平成 26 年度 事業報告書 (平成 26 年 4 月 1 日~平成 27 年 3 月 31 日) 1. 公益目的事業 1 1-1 オペラ公演 1-1-1 オペラ自主公演 ・東京二期会オペラ劇場〈二期会名作オペラ祭〉 ジャコモ・プッチーニ作曲『蝶々夫人』オペラ全 3 幕 字幕付イタリア語上演 平成 26 年 4 月 23 日、24 日、26 日、27 日 指 揮:ダニエーレ・ルスティオーニ 演 出:栗山昌良 合 唱:二期会合唱団 東京文化会館大ホール(4 回) 管弦楽:東京都交響楽団 公演監督:高 丈二 主 催:公益財団法人東京二期会 助 成:トップレベルの舞台芸術創造事業、公益財団法人三菱 UFJ 信託芸術文化財団 協 賛:みずほ証券株式会社、株式会社東北新社、株式会社キンカン 入場者数:6,811 名(入場率 73.9%) チケット販売枚数:5,443 枚 弊財団として四度目の上演となるこのプロダクションは、演出家自らが稽古に立ち合い、細部に わたって演技指導が行われ、単なるレパートリー演目の再演以上の公演となった。最高価格一万 円という設定も手伝って、「栗山蝶々さん」の真髄を多くの聴衆に提供することが可能となり、聴 衆拡大の点でも意義のあった公演と位置付けられる。音楽面では、初来日となったダニエーレ・ ルスティオーニが、オーケストラとの相性の良さを見せ、充実した演奏を行った。この「二期会 名作オペラ祭」はシリーズ化の予定であり、その第一弾としては大きな成果があったことは間違 いない。 ・東京二期会オペラ劇場/アン・デア・ウィーン劇場との共同制作 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲『イドメネオ』 オペラ全 3 幕 字幕付イタリア語上演 平成 26 年 9 月 12 日、13 日、14 日、15 日 指 揮:準・メルクル 演 出:ダミアーノ・ミキエレット 合 唱:二期会合唱団 新国立劇場オペラパレス(4 回) 管弦楽:東京交響楽団 公演監督:曽我榮子 主 催:公益財団法人東京二期会 助 成:トップレベルの舞台芸術創造事業、公益財団法人ローム ミュージック ファンデーション 公益財団法人花王芸術・科学財団、公益財団法人朝日新聞文化財団 協 賛:株式会社安達・グリーンワールド、みずほ証券株式会社 協 力:公益財団法人新国立劇場運営財団 後 援:オーストリア大使館 入場者数:4,933 名(入場率 68.6%) チケット販売枚数:3,363 枚 マイナーでありながらも重要な作品の上演、世界で最も刺激的な劇場のひとつであるアン・デア・ ウィーン劇場との国内初の共同制作、という二つの大きな要素によって、当公演は今後の布石と も呼べるものである。公演内容としても、音楽面での高い評価や、演出家の来日によって実現し た、初演よりもさらに深化した内容での演出等、非常に優れた水準でのプロダクションとなった。 また、メディアを利用した形での聴衆へのアプローチという新たな形により、若い聴衆から大き な反響があったことも、成果の一つであった。 ・ 東京二期会オペラ劇場 エメリッヒ・カールマン作曲『チャールダーシュの女王』オペレッタ全 3 幕 日本語訳詞上演 平成 26 年 11 月 22 日、23 日、24 日、26 日 指 揮:三ツ橋敬子 演 出:田尾下哲 日生劇場(4 回) 日本語訳詞:池田直樹 合 唱:二期会合唱団 管弦楽:東京交響楽団 公演監督:加賀清孝 主 催:公益財団法人東京二期会 共 催:日生劇場[公益財団法人ニッセイ文化振興財団] 、 助 成:トップレベルの舞台芸術創造事業、公益財団法人五島記念文化財団 協 賛:株式会社安達・グリーンワールド、株式会社レリアン、東海東京証券株式会社 後 援:ハンガリー大使館 入場者数、:4,245 名(入場率 78.8%) チケット販売枚数:2,797 枚 日本語訳詞によるオペレッタという最大の特徴が活かされ、「オペレッタの二期会」の面目躍如た る公演として高い評価を得た。当公演では、演出家自らが様々な資料にあたって台本を書き下ろ したことで、演出意図をより明確に舞台化でき、出演者の明確な日本語も相まって、日本語によ るオペレッタの新しい形を提示できた。日生劇場でのオペレッタは来年度も予定されており、さ らなる充実が期待されるところである。 ・ 東京二期会オペラ劇場〈パルマ王立歌劇場との提携公演〉 ジュゼッペ・ヴェルディ作曲『リゴレット』オペラ全 3 幕 字幕付イタリア語上演 平成 27 年 2 月 19 日、20 日、21 日、22 日 東京文化会館大ホール(4 回) 指 揮:アンドレア・バッティストーニ 演 出:ピエール・ルイジ・サマリターニ/エリザベッタ・ブルーサ 合 唱:二期会合唱団 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 公演監督:直野資 主 催:公益財団法人東京二期会、公益社団法人日本演奏連盟 助 成:トップレベルの舞台芸術創造事業、2015 都民芸術フェスティバル参加 協 賛:みずほ証券株式会社、アルロン・ジャパン株式会社、株式会社レナウン、 株式会社安達・グリーンワールド、株式会社東北新社 後 援:イタリア大使館 入場者数:7,477 名(入場率 81.2%) チケット販売枚数:5,492 枚 ヴェルディ演奏で評価の高いアンドレア・バッティストーニの招聘、イタリアの至宝とも評され るパルマ王立歌劇場伝統の舞台での上演という二点により、当公演の芸術的な側面は非常に高く 評価された。このことは、二度目となるパルマ王立歌劇場との提携によるところも大きく、主要 歌劇等との密な関係の重要性を実感したものとなった。また、出演した若手から中堅のキャスト にとっても、この舞台に出演したことは内的な財産となり、今後のマイルストーンとなったと言 っても過言ではないであろう。 1-1-2 オペラ共催公演 ・共催公演 大分県立美術館開館記念 大分オペラフェスティバル〈二期会オペラ〉 パルマ王立歌劇場との提携公演 ジュゼッペ・ヴェルディ作曲『リゴレット』オペラ全 3 幕 字幕付イタリア語上演 平成 27 年 2 月 25 日 iichiko 総合文化センターiichiko グランシアタ(1 回) 指 揮:アンドレア・バッティストーニ 演 出:ピエール・ルイジ・サマリターニ/エリザベッタ・ブルーサ 合 唱:二期会合唱団 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 公演監督:直野資 主 催:文化庁、公益財団法人東京二期会 共 催:公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団 助 成:平成 26 年度戦略的芸術文化創造推進事業 入場者数:701 名(入場率 39%) 当公演において、観客からのスタンディング・オベーションを受けたことは公演の大きな成功を 意味するものと言え、オペラの持つ魅力を県民に伝えるという点は、高い芸術的水準で達成でき たことは間違いない。新しい助成による首都圏以外での公演は、在京団体である弊財団にとって 最良の機会と言うことはできる。しかしながら、基盤のない新たな公演地においては集客に労す ることも多く、この解決策が今後この助成による公演での課題として挙げられる。 ・共同制作公演 ジュゼッペ・ヴェルディ作曲『オテロ』オペラ全 4 幕 字幕付イタリア語上演 平成 27 年 3 月 7 日、8 日 びわ湖ホール大ホール(2 回) 平成 27 年 3 月 14 日 iichiko 総合文化センター(1 回) 平成 27 年 3 月 21 日、22 日 神奈川県民ホール大ホール(2 回) 指 揮:沼尻竜典 演 出:粟國淳 管弦楽:京都市交響楽団(滋賀・大分公演)、神奈川フィルハーモニー管弦楽団(神奈川公演) 主 催:公益財団法人東京二期会、公益財団法人びわ湖ホール、 公益財団法人神奈川芸術文化財団、公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団、 公益財団法人神奈川フィルハーモニー管弦楽団、公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団 助 成:平成 26 年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業 入場者数:びわ湖 2,524 名(73.7%)、 iichiko 802 名(44.6%)、 神奈川 2,767 名(61.7%) 単独ではなし得ない、共同制作ならではの、グランド・オペラにふさわしい上演となった。前年度ま でと大きく異なったのは、iichiko 総合文化センターが加わり、公演回数が増加したことである。この ことにより、出演機会増加、それに伴う芸術的水準の向上というように、非常にプラスとなった面が見 られたのは大きな成果である。 