FromEditor - 認定中古車.com

FromEditor
FromEditor
INTERVIEW
メルセデス・ベンツ正規ディーラーの注目セールスマンに本誌編集長がインタビュー
INTERVIEW
Part 1
ブランドの価値と品質にこだわるサーティファイドカーのスペシャリスト
メルセデス・ベンツあざみ野の広大な敷地は、新車ショウルーム
(右上)/サーティファイドカー展示場(左下)/工場(右下)
がほぼ等分
に分けられている。中古車が隅に追いやられていないことが同店の考え方を表しているわけだ。屋根付きのストックヤードに50台以上の
サーティファイドカーを展示する店舗は珍しい。品質の高さには定評がある。
Part 2
女性だけの営業チームを牽引する凄腕のセールスウーマン
ルセデス中古車における最新の流通状
います。自分を頼りにしてくださるお客様
況や相場の動向を知りたいとき、まず峯
が増えれば増えるほど楽しくなる、そして
岸所長の話を訊いてみることにしている。
実績が楽しさと直結するのが営業とい
そう、彼は常にモデルや年式ごとの市場
う仕事なのではないでしょうか」
動向を詳細にわたり把握しているのであ
さて、メルセデスを販売するプロフェッ
る。モデルレンジが拡大を続けるメルセ
ショナルとしての基本姿勢を訊いてみよう。
デスは、中古車のマーケットがかなり複
「メルセデスは伝統的に高級車として
雑になってきているのだが、彼はマイナ
認知されていますが、ラインナップには
ーチェンジの変更点/年式による装備
スマートやAクラスといったお手ごろ価
や部品の違い/オプションの設定など
格のクルマもあります。でも、私たちはS
はもちろんのこと、各モデルの相場状況
クラスとスマート、また新車と中古車の
や人気なども資料を見ないでスラスラ出
お客様を区別することは決してありませ
てくる。その知識は本当にすごい。
ん。すべてのお客様にプレミアム・ブラ
「系列店を含めるとグループ内にはい
ンドに相応しい応対をいたします。メル
つも200台前後の中古車があるんですよ。
セデスのクオリティには、製品だけでは
そのストック・リストを作成して、毎日更新
するのも私の仕事なんです。だから、価
総面積約1700㎡を誇る広大なショウルームは、さすが“メルセデス・ベンツ センター”と呼ばれるだけあって様々な演出が施されている。
(写
真・下段)2階には主力モデルの新車を始め170Hカブリオレ・リムージンやタイプ600などのクラシック・メルセデスも鎮座していた。また、
別棟となる三本杉ショウルーム、サーティファイドカー
(認定中古車)展示場、そして数十メートル離れた所に自社工場も有する。
格変動とか売れ筋の動きがデイリーでわ
ているのです。お客様はそれを期待して
選んでいらっしゃるのですから、そこには
輸入車のメガ・ディーラーは通常クルマの流れ
新車のご相談もしていただけるようになるものです」 かるわけです。点が線になり流れが見えてきます。
ヤナセ東京支店 世田谷営業所として開設され
「そうですね。男性なら誰もが知っているメカ
が絶えることのない大きな街道沿いにある。特に
ところで、景気が冷え込んでいくなかにあって、 私はメルセデスの、そして中古車のスペシャリスト。
たのは、東京オリンピックが催された翌年の1965
ニズムのことやドライビング・テクニックも、女性
サーティファイドカー
(認定中古車)
は、先代の
年という日本屈指の歴史を持つメガ・ディーラー
の場合、基礎からの訓練が必要になります。ま
Cクラスと現行のEクラスが売れ筋のようだ。興
これからもこだわっていきたいですね」
都市部ではその傾向が強い。しかし、
“メルセデ
常に50台以上のサーティファイドカーを回転させ
ス・ベンツあざみ野”はそんな常識を打ち破り、幹
ているという“売り”の秘訣とは何なのだろうか。
いま狙い目なのは先代のCクラス、そして現行
“メルセデス・ベンツ世田谷桜丘”
。在籍するセー
た、ショウルームでもお客様に“セールスマンは
味のある方は女性だけの営業チームが居る同店
線道路から一本入った田園都市線・あざみの駅
「正規ディーラーのサーティファイドカーは、一
EクラスのE500/E55 AMG。
「特にE500は買
ルスマンはなんと30人を超える。編集部は、この
居ないの? ”と言われることもあります。でも、そ
の三本杉ショウルームを訪ねてみてはいかがだろ
