[大 学 w e bサイト]http://www.shudo - u.ac.jp/ 研究・地域イノベーション教育・社会 貢献に関する 活動を地(知)の拠点として、サポート します。 広島になくてはならない 大学であり続けるために ひろしま未来協創センターは広島修道大学の教育・研究・社会貢献に関する諸活動を支援し、 ひろしま未来協創センター長 地域の活性化に継続的につながる仕組みづくりを目指しています。 山川 肖美 ひろしま未来協創センターは2014年4月に開設されました。以降、 ひろみらセンターとは 通称「ひろみらセンター」と呼ばれ、日々学内外から多くの方に来所を 広島修道大学の研究・地域イノベーション教育・社会貢献に関する諸活動を支援するための部局です。これら3領域のうち、研究を通した社会貢 いただいています。とくに、昨年度は4月に、学生の主体的学びと活 献については、1976年にひろみらセンターの前身となる研究所が発足して以来推進してきましたが、2010年度より地域つながるプロジェクト、 動を応援する協創館(8号館)が開館したのに伴い同館の地下1階に移 2012年度に文部科学省との共催事業である熟議を実施し、教育を通した社会貢献にも取り組んできました。2012年度には、ピア・カウンターも当 転をし、コンセプトがより明確になりました。 センターに移管され、学生の自主活動の支援体制の充実も図ってきました。 来所くださる目的は、ひろみらセンターの3つの目的「研究支援」 このような実績が評価されて、2013年度「地(知)の拠点整備(COC)事業」 (現在は「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」として継承)とし 「地域イノベーション教育の推進」 「社会貢献の推進」に沿ったものに て文部科学省に本学の「イノベーション・ブリッジによるひろしま未来協創プロジェクト」が採択されました。 (詳しくはP.18) なっています。 研究支援では、外部資金獲得支援をはじめ、独自の研究助成の仕 1 2 調査・研究に 関すること 8 つ 事 3 科学研究費 助成事業等の 外部資金獲得支援に 関すること 図書・論集等の 編集・刊行に 関すること 組みを持ち、運用しています。また研究成果を社会に広く発信・共有 4 産学官連携に 関すること も推進・運営しています。地域課題の解決や地域の活性化のための研 究テーマに絞った「ひろみら研究領域」や地域からの要望にお応えする 「ひろみらシンクタンク」の存在も特徴的です。これらを進めていく 上では、本学教員がそれぞれの専門性に拠る研究力を発揮しており、 の 業 化していくために、各種出版事業や学術講演会、リポジトリへの掲載 当センターでは、研究者がよりスムースかつ適正に研究が進むように、 資金獲得の段階から成果の発信までトータルに応援をしています。 5 学術講演会に 関すること 6 7 地域イノベーション 教育に関すること 地域社会・ 他機関との交流・ 連携に関すること 地域イノベーション教育の柱は当センター開設と同時に新設された 8 「地域イノベーションコース」です。このコースは、入学した学部の専門 生涯学習に 関すること 性を生かしながら地域の方と協働かつ自律的に地域の魅力を発見・ 発信できる力を修得できる内容構成になっています。開設後の2年間、 新入生の約3分の1(約500名)の学生が自ら進んで受講をしています。 今年度は、最初にコースを始めた学生が3年生になり、地域課題を 発見し解決まで自ら導く実践科目である「イノベーション・プロジェ クトⅠ・Ⅱ」 、アメリカオレゴン州ポートランド市でのまちづくりイノベー ションのための本学独自プログラムとなる「ポートランド・グローカ ル・イノベーションセミナー」への参加を、意欲を持って待ち望んで いるようです。 社会貢献の推進は、当然、上記の研究や教育の推進を通じて継続 的に行うものでありますが、加えて、修道オープンアカデミーや中学 研 究 地域イノベーション 教 育 生のキャンパス見学会などの形でも行っています。また、特徴的な 社 会 貢 献 ものとして、地域つながるプロジェクトやピア活動、ちぃスタ支援が あります。地域つながるプロジェクトは地域と連携した学生主体の PBL、ピ ア活動は学生主体のボランティア活動支援です。どちらも 「修大生」であることのユニークさを学生自ら地域や社会のために生か しています。学 生自身の成 長はもちろん、 (時に叱 正をいただきな がらも)関わった地域や組織の変革につながることもあり、スタッフ ・地域つながるプロジェクト ・ひろみらFES ・ちぃスタ ・修道オープンアカデミー ・研究支援 ・ひろみらシンクタンク ・ひろみら研究領域 ・学術講演会 p3 1 ・地域イノベーションコース p9 ・キャンパス見学会 ・産学官連携 一同修大生の持つ可能性に心動く日々です。 広島修道大学が広島に存在していてよかったとより多くの方に思って ・ピア活動 いただけるように、今年度も、13名の職員スタッフと5名の教員スタッフ p13 いきたいと思っています。 で一つひとつの事業を大切に育み、成果を社会に発信・共有化して 引き続きどうぞよろしくお願いいたします。 2 研 究 ひろみら研究領域 2014年度より、 「ひろみら研究領域」を開設し、地域課題の解決や地域活性化に関する研究に、本学教員や当該地域課 ひろみらシンクタンク 題の専門家が積極的に取り組むことを支援しています。 本学教員が専門性を活かして調査・研究を行い、その結果を 広島を中心とした地域社会の課題解決に向けて活用いただ 地域の課題解決やビジョン策定に向けて提案やコンサルティングや共同で調 くことを目的としています。 査研究などを行うために、 「ひろみらシンクタンク」を開設しました。現在ある 教員データベースを活用しながら、本シンクタンクにおいて、地域からの要望 ●2016年度 ひろみら研究領域助成交付内定研究課題一覧 (ニーズ)と本学教員の持つシーズをつなげていきます。 