熊谷組はチーム・マイナス6%に参加しています。 社 会・環 境 報 告 書 株式会社 熊谷組 CSR推進室 熊谷組グループ社会・環境報告書 “Green Activities”事務局 〒162-8557 東京都新宿区津久戸町 2 -1 TEL 03-3235-8114 FAX 03-5261-9665 URL http://www.kumagaigumi.co.jp/ e-mail info@ku.kumagaigumi.co.jp この報告書は、古紙配合率100%再生紙を使用し、アロマフリータイプの大豆油インク で印刷しています。また、印刷は有害廃液を出さない「水なし印刷」で行っています。 グリーン購入に取り組んでいます 2005年 6月発行 株式会社 熊谷組 ● 目 次 報告にあたっての基本的要件 ● 対象年度:2004年度 (2004年4月1日∼2005年3月31日) ※ただし、必要に応じ2005年4月以降の ごあいさつ 1 報告組織の概要 活動等も紹介しています。 報告範囲: (株)熊谷組(本社及び国内支店): 数値データと活動事例の紹介 事業概要 2 (株)熊谷組(海外):表彰事例等の紹介 これまでの経緯 4 (株)熊谷組グループ会社: 統治構造とマネジメントシステム EMS取り組み開始等の紹介 数値データの対象工事: 熊谷組単独工事と熊谷組が幹事会社で 経営の考え方 6 お客様満足度の向上 7 報告対象分野:環境側面、経済側面 企業倫理・コンプライアンス 8 直近の報告書発行:2004年7月 安全衛生管理の取り組み 10 品質マネジメントシステム(QMS)と 継続的改善 12 環境マネジメントシステム(EMS)と 継続的改善 14 および社会的側面 次回の報告書発行:2006年6月(予定) 編 集 方 針 ●本報告書は「環境報告書ガイドライン(2003年度版) 」 (環境省)に準拠しています。また、 「GRIガイドライン 2002」を参考にしています。 社会活動の報告 社会とのつながり あるJV工事 ●熊谷組は、 「お客様に感動を」をスローガンに掲げ、 16 安全、品質、環境NO.1を目指しています。本報告書の 一部では、 「環境」に対する取り組みだけでなく 「品質」 、 「安全」に対する取り組みも紹介しています。 快適な職場作り 17 表彰 21 しています。従来は環境面の報告が主体でしたが、 22 ●今回の報告書で新たに記載した内容は以下のとおり 展示会・新聞掲載記事・研究論文発表 社会とのコミュニケーション 24 環境負荷低減活動への取り組み ●今回の報告書では、 「社会・環境報告書」に名称を変更 今回より社会面の報告を始めました。 です。 1「統治構造とマネジメントシステム」 ・経営の考え方 ・お客様満足度の向上 環境保全活動の報告 環境負荷低減活動の総括 (目標・計画・実績) 株式会社 熊谷組 取締役社長 ・企業倫理・コンプライアンス 26 2「社会活動の報告」 ・社会とのつながり ・快適な職場づくり 28 ●社会面の報告を記載するにあたり、従来から記載して いた項目の範囲を拡大し、環境面だけでなく社会面の 内容も記載した項目は以下のとおりです。 データで見る環境影響とリサイクル活動 34 環境保全関係法令の遵守 環境保全技術 36 40 ●報告書の公開は、印刷版とインターネットで見る 環境会計 44 URL: 安全・品質・環境に配慮した事例 46 ①「社会活動の報告」 ・表彰 ・展示会・新聞掲載記事・研究論文発表 ・社会とのコミュニケーション WEB版の2つの方法で公開しています。 http://www.kumagaigumi.co.jp/topics/index_2.html ●今回は本報告書のダイジェスト版を作成しています。 近年、地球を取り巻く環境は悪化の一途をた どっており、社会的に環境問題はより身近なこ ととしてとらえられ、関心も日増しに高まって おります。そして、個人・企業を問わず、それ ぞれが担う責任、期待される役割もより大きい ものとなってきております。 私たち熊谷組は、社会における一員として、 環境問題に対して積極的に取り組むことの重要 性を認識し、循環型社会の構築に向けて様々な 取り組みを進めております。 熊谷組は、1997年、横浜支店において、建設 業界では初めてISO14000の認証を取得いたしま した。1999年に全支店で認証取得を完了、昨年 は認証を全社統合し、さらにグループ会社にも 拡大して環境活動への取り組みを順次強化して まいりました。 また、環境に配慮した独自の技術開発にも力 を入れており、「ネッコチップ工法」や「エコサ ウンドパネル」など、環境にやさしい数々の技 術が実用化されております。そして、開発した 技術は積極的に施工に取り入れ、工事施工に伴 う環境への負荷低減や環境保全に努めておりま す。 熊谷組では、このような環境への取り組みの他、 品質および安全についても重要な経営目標と認 識しております。品質については、「K−TOP S(Kumagai Total Open Process System)」 等、お客様や関係者への施工過程の積極的な公 開に取り組んでおり、様々な視点から施工状況 を確認することを通じて品質の向上に努めてお ります。また、安全については、当社独自の 「労働安全衛生マネジメントシステム」を構築し、 このシステムの運用により大幅に事故・災害を 減らすことに成功しております。熊谷組では、 「お客様に感動を」をスローガンに掲げており、 このスローガンの達成のために「安全・品質・ 環境NO.1」を目指しています。 これまでの5年間、安全・品質・環境に対する取 り組みを「環境報告書」としてまとめておりま したが、これに社会活動の報告を新たに加えて、 今回は「社会・環境報告書」として発行いたし ました。 2005年4月に社長直轄の組織としてCSR推進 室を設置し、環境保全活動の他、品質保証活動、 お客様満足度向上の推進活動を強化するととも に、社会をとりまくステークホルダーとのコミ ュニケーションを強化し、一層社会に貢献でき る企業を目指してまいります。 これまで企業やNPOのほか、熊谷組に関心を お持ちいただいた皆様から、熊谷組の取り組み に対して貴重なご意見をいただいております。 ここに深くお礼申し上げますとともに、皆様か らのご意見を真摯に受け止め、社会的に存在価 値のさらに高い企業を目指してまいりますので、 今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い 申し上げます。 2005年6月 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 01 【売上高】 (億円)※海外含む 【受注高】 (億円)※海外含む 社 報 告 組 織 の 概 要 不動産事業 10,000 創 業:1898年1月(明治31年) 設 立:1938年1月(昭和13年) 土木工事 9,000 土木工事 9,000 建築工事 建築工事 8,000 不動産事業 10,000 8,000 6,819 7,000 7,000 182 資 本 金:133億円(2005年3月) 事業内容:建設事業 4,278 4,288 239 217 1,553 1,587 2,757 4,435 126 2,486 30 3,000 2,218 2,000 1,024 789 1,253 1,429 2001 2002 2003 2004 (年度) 1,078 0 1,616 2000 992 グ 1,500 2001 2002 2003 ル 2004 (年度) ー 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム プ 【事業種類別売上高構成比】 【経常利益】 (億円)※海外含む ※2004年度売上高2,492億円(海外含む) 【完成工事高比率】 (2004年度) ※国内工事のみ (%) (億円) 79 80 90 80 27 60 70 50 40% 60% 建築工事 60 88 50 40 32 32 40 30 会 社 100 66 70 建設用機械、資機材、鉄鋼品の設計・製造販売を担当する建機事業部と連続地中 壁を核とした土木機械系施工の建設事業部を併せもった技術立社。 建築鉄骨建方治具の“建方エース(S,B,SRC)”のリース事業並びにタワークレー ン一括請負事業も展開。 ■ テクノスペース・クリエイツ(株) 代表取締役社長 戸次 康二 〒162-0824 東京都新宿区揚場町2-18 川島第一ビル3F tel:03-5227-3381 fax:03-5227-3385 CADと情報システムを活用した建築施工図、施工計画図作成など、施工段階で のソフトサービスを中心に、海外での作図業務も展開しています。 ■(株)ケイエヌ・ファシリティーズ 代表取締役社長 佐久間 茂夫 〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3-3-7 秋穂セントラルビル4F tel:03-5216-1011 fax:03-5216-1013 建造物のライフサイクルを視野に入れた付加価値の高い企画提案ときめ細やかな アフターサービスを実現する総合ビルメンテナンス会社です。 ■(株)ファテック 代表取締役社長 青野 孝行 〒162-8557 東京都新宿区津久戸町2-1 tel:03-3235-6269 fax:03-5261-9066 優れた技術を商品化して広く一般社会に提供する「技術商社」です。ネッコチッ プ工法、音環境・眺望のシミュレーション装置、電磁シールドボード等グループ が開発した最新の技術商品を取り扱っています。 ■(株)テクニカルサポート 代表取締役社長 今村 嘉人 〒162-8557 東京都新宿区津久戸町2-1 tel:03-3235-8131 fax:03-3267-0143 企業活動の様々な分野にスペシャリストを提供する人材派遣・人材紹介事業と、 給与計算・総務・経理事務等の事務代行事業によるビジネスサポートを展開して います。 ■ シーイーエヌソリューションズ(株) 代表取締役社長 土屋 健 〒105-0014 東京都港区芝2-31-25 NEC別館 tel:03-5439-9285 fax:03-5439-9286 熊谷組の豊富な建設業ノウハウと、NEC及びCACの最先端ITノウハウを融合し、 3社共同出資で設立された建設業界向け情報システム会社です。建設事業者に対 して情報システム、ネットワークシステムの構築、運用等のITソリューションを 提供しています。 民 間 ︵ % ︶ 73 30 官 公 庁 ︵ % ︶ ■(株)エコテクノ 代表取締役社長 中川 正俊 〒162-0824 東京都新宿区揚場町2-12 セントラルコーポラス 308号 tel:03-3260-3911 fax:03-3260-3906 土壌汚染対策および廃棄物対策のコンサルティングとエンジニアリングを主たる事業 分野とし、循環型社会への貢献を目指して、環境技術とノウハウを提供します。固有 技術では、熊谷組が開発したスーパーリサイクロンシステム(SRS)を活用した、 洗浄・分級システムの企画・設計・製作およびレンタル事業を展開しています。 20 土木工事 20 10 0 0 2000 2001 2002 2003 2004 (年度) 12 土木工事 建築工事 ※受注高等の実績にはグループ会社分は含みません。 主要な営業所等 環 境 保 全 活 動 の 報 告 ● 2004年度の状況 ● 達成させると共に、今年度を再建過程から再生・発展過 〒910-0006 福井市中央2丁目6番8号 TEL(0776)21-2700 〒162-8557 東京都新宿区津久戸町2番1号 TEL(03)3260-2111 北海道支店 〒060-0061 札幌市中央区南1条西6丁目 TEL(011)261-7271 東北支店 〒980-0822 仙台市青葉区立町26番20号 TEL(022)262-2811 首都圏支店 〒162-8557 東京都新宿区津久戸町2番1号 TEL(03)3260-4750 横浜支店 〒231-8321 横浜市中区桜木町1丁目1番67号 TEL(045)683-5111 名古屋支店 〒454-8507 名古屋市中川区西日置1丁目1番5号 TEL(052)331-3361 北陸支店 〒920-8721 金沢市小金町9番18号 TEL(076)253-3100 これを受け、当社は「競争力強化特別委員会」を同日 から大田弘に交代しました。市場縮小に伴う競争の激化 福井支店 〒910-0006 福井市中央2丁目6番8号 TEL(0776)21-2700 付設置し、 「構造改革3カ年計画」の確実な達成とともに、 等、建設業界を取り巻く環境は依然厳しい状況が続きま 関西支店 〒534-0024 大阪市都島区東野田町1丁目5番14号 TEL(06)6352-1151 新たな成長戦略等の体制の構築について検討を進めてい すが、コンパクトな組織であることを武器に、他社には 広島支店 〒730-0051 広島市中区大手町四丁目6番16号 TEL(082)241-3222 ます。 真似のできない迅速かつ質の高いサービスを提供し、お 四国支店 〒760-0078 高松市今里町1丁目22番9号 TEL(087)862-2011 九州支店 〒810-0074 福岡市中央区大手門一丁目4番1号 TEL(092)721-0011 技術研究所 〒300-2651 つくば市鬼ヶ窪1043番地 TEL(0298)47-7501 中国(上海、香港)、台湾、フィリピン、シンガポール、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 社 会 活 動 の 報 告 の目処はほぼついてきています。今後は本計画を確実に 東京本社 海 外 拠 点 02 計画最終年度である2006年3月期におきましても、達成 本店 スリランカ、パプアニューギニア 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 10 10 社 会 活 動 の 報 告 報 告 組 織 の 概 要 2,492 2,568 1,000 1,840 ■ テクノス(株) 代表取締役社長 永嶋 喜昭 〒442-0061 愛知県豊川市穂ノ原2-1 tel:0533-84-1111 fax:0533-82-1601 2,757 62 4,625 3,219 2,484 1,000 2000 1,741 2,307 115 802 2,000 0 3,027 4,000 4,000 3,000 5,000 建築、電気・衛生・空調設備のリニューアル&アフターケア専門会社として、ス トック・循環型社会に貢献する企業を目指しています。建物調査・点検、耐震診 断・耐震補強設計、長期修繕計画策定等、企画・設計から施工まで、大規模修繕 工事を含み総合的にプロデュースいたします。 257 2,012 5,000 ■ ケーアンドイー(株) 代表取締役社長 樋口 靖 〒162-8557 東京都新宿区津久戸町2-1 tel:03-3266-0573 fax:03-3266-8460 6,503 6,000 6,000 代 表 者:取締役社長 大田 弘 舗装工事、土木工事をメインに、上下水道、管工事、造園工事の調査、設計から 施工、維持まで幅広く対応しています。建設資材の製造販売も展開しています。 「ISO9001」を全支店にて取得しています。CO2対策や騒音対策など環境に配慮 した各種工法も用意しています。 (億円) (億円) 名:株式会社 熊谷組 ■(株)ガイアートT・K 代表取締役社長 藤井 利和 〒162-0814 東京都新宿区新小川町8-27 tel:03-5261-9211 fax:03-5261-9220 2004年4月以降の当社活動状況及び今後の見通し・方 向性について、説明します。 <経営統合の解消> 程へと転換する重要な年と位置付け、当社の更なる飛躍 に向けて、全社一丸となって邁進します。 <社長交代> 当社は、飛島建設株式会社と2005年4月の統合を目指 前述しましたとおり「経営構造改革3カ年計画」は順 して協議してきましたが、統合効果の早期実現は困難と 調に推移しておりますが、現在生まれつつある再建から の結論に達し、2004年11月に経営統合を見送ることを 再生への転換という流れを確たるものとすることを目的 決定しました。 として、2005年4月1日をもちまして、社長が鳥飼一俊 <経営構造改革3カ年計画> 当社は、2003年4月に「経営構造改革3カ年計画」を 環 境 保 全 活 動 の 報 告 客様にご満足いただくことを通じて、熊谷ブランドの構 築に努めます。そして、10年に亘る再建過程に終止符 策定し、推進していますが、お客様や株主、取引金融機 を打ち、再生・発展へと飛躍できるよう、新社長の下、 関等、皆様のお陰をもちまして、計画はこれまで順調に 全役職員が集結し、新たな気持ちで頑張りますので、皆 推移しています。コンパクトで効率的な組織の構築や利 様のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。 益水準の向上等、経営体質も大幅に改善されてきており、 業績面におきましても既に公表しています2005年3月期 では計画を上回って達成することができました。また、 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 03 熊谷組の安全、品質、環境の取り組みをはじめとしたこれまでの経緯を紹介します。 熊 事業の沿革 報 告 組 織 の 概 要 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 社 会 活 動 の 報 告 環 境 保 全 活 動 の 報 告 安全面の取り組み 谷 組 品質面の取り組み ・「地球環境保全委員会」設置(4月) ・「地球変動枠組み条約」採択 ・「地球環境サミット(リオデジャネイロ)」開催 ・品質保証全社標準類 改訂(10月) ・「地球環境保全に関する基本方針」「 、環境理念」「 、行動指針」を制定・発表(2月) ・「環境基本法」施行 ・「基本理念」を制定、発表 ・JAB(日本適合性認定協会)設立 ・環境保全技術ワーキンググループを設置し活動開始(10月) ・建設省「環境政策大綱」 ・建設省「建設副産物対策行動計画」 ・ISO9000s 改正 ・JIS Z 9000s 改正 ・COP-1(ベルリン) 1992 1993 ・経営理念策定 ・幕張プリンスホテル竣工 ・土木学会賞受賞(オーストラリア初の海底道路 トンネルの設計・施工) 1994 ・台湾=新光人壽摩天大楼竣工 ・BCS賞受賞(けいはんなプラザ・住友ホール) 1995 ・土木学会賞受賞(田中賞・バンコク第二高速道路) ・BCS賞受賞(東京海上東日本研修センター、 横浜ランドマークタワー) ・危機管理マニュアル制定(7月) ・『品質保証基本体系図および品質保証基本活動一覧表』改訂(1月) ・ISO9000s審査登録方針の決定(9月) ・環境マネジメントシステム導入の検討開始(1月) 1996 ・海外技術センターをシンガポールに新設 ・土木学会賞受賞(技術賞・北陸新幹線五里ヶ峰トンネル) ・BCS賞受賞(フェニックスリゾートシーガイア) ・インターネット・ホームページ開設 ・環境安全本部(平成3年10月工事総合本部安全部より)に名称変更(4月) ・環境安全本部を新設(4月) ・環境管理啓発ハンドブック発行(隔月発行Vol.1∼4) (6月) ・ISO14001の導入決定(7月) ・「ISO推進室」を支店に設置(10月) 1997 ・東京湾横断道路川崎トンネル浮島北貫通 ・香港西部海底トンネル開通 ・仙台空港新旅客ターミナルビル完成 ・土木学会賞受賞(技術賞・神田川・環状7号線地下調節池工事) ・常務松本良夫が社長、社長熊谷太一郎が会長にそれぞれ就任 ・職長会活動実施基準制定(3月) 1998 ・創業100周年を迎える ・土木学会賞受賞(田中賞・汲水門大橋、明石海峡大橋、 伊勢湾岸自動車道名港大橋[西大橋]) ・BCS賞受賞(メディアパーク) ・安全衛生パトロール実施基準制定(4月) ・安全衛生パトロールデータシステム、災害分析データシステム の構築、運用(4月) ・各種基準制定(掘削・型枠支保工・コンクリート工作物解体鉄骨 建方安全基準等) (8月) ・特定工種の安全先行管理実施基準制定(10月) ・安全通達集(通達編・基準編)の作成、配付(12月) ・本社に品質保証部、東京支店にISO推進室を設置(1月) ・香港営業所が ISO9001認証取得(2月) ・各支店に ISO推進室を設置(東京支店は設置済) (10月) ・台湾の現地法人「華熊営造」がISO9002認証取得(12月) ・「東京支店+設計本部」ISO9001認証取得(12月) ・「北関東、北陸、名古屋、大阪の各支店+設計本部」 ISO9001認証取得(8月) ・「東関東支店+設計本部」ISO9001認証取得(9月) ・シンガポール営業所がISO9002(建築部門)認証取得(10月) ・「神戸、東北の各支店+設計本部」ISO9001認証取得(11月) ・「広島、北海道の各支店+設計本部」 ISO9001認証取得(12月) ・「四国、九州の各支店+設計本部」 ISO9001認証取得(12月) ・「横浜支店+設計本部」ISO9001認証取得(7月) 1999 ・土木学会賞受賞(田中賞・来島大橋) ・厚生労働省OHSMSに関する指針の発表(4月) ・労働安全衛生マネジメントシステム導入・展開(10月) (システム文書の構成内容) Vol.1 安全衛生管理規程、 マニュアル、標準類OSHMSに関する 解釈例規作業所におけるOSHMSフローの標準的な例 Vol.2 その他システムに関連する基準等の文書 Vol.3 社内安全衛生基準類、 支店安全衛生基準類 ・職長選定基準制定(10月) ・建設業労働災害防止協会がガイドラインを作成、 公表(11月) 2000 ・副社長鳥飼一俊が社長に就任 ・安全衛生管理規定(平成3年制定)改訂 (4月) ・本社安全衛生大会開催(4月)<以後毎年開催> ・安全衛生協力会全国組織で発足 (3月) ・足場基準制定(8月) 建設業界ほか社会の動き 環境面の取り組み ・『全社品質保証規程』制定(1月) ・『品質保証基本体系図および品質保証基本活動一覧表』改訂 (4月) ・オーストラリア=シドニーハーバートンネル開通 ・BCS賞受賞(東京都庁舎、横浜ビジネスパーク) ・イントラネットを使った建設副産物管理システム運用開始(4月) ・「エコサウンドパネル」 (リサイクル資材を用いた防音壁)が 旧建設省の「建設技術評価」の認定を取得(6月) ・横浜支店、建設業界で初めてJAB認定機関によりISO14001審査登録(10月) 報 告 組 織 の 概 要 ・阪神大震災 ・COP-2(ジュネーブ) ・環境マネジメントシステム導入の検討開始(1月) ・建設10団体「建設産業環境行動ビジョン」 ・建設省関東地建が、ISO9000s適用のパイロット工事を発表 ・香港政庁管轄の公共工事入札にISO9000s認証取得が必須条件となる ・COP-3(京都) ・建設省「建設リサイクル推進計画 ’ 97 ・経団連「環境自主行動計画」 ・オランダが公共工事入札にISO9001、9002の認証取得を義務付ける ・地球環境推進室、品質環境マネジメント室を本社に設置(1月) ・「地球環境保全活動基本計画(1998)」を策定(4月) ・「環境配慮設計チェックシート」の試行開始(設計本部) (6月) ・東京、大阪支店ISO14001審査登録(10月) ・名古屋、北陸支店ISO14001審査登録(11月) ・北関東支店ISO14001審査登録(12月) ・環境負荷削減に関する全社目標の設定(12月) ・COP-4(ブエノスアイレス) ・「地球温暖化対策推進大綱」 ・建設3団体「建設業の環境保全自主行動計画」第二版 ・JIS Z 9000s 改正 ・「住宅本部」ISO9002認証取得(6月) ・シンガポール営業所がISO9002(土建)認証取得(6月) ・インドネシア営業所がISO9002認証取得 (11月) ・ロンドン営業所がISO9002認証取得 (12月) ・台湾営業所がISO9002認証取得(12月) ・「東京支店+設計本部」ISO9001更新登録(12月) ・東関東、神戸支店ISO14001審査登録(1月) ・環境事業プロジェクト部の新設(1月) ・東北、広島支店ISO14001審査登録(2月) ・北海道、四国、九州支店ISO14001審査登録(3月) ・「ネッコチップ工法」 (伐採木のリサイクル工法)が (財)先端建設技術センターの「技術審査証明」を取得(3月) ・COP-5(ボン) ・改正省エネルギー法施行 ・PRTR法施行 ・シンガポールの公共工事入札にISO9000s認証取得が必須条件となる ・内部安全衛生監査員教育の実施 14回(340名) (2月) ・安全本部に名称変更となる(4月) ・マニュアル・標準類(Vol.1)の見直し開始及び第2版の配付 (6月) ・その他システムに関連する基準等の文書(Vol.2) の見直し及び第2版の配付 (12月) ・建災防システム構築担当者研修講座講師派遣 ・「北関東、北陸、名古屋、大阪の各支店+設計本部」 ISO9001更新登録(6月) ・「東関東支店+設計本部」ISO9001更新登録(7月) ・「神戸、東北の各支店+設計本部」ISO9001更新登録 (9月) ・「広島、北海道の各支店+設計本部」ISO9001更新登録 (10月) ・「四国、九州の各支店+設計本部」ISO9001更新登録(11月) ・「地球環境保全活動基本計画(1999)」を策定(8月) ・グリーン購買活動ガイドライン制定(2月) ・品質・環境管理部に改組(4月) ・環境事業団「H12次世代廃棄物処理技術基盤整備」助成事業入選(7月) ・響灘環境技術研究所を新設(8月) ・「Green Activities2000」発行(9月) ・SRSによる油汚染土壌浄化技術完成(11月) ・長野オリンピック ・COP-6(ハーグ) ・循環型社会形成推進基本法制定 ・建設リサイクル法制定 ・グリーン購入法制定 ・ISO9000s改正<ISO 9001:2000発行> ・JIS Z 9000s 改正→JIS Q 9001:2000発行 ・住宅品確法施行 ・建設省ISO9000s適用案件(対象工事36件)を発表 2001 ・上越市市民プラザがオープン(我社国内初PFI事業) ・資本金減少(約820億円→約334億円/3月末) ・第二東名高速道路浜松トンネル西工事、TBMの月進日本記録 樹立(809.5 m) ・グッドデザイン賞受賞(階段室型共同住宅用エレベータ、 (金賞)せんだいメディアテーク、 都営地下鉄大江戸線飯田橋駅工区 ・内部安全衛生監査員教育の実施(6回) (140名) (5月) ・我が社の安全衛生管理について(建設の安全に掲載)その1∼その6 ・建災防システム構築担当者研修講座講師派遣 ・海外工事における安全パトロールの開始 ・東京、北関東、東関東、横浜の各支店と住宅本部が統合した 首都圏支社のISO9001拡大登録(7月) ・大阪、神戸、四国の各支店が統合した関西支社のISO9001 拡大登録(9月) ・NEDOより「環境負荷低減汚染土壌浄化技術の開発」を受託(3月) ・北関東、東関東、東京、横浜支店を首都圏支社としてISO14001 拡大登録(4月) ・大阪、神戸及び四国支店を関西支社としてISO14001拡大登録(5月) ・グリーン購買活動ガイドラインをグリーン購買要領に名称変更(9月) ・グリーン購買対象品目の選定品目を追加(建設用資材、機械など14品目を選定) (9月) ・「Green Activities2001」発行(9月) ・名古屋及び北陸支店がISO14001の登録を更新(第1回目) (10月) ・「地球環境保全活動基本計画(2001)」を策定(12月) ・COP-6再開会合(ボン) ・COP-7(マラケシュ) ・「環境省」発足 ・建設リサイクル法基本方針策定 ・環境省、環境報告書ガイドライン、環境パフォーマンス指標策定 2002 ・平成14年3月期(65期)決算連結決算9期ぶり黒字化、 有利子負債大幅圧縮 ・BCS賞受賞(せんだいメディアテーク) ・経営トップパトロールの開始(2月) ・基準文書等の新規作成、 改訂文書の作成及び配付(4月) ・内部安全衛生監査員教育の実施 4回(80名)(6月) ・社内安全衛生基準 (Vol.3)の見直し及び第2版の配布 (12月) ・建災防システム構築担当者研修講座講師派遣 ・我が社の安全衛生管理について(建設の安全に掲載)その7∼その8 ・システム成否のカギを握る専門工事業者の位置付けと取組み (建設労務安全の取材) (10月) ・ISO9001:2000対応のQMS運用開始(4月) ・関西支店がISO9001:2000移行登録(10月) ・名古屋、北陸の各支店がISO9001:2000移行登録(11月) ・北海道、東北、首都圏、広島、九州の各支店がISO9001:2000移行登録(12月) ・広島、東北及び北海道支店がISO14001の登録を更新(第1回目) (1月) ・九州支店がISO14001の登録を更新(第1回目) (2月) ・「Green Activities2002」発行(9月) ・環境省「環境会計ガイドライン2002年版」策定 ・フロン回収破壊法施行 ・建設リサイクル法全面施行 ・国土交通省「建設リサイクル推進計画2002」策定 ・京都議定書(COP-3)の受諾を閣議決定 ・「持続可能な開発に関する世界サミット」 (ヨハネスブルグ) ・COP-8(ニューデリー) 2003 ・第12回BELCA賞「ベストリフォーム部門」受賞 (上越市民プラザ) ・経営構造改革3カ年計画策定 ・「TAIPEI101」が世界最高508メートルに到達 ・新規基準文書(Vol.2)追加配布(4月) ・建災防システム構築担当者研修講座講師派遣 ・経営トップ(社長)パトロールの取材(安全スタッフ掲載) (2月) ・海外工事部研修開催(4回) ・スリランカでの安全衛生講習会開催 (7、12月) ・安全環境統括部に名称変更(10月) ・グリーン購買対象品目の選定品目を追加 (建設汚泥から再生した処理土、土工用水砕スラグなど29品目を追加し、合計43品目選定) (2月) ・「地球環境保全活動基本計画(第4版)」を策定(2月) ・品質・環境管理部を経営企画部 品質環境マネジメントグループに改組(7月) ・「Green Activities2003」発行(10月) ・土壌汚染対策法施行 ・建設3団体「建設業の環境保全自主行動計画」 (第3版) ・COP-9(ミラノ) 2004 ・「TAIPEI101」がグランドオープン ・新規基準文書、通達等の取り込みによる基準文書(Vol.2・3)の配布(10月) ・建災防システム構築、内部システム監査担当者講座講師派遣 ・海外工事における安全衛生管理について (建設の安全に掲載) その1∼その2 ・熊谷組に見る成功のヒント(安全スタッフ取材) (3月) ・海外工事部研修開催(8回) ・K-TOPS活動開始(4月) ・全社統合QMS(ISO9001:2000対応)運用開始(5月) ・新EMS(全社統合)運用開始(4月) ・「Green Activities2004」発行(7月) ・全社一元化 ISO14001審査登録(10月) ・環境省、環境報告書ガイドライン(2003年度版) ・COP-10(ブエノスアイレス) ・国土交通省、ISO9000適用の試行工事を止め、一般競争入札方式のすべてを工事対象とする取り扱いに拡大 ・ISO14001:2004発行 2005 ・常務取締役大田弘が社長に就任 ・新規基準文書及び改訂文書・帳票の送付(4月) (Vol.1・2) ・建災防システム構築、内部システム監査担当者講座講師派遣 ・海外工事で感じたこと(建設の安全に掲載) ・海外工事部研修(1回) ・全社一元化 ISO9001認証登録(1月) ・グループ会社EMS運用開始(4月) ・京都議定書発効 ・公共工事品確法施行 04 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 ・アメリカ同時多発テロ 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 社 会 活 動 の 報 告 ・ワールドカップサッカー日韓共同開催 環 境 保 全 活 動 の 報 告 ・「愛・地球博」開催 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 05 お客様満足度の向上 社訓・経営理念 報 告 組 織 の 概 要 ■ お客様に対する基本的考え方 ■ 工事現場の積極的な公開 「お客様に感動を」を目指して、世代を超えて 総合力を発揮し、末永くお客様に喜んでいただけ るモノづくりに励んでいます。 工事中でなければご確認いただけない施工途 中のプロセスを、発注者の皆様、関係者の皆様 に公開して好評をいただいています。この活動 を当社ではK-TOPS(Kumagai Total Open Process System)と呼んでいます。 今までも定例会議等で工事現場をご案内する 機会はありましたが、限定された一部の方が対 象でした。そこで当社では、現場で行う検査や 試験への立会いを依頼したり、共同住宅では居 住者、教育施設であれば教師や学生、医療施設 では医師や看護士など建物完成後に実際利用さ れる方への現場見学会や説明会を積極的に開催 しています。 K-TOPSを通じ、工事現場の作業員も今まで以 上にお客様の目を意識するようになり、安全・品 質・環境への取り組みの加速につながっていま す。 ■ 24時間対応の建物相談窓口 豊かな人間生活の実現に向けて、熊谷組は建 設分野においてその役割の一端を担っています。 熊谷組は「お客様に感動を」をスローガンとし て、徹底した顧客志向のもと、もの造りに尽力 しておりますが、一方で建設行為は必然的に自 然の形状変更を伴うものでもあります。熊谷組 は常に人間の社会活動と自然環境保護の接点に 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 存在していることを認識したうえで、企業活動 を推進しなければならないと考えています。建 設に関する様々な技術を統合し、総合力をもっ てその使命を果たし、社会に貢献することを通 じて、皆様から信頼される企業集団の確立を図 ってまいります。 コーポレート・ガバナンス 社 会 活 動 の 報 告 建物についての不具合が発生したときや建物 の改修などの相談を承る建物相談窓口が全支店 に設置されています。この相談窓口は通常の勤 務時間内だけでなく夜間そして休日も応対でき るように24時間体制を維持しています。 また相談窓口という役割だけではなく不具合の 発生状況によっては、お客様のところへ直ちに伺 うという緊急出動の体制も兼ね備えています。 ■ お客様の声アンケート 建物をお客様に引き渡してから3年経過した時 点で、「お客様の声アンケート」を実施していま す。このアンケートでは3年経過して気付いた建 物の使い勝手の悪さや不具合の状況を教えてい ただくことと、当社のお客様への対応の様子な どをお伺いしています。このアンケートではお 客様からの回答を頂くたびに内容を確認し社内 への展開を図るとともに、必要に応じて業務の 改善施策へと反映させています。 報 告 組 織 の 概 要 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム <K-TOPSの事例> ◆立命館大学BKC学生交流施設(仮称)建築工事 社 会 活 動 の 報 告 杭工事プロセス見学会 日 時:2004年6月 対象者:建築系学生 ■ メールマガジンの発行 環 境 保 全 活 動 の 報 告 熊谷組では、取締役7名で構成する取締役会に おいて事業戦略の決定および監督を実施してお り、4名の監査役(うち2名が社外監査役)で構成す る監査役会により監査を実施しております。また、 取締役7名と執行役員2名で構成する経営会議に おいて経営理念や経営方針、経営計画等の事項を 06 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 決定しております。その他、コンプライアンス体 制を強化するため、社外委員等で構成する「法遵 守監査委員会」(8、9ページ参照)を設置する他、 監査室、法務コンプライアンス部を設置し、定期 的に業務監査並びに社員教育を実施しており、そ の結果は適時社長に報告されます。 お客様満足度を向上する活動の定着を目指し、 お客様満足度向上に対する社員の意識を高める ために、メールマガジンを全社員対象に定期的 に月2回発行しており、社員から多くの反響があ ります。最近のメールマガジン記事のタイトル を紹介します。 ・プロセス価値がお客様の感動を生み出す ・主語がお客様になっていますか ・2番目のアフターサービス 設備工事プロセス実演・見学会 日 時:2004年11月 対象者:建築系学生 施設利用者プロセス見学会 日 時:2004年12月 対象者:大学自治会 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 07 環 境 保 全 活 動 の 報 告 熊谷組では、企業市民としての自覚と責任を持ち、品位を重んじた行動により、社会に評価される企 業集団を目指すことを経営理念として掲げ、これに基づき、企業倫理を確立し、法令遵守経営を強く推 進することを広く内外に宣言しております。 報 告 組 織 の 概 要 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム ●「熊谷組行動指針」による企業市民宣言 ● 当社は、企業市民としての自覚と責任を持ち、 品位を重んじた行動により社会に評価される企 業集団を目指すことを経営理念の一つとして掲 げております。 そのため当社では、1998年に「熊谷組行動指 針」を制定し、企業としての「行動理念」なら びに個々の社員における「行動基準」を定め、 「企業市民」として、お客様、株主様、地域社会 はもちろんのこと、当社の事業活動にかかわり をもつすべての関係者にとって存在価値の高い 企業であり続けることを常に行動の基本に置き ながら企業活動を実践しております。 ● 法遵守監査委員会 ● 当社では、CSR(企業の社会的責任)の一 環として、2002年6月に、弁護士等の社外有識 者および常勤監査役等で構成される「法遵守監 査委員会」を設置しております。 同委員会は、当社の業務執行に対する客観的 かつ専門的見地からの監視・指導ならびに必要 に応じて経営会議等に対する是正勧告を行うと ともに、当社の協力業者親睦団体(熊土会、熊 建会)及びグループ各企業からの非公開・匿名 による情報提供・相談受付けを行っており、こ れにより、不正・不法行為の未然防止に努めて おります。 社 会 活 動 の 報 告 環 境 保 全 活 動 の 報 告 ● 法務コンプライアンス部 ● 当社では、2002年12月、法遵守監査委員会か らなされた「企業倫理を遵守する経営の実現に 向けた提言」を受け、全社的な法令遵守体制の 整備と法務支援を実施するため、2003年2月、 法務コンプライアンス部を設置いたしました。 08 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 法務コンプライアンス部は、当社が常に社会 全体にとって存在意義をもった企業でありつづ けるために、企業倫理遵守を大前提とした積極 果敢な事業活動を行えるよう、全役員・社員を 対象として企業倫理遵守と法務リスク低減に関 しての全社的な体制整備と事前防止等の諸支援 を行うとともに、法遵守監査委員会の事務局と して同委員会からの提言の具現化に向けて各種 の業務を推進する役割を担っております。 ● 当社のコンプライアンス体制 ● 当社のコンプライアンス体制は、本支店各部 署による自律機能、管理本部その他の専門部署 による支援機能、監査室による監査機能、以上3 つの内部機能を中心に成り立っております。 具体的には、本社・支店の各部署が、事前判 断を徹底の上、自律機能として法令を遵守し、 これを、管理本部その他の専門部署が支援機能 として法務支援を行い、そして、これらの状況 支援機能 管理本部外 当社のコンプライアンス体制 指示 ● 法遵守強化月間 ● 当社では、毎年10月を「法遵守強化月間」と して位置付け、法遵守に対する取り組みを強化 しております。 今日、企業が存続・繁栄していくためには企 業として関係法令を遵守した活動を行うことが 当然に求められております。 法遵守強化月間は、「企業市民としての自覚と 責任を持ち、社会に評価される企業集団を目指 す。」との当社の経営理念を確実に実践していく ため、一つの節目として強化月間を制定するこ とにより、社員一人ひとりが法遵守に対して、 認識を新たにし、法遵守に基づいた行動基準を 確立することをねらいとして毎年継続実施され るものです。 を監査室が監査機能として事後的に監査を実施 することにより、法令違反の早期発見・未然防 止に努めております。 また、それに加えて、経営からの独立組織と しての法遵守監査委員会が、外部ステークホル ダーの観点で定期的に評価を行い、不具合があ れば経営に対して勧告するという体制をとって おります。 全社的な法遵守 体制の整備と法 務支援 外部評価機能 法遵守監査委員会 社外の目で評価 体 制 整 備 と 法 務 支 援 自律機能 勧 告 経 営 指 示 事前判断の徹底 監査室 監査結果報告 厳正な監査 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 法遵守システム の維持整備、業 務遂行部門の法 務支援 業務遂行過程の 法遵守チェック は、部門長指揮 下、各部署の責 任で実施 本支店各部署 監査機能 報 告 組 織 の 概 要 監 査 の 実 施 と 是 正 社 会 活 動 の 報 告 業務全般にわた る監査実施並び に監査結果の経 営への報告、是 正勧告 ● コンプライアンス・プログラム ● ● 個人情報の保護 ● 当社では、2004年度における法遵守強化月間 の取り組みとして、法令遵守経営を徹底するた め、新たに「コンプライアンス・プログラム」 を策定し、同年10月1日から導入しております。 コンプライアンス・プログラムは、当社がこ れまで制定したコンプライアンスに関する規程、 マニュアル類、教育資料等を再編集し、更に法 令遵守強化のための社内規程、行動ルール等を 盛り込み、一体化を図ったものです。 2005年4月1日からの個人情報保護法の全面施 行に伴い、当社においても、それに向けた社内 体制の整備を図っております。 具体的には、各種の基本ルール(基本理念、 個人情報保護方針、個人情報保護規程等)を制 定するとともに、同法の定める法定公表事項を 当社のホームページ上に掲載したほか、社内組 織として、個人情報管理責任者、個人情報管理 担当者および監査責任者を選任・配置し、株主、 社員その他当社に関係するすべての方々の個人 情報の適切な取扱い及び保護に対する取り組み をしております。 また、個人情報保護法対応マニュアルを策 定・導入し、これを全社員に展開するなどして 個人情報の保護に努めております。 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 09 環 境 保 全 活 動 の 報 告 業界トップを切っての労働安全衛生マネジメントシステムの導入 労働災害発生率の減少 当社では、企業としての社会的責任(CSR)を積極的に果たすため、1998年より労働安全衛生 マネジメントシステムの構築に取り組み、1999年よりシステムを運用しています。これは、1999年 に厚生労働省が指針を公表し、これを受けて建設業労働災害防止協会はガイドライン(COHSMSガ イドライン)を公表していますので、これに準拠して、業界トップを切り導入したものです。 報 告 組 織 の 概 要 報 告 組 織 の 概 要 度数率(災害発生率)比較 ◎ 安全衛生方針 ◎ 安全衛生理念 1.8 会社は、人命の尊重を最優 先し、専門工事業者と一体 となり、働く者一人ひとり の安全の確保と健康の増進 を図るとともに快適な職場 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム システム導入以来、労働災害発生率(度数率) が大幅に減少しています。労働災害の発生率の 推移について、建設業などと比較しました。 環境を確立し、全社員が一 致協力して高い安全衛生管 理水準の維持に努め、生産 性の向上に資する。 熊谷組は、安全衛生マネジメントシステムを導入し、安全衛生理念に基づき、全社の事業活動におい て安全衛生活動を積極的に推進し、労働災害の防止、健康の増進及び快適な職場環境の形成を図り、生 産性の向上に資することとする。ここに安全衛生マネジメントシステムの導入に際し、以下の事項を表 明する。 1.安全衛生マネジメントシステムによる安全衛生管理活動を事業展開の中で重要業務に位置づけ、継 続、維持を図る。 2.安全衛生マネジメントシステムを適切に実施及び運用し、安全衛生目標を達成するため、必要な経 営資源を提供する。 3.安全衛生関係法規、社内安全衛生基準及びその他基準等に定める事項を遵守し、安全衛生管理技術 の一層の向上を図る。 4.社員の協力を得ながら、安全衛生マネジメントシステムの実施及び運用を積極的に推進するため、 社員に対して責任と権限を付与する。 