1-2 演奏会 1-2-1 演奏会自主公演 ・二期会サロンコンサート(5 回) 平成 26 年 7 月 3 日、8 月 26 日、10 月 23 日、12 月 11 日、平成 27 年 2 月 5 日 カワイ表参道コンサートサロンパウゼ 入場者数:合計 559 名(平均入場率 86.0%) チケット販売枚数:合計 577 枚 ・第 9 回二期会研究会ハーフ駅伝コンサート in 浅草(1 回) 平成 26 年 7 月 26 日 台東区立浅草公会堂 入場者数:404 名(入場率 37.3%・1F 席のみの販売) ・二期会新進声楽家の夕べ(1 回) 平成 26 年 9 月 5 日 渋谷区文化総合センターホール大和田さくらホール 入場者数:352 名(入場率 48.3%) チケット販売枚数:547 枚 ・二期会クリスタルコンサート(1 回) 平成 26 年 11 月 14 日 すみだトリフォニーホール小ホール 入場者数:111 名(入場率 44.0%) チケット販売枚数:154 枚 1-2-2 文化庁受託公演 ・平成 26 年度文化芸術による子供の育成事業(巡回公演事業) 京都、北陸地方を中心とした小・中学校(13 校)でワークショップと合唱公演を行った。 11 月 4日 新潟県 三条市立上林小学校 11 月 5日 新潟県 上越市立板倉中学校 11 月 6日 富山県 入善町立入善中学校 11 月 7日 富山県 富山市立草島小学校 11 月 10 日 富山県 富山市立古沢小学校 11 月 11 日 福井県 坂井市立丸岡中学校 11 月 12 日 福井県 大野市富田小学校 11 月 13 日 福井県 池田町池田中学校 11 月 14 日 福井県 美浜町立美浜南小学校 11 月 17 日 京都府 舞鶴市立三笠小学校 11 月 18 日 京都府 南丹市立園部小学校 11 月 19 日 京都市 京都市立大宅小学校 11 月 20 日 京都市 京都市立醍醐小学校 ・次代の文化を創造する新進芸術家育成事業(特色ある文化芸術活動支援) 社会包摂型若手オペラ等人材育成事業「歌によるソーシャル・インクルージョン・イン・福島」 新たなソーシャル・インクルージョン活動として、若手オペラ歌手と福島県内のアマチュア合唱 団および児童合唱団とともに、ワークショップと合同コンサートを行った。 “東京二期会×藤原歌劇団 平成 27 年 3 月 10 日 夢の共演コンサート”(1 回・入場者数 420 名) 鹿島生涯学習センターさくらホール 1-3 オペラ講座の開催 新々ブルーアイランド音楽事典「リゴレットは可哀想~オペラにおける人権~」 (1 回) 青島広志氏を講師に迎え、オペラの魅力を説く。 平成 26 年 10 月 6 日 渋谷区文化総合センター大和田さくらホール 入場者数:281 名(入場率 38%) チケット販売枚数:214 枚 1-4 二期会通信の発行 「二期会通信」を年 4 回(6 月 1 日、9 月 1 日、12 月 1 日、3 月 1 日)発行した。 1 号 20,000 部×年 4 回 合計 80,000 部発行 1-5 事業資金確保のための寄付金活動 民間からの寄付金として、法人賛助会、個人賛助会、特別寄付金を募った。 ・法人賛助会 49 会員 ・個人賛助会 133 会員 ・特別寄付金 29 名、1 法人 2. 公益目的事業 2 2-1 オペラ歌手の養成 2-1-1 二期会オペラ研修所 予 科: 本 科: 在籍修了者数 62 名 基礎音楽表現、演技表現の修得を目的とした。 同 74 名 より高度な音楽表現、演技表現の修得を目的とした。 マスタークラス:同 40 名 オペラ舞台上の総合表現力の修得を目的とした。 2 -1-2 演奏会 第 91 回二期会オペラ研修所コンサート 平成 26 年 12 月 10 日(1 回) 北とぴあさくらホール 共催:公益財団法人北区文化振興財団、東京都北区 入場者数:866 名(入場率 66.6%) チケット販売枚数:460 予科、本科、マスタークラス在籍生の中から、成績優秀者(20 名)が選ばれ成果を披露した。 今年度は、北区区民 336 名を招待した。 2-1-3 インターン制度 オペラ企画委員会の管轄下で、オペラ歌手の養成を行う。自主公演の演目から若干名をアンダー スタディに採用し、オペラ歌手の実践教育を行った。研修期間は 1 年間。 研修演目:『イドメネオ』吉田連(イドメネオ) 、西谷衣代(イリア)、城佑里(エレットラ) 『チャールダーシュの女王』小松崎綾(シルヴァ)、福山絵里(シュタージ) 『リゴレット』杉浦隆大(リゴレット)、宇佐美悠里(ジルダ) 2-1-4 表彰 ・川崎靜子賞:第 58 期マスタークラス ・渡邊高之助賞:第 59 期本科 西尾友香理 牧野元美 3. 