研究代表者 米田 邦彦 商学部 教授 共同 ●ひろみらシンクタンク研究者 氏 名 組織名 三浦 浩之 人間環境学部 教授 (2016年4月現在) 職 名 専門分野 研究課題 広島県の産業に関するイノベーション・インデックスの構築と適用 Community Engagement を活用した住民・民間事業者・行政の三者共創による 都市戦略立案についての研究 川瀬 正樹 商 学 部 教 授 ◎都市地理学 ◎経済地理学 ◎交通地理学 ◎北欧地域研究 川原 直毅 商 学 部 教 授 ◎マーケティング・リサーチ ◎地域商業問題 ◎ブランド戦略 ◎新商品開発 川本 明人 商 学 部 教 授 ◎外国為替論 ◎国際金融論 ◎リスクマネジメント論 金原 達夫 商 学 部 教 授 ◎経営戦略論 ◎環境経営論 矢野 泉 商 学 部 教 授 ◎農業市場学 山﨑 敦俊 商 学 部 准教授 ◎会計学原理 山本 和史 商 学 部 講 師 ◎キャリアデザイン ◎キャリアカウンセリング 岡本 徹 人 文 学 部 教 授 ◎教育行財政学 菅尾 尚代 人 文 学 部 教 授 ◎体育科教育学 高田 峰夫 人 文 学 部 教 授 ◎地域研究 ◎社会学 ◎人類学 田坂 逸朗 人 文 学 部 講 師 ◎地域イノベーション論 戸出 朋子 人 文 学 部 教 授 ◎教室内第2言語習得 ◎英語教育(特に、文法能力の発達とその指導) 西野 泰代 人 文 学 部 教 授 ◎教育心理学 山川 肖美 人 文 学 部 教 授 ◎生涯学習論 ◎社会教育学 王 偉彬 法 学 部 教 授 ◎中国の政治・外交 ◎日中関係 ◎比較文明論 佐渡 紀子 法 学 部 教 授 ◎国際政治 ◎平和学 竹井 光子 法 学 部 教 授 ◎計算言語学 鄭 芙蓉 法 学 部 准教授 ◎民法 ◎物権法 ◎不動産登記法 ◎中国法 広本 政幸 法 学 部 教 授 ◎公共政策 森河 亮 法 学 部 教 授 ◎スポーツ医学 ◎運動生理学 ◎野外教育 矢田部 順二 法 学 部 教 授 ◎国際政治史 ◎チェコスロヴァキア現代史 ◎中東欧地域研究 矢野 達雄 法 学 部 教 授 ◎日本法制史 ◎法社会学 山田 晋 法 学 部 教 授 ◎社会福祉法 ◎社会保障法 ◎福祉政策 ◎社会保障 伊永 大輔 法務研究科 教 授 ◎独占禁止法 ◎景品表示法 ◎下請法 ◎知的財産法 ◎官製談合防止法 海生 直人 経済科学部 教 授 ◎オペレーションズ・リサーチ 片山 尚平 経済科学部 教 授 ◎マクロ経済学 脇谷 直子 経済科学部 教 授 ◎電子自治体(電子行政) ◎情報システム 緒方 知徳 人間環境学部 准教授 ◎運動生理学 ◎運動生化学 ◎健康科学 川村 邦男 人間環境学部 教 授 ◎分析化学 ◎核酸化学 ◎生命の起原 ◎環境科学 ◎亜臨界水・超臨界水の化学 木原 一郎 人間環境学部 講 師 ◎建築意匠学 ◎空間デザイン・建築設計 ◎まちづくり・地域デザイン 争力強化が重要であると位置づけられ各種の政策も取られ始めました。 辻本 政雄 人間環境学部 准教授 ◎産業組織論 ◎環境経済学 ◎厚生経済学 ◎公共経済学 ◎経営戦略論 本研究では広島県産業に関するイノベーションがどの程度の水準であるのかを指標化する 羅 星仁 人間環境学部 教 授 ◎環境経済学 ◎環境政策学 西村 仁志 人間環境学部 教 授 ◎環境教育 ◎ソーシャル・イノベーション 長谷川 弘 人間環境学部及び 経済科学研究科 教 授 ◎環境影響評価(環境アセスメント) ◎環境経済評価 ◎農村環境 があるかどうか検証します。 増田 由佳 人間環境学部 准教授 ◎実験心理学 ◎外国語教育 このような指標を作成することで、広島県内の企業や団体にその指標を参考にしてもら 松川 太一 人間環境学部 准教授 ◎環境社会学 ◎社会調査法 三浦 浩之 人間環境学部 教 ◎都市・地域デザイン ◎環境システム ◎環境デザイン い、それぞれの分野でイノベーション、活性化が進展する一助となることを目的としていま 授 ●ひろみら論集 全学部を対象とし、地域課題解決や地域活性化に関する研究の成果を広く社会に 公表するとともに、内外の研究交流を図ることを目的として刊行しています。 2015 年度 ひろみら研究領域 広島県の産業に関する イノベーション・インデックスの構築 今後の日本社会は、人口減少社会を迎え地方消滅が話題になっ ています。地方消滅を防ぐためにも、国は地方創生をかかげ各種 の政策をおこなうようになりました。広島県も例外ではありませ 商学部 教授 米田 邦彦 ん。それに対応するため広島県は「イノベーション立県」をかかげ ていますが、広島県の資料を見る限り、主に製造業を中心として 考えているように思われます。それに対して本研究では、製造業 だけではなく、商業、金融、地方自治体も含めたあらゆる分野の イノベーションが今日必要であると考えます。実際に、国もサービス産業の生産性向上・競 モデルを構築することを研究テーマとしてきましたが、他の地域の状況を調べ研究する中 で、単に広島県内の製造業、商業などのイノベーションの指標を測定するだけでなく、広く 地域経済に関するイノベーションの指標になると考えました。その指標がどの程度、説明力 す。この研究をするなかで、地元金融機関の産学官連携の会合で本研究グループの川原教 授が企業から経営相談を受け、その後も依頼が来るという成果も上がっています。 3 4 研 究 2013 ー 2016年度 科学研究費 基盤研究(B) 科学研究費をはじめとする、学外の競争的資金獲得にかかる 外部資金獲得支援 「日本におけるクィア・スタディーズの構築」研究 支援や予算執行などを行っています。 ●2016年度 科学研究費助成事業交付一覧 研究費目 基盤研究 (B) 基盤研究 (C) 挑戦的萌芽研究 新学術領域研究 (研究領域提案型) 若手研究 (B) 研究代表者 近年、LGBTや性的マイノリティが報道でも取り上げられるようになりました。企業などでは、 「ダ 研究課題 研究期間 イバーシティ」という考え方のもとLGBTの人材を積極的に採用し、多様な顧客層に対応しようとして います。また、自治体のなかには「同性パートナーシップ」証明書を発行し、行政区域内でレズビア 河口 和也 人文学部教授 日本におけるクィア・スタディーズの構築 2013-2016年度 坂根 嘉弘 商学部教授 日本帝国圏における戦時農業政策の比較史的研究 ー社会関係に着目した地域分析ー 2013-2016年度 古川 裕朗 商学部教授 ナチ映画を巡る現代ドイツ・ナショナリズムのメディア論的研究:2010年代の新展開 2014-2017年度 高濱 節子 商学部教授 近傍構造に基づく関数の概形把握を利用した効率的な非線形最適化に関する研究 2014-2018年度 矢野 泉 商学部教授 広島の復興・成長・停滞期における公的及び民間食料流通システムの役割の検証 2014-2016年度 この科研グループでは、 「日本におけるクィア・スタディーズの構築」という課題のもと、方法論的な枠組みを考察する理論 吉川 史子 商学部教授 中世イギリス神秘主義文学における対話と読者に対する説得的ストラテジーに関する研究 2015-2019年度 クラスタ、データを収集する調査クラスタ、収集されたデータの結果を施策・提言と関連させて考える政策クラスタという3つ 福元 広二 