5.社員及び専門工事業者に対し安全衛生教育及び訓練を継続的に行う。 安全衛生マネジメントシステムの定期的な見直しを行う。 この安全衛生方針に基づき、全社にわたり安全衛生管理活動を展開し、企業としての社会的責務を果 たすこととする。 株式会社熊谷組 取締役社長 大田 弘 安全衛生管理計画 当社の安全衛生水準の向上を目指し、安全衛生管理計画を定め実施しています。なお、各支店でも 安全衛生管理計画を作成、実施・展開を図っています。 1.6 1.4 1.2 1 0.8 0.6 全建設業 0.4 0.2 0 熊谷組 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 *熊谷組は年度集計(4月から3月)、他は年集計(1月から12月の集計) *全建設業度数率は、厚生労働省平成16年度版よりの資料 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 「災害8割減達成企業」として業界紙で特集(労働新聞社刊) 安全実績(2004年度) 度数率 0.23 災害発生件数 6件 死亡災害 0件 経営トップによるパトロールの実施 経営トップが全国の作業所に伺い安全を最優先する会社の方針を、直接作業員の皆さんに話され ています。 経営トップによる年度末作業所巡視 ◆2005年度 安全衛生管理計画書(本社) 社 会 活 動 の 報 告 基本方針策定の背景 基本方針 目標 1.災害発生率(度数率)の下げ止まり状況を打破すべく、経営構造 改革3ヵ年計画・最終年度の安全強化施策実施事項の展開を図る 2.危険又は有害要因の特定 1 墜落・建設機械災害(不休災害を含み)が依然として直近5期・2期とも 上位に特定され、システムを展開して5年が経過しても三大災害の除 去・低減に至っていない 2 工事の小規模化及びリニューアル工事の増加に伴う実施基準の展開が 進んでいない 3 安全先行管理の不備による災害、遵法精神の欠如による法違反災害が 発生している 4 特定の支店に災害が集中している 3.各種点検・システム監査等における分析結果 当社の安全衛生理念、安全衛生方針、安全強化施策に基づ き安全衛生協力会との連携により、遵法精神・安全先行管 理の徹底を図る。専門工事業者と一体となった安全衛生マ ネジメントシステムを再構築し、安全衛生管理水準の更な る向上を目指し、企業としての社会的責任を果たす。 休業災害 1 安全衛生パトロールにおいて、指摘率では墜落(37%)管理体制(22%)が 多く、特に開口部(12%)作業床(9%)安全通路(7%)安全表示(7%)が突出し、 潜在的危険性が依然残存しており、パトロール実施方法等の強化が必要 である 2 システム教育・システム監査が不充分のため、社員のマネジメントシス テムの理解不足が見られる 3 専門工事業者への指導不足のため、自主管理能力の向上が図れていない 環 境 保 全 活 動 の 報 告 1.危険又は有害要因及び実施事項を的確に特定し、各部 署での実践により、災害の根絶を図る 2.ラインアンドスタッフ管理体制のより一層の充実を図 り、元請管理要因による災害・事故の根絶を図る 3.専門工事業者と一体化した安全衛生マネジメントシス テムを再構築し、管理要因・不安全行動による災害の 根絶を図る (1)危険又は有害要因の特定及び実施事項一覧表 危険又は有害要因の特定(OSH-06-02) 1.車両系建設機械(バックホー等)・ クレーン等における災害 直 接 2.リニューアル工事(諸口・瑕疵工事・コンバージ ョン工事、解体工事を含む)に係わる災害 要 3.開口部・足場・トップライトからの 因 墜落災害 間 4.安全衛生マネジメントシステムの 接 展開不足(遵法精神・安全先行管理の徹底不足) 要 因 10 実 施 事 項 (1)車両系建設機械(バックホー等)・クレーン等に 係わる災害の防止 1車両系建設機械(バックホー)に係わる災害の防止 2クレーン等に係わる災害の防止 (1)リニューアル工事に係わる災害の防止 (1)中低所からの墜落災害撲滅運動の展開 1開口部からの墜落災害防止 2内外部足場からの墜落災害防止 (2)トップライトからの墜落災害防止 (3)KST運動の展開 (1)元請・専門工事業者が一体となるシステム の構築・展開 熊谷組グループ環境報告書 Green Activities 2005 社 会 活 動 の 報 告 『0』 危険又は有害要因の特定(OSH-06-02) 4. 安全衛生マネジメントシステムの 展開不足(遵法精神・安全先行管理の徹底不足) 間 接 要 5.専門工事業者の自主管理能力不足 因 6.特定の支店に災害が集中した 支店特有の危険又は有害要因の特定 (支店で決定) 実 施 事 項 鳥飼社長(当時) 九州 玉名トンネル 海外スタッフの国内研修 海外社員及びローカルスタッフの研修を行 い、国内の現場を見学することにより、各国 の安全衛生水準の向上を図っています。写真 では、ベトナム・香港・台湾のローカルスタッ フ8名が参加しました。 山口副社長 北陸 高峰トンネル 建災防全国大会での講演 当社の安全衛生マネジメントシステムの運 用効果を、実績と併せて発表しました。 環 境 保 全 活 動 の 報 告 (2)ラインアンドスタッフ管理体制の充実 1社員教育の充実 2システム教育・システム監査の充実 3施工計画検討会(施工計画変更時を含む) の充実及び施工中の点検・確認 4安全衛生パトロール実施方法の充実 (1)専門工事業者の自主管理能力の更なる向上 1職長選定基準の拡大 2職長,作業員教育の充実 3職長会活動の更なる展開 (1)重点指定支店の指定 重点実施事項 (支店で決定) 全国建設業労働災害防止大会での講演 海外スタッフへの安全衛生教育の実施(第12回) 「我が社のOSHMSの運用効果」 熊谷組グループ環境報告書 Green Activities 2005 11 品質保証部門の役割と責任 当社の品質マネジメントシステム(QMS)は、 品質の国際規格であるISO9001:2000(JIS Q 9001:2000)に適合し、建築物の設計、工事監理 および施工、土木構造物の設計および施工に適用、 全社的に運用しています。 報 告 組 織 の 概 要 当社は品質保証を担当する部門として、品質マネジメントシステム文書の維持管理やISO9001の 認証維持および品質保証活動の推進を担当するQMS事務局(CSR推進室品質環境マネジメントグ ループ)と作業所を統括管理する生産部門の管理部門(土木部や建築部)、建築設計における品質監 理部門が担っています。 熊谷組の品質マネジメントシステム(QMS) 当社は、お客さまへの品質保証、社会への貢 献等に寄与することを目的に、社規として『全 社品質保証規程』を定め、その中で全社を挙げ て行う品質保証活動の基準を明示しています。 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 報 告 組 織 の 概 要 この中では全社的な(中長期的)品質方針を明 記し、品質マニュアルやその下位文書にあたる 品質保証全社標準類等を規定しています。また、 経営会議体の一つにあたる「品質保証委員会」を 設置し、全社的な品質保証体制の整備や品質保 証レベルの向上を図るため協議を行っていま す。 品質方針管理では、中長期的品質方針を達成 するために社長が年度毎に品質方針を設定し、 これを達成するために支店長は当該年度の品質 目標を設定して支店内に展開しています。 全社員は、社長が設定した品質方針を達成す るために自らの役割を認識して活動することに なります。 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 本社、支店の管理部門、作業所における品質 保証活動は、内部品質監査により定期的に検証、 処置し、必要に応じて仕組みを見直しています。 ◇ 作業所が行う品質保証活動フローを下記に示します ◇ 1プロジェクト開始 社 会 活 動 の 報 告 ・受注工事引継会の開催 ・施工方針検討会の開催 ・作業所品質方針書の設定 <協議内容> ・営業部門、生産部門から作業所へのお客さま要求 事項の引継と確認 ・施工方針、専門工事業者の選定方針の検討 社 会 活 動 の 報 告 2設計図書の検討、総合施工計画書(案)作成 (株)熊谷組 品質方針 法令・規制要求事項を遵守することはもとより、全社員が一丸となって徹底したお客さま志向 によりお客さまの要求品質を的確に把握し、満足していただける建造物とサービスを提供する ことでお客さまの信頼を高める。また、効果的な品質マネジメントシステムの運用を図るため、 継続的な改善を推進する。 3全体計画の策定 4施工管理 2005年度 社長年度品質方針 環 境 保 全 活 動 の 報 告 ・施工検討会の開催 ・施工状況の把握 お客さまからの評価の向上 「2005年度 社長年度品質方針」達成のための留意事項 5社内検査 <実施内容> ・建造物をお客さまに引渡す前に行う最終検査 ・検査員は、業務経験10年以上の公的有資格者から選任 ・お客さま検査の受検 ・アフターケア体制の説明 <アフターケア体制の明示> ・定期点検の時期と担当者 ・専門工事業者を含む緊急連絡体制 ・建物保証基準と瑕疵担保期間(建築部門) 6引渡し 2.お客さまからの信頼獲得は長年の積み重ね、これを一瞬にして崩壊させる不正は絶対にあっては ならないこと 3.信頼は全ての部門の自然な品質向上活動の積み重ね、華やかさを追うのではなく小さなことでも 一つずつ全員で実行していくことが大切、ステップ バイ ステップ(step by step)で 12 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 7プロジェクト総括 <施工状況の把握> ・受入検査、工程内検査 ・管理部門によるパトロール ・必要に応じて工種別施工検討会の開催 (工種別施工計画書の検討) ・社内竣工検査の実施 − 自然な日常行動が社会から高い信頼を受ける企業風土の形成 − 1.苦しかった時に支えて頂いたお客様の大切さを忘れずに常に「感謝の心」を持って臨むこと <検討内容> 総合施工計画書(案)について ・施工方針の具体化の確認、問題点、対策の検討 ・瑕疵、クレーム防止のための検討(予防処置策の検討) ・プロジェクト総括会議の開催 環 境 保 全 活 動 の 報 告 <総括内容> ・工事全般についての評価、問題点や特筆項目の明確化 ・実施した予防処置に対する効果の確認 ・改善事項などのフィードバックと水平展開(情報の共有化) 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 13 全社環境マネジメントシステム体制の確立 熊谷組 環境方針 ◆環境理念 人間と地球を知り、 過去と現在と未来を見つめ、 美しい自然との 調和を図りつつ、 ゆとりと潤いのある 環境を創造する。 報 告 組 織 の 概 要 我社は、土木並びに建築分野の設計から施工、また アフターケアに至る業務に携わる企業として、今や地 球的規模に及んでいる環境への影響に対して、持てる 技術を最大限に発揮し、努力し、環境への負荷を低減 するとともに汚染の予防を図る必要がある。それは豊 かで美しい地球を子孫に継承することが企業市民とし ての役割であり義務だからである。 以下に重点的に取り組む活動を示すとともに、それらについては目的及び目標を設定 し、実情に即すべく見直しを行う等、継続的改善に努める。 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 全体的な取組み ・二酸化炭素排出の低減 :地球温暖化の防止 ・グリーン購入の推進 :天然資源の保護 ・リサイクルの推進 :廃棄物の削減 ・環境に配慮した設計 :建造物のライフサイクルを考慮 1-2 本社固有の取組み 1-3 支店固有の取組み 支店固有の取り組みは、支店長が策定する「環境方針」に示す 2 環境法規制等の遵守 環境に関わる法規制及び同意するその他の要求事項の遵守 ・環境配慮技術の開発 :持続可能な発展への寄与 1 計画段階で環境に与える影響を考慮し、対策 を練り運用することで環境パフォーマンスの 向上、汚染のリスクの回避に寄与しています。 ・廃棄物の削減、リサイクル率の向上 熊谷組グループ会社と連携した環境保全活動を始めました これまで、熊谷組や熊谷組のグループ会社が個々に環境保全活動を行っていましたが、2005年3月に熊 谷組グループ会社が共通に運用できる簡易な環境マネジメントシステムを構築し、2005年4月に運用を 始めました。 熊谷組グループ会社の環境保全活動の範囲(○印) この活動の目的は、環境保全活動の取り組みにお オフィス 現場 工場 会社名 ○ ○ ○ いて、熊谷組とグループ会社との連携を更に強化 (株)ガイアートT・K テクノス(株) ○ ○ ○ し、熊谷グループ全体で足並みのそろった環境保 ケー アンド イー(株) ○ ○ 全活動を行うことにより、環境リスクの低減、業 テクノスペース・クリエイツ(株) ○ 務の効率化、環境配慮型技術等の積極的な提案を (株)ケイエヌ・ファシリティーズ ○ ○ 通じて環境負荷を低減し、「企業の社会的責任」 (株)ファテック (株)テクニカルサポート ○ を果たすことです。 環 境 保 全 活 動 の 報 告 シーイーエヌソリューションズ(株) (株)エコテクノ ○ ○ グループ共通の環境マネジメントシステムは、環境法規制等の特定、環境に著しく影響を及ぼしている 事項の特定、環境計画、運用、監視および見直しで構成しています。 監視では、各グループ会社相互の環境パトロールや環境監査も行うことにしました。 工場、現場を活動範囲としているグループ会社では2005年6月まで現状把握をしています。 オフィスのみを活動範囲としているグループ会社では2005年4月までに現状把握を終了し、目標を持っ て運用を始めました。 14 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 4 環境に関する情報を通じステークホルダーに コミュニケーションが活発となり良好な関係 が築かれています。 ・市民参加の環境イベント交流 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム (24ページ「社会とのコミュニケーション」参照) ・緊急事態の発生抑制 ・汚染土壌等の拡散防止 ・環境報告書による情報公開 2 環境教育・訓練により、一人ひとりが環境問 題の重要性を認識し、企業市民として環境負 荷低減に努力しています。 ・ゼロエミッション活動の広がり 5 環境負荷を低減するための新しい技術開発に 繋がっています。 ・Newネッコチップ工法等の新技術の開発 (40ページ「環境保全技術」参照) ・ライフサイクルを考慮した設計の確立 (30ページ「ゼロエミッションの取り組みについて」参照) ・家庭における環境保全活動の広がり 社 会 活 動 の 報 告 報 告 組 織 の 概 要 環境マネジメントシステム(EMS)の運用効果 (29ページ「廃棄物発生の低減」参照) 重点実施事項 1-1 熊谷組は1997年度より、各支店単位に環境マネジメントシステムを構築し、ISO14001審査登録を行 ってきましたが、2004年度より本社と全支店を包含した全社環境マネジメントシステムを構築し運用 を始めました。 2004年10月には全社統合の審査登録を受けました。 これらにより、最高経営者の環境に対する意図、方向付けが、 本社と支店の密な連携、また情報の スムーズな展開が加速され、全社一丸 となった環境保全活動が実践されるようになりました。 3 環境に関する法令、条例を遵守しない場合の 結果の重大性を認識し、確実に法を遵守する ことでリスクを未然に防止しています。 ・建設副産物の不適正処理等の事件発生なし 6 顧客より環境に対する高い評価を受けていま す。 ・社外表彰受賞 (21ページ「表彰」参照) ・愛・地球博(46ページ「建築工事の事例」参照) 社 会 活 動 の 報 告 (39ページ「環境保全関係法令の遵守状況」参照) ・環境苦情の激減 環境側面の特定 環境教育・訓練 法規制等の遵守 緊急事態の対応 ④ステークホルダーとの 良好な関係 ①環境パフォー マンス改善 ②従業員の意識向上 効 果 ③リスクの回避 ステークホルダーとの コミュニケーション ⑤技術開発 環境関連創意工夫 ⑥企業価値の向上 社外表彰受賞 環 境 保 全 活 動 の 報 告 副次効果 コストダウン 業務の効率化 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 15 事業活動において、社会とのつながりは多岐にわたりますが、ここでは、代表例として建物をお客様 に引き渡してから3年経過した時点で実施している「お客様の声アンケート」の調査結果と法令遵守の 状況を紹介します。 健康・安全衛生・福利厚生 心身の健康維持・増進 喫煙ルールの徹底 健康管理体制の充実 社内は喫煙場所以外は禁煙となっており、 その徹底を図っています。 お客様の声アンケート調査結果 報 告 組 織 の 概 要 お客様の声アンケートの回答総数74件を建築工事 用途別の件数比率にしたのが下のグラフです。事務 建物の出来映え、営業・工事・アフターケア担当者 等の対応、当社対応全般について、お客様からいただ 所・住宅・医療福祉・工場で全体の約7割を占めてい ます。 回答総数74件を工事規模別に分けると、5億円未満 いたご意見は主に以下の通りです。 ■建物の出来映えについて施工時の注意点となる意見 ・壁にもろい(モルタル)部分があり、表面が崩れて が55件、5億円以上10億円未満が9件、10億円以上が 10件となり、5億円未満の物件数が7割を占めていま 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム いる。 ・増築したつなぎめから、雨漏りの回数が多かった。 す。また、当社の設計施工物件では19件あり、全体に 対し3割を占めています。 ■お客様に満足された当社の対応 ・常に将来のことを考え、改善提案を行い、出来る限 建築工事用途別アンケート回答比率 娯楽 3% 倉庫・流通 4% 宿泊 4% 7% 事務所 22% 店舗 5% 有効回答数 74件 住宅 20% 教育・研究 8% 本社や支店ごとに全社員を対象に健康診断を 毎年1回実施しています。また、全国土木建築国 民健康保険組合の制度を利用して、本人及びそ の家族の人間ドックの費用の補助や、家族の健 康診断も実施しています。 ■当社の対応に対するお客様の不満 ・極力下請業者任せにしないようにお願いしたい。 ・軽度の案件についても迅速な対応をお願いしたい。 医療・福祉 15% 工場12% 安心して働ける職場環境の提供 万一の時の会社からの支援・補償 ■業務上の災害の場合 業務上の災害によって、負傷、死亡したり、 疾病、障害が生じた場合には、災害補償規程に 基づき、法定補償のほか、法定外の会社補償と して、死亡・障害見舞金、休業補償等を行って います。 定期健康診断の実施 りのことをしていただいた。 ・要望に対し的確な処理をしてくれる。 その他 社員の健康管理、健康増進を図るため、本社 に「医務室」を設置しています。医務室には、 内科、外科を専門とする産業医が週4日勤務して います。ここでは、各種の健康相談、労働時間 の多い社員に対する面談指導、健康診断結果を 受けての健康指導や急患の対応などを実施して います。また、医務室を通して契約している精 神科医への相談、診察もできます。また、各支 店についても、委託の産業医により、医療相談 や健康管理指導等を実施しています。 報 告 組 織 の 概 要 ■業務外の傷病(私傷病)の場合 業務外での傷病(私傷病)により、仕事を休 まざるを得ない場合についても次のような支援 を行っています。(一例) 有給休暇:2年前の未消化分を使える 欠 勤 ・ 休 職 期 間 の 優 遇 : 欠 勤 期 間 6か 月 、 休職期間1年6か月を認める(勤続10年以上) 欠勤・休職時の給与の優遇: [欠勤時]基本給、地域手当、家族手当を支給 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム ● ● 社 会 活 動 の 報 告 ■当社の対応全般について要望となる意見 建築工事全般に対する傾向は、 2004年度のお客様評価状況は、出来映えでは 「満足」が増加しており、アフターケアでも「満 足」が増加し、「不満足」が減少する結果となっ ています。 ・当時工事担当、営業担当の方々が退職され、今後の 対応がやや不安。 アフターケア全般 建物の出来映え全般 期待以上 2002年度 2002年度 期待通り 2003年度 2003年度 ほぼ期待通り 2004年度 やや期待外れ 2004年度 0 環 境 保 全 活 動 の 報 告 定期健康診断受診率(本社) ・省エネルギーの対応がやりにくい建物となっている。 (電気・空調等、細かく運転できない) 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100% 0 20 30 40 50 60 70 80 90 100% 期待以下 2004年度に発生した不祥事ならびに当社が抱える訴訟の状況に関してご説明いたします。 を含む計113社は、公正取引委員会から、不当な取引 制限(入札談合)を理由とする勧告を受けました。 これに対し、当社は、同勧告を不服として公正取引委 員会に勧告不応諾書を提出したため、審判開始決定が なされ、現在、審判係属中となっております。 16 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 受診率 1080 87.0% 2001年度 957 653 68.2% 2002年度 879 733 83.4% (勤続10年以上) 2003年度 546 475 87.0% 2004年度 315 281 89.2% [休職時]基本給の75%、地域手当、家族手当 支給(勤続10年以上) 社 会 活 動 の 報 告 ● 出産・育児や介護に関する制度 法令遵守の状況 不祥事(行政機関からの指導・勧告・命令・処分等) 2004年7月28日、新潟市の発注工事に関し、当社 受診者数(名) 1241 満足 不満足 10 対象者数(名) 2000年度 訴訟の状況 全国11地裁で訴訟係属中の「トンネルじん肺損害賠 償請求訴訟事件」を除き、平成16年度末時点で当社が 抱える訴訟事件数は合計で17件となっております。 そのうち当社が原告となっている訴訟事件は合計4件 であり、残り13件は当社が被告となっているものです。 出産・育児や介護を支援するための制度を導 入しています。