1 会期:2015年10月8日(木)~ 11日(日)/東京 JDDW 2015 プログラム 主題演題 会場:グランドプリンスホテル新高輪・国際館パミール・グランドプリンスホテル高輪 詳細は各学会誌(1月号掲載予定)、またはJDDW 2015 HP(http://www.jddw.jp/『JDDW 2015 TOKYO』)をご参照下さい 主題プログラム:2014.10.15現在情報 (講演等は学会誌、HPをご覧下さい) 統合プログラム 壊死性膵炎後のwalled-off necrosisに対するベストアプローチ法 統合1 は? 統合2 統合3 統合4 統合5 統合6 司会 (JDDW(消化器 内視鏡学会・消 化器病学会・消 化器外科学会合 同)) 腹腔鏡・内視鏡合同手術の進歩 (JDDW(消化器 内視鏡学会・消 化器外科学会合 同)) 治療成績を向上させる栄養管理 (JDDW(肝臓学 会・消化器病学 会・消化器外科 学会合同)) 進行肝細胞癌集学的治療の標準化に向けて (JDDW(肝臓学 会・消化器外科 学会合同)) 肝内胆管癌と肝門部胆管癌の取扱いと治療方針をめぐって (JDDW(消化器 病学会・消化器 内視鏡学会・消 化器外科学会合 同)) Stage IV大腸癌への内科的,外科的アプローチ (JDDW(消化器 病学会・消化器 外科学会合同)) 伊佐地秀司 糸井隆夫 夏越祥次 森脇久隆 具 英成 江畑智希 渡邉聡明 メディカルスタッフプログラム メディカル1 メディカル2 メディカル3 メディカル4 消化器疾患看護のinnovation 内視鏡検査・処置におけるチーム医療:メディカルスタッフの役割 栄養療法のエキスパートを目指して-肝胆膵疾患治療における 栄養管理 消化器疾患治療におけるストーマケア 第90回記念企画:消化器内視鏡がもたらした医療革命-これま でと今後 竹山廣光 鳥村拓司 建石良介 山口研成 司会 (JDDW) (JDDW) (JDDW) (JDDW) 菅野健太郎 大久保清子 松井敏幸 川口 巧 池内浩基 消化器内視鏡学会特別企画 内特企1 矢作直久 佐藤貴幸 未定 溝上祐子 司会 (消化器内視鏡 学会) 上村直実 藤本一眞 900字:主題 公募 公募 公募・一 部指定 公募・一 部指定 公募 ◇JDDW 2015に関する問い合わせ先◇ 〒104-0061 東京都中央区銀座 8-9-13 K-18ビル9階 JDDW 事務局 TEL:03-3573-1254 / FAX:03-3573-2198 E-mail:endai2015@jddw.jp (演題に関する内容) ★演題募集:2015年2月2日(月)正午~ 3月17日(火)正午★ 司会の言葉 感染性膵壊死に対する経皮的・内視鏡的ドレナージなどの進歩に加えて,経時的な造影CT所見の蓄積,さらにstep-up approach法の普及により,2012年の改訂アトランタ分類では,新たな概念としてwalled-off necrosis (WON: 被包化壊死)が定義された.WONに対する初期治療として,内視鏡的あるいは経皮的ドレナージのいずれを選択すべきか,その後のstep-up approachをいかに進めるべきかなど,WONに対する ベストアプローチについて論じてもらいたい. 本邦における消化管腫瘍に対する低侵襲治療の進歩は目覚ましく,腹腔鏡切除術ならびにESDに代表される内視鏡的切除術はともに世界をリードする存在となった.しかしこれらの治療手技の適応や侵襲性に は大きなギャップがあり,それを穴埋めする新しい治療手技として腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS)が提唱された.当初は,主に胃のSMTを対象として治療が行われていたが,最近では上皮性腫瘍や胃以外の消 化管腫瘍に対しても治療が行われるようになってきている.LECSは従来の腹腔鏡手術に比べ明らかに臓器温存性の面では優れており様々な手技が発表されているが,まだ標準化はされておらず適応基準も定 まっていない.またsm浸潤を伴う悪性腫瘍にも適応を拡げた場合,リンパ節郭清の必要性も生じてくるものと考えられる.そこで本セッションでは,各施設における治療の現状を御報告頂き,臓器別,疾患別の LECSの適応や今後の方向性について考えてみたい. 肝疾患とくに肝硬変を含む慢性ウイルス肝炎ではインターフェロン治療に対する反応性や副作用忍容性に患者の基礎的な栄養状態が大きく影響する.また肝がん患者の治療選択そのものや治療成績,early recovery after surgery (ERAS)の適否,反復治療の可否なども栄養状態に規定される.一方,適切なサポートによって栄養状態を維持,改善することは,患者の治療選択性を広げ,アウトカムにも好影響を及ぼ す.一般にこれらの患者が呈する栄養障害は蛋白エネルギー低栄養であるが,近年とくにエネルギー過栄養の割合も上昇した.前者には分岐鎖アミノ酸補充や分割食,後者にはエネルギー・コントロールが基礎 的な治療とされる.さらに最近,蛋白栄養状態について骨格筋の量と質(サルコペニアの有無)が重視され,適切な運動処方の有用性も注目される.今回の統合プログラムでは治療選択/成績に影響する栄養障 害は何か,最適の栄養管理はどうあるべきかについて幅広い演題を期待する. 肝細胞癌に対してはSHARP試験などいくつかのRCTによるエビデンスレベルの高い臨床研究の結果,欧米ではBCLCステージングシステムのIntermediate stageに対する標準治療は肝動脈塞栓術,advanced stage に対してはソラフェニブとされている.一方,日本の根治切除不能例に対しては肝動脈塞栓術,ソラフェニブの他に,肝動注化学療法,放射線療法,減量肝切除の単独もしくは併用が各施設で腫瘍の病態 や進展度に対応して用いられているが,標準的治療のコンセンサスはいまだ得られていない状況である.本セッションでは,現在各施設において行われている進行肝細胞癌に対する集学的治療の現状とその治 療成績を紹介していただき,進行肝細胞癌に対する推奨治療のアルゴリズムについて討議したい. 悪性腫瘍に対する病期分類あるいは取扱い規約の変遷は,疾患理解の歴史を反映している.TNM分類に代表されるように,腫瘍の解剖学的存在部位,進展度から切除可能性,具体的な術式を念頭においた視 点に,近年は生物学的特性を考慮した視点が加わっている.胆管癌は末梢肝内胆管から大型肝外胆管に至る胆管上皮から発生する.胆管癌を解剖学的に分類する場合,そこにはオーバーラップが存在する が,その境界部分で生物学的特性の異なった腫瘍が内包される場合があり,それらの違いは発端となった細胞の違いに起因する可能性がある.本セッションでは肝内胆管癌および肝門部胆管癌の区分法や外科 的切除のみならず薬物療法を含む治療方針の異同に関して,従来の解剖学的視点に加えて画像診断,臨床病理,分子生物学的観点からの幅広い検討を行いたい.本知見が今後の胆管癌における疾患理解の 一助となり,臨床上の有用な指針となることを期待する. 公募・一 部指定 Stage IV大腸がんの治療は消化器がん領域の中で最も治療成績が改善した領域である.その進歩は,大きく二つの要因に支えられている.一つは新規抗がん剤や分子標的薬の登場と,それらを用いた様々な臨 床試験からもたらされる治療の最適化,もう一つは外科的治療と化学療法の組み合わせなど種々の治療モダリティーが患者の治療成績の向上のために集約されるようになったためである.また治療選択における 分子マーカーも開発されてきており,マーカーによる治療選択が拡大しつつある.従って,様々な専門家が知識と技術を集約して治療に当たるMultidisciplinary approachが治療成績向上の鍵を握ってきている. 本セッションでは各専門領域から最新の情報を披露していただき大腸がん治療の進歩を共有していただきたい. 900字:主題 司会の言葉 公募・一 部指定 公募・一 部指定 公募・一 部指定 公募・一 部指定 900字:主題 指定 未定 内視鏡検査や治療の進歩は著しく,診断や治療に伴う技術は多様化・複雑化している.また,抗血栓薬服用者への対応,鎮静に関する安全管理など,内視鏡医やメディカルスタッフに求められるものは内視鏡関 連に留まらない.内視鏡医だけでは様々な情報を総合して判断することが困難であり,内視鏡検査・処置においてもチーム医療が不可欠となっている.個々の被験者に対して,それぞれの職種がチームとして,高 度で安全な医療サービスを提供していく必要がある.今回はそれぞれの職種の立場から内視鏡検査・処置における役割について,改めて見直して頂きたく思う.内視鏡技師免許の取得者でない場合でも,内視 鏡の介助につくことは実臨床では多くある.内視鏡室における適切な業務範囲はどこまでか,そのためには教育をどうすればよいのか,質の高い安全な内視鏡診療(前処置,麻酔,診断内視鏡,治療内視鏡,洗 浄,機器管理,検査後観察など)を提供するために,各職種の立場から活発な議論を期待する. 肝臓・胆嚢・膵臓は栄養素の消化吸収や代謝に深くかかわる臓器であり,肝硬変,慢性膵炎や肝胆膵領域の悪性腫瘍患者では高頻度に低栄養状態を合併している.また,肥満や糖尿病などの過栄養状態は脂 肪肝,胆石症や肝胆膵領域の発がんのリスク因子である.さらに,近年,筋肉量の減少(サルコペニア)は,栄養代謝だけでなく,さまざまな疾患におけるQOLや予後にも関わる新たな病態として注目されている. このように,肝胆膵疾患患者をマネージメントするにあたり,多職種が患者の病態を共有・把握し適切な栄養治療を行うチーム医療が重要である.本プログラムでは肝胆膵疾患における栄養管理について,看護 師,管理栄養士,薬剤師だけでなく,検査技師,病理・細胞検査士,放射線技師,理学療法士などのメディカルスタッフと医師によるチーム医療の現状や新たな取り組みを発表頂きたい.その上で,現在の問題点 を共有するとともに,今後の展望について議論したい. ストーマに関する認識が近年向上し,術前のストーマサイトマーキングはほとんどの施設で行われるようになってきた.これにより以前のように,とんでもないストーマに遭遇する機会は減少してきている.しかし,ス トーマの位置や高さは問題なくても,空置的回腸ストーマで良く経験するストーマの排泄障害によるイレウスの発生はいろいろな工夫がなされているが一向に減少していない.また,炎症性腸疾患の増加に伴い, ストーマ周囲の壊疽性膿皮症症例や,瘻孔形成症例も多くなっている.いずれも管理には難渋する病態である.ストーマ医療に従事する医療者のこれまでの経験を共有することにより,お互いの知識が向上し,ス トーマ造設患者のOQLが少しでも向上することは意義のあることである.