商学部教授 英語史におけるポライトネス・ストラテジーの変化と原因 2015-2018年度 木村 弘 商学部教授 自動車部品サプライヤーの連携進化に関する事例研究:戦略策定と生産現場の整合性 2016-2018年度 相馬 伸一 人文学部教授 コメニウス教育思想の再解釈に向けての基礎的研究 2012-2016年度 西野 泰代 人文学部教授 いじめの連鎖:ピアプレッシャーに敏感な傍観者層はなぜ形成されるのか 2014-2017年度 木村 恵子 人文学部教授 歴史的アプローチによる日本型算数授業知の研究 2015-2017年度 大澤 真也 人文学部教授 日本語・英語教育教員のニーズに応える持続可能なeラーニング教材の開発 2015-2017年度 矢野 達雄 法学部教授 日本近代法史像の再検討―ゆらぎから再構築へ 2016-2018年度 竹井 光子 法学部教授 国際共修カリキュラムのための「共通語としての日本語・英語」使用実態・意識の調査 2015-2018年度 岡村 和明 経済科学部教授 家計の労働供給を考慮した最適な税制設計のマイクロ・シミュレーション分析 2016-2019年度 みならずネットニュースなどでも報道され、さらに政策立案者や省庁関係者などで 羅 星仁 人間環境学部教授 クリーン開発メカニズムの経験に基づく国際協力による温暖化対策の環境経済影響評価 2015-2017年度 も、この調査結果は、関心をもって受け止められました。 緒方 知徳 人間環境学部准教授 絶食下での運動が骨格筋応答に与える影響 2015-2017年度 山田 健吾 法務研究科教授 環境秩序制御主体に相応しい適正手続と救済の法理の構築 2015-2017年度 西森 章子 客員研究員 発想支援を基盤としたアーギュメント生成カリキュラムの開発 2016-2018年度 川村 邦男 人間環境学部教授 3塩基ユニット複製に基づくダーウィン進化するRNA生命モデルの構築 2015-2016年度 金原 達夫 商学部教授 環境経営の国際移転と海外現地サプライヤーへの波及効果に関する研究 2016-2017年度 川村 邦男 人間環境学部教授 冥王代極限環境下での化学進化から原始生命に至るシミュレーション実験研究 2015-2016年度 菅尾 尚代 人文学部教授 ボールつきの指標の開発―評価・分析の枠組みの設計― 2014-2016年度 地球生命の起源は、自然科学の最も大きな未解決の課題として現在も残されています。1953年に 大隅 尚広 人文学部助教 サイコパシーの表情認識における自己中心性バイアスの検討 2016-2017年度 ミラーとユーリーは、原始地球大気を模擬したガスをフラスコに入れ、そこに雷を模倣して放電する 山尾 涼 人文学部助教 ポストヒューマニズム的な萌芽の解明ーフランツ・カフカを中心に 2016-2018年度 伊永 大輔 法務研究科教授 課徴金制度の現代的課題に関する比較法的視座に基づく統合的研究 2014-2016年度 人文学部 教授 河口 和也 ンやゲイがカップルで生活する際に差別されないような施策をするところも現れました。こうした背 景のもと、研究の領域でも、レズビアン/ゲイ・スタディーズやクィア・スタディーズなどLGBTを対 象とする学問分野は新たな局面に入りました。 のサブチームを作り、それらの研究上の有機的な関連を目指してきました。 この研究での最大の研究活動は、性的マイノリティが置かれている状況を数量的なデータをとおして実証的に把握・理解す る必要性から、学術的な方法を用いての性的マイノリティに関する社会意識のデータ収集です。そのために、全国規模の質問 票調査を行い、1259名からの回答(回収率48.4%)を得ました。この調査では、社 会経済的属性(教育程度、年齢、収入、職業、職種、雇用形態、社会階層、居住地 域、その他の人口学的属性など)による違いに注目し、性的マイノリティに対する社 会意識が、どのように社会経済的な要因から構造化されているのかを分析・把握す ることができるようになりました。 2015年11月末に、調査結果報告会を東京で行い、新聞・テレビなどのメディアの 2015 ー 2016年度 二国間交流事業共同研究(日本学術振興会) 熱水 環 境などの原 始地球極限環 境に 抗し得たRNA分子の構造機能解析 人間環境学部 教授 川村 邦男 とアミノ酸が生成することを発見しました。これが生物の材料が原始地球上で生成し得たことを示す 最初の研究です。その 後、20世紀 後半の 分 子 生物学の発展により、最初の 生命体はリボ 核酸 (RNA)を中心に構成されていたとするRNAワールド仮説が発表され大きく展開しました。最近では、 深海・地底・宇宙での生物探査が推進され、生命起源を探る研究はようやく自然科学の分野として認知されるようになりました。 ●2016年度 受託研究等外部基金一覧 外部資金提供者 東京大学 研究代表者 研究課題等 西田 友是 経済科学部 教授 東京大学寄附金 一般財団法人青葉工学振興会 川村 邦男 人間環境学部 教授 高エネルギー物質を利用する人工進化システムの開発 二国間交流事業共同研究 (日本学術振興会) 川村 邦男 人間環境学部 教授 熱水環境などの原始地球極限環境に抗し得たRNA分子の構造機能解析 本年度から、パリ第6大学のMarie-Christine Maurel教授との課題が採択され共同研究を実施しています。本研究の目的 は、私の持つ熱水フローリアクター技術とMaurel教授の分子生物学的手法を融合し、RNAの熱水・高圧・宇宙などの極限環 境下に出現した原始RNAの構造と機能を明らかにすることです。9月には私を含む 日本側研究者4名がパリ第6大学に行き実験技術の習得、研究者との交流と講演を 行いました。フランスからは10月末にMaurel教授と大学院生のCecile Anneさん が来日し、私の研究室でRNAの素材を作る実験を行い、日本の研究者と交流を深 めました。1月末には私のリアクターをフランスに送りCecileさんがフランスで実験 を進めています。Maurel教授とは2008年の国際会議をきっかけとして研究協力を 進めてきましたが、本共同研究によって大きな成果が実ることを期待しています。 5 6 研 究 調査研究費 学部 の研究領域・テーマに沿った研究に研究費を助成しています。 