育児休業制度や育児短時間勤務 制度は性別に関係なく利用することが可能です。 また、「次世代育成支援対策推進法」による「行 動計画」に則り、より出産・育児と仕事の両立 のしやすい環境の実現に向け検討・改善を実施 していきます。 育児休業制度利用者数 利用者数(名) 内男性(名) 2000年度 11 0 2001年度 12 0 2002年度 9 0 2003年度 5 0 2004年度 7 0 その他の慶弔、各種見舞金、保険等の制度 上記の支援・補償のほか、次のような規程・制 度を導入しています。 慶弔および災害見舞金規程 会社の規程としての慶弔金、災害見舞金の規 程 熊谷組互助会 社員を会員として、その会員相互の親睦扶助 を目的とした会で、次のような事業を行って います。 慶弔事業:慶弔金・見舞金等の支給 保険事業:入院給付金・死亡給付金等の支給 環 境 保 全 活 動 の 報 告 ● ● 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 17 ● 報 告 組 織 の 概 要 ● 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 貸付事業:臨時の止むを得ない場合等の資 金貸付 生活資金特別貸付制度 会社の規程によるもので、生活資金の不足に 対する貸付を行う制度。 財産形成支援 社員の長期的な財産形成を支援する目的で、 次のような制度を導入しています。 熊谷組持株会(社員の持株制度) 財形貯蓄制度 《社員数、年齢、勤続年数、給与の平均》 社員数(名) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円) 2000 5,215 37.7 15.4 5,879,648 2001 4,825 38.8 16.5 5,901,702 2002 4,043 39.9 16.6 5,934,048 2003 2,726 41.1 17.9 5,669,360 2004 2,628 42.1 18.7 6,022,928 1% 3% 社員の能力開発支援 社 会 活 動 の 報 告 95% 《役員、正社員全体の男女別割合》 100% 0名 174名 90% ● 環 境 保 全 活 動 の 報 告 ● ● ● ● 18 キャリアや幹部の育成を視野に入れた計画的 な配置 新入社員研修や初級管理者研修などの階層別 研修や、土木・建築・営業などの部門別の研修 OJTと「目標設定」「達成度確認」の面談(若 手社員) 人事評価としての業績評価、能力評価、将来 性評価 技術士、一級建築士などの公的資格の取得奨 励 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 熊谷組には労働組合はありませんが、管理職 も含めた正社員全員を会員とする熊谷組職員会 があります。職員会は、社員相互の親睦と福祉 の増進、会社と社員との意思疎通を図り、会社 の発展に寄与することを目的とした組織で、具 体的には下記のような活動を実施しています。 (労働組合ではありませんので、組合活動や組合 費の徴収もありません) 80% ・高額医療手術を受ける社員への募金活動 70% ・社員のみならず家族や友人・知人を対象にし 60% 50% 女 21 男 2,254 40% 災害被災地への寄付活動 10% 0% た現場見学会(全国各地) ・新潟県中越、スマトラ島沖地震義援金募集等 ・地域のゴミ拾い活動など、地元自治活動への 20% 企業は「人」であると考えています。熊谷組で は、上記のような人材を育成するために次のこと を実施しています。 2つの表彰制度があります。 1つは、規程に基づき定期的に実施する表彰制度 です。これは、対象となる期間に優れた成果を 上げたものを表彰する制度で、次のような種類 があります。 職員会 役員 正社員 短期契約社員 その他人数 30% 人材育成 障害者の雇用は、企業の社会的責任と考え、 雇用の促進を図っていきます。 2005年5月現在の障害者雇用率は1.31%で、前 年同期にくらべ、0.41ポイント増加しています。 今後も障害者の方々が働きやすい環境整備や職 域の開発等を進め、まずは法定雇用率(1.8%) の達成を目指します。 1% 社員の能力開発 「固定観念や従来の慣習にとらわれることな く、幅広い視野と豊かな感性を備え、社内だけ でなく広く社外に目を向け、社会のニーズを誰 よりも敏感に取り入れられる人材」 「自律し、能動的に行動することにより顧客 満足度を向上させ、社会に貢献する人材」 表彰制度、社長特別表彰 *社員数は就業人員数である。 *平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいる。 《人員の構成》 求められる人材像 障害者雇用 雇用の現状 報 告 組 織 の 概 要 ・模範社員に関する表彰 ・発明考案に関する表彰 ・業務改善等に関する表彰 ・営業に関する表彰 ・設計に関する表彰 ・施工に関する表彰 ・技術論文に関する表彰 ・安全衛生の関する表彰 ・災害防止等に関する表彰 ・CSに関する表彰 ・環境に関する表彰 等 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム もうひとつは、よりタイムリーな表彰を目的と して、社長・本部長・支店長による特別表彰で す。対象としては、『地域貢献、社会貢献、技術 貢献等によって社名の高揚、業績向上に大きく 貢献したと判断されるもの』 としています。対 象例として次のようなものがあります。 社 会 活 動 の 報 告 参加 等 役員 正社員 高齢者雇用の状況 60歳以上の方を130名雇用しています。60歳 定年制を採用していますが、退職時の資格によ っては、62歳定年制を適用する場合もあります。 また、高齢者の豊富な知識と経験を活用するた め1995年10月より60∼65歳までの定年退職者 を対象とした人材登録制度を発足させ、厚生労 働大臣の許可を得て、高齢者の派遣事業をグル ープ内で展開しています。現在は、9名の定年退 職者を当社及びグループ会社他にて受入れてい ます。さらに、高年齢者雇用安定法の改正を受 けて、熊谷組に適した高齢者の雇用についての 検討を進めています。 次世代育成支援のための行動計画 (仕事と子育ての両立支援) 「次世代育成支援対策推進法」により策定した 「一般事業主行動計画」を基に、労働者が仕事と 子育てを両立できる労働環境の実現を目指し、会 社の規程や運用方法の検討・改善を実施していき ます。 ・現場の仮囲い塀が周辺の景観にマ ッチし、自治体から景観賞を受賞 した ・作業所での地域住民参加の諸活動 が、TV・新聞等で取り上げられ、 会社のイメージアップに貢献した ・災害発生時、暴動発生時に万全な 緊急事態対応を行った ・ボランティア活動に従事し、自治 体あるいは関係団体から表彰され た ・提供した営業情報が受注につなが り、業績に大きく寄与した 等 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 環 境 保 全 活 動 の 報 告 19 熊谷組およびグループ会社が受賞した主な表彰事例を紹介します。 クラブ活動 有志が集まって勤務時間以外に集まり活動す るクラブや同好会には、様々なものがあります。 本社内や支店内のメンバーで活動するものもあ れば、本社支店の枠を超えて、合同で活動して いるクラブもあります。また、クラブだけでな く、同好会や、同士の集いなど様々な集まりが あり、自由に活動しています。そしてその活動 内容は、社内イントラネットを通じて、全社員 へ向けて情報発信されています。 報 告 組 織 の 概 要 <イントラネットなどで情報が掲載されている 主なクラブ等> ・アイスホッケー部 ・サッカー部 ・釣りクラブ ・美術部 ・軟式野球部 ・バスケットボール部 ・書道部 ・映画鑑賞会 ・バレーボール部 ・バトミントン部 ・テニス部 ・着物クラブ ・華道部 ●熊谷・清水・地崎共同企業体 京極作業所 <活動実績> トピックス ・フライアッシュをリサイクルした。 ・吹付作業における粉塵量を低減した。 マナーハンドブック 挨拶運動 企業人としてビジネスの原点に立ち戻り、最 低限守るべきルール、最低限身につけておきた いマナーやエチケットをまとめたマナーハンド ブック「BUSINESS MANNER PASSPORT」を 配付しています。これを活用することにより、 働く上での基本マナーの必要性と役割を再認識 した上で、自分自身および自社の現状をチェッ クし、明るくキビキビとした振る舞いを自然に 行う社員であふれる職場にしたいと思います。 「コミュニケーションはまず挨拶から」という ことで、挨拶運動を展開しています。本社では、 毎月第一週目を挨拶週間として、通用口の前で 挨拶の励行を行い、お客さまに対してや社員相 互の挨拶を通して、円滑なコミュニケーション を取る意識付けや、明るく活力のある会社であ るための意識の高揚を行っています。 ●熊谷特定建設工事共同企業体 北埠頭ビル作業所 <活動実績> ・分別スペースすら十分確保出来ない立地条件の中、3R計画 を細部にわたり実施し、リサイクル率を95%以上達成した。 ・リサイクル商品を可能な限り、新築資材に取り入れた。 ・マテリアルリサイクルとした物をグリーン購入として取り 入れ循環とした。 北埠頭ビル作業所 後藤所長 ●ガイアートT・K 豊川共同アスコン <活動実績> ・建設副産物の再利用した。 ・Co廃材を路盤材に利用した。 ・As廃材を合材及び路盤材に利用した。 建設業界初!「Akao Prize」を受賞 の中からQFD(Quality Function Deployment :品質 機能展開)の研究と発展に 貢献した人に授与される賞 で、QFDの創始者赤尾博士 の名前が付けられています。 (左)メーザーQFD協会会長、 (中央)赤尾博士、(右)田中 「舞鶴発電所のパイルド・ラフト基礎」が 平成15年度土木学会関西支部 技術賞を受賞 関西電力舞鶴発電所新設工事のうち総合排水 処理施設において、合理的な基礎形式の採用 とコストダウンを目的に、パイルド・ラフト 基礎を採用しました。パイルド・ラフト基礎 は、直接基礎と摩擦杭により鉛直荷重を支持 する機構のため、従来、圧密沈下などが問題 表彰状を受け取る関西支店土木事 となる地盤に対しては適用が困難とされてい 業部の栗林工事管理部長(左) ました。埋め立て地盤である建設地において、 パイルド・ラフト基礎を適用するのは大規模土木工事では初の試み でした。パイルド・ラフト基礎の採用により、性能設計の考え方を 導入し、同基礎の設計・施工、現地計測による検証まで一貫して取 り組むことで、設計手法の確立に資するデータの蓄積を図り、コス トダウンも実現した点が高く評価されました。 わたる新製品の品質保証システムの研究やQFDを活用した新製品開 発システムを研究し、研究成果の展開を図ってきたこと、そしてこ の数年間はナレッジ・マネジメントとQFDの融合を図る研究をすす めてきており、これらの研究成果等が評価を受けました。 田中室長の受賞は日本人としては9人目、企業人では2人目、建設業 界では初めての受賞です。 QFDとは一般的に顧客の声や市場の声と呼ばれるお客様側の声 を、技術的な表現や品質表現というような企業側の立場の内容に置 き換えるシステム、考え方であり、日本で開発されたシステムでし たが、米国の自動車メーカービッグ3の品質マネジメントシステム の中で、設計開発の推奨手法として取り上げられているため、現在 環境、運輸、工務局および労働局主催の 安全と環境に関する表彰で、香港の産業 労務安全の高揚の一環として、年に一度 安全環境に対して顕著な成績をおさめた Contractorを賞賛するWorks Bureauの 金賞銀賞授賞式 制度があります。審査は厳しく、年4回 の現場検査と実際の現場安全記録(事故率、Prosecutionの有無等) などによって選ばれます。受賞したコントラクターの中から最優秀 に送られる最高賞の内、金賞、銀賞、銅賞を受賞しました。 【金賞】イーグルネストトンネル工事作業所 (環境、運輸、工務局主催の安全環境表彰受賞) 【銀賞】ワンチャイノースポイント下水トンネル工事 作業所 (環境、運輸、工務局主催の安全環境表彰受賞) 【銅賞】イーグルネストトンネル工事作業所 (労働局主催の安全表彰受賞) は米国を始めとしてヨーロッパ、日本の自動車者関連企業を中心に 多くの業種、企業で積極的に展開されています。 挨拶運動を推進する 石澤部長のコメント 20 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 社 会 活 動 の 報 告 安全・環境が評価され金賞、銀賞、銅賞を 受賞しました(香港) 今回の表彰は日本科学技術連盟のQFD委員長としての功績、長年に 「おはようございます。」と声をかける ことは、単なる朝の挨拶にとどまらず、 「一致協力して全力投球しよう。」とい う相互の意思確認でもあるのではない かと思います。社員の自主的な活動と してスタートした挨拶運動の輪は、現 在どんどん広がっているようです。 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 平成16年度3R推進功労者等表彰会長賞を受賞し、工場従業員 一同、大変光栄に思っています。今後も地域の3Rに貢献して いきたいと思います。日々の我々の業務が、地球環境保全に 役立っていることを再度認識し気持ちを新たに3Rの促進と、 リサイクル意識の高揚に努めていきたいと考えています。 静谷豊川工場長 ッパ、アメリカそして日本 環 境 保 全 活 動 の 報 告 この度、『めざせ ゼロエミ』を合言葉に北埠頭ビル作業所に てゼロエミッションを推進したことにより、リデュース・リ ユース・リサイクル推進功労者会長賞を受賞し、大変光栄に 思います。今後も、作業所におけるゼロエミ活動に励みたい と思います。 静谷工場長のコメント: 「Akao Prize」とはヨーロ 挨拶運動の状況 発注者である北海道電力(株)殿と当社との共同研究を行って、フ ライアッシュを利用した吹付コンクリートを採用し、施工を行っ ていますが、この度、リデュース・リユース・リサイクル推進協 議会から会長賞を受賞したことを、作業所一同、大変光栄に思っ ています。今後も、京極発電所工事において、3Rを念頭におい た施工を行います。 後藤所長のコメント: 11月18日メキシコのモンテレー市で開催された 第10回国際QFDシンポジウムにて、CS推進室の 田中室長がAkao Prizeを受賞しました。 社 会 活 動 の 報 告 報 告 組 織 の 概 要 大塚所長のコメント: 京極作業所 大塚所長(写真中央) ・ランナー&ジョガー&アスリート 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 平成16年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰で会長賞受賞 内閣府などが後援し、関係各方面の団体、機関で組織するリデュース・リユース・リサイクル推進協議会が主 催する『平成16年度 リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰制度』において、熊谷組からは京極 作業所(首都圏支店)、北埠頭ビル作業所(関西支店)、グループ会社であるガイアートT・Kからは豊川共同アス コンが会長賞を受賞しました。 銅賞 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 21 環 境 保 全 活 動 の 報 告 熊谷組グループの展示会等への出展、新聞雑誌等マスコミに紹介された事例、研究論文の発表、講演へ の講師の派遣の一部を紹介します。 主な新聞雑誌掲載記事等 掲載日 主な展示会出展 報 告 組 織 の 概 要 開催月 2004.04 ∼2007.03 2004.5 2004.6 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 2004.7 2004.7 2004.9 イベント名 主催者名 練馬区役所屋上緑化見本園 (写真1) 練馬区 新宿区環境学習センター オープニングイベント(写真2) 新宿区 国土交通省近畿 地方整備局 建設技術展2004近畿 新宿区環境学習 センター 出展内容 ホタルビオトープシステム 次世代のトンネル技術「KM21TM」 先行アーチ支保による地山補強(PSS-Arch)工法 ホタルビオトープ 現場の伐採木材を肥料に転換する廃棄物の有効利用 肥料と花の種を配布 環境保全活動のパネル展示 ネッコチップ工法(ネッコチップ工法研究会) マイドームおおさか スーパーパフォーマンスコンクリート (社)日本下水道協会 パシフィコ横浜 新宿リサイクル 活動センター 高田馬場 リサイクル センター 「みる・きく・ふれる 国土建設フェア 2004」実行委員会 広島グリーン アリーナ スーパーパフォーマンスコンクリート 国土交通省中部 技術事務所 ナゴヤドーム サイレントボイド,NSフロアー,音カメラ 新宿区高田馬場リサイクル センターまつり(写真3) 2004.10 国土建設フェア 2004 2004.11 建設技術フェア2004 in 中部 (写真4) 2005.2 新宿の環境学習応援団 新宿環境活動ネット “まちの先生見本市” (写真5) 常設展示 練馬区役所西庁舎 国土交通省東北 EE東北実行委員会 (国土交通省東北地方 地方整備局東北技術 整備局他) 事務所(宮城県多賀城市) EE東北’04(新技術展示会) 下水道展’04 横浜 開催場所 建設技術展示館 国土交通省関東 地方整備局 新宿区立 柏木小学校 国土交通省 関東技術事務所内 スーパーパフォーマンスコンクリート 現場の伐採木材を肥料に転換する廃棄物の有効利用 肥料と花の種を配布 説明パネルの展示 現場の伐採木材を肥料に転換する廃棄物の有効利用 肥料と花の種を配布 環境配慮技術の紹介(ネッコチップ工法、ホタルビオトープ) 地域に根ざした環境保全活動の紹介 紙 名/雑誌名 タイトル 2004.05.12 ホタルが住めるビオトープ グリーンアーキテクト 2004.06.09 都会でホタルを NHK「おはよう日本」 2004.06.10 ビル空間にホタルのすみか 日経産業 2004.06.10 ホタルの里 毎日新聞(夕刊) 2004.06.16 床衝撃音対策で最上級品質! 日刊建設工業新聞,日刊建設通信新聞,日刊建設産業新聞 2004.07.12 驚異の高性能・多機能コンクリート スーパーパフォーマンスコンクリート 日刊建設工業新聞,日刊建設通信新聞,日刊建設産業新聞 2004.08.23 土壌浄化ビジネス144 エコテクノ 浄化技術の販売等を強化 循環経済新聞 2004.10.27 梁補強で床衝撃音軽減 集合住宅、ホテル向け展開 日刊建設通信新聞 2004.11.01 「ネッコチップ」適用範囲拡大 日刊建設産業新聞 2004.11.01 プラント小型化高所対応 ネッコチップ工法を発展 建設通信新聞 2004.11.01 高所、小規模現場に対応 リサイクルのり面緑化工法 日刊建設工業新聞 2004.11.08 振動が見える!振動の映像化装置を開発 日刊建設工業新聞,日刊建設通信新聞,日刊建設産業新聞 2004.11.09 道路用の自立式防音壁 熊谷組,ガイアートT・K,ジオスター 日刊建設工業新聞,日刊建設通信新聞,日刊建設産業新聞 2004.12.06 スーパーパフォーマンスコンクリートの長距離ポンプ圧送実験 日刊建設工業新聞,日刊建設通信新聞,日刊建設産業新聞 2005.01.06 熊谷組スリランカで復旧支援 建設通信新聞 2005.01.07 Kumagaigumi begins clearing Galle Road The Island(スリランカ) 2005.01.24 東京都スーパーエコタウン事業の一環で、大型建廃中間処理施設「東京エコタウン工場」竣工 循環経済新聞 2005.01.28 津波被害を受けたスリランカで応急復旧 熊谷組が国道2号を通行可能に 日径コンストラクション ▼(写真3)新宿区高田馬場 リサイクルセンターまつり メインテーマ:○ サブテーマ:△ テーマ 大 気 汚 染 研 究 論 文 投 稿 水 騒 振 悪 土 地 他 廃 リ 省 緑自 質 音 動 臭 壌 盤 周 棄 サ エ 地然 汚 汚 沈 辺 物 イ ネ 保環 境 濁 染 下 環 ク 全保 境 ル 全 研 究 発 表 環 境 保 全 活 動 の 報 告 〇 △ 窓サッシの遮音性能について 〇 ホタルビオトープの概要と適用事例紹介 △ 水圧対抗式「エコシールド工法」 △ ▼ 22 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 △ ○ △ ○ 〇 〇 鉄骨造集合住宅の重量床衝撃音レベル予測手法に関する研究 〇 △ コンバージョンに伴う遮音対策に関する検討 他5題 〇 △ 集合住宅の音環境に関するシンポジウム「乾式二重床の床衝撃音低減量に関する報告」 〇 △ ビル用サッシの遮音性能に関する研究(その1)(その2) 〇 整備不良車や違法改造車が等価騒音レベルに与える影響に関する検討 〇 熊谷組の安全活動 新技術検討委員会2月定例会 新技術等発表 「TAIPEI101(台北国際金融センター)建設工事」 社 会 活 動 の 報 告 ○ △ 画像に音情報を組み込んだ音源探査システム(音カメラ)の開発 平成16年度多量排出事業者講習会/建設業の環境負荷低減活動について 新 そ 技 の 術 他 ○ ○ S造デッキプレートスラブのインピーダンス特性について 他1題 建設業における化学物質管理への対応と現状 日 本 の 作 業 所 安 全 対 策 △ △ △ △ △ △ △ 〇 △ △ 環 境 保 全 活 動 の 報 告 △ △ 第18回道路環境セミナー 音カメラについての講演 ▲(写真4)建設技術フェア2004 in 中部 性 主集「性能設計と工事管理」 3.要求性能の実現と工事管理 3.3遮音性能 雲仙普賢岳における無人化緑化の施工 講 演 講 師 オ 酸 室 化 海 ゾ 性 内 学 外 物 安 ン 層 雨 環 質 全 境 安 活 破 定 動 壊 △ コンクリートの汚れ抑制効果に関する基礎実験(その1 基礎物性の確認) (写真5) 新宿の環境学習応援団“まちの先生見本市” 「ほら、ここにいるでしょ。 