 2005年の収支報告
収支総額は2004年に比べて269万スイスフラン
増加して、2374.6万フランになりました。大口の遺
贈のおかげで基金が二つ設立され、そこからの資産収益
で霊学自由大学の諸雑費がまかなえることになりました。
支出のほうでは、他の不動資産の改修と設備投資にま
わすための借款と担保がほぼ90万フラン増加しました。
そのため、ゲーテアヌムの屋根修理とかシュライナライ
改修のための既存の基金のいくつかを解消することがで
きました。
表2を見てすぐにわかることは、収支ともに331万
フラン減ったことです。これは主に、2004年の収支
に大きな部分を占めたファウスト公演が終わったためで
す。同じことが職員の経費、催しと広告費についても言
えます。2004年より不動資産の減価償却が若干高く
なった(181万フランから355万フラン)のに対し、
基金への返済と建造物の費用は下がっています(164.2
万から87.5万フラン及び262.2万から232.3万
フラン)。これは、ルドルフ・シュタイナー・ハルデの
改修工事が2004年に完了したおかげです。
14
表3: 予算と実績
会費収入が2004年に比べて30万フラン増加した
ことは大変喜ばしいことです。この発展はイギリス、ス
ウェーデン、デンマーク、フィンランド、オランダらの
邦域協会の努力のおかげです。また、非常にありがたい
ことに、スペインの邦域協会から初めて会費が納められ
ました。
2005年には大きな改修工事がなかったため、建造
物のための寄付は明らかに下がりました。とはいっても、
自由意志からの寄付と遺贈が500万スイスフラン以上
寄せられました。そのうちの大口の一件が2005年の
末に大部分が振り込まれた200万スイスフランです。
この遺贈分は表2に載っています。このような気前の良
い経済的援助なしではゲーテアヌムの活動は不可能です。
このおかげで冒険的なプロジェクトを可能にする余裕が
生じるのです。収入の一番下にある利子収入、基金の解
消、その他の項は330.7万スイスフランをもたらしま
したが、そのおかげで昨年度は4.8万スイスフランの黒
字で決済することができました。
霊学自由大学
霊学自由大学は少ない予算で多面的な活動を展開して
います。11部門が2005年には202.7万フランの
予算を分け合いました。つまり、平均して1つの部門が
18.5万フランをもらい、それで人件費、研究費、管理費
をまかなったのです。2005年の支出実績の615.7万
フランのうちの約70%の407.8万フランが部門内
で集めた寄付、研究の依頼、出版活動、会議などの活動
によってまかなわれました。このことは部門の活力を証
明すると同時に、部門の責任者に大変な経済的負担がか
かっていることを意味します。将来的には、もっと堅実
な経済的援助を大学に与えていくことが必要です。既存
の収入源からはこれまで以上に、また新たな収入源を大
学の活動のために振り向けていくことに理事会と大学職
員会は力をくだいていきます。
普遍的アントロポゾフィー協会が部門に払っている額
は、過去5年間、ほぼ同額で来ました。2005年には
一般アントロポゾフィー部門にかかる経費を理事会の経
費から切り離し、再構成しました。つまり、理事会の経
費の半分をアントロポゾフィー協会の管理費に振り替え
たところ、こちらは経費が増えましたが、大学の総経費は
減りました。それに加えて、2つの部門(造形芸術と数
学・天文学部門)が、年間を通して、もしくは部分的に
空きがあったため、少ない経費で運営されました。また、
2003年以来、部門のプロジェクトは部門の一般予算
からは支払われていません。
2006年度予算の見通し
私たちは運営費を引き続き下げるため、多大な努力を
しました。管理費の低下は協会の体質問題の訴訟が終わ
ったこととも関係しています。舞台のための予算は、今
や、すべての芸術プロジェクトをカバーしています。こ
れによって経費がより効果的に管理されることを目指し
ています。
2006年1月に新しい分野として「ゲーテアヌムへ
の歓迎と催し」が設置され、活動を開始したので、その
ための予算も作られました。予算は少ないですが、この
分野に我々は大きな意義を見ています。年間15万人の
訪問者を迎えるゲーテアヌムのサービスを向上させるた
めに、大きなプロジェクトを予定しています:運営を再
構成することから始まり、職員研修、ゲーテアヌムの地
階の改装などを通して、出会いと会議の場としてのゲー
テアヌムを改善していきたいです。
昨年、理事会がグラスハウスの改修工事を決定しまし
た。第一ゲーテアヌムのステンドグラスを削るためにル
ドルフ・シュタイナーがデザインした、二つのドームを
抱くこの類なき木造建築はゲーテアヌムの敷地内でも建
築上の宝石であり、もう長年、根本的な改修を必要とし
ていました。改修工事が完了したら自然科学部門と農業
部門がグラスハウスに入り、それ以外にもセミナー空間、
研究室、事務所ができます。改修のための総出費は300万
表4: 2006年の予算
フランにのぼりますが、そのうちの250万フランは
2006年に、50万フランは2007年に計上されま
す。工事は2005年の11月に始まり、2006年の
クリスマスに完了する予定です。2005年に約束され
た遺贈の中から150万フランが2006年の経費にあ
てられます。この、大学の活動を支えると同時に文化史
上の遺産を維持するプロジェクトの経費をまかなうため、
個人ならびに諸基金から気前の良い寄付を募っています。
総出費の予算は2006年には2456.3万フラン
になり、1%以下の不足分しか含んでいません。主にグ
ラスハウスの改修工事のせいで年間予算は2005年よ
りも400万フラン高くなっています。
以上、会計報告を通じて普遍的アントロポゾフィー協
会の発展の様子を描くことに努めて参りましたが、それ
が将来においても、協会の新しいイニシアティヴ、存続
と維持に必要な資金が従来どおり自由意志から寄せられ
ることに役立つことを希望しています。
15
Allgemeine
Anthroposophische Gesellschaft
General Anthroposophical Society
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4143 Dornach 1, Schweiz/Switzerland
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VORSTAND AM GOETHEANUM
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Ägypten/Egypt
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Argentinien/Argentina
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Australien/Australia
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307 Sussex Street
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www.anthroposophyinaustralia.org
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Blackwood
Austria see Österreich
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Brasilien/Brazil