研究代表者 市川 薫 人文学部 教授 石塚 浩之 人文学部 准教授 中根 光敏 人文学部 教授 先端学術研究 田中 慶子 人文学部 助教 緒方 知徳 人間環境学部 准教授 研究課題 地域に貢献する英語プロフェッショナル人材の育成に向けて 同時通訳記録の大規模コーパス作成に向けた試作とデータ検証 流行による文化変容に関する社会学的研究 ―サードウェーブ・コーヒーブームと生産国インドネシアの コーヒー文化を事例として― 女性接客販売員の「感情労働問題」に関する社会学的研究 ―アパレル、カフェ、イベントコンパニオンなどを中心的事例 として 絶食下での運動が骨格筋応答に与える影響 商 学 部 研究期間 2014 2016 2016 人 文 学 部 地域に貢献する英語プロフェッショナル 人材育成に向けて 本研究の目的は英語プロフェッショナル人材 の育成を行うために必要なことを調査し、最 終的には広島修道大学の英語教育改善に寄与 市川 薫 するカリキュラムや教材の開発を行うことです。 ここで言う人材とは、中・高等学校英語教員、 Andrea. Cilloni Bring Active Learning into tne Accounting Classroom : Italian C 髙籔(國島) 学 カオスの役立て方 (パルマ大学 教授) (東京学芸大学 社会科学講座 教授) 法 学 部 ase 英語と将来のつなげ方∼落ちこぼれ大学生が放送通訳者になった∼ (神田外国語大学 外国語学部英米学科 専任講師) 前川 直哉 神戸から福島へ:学びのネットワークという挑戦 高井 一匡・井石 真由 司法領域における行動科学の実践−家庭裁判所調査官の職務− 林 真貴子 歴史から見た日本の弁護士 (一般社団法人ふくしま学びのネットワーク 理事 事務局長) (近畿大学 法学部 教授) 変化するアジアの農村と人びとの暮らし −カンボジアの小規模農家と国際協力NGOの取り組み− 山崎 勝 (日本国際ボランティアセンター カンボジア事業担当) 二宮 周平 選択的夫婦別姓制度と人格権の尊重∼最高裁判決を素材に 松井 充 クラウド&IoT時代の暗号技術 (立命館大学法学研究科 教授) 経 済 科 学 部 (三菱電機株式会社 情報技術総合研究所技師長 松井暗号プロジェクト統括) 人 間 環 境 学 部 (立命館アジア太平洋大学 非常勤講師) 木㔟 俊光 我が国財政の現状と課題 (財務省中国財務局総務部長) 五反田 義治 ゲームエンジンから見るゲーム開発企業の経営戦略 樫尾 正一 環境・資源・管理:人類が生き延びるために考え行動すべきこと 村山 隆平 資源開発と日本経済 大山 俊一 ゴミと糞が生みだした人類の食料革命 (株式会社トライエース 代表取締役) (石油資源開発株式会社 執行役員 ビジネス・ソリューション室長) (京都大学大学院アジア ・ アフリカ地域研究研究科 准教授) 研究成果の刊行 商学部 人文学部 広 島 修 道 大 学 論 集 法学部 広 島 修 ︵大 年 2 論 回集 修 道 商 ︵学 年 2 回 刊 行 ︶ 経済科学部 修 道 法 ︵学 年 2 回 刊 行 ︶ 刊 行 ︶ 人間環境学部 経 済 科 ︵学 年 2 研 回究 人 間 環 ︵境 年 1 学 回研 刊究 行 ︶ 刊 行 ︶ 通訳・翻訳家、そしてその他ビジネスの現場 で活躍できる人材を想定しています。本研究 は3年 計 画 で 行 っていますが、1年目であ る 2014年度は、主に学外で開催される学会や研究会に参加して情報収集を 行いました。また関西大学、北海学園大学、神田外語大学から講師をお 招きし、それぞれの私立大学で行っている試みを紹介してもらった上で、意見交換を行いました。そして2年目である2015年度は、 英語教員を志望する学生を対象とした英語力調査を開始しました。また教材開発を行うことを視野に入れて、今まで英語英文学科学 生が英語で執筆した卒業研究論文を電子データベース化する作業に取り掛かっています。このデータベースに基づいて、どのような語 彙や用法が使われているかを明らかにする予定です。 最終年度である2016年度は、本学英語英文学科学生を対象とした大規模な調査を行う予定です。具体的には、学生の英語力に留 まらず英語学習経験や英語に対するニーズなどを明らかにし、2017年度にスタートする新カリキュラムに活かしていきたいと考えてい ます。また英語教育改善につながるeラーニングシステムの開発も行う予定です。このような研究と実践の循環を常に意識して今後も 積極的に研究を進めていきたいと思います。 7 演題 (広島家庭裁判所) 2016 2016 (講師の所属・役職等は学術講演会開催時のものです) 講師名 柴原 智幸 2014 ー 2016年度 調査研究費 重点領域 人文学部 教授 しています。2016年度も開催予定です。 ●2015年度 学術講演会実績 大学の建学の理念に沿った研究、教育開発に関する研究、その他 ●2016年度 調査研究費一覧 重点領域研究 学生のための学術講演会ですが、一部は一般にも公開 学術講演会 広島修道大学 研究叢書第 148 号 2 0 1 5 年 6 月 26 日 刊 行 出版助成 2 0 1 3 年 9 月 20 日 刊 行 出版助成 広 島 修 学道 術大 選学 書 第 62 号 2 0 1 3 年 9 月 20 日 刊 行 出版助成 広 島 修 学道 術大 選学 書 第 63 号 2 0 1 3 年 9 月 20 日 刊 行 出版助成 広 島 修 学道 術大 選学 書 第 64 号 2 0 1 3 年 9 月 20 日 刊 行 広 島 修 道 大 学 論集は本学ホームページから閲覧できます。http://www.shudo-u.ac.jp/kouryuu/8a21710000000msx.html ■教員データベース 本学教員の教育・研究や学会活動等をインターネット上で簡 単に検索可能な形にして提供しています。 https://shu-lab.shudo-u.ac.jp/search/index.html ■リポジトリ 本学における教育、研究活動等の学術的成果物を電子化した 資料学術電子資料を収集、蓄積、保存して、ネットワークを通じ て公開することを目的としてリポジトリを運営しています。 https://shudo-u.repo.nii.ac.jp/ 8 地域イノベーション 教 育 ひろしま未来協創プロジェクト (過疎地域のイノベーション)を受講して ●コース受講生の声 私は過疎地域で生まれ育ったので、この授業に興味を持ちました。 座学だけではわからなかったことや、インターネットだけでは調べき れなかった情報が、実際に地域に出てみることで見えてきました。ま 地域イノベーションコース た、人の話を聞く事の大切さを実感したので、今後も続けて地域と 関わっていきたいと思います。 地域イノベーションコースは、 「ひろしま未 来協創プロ 目を導入しています。