本セッションは2015年から新しい試みとして導入された「メディカルスタッフプログラム」であり,医療関係者が一堂に会し,ディスカッションす るセッションである.医師,ET・WOCナース,第一線で活躍中のナースなど多職種からの多くの演題を期待している. 司会の言葉 消化器内視鏡による診断と治療の分野で,日本は常に世界の先端を走ってきたが,以前は必ずしも国際的に高い評価を得ていたわけではなかった.最近,日本の医師により開発された新規性の高い独創的な内 視鏡診療技術が国際的学術誌に掲載されるようになり,海外における評価も急速に高まっているのが現状である.第90回の日本消化器内視鏡学会の開催を機会に,日本における消化器内視鏡が医療現場にど のような革命的進歩を与えたのか,さらには未来の医療にどのような貢献が期待できるのかの2点に関して,指定演者として現在のオピニオンリーダーに概説していただくこととした.食道・胃を中心とする上部消化 管,小腸,大腸,胆・膵の臓器別のオーバービューに加えて,最後に,今後の内視鏡機器の発展に必要と思われる医工連携の立場からの概説をお願いする予定である.会員,とくに今後の内視鏡学会を担う若手 医師には,是非,本企画会場における討議に参加していただくことを強く希望する. 2 International Session 【主題形式】 Symposium IS-S1 IS-S2 IS-S3 Hepatocellular carcinoma: Molecular approaches for diagnosis, prognosis, and therapy (肝細胞癌の分子診断と悪性度評価) Recent progress in IgG4-related pancreatobiliary diseases (IgG4関連膵胆道疾患の最近の進歩) Recent progression in drug-induced liver injury (DILI) (薬物性肝障害の最近の進歩) 900字:主題 Chairperson (JSH・JSGE・ JSGS) (JSGE・JGES) (JSGE・JSH) Panel Discussion IS-PD1 IS-PD2 Diagnosis and treatment of Barrett epithelium and cancer<Video> (バレット上皮,バレット腺癌の診断と治療) Strategy of treatment for biliary stenosis<Video> (胆道狭窄に対する治療方針) IS-W2 IS-W3 Pathological features of nonalcoholic steatohepatitis (NASHの病理学的特徴) New trends in diabetes mellitus and liver diseases (糖尿病と肝臓病の新たな展開) Up-to-date therapies in IBD (炎症性腸疾患治療 Up to date) K. Okazaki S. Chari (岡崎和一) Y. Matsuzaki N. Kaplowitz (松﨑靖司) (JGES・JSGE・ JSGS) (JGES・JSGE・ JSGS) (JSH・JSGE) (JSH・JSGE) (JSGS・JSGE・ JGES) T. Endo M. Fujishiro (遠藤高夫) (藤城光弘) K. Yasuda (安田健治 朗) S2 S3 S4 C型肝炎治療の新たな展開-IFN-free時代の幕開け- I. Maetani (前谷 容) 小児の肝疾患 臨床・研究のup to date (肝臓学会・消化 器病学会合同) 肝再生 基礎から臨床 (肝臓学会・消化 器病学会・消化 器外科学会合 同) 炎症性腸疾患における内科・外科間の治療連携 (消化器病学会・ 消化器内視鏡学 会・消化器外科 学会合同) 公募・一 部指定 公募・一 部指定 900字:主題 公募・一 部指定 公募・一 部指定 900字:主題 Y. Nakanuma E. Hashimoto (中沼安二) (橋本悦子) 公募・一 部指定 S. Kaneko S. Watanabe (金子周一) (渡辺純夫) A. Sugita (杉田 昭) Y. Suzuki (鈴木康夫) 司会 (消化器病学会・ 肝臓学会合同) 公募・一 部指定 Chairperson シンポジウム S1 M. Sakamoto (坂元亨宇) Chairperson Workshop IS-W1 N. Izumi (泉 並木) 西口修平 松井 陽 坂井田功 渡辺 守 平松直樹 乾あやの 汐田剛史 橋口陽二郎 公募・一 部指定 公募 900字:主題 公募・一 部指定 公募・一 部指定 公募・一 部指定 指定 ★International Sessionは、English サイトからの応募になります。 司会の言葉 Pathologic examination plays a central role for making a diagnosis of cancer. In case of hepatocellular carcinoma (HCC), degree of tumor differentiation and presence of vascular invasion are evaluated together with confirmation of the diagnosis of HCC. However, those information are rather limited to predict patient prognosis and decide therapeutic option. These days, several molecular approaches including gene expression profiling have been reported to be useful to get those information as well as making precise diagnosis of HCC. In addition, molecular diagnosis analyzing not only tissue samples but also liquid samples like blood has been introduced. Imaging diagnosis can also give molecular information in some instances. In this symposium, we would like to discuss recent advance of these molecular approaches for making better diagnosis and treatment of HCC. Recently, the concept of IgG4-related disease (IgG4-RD) has been internationally recognized through the 1st and 2nd International Symposia on IgG4-RD. Type 1 autoimmune pancreatitis (AIP) and IgG4related sclerosing cholangitis (IgG4-SC) seem to be pancreato-biliary manifestations of IgG4-RD. However, there are still some issues to be resolved. In diagnosis, while the International Consensus Diagnostic Criteria (ICDC) for AIP has enabled us to differentiate between two subtypes of AIP, there is no international consensus on the way to diagnose IgG4-SC. In treatment, alternative therapies after remission and/or in recurrence have been debated. In prognosis, long-term outcomes of these conditions, and the pathogenesis of IgG4-RD remain unclear. In this international symposium, we would like to discuss recent progress of IgG4-RD in the pancreato-biliary systems with mutual exchange of experts’ experiences and opinions. DILl has become a major focus of worldwide attention as a result of improved recognition, systematic data collection in various registries, and major research advances which have improved our understanding of pathogenesis. Registries in the U.S., Spain, UK and Japan have identified the major drugs involved, with antibiotics having a dominant role. Most DILl is idiosyncratic and occurs in a small proportion of patients, is typically delayed in onset and occurs in a mild asymptomatic form far more frequently than a severe form. Genetic predisposition appears to involve the adaptive immune system with numerous studies identifying HLA associations. A characteristic feature is adaptation reflecting resolution despite continuing drug and which seems to be determined by development of immune tolerance. Therefore, progression to severe injury may be due to failure to develop immune tolerance. Since the identified HLA haplotypes are common variants, additional factors which are currently not well-defined, are important in unmasking DILI. 