●第3学年1学期 月 時 主題名・資料名・著者名 ●礼儀の意義 2 − 1) 1 1 礼儀 言いにくい言葉 (西尾 実) ☆印の資料は、2時間扱いも可。 ①∼⑧の資料は、教師用指導書の補充資料を示します。 主題設定の理由・ねらい 展開の大要(主な発問) 〔主題設定の理由〕 中学3年 生ともなると、自我が確立して きて、よりよい生き方を求めよ うとする。その反面、反抗的な 態度をとりがちな傾向もあり、 わざと形式を軽んじ、礼儀を欠 いた言動をとったりすることが ある。相手の人格を認め、礼儀 の意味を深く考えさせたい。 ◎ねらい◎ 社会生活における 礼儀の意義を正しく理解し、時 と場に応じた適切な言動をとる ことのできる態度を育てる。 ○「ノー」とはっきり言わないで、 相手に迷惑をかけるのはどんなと きだろうか。 ○相手がいないときに、面と向かっ て言いにくい否定の言葉を言うの はどうしてひきょうなことだと、 筆者は考えているのだろうか。 ○「ノー」という言葉について、筆 者の考え方からどんなことを学ぶ か。 ○外国の人とつき合うとき、私たち はどのような態度をとることが必 要であると思うか。 〔主題設定の理由〕 日常生活 の基本的な行動様式を正しく身 につける必要性を、理解してい ながら実行が伴わないのが中学 生の実態である。人間が人間ら しく生きるためには、基本的な 行動様式をしっかり身につけ、 習慣化することが大切であり、 これを正しく理解させる必要が ある。 ◎ねらい◎ 望ましい生活習慣 の大切な意味を理解し、進んで 節度と調和のある生活をしよう とする態度を育てる。 ○筆者は「ぱなしの女王」と言われ ることをどう思っていたか。 ○筆者は「ぱなし」をしていて、他 人にどのような迷惑をかけている ことに気がついたか。 ○父に怒られたことによって、筆者 は今まで自分のしていたことに、 どのような気持ちをもったか。 ○「ぱなしの女王」という汚名の返 上を決意したのはどのような考え をもったからか。 〔主題設定の理由〕 この時期 の生徒は、相手の身になっての 言葉づかいや行動が大切なこと は理解している。しかし、時に は実行が伴わないことがあり、 時と場に関係ない継続的な指導 によっても、なかなか身につき にくい。思いやりの心をこめた 言動をとることの大切さを指導 していきたい。 ◎ねらい◎ 相手の立場に立つ 言動の大切さを知るとともに、 温かい人間愛の精神を深め、思 いやりの心をこめた言動ができ る態度を育てる。 ○これまでの生活の中で、相手から の言動で思いやりの心を感じた経 験にどんなものがあるか。 ○筆者の電話は、なぜ風情がないと 言われるのだろうか。 ○人との話し方の中で、筆者は、ど のようなことに気をつけることが 大事だと思っているか。 ○筆者の母親は、人の話を聞いたり 人と話をしたりするときに、どん な気持ちをもっていたか。 ○筆者は、人との話は、どういう気 持ちですることが大切であると考 えているか。 4 ●望ましい生活習慣 1 − 1) 2 2 望ましい生活習 慣 「ぱなしの女王」返 上☆ (生徒作文) ●相手の身になって 月 2 − 2) ① 3 感謝・思いやり 話し上手、聞き上手 (沢村貞子) 月 時 主題名・資料名・著者名 ●自他の生命の尊重 3 − 2) 4 3 生命の尊重 北極点に立つ (和泉雅子・新聞) 5 ●日本の美・伝統 4−9) 5 4 愛国心 日本人と自然 (広中平祐) ●社会正義 4 − 4) 6 5 正義、 公正・公平 言いがかり☆ (編集委員会) 月 ●生きる意欲 3 − 3) 7 ② 生きる喜び 最後の一葉 (O・ヘンリー作、常 磐新平訳) 主題設定の理由・ねらい 展開の大要(主な発問) 〔主題設定の理由〕 命の大切 さについてはかなり理解できる ようになってきているが、実際 の行動ではいじめや自殺などの ように衝動的な行動に走ること さえある。生命の尊さについて 改めて考えさせたい。 ◎ねらい◎ 一人一人の生命が かけがえのないものであること を理解し、自他の生命を尊重す る態度を育てる。 ○「いちばんしたいことは、温かい おふろに入ること」という和泉さ んの言葉には、どんな気持ちが込 められているか。 ○和泉さんはなぜ、北極点の踏破を 思い立ったのだろうか。また、そ れをどう考えるか。 ○大リードに出会ったとき、和泉さ んはどうしたか。また、どんな気 持ちだったろうか。 ○北極遠征の失敗から和泉さんは何 を学んだか。 〔主題設定の理由〕 現代は国 際化の時代と言われ、国際交流 が幅広く行われており中学生に よる交流もさかんである。視野 を世界に広げて、日本人として 改めて自国の良さを見つめ直す ことが大切である。 ◎ねらい◎ 日本の自然や国土 に対する理解を深め、日本の伝 統の継承と文化の創造に貢献し ようとする態度を育てる。 ○日本の自然とは、どのようなもの だと筆者は考えていか。 ○日本の名園の人為性に、アメリカ 人が驚いたのはなぜだろうか。 ○アメリカ人の目に映る日本の自然 とは、どのようなものか。 ○自然との調和という日本の伝統的 な美意識を受け継ぐために、私た ちはどうすべきだろうか。 〔主題設定の理由〕 中学3年 生の時期はまだ正・不正の判断 を誤ったり、利己的な判断に陥 ったりすることも少なくない。 こうした中学生の心の動きをつ かみ、正・不正を見きわめ進ん で正す態度を育てたい。 ◎ねらい◎ 不正を見逃さず、 社会連帯の精神をもって、差別 や偏見のない社会の実現に尽く そうとする態度を育てる。 ○五千円札を出したというのは、男 の人の勘ちがいだと思ったのに、 「私」はどうして声をかけなかっ たのだろうか。 ○革ジャンの青年の態度について、 どんなことを感じるか。 ○このような場面に出会ったとき、 どのような行動をとったらよいだ ろうか。 〔主題設定の理由〕 中学3年 生ともなると、社会や人間関係 のあり方にも関心をもつように なる。このような時期に、自他 の敬愛の精神をもって、ともに 精一杯生きることの喜びや大切 さに気づかせたい。 ◎ねらい◎ 弱さや醜さを乗り 越えていく人間のもつすばらし さに、素直に目を開く態度を育 てる。 ○ジョンジーは、どうしてツタの葉 に自分の運命をたくしたのか。 ○夕暮れになっても枝からぶらさが っている葉っぱは、何を意味する のか。 ○ジョンジーが、自分のすてばちな 行動を反省し生きる希望を抱いた のは、どうしてだろうか。 ○風が吹いても落ちない一枚の葉は 何を表しているのだろうか。 月 時 主題名・資料名・著者名 ●奉仕の精神 4 − 5) 勤労、 奉仕の精神 8 6 ボランティアって何 だろう☆ (新聞記事) ●障害や困難の克服 6 1 − 2) 9 ③ 強い意志 子供たちのために生 きなくて (藤原てい) ●社会秩序 4 − 2) 10 7 遵法、 権利・義務 インターネット (湯澤斉之) 月 ●生命への畏敬 3 − 2) 11 8 生命の尊重 樹齢七千年の杉 (椋 鳩十) 主題設定の理由・ねらい 展開の大要(主な発問) 〔主題設定の理由〕 将来、社 会に役立つ仕事をしたいと思う 生徒が多い反面、人とかかわる のが苦手という者も多い。社会 に貢献する意義をしっかりと心 に留め、実践できるようじっく り考えさせたい。 ◎ねらい◎ 社会に奉仕し、貢 献するということを自覚し,公 共の福祉のために尽くそうとす る態度を育てたい。 ○山本さんや矢沢さんが資料中の感 想を抱くに至ったのは、どのよう な思いからだろうか。 ○被災者の「押し付けがましい態度 が鼻につく」といった苦情は、ど のように受け止めたらよいだろう うか。 ○ボランティア活動で、必要な感性 とは、どのようなものなのだろう か。 〔主題設定の理由〕 生徒は、 自分の興味・関心のあることに は熱心に取り組むが、そうでな いことには大切なことであって も進んで立ち向かうことは少な い。自分で決めた目標を努力し て達成する態度を育てたい。 ◎ねらい◎ 障害や困難に挫折 することなく、目標や理想の実 現のために、ねばり強く最後ま でやり抜く態度を育てる。 ○収容所から逃げる仲間を、だれも 止めなかったのはどうしてか。 ○筆者が「どんなことをしても日本 へ生きて帰りたい」と思った理由 は何か。 ○腰ひもをはずしたときの母親の気 持ちは、どんなだっただろうか。 ○ あ れ か ら 約 40年 が 過 ぎ た 今 、 筆 者 はどのように生きようとしている のか。 〔主題設定の理由〕 法やきま りの意義への理解が深まる一方 で、法やきまりは自由を奪うも のだという誤った認識をもつ者 もいる。情報を活用する上での きまりやマナーを守ってこそ、 よりよい情報化社会が実現され ることに気づかせたい。 ◎ねらい◎ 情報収集・活用上 の倫理について考えることを通 し、社会の秩序と規律を高めて いこうとする態度を育てる。 ○インターネットで資料を検索して 宿題を短時間で仕上げた良男につ いて、どう思うか。 ○良男に対する友人の片桐さんの指 摘について、どう思うか。 ○今回の宿題づくりを通して、良男 はどのようなことを学んだのだろ うか。 〔主題設定の理由〕 中学3年 生の段階では、生命に対する認 識もかなり深くなるが日常の生 活では生命そのものに目を向け るゆとりを失いがちである。生 命の不思議さやすばらしさにつ いて深く考えさせたい。 ◎ねらい◎ 自然の偉大さから その生命のすばらしさを深く認 識し、自他の生命を尊重する態 度を育てる。 ○岩川さんが、縄文杉を誇りに思っ ているのはどうしてか。 ○「木といっても、七千年という命 をもつ杉は、むしろ、大自然の奥 深さを象徴する不思議な存在」と いうのは、どのようなことを言っ ているのか。 ○「七千年の命が、音をたてて燃え ている」と筆者がつぶやいたのは どんな気持ちからか。 月 時 主題名・資料名・著者名 ●郷土の発展 4 − 8) 9 12 郷土愛 わたしの生き方を変 えたもの (生徒作文) 7 ●社会の一員として 4 − 3) 10 13 月 公徳心、 社会連帯 鷲の巣山で (編 集 委 員 会 ) 主題設定の理由・ねらい 展開の大要(主な発問) 〔主題設定の理由〕 科学技術 の進歩・向上、産業の著しい発 展は、人々の生活や考え方に大 きな変化をもたらした。都市に おいては地域における連帯感が 希薄になり、農村においては生 活共同体の基盤が揺らぎ郷土へ の愛着をもちにくくしている。 自分自身も地域社会の一員であ ることを自覚させ、郷土の発展 について考えさせたい。 ◎ねらい◎ 郷土の伝統文化を 重んじ、地域社会の一員として の自覚を深めて、その発展に尽 くそうとする態度を育てる。 ○自分の住んでいる地域の祭りにつ いて、感じていること思っている ことを発表する。 ○筆者は、どうして祭りの伝統を守 り育てることが、わが家の使命と 考えるようになったのか。 ○父は、馬飼いの仕事をどう考えて いるか。また、それについてどう 思うか。 ○病床の父を見て、筆者は何を知っ たか。 ○このような父の仕事についてどう 思うか。 ○筆者の固い決意について、どんな ことを考えるか。 〔主題設定の理由〕 中学生の 時期は、大変に周囲の目を気に する時期である。そして、人に よく見られたいと思う反面、き まりなどをわざと破ったり、悪 い行為にあこがれたりする時期 である。このことから、何か良 いことをするのは格好悪いと考 えてしまう生徒も多い。このよ うな考え方を修正し、正しい公 徳心を身につけさせたい。 ◎ねらい◎ 法の精神を理解し 公徳心をもって社会の秩序と規 律を高めようとする態度を育て る。 ○勇太の父が「自然は美しい、何よ りも〈うそ〉をつかないからね」 と言った意味は、どんなことだろ うか。 ○「父の仕事はむだではないだろう か……」と思った勇太の考えをど う思うか。 ○父に言われたわけでもないのに、 勇太が道標の泥を落としたのはど うしてか。 ○道標を傷つけていた三人の若者に 「君たちは 社会人としての義務 というものを考えたことがないの か」と言ったのはどんな意味だろ うか。 ●第3学年2学期 月 時 主題名・資料名・著者名 ●強い責任感 1 − 3) 11 14 自主自律 不時着に備えた放送 メモ (新聞記事) 9 ●国際人として 4 − 10) 国 際 理 解 、 人類愛 12 国際人であること☆ 15 (生徒作文) 月 ●健全な家庭生活 4 − 6) ④ 家族愛 通信簿 16 (八木橋雄次郎) ☆印の資料は、2時間扱いも可。 ①∼⑧の資料は、教師用指導書の補充資料を示します。 主題設定の理由・ねらい 展開の大要(主な発問) 〔主題設定の理由〕 中学生の この時期は、クラブ・部活動な ど自ら選択したものには強い興 味・関心を抱くが、学級の仕事 など他の人のために奉仕するこ とには無関心さを装う傾向にあ る。自己の特性を伸ばすために は、集団や社会の一員として、 なすべき役割について認識を深 め、排他的な態度を取り除いて いく指導が大切である。 ◎ねらい◎ 自分のなすべきこ とに主体的に取り組み、それに 誠実に実行して責任を果たす態 度を育てる。 ○スチュワーデスとしての祐三子さ んの責任感についてどう思うか。 ○ 39度 の 発 熱 を お し て 、 ど う し て 祐 三子さんは搭乗したのだろうか。 ○墜落直前の機内でメモをとる祐三 子さんの気持ちは、どんなだった だろうか。 ○「妻は立派だった」という言葉は 公二さんのどういう気持ちを表し ているか。 ○祐三子さんの不時着に備えた放送 メモは、スチュワーデスとしての どういう考えを表しているか。 〔主題設定の理由〕 将来の進 むべき道を考えていく中で、国 際社会における日本の地位の向 上が目ざましく、世界から日本 の果たす役割について注目され ていることを理解させたい。そ の際自国のことだけでなく、人 類の平等と世界の平和の観点に 立って、社会の貢献に努めるよ う指導したい。 ◎ねらい◎ 国際的視野に立ち 日本人として自覚をもって世界 の平和を愛し、人類の幸福に寄 与しようとする態度を育てる。 ○日本人は一般的に、外国の人と接 するとき、どんな気持ちで接して いるのだろうか。 ○筆者は、イタリア人の人間性をど のように感じているのだろうか。 ○交通事故のとき、筆者たちをはげ ましたものは何だったか。そのこ とで、筆者はどんなことを感じた か。 ○真の国際人になるためには、どの ような生き方が大事だと、筆者は 考えているか。 〔主題設定の理由〕 各家庭で の子供の数が少なく物質的に恵 まれた中で、苦労を知らずに育 ってきた生徒が多くなったため に、家族とともに生活できるこ とに感謝する気持ちが薄らいで いる。このような生徒に家庭の 中での役割について考えさせ、 自分の立場を自覚させることが 必要である。 ◎ねらい◎ 家族は互いに信頼 し合い、敬愛の気持ちを深めて いき、健全な家庭を築こうとす る態度を育てる。 ○息子に、優しく対応しようとする 筆者に、どんなことを感じるか。 ○息子が、自分の愛唱している詩と いう宿題に、父親の作った詩であ る「通信簿」を選んだのはどうし てだろうか。 ○筆者は、詩「通信簿」で、息子に 対して、何を訴えようとしている のか。 ○筆者の詩「通信簿」には、息子の どんな評価が記載されているのだ ろうか。 月 時 主題名・資料名・著者名 ●広い心 2 − 5) 17 13 謙虚・広い心 まるごと好きです (工藤直子) 10 ●理想の実現 1 − 4) 18 14 真理愛、 理想の実現 宇宙から地球が見た い☆ (向井千秋) ●差別と偏見 4 − 4) 19 ⑤ 正義、 公正・公平 ほんとうの闘士 (J.イートン作、高 杉一郎訳) 月 ●希望・勇気 1 − 2) 20 15 強い意志 今、輝いて生きる (文部省資料) 主題設定の理由・ねらい 展開の大要(主な発問) 〔主題設定の理由〕 この時期 の生徒は、ともすると自分の考 え方に固執するあまりに、人間 関係が円滑にいかないことも多 い。自分とは異なる意見を素直 に受け入れる広い心を培うこと の大切さを理解させたい。 ◎ねらい◎ 他人の意見や行動 が、自分と異なる場合において も、広い心をもって謙虚に受け とめ、これに学ぼうとする態度 を育てる。 ○筆者の言う「まずまるごと好きに なる」とは、どういうことか。 ○筆者は、どうして「まずまるごと 好きになる」ようになったのか。 ○「かんぺきな人」というのは、ま あいないという筆者の考え方をど う思うか。 ○筆者は、以後どのような生き方を していっただろうか。 〔主題設定の理由〕 この時期 になると、将来に向かって理想 を求めるようになるが、自己理 解は十分ではない。理想の実現 を目指して努力していくことの 大切さを自覚させたい。 ◎ねらい◎ 生きることについ ての目的や目標をもち、理想の 実現を目指して積極的に自己の 人生を切り拓いていこうとする 態度を育てる。 ○向井さんはどのような気持ちで宇 宙飛行士に応募したのだろうか。 ○向井さんのいう、何か目標ができ たときに、体の底から湧いてくる 「信じられないような力」とは、 どのような力なのだろうか。 ○チャレンジャーの事故があっても 向井さんが夢を断念しなかったの は、なぜだろうか。 ○自分の夢を見つけるためにはどう すればよいだろうか。 〔主題設定の理由〕 中学生の 時期は、社会の理想的なあり方 を求める気持ちが強くなってく る。その反面、集団生活の中で 差別や不公平な言動があったり する。よりよい社会への実現に ついて深く考えさせたい。 ◎ねらい◎ 正義を重んじ、公 正で差別や偏見のない社会の実 現に尽くそうとする態度を育て る。 ○停車場のプラットホームに置き去 りにされたガンジーの気持ちはど んなだったか。 ○汽車と乗合馬車の車掌は、ガンジ ーにどんな態度をとったか。 ○ガンジーに対する車掌の態度をど う思うか。 ○個人の正義のためにたたかうガン ジーをどう思うか。 〔主題設定の理由〕 目標に向 かって努力する姿は美しいもの であるが、中学生では目標を見 失って無気力に生活を送ってい る者も少なくない。自分の可能 性や能力を信じ、努力しようと する態度を育てたい。 ◎ねらい◎ より高い目標を目 ざし、希望と勇気をもって最後 までねばり強く努力しようとす る態度を育てる。 ○母の優しい言葉にもいらいらし、 とりつくしまもない久美の様子に 対してどう思うか。 ○取りつかれたような英語の勉強の 毎日を送るようになったのは、久 美にとって何を意味しているだろ うか。 ○英検3級の合格証が届いたとき、 久美はどんな気持ちだったか。 ○英語の勉強室まで開くまでになっ た久美の生き方をどう考えるか。 月 時 主題名・資料名・著者名 ●美的情操 3 − 1) 21 16 自然愛、美的情 操、畏敬 色と糸と織と☆ (志村ふくみ) 11 ●郷土の開発 4 − 8) 22 ⑥ 郷土愛 この村に水を (滋賀県教育委員会) ●真の友情 2 − 3) 23 17 友情 真の友情とは何か (生徒作文) 月 ●愛校心 4 − 7) 24 18 愛校心 わが母校、桜中学 (坂口幸恵) 主題設定の理由・ねらい 展開の大要(主な発問) 〔主題設定の理由〕 中学3年 生のこの時期は進路の決定など に心が揺れ動く時期である。こ のような不安定なときこそ、自 然の美しさや人間の力のおよば ない神秘性に気づかせ、豊かな 心の育成が必要である。 ◎ねらい◎ 自然と人間のかか わりについて考え、自然や美し いものを愛し、畏敬の念を深め ようとする態度を育てる。 ○見知らぬ人から榛の木について電 話を受けたとき、筆者はどんな気 持ちをもったか。 ○筆者が、榛の木がよみがえったと 思ったのはどうしてか。 ○筆者が「植物の命と……ほんの少 し扉が開く」と言っているのは、 どういうことか。 ○自然のもつ本当の美しさは、人に 深い感動を与えることがあるが、 それはなぜだろうか。 〔主題設定の理由〕 地域の都 市化が進むにつれて、郷土意識 や地域での家庭の連帯感が薄く なっていく傾向がある。改めて 自分の住む地域社会を見直させ 地域の発展について考えさせる ように指導したい。 ◎ねらい◎ 郷土の発展に努め た先人への尊敬と感謝の念を深 め、その発展に尽くそうとする 態度を育てる。 ○彦平が、この村に水を引こうとし たのはどうしてか。 ○ずい道工事に今まで反対していた 人々も、この事業に理解を示し、 工事に加わるようになったことに ついてどう思うか。 ○ す べ て の 事 業 が 完 成 す る に は 、 23 年の歳月を要したことについてど う思うか。また、彦平の仕事につ いてどう思うか。 〔主題設定の理由〕 中学3年 生になると、進路選択を目前に して自分本位な考えに陥りやす い。そこで、心から信頼できる 友達をもつことや、励まし合い 忠告し合える友人関係の大切さ について考えさせたい。 ◎ねらい◎ 信頼と敬愛の念に 支えられた真の友情を理解し、 互いにそれをはぐくんでいこう とする態度を育てる。 ○「私」が、早く教室から出たいと いう気持ちになったのはどうして か。 ○「私」がもう一度教室に戻る決意 をしたのはなぜか。 ○Sさんが「私」に手紙を書いたの は、どんな気持ちからか。 ○「私」は、このような体験からど んなことを学んだか。また、真の 友情とはどんなものか。 〔主題設定の理由〕 中学3年 生ともなると、自分が置かれて いる環境に対しても不満をもつ ようになる。中学校生活を振り 返らせ、学校学級の一員として の自覚をもたせ、よりよい校風 について考えさせたい。 ◎ねらい◎ 学校に対する敬愛 の念を深め、協力してその校風 を継承し発展させようとする態 度を育てる。 ○「ぼく」は、桜中学の生徒を見か けると、どうして気になるのだろ うか。 ○中学時代の「ぼく」は、桜中学で の学校生活をどう思っていたか。 また、それについてどう思うか。 ○自分の学校で大切にしたいと思っ ていることにどんなものがあるだ ろうか。 月 時 主題名・資料名・著者名 ●役割の自覚 4 − 1) 19 25 集団生活の向上 山に憑かれた男 (加藤喜一郎) 12 ●家族への敬愛 4 − 6) 20 26 月 家族愛 エネルギーかあちゃ ん (今 井 美 沙 子 ) 主題設定の理由・ねらい 展開の大要(主な発問) 〔主題設定の理由〕 中学生の 多くは大事な役割であっても、 目立たないものであったり好み に合っていなかったりすると、 それに応じようとしない自分本 位の考え方をしようとする傾向 をもっている。そこで、集団の 一員としてその集団における役 割の意義を認識させ、他と協力 しながら自己の役割を果たそう とする態度を養いたい。 ◎ねらい◎ 集団における自己 の役割と責任を自覚し、協力し あってよりよい集団生活を築い ていこうとする態度を育てる。 ○槙さん(隊長)による登山隊のメ ンバーの発表のあとの筆者の気持 ちはどうだったか。 ○「さあ、寝るか」という言葉は、 筆者のどういう気持ちを表してい るか。 ○朝日にかがやくピナクルを見て、 筆者はどんな気持ちになったか。 ○荷上げのシェルパたちといっしょ に下りてきた大塚隊員の態度を見 て、筆者はどのようなことを感じ たか。 ○登山者の誇りとは、どんなことだ と筆者は考えたか。 〔主題設定の理由〕 中学3年 生ともなると、自我意識も確立 され自立への意欲も高まってく る。そのため、親の言葉やしつ けに反抗的になりがちである。 そこで、深い愛情で育んでくれ る親あってこそ今の自分がある ことを理解させ、充実したより よい家庭生活を築いていこうと する態度を育てていきたい。 ◎ねらい◎ 家族への敬愛の気 持ちを深め協力し合って、充実 した家庭生活を築こうとする態 度を育てる。 ○自分の家族(家庭)には、どんな 良さがあると思うか。 ○洗面器いっぱいに用意されている お湯は、母親のどういう気持ちを 表しているか。 ○働き続ける母親の心の中にあるも のは、どんな思いだろうか。 ○働く母の姿から、筆者が得たもの はどんなことか。 ○「幸福」とは、どうしたら得られ るものだろうか。 ●第3学年3学期 月 時 主題名・資料名・著者名 ●親切な心 2 − 2) 21 感謝・思いやり 勇気あるかかわりを 27 (生徒作文) 1 ●規律ある生活 4 − 2) 22 28 遵法、 権利・義務 自由と規律について ☆ (勝部真長) ●自己の役割 月 4 − 1) ⑦ 29 集団生活の向上 星野君の二塁打 (吉田甲子太郎) ☆印の資料は、2時間扱いも可。 ①∼⑧の資料は、教師用指導書の補充資料を示します。 主題設定の理由・ねらい 展開の大要(主な発問) 〔主題設定の理由〕 中学3年 生ともなると、今、自分がどう するべきかということもわかる ようになる。しかし、いざ行動 に移すとなると、自分なりに都 合のよい解釈をして逃げてしま いがちである。すべての人を尊 重し、相手を思いやる温かい心 と勇気をもって臨む人間愛の態 度を育てたい。 ◎ねらい◎ 他者の立場を理解 し、だれに対しても思いやりの 心をもち、親切にし助け合う態 度を育てる。 ○日ごろの生活の中で、親切にされ た体験にどんなことがあるか。 ○駅で身障者の人の手伝いをしたと き、筆者はどのようなことを思っ たか。 ○筆者が、胸につっかえるように感 じたのはどんなことからか。 ○筆者は、自分の生活をどう反省し ているか。また、これからどう生 きていこうと決意したか。 〔主題設定の理由〕 生徒の中 には、自分さえよければよいと か、その場さえうまくいけばよ いとかという考えから、集団生 活の秩序や規則等に反発する者 もいる。一人一人が積極的に自 分の役割を果たし、責任を持つ ことの大切さを考えさせるよう にしたい。 ◎ねらい◎ 法やきまりの意義 を理解し、自他の権利を重んじ 誠実に責任を果たして、社会の 秩序と規律を高めようとする態 度を育てる。 ○自由であるということは、どうい うところに意味があるのか。それ には何が必要か。 ○規律(規則)と自由とは、どうい う関係にあるのか。また、真の自 由とはどんなものか。 ○個人の自由は何によって保障され るか。また、社会の秩序と規律の 維持に必要なものは何か。 〔主題設定の理由〕 中学生は 自主的に行動することを望む反 面、自分のやるべきことを途中 でやめてしまったり、自分が言 い出したことにも無責任であっ たりすることもある。集団生活 における自己の役割を遂行する ことの大切さを自覚させたい。 ◎ねらい◎ 集団と個のかかわ りについて理解し、集団の一員 としての自覚をもって進んで自 己の役割を果たそうとする態度 を育てる。 ○監督から「バントで送ってくれ」 と言われた星野君は、どうしてす なおに受け入れる気持ちになれな かったのか。 ○星野君は、二塁打を打ったとき、 どんなことを考えたか。 ○別府さんは、苦い顔をして星野君 を見ていたが、それはなぜか。 ○なぜ監督は、今度の大会に星野君 の出場を禁じたのだろうか。 月 時 主題名・資料名・著者名 ●生きる喜び 3 − 3) 30 23 生きる喜び 足袋の季節☆ (中江良夫) ●日本人としての自覚 2 4 − 9) 31 ⑧ 愛国心 国 (王 貞治) ●健全な異性観 2 − 4) 24 異性の理解 雪の日のオルゴール 32 (立原えりか) 月 ●充実した生き方 1 − 5) 33 25 向上心、 個性の伸長 夢 (百瀬昭次) 主題設定の理由・ねらい 展開の大要(主な発問) 〔主題設定の理由〕 中学生の この時期は、他人については厳 しく批判するが、自らの醜さに ついては自覚が乏しい傾向にあ る。人間のもつ様々な面につい て目を開かせ、生きることの喜 びを見いださせたい。 ◎ねらい◎ 人間がもつ弱さ、 醜さを自覚し、その克服に努め 他に対して人間愛の精神をもっ て接する態度を育てる。 ○「ふんばりなさいよ」というおば あさんの言葉を、筆者はどんな気 持ちで聞き、どのように思っただ ろうか。また、その後、どのよう な気持ちで毎日を過ごしたか。 ○「ただむしょうに自分に腹が立っ て……」という筆者の気持ちはど んなだったか。 ○「おばあさんが、わたしにくれた 心」とは何だろうか。また、何を 教えてくれたのだろうか。 〔主題設定の理由〕 生徒は一 般的に国家と個人のかかわりに ついての具体的な理解に欠け、 国民としての自覚も十分に育っ ていない。そこで国家の発展に 尽くそうとする態度を育ててい くことは大切である。 ◎ねらい◎ 日本人としての自 覚をもち、国家の個人の関係を 考え、国家の発展に尽くそうと する態度を育てる。 ○「ぼくには選手権がないんだよ」 と言ったときの王選手の気持ちは どうだったか。 ○「祖国という言葉を聞いただけで 私の瞳はうるみ、胸の底から熱い ものがこみ上げてくる」のは、ど うしてか。 ○国とのかかわり合いの中で、自分 たちはどのように生きていくこと が大切なのだろうか。 〔主題設定の理由〕 中学3年 生ともなると、異性に対する関 心が強くなるのは当然であり、 様々な悩みをもつ。そこで、第 2次性徴期の不安を取り除き、 清純な交際のあり方について考 えさせたい。 ◎ねらい◎ 男女は互いに相手 の人格を尊重し、明るく健全な 交際を通して向上し合おうとす る態度を育てる。 ○少年が、初めて少女に近づこうと したときの気持ちは、どのような ものであったか。 ○オルゴールをわたしたあと、少年 の少女に対する気持ちはどのよう に変わっていったか。 ○少年はどうして「何もしなくてい い…あのひとを見ていられたら」 と思うようになったのか。 ○この先、少年と少女は互いにどん な気持ちをいだいて生きていくと 思うか。 〔主題設定の理由〕 中学生の この時期には、他人の良さばか りが気になり、自分の至らなさ に悩んでいる者も多い。自分の 良さや優れている面の発見に努 め、充実した生活を送れるよう に考えを深めさせたい。 ◎ねらい◎ 自己理解を深めて 個性の伸長に努め、充実した生 き方を追求しようとする態度を 育てる。 ○ 筆 者 が 94歳 の 女 性 の 話 を 聞 い て 、 頭の下がる思いをしたのはどうし てか。 ○偉人とは、どういう人だと筆者は 考えているのだろうか。 ○夢と時代の関係について筆者の考 え方からどんなことを学ぶか。 ○筆者は、坂本竜馬の生き方をどの ように思っているか。 月 時 主題名・資料名・著者名 ●国際的視野 4 − 10) 国 際 的 視 野 、 人類愛 26 34 ぼくの「人権宣言」 (生徒作文) 3 ●異性の理解 2 − 4) 27 35 月 異性の理解 さわやかな笑顔 (坂 口 幸 恵 ) 主題設定の理由・ねらい 展開の大要(主な発問) 〔主題設定の理由〕 中学生は それぞれの国には、独自の伝統 や文化があり、それは尊重され なければならないことは知って いる。しかし、特定の国に対し 根拠のない優劣順位のようなも のをもっていて、同じ人間とし て尊重し合う意識が低い生徒も 少なくないように思われる。差 別と偏見をもたず、どの国の人 をも尊重する、国際人としての 生き方を考えさせたい。 ◎ねらい◎ 世界の平和と人類 の幸福を願い、互いに尊重し合 って、ともに生きようとする態 度を育てる。 ○筆者がフィンランドに住み始めた とき、面倒を見てくれた子は、ど んな気持ちからそうしたのか。ま た、嫌がらせをした子は、どんな 気持ちからそうしたのか。 ○筆者の母に対する校長先生の言葉 には、どんな気持ちがこめられて いるか。 ○筆者を助けてくれた二人の言葉を 聞いて、筆者と母が恥ずかしい気 持ちになったのは、なぜか。 ○これからますます発展していく国 際社会の中で、私たち日本人は、 どのように生きていくべきか。 〔主題設定の理由〕 思春期の この時期、異性に対する関心が 強くなる。ただし、異性に対す る感情や考え方には個人差が大 きい。この時期に、真剣に異性 のもつ見方や考え方を知り、そ れを基に自分の異性に対する姿 勢を見直すことが必要である。 男女が認め合い、互いに向上し ていくことの大切さに気づかせ 信頼と敬愛の念を育みたい。 ◎ねらい◎ 男女が互いに相手 についての理解を深め、相手の 人格を尊重する心情を育てる。 ○上岡君をサイクリングに誘った恵 子の気持ちは、どのようなもので あったか。 ○アンドロギュノスの神話の内容が 恵子の心に強く印象づけられたの は、どうしてだろうか。 ○上岡君の存在を改めて見つめなお したとき、恵子は上岡君のどんな よさに気づいたか。 ○上岡君のさわやかな笑顔を見たと き、恵子の気持ちはどのように変 わっただろうか。
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