地域課題に取り組む実践的なプログ ジェクト」 (文部科学省「地(知)の拠点大学による地方創 ラムによって、今、社会が求める専門性に裏打ちされた 生事業」)の一環として立ち上げられた教育プログラムで 商学部 商学科 小河 理沙さん 「問題解決力」や「発信力」を身につけます。 す。学部教育と並行して受講が可能で、修了を認定する 本コースは、全学プログラム(修道スタンダード科目と 形式のコースです。 コース共通科目)、学部別プログラムから必要な単位数を このコースでは、地域の持続的活性化に貢献できる「地 修得していくことで、最終的にコース修了が認定される仕 域イノベーション人材」の育成を目的とします。地域イノ 組みになっています。コース全体のイメージは、 「学びのイ ベーション人材とは、すなわち、①専門性を活かしなが メージ」や「学びのステップ」を参照してください。 なりたい自分 僕は、ポートランド・グローカル・イノベーションセミナー (海外研修)に参加することが目標なので、様々な経験を積ん ら、持続可能なコミュニティの発展に能動的に寄与できる でいるところです。講義の中では、地域で活躍しているゲス 人、②地域課題の発見を通じて、新たな価値の創造がで トスピーカーの方々と出会い刺激を受けました。自分も将来、 UP きる人、であり、地域にイノベーションを起こすことので きる人材です。 ! 地域を元気にする仕事に就きたいと考えるようになりました。 認 定 プ ロ グ ラム 人間環境学部 人間環境学科 学 部 別 プ ロ グ ラム 地 域イノベーションコースには、地 域課 題に気づく視 点、気づいた地 域課題を協働で解決しようとする態度、 沖尾 祥之さん 全 学 共 通 プ ロ グ ラム 地域課題への新しい価値を創出できる力等を養成する科 ●学びのステップ ●地域イノベーションコース 学びのイメージ レベル 学年 本コースでは、1年次から段階的に 基礎 発展 1年 2年 3年 知識やスキルを身に付けることで、専 修了所要単位 門性に裏打ちされた「問題解決力」や 4年 ポートランド・グローカル・ イノベーションセミナー 蓄積を生かし 主体的に地域・ ひとと協働する 「発信力」を高めることができます。 地域イノベーション論、地域コミュニケーション論 地域イノベーションとは何か、地域イノベーションのデザインについて学ぶ科目 ひろしま未来協創特講 地域イノベーションに必要なスキルや広島の地域課題を具体的に学ぶ科目 ひろしま未来協創プロジェクト、広島学 地域におけるPBL型授業(基礎)、各学部の提供する広島学 各学部主専攻科目(イノベーションに必要なスキルや地域課題) コース 共通科目 各学部の専門性が身につく専門科目(他学部学生は他学部聴講で履修) インターンシップなど 8単位 以上 地域イノベーションに関する就業体験 学部別プログラム 各学部主専攻科目(ゼミ、講義、PBL型授業など) 各学部における地域イノベーションに関わる専門科目 認定プログラム 9 地域の課題を 見つけ解決に 取り組む 6単位 以上 6単位 以上 イノベーション・プロジェクトⅠ・Ⅱ(サービスラーニング) 4単位 以上 地域課題の解決に具体的に取り組むプログラム 30単位 以上 地域で実践し 知識・スキルを 修得 修了認定 全学プログラム 修道 スタンダード イノベーション について 知る・学ぶ 1年 ●地域イノベーション論 ●地域コミュニケーション論 ●ひろしま未来協創特講 地 域 イノベーション コースに登録 2年 ●ひろしま未来協創プロジェ クト ●広島学、PBL型授業 ●学部別・全学プログラム 広島県内の地域で活動 地域を知る・地域で 学ぶ 「地域イノベー ション人材」となって 社会で生きる 3年 ●サービスラーニング ●学部別・全学プログラム ●PBL型授業 地域イノベーションコー スの修了認定 海外で学び広島で 活かす 4年 ●サービスラーニング ●学部別・全学プログラム 修了認定を活かした 就職活動 海外で学び広島で 活かす 目指す人材像 ①専門性を活かしながら、 持続可能なコミュニティ の発 展に能動的に寄与 できる人 ②地域課 題の発見を通じ て、新たな価 値の 創 造 ができる人 ○個人起業家 ○イノベーション公務員 ○イノベーション銀行員 ○イノベーション教員 ○イノベーション営業担当 ○イノベーション警察官 ○イノベーション会社員 など イノベーションの感性と実践 力はすべての業種で活かすこ とができます ちぃスタで 活動! 10 教 育 地域イノベーションコース科目例 地域イノベーション論 地域コミュニケーション論 課題発見やイノベーション、アイディアプラン ニングの演習を、初学者にも向く初歩的なプロ グラムで重ねながら、まだ見ぬものに立ち向か い、まだ見ぬ解決方法を編み出せる知恵の取得 を対話によって導きます。 コミュニケーション力とデザイン力に着目し て、地域イノベーションを実現できる立案力や バランス感覚を育みます。観察と情報整理をも とに、地域の人との会話や現地訪問で感じたこ とを発言やデザインにつなげていき、地域の未 来を構想します。 対話する力、気づく力、表現する力。 ひろしま未来協創プロジェクト (都心のコミュニケーション) 都心固有の地域課題・地域資源に着目し、そ れらの解決・価値化のための企画手法について 学習し、かつ、地域実習においては(広島市西 区西広島駅周辺を予定)、具体的なデザインや 企画実施を通して、課題発見・価値創造のため のデザイン力とコミュニケーション力を修得でき ます。 ひろしま未来協創プロジェクト (中山間地域のコミュニケーション) ひろしま未来協創プロジェクト (過疎地域のコミュニケーション) ひろしま未来協創プロジェクト (都心のイノベーション) 中山間地域固有の地域課題・地域資源に着目 し、それらの解決・価値化のための企画手法に ついて学習し、かつ、地域実習においては(廿 日市市玖島・浅原を予定)、具体的なデザイン や企画実施を通して、課題発見・価値創造のた めのデザイン力とコミュニケーション力を修得 できます。 具体的なデザインや企画実施を通して、課題 解決・価値創造のためのコミュニケーション力 を修得できます。地域実習を通して(北広島町 大朝を予定)過疎地域へ定着させ、イノベーショ ンをおこすための発信力を兼ね備えた具体的な デザインについての思考を深めていきます。 広島市西区西広島をフィールドとして、実際 に地 域に交わって、具体的な課 題を発見・特定 し、解決のためのプロジェクトを立案、実行も しくは提 案します。とりわけここでは、 「都 心」 においてどのように課 題を解決していくのか、 経験を得ます。 