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www.aobg.org
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Canada see Kanada
Chile
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Casilla 22-11 de Nunoa
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Vaca Zeller
Rama 'Christophorus'
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Colombia see Kolumbien
Croatia see Kroatien
www.anthroposophie-muenchen.de
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Arbeitszentrum Nord
Mittelweg 11-12
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Rudolf Steiner Haus
Zur Uhlandshöhe 10
70188 Stuttgart
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Egypt see Ägypten
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60433 Frankfurt
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30173 Hannover
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Arbeitszentrum München
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Ekuador/Ecuador
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Urb. La Luz, Fr. Guarderas 354 y Ab. Montalvo
P.O. Box 17-04-10454, Quito
Tel. + 593 2 240 76 21
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Landesvertreter/Representative Sulev Ojap
Finnland/Finland
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Uudenmaankatu 25 A 4
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Generalsekretär/General Secretary Gudrun Cron
Georgien/Georgia
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0108 Tbilissi
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Landesvertreter/Representative Dr. Nodar
Belkania
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Germany see Deutschland
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Hawaii
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Honolulu, HI 96822
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Landesvertreter/Representative Van James
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Irland/Ireland
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Belfast Delivery BT18 9WT Northern Ireland
Tel./Fax +353 1 286 21 16
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Landesvertreter/Representative Michiel Brave
Island
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P.O.Box 953
121 Reykjavik
Tel. +354 4 86 60 22
skaftholt@simnet.is
Landesvertreter/Representative Gudfinnur Ellert Jakobsson
Israel
Elias-Zweig/Branch Elias, Jerusalem
Hanassi St. 6
92-188 Jerusalem
Tel. +972 2 563 31 65
Zweigleiter/Branch leader Eva Levy
Michael-Zweig/Branch Michael, Harduf
Kibbutz Harduf
17-930 D.N. Hamovil
Tel.+972-4-905 92 35
gershony@harduf.org.il
Sekretariat/Secretariat Sandra Gershony
Hillel-Zweig/Branch Hillel, Kiriat Tivon
Schoschanim 32
36-056 Kiriat Tivon
Tel. +972 4 983 20 67
giallon@bezeqint.net
Kontakt Stefanie Allon-Grob
Sophia Branch, Petach-Tikva
P.O.Box 2143
49121 Petach-Tikva
vierac@netvision.net.il
Zweigleiter/Branch leader Viera Cohen
Italien/Italy
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Via Privata Vasto 4
20121 Milano
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societa_antroposofica@fastwebnet.it
www.rudolfsteiner.it
Generalsekretär/General Secretary Dr. Stefano Pederiva
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Vorsitz/Chairman Tasuku Etschu
Takadanobaba 1-18-26-203
Shinjuku-ku
169-0075 Tokyo
Tel. / Fax +81 3 3205 9645
asj@gc5.so-net.ne.jp