司会の言葉 It is well known that the incidences of Barrett epithelium and cancer are statistically different between the East and the West. Accordingly, diagnostic and treatment approaches to these conditions seem to be different among countries. For example, surveillance protocols of Barrett cancer are established in the West, but those are not at least in Japan. Confocal laser endomicroscopy and radiofrequency ablation are commonly available in the West, but those have just or not yet been launched in Japan. EMR is a main resection method in the West, but ESD is in Japan. Then it is necessary to make a crosstalk more and more in order to avoid mutual misunderstandings in these conditions. We would like to elucidate the best diagnostic and treatment strategy in each situation through this session. Please submit your abstracts for this session and make a big talk with audience from the entire world. Biliary strictures are caused by various benign as well as malignant disorders. It is a critical condition which may trigger obstructive jaundice and/or cholangitis. Biliary decompression with stent now plays a significant role in treating the pathology. While transpapillary drainage is commonly used, percutaneous or transmural approaches are also used as alternatives. Recent significant development of endoscopic technologies including EUS and balloon-assisted enteroscope enables cases with difficult access for duodenoscope to avoid percutaneous or surgical procedures. In addition, availability of various therapeutic devices allows us to achieve better outcomes compared to before. However, strategies for every biliary stricture have no explicit consensus and some issues to be solved still remain. In this international session, we would like to discuss the optimal strategies for various conditions of biliary strictures, except strategies for stone management. Looking forward your enthusiastic paper with video clips on this issue. 司会の言葉 In Western countries and many Asian countries, changes in diet and lifestyle have caused a dramatic increase in the prevalence of obesity, metabolic syndrome, and nonalcoholic fatty liver disease (NAFLD). NAFLD consists of two clinical entities: nonalcoholic steatohepatitis (NASH) and nonalcoholic fatty liver (NAFL). NAFL is generally a benign, nonprogressive clinical entity, while NASH can progress to cirrhosis and even to hepatocellular carcinoma. NASH is found in 10–20% of patients with NAFLD. The diagnosis of NASH is based on histological evidence of steatohepatitis, which is defined by the presence of hepatic steatosis, inflammation, and signs of hepatocyte injury (ballooning degeneration) in nonalcoholic individuals. NASH has emerged as a distinct clinicopathological entity, and pathological diagnosis currently remains the “gold standard” for a definitive diagnosis. However, there is no clear consensus regarding the histological definition of NASH, and the classification of fatty liver disease. In this workshop, we evaluate the pathological features of NASH and summarize the current knowledge in this area, as well as discuss the problems related to these conditions. The connections between diabetes mellitus and the liver have come to be well known, including the fact that the liver contains an abundant amount of glycogen, that the liver controls glucose metabolism through the effects of hormones such as insulin, and that cirrhosis of the liver causes glucose intolerance. In addition to this traditional knowledge, now that it has become known that visceral fat plays an important role in diabetes mellitus and other lifestyle diseases, new trends are being created in research on the connections between diabetes mellitus and the liver. Just like visceral fat, it is thought that clarifying the connections between lifestyle diseases (such as diabetes mellitus) and fatty liver, and developing new medical treatments, will help conquer lifestyle diseases. In this session, presentations will be given on the epidemiology of diabetes mellitus and liver disease, the role of liver disease in diabetes mellitus, research on new means of prevention and diagnosis for clinical conditions related to diabetes mellitus and the liver, and cutting-edge research on medical treatments. Afterwards, a discussion will be held. Although the progression of the