ひろしま未来協創プロジェクト (中山間地域のイノベーション) ひろしま未来協創プロジェクト (過疎地域のイノベーション) ひろしま未来協創特講 (ファシリテーション入門) 廿日市 市佐伯・吉和地区をフィールドとして、 実際に地域に交わって、具体的な課題を発見・ 特定し、解決のためのプロジェクトを立案、実 行もしくは提案します。とりわけここでは、 「中 山間地域」においてどのように課題を解決してい くのか、経験を得ます。 北広島町をフィールドとして、実際に地域に交 わって、具体的な課題を発見・特定し、解決のた めのプロジェクトを立案、実行もしくは提案しま す。とりわけここでは、 「過疎 地域」においてど のように課題を解決していくのか、の経験を得 ます。 「ファシリテーション」について、その概念を 学び、初学者に役立つ入門スキルを習得します。 難しい知識抜きで、楽しいワークショップの中 で、体験的に体得します。 地域イノベーションコースが設置2年目となった 2015年度、座学の授業はすべて複数年次生混合 の学びの場となりました。大学での学び方に一日 の長があるはずの2年生が、逆に、1年生の熱意に 地域イノベーション教育 担当契約教員 田坂 逸朗 出遅れ感を感じ、学習意欲を新たにする場面もあ り、混合の効果は、学習姿勢の点で、このコース によい成果をもたらしたようです。 「地域イノベーションコース」授業のキーワードは 「協創(Co-Creation)」。 「地域イノベーション論」 や「ひろしま未来協創特講」といった授業は、地域へ実習に出向いていく基礎 となる位置づけです。その実習型の授業が、PBL(Problem-Based Learning:問題基盤型学習)授業として2年生向けに新たに開 講された「ひろしま未来協創プロジェクト」です。 PBLは、具体的な課題に沿って、その個別の課題解決に向かっていく過程で、学習者個々人が自身の方法論を獲得するもの。座学 の系統的学習と一線を画すもので、複雑化した社会に対応する人材を育成する、 「地域イノベーションコース」の、いわば目玉をなす授 業です。それぞれの実習地へ出向き、地域のみなさんといっしょに、課題の発見と創造的解決に挑みます。 学生たちは授業を通して、対話する力、表現する力、そして多くの気づきを得ます。気づきの内容もさることながら、その気づく力 (発見する力)自体が、これからさまざまな、今ここにある課題およびまだ見ぬ課題に正面から向きあい、それをイノベーティブに解決 していく解決力に直結します。気づく力に加えて、表現する力、促す力、動かす力を得る地域イノベーターへ。地域と学生、大学の 可能性を拡げます。 ひろしま未来協創特講 (ワークショップ・スキル入門) ひろしま未来協創特講 (広島地域のテーマ発見) 地域イノベーションのためのワークショップに ついて、初学者がはじめてそれにふれ、その楽 しさを知るとともに、地域での開催を想定した 主催者スキルの習得を目指します。 ゲストをお呼びし、その実例の話題提供をも とに、語りあいを行います。特に、広島地域に はどんな課題があるのか、ゆっくりひもときま す。 「ほどく」から「つくる」へ 2015年度の特筆すべき講義は、PBL型授業であるひろしま未来協創プロジェクトです。ひろみらプロ ジェクトが提携する広島市、廿日市市、北広島町を対象に展開する講義で、実際に現地を訪問し活動する ひろしま未来協創特講 (過疎地域のテーマ発見) ひろしま未来協創特講 (地域コミュニケーションデザイン:ツール) ひろしま未来協創特講 (プロジェクトマネジメント入門) ゲストをお呼びし、その実例の話題提供をも とに、語りあいを行います。特に、過疎地域に はどんな課題があるのか、ゆっくりひもときま す。 地域コミュニケーションを実現するデザイン 力について、その一端を具体的に取り上げ、技 術 や思 想を育みます。デザイン要 素 の中から 「ツール」のデザインを取り上げ、講義をすすめ ます。 プロジェクトを行う際に、何をどのように考え、 管理すると、上手くいく可能性を高められるので し ょ う か。こ の 授 業 で は、PMBOK(Project Management Body of Knowledge)と 呼 ば れ るプロジェクトマネジメントの知識体系を基に、プ ロジェクト遂行において考えるべき主要なポイン トを、講義と演習を通じて学びます。 ことがプログラムのなかに組み込まれているのが特徴です。座学で学んできたことを全て生かして、地域 の人々とコミュニケーションを取っていく必要があります。地域課題の解決、また地域資源の発掘・発信を 地域イノベーション教育 担当契約教員 木原 一郎 する上で、現地での活動をどのように生かすか、その計画によって準備も成果も大きく変わってくるでしょ う。 この3地域は都心、中山間地域、過疎地域とそれぞれ全くことなる特性があり、それぞれの地域の物事 を進めるスピードの違いを肌で体験したのでは ないでしょうか。またどの地域でも「ほどく」 「つくる」を繰り返し、 「つな がる」までの過程を掴んでもらえたのではないかと思います。 11 ひろしま未来協創特講 (体験から学ぶ人間関係づくり) ひろしま未来協創特講 (発見・デザイン・中山間) ひろしま未来協創特講 (発見・デザイン・都心) 実際に簡単なグループワークを行い、そこで生 じた現象を元にして、良い人間関係を構築するた めには何が必要か、何に留意する必要があるの か、ということについて学習します。世間で「社 会人として備えておいて欲しい力」などとして耳に することがある「コミュニケーション能力」 「対人 スキル」 「協力・協調性」などについて学びます。 特定地域を取り上げ、実際に固有の問題・魅 力に対峙し、適切にデザインを提案することで、 技術や思想を育みます。 「中山間地域(廿日市市 玖 島・浅 原)」のエリア を 取り上 げ、デ ザイン ワークをすすめます。 特定地域を取り上げ、実際に固有の問題・利 点に対峙し、適切にデザインを提案することで、 技術や思想を育みます。 「都心(西広島駅 周辺・ 横川等)」のエリアを取り上げ、デザインワーク をすすめます。 学生たちは地域の方々とコミュニケーションをとる上で壁も感じ、そし て時には辛い思いをしたと思います。座学の知識を生かし、試行錯誤す るなかで、その壁を乗り越えた学生はもう心配いらないでしょう。次のス テップ、イノベーション・プロジェクト(サービスラーニング)でぜひ躍動 してほしいと思います。また、新2年生、新1年生の活躍も期待しています。 12 社 会 貢 献 ひろみらFES2015 地域つながるプロジェクト 地域志向の学びと研究の成果を一堂に 披露・交流・熟知する知の祭典「ひろみら 2010年度より広島修道大学は、社会連携活動の一環として「地域つ FES」を年に1度開催します。 