www.anthroposophische-gesellschaft.jp
Anthroposophische Gesellschaft Japan
Vorsitz/Chairman Prof. Dr. Yuji Agematsu
Takaban 3-3-9 1F, Meguro-ku
152-0004 Tokyo
+81 3 3791 0073
anthroposophia@xqh.biglobe.ne.jp
Generalsekretär/General Secretary Prof. Yuji
Agematsu
Kanada/Canada
Anthroposophical Society in Canada
#8-9100 Bathurst St., Thornhill, ON L4J 8C7
Tel. +1 416 892 3656, Fax +1 905 889 3336
info@anthroposophy.ca
www.anthroposophy.ca
Generalsekretär/General Secretary Philip
Thatcher
Kolumbien/Columbia
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URESA Bloque 54, apto. 203
Cali, Valle
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Zweigleiter/Branch leader Silvia und/and Enrique de Castro
Rama Micael, Medellin
Calle 13 # 43D14
Medellin
Tel. +57 4 266 53 61
armm3@yahoo.com.ar
Zweigleiter/Branch leader Teresita Roldán de
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Kroatien/Croatia
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Baruna Trenka 4
10000 Zagreb
Tel / Fax +385 1 468 02 69
marijasofija@antropozofija.hr
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Zweigleiter/Branch leader Dr. Darko Znaor
Lettland/Latvia
Latvijas Antroposofiska Biedriba
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1021 Riga
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antroposofia@inbox.lv
Kontakt/Contact Uldis Savelievs
Litauen/Lithuania
Michael-Zweig/Branch Michael
Ateities 22-30
5300 Panevezys
Kontakt/Contact Jurate Lekstiene
Mexiko
Rama Juan de la Cruz
Tecla 46, Col. Los Reyes, Coyoacan
Mexico D.F. 04330
Tel. +52 5 617 68 54
Octavio_reyessalas@yahoo.de
oresal@servidor.unam.mx
Zweigleiter/Branch leader Dr. Octavio Reyes
Namibia
Anthroposophische Arbeitsgruppe in Namibia
Sekretariat/Secretariat M. Möller
P.O.Box 11359
NA-9000 Windhoek
Tel. +264 61 22 43 49
Fax +264 61 26 90 84
Neuseeland/New Zealand
Anthroposophical Society in New Zealand
18 Grants Road, Papanui, NZ-Christchurch
Tel. +64 3 354 44 47
hmulder@xtra.co.nz
www.anthroposophy.org.nz
Generalsekretär/General Secretary Hans van
Florenstein Mulder
Niederlande
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3701 CH Zeist
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Norwegen/Norway
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0260 Oslo
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www.antroposofi.no
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Österreich/Austria
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17
Philippinen/Philippines
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Polen/Poland
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Tel./ Fax +48-22-666 88 32
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Sweden see Schweden
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Schweiz
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4143 Dornach
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Serbien/Serbia
Antroposofski Kulturni Centar Beograd
Gandijeva 241
11070 Beograd
Tel. +381-11-158 135
vkecman@ptt.yu
Zweigleiter/Branch leader Vojislav Kecman
Slowakei/Slovakia
Slovenská Antropozofická Spoloãnost
Hattalova 12A
821 08 Bratislava
Tel. +421 2 4445 36 90-1
sasinka@eea.sk
www.antropozofia.sk
Landesvertreter/Representative Dr. Erich Sasinka
18
Switzerland see Schweiz
Thailand
Anthroposophical Group in Bangkok
27/789 Moo 3, Mooban Napalai, Sukhumvit Rd.