収益事業等 3-1 共益事業 3-1-1 会員・研究会・リサイタル公演( 17 件 ) 平成 26 年 4 月 13 日 山本香代・手嶋眞佐子リサイタル 津田ホール 4 月 29 日 前中榮子ソプラノリサイタル 津田ホール 6 月 12 日 二期会日本歌曲研究会 渋谷区文化総合センター大和田伝承ホール 7 月 22 日 佐竹由美ソプラノリサイタル 津田ホール 9 月 28 日 宮本益光バリトンリサイタル Hakuju Hall 10 月 5 日 岩渕嘉瑩テノールリサイタル Hakuju Hall 10 月 25 日 前澤悦子ソプラノリサイタル 王子ホール 10 月 29 日 日野妙果メゾソプラノリサイタル 津田ホール 11 月 1 日 岸本力バスリサイタル 銀座ヤマハホール 11 月 17 日 中屋早紀子リサイタル 津田ホール 11 月 24 日 武田千宜ソプラノリサイタル サントリーホールブルーローズ 11 月 30 日 二期会バッハバロック研究会演奏会 JT アートホールアフィニス 12 月 9 日 桐生郁子・田中和美・芳賀美穂ジョイントリサイタル 銀座ヤマハホール 平成 27 年 1 月 14 日 瀬山詠子リサイタル(三善晃追悼演奏会) 東京文化会館小ホール 1 月 25 日 石上朋美 今井俊輔 リサイタル 王子ホール 3月5日 松岡万希ソプラノリサイタル 東京文化会館小ホール 3 月 29 日 原田勇雅バリトンリサイタル Hakuju Hall 3-1-2 演奏会請負事業(全 5 回) ・第 5 回「万引き追放 SUMMER キャンペーン」(1 回) 万引き防止音楽劇 7 月 23 日 日比谷公会堂 主催:東京万引き防止官民合同会議(警視庁) ・音楽劇「万引きをしない、させない、見逃さない」(4 回) 9 月 30 日 12 月 19 日 江東区立枝川小学校 / 10 月 30 日 江東区立東雲小学校 / 江東区立川南小学校 / 平成 27 年 1 月 29 日 江東区立第五砂町小学校 主催:東京都青少年・治安対策本部 3-1-3 二期会会報の発行 ・「二期会会報」を年 4 回(6 月 1 日、9 月 1 日、12 月 1 日、3 月 1 日)発行した。 合計 11,600 部 ・「二期会名簿」を隔年(8 月)で発行した。 計 2,850 部 3-1-4 二期会会員異動状況 ・平成 25 年 3 月 31 日現在 二期会 正会員 2,091 名/準会員 519 名 計 2,610 名 ・平成 26 年 3 月 31 日現在 二期会 正会員 2,144 名/準会員 498 名 計 2,642 名 ・平成 27 年 3 月 31 日現在 二期会 正会員 2,176 名/準会員 474 名 計 2,650 名 ( 増減 +32 名/ -24 名 計 +8 名) 4. 法人概要 4-1 理事会 ・平成 26 年 6 月 5 日 平成 25 年度事業報告及び附属明細書の承認 可決 平成 25 年度貸借対照表及び正味財産増減計算書及び ・平成 26 年 6 月 23 日 ・平成 26 年 10 月 15 日 附属明細書並びに財産目録の承認 可決 定時評議員会の日時及び、場所並びに目的である事項等 可決 理事長(代表理事)及び常務理事の選任 可決 顧問の選任 可決 オペラ企画委員及び委員長の選任の件 可決 評議員会の日時及び場所並びに目的である事項等 可決 (目的である事項:新理事の選任) ・平成 26 年 11 月 7 日 ・平成 27 年 3 月 17 日 運営方針について 説明 財政状況について 説明 “二期会コミッティ”発足の提案について 説明 オペラ公演参観日について 説明 平成 27 年度事業計画書の承認 可決 平成 27 年度正味財産増減予算書及び資金調達並びに 設備投資の見込みについての承認 可決 二期会オペラ研修所企画委員会規定改定案の承認 可決 上級会員組織について 可決 財務基盤の強化について 説明 平成 25 年度事業報告及び附属明細書の承認 可決 4-2 評議員会 ・平成 26 年 6 月 23 日 平成 25 年度貸借対照表及び正味財産増減計算書及び ・平成 26 年 10 月 28 日 附属明細書並びに財産目録の承認 可決 理事、監事の選出 可決 理事の補充の選任 可決
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