ながるプロジェクト」を行っています。この事業は、学生が主体的に地 2015年 度 は、以 下 の3部 構 成 で 開 催 域社会の課題を見つけ、解決できるよう活動の企画・実施や調査・研 し、学生や教員が2015年度のプロジェク 究を行うプロジェクトとして始まりました。 トの成果を振り返り報告するとともに、地 2012年度からは、 「熟議」の手法と地域の方々から実際に直面してい 域の方々や学生、教職員の想いを次につな る課題を提示していただく方法を取り入れ、継続しています。 げ、ともに未来を考えました。 過去6年間で80以上の学生プロジェクトが、地域と連携して活動を行っ てきました。 このプロジェクトは「熟議」の手法と、本学が連携する地域から実際に直面している課題を提示していただく方法を取り入 れています。プロジェクトの開始後、関係者が一堂に会して「熟慮」と「議論」を重ねることによって、活動の方向性を明確 にすることができます。活動する地域での現地報告会なども行い、2月には全プロジェクトが集まって成果報告会を開催し、 多くの関係者を前にポスターセッションや、プレゼンテーションを行います。 第1部 地域つながるプロジェクト2015成果報告 地域つながるプロジェクトの学生が、プレゼンテーションとポスターセッションにより1年間の活動の成果を報告しまし た。プレゼンテーションにおいては審査員による審査の結果、最優秀賞と優秀賞、審査員特別賞を決定しました。 このプロジェクトを通して、学生の主体性や豊かな人間性を育成し、本学の建学理念である「地域社会の発展に貢献でき る人材の養成」を実現します。 第2部 ひろみらプロジェクト2015成果報告 ちぃスタ(西広島・廿日市 市・北広島町)における地 域活動や、派 生・波及した活動(もとまちカフェ・The Trunk 2015年度地域つながるプロジェクト一覧 Marker)、ひろみら研究領域の成果報告が行われました。 第3部 プロジェクト名 13 おお づ かん 代表教職員 ●育もう おおづか愛 つくろう 大図鑑 山川 肖美 ●己斐に来い来い「こい焼き」プロジェクト ∼地域と地域立地企業がつながる地域限定商品開発支援∼ 田坂 逸朗、木原 一郎 ●西広島のゾーニングを考える いこいの空間づくりプロジェクト 田坂 逸朗、木原 一郎 ●豊平どんぐり村ハッピープロジェクト ―きたひろ魅力再発見!!― 菅尾 尚代 ●「ニート」 「引きこもり」二つの視点から見えた自立支援の現状 広本 政幸 ●チャリンコで駆ける!安芸太田町!! 森河 亮、中寿賀 綾 ●インターナショナルハウスがある町―広瀬:多文化交流プロジェクト 竹井 光子 ●ゴミッション∼安佐南区から環境との調和を図れ!∼ 鈴木 正彦 ●うらぶらプロジェクト 脇谷 直子 ●わさまち通り商店街再生プロジェクト 三浦 浩之 ●ちぃスタ連携PRプロジェクト ―ひろみらサテライトマルシェブース― 木原 一郎、田坂 逸朗 ●ゆきへゆきたい 松川 太一 ●触れて☆浅原 松川 太一 トークセッション 3名のゲストに登壇いただき、テーマを「イノベーションを生む仕事」として、 「イノベーションを生む仕事とは」 「イノベー ションはどのようにして生まれ、地域や社会に何をもたらすのか」などについてトークセッションをしました。 地域つながるプロジェクト2015成果報告 表彰結果 最優秀賞 ●インターナショナルハウスがある町―広瀬:多文化交流プロジェクト 優秀賞 ●己斐に来い来い「こい焼き」プロジェクト ∼地域と地域立地企業がつながる地域限定商品開発支援∼ ●豊平どんぐり村ハッピープロジェクト―きたひろ魅力再発見!!― 審査員特別賞 ●「ニート」 「引きこもり」二つの視点から見えた自立支援の現状 ●チャリンコで駆ける!安芸太田町!! ●ゴミッション∼安佐南区から環境との調和を図れ!∼ 14 社 会 貢 献 キャンパス見学会(中学生向け) ちぃスタ(地域協創スタジオ) 地域の住民や団体、事業者や企業等の地域の多様な方と本学教職員・学生との 大学での体験を将来の進路選択に役立ててもらうことを目的に、キャリア教 連携・協働を促し、現地でのイノベーション(地域の資源を発掘し磨いて、新しい価 育の一環として、中学生対象のキャンパス見学会を開催しています。 2015年度来学中学校(順不同) 値を創出し発信すること)を生み出す活動や地域志向の教育・研究を推進する拠点 大学の概要説明、学生スタッフの案内による図書館など各施設をまわるキャン ・三次市立三良坂中学校 が、 「ちぃスタ(地域協創スタジオ) 」です。県内各地に設置する「ちぃスタ」を統括す パスツアー、食堂でのランチ、教員による模擬講義、学生との交流会などを体 ることにより、各「ちぃスタ」で得られた知見や体験の共有化を行います。 験する中で、来学した中学生に、大学での学びや生活について楽しく学んでい また、 「ちぃスタ」は、ひろみらシンクタンクで進める研究の成果を地域に発信し、 ただいています。 ・三次市立塩町中学校 ・三次市立吉舎中学校 ・三次市立八次中学校 ・三次市立三次中学校 さらに人財と研究成果を地域と協働で活用しながら、共に描いた未来を実現してい ・三次市立作木中学校 くという地域協働型ドゥタンクもめざしています。 ・安芸高田市立吉田中学校 ・安芸高田市立美土里中学校 ・安芸高田市立高宮中学校 ・広島市立井口台中学校 ・広島市立五月が丘中学校 ・竹原市立竹原中学校 修道オープンアカデミー ・大竹市立玖波中学校 ・庄原市立高野中学校 生涯を通じた学びに対応するため、 「修道オープンアカデミー」を開講しています。高校生以上の一般市民を対象とした 無料講座の「公開講座」と、社会人を対象とした教養系、語学系、資格系、ビジネス実務系の有料「エクステンション講 座」で構成されています。 2015年度は公開講座9講座、エクステンション講座27講座開講し、延べ2,075人の方が受講されました。 連携協定 公開講座 地域社会への貢献や産学官の連携を促進するため、地域の各機関等と協定を締結し、 交流・連携を推進しています。 日本政策金融公庫との協定 広島銀行との協定 ひろぎん経済研究所との協定 広島市信用組合及び 社団法人全国信用組合中央協会との協定 もみじ銀行との協定 広島商工会議所との協定 広島青年会議所との協定 中小企業大学校との協定 広島県中小企業家同友会との協定 広島経済同友会 広島市安佐南区役所との協定 広島市佐伯区役所との協定 廿日市商工会議所 廿日市市との協定 北広島町との協定 広島県及び 広島県産業廃棄物協会との協定 広島市立大学との協定 中国新聞情報文化センターとの協定 無料で提供しています。 