Bang Na, BKK 10260
Tel. +66 2 745 79 78 / 745 79 79
waldorfthai@hotmail.com
Zweigleiter/Branch leader Dr. Porn Panosot
Freie Hochschule für
Geisteswissenschaft
Postfach, CH-4143 Dornach 1
HOCHSCHULKOLLEGIUM
AM GOETHEANUM
Werner Barfod, Oliver Conradt, Nikolai Fuchs,
Michaela Glöckler, Johannes Kühl, Paul Mackay, Cornelius Pietzner, Bodo v. Plato, Sergej
Prokofieff, Martina Maria Sam, Virginia Sease,
Christof Wiechert, Elizabeth Wirsching, Heinz
Zimmermann
Allgemeine
Anthroposophische Sektion
Leitung:
Dr. Virginia Sease, Dr. Heinz Zimmermann, Paul
Mackay, Bodo v. Plato, Sergej Prokofieff, Cornelius Pietzner
Sekretariat
Tel. +41 61 706 42 42
Fax +41 61 706 43 14
sekretariat@goetheanum.org
Tschechien/Czech Republic
Anthroposofická spolecnost
Petrzilkova 2485/44
158 00 Praha 5 - StodÛlky
Tel./Fax +420 235 517 732
anthr.spol@volny.cz
www.anthroposof.org
Landesvertreter/Representative Jan Dostal
Arbeitsfelder
Studium der Anthroposophie und Meditation,
Menschenkunde: Heinz Zimmermann. Hierarchienlehre und Christologie: Virginia Sease,
Sergej Prokofieff. Reinkarnation und Karma:
Paul Mackay. Sozialgestaltung und -kompetenz: Cornelius Pietzner. Zeitgeistforschung und
Entwicklungsfragen: Bodo v. Plato
Ukraine
Anthroposophischer Zweig/Branch in Kiew
Ul. Tampere 17a
02105 Kiew
Tel. +380-44-572 89 93
info@michaeltime.org
www.michaeltime.org
Kontakt/Contact Sergej Kopyl
Studium am Goetheanum
Information: Ursula Seiler
Tel. +41 61 706 43 07
ursula.seiler@goetheanum.org
Ungarn/Hungary
Magyar Antropozófiai Társaság
Bimbó út 3 IV.2
1022 Budapest
Tel. +36 1 336 04 25
matszilagyi@freestart.hu
Landesvertreter/Representative Dr. Peter Szilágyi
Uruguay
Novalis-Zweig/Branch, Montevideo
Amazonas 1529
11400 Montevideo
Tel. +598 2 619 33 70
Zweigleiter/Branch leader Gisela Medina
USA
Anthroposophical Society in America
1923 Geddes Avenue
Ann Arbor, MI 48104-1797
Tel. +1 734 662 93 55
information@anthroposophy.org
www.anthroposophy.org
Generalsekretär/General Secretaries: Joan
Almon und MariJo Rogers
Mathematisch-Astronomische
Sektion
Leitung: Dr. Oliver Conradt
Tel. +41 61 706 42 20
mas@goetheanum.org
Mitarbeiter:
Georg Glöckler, Prof. Dr. Gerhard Kowol
Johannes Kepler-Sternwarte
Führungen: Michael Bader
Tel. +41 61 706 42 29
www.keplerwarte.ch
Medizinische Sektion