medical therapies in inflammatory bowel disease(Ulcerative colitis and Crohn's disease) is remarkable and the remission rate of intractable cases by introducing the powerful immunomodulator such as tacrolimus and anti-TNF-alpha antibodies has been much improved compared with before, some intractable cases still remain not to achieve remission by such therapies and also the way to keep long-time maintenance is still very difficult issue to be solved. Surgical treatment is carried out to the patients with intractability, severe disease such as massive bleeding, abscess, and intestinal cancer. The results have improved in either pouch surgery for ulcerative colitis or surgery in Crohn's disease. However, the indication, selection of optimal procedure, the timing in surgical treatment should be considered according to the postoperative results and progression of medical therapy. Reduction of postoperative complications should be achieved. In this workshop, we wish to have the presentation of the newest therapies , medical and surgical strategy of aiming at solution of various issues in IBD treatment shown above and we also expect this workshop to contribute to the development of future IBD therapies. 司会の言葉 C型肝炎治療は,Direct Acting Antiviral Agent(DAA)の開発により,新たな時代を迎えようとしている.IFN-based therapyでは,第2世代のプロテアーゼ阻害剤により,第1世代に比し副作用が少なく,高い治癒率 が期待されている.また,わが国初のIFN-free治療であるDaclatasvir/Asunaprevir併用療法が認可され,IFN不耐容例やIFN無効例においてもウイルス排除が可能となった.しかし,同治療では薬剤耐性や肝障害 の問題を残している.本シンポジウムでは,今後,上市されるSofosbuvirの情報を踏まえた上で,IFN-based therapyの最終形である第2世代のプロテアーゼ阻害剤併用療法ならびに第1世代IFN-free therapyを中 心に,治療成績や薬剤耐性を含む難治要因を明らかにし,C型肝癌抑止を目指した現時点で最善の抗ウイルス療法について議論したい. 小児の肝疾患は,成人に比して多岐にわたる.肝炎ウイルス以外の感染症,代謝性肝疾患,自己免疫性疾患,薬剤,多臓器にかかわる肝疾患(Fontan肝,血球貪食症候群など)などが挙げられる.また,小児期 発症の慢性肝疾患については成人になっていかに円滑に肝臓内科医にトランジッションしていくかが問題である.本シンポジウムでは,今まで原因不明あるいは分類不能と診断されていた小児の肝疾患について 最先端の技術を用いた手法や診断技術の進歩によって解明された症例,治療法の進歩によって予後が改善された疾患について広く演題を募集し,今後の発展を討論したい. 再生医療は,臓器不全のみでなく,遺伝性代謝疾患,変性疾患,外傷,腫瘍性疾患など多様な疾患に対応可能な医療として期待されている.再生医療を実現化する基本戦略として,2007年のヒトiPS細胞の樹立 以来,幹細胞を目的とする臓器・組織へ分化誘導し移植医療として完結させる方法や,臓器・組織に存在する内在性幹細胞を活性化・誘導する方法が想定されている.肝臓は高い再生能力を持つ一方で,多彩 な高度の機能を発現するため,臓器としての構築は容易でなく,肝再生医療の実現化には新たな戦略が必要であろう.2014年秋に再生医療関連法が施行され,今後明確なコンセプトを有し,コストパーフォーマ ンスのよい,安全でしっかりした効果が期待できる再生医療が待望される.本シンポジウムでは,現在の肝臓領域の再生医療研究を,基礎と臨床の両面より討論し,将来の発展の礎を築くような議論を期待してい る. 炎症性腸疾患(IBD)は日本における患者数の増加が著しく,潰瘍性大腸炎は約15万人,クローン病は約4万人に達する.これまで栄養療法や血球成分除去療法などが我が国独自の内科的治療として普及する一 方,新しい分子標的治療薬などの導入により,高い効果が期待される内科治療が展開されている.一方,外科治療においても腹腔鏡手術の普及,新しいエナジーデバイスの開発など低侵襲手術へ向けた進歩が 著しい.しかし,内科的治療の進歩により外科手術数が減少したとの報告は乏しい.IBDは内科的治療と外科的治療をうまく使い分けることが大切だと考えられてきたが,これからのIBD治療は内科・外科がボー ダーレスかつシームレスに一体化して治療を考える時代に入ったと考えられる.本シンポジウムでは,IBDの内科・外科間の治療連携に関して,その現状の課題と今後の展望について討論を行いたい. 3 S5 S6 S7 H. pylori 除菌後の課題とその克服をめざして 外科解剖と手術 1.食道・胃・大腸 外科解剖と手術 2.肝・胆・膵 (消化器病学会・ 消化器内視鏡学 会合同) (消化器外科学 会) (消化器外科学 会) Helicobacter pylori (H.pylori )感染胃炎に対する除菌療法が2013年2月保険適応追加となった.これは当然の事ながら, H.pylori 感染によってもたらされる萎縮性胃炎および腸上皮化生進展を抑制し,胃癌発 生予防を視野に入れてのことである.実際,H.pylori 除菌療法が盛んに行われる様になり,除菌症例が増加しつつある.現時点で2次除菌までの成功率は81-96%と良好であり,当初危惧されていた除菌の副作 一瀬雅夫 前田耕太郎 木村 理 パネルディスカッション PD1 PD2 PD3 PD4 PD5 PD6 PD7 PD8 PD9 PD10 PD11 佐野 武 北川雄光 梛野正人 山本雅一 司会 混合型肝癌のコンセンサスを目指して (肝臓学会・消化 器病学会・消化 器外科学会合 同) 対策型胃がん検診のあり方 (がん検診学会・ 消化器病学会・ 消化器内視鏡学 会合同) 食道癌化学放射線治療の現状 (消化器病学会・ 消化器外科学会 合同) 急性肝不全の治療 -内科と外科の連携 (消化器病学会・ 肝臓学会・消化 器外科学会合 同) 肝臓をめぐる臓器相関の病態に迫る (肝臓学会・消化 器病学会・消化 器外科学会合 同) 表在型頭頸部癌・食道癌に対する内視鏡治療の長期経過 (消化器内視鏡 学会・消化器病 学会合同) 膵がんのスクリーニングと事後管理 (がん検診学会・ 消化器病学会・ 消化器内視鏡学 会合同) 胃炎の京都分類を検証する (消化器内視鏡 学会・消化器病 学会・がん検診 学会合同) 胆管癌・膵癌に対する集学的治療 Up-to-date<アンサーパッド > (消化器外科学 会・消化器病学 会・消化器内視 鏡学会合同) 大腸癌に対する集学的治療 Up-to-date<アンサーパッド> (消化器外科学 会・消化器病学 会・消化器内視 鏡学会合同) 外科感染症における Up-to-date<アンサーパッド> 平石秀幸 (消化器外科学 会) 國土典宏 伊藤高広 桑野博行 川崎誠治 橋爪 誠 武藤 学 小林 剛 赤松泰次 山上裕機 渡邊昌彦 草地信也 中島 収 入口陽介 藤也寸志 持田 智 榎本信幸 郷田憲一 岡庭信司 村上和成 遠藤 格 正木忠彦 竹末芳生 公募 公募 公募・一 部指定 900字:主題 公募・一 部指定 公募・一 部指定 公募・一 部指定 公募・一 部指定 公募・一 部指定 公募・一 部指定 公募・一 部指定 公募・一 部指定 指定 公募・一 部指定 公募・一 部指定 用も比較的少なく,除菌後の胃酸分泌回復に伴う逆流性食道炎も多くは軽症で臨床的に問題になる事は少ないようである.しかし,今後の症例数の飛躍的増加により3次除菌治療の必要性も高まり,PCアレル ギーなどの問題も浮上してくるものと予想される.また,比較的楽観視されていた除菌後の胃癌発生の問題に対しても癌年齢に達した対象者では事後の経過観察など慎重な対応が強く求められる事が明らかに 成って来た.これらを含め,本シンポジウムはH.pylori 除菌後の課題,そしてその対応に関して考える場としたい.奮っての御応募,御待ち申し上げる. 消化管外科手術における合理的なアプローチや癌根治術における精緻なリンパ節郭清は,外科解剖の理解が最重要基盤であることは議論の余地のないところである.一方,近年の画像処理技術の急速な発展 とそれに伴う内視鏡外科手術の進歩は,我々がこれまで認識することができなかった微細外科解剖学ともいえる領域を提供している.外科解剖学ならではの膜構造の実態解明や,拡大視効果がもたらす新たな外 科解剖のランドマークの認識がさらなる手術手技の進歩に貢献している.本シンポジウムでは,open surgery, endoscopic surgeryを問わず,外科解剖学的観点からの斬新なアプローチや,合理的術式に関する知 見について領域横断的な議論を展開して頂きたい. 肝胆膵は消化管とは違った特徴ある臓器であり,外科解剖ならびにoncologicalな視点で手術方針を決定し,実践する必要がある.肝に関しては胆管,門脈,肝動脈を一束としたグリソン系脈管,グリソン系脈管の 支配領域と肝静脈,さらにグリソン被膜とレネック被膜との関係が重要である.胆に関しては,肝門部近傍における門脈・肝動脈・胆管の分岐および走行のvariationとこの三脈管の三次元解剖が重要である.