11月 novembre N. 16

イタリア
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11
1月
2008
novembre
N. 16
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イルモンドデルヴェルデの11月のアレンジです。
コーナー
1 e 2 Novembre - La Festa di Tutti i Santi e la Commemorazione dei Morti
11月1月-諸聖人の祝日で2日死んだ人を偲ぶ日です
皆さん、こんにちは。今日は、イタリアでのお盆の日である「Festa di morti ~死者の日~」
についてお話しましょう。
毎年11月1日は、欧米では諸聖人祭りがあります。10月31日のハロウィンに関係があります
が、全ての聖人を祀ろうという宗教的な日です。しかし、イタリアには、11月2日にもイベント
ガあります。この日は、死者の日です。日本では、死者についてあまり話さなかったりしますが、
イタリア文化は少し異り、死について前向きです。毎年11月2日には、すでに死んでしまった愛
する人を思い出す日として、さまざまなことをします。
なぜ、11月2日なのかを話しましょう。古代ケルト人にとっては、1年は2つに分かれるもの
だと考えられてきました。1つは「生者の季節」。もう1つは、「死者の季節」です。その「死者
の季節」の始まりが秋口だとされたのです。なぜなら、秋は、葉が紅葉して、太陽が早く沈むよう
になるので、夜が長くなります。そのことによって、日ごろの疲れを夜に癒そうと思いやすくなり
ますね。もちろん、日々は続くのですが、長い夜は、眠気を誘い、1日、または1年の終わりのよ
うにも感じます。なので、この季節は祈りに適していると考えられたのです。
死んだ人の魂は、私たちの心の中で、ずっと生きています。その愛を、表現するためにこの日は、みんなでパー
ティーをしたり、お墓に花を飾ったりします。それは、死んでいることを喜んでいるのではなく、私たちの心の中で
今もなお生きていることを喜んでいるのです。そして、これから来る冬は、葉が落ちるのと同じように、悪いことも
枯れてゆき、春は新しい芽が出るのと同じように、素晴らしいことが増えてくることを考える時でもあります。
西暦853年に、11月2日は死んだ人を偲ぶ日として、正式に決まりました。
国民の中には、古くからある習慣も混ざり、新しく決まった死者の日には、死者が蘇ると考える人もいました。(そ
れは、日本でいうお盆と似た感覚ですね。)
現在、都会では、死者の日に大きなイベントをしたりすることは少なくなってしまいました。田舎では、今までの
伝統として、宗教的な意味合いはほとんど意識されていませんが、死者の日に行う習慣は残っています。
死者の日の、午前中は、皆、墓地にお花を持って行き、その墓地では、魂の浄化を祝うミサが行われます。市場に
は、たくさんの花の屋台が出ます。
私の生まれ故郷のシチリアの州都パレルモ市では、まだ独特の習慣が残っています。
11月2日の朝は、パレルモに住む子供たちにとってはとても楽しみな朝です。なぜなら、家のどこかにプレゼント
が隠されているからです。クリスマスのサンタクロースに似ていますが、パレルモでは、11月1日の深夜に亡く
なっている親戚から、子どもたちのためにプレゼントを持ってきてくれるという、言い伝えがあります。本当に持っ
てきてくれることはないですよ!なので、両親が子供たちに内緒で、おもちゃやお菓子のプレゼントを用意するので
す。私も、昔はプレゼントを見つけるのが楽しみでした。こうゆう習慣があるので、イタリア人は死について暗くな
らず、前向きに考える理由ではないかなと思います。
次に有名なのは、伝統的なデザートです。
シチリアでは「La mani」(日本語では「手」という意味)というパンがあります。そのパンの形は、
変わっていて、2本の手が交差したような形になっています。ハグする時の手の形に似せて作ってあるか
らなんです。
また、「pupi zuccaru 」という砂糖菓子もあります。妖精やディズニーやポケモンな
どのキャラクターに似せて作り、色もきれいに塗ってあります。
一番有名な料理として、典型的な伝統料理の「Muffulietta」というパン料理があ
ります。オイル、アンチョビ、オレガノ、塩コショウ、トマトなどを使った、料理
で、ハンバーガーの元になったとも言われています。
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イルモンドデルヴェルデ
http://www.e-8739.com
パレルモ独特のお菓子として、パレルモ名産のアーモンドパウダーを粘土状にして、果物や野菜の形
に作って、色をつけたお菓子である「Martorana」というものもあります。とても、きれいでおいしいですよ!
そして、ナッツやイチジクやオレンジなどを入れ込んで作ったスポンジケーキの上からココアをかけ
て、ビスケットや今まで紹介した料理を、「pupi zuccaru」という砂糖菓子を中心に、まとめて、す
ばらしい芸術作品を作るのです。まるでお菓子のお城のようです。それを、中心にして町では祭りが
行われ、家族で遊びに行きます。子供は、そのお菓子やおもちゃをもらったりして、大好きな祭りで
す。
この11月2日で一番大切なのは、死んだ人を愛する気持ちです。
日本みたいにネガティブではありません。もっと、愛する気持ちを表現してはいかがですか?