Leitung: Dr. med. Michaela Glöckler
Sekretariat: Grit Müller, Doris Balsiger
Tel. +41 61 706 42 90
am@medsektion-goetheanum.ch
www.medsektion-goetheanum.ch
Mitarbeiterinnen und Mitarbeiter: Rebekka
Fuchs (Tagungsmanagement), Dieter Fettel
(Finanzen/EDV), Giovanna Ruggia (Archiv),
Eva Handke, Stefan Langhammer (wiss. Assistenz), Dr. med. P. Heusser, Dr. med. P. Selg
(ehrenamtl. wiss. Mitarbeit)
Internationale Koordination Anthroposophische Medizin/IKAM
michaela.gloeckler@medsektiongoetheanum.ch
Naturwissenschaftliche Sektion
Leitung: Johannes Kühl
Sekretariat: Barbara Schmocker
Tel. +41 61 706 42 10
science@goetheanum.org
Forschungsinstitut:
Tel./Fax siehe Naturwissenschaftliche Sektion
Physik: Johannes Kühl, Dr. Georg Maier, Dr.
Florian Theilmann
Gentechnik: Dr. Johannes Wirz
Landschaftsökologie: Dr. Jochen Bockemühl,
Daniel Kuster
Heilpflanzenerkenntnis: Torsten Arncken, Dr.
Jochen Bockemühl
Botanik: Ruth Richter
Kristallisationslabor:
Haijo Knijpenga, Beatrix Waldburger
Tel. +41 61 706 43 63
kristallisation@goetheanum.org
Pädagogische Sektion
Leitung: Christof Wiechert
Sekretariat: Rita Marbach, Dorothee Prange
Tel. +41 61 706 43 73
paed.sektion@goetheanum.org
www.paedagogik-goetheanum.ch
Sektion für Bildende Künste
Leitung (ad interim): Paul Mackay
Tel. +41 61 706 42 65
sektion.bildende.kuenste@goetheanum.org
Mitarbeiter: Luigi Fiumara, Andrea Leubin,
Thorwald Thiersch
Jugendsektion (Sektion für das
Geistesstreben der Jugend)
Leitung: Elizabeth Wirsching
Sekretariat: Reinoud R. Meijer
Postfach, CH-4143 Dornach 1
Tel. +41 61 706 43 91
mail@youthsection.org
www.youthsection.org
Sektion für Landwirtschaft
Goetheanum
Wochenschrift „Das Goetheanum“
Postfach, CH-4143 Dornach 1
Die Allgemeine Anthroposophische Gesells-
Goetheanum-Geschäftsführung
Paul Mackay, Cornelius Pietzner, Bodo v. Plato,
Elizabeth Wirsching
chaft,
vertreten durch Paul Mackay, gibt wöchentlich
die von Rudolf Steiner 1921 gegründete Zeitschrift „Das Goetheanum. Wochenschrift für
Anthroposophie“ heraus. Für Gesellschaftsmitglieder umfasst diese auch die Beilage
„Nachrichten für Mitglieder. Was in der Anthroposophischen Gesellschaft vorgeht“.
Zehnmal jährlich erscheint in deutscher und
englischer Sprache „Anthroposophie weltweit“,
ebenfalls für Mitglieder.