膵に 関しては,発生から見た膜構造の理解が重要であり,膜構造は癌の進展様式と関係する.どこを郭清のターゲットにするかには,その外科解剖の十分な知識が必須である.本シンポジウムは手術から見た外科解 剖の重要性と,解剖を知ることによってどのように手術を進化できるかについてご講演頂き質疑討論を行う. 司会の言葉 原発性肝癌取扱い規約では,混合型肝癌は単一腫瘍内に肝細胞癌と肝内胆管癌へ明瞭に分化した両成分が混ざり合っているものと定義されているが,現規約では十分に対応できない肝腫瘍が存在したり,細 胆管癌の取扱いを含めた最新のWHO分類との乖離からその解釈に混乱がみられ,病理医間の混合型肝癌に関する診断基準にもばらつきがあり,臨床的予後を比較する上でも問題となる可能性を含んでいる. 本パネルディスカッションでは各施設で切除され,診断された混合型肝癌を対象として,画像診断や予後を含めた臨床病理学的な側面から比較検討を行い,問題点の抽出と病理を含めた診断基準に関するコン センサスを得るための方向性を提言したい.多数の施設からの症例提示や問題点を含めた論議がなされる事を期待する. これまで対策型胃がん検診は,対象者のH.pylori (以下HP)感染率が高いため,一定の精度が得られ処理能力の高いX線検診を全員に一律に行ってきた.しかし,近年,若年層におけるHP感染率の低下,X線 検診の受診率の低迷と読影医不足などを背景に,HP抗体検査とペプシノゲン検査の組み合わせによるABCリスク分類や内視鏡検診を採用または希望する自治体が徐々に増加してきている.特にHP胃炎や慢性 萎縮性胃炎などの胃がんリスクについての関心は高まってきており,現在,日本消化器がん検診学会附置研究会では,HP胃炎を念頭においたX線診断基準が検討されている.一方,HP胃炎への保険適用拡大 以来,無症状のHP除菌群が対策型検診の対象者として混入し,抗体検査だけでなく画像も含めたリスク評価が難しくなってきている.本パネルディスカッションでは,これらの課題について各施設からご意見をい ただき,X線検診を含めた対策型胃がん検診の今後の展望について議論したい. 近年,食道癌に対する化学療法としてDCF (Docetaxel+Cis-platin+5-FU) 療法の有効性が示され,また放射線療法の照射法の工夫により有害事象の低減が図られている.これらの背景から,食道癌に対する化 学放射線療法 (CRT) の治療成績は今後もさらに向上する可能性があり,本邦での現状を明らかにすることが重要である.食道癌の根治的治療としてのCRTは,外科的切除と比較してどのような症例により有効な のか?,単にステージ間の比較だけでなく,深達度とリンパ節転移の個数や領域数を考慮して比較した場合の結果はどうか?,扁平上皮癌に対する根治照射量は50.4Gyか60Gyか?,CR症例のQOLは食道切除 症例に比べて本当にいいのか?などの観点から,各施設の成績を発表していただきたい.また,切除可能進行食道癌やT4食道癌に対する術前治療としてのCRTやサルベージ手術を含むCRTの成績も発表いた だきたい.総合討論では,各施設での現状を踏まえて,食道癌治療の将来展望についても議論したい. 厚労省研究による全国調査によると,2010~12年に発症した急性肝不全昏睡型とLOHFのうち肝移植を実施した症例は19%で,救命率は肝移植実施例が71%,非実施例が31%であった.2010年に改正臓器移植 法が施行され,緊急性10点の劇症肝炎は脳死肝移植の対象となる機会が増加した.しかし,2009年以前と比しても,肝移植実施例は増加せず,予後の向上も認められない.急性肝不全患者の診療では,成因に 応じた治療体系が整備され,on-line HDLを用いた効率のよい人工肝補助も導入された.また,内科治療の不応例を高精度で予測するシステムも確立した.しかし,これら研究成果が目に見えるアウトカムに繋 がっていない.掛かり付け医,肝臓病専門医および移植外科医の連携も再考する必要がある.本パネルディスカッションでは各種治療法の医学的問題のみならず,集学的治療に際して浮上する医療従事者間連 携にも焦点を当てて,ブレークスルーとなる端緒を見出したい.様々な側面からの多数の演題を期待する. 肝臓は消化吸収,栄養代謝はもとより,免疫,腎,血液,呼吸器,神経,内分泌,循環動態,運動器などあらゆる臓器系と解剖学的,機能的に密接な相関を持っている.考えてみれば肝疾患自体は無症状であり, 肝臓の障害は全身のさまざまな臓器系の機能異常として症候を発現し患者のQOLや生命予後を脅かす.したがって,肝疾患のこれらの臓器系への影響,逆にこれらの臓器系の変動による肝病態への影響を包 括的に捉えて診療・研究にあたることは,細分化しすぎた医学・肝臓病学を再統合する意味でも今後ますます重要となってくる.本パネルディスカッションでは肝臓の障害から他の臓器系の病態がどのように発現 するのか,逆に他の臓器系の病態が肝障害をどのように修飾しているのか,そしてこれらの知見をいかにして治療にいかしていくかなど,肝臓を軸とした多面的な臓器相関についての基礎および臨床的な研究発 表を期待したい. これまで発見が困難だった頭頸部癌は,Narrow-band imaging (NBI)の登場により早期発見が可能になった.また,ヨード染色により早期発見が可能だった表在型食道癌も,NBIに代表される画像強調法の登場に よりヨードによる刺激やアレルギーなどを回避して低侵襲に発見できるようになった.これら早期発見された表在型頭頸部癌,食道癌は,経口的内視鏡切除が行われるようになり,臓器温存・機能温存の治療が可 能となった.一方,頭頸部および食道には多発性の扁平上皮癌が発生することがfield cancerization現象として知られており,臓器温存は,癌の発生母地を残すため,他臓器を含めた異時性多重癌の発生が大き な課題となった.欧米の食道癌の半数以上を占めるバレット食道癌は,わが国ではまだ多くはないが,早期発見される症例は増えてきている.しかし,扁平上皮癌のような長期成績や治療適応に関するエビデンス はまだ少なく,今後明らかにすべき課題である.内視鏡治療された表在型頭頸部癌,食道癌においては,その深達度や脈管侵襲などにより少なからず追加治療(外科治療,放射線治療,抗がん薬治療など)が必 要な場合もある.しかし,その長期成績についてはまだ十分なエビデンスはない.本セッションでは,これらの課題を含め,長期成績の視点から再発危険因子,予後因子,治療適応,最適な追加治療ストラテジー などについて議論したい.また,集学的診療が必要な領域であることから,消化器内科,消化器外科,放射線科,腫瘍内科,耳鼻咽喉科(頭頸部外科),病理から広く演題を募集する. 膵臓癌は予後不良な疾患とされているが,近年では腫瘍径1cm以内の浸潤癌の5年生存率は 80%との報告もみられ,検診領域では腫瘍径 1cm以内の膵臓癌の発見が課題である.超音波検診の精度管理と有効 性の向上を目的として,日本消化器がん検診学会,日本人間ドック学会,日本超音波医学会が連携して2014年に超音波検診判定マニュアルを発行した.このマニュアルは超音波所見に対応するカテゴリー分類 と判定基準からなっているが,超音波検査における描出不良例への対処,二次精検の方法,高危険群を含む経過観察例に対する検査間隔や検査法など解決すべき問題もある.今回のパネルディスカッションで は,US,CT,MRIといった各種画像診断における膵臓癌の拾い上げや高危険群の設定に加え,効率的な精検方法や適切な経過観察といった事後管理の方法につきご報告いただきたい.検診施設と精検施設の 両者からのご発表をもとに膵臓癌の早期発見と予後改善に寄与できる方向性を導き出せればと考える. わが国ではH. pylori 感染胃炎の除菌治療が2013年に保険診療の対象になった.ピロリ菌感染の診断治療の前に,まず内視鏡でピロリ陽性胃炎の診断を行う必要がある.しかし,ピロリ陽性胃炎はどのように診断 するかは,いまだ確固とした基準がない.Up-dated Sydney systemは世界共通の胃炎診断として作成されたが,日本では,木村-竹本分類や胃炎研究会の分類など詳細な分類と歴史的背景があり,胃癌多発国 でもあるため胃炎は胃癌リスクを考慮した胃炎分類が求められている.さらに近年,内視鏡の進歩とともに胃粘膜の詳細な観察が可能となっている.2013年5月京都での第85回日本消化器内視鏡学会にて胃炎診 断に関連した主題が2題設けられた.目的は,より正確に客観的に組織学的所見を考慮し,日本の標準的内視鏡学でH. pylori 感染胃炎を診断する所見を明確にすること,さらに胃癌のリスクとなる所見をスコア化 することである.「胃炎の京都分類」がどのような分類か,実臨床での追試で問題点と有用性はどうか,国際的な評価はどうかなど熱い討論を期待する. 胆管癌・膵癌ともに外科的切除が長期生存のための第一選択の治療法であるが,多くは診断時に進行癌であり,切除できたとしても決して満足できる治療成績とはいえない.局所進行例に対してはR0切除率の 改善を目指して,これまでに肝膵同時切除やDPCARなど幾つかの拡大術式が提案されてきたが,遠隔成績の飛躍的向上には結びついていない.このような現状から,局所進行例や転移癌では外科的切除以外 の治療(化学療法,放射線療法,免疫療法など)を組み合わせた集学的治療の役割が増大している.その結果,切除不能から切除可能へといわゆるconversionする症例も増加しつつある.さらにBorderline resectableという術前治療を前提とした概念も受け入れられつつある.しかし,進行胆管癌・膵癌治療をめぐっては,未だにエビデンスレベルの高い論文が少なく,標準治療が医療者間で十分に確立されていない ことが問題点として残されている.本パネルディスカッションでは,胆道癌・膵癌治療のエキスパートによって病態に応じた最新の推奨治療法を明らかにしていただきたい. 集学的治療とは難治癌に対して外科手術をはじめ化学療法,放射線療法,免疫療法など様々な治療法を組み合わせて行うものである.大腸癌においては進行下部直腸癌や局所再発の2つに対する治療法に関 しては,エヴィデンスも乏しくコンセンサスが得られているとはいえない.しかし,日常診療で私達は眼前の症例に対して,最も有効な治療法の選択を常に迫られている.そこで,今回のパネルディスカッションでは cT4やcN3などの進行下部直腸癌や局所再発に対する最新の集学的治療について論じていきたい.本セッションでは順次提示する症例に対する,切除や化学放射線療法の適応,手技,方法などについてパネリ ストの間で討論し,さらにアンサーパッドを用い聴衆の意見を求める予定である.