エクステンション講座 教養系、語学系、ビジネス実務系、 資格系などの講座を有料で開講しています。 お申込み・お問い合わせ先 広島修道大学 ひろしま未来協創センター 〒731-3195 広島市安佐南区大塚東1-1-1 TEL(082)830-1114(直通) FAX (082)830-1932 E-mail gakukou@js.shudo-u.ac.jp 冊子やホームページでも詳しくご案内しております。ご興味の講座があ りましたら、ぜひともご参加ください。皆さまにも修道の門をくぐって いただき、 「修道オープンアカデミー」でお会いできることを楽しみにし NEW ています。 修道オープンアカデミー NEW http://www.shudo-u.ac.jp/kouryuu/8a2171000000scry.html 15 16 ボランティア 活動支援事業 文部科学省「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」 ひろしま未来協創センターに所属する「ピア・カウンター」が中心となり、ボランティア活動支援業務を行っています。 ピア・カウンターとは 学生の自主活動支援を行っている部署です。様々な自主活動を通して、学生の「社会で “生き抜く”ための基礎力」を養うことを目的としています。 社会で生きていくということは、人と出会い・人を知り・人と絆を結ぶことであり、その ために必要な力が「社会で“生き抜く”ための基礎力」です。この基礎力を「わかりあう力 伝えあう力 想像する力 前進する力 継続する力」と定義し、これらの力が養われるよう な活動の支援を行っています。 ピア・カウンターでは、ボランティアのことを「ボランピア」と呼び、学内・学外のボラン ティア活動や自主企画活動のことを「ピア活動」と呼んでいます。 2015年度は、学外から寄せられたボランティアの依頼が130件を超え、延べ200名以上 の学生が参加しました。また、自主企画活動の団体は現在5団体あり、それぞれの目標に向 かって活動を広げています。 ■ピアとは ピア・カウンターの「ピア」とは Peer(仲 間)のことです。仲間とは、縁あってこ の「修大の地」に集まったすべての学生 が、在 学 期 間に出 会う学 生、教 職 員、 地域の方々等すべての人たちを指します。 2015年度 広島修道 大学 東日本大 震 災復 興支援現 地ボランティア活動 本学は、2012年2月に「大学間連携災害ボランティアネットワーク」に加盟しまし た。2012年度より、同ネットワークが企画する夏季集中ボランティア活動プログラ ムに参加しています。2015年度は、東日本大震災の被災地へのよりきめ細やかな支 援ニーズに合わせて学生各自で復興支援プログラムに参加し、活動を行いました。 イノベーション・ブリッジによる ひろしま未来協創プロジェクト 広島修道大学は、地域社会の強い要請のもとに誕生した 択はわずか15件でした。その中で本学が選ばれたことは、 大学です。1952年に書かれた「修道大学設立期成同盟趣 広島の持続的な発展に向けての、本学に対する期待の大き 意書」には大学の設置によって「郷土社会の進展を助ける」 さだと受け止めています。このプロジェクトでは「現地で資 という期待が記されています。この設置の趣旨に基づき、 源を発掘し磨いて、新しい価値を創出して広く発信」するこ 本学は、 「道を修める」という建学の精神と、 『地域社会の発 とを「イノベーション」 、 「つながり」を「ブリッジ」と捉えてい 展に貢献する人材の養 成』 『地域社会と連携した人づくり』 ます。イノベーション・ブリッジにより、広島が持続可能な 『地域社会に開かれた大学づくり』を理念に掲げ、地域社会 魅力あるローカルであり続けるように、プロジェクトを推進し の発展に有為な人材を育成し、6万人を超える卒業生を輩出 ていきます。 してきました。 新しく設置した「ひろしま未来協創センター(ひろみらセ 2013年度より、文部科学省の地(知)の拠点整備事業(現 ンター)」を中 心 に「教 育」 「研 究」 「社 会 貢 献」の3領 域 で、 在は「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」として継 これまで以上に地域との連携・協働を進めています。そし 承)として本学が展開する「ひろしま未来協創プロジェクト(ひ て、これら3領域を好循環させながら“地域イノベーション ろみらプロジェクト) 」は、この設置理念を具現化するもので 人材”を輩出し、地域の活性化につながる持続的な仕組み す。全国の私立大学から文科省へは180件の申請があり、採 を創っていきます。 ボランティア講習会 ボランティア活動に関する知識と心構えを習得するための講習会を 2015年度に4回開催しました。 「ボランティア活動ってなんだろう?」 「ボラ ンティア活動ってどんな種類があるんだろう?」 「未経験だから不安…」な ど、活動への不安や疑問の解消を図り、活動に興味はあるけれどなかな 自主企画活動団体 か一歩を踏み出せない学生へのきっかけづくりとなりました。 ピア・カウンターでは、広島修道大学で発足した 5つの自主企画活動団体を支援しています。 (2012年6月発足) 『学習支援団体 Eフロンティア』 子どもたちの「学習機会の均等化」を目指し、 小学生への教育支援を行っている団体です。安 佐北区の小学生を対象に無料塾を開講し、自分 たちで考えたオリジナルの授業を行いながら学 習支援を行っています。 新入生学内総合案内所 新入生オリエンテーション・ガイダンスが 行われている期間中、新入生の戸惑いや不安 を軽減し、安心してガイダンスを受けられる よう“学内総合案内所”を設置しています。 2015年度は11人の学生が、新入生サポー トスタッフとして活動を行いました。 「ひろみらプロジェクト」 http://www.hiromira.jp/ ひろみら 検索 (2013年9月発足) 『カンボジア支援団体 Tveachol』 広島からできるカンボジア支援、情報発信を 行っている団体です。年2回のスタディーツアー ひろみらプロジェクトにおける連 携自治 体 を行い、現地へ足を運びながら活動をする学生 も多いですが、「広島からできるカンボジア支 援」に重きを置き、学内写真展、カンボジア雑貨 の販売などを行っています。 17 広島県 広島市 廿日市市 北広島町 18
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