Empfang und Veranstaltungen
Leitung: Christine Blanke
Information
Tel. +41 61 706 42 42
Fax +41 61 706 44 46
info@goetheanum.org
www.goetheanum.org
Tagungsbüro und Tickets
Roland Tüscher
Tickets: +41 61 706 44 44
tickets@goetheanum.org
Führungen
Tel. +41 61 706 42 42
Gästehäuser
Waltraud Frischknecht
Tel. +41 61 706 42 82
friedwart@goetheanum.org
Kommunikation
und Öffentlichkeit
Wolfgang Held
Tel. +41 61 706 42 61
kommunikation@goetheanum.org
Künstlerische Leitung
Eurythmie: Carina Schmid
Schauspiel/Theater: Torsten Blanke
Geschäftsführung: Thomas Didden
Sekretariat: Angela Wirth
Tel. +41 61 706 42 50
buehne@goetheanum.org
Die Goetheanum-Bühne gibt einen Veranstaltungskalender heraus; gleichzeitig erscheint
eine Übersicht über Kurse, Vorträge sowie
Ausstellungen am Goetheanum. Anmeldungen für kostenlose Zusendung der beiden Kalender nimmt das Sekretariat der
Goetheanum-Bühne gern entgegen.
Sektion für Redende und
Musizierende Künste
Bau-Administration
Sektion für Schöne
Wissenschaften
Leitung: Martina Maria Sam
Sekretariat: Hildegard Backhaus
Tel. +41 61 706 43 82
sektion.schoene.wissenschaften@
goetheanum.org
Mitarbeiterin: Christiane Haid
Sektion für Sozialwissenschaften
Leitung: Paul Mackay
Koordination: Ulrich Rösch
Sekretariat: Hannah Koskinen
Tel. +41 61 706 43 26
sektion.sozialwissenschaften@goetheanum.org
Verlag am Goetheanum
Leitung: Joseph Morel
Hügelweg 59, Postfach 131
CH-4143 Dornach 1
Tel. +41 61 706 42 00
verlag@goetheanum.org
www.vamg.ch
Finanzwesen
Goetheanum-Bühne
Leitung: Nikolai Fuchs
Sekretariat: Therese Jung, Karin Lundsgaard
Schaller
Tel. +41 61 706 42 12
sektion.landwirtschaft@goetheanum.org
Mitarbeiter: Dr. Manfred Klett, Stefan Mahlich,
Dr. Florian Leiber
Leitung: Werner Barfod
Sekretariat: Doris Bianchi
Postfach, CH-4143 Dornach 1
Tel. +41 61 706 43 12
srmk@goetheanum.org
Mitarbeiterinnen und Mitarbeiter: Michael
Kurz (Musik), Agnes Zehnter (Sprache/
Schauspiel), Dagmar Horstmann (Figurenspiel)
Redaktion: Sebastian Jüngel, Axel Mannigel,
Dietrich Rapp, Ursula Remund Fink, Michaela
Spaar. Geschäftsführung: Christian Peter
Postfach, CH-4143 Dornach 1
Tel. +41 61 706 44 64
Fax +41 61 706 44 65
info@dasgoetheanum.ch
www.dasgoetheanum.ch
Schatzmeister: Cornelius Pietzner
Sekretariat: Claudia Rordorf
Tel. +41 61 706 43 10
finanzwesen@goetheanum.org
www.aagfinanz.ch
Cafeteria und Speisehaus
Das vegetarische Restaurant
Dorneckstrasse 2, CH-4143 Dornach
Tel. +41 61 706 85 10
info@speisehaus.ch
www.speisehaus.ch
Leitung: John Herdin
Sekretariat: Monika Paul
Tel. +41 61 706 44 00
administration.bau@goetheanum.org
Buchhandlung am Goetheanum
Tel. +41 61 706 42 75
buchhandlung@goetheanum.org
Öffnungszeiten: Montag bis Freitag
9.00h-18.30h, Samstag: 9.00h-17.00h
Dokumentation
Leitung: Uwe Werner
Archiv:
Karin Rohrer, Peter Braithwaite
Tel. +41 61 706 42 63
dokumentation@goetheanum.org
Bibliothek:
Wilhelm Baumeier
Tel. +41 61 706 42 60
Öffnungszeiten
Dienstag bis Samstag 11h-15h
Kunstsammlung am Goetheanum:
Dino Wendtland
Tel. +41 61 706 42 85
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