したがって抄録には貴施設の進行下部直腸癌や局所再発に対する治療方針を簡潔にまとめ,振るって応募し討論に加わっていた だきたい. 本パネルディスカッションでは,周術期感染症に関する以下の5つのテーマについて討論したいと思う.(1)手術患者における感染症サーベイランス:日本の手術患者のために,どのような感染症サーベイランスが 必要か,その活用方法について.(2)術後感染予防対策:現在における標準的予防対策について.(3)術前MRSA保菌者対策:日本でのactive surveillance の可能性と陽性患者に対する対応の標準化について. (4)Clostridium difficile関連腸炎の予防と管理:CD関連腸炎の発生状況と,その予防,管理を中心に.(5)術後耐性菌感染症に対する治療方針:術後における留意すべき耐性菌とその治療方針について.進行 は,各々のテーマに対して司会者が説明(話題提供)を行う.各演者の口演は行わず,各施設の成績を随時使用しながら討論を行うこととする.演者は公募とするので応募抄録には自施設のデータをもとに周術 期感染症対策を述べていただく.多くの施設からの応募を期待している. 4 PD12 PD13 PD14 PD15 PD16 PD17 外科代謝栄養における Up-to-date<アンサーパッド> (消化器外科学 会) 肝疾患の診断・治療に伴う侵襲はどこまで減らせるか (肝臓学会・消化 器病学会・消化 器外科学会合 同) 食道癌に対する集学的治療 Up-to-date<アンサーパッド> (消化器外科学 会・消化器病学 会・消化器内視 鏡学会合同) 胃癌に対する集学的治療 Up-to-date<アンサーパッド> (消化器外科学 会・消化器病学 会・消化器内視 鏡学会合同) 肝移植の長期予後改善のために<アンサーパッド> (消化器外科学 会・消化器病学 会・肝臓学会合 同) (消化器内視鏡 学会・消化器病 学会合同) SSA/Pにおける諸問題 東口髙志 森安史典 松原久裕 今野弘之 古川博之 鶴田 修 福島亮治 工藤正俊 土岐祐一郎 瀬戸泰之 上本伸二 八尾隆史 公募・一 部指定 公募・一 部指定 公募・一 部指定 公募 公募 公募・一 部指定 PD18 胆道・膵臓癌に対する化学療法の進歩 -術前,術後,非切除 - (消化器病学会・ 消化器外科学会 合同) 三浦文彦 伊佐山浩通 公募 PD19 大腸ESD・ポリぺクトミーの新たな展開<一部ビデオ> (消化器内視鏡 学会・消化器病 学会・消化器外 科学会合同) 平田一郎 勝木伸一 公募 ワークショップ W1 W2 W3 W4 W5 W6 司会 B型ウイルス肝炎の研究と治療戦略の新展開 (肝臓学会・消化 器病学会合同) 門脈圧亢進症 診断・治療の今後の展開 (肝臓学会・消化 器病学会・消化 器内視鏡学会・ 消化器外科学会 合同) gNETの診断と治療 (消化器病学会・ 消化器内視鏡学 会・消化器外科 学会合同) 消化器疾患における腸内細菌の病的意義を考える (消化器病学会・ 消化器内視鏡学 会・肝臓学会・消 化器外科学会合 同) Translational science 消化器疾患における診断・治療バイオマー カー -ベンチからベッドへ- (消化器外科学 会・消化器病学 会・肝臓学会・が ん検診学会合 同) (JGES Core Session)下部消化管における advanced diagnostic endoscopy(ADE) エビデンスと新たな展開 (消化器内視鏡 学会・消化器病 学会) 横須賀收 國分茂博 須並英二 藤山佳秀 小寺泰弘 斉藤裕輔 茶山一彰 吉田 寛 穂苅量太 喜多宏人 三森功士 田中信治 900字:主題 公募 公募 公募・一 部指定 公募・一 部指定 公募・一 部指定 公募 本セッションでは外科代謝栄養におけるUp-to-dateとして,消化器外科における経口・経腸栄養の現状と課題について取り上げる.栄養管理を可能な限り腸管を使用して行うことの重要性は,基礎的,臨床的にこ れまで多くの研究が行われてきている.そして北欧発のERASに代表される術後回復強化プログラムでは,さまざまな方策とともに術後きわめて早い時期からの経口摂取が推奨され,良好な成績が報告されてい る.わが国でも最近この考え方を実践する施設が増加している.しかしこれまでのエビデンスは,在院日数を第一の指標として評価しているものが多く,その他のデータもほとんどが術後短期のものに限られてい る.また,そもそも何を指標に評価すべきかが十分検討されていないのも現状である.一方,術前から栄養不良にある患者をはじめとして,術後の早期経口摂取だけでは不十分で,術前術後を通して,いわゆる artificial nutritionを必要とする患者も存在する.このような事を踏まえ,各施設からの現状をもとに,今後の課題について議論を深めたいと考えている. びまん性肝疾患のみならず,腫瘍性の肝疾患においても,その診断と治療には多かれ少なかれ侵襲を伴う.診断においては,生検による病理診断,X線被爆や造影剤が投与される画像診断など,侵襲的な検査 法が用いられる.治療においては,肝部分切除のみならず局所治療や放射線療法など侵襲的な治療法が必要である.近年,肝癌の診断や治療において,より侵襲が少なく,かつ確実な診断法・治療法が登場し てきた.例えば,肝臓の物性の一つである硬さを診断するエラストグラフィは生検に匹敵する情報を与える.また,IVR治療においては,ビーズによる塞栓化学療法の臨床応用などが挙げられる.本パネルディス カッションでは,これらの新しい低侵襲診断法,治療法を発表していただき,肝疾患診療の今後の展望をディスカッションできればと考えている.広い領域に亘るテーマではあるが,多くの新規性の高い演題の応 募を期待するものである. 多数の臨床研究は進行食道癌に対する集学的治療の有効性を報告してきた.わが国では術前化学療法(シスプラチン+5Fu)が推奨されているが,海外では術前化学放射線療法が汎用されている.また,最近 では強力な3剤併用の術前化学療法(ドセタキセル+シスプラチン+5Fu)も期待されている.食道癌の場合は手術侵襲が大きいことより術前治療が良いというのは共通した意見であるが,具体的なプロトコールに ついてはまだ議論が多い.一方,食道癌手術より死亡リスク,食道温存などの点で有利な非手術療法が選択される場合もある.根治的化学放射線療法については照射量や照射法の改善やサルベージ手術の安 全性の向上により更なる成績の向上も望まれる.このように食道癌に対する集学的治療は多様性に富んでおり,病変の進行度や患者の状態により個別化した対応を迫られる.幅広い知識と技術を提示していただ き議論したい. 胃癌に対しても分子標的薬が導入され,またあらたな化学療法剤も使用可能になってきている.治療成績のさらなる向上のために集学的治療は不可欠であり,実際日常診療で行えるようになってきた.よって集学 的治療における外科治療の役割が問われる時代になってきている.また,「切除不能」と診断されても,各施設,外科医によってその判断が異なることもありうる.そこで,本セッションでは,手術の役割をより明確に するため,術前化学療法(適応,内容,手術時期),一次化学療法後の手術(時期,術式),腹膜播種症例における外科の意義などに関し議論を行いたい.放射線の適応,可能性もできれば論じたい.以上から一 つ選択し各施設の治療方針,成績を提示いただきたい.発表の際には具体的な症例を示していただき討論を行う予定である. 肝移植は日本においても末期肝疾患の根治的治療法と位置づけられている.しかしながら,特に成人においてはその長期成績は5年生存率72%と,小児の86%と比してかなりの低下がみられ,海外の肝移植の成 績と比べても明らかに悪化が見られる.従って,長期成績の改善は日本の移植(特に成人)の予後改善に大きく貢献する可能性がある.このパネルディスカッションにおいては,日本の移植における長期成績(移植 後1年以降)とこれに寄与する因子について論じていただきたい.また,長期予後を悪化させている因子として,これまで原病の再発,悪性腫瘍の発生,慢性拒絶反応などがあげられてきたが,これらの因子がどの 程度長期予後に関与しているかを明らかにし,今後の予後改善のためにどのような対策が考えられるかをご提案いただきたい. 大腸鋸歯状病変は組織学的に過形成ポリープ(HP),Sessile serrated adenoma/polyp(SSA/P),Traditional serrated adenoma(TSA)に分類され,SSA/PおよびTSAは癌化のポテンシャルを有しているとされている. TSAはかなり以前から病理組織所見が定義づけられいるが,SSA/Pについての定義づけは最近おこなわれたばかりである.しかし,SSA/Pが特徴的な分子生物学的変化や内視鏡所見を有することが証明され,さ らには癌化の報告も多くみられるようになり,臨床的にも無視できない存在となっている.また,癌化の過程では明らかな腫瘍性で腺腫相当の異型を示す病変が存在することも明らかとなり,TSAとの関係も問題と なっている.本パネルディスカッションは「SSA/Pにおける諸問題」と題して,(1)SSA/P~癌化までの病理組織学的変化,(2)SSA/P~癌化までの分子生物学的変化,(3)SSA/Pの癌化率,(4)癌化したSSA/Pの内視 鏡所見(腺腫様変化も含めて),(5)内視鏡治療を行うべきSSA/P(どの時点で治療を行うのが妥当であるのか?),などについて討論したい. 胆道・膵臓癌に対する化学療法進歩は近年著しく,まるで治療がなかった時代とは隔世の感がある.化学療法といえば非切除例に対するものと相場が決まっていたが,これも昨今では術前,術後にも化学療法を 施行し,予後を延長する試みが定着しつつある.特に膵癌では,切除後の治療成績向上のためには化学療法を上手に使用することが重要であることが,わかってきた.本邦初のエビデンスであるJASPAC-01の結 果はGemcitabineよりもS-1が有意に術後の予後を延長したというものであり,治療に携わる医師の意識も変わってきたと思う.術後のみならず,術前治療にも期待が持たれる状況となってきているが,これはやはり 治療手段が増えてきたことが大きな契機となっていると思われる.Gemcitabine,S-1という薬剤に加えてErlotinibが使用可能となり,昨年にはFOLFIRINOXが施行可能となった.一方胆道癌では, Gemcitabine+CDDP登場後は,新規薬剤は登場していない.しかし,術前,術後の化学療法も進歩しつつある.本セッションでは,胆道・膵臓癌に対して,種々の病態ごとにその適応や成績,治療の工夫を討論し たいと思っている.多数の応募,意欲的な演題を期待している. 