」 ホタルは子どもたちに人気がありました 地 球 温 暖 化 〇 元青少年公園中央管理棟取壊し工事の環境保全対策 『自然環境への配慮を目指して』 ▲(写真2)新宿区環境学習センター オープニングイベント 環 境 ア セ ス 大型スラブの周辺拘束によるインピーダンスレベル上昇量の周波数依存性 自然環境の保全とリサイクル技術 ▲(写真1)練馬区役所屋上緑化見本園 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 主な研究論文発表・講演講師 スーパーパフォーマンスコンクリート 社 会 活 動 の 報 告 報 告 組 織 の 概 要 ○ ○ △ △ △ △ △ △ △ △ △ ○ △ ○ ○ ○ ○ 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 23 企業市民としての主な地域交流活動 NO. 報 告 組 織 の 概 要 2 (社)大阪市老人クラブ連合会 あなたにもできるボランティア活動 大阪市シルバーボランティアセンター 3 新宿区ゴミゼロデー(写真2) KUMAGAIやるぞ活動 5 福井市環境パートナーシップ会議 家庭版ISOプロジェクト部会 6 金沢市持続可能な社会を形成する ための連絡会 7 敦賀気比神宮清掃奉仕 8 北陸支店清掃奉仕 9 10 社 会 活 動 の 報 告 主催者名 大阪市一斉清掃 「クリーン大阪2004」 (写真1) 4 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 活動名称 1 大阪市 新宿区 熊谷組作業所 福井市環境パートナーシップ会議 昨年度版の環境報告書に対し読者の皆様からいただいたご意見・ご感想 具体的な活動内容 国際集客都市にふさわしい清潔で美しいまち作り を進めるための、美化推進運動 (地元周辺での一斉清掃) 2004年11月3日 (祝)実施 関西支店職員会の活動として、毎年「使用済み切手、 テレカ」を収集し、寄付(『大阪市シルバーボラン ティアセンター』を通じ『(社)日本キリスト教海外 医療協力会(JOCS)』へ渡され、アジアへの医療 や教育福祉等の援助に使われる。 )平成17年3月24日寄付 実施場所 大阪市都島区(会社周辺)他、 数作業所でも参加 (社) 大阪市老人クラブ連合会 大阪市シルバーボランティア センター 熊谷組が津久戸小学校の児童・先生と環境 保全活動の一環として近隣道路周辺のゴミ 拾いを実施した。 新宿区津久戸町∼揚場町 地域に根ざした活動、近隣への社会貢献とし て月2回現場周辺の美化活動を継続して実施。 各現場 高山課長(北陸支店安全環境部環境管理グループ) が左記会議の家庭版ISOプロジェクト部会リーダ ーとして参加し、下記の事項について協力している。 ・家庭版環境ISO (福井市版) の普及 ・学校版環境ISO (福井市版) の作成・普及 福井県福井市 金沢市環境保全課 金沢市環境保全課 熊谷組、敦賀熊親会 職員、熊親会員による気比神宮の清掃奉仕 福井県敦賀市 職員による支店近辺の清掃奉仕 石川県金沢市 福井豪雨義援金 熊谷組 赤い羽根共同募金 熊谷組 福井豪雨の災害義援金 福井県・市へ提出 11 建設副産物対策委員会 (社) 愛知県建設業協会 12 あいちクリーンキャンペーン協賛・ 愛建協特別清掃活動 (社) 愛知県建設業協会 名古屋市中心部の清掃活動 協会事務所等 久屋大通り公園∼矢場公園・ 若宮通り 清掃活動をする 社員と小学生たち (写真2) (写真1) 新潟県中越地震(2004年10月23日) 環 境 保 全 活 動 の 報 告 国土交通省よりゼネコン11社、機械メーカー5 社を会員とする「建設無人化施工協会」に対し、 被災した妙見地区の災害事故現場の調査および 検討の依頼があり、会員会社である当社からも 無人化施工の専門技術者を派遣し調査等を実施 しております。また、熊谷組職員会、グループ 会社および関連会社では、新潟県中越地震の被 災者の方々へ支援・援助の一助として、義援金 を募り、新潟県にお届けしました。 24 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 4名(4) 5名(3) 0名(2) 1. 充分 2. ふつう 3. ものたりない 5名(9) 4名(0) 1名(0) 掲載されている情報の質について、 どうお感じになられましたか? 1. 充分 2. ふつう 3. ものたりない 3名(8) 6名(0) 0名(0) 石川、富山、新潟県共同募金会に対する募金 建設副産物対策に係る県環境部との打合せ 建設副産物対策に係る法令講習会の開催 処分業者等の見学会の開催 ペットボトルは この袋に入れて、 僕も分別を勉強 しました 読みやすさは、いかがですか? 1. わかりやすい 2. ふつう 3. わかりにくい 掲載されている情報の量について、 どうお感じになられましたか? 地球温暖化防止実行計画の策定廃棄物削減 やグリーン購入の推進会員企業の見学会開 催環境に関する講演会開催 熊谷組 昨年度の環境報告書「Green Activities 2004」に対し9名の読者の方から貴重なご意見、ご感想を いただきました。お礼申し上げます。ここではその内容を紹介します。(一部複数回答もいただいて おります。)皆様からいただいたご意見、ご感想をもとに、今後も皆様に読んでいただける報告書作 りを心がけていきたいと思います。※( )内の数字は一昨年度版「Green Activities 2003」にいただいた御意見の数です。 スマトラ島沖地震(2004年12月26日) インドネシア・スマトラ島沖地震で被災された 各国におきましては、当社は長年にわたり、ダ ムや地下鉄建設等を通じインフラ整備事業に携 わってきましたが、何れの工事もその国の人々 の協力なくしては成し遂げられなかったもので す。各国の人々に変わらぬ協力関係を表すと共 に少しでも被災された方々の助けになればと考 え、熊谷組職員会、グループ会社および関連会 社の賛同者から義援金を募り、スリランカ・イ ンドネシア・タイの関係窓口に寄付しました。 当社の環境保全活動についての印 象をお聞かせください。 1. 期待どおり 2. ほぼ期待どおり 3. ふつう 4. やや不満 5. 不満 2名(6) 6名(1) 2名(1) 1名(0) 0名(0) 報告書の中で印象に残ったページ はどこですか? 1. ごあいさつ 2. 社長対談 3. 熊谷組の環境に対する考え方 4. マネジメントシステムと継続的改善 5. 環境保全関係法令の遵守 0名 1名 3名 2名 1名 6. 環境負荷低減活動の総括 2名 (目標・計画・実績) 7. 環境負荷低減活動への取り組み 4名 8. データで見る環境影響とリサイクル活動 4名 −事業活動のマテリアルバランス− 9. 環境・品質・安全に配慮した施工事例 2名 4名 10. 環境保全技術 2名 11. 環境会計 12. 表彰・研究論文発表・展示会・新聞掲載記事 1名 5名 13. 社会とのコミュニケーション 当社の環境保全活動に関して何を 期待されますか? ・継続的かつ発展的な目標値の設定 (少し高い目標を設定しチャレンジしてもらいたい) ・地域に密着した活動を期待します ・リサイクルへの取り組み ・自然との共存・活発な共有 ・長期的にみて地球のみならず社会(人)にも 好印象を及ぼすような活動 ・建設資材へのリサイクル製品の積極的な導入 ・建設廃棄物の更なる低減 報告内容について、改善すべき点など お気付きでしたらお教えください。 ・情報量が少し多いと感じました。ポイントをも う少ししぼるとさらに見やすくなると思いまし た。 ・「第三者の声」として市民に近い方々の意見が 載っているのは非常におもしろいと思います。 ・「データで見る環境影響とリサイクル活動」の ような子どもにも判るものがあるといい。学校 でも環境教育を行っているので企業PRにもなる。 報 告 組 織 の 概 要 ・サブテーマ1行で具体的に何をしたかを書き 込む。 ・文字がつまっていて少し読みづらかった。 カラーのほうが見栄えが良いと思います。 ・ 従業員に向けた取り組みについても知りたい (経営統合後) 。 ・事業活動に伴う環境負荷を明確にするため、 排ガスや排水についても過去の負荷量と現状 の負荷量をわかりやすく対比した表又は図を 掲載することが望まれる。 ・もう少し情報量を増やして欲しい 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム あなたのお立場をお教えください。 1名 1. お客様 0名 2. 株主 3名 3. 企業の環境担当として 0名 4. 調査・研究関連 3名 5. 行政 1名 6. 環境NGO/NPO 0名 7. 学生 8. その他 1名:[専門図書館(1名)] 本報告書(GreenActivities2004)を どのようにお知りになりましたか? 1. Green Activities 2003 2. 新聞・雑誌 3. 当社ホームページ 4. 環境関連イベント 5. 当社社員 6. 環境報告書請求サイト 7. その他 社 会 活 動 の 報 告 3名 2名 0名 0名 2名 2名 1名 熊谷組のイメージアップのために久里洋二氏のイラストによる広告の全社的な展開を積極的に 進めています。事例の一部をご紹介します。 ストーリア三軒茶屋作業所 地下鉄瑞光作業所 ミーソン作業所(ベトナム) 見学会の開催等を含め積極的 に社外PR活動を実施している 現場です。 防音ハウスに取り付けられた イラスト。 多くの観光客が目にしています。 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 環 境 保 全 活 動 の 報 告 25 2004年度は、全社共通の取り組みに、新たに環境配慮設計の推進活動を加え、「設計」、「施工」、「オ フィス」の3分野で活動を行いました。環境配慮設計の推進(土木設計)では、上半期に現状把握を行 い目標値を設定して活動する予定でしたが、中間期に完了した設計物件がなかったため2004年度は現 状把握のみとしました。施工部門では全作業所共通の目標値を設定し活動を開始しましたが、土木の軽 油使用量の低減活動では、特定の1現場の軽油使用量が突出しているため別途目標値を設定し活動しま した。2005年度はこれらの活動の内容を向上させて継続して実施します。 [評価の凡例]○:目標達成 報 告 組 織 の 概 要 報 告 組 織 の 概 要 ×:目標未達成 −:該当せず 2004年度 実績 実施項目 設 計 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 環境配慮設計の推進 (土木設計) 環境配慮設計の推進 (建築設計) 環境保全活動の目標 現状把握(上半期) ↓ 配慮項目数 実績比3ポイント向上 (下半期) 行 動 内 容 ●環境手順書の見直し(配付) ●環境DRチェックシート見直し(配付) ●現状把握(地域差等の把握) ●把握結果分析/必要に応じて見直し ●監視:配慮状況/(後半)目標達成状況 ●環境手順書の見直し、評価方法検討 ●首都圏環境DRチェックシート 改訂・展開(全社統一版) ●分析→中間/通期のまとめ (1)自然エネルギー・資源の利用 2.5ポイント以上 ●監視:目標達成状況 (2)エネルギーの有効利用 4.6ポイント以上 (3)建物の長寿命化 3.8ポイント以上 2004年度重点配慮項目 首都圏支店2003年度実績比 2ポイント向上 リッ トル *1 軽油使用量の低減 施 《CO2排出の削減》 (施工部門) *2 分別率の向上 《廃棄物発生の低減》 (施工部門) *4 グリーン購入率 の向上 工 社 会 活 動 の 報 告 環 境 保 全 活 動 の 報 告 《グリーン購入の 推進:資機材》 (施工部門) 一般土木現場 15,770 /億円 ●環境手順書の見直し 特定土木現場(1現場) ●社内ホームページ掲載 リッ 142,270 トル /億円 ●監視:パトロール等による監視 リッ 目標達成状況の監視 トル /億円 (建築) 2,940 目標達成状況の監視 2003年度までの3期平均 リッ 3,000 トル /億円の2%減 2005年度 計画・目標 実績値 2004年度評価点 実績値 85% 環境配慮設計の 推進 − 自然エネルギー・資源 の利用 3.4ポイント エネルギーの有効利用 5.3ポイント 環境保全活動の目標 実施項目 評価 (土木設計) 設 環境配慮設計 計 の推進 (建築設計) *1 《CO2排出の削減》 (施工部門) × ●環境ガイドラインの見直し ●社内ホームページ掲載 ●監視:パトロール等による監視 目標達成状況の監視 ●ゼロエミ手法の検討 施 工 (土木) 86.3% 分別率 の向上 《廃棄物発生の低減》 (施工部門) (建築) 63.0% *4 (施工部門) (土木)8% 2003年度までの3期平均 7%の1ポイント増 (建築)4% 2003年度までの3期平均 3%の1ポイント増 ●環境手順書の見直し (土木)7.0% ●社内ホームページ掲載 ●監視:パトロール等による監視 目標達成状況の監視 (建築)4.1% ●グリーン購入品目のメーカー等一覧表作成 14サイト(設置率:100%) (本社/13支店=14サイト) ●環境手順書(ポスター作成/配付) ●社内ホームページ掲載 ●監視:パトロール等による監視 目標達成状況の監視 (オフィス部門) (土木)86%以上 2003年度実績83%の3ポイント増 (建築)61%以上 2003年度目標55%の6ポイント増 × ○ 本社、全支店 設置完了 ○ 環境配慮型技術開発の推進 新技術30件以上(2003年度) 環境配慮設計の徹底 地 球 温 暖 化 防 止 対 策 出来高当たりの二酸化炭素排出量 社 会 活 動 の 報 告 循 リサイクル率*3:96% 環 型 社 会 の 構 築 環境手順書の見直し (土木)9%以上 2004年度実績(第3四半期まで) 社内ホームページ掲載 監視:パトロール等による監視 7.1%の2ポイント増 目標達成状況の監視 グリーン購入品目の (建築)6%以上 2004年度実績(第3四半期まで) メーカー等一覧表更新 4.1%の2ポイント増 企 業 活 動 の グ リ ー ン 化 2004年度社員1人当たり リユースコーナー 文房具購入額の10%減 キャンペーン計画・実施 手順書(ポスター等)の作成、周知 監視:パトロール等による監視 目標達成状況の監視 企 グリーン購入率 業 (オフィス)90%以上 活 動 の グ リ ー ン 化 軽油使用量 建設副産物の分別率 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 20%削減(1990年度比) (土木)8%以上 2004年度実績(第3四半期まで) 7.1%の1ポイント増 (建築)5%以上 2004年度実績(第3四半期まで) 4.1%の1ポイント増 オ フ 《廃棄物発生の低減: ィ 事務用備品等》 ス (オフィス部門) *3 環 境 製 品 の 提 供 環境手順書の見直し 社内ホームページ掲載 監視:パトロール等による監視 目標達成状況の監視 ゼロエミ活動のフォロー リユースコーナー 2004年度社員1人当たり の設置サイト数の 文房具購入額の5%減 向上 *1 *2 2015年度 目標 (土木)85%以上 2003年度実績83%の2ポイント増 (建築)59%以上 2003年度目標55%の2ポイント増 ○ 《グリーン購入の推進:資機材》 リユースコーナー の設置 CASBEEによる評価の実施 環境配慮設計の推進 実施率は前年度評価により 分析→中間/通期のまとめ 決定とする。 監視:目標達成状況 CASBEEの理解及び取り組み 環境配慮設計案件の50%を CASBEE評価へ変換 分析→通期のまとめ 監視:四半期毎状況確認 80,000 /億円の2%減 トル リッ トル (建築)3,150 /億円以下 2004年度実績(第3四半期まで) リッ トル 3,215 /億円の2%減 グリーン購入率 の向上 オ サイト数の向上 フ ィ 《廃棄物発生の低減: ス 事務用備品等》 2005年度重点配慮項目 2004年度実績比1ポイント向上 CASBEEの理解及び取り組み 環境配慮設計案件の50%を CASBEE評価へ変換 2005年度現状把握 配慮項目数(前期比) 実績比5項目向上 評価点80%以上目標 リッ 環境手順書の見直し トル /億円以下 (土木)13,030 社内ホームページ掲載 2004年度実績(第3四半期まで) リッ 監視:パトロール等による監視 13,577 トル /億円の4%減 目標達成状況の監視 リッ 省エネ運転の推進、展開 (建築)3,080 トル /億円以下 2004年度実績(第3四半期まで) 2005年度算定使用量(2004年度稼動実績ベース) リッ 3,215 リッ トル /億円の4%減 *2 (土木) 84% 2003年度実績83%の 1ポイント増 (建築) 57% 2003年度目標55%の 2ポイント増 環境DRチェックシートの周知徹底 前年度の現状把握 分析→中間/通期のまとめ 監視:配慮状況/目標達成状況 リッ トル (土木)13,300 /億円以下 2004年度実績(第3四半期まで) リッ トル 13,577 /億円の2%減 リッ (土木大型1現場)78,400 /億円以下 トル 軽油使用量 の低減 ○ 2006年度 目標 2004年度現状把握 配慮項目数(過去の実績) 実績比5項目向上 評価点70%以上目標 ○ 建物の長寿命化 4.8ポイント (土木) 一般土木現場 リッ 12,184 /億円 トル 特定土木現場 リッ 93,874 /億円 トル (建築) リッ トル 3,168 /億円 行動内容 グリーン購入率 (土木)15% (建築)11% 環 境 保 全 活 動 の 報 告 リッ 軽油使用量(リッ トル /億円)=軽油使用量(トル )/出来高(億円) (当社独自に決めた指標) 分別率(%)=(B+C)/(A+C)×100 A:マニフェストを交付した全排出量(m3) B:マニフェスト単品排出量(m3) C:マニフェストの交付を必要としないダンボール、鉄くずなどの専ら物(もっぱら物)の 排出量、石膏ボードなどの広域再生利用制度に基づく排出量、現場内再生利用量、現場内減量化量、 建設副産物のリサイクル率 リサイクル率(%)=D/E×100 D:再資源化・縮減量 E:建設副産物の発生量 (P29「廃棄物の処理実績」の最右欄 に示した3/1と同じ意味です) *4 グリーン購入率 グリーン購入率(%)=グリーン調達品目購入費(億円)/出来高(億円) [建設副産物(*2、*3)には建設発生土と汚泥は含みません] 26 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 27 2004年度の取り組み CO2排出の削減−軽油使用量の削減 熊谷組の環境負荷低減活動は、全社共通の取り組みと、支店、作業所などの事業所独自の取り組みに 分類されます。全社共通の取り組みは、設計部門、施工部門、オフィス部門に分けられます。全社共通 1 の取り組みのうち施工部門の取り組みは、建設3団体の自主行動計画* および、当社の従来からの取り 2 組み状況を考慮して、中長期的な基本方針* を定めています。また、年度ごとの行動計画表に、その年 度の具体的な活動内容と目標を定めています。 報 告 組 織 の 概 要 全社共通の取り組み (1)設計部門における環境負荷低減活動(土木・建築) 環境配慮設計の推進 :設計段階で環境に配慮する (2)施工部門における環境負荷低減活動 地球温暖化防止対策 :建設工事で発生する二酸化 炭素を削減する 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 循環型社会の構築 :建設副産物の最終処分量を 削減する グリーン購入の推進 :当社指定の施工に関するグ リーン調達品目を積極的に 購入する (3)オフィス部門における環境負荷低減活動 循環型社会の構築 :廃棄物発生の低減をはかる。 グリーン購入の推進 :当社指定の事務用品のグリ ーン調達品目を積極的に 購入する 環境配慮設計の推進 当社が設計と施工をおこなう建造物(土木構造物と 建築物)を対象に、建造物の施工、運用、廃棄の各段 階において発生する多様な環境負荷をできるだけ低減 するよう設計段階での環境配慮を自主的に推進してい ます。 【2004年度目標】 土木:配慮項目数の現状把握実績比3ポイント向上 建築:2004年度重点配慮項目の首都圏支店の2003年 環 境 保 全 活 動 の 報 告 度実績比2ポイント向上 (1)自然エネルギー・資源の利用 2.5ポイント以上 (2)エネルギーの有効利用 4.6ポイント以上 (3)建物の長寿命化 3.8ポイント以上 【2004年度実績】 土木の設計物件は3件でした。中間期に設計配慮項目数 と環境配慮評価点 *1の現状把握をおこない目標値を設定 して活動する予定でしたが、中間期に完了した設計物件 がなかったため、2004年度は現状把握のみとしました。 2004年度の環境配慮評価点は85%でした。 28 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 建設工事(施工)段階で排出する出来高あたりのCO 2 を1990年を基準として2004年度は11.2%削減する。 重要課題の一つとして位置づけ、活動を継続していま す。CO 2排出量は、軽油、電力、灯油の使用により発 については、工事現場内で重機、運搬車輌が使用する 事業所 (本社、支店、作業所) では、全社共通の取り組 軽油量、工事で掘削した土の工事現場外への搬出およ みに加え、それぞれの業務特性、地域性等を考慮し、 び建設廃棄物の運搬に使用した軽油量も対象にしてい 事業所独自の取り組みとして活動しています。 ます。 +「支店独自の取り組み」 50 ● 作業所 = 「全社共通の取り組み」 排 40 出 量 30 +「作業所独自の取り組み」 *1 建設3団体の自主行動計画:「建設業の環境保全自主行動計画 第3版」、 (社)日本建設業団体連合会、(社)日本土木工業協会、(社)建築業協会、 2003年2月 *2 長期的な基本方針として「2015年度目標」を策定しています(27ページ参 照)。目標は「熊谷組グループEアクションプラン」に基づいています。 排出量の実績は35.0(t-CO 2/億円)でした。1990年 度実績(41.1(t-CO2/億円))より14%の減少となり 目標を達成しています。 2004年度の環境負荷低減活動としては、CO2排出量の 約70∼80%を占める発生源である軽油の使用量に重点 【2005年度の取り組みについて】 2004年度に引き続き、軽油の使用量に重点を置き、削 減活動を進めていきます。従来から実施してきたアイ 49.6 20 41.1 34.5 ドリングストップ、重機・車輌の整備などの活動は継 35.5 35.1 35.0 2002 2003 2004 続します。