自動車の燃費向上に貢献できる耐摩耗・低摩擦性めっき 「技術・事業」の名称 技術の開発 <連絡先> 会社・団体・グループなどの名称 ユケン工業(株) 住 所 愛知県刈谷市野田町場割 50 電話番号 0566-21-7311 URL http://www.yuken-ind.co.jp/ Mail kamiyasj@yuken-ind.co.jp 1.概要 当該開発品は、硬さを持たせるために鉄成分を主体 としたアモルファス合金層を形成させると同時に、高摺動性 を付与するために高潤滑性化合物を含有させること で、耐摩耗性と低摩擦性を兼ね揃えためっき皮膜と なっております。 昨今の自動車業界において、部品の軽量化によって 生じてきた「耐摩耗性向上」と「摩擦によるエネルギー 損失低減」の両課題に対し、部品表面へこのめっき技 術を施すことで解決が図られ、自動車の軽量化、即ち、 燃費向上に貢献可能と考えます。 図 1.ボールオンディスク法による動摩擦係数比較 2.先駆性・独創性 ・ 主要なめっき類中、唯一、潤滑油下における動摩擦係数μが 0.1 以下となります。 (図 1、図 2) ・ ニッケルめっきとの摩擦試験痕比較でも、耐摩耗性(皮膜消失量)の差は歴然であります。 (写真 1) ・ バッチ生産の乾式めっきでは不可能な大量生産が可能となるため、処理コスト的にも有利となります。 図 2.摩擦係数実測データ 写真 1.ボールオンディスク摩耗試験痕比較 ニッケルめっき 摩 擦 係 数 ニッケルめっき μ 開発めっき 開発めっき 開発めっきは初期馴染みも良く、スタート直後から低摩擦で安定 3.環境負荷低減効果 ① 耐摩耗性が向上することで、摺動部品の長寿命化(従来比 1.5~2 倍)が図られ、部品交換頻度が低減 されます。 ② 低摩擦化(従来比 1/2)により摺動性が向上することで、燃費向上につながります。 ③ 耐摩耗・摺動性向上の相乗効果により部品の軽量化が進むと、さらに燃費向上が図られ、CO2 削減につ ながるものと考えます。例として、コネクティングロッドを 27%軽量化できるとエンジンフリクションが 7%低減され、 10 モード燃費は 6.7%向上します。(※3) ④ 自然界に大量に存在している鉄を主原料としためっき皮膜なので、自然に還った場合の環境負荷も小 さいと考えます。 参考文献 ※3.水谷嘉之 地球にやさしい車づくり 豊田中央研究所 R&D レビュー Vol28. №1
© Copyright 2024 Paperzz