近年,大腸腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が普及してきているが,一般的にEMRに比し治療時間や偶発症などの点で難易度は高く修練と技術が必要とされる. ESDを施行する上でsurgical margin の適切な確保,安全性,効率性などが望まれるが,一般例や困難例に対し手技上の工夫やコツなどにおいて従来よりも高い普遍性,有用性のある新しい展開があればそれを示していただきたい.また,大腸 T1(SM)癌において完全摘除生検の下に内視鏡治療の適応拡大を求める意見もある.一方で,適応拡大された症例の長期予後に関する成績は十分でないため適応拡大に対する慎重論もある.これらについても エビデンスをもとに議論していきたい.Cold polypectomyは,手技後の組織の熱損傷がなく,穿孔発生の可能性が少ないことから,小さな腺腫に対して行われつつあるが,切除後の出血や,病変の違残が危惧さ れる.また,適応病変や使用する処置具についても更なる検討が必要である.本セッションでは上記3項目を中心に,これら手技の有用性や限界についてpros and consの忌憚のない討論を行いたい. 司会の言葉 B型肝炎ウイルス感染症に対する治療は格段に進歩し,優れた核酸アナログの出現によりB型慢性肝疾患の病状の進行は良好に,確実に抑制できるようになった.しかし,核酸アナログの治療中止,離脱は高頻 度にウイルスの再増殖と肝炎の再増悪を来す.さらに治癒,すなわちHBs抗原の陰性化とHBs抗体の陽性化は容易には得られず,この点におけるインターフェロンの役割も十分明らかにされていない.このような 実情を打開するための様々な基礎研究,臨床研究が行われているのが実情であると考えられるが,画期的なbreakthroughは得られておらず,HBVの持続感染に対する根本的な対策の完成はまだ見えていない. 本ワークショップではこれらの研究の最新の情報を基礎,臨床の両面から持ち寄って発表していただき,様々な角度から討論したいと考えている.この討論を研究や治療の新しい方向性の探索やアイデアの創出 に役立てたい. 門脈圧亢進症では病態把握のため諸々の検査が必要となる.近年は画像診断が発達してきたが,施設により様々な診断ストラテジーがある.門脈圧亢進症に出現する病態として食道胃静脈瘤は予後を決める重 要な因子であるが,近年の治療技術の進歩で治療成績も向上した.保険未収載であったヒストアクリルも市販後調査中で,B-RTOも医師主導治験が行われている.他にも異所性静脈瘤,脾機能亢進症,肝性脳 症など様々な病態が出現するが,腹水に関してはトルバブタンの登場で進歩した.本ワークショップでは,各施設における門脈圧亢進症の診断ストラテジーや各種治療手技を安全かつ効果的に施行するための 工夫(sedationの方法,治療前後の管理,手技,治療間隔など),偶発症とその対策,長期成績などについて報告していただき,門脈圧亢進症の診断・治療の今後の展開について討論したい. 神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor. NET)は稀な疾患であるが消化器が発生部位で最も多い(60%).近年ヨーロッパ神経内分泌学会や日本神経内分泌腫瘍研究会から診療ガイドラインが提唱された.内 視鏡技術の進歩により病変の視認性が向上しEUS,EUS-FNA,などの普及のため,小病変の発見も増加した.また画像診断法の普及に伴い特別な臨床症状をきたさない無症候性病変の発見も増加しており,そ の取り扱いについては議論の余地がある.また直腸,胃,十二指腸に加え,小腸での報告も増加してきた.治療方針決定については病理診断情報が重要であるが外科治療,ESD, EMR,EMR-Lなど選択肢が広 いのも消化管NETの特徴と言える.化学療法として分子標的治療薬も新たに開発され治療の選択肢が広がった.しかし,施設間で診断法,治療法が異なっているのが現状である.本ワークショップでは消化管 NET (gNET)の診断法や治療法について論じて頂き,現状を明らかにし広くディスカッションする場としたい. 消化管内腔は微生物が絶え間なく侵入する空間であり,腸内細菌はダイナミックに変化する消化管内腔の恒常性の維持に重要な役割を果たしている.抗生剤による菌交代現象やblind loop 症候群等に伴う bacterial overgrowthなど,腸内細菌の攪乱に伴う消化器疾患につきこれまで検討されているが,その病態は十分解明されたとはいえない.また,感染性腸炎における病原体と常在菌の相互作用,炎症や腫瘍に 関連した種々の消化器疾患における腸内細菌の促進的あるいは抑制的役割などについてはブラックボックスの状態である.さらには,食生活の変化や医薬品の投与等が腸内細菌環境をいかに変化させるか,そ してその変化が種々の消化器疾患に対し促進的あるいは抑制的に働くかどうか,といったことについても興味がもたれる.本ワークショップでは,消化器疾患における腸内細菌の病的意義につき基礎的・臨床的側 面から幅広い視点からの演題を募集したい. 消化器疾患,特に癌のバイオマーカーの目的は「発がんの超早期診断」「根治術後の転移再発予測」「治療抵抗性および感受性評価」であり,少なくとも現在の血清蛋白や病理診断を凌駕しうる高い感度と特異 度を有するものが求められる.評価対象検体はcirculating tumor cells,抗体,癌特異的遺伝子・non-coding RNA (microRNA, lncRNA),circulating tumor DNA,そしてエクソゾームに内包された分子等である.ま た解析法も進化し様々な技術革新によりシングルセルレベルの解析が少しずつ可能になってきており,極微量な検体から重要な情報を大量に入手し臨床応用が可能な日も遠くはない.リンパ節生検標本,消化 器内視鏡生検標本,末梢血液・唾液・肝胆膵領域の体液等のリキッドバイオプシー標本などから如何に正確に臨床的に有用な情報を入手できるのか?現状について報告いただき,技術の限界または今後の展 開について議論をしていただきたい.また診断のみに留まらず,治療標的対象となりうる分子,DNA,蛋白についても紹介をしていただきたい. 小腸・大腸疾患の内視鏡診断として,小腸ではカプセル内視鏡,バルーン内視鏡が,大腸では拡大観察を含めた内視鏡がGold standardであるが,近年,新しい診断手技として,小腸ではspiral enteroscopyが, 大腸では種々の画像強調観察,さらには超拡大内視鏡(endocytoscopy,confocal laser endoscopy)が登場しその有用性が報告されている.また,大腸カプセル内視鏡も保険適用となった.さらに,断層診断法も 超音波内視鏡に加え,optical cohelence tomographyやlaser confocal microscopyなどの臨床応用も可能となっている.これらにより下部消化管における内視鏡診断もマクロレベルから細胞レベル,さらには細胞内 シグナル伝達の域へとその精度は高まろうとしている.本ワークショップでは,上記の各検査法の特徴と有用性,現状における組み合わせを含めた位置づけや課題,将来の展望について議論したい. 5 機能性上部消化管疾患の病態と新規治療 (消化器病学会・ 消化器内視鏡学 会合同) W8 IPMN vs IPNB (消化器病学会・ 消化器内視鏡学 会・消化器外科 学会合同) W9 (JGES Core Session) Interventional EUS:エビデンスと新たな展 開 (消化器内視鏡 学会・消化器病 学会合同) W7 W10 W11 W12 W13 W14 W15 W16 W17 W18 W19 胆膵内視鏡検査・治療のトラブルシューティング<ビデオ> 疾患メタボロミクスの現状と将来 消化器疾患と胆汁酸 -病態・診断・治療への関わり- (JGES Core Session)上部消化管における advanced diagnostic endoscopy(ADE) エビデンスと新たな展開 (消化器内視鏡 学会) (消化器病学会・ 肝臓学会合同) (消化器病学会・ 肝臓学会合同) (消化器内視鏡 学会・消化器病 学会合同) AIHとPBCの最近の進歩 (消化器病学会・ 肝臓学会合同) H. pylori 未感染および除菌後胃癌の治療と病態 (消化器内視鏡 学会・消化器病 学会・がん検診 学会合同) 消化器機能性疾患における内視鏡の役割 (消化器内視鏡 学会・消化器病 学会合同) 胆膵疾患診療におけるEUSの新たな展開 (消化器内視鏡 学会・消化器病 学会合同) Translational science 消化器疾患診断・治療における医療機器・ 材料の進歩 -ベンチからベッドへ- (消化器外科学 会・消化器病学 会・消化器内視 鏡学会・肝臓学 会・がん検診学 会合同) カプセル内視鏡における新たな展開 (消化器内視鏡 学会・消化器病 学会・がん検診 学会合同) 木下芳一 乾 和郎 峯 徹哉 真口宏介 東 健 田妻 進 貝瀬 満 大平弘正 河合 隆 山本貴嗣 杉山政則 藤田直孝 河上 洋 大西洋英 海野倫明 八尾建史 田中 篤 古田隆久 屋嘉比康治 草野元康 山雄健次 安田一朗 竹之下誠一 花﨑和弘 中村哲也 樋口和秀 公募 公募 公募 公募 公募・一 部指定 公募・一 部指定 公募 公募 公募 公募・一 部指定 公募・一 部指定 公募・一 部指定 公募 機能性上部消化管疾患は日常診療で遭遇する機会が多く,近年注目が高まっている疾患である.2014年に機能性ディスペプシア(FD)のガイドラインが公表されたことから,疾患概念がより広く認知されるところと なり,治療の基本的な流れについてコンセンサスが得られつつある.FDを適応疾患とする薬剤が上市されたことなど治療上の選択肢も増え,臨床的なアプローチが以前より容易になっている.また病態面につい ては,食道疾患におけるインピーダンス法の広まりや画像技術,基礎研究の進歩などから,様々な新しい知見が報告されている.しかし一方で実臨床においては,病態が不明で治療に難渋する症例が未だ少なく なく,更なる病態解明や新しい治療法が求められている.本ワークショップでは,FDや難治性GERDを含む食道運動障害など機能性上部消化管疾患における新たな知見について,基礎から臨床まで幅広く演題 を募集したい.症例数の多寡は問わず,斬新な切り口の演題をお待ちしている. 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は1983年,大橋,高木らの粘液産生膵癌の報告に始まり,名称・概念について紆余曲折があったものの,現在は国際コンセンサス診療ガイドラインが出され,その疾患概念はほぼ 確立している.