さらに重機・車輌の省エネルギー運転を普 10 0 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム に目標を設定し活動しました。 60 +「支店独自の取り組み」 【2004年度実績】 大きな差がある特定の大型現場とその他の現場を別々 CO2排出量の推移(t-CO2/億円) ● 支 店 = 「全社共通の取り組み」 報 告 組 織 の 概 要 を置いて活動しました。土木工事では、軽油使用量に ● 本 社 = 「全社共通の取り組み」 +「本社独自の取り組み」 【2004年度目標】 響は少ないと言われていますが、当社においては、最 生する量を集計しています。そのうち、軽油の使用量 事業所独自の取り組み 全社共通の取り組み 社 会 活 動 の 報 告 日本の全産業の事業活動の中では、建設業の施工段 階における二酸化炭素(以下CO 2という)排出量の影 及するために講習会等を開催し、活動を徹底すること 1990 2000 2001 によりさらにCO2排出量削減に取り組んでいきます。 廃棄物発生の低減 (建設廃棄物のリサイクル促進) 建築の設計物件は40件でした。環境配慮率 は(1)自 建設工事から生じる産業廃棄物の排出抑制、リサイクルの促進に努めるため、国土交通省は2002年5月に「建設 然エネルギー・資源の利用が3.4ポイント(2)エネルギ リサイクル推進計画2002」を策定しています。これを受けて、建設3団体が改訂した「建設業の環境保全自主行動 ーの有効利用が5.3ポイント、(3)建物の長寿命化が4.8 計画第3版」に定める目標値を当社の目標値としています。 *2 ポイントで、いづれも目標値を上回ることができました。 *1 環境配慮評価点=(設計に採用した環境配慮項目数x重み)/(目標環境配 慮項目数x重み) *2 環境配慮率=(設計に採用した環境配慮評価点x重み)/(目標環境配慮評 価点x重み) 【2005年度の取り組みについて】 土木設計では、物件数が少なく特定の技術分野に限 表-1 廃棄物の処理実績 【2004年度目標】 「再資源化・縮減率」を 87%以上とする。 【2004年度実績】 「再資源化・縮減率」は られ、実績に変動が見込まれるため、2005年度の環境 92.3%(建設汚泥を除く) 配慮評価点を70%以上に設定しました。 となり、目標の87%を 建築設計では、2005年度の重点配慮項目を特定し、 達成しています。廃棄 環境配慮評価点の2004年度の1ポイントアップを目指 物の種類別の実績を します。また、環境配慮設計の社会動向を考慮し、 表−1に示します。 CASBEE*3による建築物の環境配慮設計評価を導入しま す。2005年度には環境配慮設計案件の50%を 社 会 活 動 の 報 告 単位:t 中間処理施設 最終処分場 中間処理施設 中間処理施設 再資源化・ 再資源化・ の再資源化・ 発生量 場内利用量他 委託処理量 への委託量 への委託量 の最終処分量 縮減量 最終処分量 縮減率 廃棄物の種類 *2 *2 縮減量 = + = + = + / = + = + 188,423 30,800 157,623 8 157,615 155,251 98.7% 2,364 186,051 2,372 コンクリートがら アスコンがら 32,391 733 31,658 0 31,658 30,708 950 97.1% 950 31,441 その他のがれき類 6,990 0 6,990 382 6,607 3,528 3,079 3,528 3,462 50.5% ガラス・陶磁器くず 2,762 0 2,762 112 2,650 1,415 1,235 1,415 1,346 51.2% 廃プラスチック類 1,947 0 1,947 56 1,891 1,197 694 1,197 61.5% 750 金属くず 10,814 5,526 5,287 30 5,257 5,120 137 10,647 167 98.5% 安定型混合廃棄物 9,535 0 9,535 1,377 8,159 4,357 3,802 4,357 5,178 45.7% その他の安定型廃棄物 1,197 192 1,005 0 1,005 847 158 1,039 86.8% 158 紙くず 675 143 532 7 525 476 49 619 91.6% 57 木くず 13,577 770 12,808 38 12,770 11,889 881 12,658 919 93.2% 繊維くず 57 0 57 0 57 48 9 48 9 84.3% 廃石膏ボード 3,170 542 2,627 144 2,484 1,326 1,157 1,869 1,301 59.0% 管理型混合廃棄物 10,537 0 10,537 8 10,530 5,623 4,907 5,623 4,915 53.4% 廃油 412 0 412 0 412 412 0 412 0 100.0% その他の管理型廃棄物 1,239 0 1,239 25 1,214 1,023 191 1,023 216 82.6% 廃石綿等 39 0 39 22 17 0 17 0 39 0.0% その他の特管物 381 0 381 9 372 314 58 314 67 82.3% 小計 284,145 38,706 245,439 2,217 243,222 223,534 19,688 262,240 21,905 92.3% 建設汚泥 140,514 9,906 130,609 265 130,344 105,578 24,765 115,484 25,030 82.2% 合計 424,660 48,612 376,048 2,482 373,566 329,112 44,453 377,724 46,935 88.9% *1 環 境 保 全 活 動 の 報 告 CASBEEによりおこなう予定です。 *3 CASBEE:建築物総合環境性能評価システム(Comprehensive Assessment System for Building Environmental Efficiency”の略称、環 境配慮設計を推進していくツール *1 場内利用量他:・マニフェストの交付を必要としないダンボール、くず鉄などの専ら物(もっぱら物)の排出量、石膏ボードなどの広域再生利用制度に基づく排出量、現場内再生利用量、現場内減量化量 ・建設副産物管理システムに分別リサイクル月次実績として入力された全ての作業所の実績 *2 最 終 処 分 場 / 中間処理施設への委託量:建設副産物管理システムにマニフェスト交付実績として入力された全ての作業所の委託実績 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 29 ・作業所における分別排出の促進 《廃棄物の処理フロー》 (3)分別率の表示 ・古紙(段ボールなど)、くず鉄などの 場内利用量他 49 (11%) 専ら物(もっぱらぶつ)の分別排出の促進 (単位:千トン) グリーン購入の推進 − 環境物品等の購入の推進 建設副産物管理システムに「分別率の表示」メニュー を設けています。 に基づく「特定調達品目」*1の購入に努めています。 ・コンがら、伐採材等の工事現場内での 再生利用の促進 発生量 委託処 中間処 中間処理設 再資源化・ 理量 理設への の再資源化・ 縮減量 委託量 縮減量 報 告 組 織 の 概 要 425 376 329 378 (78%) (89%) 374 (100%) (89%) (88%) 【2004年度目標】 ・再生利用の広域認定制度 《作業所における分別率の表示》 最終処分量 47(11%) 自主行動計画では2005年度における再資源化・縮減 土木で目標に達しなかった原因には、工事が発注され 率の目標を88%としています。従って、この管理を た段階で、グリーン品目を使用できる個所には既に採 継続します。 用されており、新たに採用を増やすことが難しくなっ ていることが考えられます。 ・支店、作業所における実績管理 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 自主行動計画では再資源化・縮減率の向上とともに、 《廃棄物の種類別発生率》 アスコンがら 8% グリーン購入率を指標として活動を進めます。土木に 別率」を指標とした管理を継続します。 ついては、目標値の向上率を下方修正します。建築に 木くず 3% 建設汚泥 33% るため、グリーン品目の対象範囲を従来より拡大して (1)定義 そ の 他 の 廃 棄 物 コンクリートがら 44% ついては、土木に比べ、扱う資材の種類が多岐にわた 分別率について 金属くず 3% 取り組みます。 分別率=(B+C)/(A+C)×100(%) A:マニフェストを交付した全排出量(m3) *1 B:マニフェスト単品排出量(m3) 等の調達の推進等に関する法律」が制定され、2001年3月に「環境 リサイクルしやすいという観点から、コンクリー 4% 特定調達品目:2000年5月にグリーン購入法「国等の環境物品 物品等の調達の推進に関する基本方針」(環境省告示)が示され、 《支店における分別率の表示》 トがら、アスファルトがら、金属くず、紙くず、 「公共工事における特定調達品目」が指定されています。また、調達 の推進のために、毎年、品目の見直しが行われています。 木くず、繊維くず、石膏ボードの数量をカウント 社 会 活 動 の 報 告 しています。 《再資源化・縮減率(リサイクル率)の推移》 実績値 90 目標値 72.5% 70 63.0% 60 63% 80.3% 80% 82.7% 81% 93.1% 92.3% 86% 87% 86.8% 82% C:マニフェストの交付を必要としないダンボール、 70% として、オフィス内の事務用備品等を再利用する活動 を本社と全支店でおこなっています。 ※建設汚泥を対象外とする。 (2)実績 40 30 【2004年度目標】 2004年度の実績は以下のとおりです。なお、目標の設 20 リユースコーナーの設置 14サイト(設置率100%) 定については、前年までの実績を踏まえて、支店の土 10 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 【支店、作業所における取り組みの内容】 「再資源化・縮減率」には、産業廃棄物処理業者の中間 ますので、作業所では具体的に管理できないことにな 40 として、混合廃棄物の排出抑制に取り組んでいます。 主な取り組み内容は次のようです。 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 70% 70 60 73% 72% ゼロエミッションの取り組みについて 発生の低減につながっています。 2003年度までは、首都圏支店、関西支店を中心とした 【2005年度の取り組みについて】 66% 57% 特定のモデル作業所にてゼロエミッションに取り組ん 2005年度は、リユースコーナーの有効利用を促進して 30 できましたが、2004年度からは、実施範囲を拡大し、 いきます。 20 各支店で最低1現場をゼロエミッション現場として特定 10 0 環 境 保 全 活 動 の 報 告 全14サイトでリユースコーナーの設置を完了しまし た。オフィス内の事務用備品等を再利用し、廃棄物の 80% 50 業所自らが直接確認して管理できる「分別率」を指標 【2004年度実績】 木、建築工事ごとに、毎年度の目標を定めています。 処理施設における減量化量、再生利用量が含まれてい ります。従って、当社では、2000年度より、支店、作 30 当社では、オフィスにおける廃棄物の発生抑制を目的 場内再生利用量、現場内減量化量(m3) 50 0 −事務用備品等の廃棄物発生の低減 膏ボードなどの広域認定制度に基づく排出量、現 88% 社 会 活 動 の 報 告 オフィス部門の取り組み くず鉄などの専ら物(もっぱら物)の排出量、石 100% 80 環 境 保 全 活 動 の 報 告 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 【今後の取り組みについて】 混合廃棄物の排出削減を求めています。従って、「分 建設混合廃棄物 5% 【2004年度実績】 グリーン購入率は、土木7.0%、建築4.1%でした。 ・全社としての実績管理 中間処理設の 最終処分量 44(11%) 報 告 組 織 の 概 要 グリーン購入率 土木8%、建築4% (端材のメーカー引取り制度)の活用 【2005年度の取り組みについて】 最終処分場への 委託量 2(1%) 当社では、建設資材の購入について、グリーン購入法 して実施する継続的な取り組みを開始しました。現在、 2000 2001 2002 ※土木・建築あわせた分別率を示す 2003 2004 全国で11現場(土木:5現場、建築:6現場)で取り組 んでいます。 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 31 【土木部門】 事業所独自の取り組み 目 的 (04年度) 北陸支店 1 ここでは本社・支店が地域の特性 等を考慮し、独自に取り組んでいる 20回 実績値 達成/未達 19回 × 実績値 達成/未達 北海道支店 ※ 首 都 圏 支 店 の 集 計 に 含 み ま す 【建築部門】 1 現場見学会の開催 K-TOPS活動の徹底 目 標 値 (04年度) 1現場あたりの 1回以上/1現場 0,89回/現場 開催回数 × 【オフィス部門】 目 的 (04年度) した項目については、継続的に維持 活動を行っています。 達成/未達欄の凡例 ○:目標達成 ×:目標未達 −:該当なし 目 標 値 (04年度) 1 電気使用量の削減 電気使用量 2 水の使用量削減 水使用量 3 グリーン購入率の向上 グリーン購入 金額比率 実績値 達成/未達 468,350kwh以下 465,424kwh ○ 2,069m3以下 2,495m3 × 17%以上 18% ○ 1 熱帯材型枠の代替率の向上 熱帯材型枠消費の低減 実績値 達成/未達 山岳トンネル 93%以上 該当なし シールドトンネル 85%以上 89% 目 標 値 (04年度) 目 的(04年度) (四国支店を含む) 代替率 74% ○ ○ 65ポイント以上 81ポイント ○ 1作業所あたり 1回/月以上実施 1作業所あたり 1.7回/月 ○ その他 2 Nox、 Sox排出量の削減 3 地域交流活動実施の向上 地域との交流活動の実施 エコポイント (独自評価基準) 実施率 67%以上 東北支店 【土木部門】 目 的 (04年度) <地域との交流活動> 地域の環境活動への参画 1 東北支店 1 熱帯材型枠の代替率の向上 熱帯材型枠消費の低減 2 電気使用量の低減 3 地域交流活動実施の向上 地域との交流活動の実施 実績値 達成/未達 SRC造 30%以上 30.5% RC造 20%以上 32.4% ○ ○ × 目 標 値 (04年度) 代替率 S造 60%以上 57.9% 8,283 (kwh/億円)以下 電気使用量 1作業所あたり 1回/月以上実施 実施率 4,964 (kwh/億円) ○ 1作業所あたり 1.2回/月 ○ 目 的 (04年度) 1 <エネルギー(電気)の消費> 工事電力の低減 北陸支店 <地域との交流活動> 2 現場周辺の一斉清掃 【オフィス部門】 目 標 値 (04年度) 目 的(04年度) 実績値 前年度購入枚数 (3,036,683枚)の 2%減 15.8%減 (2,555,585枚) ○ 購入率 前年度購入率(79.0%)の 2ポイント増 82.5% ○ 地域交流活動実施の向上 3 地域との交流活動の実施 実施率 2回/年以上実施 12回 ○ 6∼9月実施 ○ 4 ノーネクタイ運動の推進(夏季) ノーネクタイ運動の実施 広島支店 (九州支店を含む) 社 会 活 動 の 報 告 1 建設機械による 騒音の低減 2 建設機械による排ガスの 低減 1 建設機械による騒音の 低減 目 標 値 (04年度) 低騒音型建機の 使用率 83%以上 対策型建機の使用率 目 的 (04年度) 1 グリーン購買の実施 75%以上 2 重機の振動の低減 目 標 値 (04年度) 低騒音型建機の 使用率 低振動型重機採用率 本社 1 90%以上 90%以上 実績値 91.5% 96.6% 実績値 95.5% 90.1% 達成/未達 九州支店 目 的 (04年度) 1 ○ ※ 広 島 支 店 の 集 計 に 含 み ま す 環境配慮技術の 社内提案 目 的 (04年度) 名古屋支店 達成/未達 ○ 関西支店 ○ 達成/未達 エコ商品購入率 2001年度比 4.0%以上増 27.0%増 ○ 事務用品購入金額 2001年度比 7.0%以上減 29.3%減 ○ 1 <熱帯雨林の保全> 熱帯材型枠の消費削減 沖縄 実績値 達成/未達 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 電力使用量 5,891 5,473 (kwh/億円)以下 (kwh/億円) 実施率 100% × 100% (458件/458件) ○ 目 標 値 (04年度) 100% 購入率 実績値 達成/未達 100% (258件/258件) ○ 目 標 値 (04年度) 型枠代替率の向上 熱帯材型枠の消費低減 目 的 (04年度) 2 油/有害物質の漏れ 手順書の遵守と事故ゼロ 目 標 値 (04年度) 代替率 遵守項目実施率 78%以上 96.4%以上 実績値 達成/未達 9件 ○ 1 型枠代替率の向上 熱帯材型枠の消費低減 目 標 値 (04年度) 代替率 31.6%以上 目 標 値 (04年度) 実績値 達成/未達 43.7% ○ 実績値 達成/未達 社 会 活 動 の 報 告 代替率 29.1%以上 目 標 値 (04年度) 1 コピー用紙購入量の 削減 購入量 1,050(枚/人月) 1,070 (枚/人月) 以下 × 2 リサイクルできない 一般廃棄物の発生削減 発生量 11.1 11.3(kg/人月) 以下 (kg/人月) ○ 【土木部門】 実績値 83.7% 98.3% [第1四半期実績(95.4%) の1ポイント以上増] 達成/未達 ○ 本 社 目 的 (04年度) 1 実績値 51.6% 環境配慮型技術の開発 (土木技術部) 2 ○ 環境配慮型技術の開発 (トンネル技術部) 目 的 (04年度) 達成/未達 目 標 値 (04年度) 実績値 環 境 保 全 活 動 の 報 告 達成/未達 技術開発件数 1件以上 1件 ○ 技術開発件数 1件以上 1件 ○ 【建築部門】 【建築部門】 目 的 (04年度) 1件以上 【オフィス部門】 【土木部門】 目 的 (04年度) 1 1 自社施工物件における環境に 関連する関連工事の情報開示 ○ 目 標 値 (04年度) データ収集方法検討の実施 実績値 実施 該当物件なし 物件情報収集 達成/未達 ○ − 【技術研究所】 2 エネルギー(電気) の消費削減 目 的 (04年度) 1 実施率 53%以上 75% 目 標 値 (04年度) ○ 目 的 (04年度) 1 目 標 値 (04年度) 環境保全に配慮した研究 環境チェックシートの運用 テーマ毎の設定 グリーン購入 高割合 56.3% 目 的 (04年度) 達成/未達 × 2003年度 グリーン購入高割合 (52.1%)の5ポイント増 実績値 実施 達成/未達 ○ 【オフィス部門】 実績値 1.2%増 2003年度電気使用量 電気使用量の低減 (440,413kwh/ 電気エネルギーの消費削減 電力使用量比 (435,163kwh)の 1ポイント減 435,163kwh) グリーン事務用品の 2 購入促進 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 ○ 【建築部門】 【オフィス部門】 32 目 標 値 (04年度) 有用な情報の 社内展開 首都圏支店 ○ 実績値 名古屋支店 九州支店 環 境 保 全 活 動 の 報 告 目 標 値 (04年度) グリーン購買の実施 達成/未達 【土木部門】 首都圏支店 【オフィス部門】 目 的 (04年度) 実績値 100% (83件/83件) 広島支店 【建築部門】 目 的 (04年度) 100% (北海道・北関東・東関東・横浜支店及び沖縄含む) 【土木部門】 目 的 (04年度) 実施率 【オフィス部門】 達成/未達 購入枚数 グリーン購買の推進 2 (文房具) 1 用紙使用量の削減 目 標 値 (04年度) 【建築部門】 【建築部門】 目 的(04年度) 報 告 組 織 の 概 要 北海道支店 【土木部門】 関西支店 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 参加回数 目 的 (04年度) 改善活動(目的・目標の設定内容と その実績)を示します。目標を達成 報 告 組 織 の 概 要 地域交流活動参加 目 標 値 (04年度) × 目 標 値 (04年度) 1 電気エネルギー消費の削減 昼休みの消灯、パトロールに よる節電評価 2 コピー用紙購入量の削減 購入量 リサイクルできない一般 発生量 廃棄物発生量の削減 グリーン・エコマーク商品 グリーン・エコマーク商品 4 購入金額の割合 (事務用品)の購入促進 3 平均1.5以上 実績値 1.7 達成/未達 ○ 870(枚/人・月)以下 1,077(枚/人・月) × 11.3(kg/人・月)以下 10.3(kg/人・月) ○ 75%以上 80.4% ○ 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 33 報 告 組 織 の 概 要 報 告 組 織 の 概 要 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 社 会 活 動 の 報 告 社 会 活 動 の 報 告 環 境 保 全 活 動 の 報 告 環 境 保 全 活 動 の 報 告 34 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 35 マニフェスト管理システムの運用 報 告 組 織 の 概 要 廃棄物処理法により、産業廃棄物を処理業者 に委託する場合にはマニフェスト(複写式伝票) による管理が義務づけられています。当社では 「建設副産物管理システム」を開発し、1997年 度より全作業所で運用しております。この内容 は以下のとおりです。 (3)マニフェスト戻り票の確認と保管 | 作業所 作業所は、処理業者から返送されたマニフェストの データをシステムに入力します。 〔作業所;マニフェスト伝票の入力(A票) 〕 支店は、工事着工前にあらかじめマニフェストに必 要な事項を印字して、各作業所に配布します。 