パレスチナ YWCA 支援ニュースレター

パレスチナ YWCA 支援ニュースレター
No.15
2005 年 3 月
発行:日本 YWCA 国際部
パレスチナ YWCA 支援プロジェクト
東京都千代田区九段南 4-8-8
TEL:03-3264-0661 FAX:03-3264-0663
E-mail:azuma@ywca.or.jp
◆パレスチナから―パレスチナ YWCA インターンのある一日―
「絶望の中に見つけた希望」
ラマラから YWCA のセンターがあるジャラゾーン難民キャン
プに向かいました。まっすぐ行くことができれば車でほん
の数分の距離です。でもそういうわけにはいかないのです。
ラマラとジャラゾーンの間にはイスラエル人入植地がある
ので(そう、西岸地区の真ん中に、です)、車で 30 分近く
かかります。ジャラゾーンの YWCA 保育園にはかわいい子ど
もたちが通ってきています。ジャラゾーン YWCA は子どもた
ちにパレスチナ人としてのアイデンティティ、人間として
の価値や尊厳を与えることを目的としたプログラムも行っ
ています。
途中、いくつもの入植地が見えました。入植地の周りには
必ずそこにつながる道路があり、その道をパレスチナ人が
利用することはできません。入植地を見ているうちに、入植地は必ず丘の上にあることに気がつきました。暗くな
ると周囲がライトアップされ、UFO のように見えます。また、入植地はパレスチナ人居住区と異なり緑でいっぱいで
す。当然、水をたくさん使うことができるからです。
この日、エルサレムに戻っていくつかのミーティングがあるはずでした。総幹事のアブラさんと常任委員の方々と
のミーティングのあと PENGON という団体の方のお話しを聴く予定でしたが、チェックポイントが閉鎖されて来られ
なくなりました。ここでは厳しい移動制限があり、このようなことは珍しくありません。このような状況の中、パ
レスチナの人々がなぜ明るくしていられるのか不思議です。友人のひとりはパレスチナの人々はこれまで出会った
中で最も平和的な人々だと言っていました。ノルウェーなどのメディアから受ける印象とは全く異なります。ここ
で生きている人々の状況からすれば、インティファーダ(民衆蜂起)など小さなものです。平和を愛する人々がた
だ平和を望んでいるだけなのです。パレスチナには希望などないように思えます。しかし私は YWCA に希望を見まし
た。ジャラゾーン YWCA の子どもたちがアイデンティティプログラムで描いていた絵です。絵には分離壁やフェンス
が描かれていましたが、その絵の隅には飛んでいる鳥や平和の象徴である鳩がメッセージをくわえている姿が描か
れていたのです。
【文・写真(原文英語):パレスチナ YWCA インターン ハンナ・トメルスタッド(ノルウェーYWCA)】
◆日本 YWCA 国際部パレスチナ YWCA 支援プロジェクト―私たちがパレスチナの平和のためにできること―
① パレスチナで起きていることを知る・伝える
日本 YWCA 国際部ではパレスチナの現状を伝える写真やビデオの貸し出しを行っています。展示会や勉強会に
ご利用ください。また、占領下の様子やパレスチナ YWCA の活動を伝えるポストカードを販売しています。
② パレスチナ YWCA の活動を支える
占領下のパレスチナで女性や子どものためにさまざまなプログラムを行っているパレスチナ YWCA の活動を支
えてください。寄付はもちろん、絵やメッセージを贈ってパレスチナ人々を支えることができます。
③ パレスチナ YWCA の商品を通して
移動が厳しく制限されているパレスチナでは商品の流通が滞り、収入が激減した人がたくさんいます。パレス
チナの上質なオリーブ油、オリーブ油せっけんを使ってみませんか?オリーブ木の工芸品や雑貨を飾ってみま
せんか?オリーブの木とともに生きるパレスチナの人々の生活を助けることができます。
※お問い合わせは日本 YWCA 国際部まで
◆ガザで起きていること
ガザの学校で 10 歳の女の子が射殺される
ノラン・イヤド・ディーブは国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営するラファの“B”学校の児童でし
た。校庭で遊んでいた 10 歳のノランは 1 月 31 日午後、射殺されました。銃弾はイスラエル軍管理下の国境付近か
ら発砲されたもので、ノランの顔を撃ち抜いたのです。アイシャ・イサム・エルカティブもそのとき発砲された銃
弾で手にけがを負いました。
この 2 年間で子どもがガザで UNRWA が運営する学校内で殺されたり、重症を負った事件は 5 件目です。2004 年には
ラファとカン・ヨウニスの事件で 2 人の女の子が殺されました。2003 年の 3 月にはカン・ヨウニスで、幼い女の子
が一生目が見えなくなるけがを負っています。
UNRWA はイスラエル軍の無差別な発砲に対し繰り返し抗議してきました。ラファの“B”学校は国境から 800 メート
ルしか離れておらず、紛争が始まって以来、数え切れないほど銃撃を受けてきましたが、射殺されたのはこれが初
めてでした。
UNRWA のピーター・ハンセン事務局長は今回の事件について次のように話しています。「和平に向けてよい兆候があ
るにもかかわらず、罪のない子どもたちが殺される占領の事実と非道な武器の使用に、強い危機感を覚えずにはい
られません。
」
【UNRWA Press Release 31 January 2005 より】
◆ 植樹の季節を迎えたパレスチナからの報告
2004 年 12 月~2005 年 3 月まで、3 回目となったオリーブの木キャンペーン
の植樹が行われています。世界各地の YWCA や YMCA、教会などからの寄付に
より、今回は 6,600 本のオリーブの木を植樹することができる予定です。
オリーブの苗木はイスラエル軍によって木々が根こそぎ破壊された畑や、
イスラエル軍による土地の没収の危機にさらされている場所などに植えら
れています。オリーブの木キャンペーンでは 5 万本を植えることを目標と
しています。この 3 回で合計 12,600 本が植樹されます。
[写真:オリーブの苗木]
毎回、新しい畑に植樹しています。今回は初めてラマラにある畑に植樹を
行いました。東エルサレム、へブロン、ナブルス、ベツレヘムにある畑
など、全部で 30 ヶ所の畑に苗木が植えられました。
2 月 5 日と 3 月 5 日の 2 日間は、世界各地からのボランティアとともに植
樹を行いました。2 月 5 日の植樹は残念ながら中止となりました。イスラエ
ル兵が、植樹を予定していた畑のオーナーがそのオリーブ畑へ立ち入るこ
とを禁止したためです。その畑はイスラエル兵による没収の対象となって
いるからでしょう。しかし、第 2 回目は大きな成果をあげました。ベツレ
ヘムの南東にあるアル・ノマン村で 100 人近くのボランティアが植樹を行
いました。
[写真:オリーブの木の寄付者氏名が刻まれた
プレート。日本からの寄付者の名前も並ぶ]
アドボカシー・イニシアティブのスタッフ一同、オリーブの木キャンペー
ンへの取り組みをサポートしてくださる皆様に心から感謝申し上げます。
皆様がサポートしてくださることで、パレスチナの人々は希望を持ち続け
ることができるのです。
【Olive Tree Campaign –Newsletter, March 2005 より抜粋】
オリーブの木キャンペーン
1 口 3000 円でオリーブの木 1 本を贈ることができます。
*寄付者には証明書が発行され、植樹された場所にはプレートに寄付者の名前が刻まれます。
<振込先>
(郵便振替) 日本キリスト教女子青年会 口座番号:0170-7-23723
*パレスチナ YWCA による証明書発行のため、振替用紙に氏名・住所のふりがなまたはローマ字表記を必
ずご記入ください