一方,1987年頃から粘液産生胆管腫瘍の報告が散見されていたが,2001年,中沼,全らにより,肝内結石症例における乳頭状腫瘍がIPMNに類似していることから,胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)とし て報告され,2010年にはWHOに収載されている.IPNBはIPMNのcounter partとして対比されることが多いが,その病態・概念についてはまだ解明すべき課題が多く残っており,コンセンサスが得られるには至って いない.両者の類似点,異同について,臨床,病理,分子生物学的アプローチ,診断,治療など,幅広い分野からの演題を期待する. 本ワークショップはJGES Core Sessionの一つとして開催され,タイトルのInterventional EUSはいくつかの手技を包括した総称である.2014年診療報酬改定の際に通則が追加されたことにより,EUS関連の多くの手 技が保険診療として実施できることが明確化された.一方で,EUS関連手技は技術的難度が高いことから,十分な準備なしに行うことのないよう医師サイドがautonomyを発揮することが期待されている.このような現 状認識を共通にしたうえで,日常診療の中でいかに技術的ハードルを下げ,安全,確実,単純化された手技を行っていくかは喫緊の課題である.各医療現場においては,日々様々な工夫,改良が進められている ことと予想される.本主題では,ワークショップとしてpreliminaryのものも含め広く新しい試みを発表していただき,討議を踏まえ方向性を確認し,この領域のさらなる展開を促す機会としたい. 胆膵内視鏡の中心にはERCPとEUSが位置し,これらを応用した種々の関連手技が登場し,発展を続けている.その背景には,新しい手技の開発とともに内視鏡機器と処置具の開発・改良が関与している.これら の手技は,比較的低侵襲で有効性が高い反面,技術的に難度が高く,重篤な偶発症のリスクも伴う.したがって,より安全で確実な手技の習得のためには,種々の手技の実際とコツ,処置具の選択・使用法などを エキスパートから“見て”,“学ぶ”必要がある.本ワークショップでは,「胆膵内視鏡検査・治療のトラブルシューティング」を取り上げた.トラブルシューティングには,偶発症リスクを減少させるための工夫,発生時の 対処法に加えて,手技成功率向上を目指したコツや工夫なども含まれる.日常診療に役立つ,そして手技の普及に繫がる“ビデオ”を用いた発表を期待したい.新しい手技や発展途上の対処法なども歓迎する. 奮って応募頂きたい. 質量分析計や核磁気共鳴分析法等を用いた質量分析の急速な発達により,特定の条件下での低分子代謝物の変動やそれらの相互作用を分析するメタボローム解析が,生命科学研究において重要な手法の1 つとして位置づけられてきた.代謝物の変動はDNAやRNA,蛋白質より下流で起こる現象であることから,代謝物が生体の状態をより詳細に反映しており,代謝物プロファイルにより,リアルタイムでの生体分析が 出来ると考えられる.本ワークショップでは,メタボローム解析による消化器疾患の病態解析や診断に向けたバイオマーカー探索等についての幅広い演題を募集し,消化器領域における疾患メタボロミクスの現状 を把握し,将来的な展望について議論したい. 胆汁酸は腸肝循環を営むことから消化器全般の疾患の病態や治療・予後に密接にかかわる.食道炎・食道癌,炎症性腸疾患・大腸癌,ウイルス性肝炎・肝癌,非アルコール性脂肪性肝疾患, 胆汁うっ滞(原発性 胆汁性肝硬変,原発性硬化性胆管炎),胆石症・胆道感染症,膵炎など胆汁酸が関連する消化器疾患は極めて幅広い.胆汁酸レセプターの発見により遺伝子レベルの制御が明らかになり「シグナル分子」として の胆汁酸の役割が解明されつつあるとともに,肝炎ウイルス感染と胆汁酸取り込み機構,肥満に伴う肝発癌,Metabolic surgery術後病態などにも胆汁酸を絡めたメカニズムが報告され,当該領域の研究は実に多 彩である.本ワークショップでは,消化器疾患全般を対象にして病態や診断・治療,予後予測に至るまで,胆汁酸に関わる基礎研究・臨床研究を幅広くご紹介いただき,その応用性や治療戦略など今後の方向性 を議論したい. 通常の白色光内視鏡による診断能の限界を打開するために,様々な画像強調内視鏡(IEE)や拡大内視鏡などが開発されてきた.直近では第二世代のNBI,BLI,i-Scan OE などの新しいIEEが臨床使用できるよ うになり,消化管癌の拾い上げ診断・質的診断・量的診断に関するエビデンスが集積されつつある.本セッションでは,咽頭から十二指腸まで上部消化管における,IEEや拡大内視鏡を用いた新たなエビデンス, Endocytoscopy・共焦点内視鏡・分子イメージングなど次世代内視鏡の展開など,advanced diagnostic endoscopy(ADE)に関する最新の知見に関する演題を広く募集し,ADEの臨床的有用性と今後の展望につ いて活発な論議を行いたい. AIH,PBCには基礎・臨床いずれの面でも解明すべき問題点が数多く残されている.両疾患とも細胞・組織障害が生ずるメカニズムはいまだ不明であるが,疾患感受性遺伝子,自己抗体,免疫担当細胞,サイトカ イン,自然免疫,動物モデルなど,様々な面から病態解明の努力が続けられている.また臨床面では,AIHでは急性発症AIHの診断・治療,小児におけるAIH,UDCA投与の是非,またPBCでは治療開始時期の 問題,ベザフィブラート治療の長期予後,様々な合併症,移植例の臨床像など検討すべきテーマは数多い.本ワークショップでは,AIHとPBCについての基礎・臨床双方における様々な成果をご発表いただき,現 時点までの到達点を見きわめ,かつ今後研究の進むべき方向を確認する一助としたい.多数の応募を期待する. 最近の発見胃癌において,H. pylori 除菌後胃癌やH. pylori 未感染胃癌のしめる割合が増加してきている.今後除菌治療が普及するに伴いこれらのH. pylori 陰性胃癌が胃癌の中心となってくる可能性がある. 除菌後胃癌の発生には,胃粘膜の萎縮の程度が最も重要な因子であると京都コンセンサスで報告されている.H. pylori 感染が持続している胃癌と比べてどのような特徴があるのかは重要な検討課題である.第 89回総会でも同様のテーマの主題が取り上げられているが,今回は特に,病態と治療・予防を中心に議論を行いたい.そこで,H. pylori 未感染および除菌後胃癌の病態と治療方法について多数の新規性のある 演題を応募する.尚,データの解析に当たっては,H. pylori 感染診断法を明確にしていただき,また,H. pylori が自然排菌されたと考えられる症例はこれまでどおり別な群として扱って分析をして頂きたい. 通常の内視鏡観察では明らかな器質的疾患を認めないにも関わらず,さまざまな症状を訴える疾患群(NERD,FD,IBSなど)は,消化器機能に何らかの障害があると考えられている.以前はガンや潰瘍のみが「器 質的疾患」とされていたが,NERDにおける細胞間隙の開大や炎症性サイトカインの発現増加,FD,IBSにおける特殊炎症細胞の浸潤など,内視鏡生検を用いた異常の指摘もある.また近年では,好酸球性胃腸 炎やcollagenous colitisなど,内視鏡による生検診断が不可欠な疾患の存在も明らかとなった.さらに,内視鏡検査時の粘膜電気抵抗性の測定,酸分泌機能検査や内圧測定,胃進展度の測定も消化管機能性疾 患の病態の解明や評価に有用である.一方,内視鏡機器の発展も目覚ましく,拡大・特殊光観察やEUSなどの開発に伴い,過去の通常光観察では検出不能であった疾患も観察可能となった.本ワークショップで は咽頭・食道,Vater乳頭,大腸まで消化器機能性疾患の診断および病態の解明や評価における内視鏡の役割を,現在進行中のものも含めて,はば広く募集する. EUSの臨床応用は1980年代初頭に始まり,胆膵領域におけるその高い診断能はかつて強いインパクトを与えた.その後1992年にはEUSガイド下吸引生検法 (EUS-FNA)が臨床応用され,それまで困難とされた膵 病変の病理検体採取が比較的安全かつ簡便に行える方法として一躍脚光を浴びた.近年においてはさらに,膵嚢胞ドレナージ,胆道ドレナージ,膵癌に対する抗腫瘍剤注入療法,腹腔神経叢ブロックなど,この 手技を応用した様々な治療手技が開発され,また,診断面でも造影エコー,elastographyなど新たな画像診断法が開発されている.このようなEUSを用いた診断・治療手技の進化の勢いは今なお全く衰えることな く,新たな診断機能,治療手技,処置具の開発が高い関心をもって注目されている.本ワークショップでは,既に報告されつくした診断・治療手技の症例数を単に増やしただけの続報ではなく,新規の診断・治療 手技,処置具に関する検討,あるいは診断・治療の新しいコンセプトの確立を目指した研究成果の発表を募集する. 医療の進歩による国民の健康と安全の向上のためにPMDA(医薬品医療機器総合機構)が設立された.特に日本発の医療機器・医療材料の開発および商品化は国民の健康と福祉だけでなく,経済効果にも直 結するだけにPMDA事業として大いに期待されている.本セッションでは消化器疾患の診断・治療に役立つ医療機器・医療材料の進歩を目指して,発展途上や推進中の斬新な基礎および臨床研究を中心に, translational scienceとしてベンチからベッドへの展開や将来展望も視野に入れながら発表していただきたい.必要は発明の母である.「こんな医療機器や材料が臨床現場にあったらいいのに」との発想から開始さ れた研究ほど興味深い.またどうしたら臨床応用が可能か否かについても焦点を当てて論じて欲しい.“われこそは消化器疾患の診断や治療に役立つ医療機器や材料の先駆者である”という活気あふれるテーマ を多方面から期待したい. カプセル内視鏡は,飲み込むだけで消化管内の画像が撮影でき,患者にとって苦痛が少ないことが最大の利点である.日本では世界に先駆けて小腸用のみならず大腸用カプセル内視鏡が保険適用となり,今後 の更なる普及が期待される.また機器やソフトウェアの急速な進歩により,カプセル内視鏡で全消化管の検査が可能になる日も夢ではないと思われる.本ワークショップでは,小腸・大腸カプセル内視鏡を用いた小 腸・大腸疾患へのユニークな使い方や新しい診断基準の試み,食道・胃を含めた新しい診断法の開発,自走式内視鏡などの新しい機器の開発,機能検査や治療への応用,技師などによる診断支援システムの開 発など,新しい試みについての意欲的な演題を募集する.カプセル内視鏡における新たな展開について活発な討議を行いたい.
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