支店メニュー 情報の解説 (2)第2版(2001.11.30改訂) 時の承認者、決裁者および契約締結者の実施事項を定 めています。また、委託契約書の保管部署(法定保管 ・排出ガス対策形建設機械の指定情報を更新 ・PCB特別措置法、家電リサイクル法の解説を追加 期間:5年間)なども定めています。 (2)排出事業者責任(元請責任)の履行 環境省通知(建設廃棄物処理指針)に示されている ・新たに制定された建設リサイクル法の概要を紹介 ・焼却炉解体に伴うダイオキシンを含む排水、廃棄物 に関する留意事項を追加 とおり、建設工事から生じた全ての廃棄物は、元請業 者が排出事業者として適正に処理する必要がありま (1)マニフェスト(伝票)の配布 | 支店 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム (1)優良な処理業者の選定 支店による指定業者のリストの展開、処理業者選定 報 告 組 織 の 概 要 (3)第3版(2002.11.1改訂) ・下水道使用時の届出基準を追加 す。従って、下請業者の持ち込んだ資材の残材であっ ても、当社の現場内で生じた廃棄物は、全て当社が排 出事業者として適正に処理しています。 ・新たに制定された土壌汚染対策法の概要を紹介 ・低騒音建設機械について、「みなし機械」の指定取 り消しを追加 (3)産業廃棄物管理票(マニフェスト)の管理 マニフェストの印字、交付、戻り票の確認・保管に ・建設リサイクル法の規制内容と、社内ルールを解説 (4)第4版(2003.5.20改訂) ついての実施者、管理責任者などを定めています。 (4)建設リサイクル法の遵守 発注者への説明、契約、報告等を適切に実施するた め、社内の役割分担などを定めています。 ・土壌汚染対策法の内容と、社内ルールおよび建設業 者としての対応を解説 ・産業廃棄物を所管する政令市のリストを更新 ・河川、湖沼、下水道などの水質汚濁防止に関する規 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 制内容を再整理し、解説を追加 (4)マニフェスト管理状況の確認 | 支店 支店は、これらのデータをシステムにより総合的に 管理します。これにより、産業廃棄物の搬出からその 後の最終処分、リサイクルに至るまで一貫した管理を 実施して、不法投棄等の防止に役立てています。 〔作業所:リサイクル実績の入力〕 社 会 活 動 の 報 告 (2)マニフェストの交付 | 作業所 します。 作業所メニュー (マニフェストの使用が免除された排出実績、現場内利用等 のリサイクル実績についてもデータ管理しています。) 環境法令に関する文書の整備 建設副産物取扱要領(社則:2002発行、2003改訂) 法遵守はもとより、企業としての社会的責任 を果たすために、次のような社内ルールを定め ています。 36 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 工事予定地が汚染されていたり、廃棄物が埋 まっている場合には技術的にも、法的にも慎重 な対応が求められ、企業の社会的責任として汚 染の拡散等の防止に努めなければなりません。 従って、営業部署、施部署等における役割分担 を社内ルールに定めています。これにより、営 業マン、作業所長個人の判断に頼る(負担とな る)ことを回避し、支店全体としての総合的か つ適切な対応に努めています。 環境管理ガイドライン(社内テキスト)-A4-79頁 作業所は処理業者に交付したマニフェストのデータ (日付、産業廃棄物の種類、数量)をシステムに入力 環 境 保 全 活 動 の 報 告 土壌汚染対応要領(社則:2002発行、2004改訂) (1)第1版(2001.3.1発行) ・環境関連法規制の解説 大気、水質、騒音、土壌、廃棄物等に関する環境関連 法令、関係通知及び建設業界作成資料等の内容を解説 (ただし支店では本テキストに加えて、それぞれの自 治体の条例等の内容を踏まえた指導を実施) ・社内ルールの解説 建設副産物取扱要領、土壌汚染対応要領に定める社内 ルールの制定に至った経緯、具体的な実施事項及び対 応時の留意事項などを解説 ・関連情報の紹介 ・建設副産物のリサイクル促進のための国土交通省の 施策等を更新 (5)第5版(2004.4.1改訂) ・土壌汚染対策法における指定区域等の施行状況を説明 ・営業所、作業所における少量の灯油、軽油の保管に ついて、流出による水質汚濁防止の観点から、消防法 に基づく市町村条例に定める保管方法等の遵守などを 解説 ・国土交通省が新たに策定した「建設発生土の有効利 用に関する行動計画」を追加 (6)第6版(2005.4.1改訂) ・土壌汚染対策法における指定区域等の情報を更新 ・廃棄物処理法の改正に伴い廃棄物運搬車両の表示、 書面の携行等の新たな規制内容を追加 社 会 活 動 の 報 告 ・廃棄物処理法の改正に伴い最終処分場跡地における 形質変更時の届出義務を追加 ・再生利用に関する広域認定制度に基づき、当社と基 本契約を締結したメーカーのリストを更新 環境法規制登録簿 (ISO14001関連文書:1997発行、2005第14版改訂)-A4-43頁 本社では、法令及び中央官庁の関連通知など を取りまとめて登録簿を作成しています。また、 支店では、これに自治体の条例等による指導内 容を加えた登録簿を作成しています。 参考書籍、参考資料等の解説 安全環境統括部ホームページに掲示する関連リンク先 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 37 環 境 保 全 活 動 の 報 告 法規制遵守の確保のための実施事項 (1)新法の遵守状況の確認 報 告 組 織 の 概 要 施行後2年を経過した建設リサイクル法、土壌 汚染対策法の遵守状況等の確認について、環境 マネジメントシステムに基づく内部監査、EM Sパトロール、外部審査などを実施しました。 (2)建設副産物管理システムにおける 機能の追加(2005.3.31追加) 1 支店管理用メモ機能 支店ではマニフェスト記載データの他にも、紙 としての伝票の保管場所、自治体条例等に基づ く事前協議の内容などを管理する必要がありま す。従って、支店担当者が自由に記載できるメ モシート(台帳)をメニューに加えました。 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 3 支店におけるデータ集計項目追加 多量排出事業者としての都道府県政令市への年 度報告については、現状では、各自治体により 報告様式、内容がそれぞれ異なっています。従 って、支店で自由に操作できるデータ集計機能 に、システムが保有している処理業者の許可番 号、新築・解体工事の区分などのデータを追加 しました。 (3)PCB廃棄物の管理 当社のPCBを含む電気機器は、全数豊川分室 にて保管しており、駐在している社員(特別管 理管理産業廃棄物管理責任者)により管理され ています。 2 リサイクル実績における管理項目の変更 作業所における建設汚泥のリサイクル実績につ いて、現場内減量化量、現場内再生利用量、現 場外再生利用量を区分しました。(「作業所:リ サイクル実績の入力」参照) 社 会 活 動 の 報 告 PCB廃棄物の保管状況です。鉄製容器に収納して保管しています。 〔支店;マニフェストデータの集計〕 環境保全関係法令の遵守状況 (1)過去5年以内の法令等の違反、事故等 1 法令等の違反 法令への違反はありませんので、罰金、科料等 も受けていません。 2 事故等 2004年度に事故等は発生しておりませんが、過 去5年以内に発生した事故は以下のとおりです。 ・建築工事の掘削土を搬出しましたが、もとか らの土地に鉱さいが混入していることが判明し たため、市の廃棄物所管部局に相談して速やか に回収し、産業廃棄物として委託処理しました。 対応策として、土壌汚染対応要領、環境管理ガ イドラインに解説を加えました。 ・水質汚濁防止法の特定施設のある工場敷地内 において、誤って、建築用塗料の一部が雨水側 溝を通じて流出しましたが、直ちに回収しまし た。対応策として、環境保全関係法令集、環境 管理ガイドラインに、工場敷地内などにおける 水質汚濁防止法の適用についての解説を加えま した。 ・工事現場に軽油を搬入しようとしたタンクロ ーリーが運転を誤り、河川敷に横転して少量の 軽油が漏れました。直ちに河川敷より回収する とともに、河川敷の土砂を処理して水質への影 響を防止しました。対応策として、油混じりの 土砂の処理について、環境管理ガイドラインに 解説を加えました。 (2)環境に関する訴訟について 環 境 保 全 活 動 の 報 告 2004年度において、環境に関する訴訟を行っ ていませんし、受けてもいません。 (3)環境に関する苦情や 利害関係者からの要求等 建設工事に伴う騒音に関する苦情等について は、環境マネジメントシステム(ISO14001)に 定める方法により管理しています。 38 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 (4)廃棄物に関する報告等の実施 2004年度における報告等の実施状況は次のよ うです。 報 告 組 織 の 概 要 1 県外廃棄物の事前協議 ・廃棄物処理法に基づく規制内容には該当しま せんが、県によっては県外からの産業廃棄物の 搬入について、事前協議が必要な場合がありま す。従って、各作業所において必要に応じて事 前協議を実施しました。 ・ただし、1作業所において、事前協議に漏れ (マニフェスト7枚分)が生じたため、直ちに県 にこの旨を報告し、必要書類を再提出(2005年 3月)して翌月に搬入承認通知書を受領しました。 この再発防止策として、当該支店では直ちにチ ェックリスト等による再教育を実施しましたが、 本社においても前述のとおり、このような事項 の管理のために建設副産物管理システムに「支 店管理用メモ機能」を新たに追加し、この機能 の活用の促進についてを全支店に周知しました。 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 2 多量排出事業者の報告 ・廃棄物処理法に基づき、多量排出事業者のと しての年度報告を都道府県に実施しました。 (2004年6月) 社 会 活 動 の 報 告 3 特定建設資材廃棄物の再資源化等の完了報告 建設リサイクル法に基づき、規制対象となる工 事について、元請業者としての再資源化等の完 了報告を発注者に実施しました。 (5)土壌汚染に関する対応 ・土壌汚染対策法に定める「土壌汚染状況調査」 について、当社は指定調査機関(環境省)とな っています。このような専門的な調査機関とし ての対応実績については、環境保全技術「土壌 汚染対策」(41ページ)に示すとおりです。 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 39 環 境 保 全 活 動 の 報 告 リサイクル技術・環境汚染防止技術・自然再生技術 根っこや枝葉などを細長く針のように砕いた もの(チップ)を土、種子などと混合し、草木 の育ちにくい硬い土の斜面などに吹き付けたり、 貼り付けて、草木の育つ地表(生育基盤)を創 り出す工法です。根っこなど従来は不要なもの として廃棄していたものをリサイクルすること により、廃棄物の量を減らすことに貢献してい ます。 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 「武華トンネル坑口部法面保護工事」のネッコチップ工法 家庭などから回収されるガラスを主な原料と した吸音板(リサイクル発泡ガラス吸音板)を 開発し防音壁として利用しています。 ① この技術は、中部電力株式会社、新日鐵化学 株式会社、日東紡音響エンジニアリング株式 会社との共同開発によるもので、旧建設省の 「建設技術評価」の認定を取得しています。 (建技評第96431 号) ② 主な施工実績: 防音壁:追浜マンション(京浜急行) /230㎡など 施工中 施工後 ① ネッコチップ工法の効率化・適用範囲の拡大 によるリサイクル率の向上を図る技術開発を 実施し、新たに「Newネッコチップ工法」と して技術審査証明を取得しました。 (2005年3月) ② ネッコチップ工法を施工した京都の立命館宇 治高校移転工事では、リデュース・リユー ス・リサイクル推進協議会が実施する平成14 年度リデュース・リユース・リサイクル推進 功労者等表彰事業において国土交通大臣賞を 受賞しています。 ③ 施工実績:800,000㎡ (2005年3月時点) 2004年度施工実績 120,000㎡ 社 会 活 動 の 報 告 2004年度の主な施工実績: 環 境 保 全 活 動 の 報 告 道頓堀川水辺工事(橋脚基礎コンクリート)、東北幹、 三本木原トンネル他工事(トンネル覆工コンクリート) (回収ガラスを利用した防音壁) (伐採樹木を利用したのり面緑化工法) 報 告 組 織 の 概 要 ① 主な施工実績 エコサウンドパネル リサイクル/騒音対策 ネッコチップ工法 リサイクル/緑化技術 2 田尻工業団地造成工事/国富町土地開発公社 28,000m 武華トンネル坑口部法面保護工事/北海道開発局旭川開 2 発建設部 600m (法枠内緑化) 平戸永谷川遊水池整備工事/横浜市下水道局 施工面積7,000m2 水無川火山地域総合治山工事/長崎県島原振興局 2 2,300m ④ グリーン購入法の特定調達品目に登録されて います。 (2002年度) ⑤ 特許第3547613号、2004年4月23日。 ③ 技術の特徴: ●吸音性能及び遮音性能は、日本道路公団防 音壁仕様を満足しています。 ●吸音材原料に家庭等で回収されるガラスの リサイクル材料を使用しています。 ●撥水性に優れています。(水分吸収後、3時間 で常乾状態に戻ります) ●吸音板表面は塗装が 可能ですので、周囲の 景色に調和した色の防 音壁を設置できます。 エコサウンドパネル利用例/道路用の防音壁 スーパーパフォーマンスコンクリート 高性能多機能コンクリート (水を濁らせない水中コンクリート) スーパーパフォーマンスコンクリートは高性 能多機能なコンクリート技術です。海洋構造物 や河川構造物等の基礎工事では、水環境に直接 コンクリートを打ち込む場合があります。本コ ンクリートは、高い自己充填性とセルフレベリ ング性を持っているにもかかわらず、この様な 水中打ち込み時の水環境へのセメント成分の逸 脱を抑えたコンクリート技術で、静水中の打ち 込みであれば、水の透明度を失うことのないク リーンな環境での水中コンクリート打ち込みが 可能です。また、打ち込んだコンクリートはセ メントの逸脱がないため通常の水中打設コンク リートと比較し高品質・高耐久なコンクリート となります。 水中への打ち込みで水環 境を汚さないコンクリー トの打ち込みと、天端な らしが不要なセルフレベ リング性を実現しました。 ① 主な適用実績 国立海洋関連研究機関(屋外ビオトープ)、東京都庁都 民広場(屋上ビオトープ)、大阪いぶきの病院(屋上ビ オトープ)、福岡市内アミューズメントパーク(屋外せ せらぎビオトープ)、渋谷区ふれあい植物センター(室 内ビオトープ) ホタルビオトープ ビオト−プ ビオトープのひとつの応用として、失われた 自然の象徴ともいえるホタルが棲める環境づく り「ホタルビオトープ」に、2001年から取り組 んでいます。ホタルの卵∼羽化までの生育に適 した土づくり、水づくりを通して「ホタルの棲 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム (上)都庁都民広場(屋上ビオトープ) (左)渋谷区ふれあい植物センター 土壌汚染対策 スーパーリサイクロンシステム SRS/建設廃棄物リサイクル・重金属汚染土壌浄化 土壌・地下水汚染調査、修復件数 土壌汚染対策 (油に汚染された土壌の浄化技術) 2003年2月に施行された土壌汚染対策法によ り、工場などの跡地の汚染調査や健康リスク対 策が義務付けられ、土地の処分・購入に際して はもちろん、現時使用中の土地においても周辺 への拡散防止、資産価値の見直し等早急な対応 が必要とされています。当社においては、土 壌・地下水汚染調査、修復事業は、調査計画・ 実施、土壌修復施工に加えて、リスクコミュニ ケーション (インターリスク総研との提携) などを含め た総合的な事業展開を行っています。2004年度 は下のグラフのとおり、問い合わせ件数98件の うち59件の調査・修復を行っています。 (件) 120 問合せ件数 ■ 102 調査・修復件数 ■ 100 95 98 83 80 60 40 24 7 8 7 4 0 96 10 2 9 17 6 (年度) 97 19 98 19 99 19 00 20 01 20 02 20 〈特 徴〉 ●油の確実な除去:油含有量数万mg/kg の土壌 から油分を90 ∼ 95 %除去することができま す。●土壌粒子の再利用 :油除去した土壌の現 位置への埋戻し、およびア スファルト骨材等への再利 用が図れます。●環境負荷 が小さい:自然の浄化力を 利用したシステムですの で、煙、粉塵、溶剤廃液等 が発生しません。 ① 建設廃棄物リサイクル 32 20 溶剤(化学薬品)や熱を使用することなく、 水と磨砕による土壌浄化技術で、油汚染土壌を トルネードコンボ内で精米するように擦りあわ せ、表面に付着した油を物理的に剥離させ、洗 浄除去した土粒子を回収するシステムです。 03 20 問い合わせ件数及び調査・修復件数 04 20 社 会 活 動 の 報 告 環 境 保 全 活 動 の 報 告 59 55 50 ∼ 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 報 告 組 織 の 概 要 (ホタルの棲める環境づくり) 19 40 める環境づくり」を行うものです。技術研究所 のビオトープでは、2003年にヘイケボタルの羽 化に成功し、翌2004年にはヘイケボタルに加え、 ゲンジボタルの羽化にも成功しました。 トルネードコンボ 建設廃棄物リサイクル大手のタケエイおよび 熊谷組を含むゼネコン各社などが出資、設立 した「リサイクル・ピア」が、東京スーパー エコタウン事業の一環として東京都大田区城 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 41 南島に建設した大型工場内に解体系廃棄物の洗 浄用として納入しました。納入した設備は、グ ループ会社のうち機械メーカーである「テクノ ス」と環境分野の専門会社である「エコテクノ」 が連携して、設計・製作・設置したもので、洗 浄により不燃物に大量に含まれる土石資材のリ サイクルが促進され、再資源化率94%を目指 す最新の工場で、2005年に稼働を開始してお ります。 報 告 組 織 の 概 要 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム リサイクルピア 騒音・振動対策 騒音対策/床衝撃音を抑える梁補強工法 サイレントコラム工法は、事務所ビルを集合 住宅や宿泊施設に用途変更(コンバージョン) するための梁補強工法です。集合住宅などでは 事務所ビルより高い床衝撃音遮断性能が求めら れるため、コンバージョンの際には重量床衝撃 音への対応が求められます。本工法により,重 量床衝撃音を抑えて高い遮音性能を実現します。 ① 主な実績 都内宿泊施設(鉄骨造の事務所ビ ルを宿泊施設にコンバージョン) H鋼による梁の補強状況 道路用自立式防音壁 騒音対策/高い吸遮音性能を備えた防音壁 環 境 保 全 活 動 の 報 告 ポーラス(多気孔)コンクリート吸音板「サイ レントポーラスパネル(商標登録申請中)」とプ レキャスト(PCa)ガードフェンスを組み合わせ た道路用自立式防音壁です。高い吸音性能(残 響室法吸音率0.95(1000Hz) を備え,一般のコンクリー ト製品と比べ全周波数を合 成した音圧レベルで2∼3デ シベル低減(エネルギー比 設置状況 42 (高い床衝撃音遮断性能を有する二重床) NSフロアーは従来の置き床工法の問題点であ った、①「際根太(きわねだ)による床振動の 伝搬」、②「床下空気層の太鼓現象による床衝撃 音遮断性能の低下」を解消するために、壁際部 を絶縁処理し防振システムネダ仕様とした、高 い床衝撃音遮断性能を有する乾式遮音二重床で す。また、床先行工法 とすることにより、施 壁際部の絶縁処理 上下支持闇 仕切り壁 工能率の良い置き床を 防振システムネダ 実現した画期的な工法 です。 仕上げ天井 間仕切 り壁 共同研究/開発者:信州大学工学部山下恭弘教授、 (有)泰成電機工業 ① 主な施工実績 で最大50%減)されます。 サイレントコラム工法 社 会 活 動 の 報 告 産業廃棄物中間処理業の三井商事八千代中間 処理場へ汚染土壌重金属抽出プラントを納入、 2005年2月より稼動開始しております。この プラントは重金属汚染土壌を酸性の水と2段 のハリケーンによる磨砕洗浄で、土壌より重 金属を剥離、浄化するものです。浄化された 土壌は再利用されることはもちろん、洗浄水 も水処理設備で浄化 後、再利用するなど 環境にやさしいプラ ントです。水処理設 備も含めたプラント 一式を納入した最初 汚染土壌重金属抽出プラント の事例です。 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 NCH中央街区A棟(三井不動 産)/24,000㎡、糸屋町プロ ジェクト(関電不動産・大京) /27,000㎡など 共同研究/開発者:株式会社ガイアートT・K、ジオスター株式会社 STEP工法 無振動・低騒音サンドコンパクション工法 ① 主な施工実績 振動対策/振動源の特定と評価 環境振動の発生方向を特定し、視覚的に表示 することが可能な装置です。振動の方向だけで なく、強さ、速度、周波数などを色や大きさで 表現し、装置に設けたデジタルカメラの画像を 映しリアルタイムで画像と 組み合わせて表示するため, 振動環境を詳細に評価する ことができます。 共同研究/開発者:中部電力株式 会社、信州大学工学部山下恭弘教授 振動カメラの測定例 ① 主な施工実績 地中防振壁の防振性能評価 (仮称)新浦安ベストブライダル新築工事内地盤改良工 事(2005年2月) (左)(仮称)新浦安ベストブライダル新築工 事内地盤改良工事(2005年2月)における STEP工法の施工状況 (右)STEP工法施工機械の ケーシングとオガースク リュー先端部詳細 ① 主な施工実績 自動車工場騒音調査、砕石工場騒音調査、風切り音調査 など サイレントボイド 騒音対策 (床衝撃騒音の遮断材) マンションの床がフローリングなどの場合、 入居者が椅子をずらしたり、歩いたりすること による衝撃による騒音(物音)は、この床の真 下の部屋の入居者にとっては不快な騒音となり ます。