近くの閑静な住宅地にクリーンで近代的な店舗
見するとどの店舗も同じように見えると思うので
い時ですよ」
と話してくれた。格下のE320AVGと
精鋭部隊の中に、女性8人で構成される営業チ
んな時、私たちは堂々と“私がセールスを担当さ
う。荒木さんの接客に対するこだわりを継承する
を構えるのが特徴だ。インターネットの普及によ
すが、よく観察してみると品揃えはまったく異なっ
の価格差が縮まってきているのだ。気になる方は
ームが存在することに注目した。もちろん、外回
せていただきます”と、言うようにしています。き
女性スタッフの一生懸命さがきっと心に響くはず
り店舗の地元色は薄まるいっぽうだが、同店は、 ているんですよね。責任者の“こだわり”が商品
メルセデス・ベンツあざみ野に電話してみるとい
りや商談から査定、納車、アフターケアなどまで
ちっとご挨拶して、親身になって商品案内を行な
である。息の合う担当者と出会う、それは快適な
いだろう。
担当するバリバリのセールス・ウーマンたちである。 えば商談になっていくんですよ。特に、ファミリー
メルセデス・ライフを約束されたことになるのだ。
率いるのは、この頁の主役、荒木姿子 課長だ。
で来店されたお客様だと、奥様やお子様とも自
Text:野田義彦/Photo:丸山博人
当然のことなのですけれどね」
まずは地域の皆様の暮らしに貢献すること、とい
の方向性や展示場の雰囲気にそのまま反映され
うコンセプトを打ち出し成功している好例と言え
るんです。プレミアム・ブランドであるメルセデス
るだろう。
の場合、スタッフの育成も重要なポイントになっ
「このチームは06年の6月に発足しました。世
然に話すことができます。このように接客ではプ
そんな“メルセデス・ベンツあざみ野”は、新車
てくるのですが、私の“こだわり”は、お客様に中
田谷は主婦の方がメルセデスに乗るケースも多
ラスとして活かせる部分もあるわけですから、試
ショウルームも広大なら、サーティファイドカーも
古車を買うという感覚を持たせないこと。つまり
く、女性のセールスが担当したほうがお客様に喜
行錯誤を繰り返すこともいい経験になっていると
常時約50台のストック量を誇る。全国でも常に
新車と同じように、まずはメルセデスというブラン
んでいただけるのではないか、それがコンセプトの
思っています」
トップクラスのセールスを記録し続ける中古車部
ドを売ることに徹します。だからこそ、品質の高さ
門を率いるのは、峯岸 康 所長だ。
も必要になるわけです」
「まず、地元の皆様との“おつきあい”を大切に
「哲学的なセールストークは苦手」
と笑いながら
することが基本になります。メインテナンスのお手
話す彼は、
「中古車はセールストークより車両の品
伝いなどで信頼関係ができると、自然に中古車や
質、これが鉄則」
と言い切る。実は、編集部がメ
メルセデス・ベンツあざみ野
神奈川県横浜市青葉区あざみ野2-3-1
150
なく、接客やアフターケアまでが含まれ
Tel.045-904-1484
Text:野田義彦/Photo:丸山博人
中古車部門を率いる峯
岸 康 所長。新卒で入
社して11年目。メルセ
デス中古車に関する豊
富な知識を持ち、セー
ルスの基本を大事にす
るやり方は渋さも感じ
させるリーダー。地元の
皆様との“おつきあい”
、
そして商品管理は中古
車販売の鉄則と話す。
ひとつでした。すでに1年半が経ちますけれど、20
スタッフの育成を行ないながら、結果を出さな
代の若いスタッフが中心になっていますので、毎
ければならない荒木さんの仕事が激務であること
日が試行錯誤の連続ですね」
は容易に想像できる。でも、彼女の表情に疲れ
女性にとっては、クルマに関する基本的な知識
や運転技術の面も大きな壁になるのだろう。
みたいなものは微塵もない。
「私は、基本的に仕事を楽しんでいるのだと思
メルセデス・ベンツ世田谷桜丘
三本杉ショウルーム
東京都世田谷区桜丘4-26-5
東京都世田谷区桜丘4-28-5
Tel.03-3425-5211
女性だけで構成される
営業チームのリーダー、
荒木姿子 課長。新卒
でヤナセに入社して以
来、大阪、芝浦、白金、
馬込などの支店に在籍
していたことのあるベ
テランのセールス・ウー
マン。とにかく頭の回転
が速く、そして明るい。
Tel.03-3425-6011
151