#16-01 【1月】 1.内外政 ▼大統領動向 ・12日、ポロシェンコ大統領夫妻主催による外交団を招いて の新年・クリスマス・レセプションが開催。 ・14日、ポロシェンコ大統領は、全報道機関向け記者会見を 実施。 ・18、19日、ポロシェンコ大統領及びヤツェニューク首相は、 当地訪問中のホイスゲン独首相顧問及びオディベル仏大統 領顧問と会談。 ・20日、ポロシェンコ大統領は、ダボスにおいて、ダーヴトオ ール・トルコ首相と会談。 ・21日、ポロシェンコ大統領は、ダボスにおいて、バイデン米 国副大統領、ルッテ蘭首相、ソールベルグ・ノルウェー首相 及びマウラーICRC総裁と会談。 ・27日、国家安全保障・国防会議(RNBO)及び大統領府は、 同日、ポロシェンコ大統領が議長を務めるRNBO会合が実 施され、「ウクライナ・サイバー・セキュリティ戦略」案が承認 された旨発表。 ▼閣僚会議・最高会議等動向 ・6日、外務省は、北朝鮮の核実験実施宣言に対する非難声 明を発出。 ・14日、オーストリア訪問中のクリムキン外相は、シュタインマ イヤー独外相(OSCE議長)と会談。 ・17、18日、クリムキンは、ブリュッセルを訪問し、各要人と 会談、またウクライナ・フレンズグループ会合に出席。 ・19日、最高会議議員51名は、(非中央集権化部分の憲法 改正案の本採択プロセスの延期を念頭に)現行憲法規定の 公式解釈を憲法裁判所に要請。 ・21日、ウクライナ外務省は、同日のOSCE常設理事会会 合において、OSCE国境監視団(OM)の活動地点の拡大 をロシアが妨害した件につきコメントを発表。 ・20~22日、トゥルチーノフ国家安全保障・国防会議(RNB O)書記は、トルコにおいて、デミル・トルコ国家安全保障総 書記及びメンディ・トルコ国家憲兵(ジャンダルマ総司令部) 司令官と会談。 ・24日、ヤツェニューク首相は、憲法改正に関する国民投票 実施及び与党連合合意文書の改定の提案等につき、国民 への呼びかけを実施。 ・25日、クリムキン外相は、尹韓国外相と北朝鮮の核実験に つき電話会談を実施。 ・26日、ラヴロフ露首相がブダペスト覚書にある唯一の義務 は、ウクライナに対して核兵器を使用しない、というものであ る旨発言したのに対し、同日、クリムキン外相は、ロシアが国 際文書を特殊な読み方で読んでいることを確信、ミンスク諸 〔ウクライナの報道をもとに作成〕 平成28年2月1日 在ウクライナ大使館 合意と同様に、ロシアは、ブダペスト覚書も非常に選択的に 読んでいる、同覚書は、核兵器に関する言及のある第4項と 第5項のみで構成されているのではないとの反論を発表。 ・28日、最高会議本会議において、ポロシェンコ大統領によ り修正が加えられた司法改革部分の憲法改正法案を今会期 の議題に登録し、審議のために憲法裁判所へ提出する決 議を採択。 ▼ドンバス情勢 ・引き続きドネツク州ドネツク市から西方地域及びマリウポリ方 面を中心に停戦違反が継続。 ・7日、ドネツク州ホルリウカにおいて、OSCE特別監視団(S MM)要員が「DPR」関係者によって銃口を向けられ地面に 伏せるよう命令される事案が発生。 ・16日、マルインカにおいてSMMの車両が砲撃を受ける事 件が発生。 ・27日、フーグSMM副団長は、SMMはドネツク州のウクラ イナ・ロシア間国境へアクセスすることができたが、ルハンス ク州の国境にはアクセスできていない、SMMは常に国境へ のアクセスを妨害されている旨発表。 ▼三者コンタクト・グループ及びノルマンディ・フォーマッ ト動向 ・11日、グルィズロフ三者コンタクト・グループ・ロシア代表(露 安全保障会議常任メンバー)がキエフを訪問し、ポロシェンコ 大統領、クチマ元大統領及びサイディックOSCE特別代表と 会談。 ・13日、ポロシェンコ大統領は、メルケル独首相及びオランド 仏大統領の三者電話会談を実施。 ・13日、ミンスクにおいて三者コンタクト・グループ会合が開 催。 ・18、19日、ポロシェンコ大統領及びヤツェニューク首相は、 ホイスゲン独首相顧問及びオディベル仏大統領顧問と会談。 ・20日、ミンスクにおいて三者コンタクト・グループ会合が開 催。 ・27日、ミンスクにおいて三者コンタクト・グループ会合が開 催。 ▼クリミア情勢 ・16日、ウクライナ南部ヘルソン州において、全世界クリミア・ タタール人大会調整会合が開催。 ・17日付でウクライナ大陸側からクリミア半島への物流禁止に 関する閣議決定が発効。 ・21日、被占領下のシンフェローポリ市キエフ地区「裁判所」 は、ジェミレフ大統領全権(最高会議議員)を、本人不在のま ま、拘禁形態の予防措置を行う「判決」を発表。これを受け、 同日、べーツァ・ウクライナ外務省広報官は、同不在逮捕をク -1- ウクライナ月報16-01 リミア・タタール人に対する看過し得ない弾圧であり、占領「政 権」を非難する旨発表。 ・6日の国家統計局の発表によれば、2015年のインフレ率 は43.3%であり、過去20年間で最大となった。 ・13日の国家統計局の発表によれば、2016年1月1日時点 での外貨準備高は約133億ドル。 ・22日の国家統計局の発表によれば、2015年、工業生産 高は13.4%減。なお、2014年、工業生産高は10.7% 減。 ・28日、中央銀行は、2016年のGDP成長率予測を2.4% から1.1%に下方修正。また、これは予想を上回るコモディ ティ価格の下落、世界経済の成長見通しの悪化、ロシアによ る貿易制限措置及びトランジット輸送の禁止に起因する旨 指摘。 して、CIS自由貿易協定の枠組みでのウクライナ・ロシア間 のDCFTAを破棄。 ・4日、ロシアは、1月1日付の大統領令に基づき、ウクライナ 製品のロシア領を経由するトランジット輸送を禁止。 ・10日、ウクライナはロシアに対し、更にロシア製品(主に食 料品)に対する禁輸措置を発効。 ・15日、ロシアによるウクライナ製品のトランジット輸送の禁 止措置を受けて、オデッサ州のイリチウスク港から(ロシアを 迂回して)グルジア、アゼルバイジャン、カザフスタン(黒海・ カスピ海経由)を通って中国に至る列車の試験運行が開始。 31日、カザフスタン・中国国境のドストゥイク駅に到着。 ・29日、アブロマヴィチュス経済発展・貿易相は、カナダとの FTAに関する協議が終了し、また、現在、イスラエル及びト ルコともFTAに関する協議を加速していく旨発言。また、本 年はカナダに初めてウクライナ人が訪れてから125周年の 節目であり、本年中にFTAを署名するべきである旨指摘。 ▼経済改革 ▼天然ガス関連 ・1月1日より、2015年2月から一時的に導入されていた輸 入課徴金の制度が撤廃された(2015年12月26日、ポロシ ェンコ大統領が、2015年12月24日付の法律第912ー8号 「対外経済活動の促進に関する法律」に署名)。 ・27日、閣僚会議は、国営銀行「ウクルエクシムバンク」の再 資本化に100億フリヴニャ、同じく「オシチャドバンク」の再 資本化に50億フリヴニャを投入する旨決定。これは、2015 年に実施された銀行のストレス・テストの結果に基づく。 ・28日、民営化に関する法案が最高会議の第一読会で採択。 アブロマヴィチュス経済発展・貿易相は、最高会議は大規模 な企業の民営化に関する重要な一歩を踏み出した旨指摘。 ・19日、デムチシン・エネルギー石炭産業相は、ウクライナ は、ロシアのガスのトランジット価格を見直した結果、現行の 価格より50%高い4.5ドル/100キロメートルになる旨発 言。ま ・20日、デムチシン・エネルギー石炭産業相は、ウクライナ は、1月にロシアのガスを購入する可能性は無が、2月の末 であれば検討する余地がある旨発言。また、現在、ウクライ ナは、欧州から190ドル/千立米で購入しており、ロシアの 提示する価格より安価である旨指摘。 2.経済 ▼マクロ経済 ▼IMF ・21日、ダボスで、ポロシェンコ大統領、ヤレスコ財務相、ホ ンタレヴァ中銀総裁は、ラガルドIMF専務理事と会談。ポロ シェンコ大統領は、会談を受けて、現在、IMFと将来のメモ ランダムの締結に向けて協議している段階であり、2月にも 第3トランシュを受領出来ると期待している旨発言。 ▼ロシア債務問題 ・1日、ロシア財務省は、いわゆるロシア債務(2015年12月 満期の約30億ドルの債務)を期限内に支払わなかったとし て、ロンドンの国際仲裁裁判所にウクライナを提訴する旨発 表。 ・5日、ウクライナ財務省は、他の債権者と同じ条件での債務 リストラが出来るよう、ロシアと誠意を持って交渉を継続する 旨発表。 ▼対外貿易 ・1日、ウクライナ・EU間のDCFTAが暫定発効。ロシアは、 これに対する報復措置として、ウクライナ産の農作物、原料 及び食料品の一部に対する輸入禁止措置、及びCIS自由 貿易協定の枠組みでのロシア・ウクライナ間のFTを破棄。 ・2日、ウクライナは、ロシアの報復措置に対する対抗措置と ▼クリミア半島への電力供給 ・14日、ポロシェンコ大統領は、ウクライナは、クリミアはウク ライナの領土であると明記された場合のみ、クリミア半島へ の電力供給に関するロシアとの新規契約に署名する旨発 言。 ▼対ウクライナ支援 ・24日、ポロシェンコ大統領は、ダボスでのシュナイダー= アマン・スイス大統領との会談を受けて、スイスと、ウクライナ の外貨準備を補填するための2億ドルの支援に合意した旨 発言。 3.防衛 ▼米国のウクライナ軍への通信器材等供与 ・17日、米国は、ボリスピリ空港において、2,300万ドル相 当の軍事通信器材及び医療機器をウクライナ側に提供。通 関後、ヤヴォリウとフメリニツキーにおいて米国主導による訓 練に参加しているウクライナ軍に供与される。 ▼英国のウクライナ軍への衛生救急器材供与 ・18日、ファロン英国防相は、ウクライナ軍に対して約50万 ポンド相当の衛生救急器材を供与すると発表。英国は、これ までも衛生救急器材、野外天幕及び防寒具をウクライナ軍 に供与している。 -2- ウクライナ月報16-01 (了) -3- ウクライナ月報16-01
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