この対応のために、床材に工夫を加えま した。床衝撃音遮断性能が低下する原因となる 共振現象を低減するため,波型のボイド型枠 “サイレントボイド”を開発しました。従来の中 空ボイドスラブと同様の設計・施工が可能なた め,コストアップすることなく,高い床衝撃音 遮断性能を確保することが可能となります。 共同研究/開発者:信州大学工学部山下恭弘教授 ① 主な施工実績 振動カメラ (振動対策・騒音対策/砂地盤の液状化を防止する無振動・無騒音地盤改良技術) 地盤改良工法の内、地震による緩い砂地盤の 液状化を防止する地盤改良技術のひとつです。 従来の技術では工事中の騒音・振動が大きな問 題になっていましたが、本工法はエアーを間欠 に噴射しながら造成杭材料をオガースクリュー でコンベア方式で地盤中に押出し、オガーヘッ トで捻りせん断を与えることで拡大された強い 砂杭を作ります。したがって振動発生源になる 機械等を使用しないために工事が行われている ことさえ感じさせない静穏な工事環境が得られ ます。また、投入材料には砂の他にコンクリー ト再生材を使用します。 共同研究/開発者:中部電力株式会社、信州大学工学部山 下恭弘教授 NSフロア 騒音対策 ② 重金属汚染土壌浄化 音カメラ 騒音対策 (音源の特定と評価) 音源の位置・大きさ・高低といった情報を特 定するとともに、同時に撮影されるデジタルカ メラ画像上に音源を表示させることにより、画 像上の物体のどこの部分からどのような音が出 ているのかを視覚的に分かるようにした装置で す。工場騒音、工事騒音などの評価や耳の不自 由な方への音情報の提供に活用できます。 サイレントボイド:グランドメゾン玉川上水B、C棟 (積水ハウス)/15,000㎡、武蔵浦和計画(新日鐵都市開 発)/24,000㎡、武蔵小杉計画(三井不動産)/17,000㎡、 糸屋町プロジェクト(関電不動産・大京)/30,000㎡、 京急上永谷計画(京浜急行)/25,000㎡など 打込サイレントボイド:グランドパレス鳥追町(第一交 通)/3,900㎡、フローレンス春日町(章栄商事)/6,500 ㎡など 報 告 組 織 の 概 要 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 社 会 活 動 の 報 告 PAB工法 騒音対策 (プラズマによる低騒音破砕工法) 岩やコンクリ−トに穿孔した孔に水を注水し、 蓄電した電気エネルギ−を電極棒の先端から一 気に放電させ、この衝撃波により対象物を破砕 する工法です。化学物質や金属などの反応に頼 らず、水と電気エネルギ−のみを利用するため、 環境汚染も無く、騒音・振動が小さく、破片の 飛び散ることもありません。また、充電電圧の 調整によって破砕力も調整できます。大型重機 を使用せずにこれまで破砕が困難であった硬岩 やコンクリート構造物を 破砕することが可能にな りました。平成16年度日 本建設機械化協会貢献賞 を受賞しました。 破砕工法の原理 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 43 環 境 保 全 活 動 の 報 告 環境保全活動のために投じた「コスト」と結果としての「効果」を社内的に把握するだけでなく、よ り正確な定量的な環境情報を開示するために「環境会計」として「環境保全コスト」、「環境保全効果」、 「経済効果」を集計しました。集計・把握にあたって、建設業3団体環境会計ワーキンググループでと りまとめた「建設業における環境会計ガイドライン2002年版」を参考としました。 報 告 組 織 の 概 要 基本的な重要事項 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 4. 集計方法(環境保全コスト) の結果を用い、重複しない項目については、 「環境保全コスト」算出にあたっては土木 土木工事・建築工事より32作業所をサンプ 工事・建築工事より37作業所をサンプリン リングし、出来高の比率により全社推計を 1. 対象期間 グし、出来高の比率により全社推計を行い 行いました。32作業所の内訳は土木工事 2004年4月1日∼2005年3月31日 ました。37作業所の内訳は土木工事19作 15作業所(出来高比率19%) 、建築工事17 2. 集計範囲 業所(出来高比率36%)、建築工事18作業 作業所(出来高比率26%)です。 (株)熊谷組 所(出来高比率28%)です。 オフィス部門が関与する項目に対しては全 (但し、国内のみ) オフィス部門が関与する項目に対しては全 数調査を実施しています。 数調査を実施しています。 6.集計方法(経済効果) 当社単独施工工事と当社が幹事会社である 5. 集計方法(環境保全効果) 2004年度と2003年度の費用額の差を事業 「環境保全効果」算出にあたっては、当社 ある場合は当社で管理できないため除外し が重点的に実施している環境負荷低減活動 ました。 (地球温暖化防止対策、循環型社会の構築、 グリーン購入の推進)と重複する項目はそ 環境保全コスト 分 類 活動量(売上高)により調整して算定しま 環 境 保 全 活 動 の 報 告 参考文献 1)「建設業における環境会計ガイドライン 2002年版」2002年11月 建設業3団体 環境会計ワーキンググループ 2)「環境会計ガイドライン2002年版」 平成14年3月 環境省 環境保全コスト (億円) 11.2 7.5 0.6 6.8 53.9 2.5 合 計 44 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 5.0% 180 4.5% 環 境 4.0% 保 全 3.5% コ ス 3.0% ト の 2.5% 売 上 2.0% 高 に 占 1.5% め る 1.0% 割 合 0.5% ︵ % 0.0% ︶ 160 140 120 環 境 保 100 全 コ 80 ス ト 60 総 額 40 ︵ 億 20 円 0 ︶ 2001年 2002年 2003年 2004年 報 告 組 織 の 概 要 環境保全コスト総額 環境保全コストの 売上高に占める割合 環境保全効果 94.0 効果内容 指 標 項 目 分類・区分 単位 項 目 した。 a.大気汚染防止のためのコスト b.水質汚濁防止のためのコスト c.土壌汚染防止のためのコスト 1 d.騒音防止のためのコスト 公害防止 e.振動防止のためのコスト コスト f. 悪臭防止のためのコスト 0.1 g.地盤沈下防止のためのコスト 8.3 h.その他公害防止のためのコスト 16.9 a.温暖化防止対策及び省エネルギーのためのコスト 1.3 2 事業エリア内 b.オゾン層破壊防止のためのコスト 0.0 9.3 87.3 地球環境 コスト 6.7 保全コスト c.その他の地球環境保全のためのコスト(熱帯林破壊防止) d.その他の地球環境保全のためのコスト(生態系保全) 1.3 a.資源の効率的利用のためのコスト 6.3 b.産業廃棄物のリサイクル等のためのコスト(建設副産物) 6.7 3 0.2 24.1 資源循環 c.一般廃棄物のリサイクル等のためのコスト(事業系一廃) d.産業廃棄物の処理・処分のためのコスト(建設副産物 埋立を含む) 10.1 コスト e.一般廃棄物処理・処分のためのコスト(事業系一廃 埋立を含む) 0.4 f.その他、持続可能な資源循環に資するコスト 0.4 1 上下流で効果が発現するグリーン購入に伴い発生した通常の購入との差額コスト 0.1 0.1 上下流コスト 2 環境物品等を提供するための追加的コスト 0.2 3 製品・商品等の回収、リサイクル、再商品化、適正処理のためのコスト 0.0 1 環境マネジメントシステムの整備、運用のためのコスト 1.4 2 環境情報の開示及び環境広告のためのコスト 0.2 管理活動 3 環境負荷監視のためのコスト 0.7 4.2 コスト 4 従業員への環境教育等のためのコスト 0.6 5 事務所及び事務所周辺の自然保護、緑化、美化、景観保持等の環境改善対策のためのコスト 1.3 1 環境保全に資する研究開発コスト(企画設計段階に対応する研究開発コスト) 0.6 研究開発 2 製品等の生産段階における環境負荷の抑制のための研究開発コスト(生産段階に対応する研究開発コスト) 0.3 3 その他、物流段階や製品等の販売段階等における環境負荷の抑制のための研究開発コスト(環境修復に関連する研究開発コスト) 0.0 1.0 コスト 4 環境監視および評価に関するソフト技術開発コスト 0.0 5 研究開発に伴う間接費(技研・本支店・本社各部の研究開発関連間接費用) 0.1 1 事務所及び事務所周辺の自然保護、緑化、美化、景観保持等の環境改善対策のためのコスト 0.0 社会活動 2 環境保全を行う団体等に対する寄付、支援のためのコスト 0.0 0.2 コスト 3 地域住民の行う環境活動に対する支援及び地域住民に対する情報提供等の各種の社会的取組のためのコスト 0.2 自然修復のためのコスト(土壌汚染、自然破壊等の修復コスト) 1 1.1 環境損傷 2 環境保全に関する損害賠償等のためのコスト(環境保全に関わる和解金、補償金、罰金、訴訟費用) 0.0 1.1 コスト 3 環境の損傷に対応する引当金繰入額及び保険料(緊急事態対応準備費用) 0.0 社 会 活 動 の 報 告 200 年度 3. 集計対象 共同企業体を対象とし、他社が幹事会社で 環境保全コストの動向 2001年度より集計を開始した環境 保全コストの動向をグラフに示しま す。2004年度の環境保全コストの 総額は、2003年度より約10%増加 しています。売上高に占める環境保 全コストの割合は2002年度以降、 徐々に増加しています。 エネルギー イ ン プ ッ ト 水 グリーン購入 大 気 他 ア ウ 水域・土壌 ト プ ッ ト 内 容 MJ m3 1,439,000,000 事業者内で再利用等を行い 循環的に利用している量 上水道・井戸水等の使用量 m3 108,089 グリーン購入資材の使用率 % 購入する製品・サービス等の特性に 応じたグリーン購入の指標 温室効果ガス排出量 SOx排出量 NOx排出量 有害物質排出量 騒音、振動 悪臭 総排水量 廃棄物等総排出量 再使用される循環資源の量 [グリーン調達品目購入費(億円)/出来高(億円)] CO2排出量 万t-CO2 t t t 有機溶剤等PRTR対象物質の使用量 苦情件数 件 苦情件数 件 m3 下水等への排水量 建設廃棄物の総発生量 千t 建設廃棄物の再使用量、 千t % 使用率(使用量/総排出量) 建設廃棄物の再使用量、 使用率(利用量/総排出量) 最終処分される廃棄物の量 建設廃棄物の最終処分量、 処分率(処分量/総排出量) 有害廃棄物等回収または処理量 フロン、 ハロン、 PCB、 アスベ スト等の回収又は処理量 送 その他の 環境リスク 電力、 軽油、 灯油の 使用量から算定 電力・燃料の使用量 上水道・井戸水等の使用量 再生利用される循環資源の量 輸 備考 総エネルギー消費量 水使用量 廃 棄 物 有 価 物 ( ) 保全効果(社会的効果) の実質効果※ 有価物売却量 総輸送量 輸送に伴うCO2排出量 輸送に伴うNOx排出量 有害化学物質保有量 金属くず、 電線、 ダンボールの売却量 980,388 5.3 土木、建築の合計 8.5 オフィス部門+施工部門 30 オフィス部門+施工部門 92 オフィス部門+施工部門 0 建設業はPRTR法の対象外 131 16 29,948,000 雨水含む 425 49 11 千t % 329 78 千t % 47 11 t 4.0 t 5,669 自社による輸送量および外部委託 t による輸送量 (場外搬出量) t-CO2 同上の輸送に伴うCO2排出量 t 同上の輸送に伴うNOx排出量 t PRTR対象物質の保有量 PCB含有電気機器 (コンデンサ) 個 建設発生上、建設廃棄 2,086,000 物の輸送量から算定 5,086 7.4 0.01未満 技術研究所 499 ※保全効果の実質効果:定量的に把握ができる保全効果 経済効果 効果の内容 省エネルギーによる節減効果 省資源による節減効果 電気量 コピー用紙 前年度比節減効果(千円) 176,000 1,400 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 45 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 社 会 活 動 の 報 告 環 境 保 全 活 動 の 報 告 <6光触媒金属屋根> 酸化チタンを塗った金属を用 いた屋根で、紫外線によって 活性酸素が発生して有機物が 分解され、雨水などで洗い流 されることで、自然にきれい になる自浄効果があります。 光触媒のもう一つの特徴であ る超親水性を活かして、金属屋根の上部から水を流し金属屋根の 表面で薄く広がった水が蒸発する時に奪う熱で屋根面を冷却させ る効果を取り入れています。 建築工事の事例 −「愛・地球博」長久手日本館 長久手日本館は、長さ90m、幅70m、高さ19mの巨大な竹籠(ケージ)で 覆われ、建物本体への日射量を低減し、熱負荷を抑えると共に自然環境と も融合しています。竹には特殊な改質処理が施され、カビや割れなどの弱 点を克服しています。竹ケージの交差部分は編み込むような構成となって おり、世界にも類を見ない自然素材の構築物となりました。 報 告 組 織 の 概 要 長久手日本館−工事概要 所在地 愛知県愛知郡長久手町大字熊張茨ヶ廻間乙1533−1 発注者 国土交通省 中部地方整備局 設計・監理者 国土交通省 中部地方整備局 株式会社 日本設計 敷地面積 8,200.00㎡ 建築面積 4,145.53㎡ 延床面積 5,999.42㎡ 構造 木造2階建て 建物高さ 竹ケージ GL+19.47m 本体高さ GL+15.67m 工期 2003年11月13日∼2005年3月11日 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 長久手日本館 全景 施工中の状況 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 竹ケージ施工状況 <環境面で配慮されていること> 6 社 会 活 動 の 報 告 4 2 1 <1編成材> 小径で短いため捨てられた間伐材を接着剤で束ね て集成材を作っています。これを、一般木材の集 成材と区別して編成材と呼んでいます。編成材の 大断面(30cmx30cm)の柱材を用いて大空間を 支える構造体としています。会期終了後は、大断 面であることを活かして、適当な大きさに切って 再利用することができます。 環 境 保 全 活 動 の 報 告 <2竹コネクター> 直径18mm、長さは15∼30cm。この小さな竹 の筒が構造骨組みを支えています。木材と木材 の接合部分にダボのように挿入し、接着剤で固 定することで金属を一切使わない工法を実現し ています。せん断強度は1.2トンあり、必要な 強度分だけ本数を増やすことで設計できます。 46 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 報 告 組 織 の 概 要 3 5 <5壁面緑化> 竹ケージの下、外壁にはコグマザサが繁殖してい ます。パネルユニットの苗木が外壁面に取り付け られ、自動潅水装置も備えています。植物の葉に は蒸散効果があり、周辺を涼しくすると同時に建 物の外壁も冷やします。竹林にいるようなさやさ やとした葉音もあいまって、観客の待ちスペース を自然の力で快適にしています。 社 会 活 動 の 報 告 <3束ね柱・組柱> 束ね柱とは、小径丸太の間伐材を9本並べ竹コネクターで 接合し、花模様の断面を持つ構造柱です。組柱とは、束ね 柱を4本組み合わせてやぐらを作り、最高高さ14m、柱間 隔18mの大空間を支える柱にします。これらは間伐材の有 効利用の可能性を示す、画期的な方法です。 環 境 保 全 活 動 の 報 告 <4ポリ乳酸パネル> でんぷんおよび食品廃棄物を原料としたプラスチック(ポリ乳 酸プラスチック)と発泡緩衝材とエアキャップとが組み合わさ れたパネルユニット型の外壁となっています。硬質で透明感が あり、断熱性能も備えるこの外壁は、コンポスト化すると1∼ 4週間で微生物が分解して土に帰ります。 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 47 土木工事の事例 環境配慮設計の事例 <壁面緑化> 涌波トンネル−都市計画道路 鈴見新庄線 道路改築(街路)工事− NCH-26街区(クィーンズパレス東戸塚弐番館) 涌波トンネルは、本線のめがねトンネルの上 部に更に連絡道トンネルが重なるという、全国 的にも例のない三つ目形状となっています。地 上部は住宅地となっており、トンネルから地上 までの土被りは最小で約12mと小さく、本線ト ンネルと連絡道トンネルの離れも3∼12mとなっ ています。 このトンネルを安全に施工するために、地表 面沈下の抑制および掘削作業の安全性確保を目 的として、この現場で開発したPSS(プレ・サポ ーティング・システム)-Arch工法、およびNEWAGF工法を採用し、安全、品質、環境に対し多 大な効果を得ることができました。また、発注 者ならびに国内のトンネル関係者からは、画期 的なすばらしい工法との評価をいただき、注目 を集めています。 PSS-Arch工法は、曲線ボーリングを用いて支 保工となる曲線鋼管をトンネル掘削前に挿入設 置することにより、従来の補助工法に比べ、ト ンネル掘削時の地盤の変位や地表面沈下を大幅 に抑制でき、また切羽での支保工設置作業が不 報 告 組 織 の 概 要 統 治 構 造 と マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 社 会 活 動 の 報 告 要となるため、トンネル工事ではしばしば発生 する切羽での事故防止にも大きく貢献しました。 NEW-AGF工法は、『特殊セントライザーの開 発』と『さや管方式』を採用することで、AGF 鋼管の接続作業を無くすことが可能となり、高 所作業車のブームが移動する際に作業員が挟ま れる危険がなくなり、安全で安価なAGFを設置 することができました。 2005年4月27日には、山側の本坑トンネルが 無事貫通し、地表面沈下が最大でも10mm程度に 抑制でき、絶大な効果が確認されました。また、 切羽での危険作業が大幅に低減できた事により、 安全に作業を進める事ができました。 外観 環 境 保 全 活 動 の 報 告 48 熊谷組グループ 社会・環境報告書 Green Activities 2005 壁面緑化(1) 壁面緑化(2) <採光・景観・緑化> あさひ病院 PSS-Arch工法模式図 鋼管挿入状況 寺畑谷第一トンネル−宮崎10号 寺畑谷第一トンネル新設工事− 寺畑谷第一トンネルでは、爆薬の遠隔装填シ ステムや乾式吹付けコンクリートを採用し、ト ンネル先端である切羽作業の安全性と坑内作業 環境の改善を図りました。また工期短縮と地元 住民の皆さんの生活環境の保全のため、防音ド ームを坑口に設置しました。この他、画像解析 による山岳トンネル総合管理システムを採用し ています。 また、地元との積極的なコミュニケーション を図る目的で、親子会と高齢者クラブの方たち 約80名を現場に招き、施工中のトンネル最先端 部の見学やトンネル発破音の体験などをしても ① 延床面積6,936.48㎡ ② 建築面積 986.78㎡ ③ 地下3階地上6階 ④ 61戸(分譲共同住宅)*一部地権者賃貸 ⑤ 環境配慮設計のポイント:前面は幅員45mの環状2号線で道路面から6m程度の擁壁の上に斜面地と いう現状を変えないで計画しました。擁壁の圧迫感と歩行者や周辺環境への配慮として前面の斜面 擁壁の緑化を実施しました。 らいました。子ども達には、工事に使用するダン プトラックやバックホウなど大型重機の試乗や坑 内の防水シートに記念の落書きを楽しんでもらい ました。見学会の最後には、近くの公民館に場所 を移動し餅つき大会を行いました。 ① ② ③ ④ ⑤ 延床面積 9763.15㎡ 建築面積 2773.57㎡ 敷地面積 4801.91㎡ 地上4階 環境配慮設計のポイント:雑木林に隣接した自然環境の中、南北に 細長い敷地形状を生かした精神科病院の平面計画としました。避難 を兼ねたバルコニーの採用により外壁の汚れ防止とメンテナンス性 の向上及び建物内への日射負荷低減を図っています。建物内部には 光庭を4カ所設け、自然採光と建物内への給気スペースとして積極的 に利用しています。また、屋上は富士山を望めるすばらしい景観を 患者さんや家族の方に提供できるように約半分を庭園とし、熱負荷 低減にも大いに寄与しています。 <屋根緑化> 共栄社化学株式会社 奈良工場内 食堂棟 爆薬の遠隔装填システム 現場見学会の記念写真 航空写真 屋上庭園 ① 環境配慮設計のポイント:共栄社化学株式会社の100周年記念事業として工場内正面入口前に研究棟 および食堂棟を建設することとなりました。食堂棟は工場内の癒しの空間となるべき施設であるこ とから、それを外部に発信できるようなアイデアはないだろうかと考え、屋根緑化(セダム緑化) を提案し具現化に至ったものです。隣接する研究棟から見下ろす景観に潤い がもたらされるとともに、環境に対する企業イメージのアピールにつながっ たということで、お客様から喜びのことばをいただいております。 地球温暖化防止対策にも貢献でき、また断熱効果により省エネにもつなが り、新しい環境配慮型の工場へ一歩踏み込めたと考えています。 熊谷組はチーム・マイナス6%に参加しています。 社 会・環 境 報 告 書 株式会社 熊谷組 CSR推進室 熊谷組グループ社会・環境報告書 “Green Activities”事務局 〒162-8557 東京都新宿区津久戸町 2 -1 TEL 03-3235-8114 FAX 03-5261-9665 URL http://www.kumagaigumi.co.jp/ e-mail info@ku.kumagaigumi.co.jp この報告書は、古紙配合率100%再生紙を使用し、アロマフリータイプの大豆油インク で印刷しています。また、印刷は有害廃液を出さない「水なし印刷」で行っています。 グリーン購入に取り組んでいます 2005年 6月発行 株式会社 熊谷組
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