「キモキャラ」浸透の背景 - Info Shako

「キモキャラ」浸透の背景
~認知度と好感を抱く動機~
指導教員:石井 健一
筑波大学理工学群社会工学類
社会経済システム専攻
200811302
蔭山 奈央
目次
第1章
研究目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
1.1
背景
1.2
事前調査
1.3
仮説設定
第2章
研究方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
第3章
結果と考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
3.1
アンケート調査結果の概要
3.2
仮説の検証
3.2.1
仮説1の検証
3.2.2
仮説2の検証
3.2.3
仮説に用いた尺度の性別による差異
第4章
結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
参考文献・資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
付録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
謝辞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
2
第1章 研究目的
1. 1
背景
「キャラクター」とはギリシャ語が語源であり、フィクションの登場人物を指す語とし
て英語圏では1749年あたりから一般的に使われるようになった(小田切、2008)。古くから
大衆エンターテイメントとして親しまれ、様々なメディアを通じて拡大してきたキャラク
ター市場だが、2005年度をピークにその市場規模は減少傾向にある。矢野経済研究所が発
表した「キャラクタービジネスに関する調査結果 2011」によると、キャラクター市場を取
り巻く環境は、人口の減少と少子高齢化が続いていることから、今後も市場規模は徐々に
減少していく傾向には変わりはないが、その対応策として、子供だけでなく大人をターゲ
ットにした商品展開に切り替え、その勢いを緩和させているという。
子供から大人まで世代を問わず、近年人気となっているのが、「ゆるキャラ」・「キモ
キャラ」といわれるものである。2007年に登場した、滋賀県彦根市の彦根城築城400年記念
キャラクターである「ひこにゃん」や、2006年に刊行された子供向け絵本の「こびとづか
ん」に登場するキャラクター等がその代表的なものとなる。この「ゆるキャラ」・「キモ
キャラ」という単語は、テレビやネット上でも目にする機会が多くなり、それらは「ゆる
い」「きもかわいい」といった言葉で表現されている。これまで「かわいい」・「かっこ
いい」などと、憧れを象徴した言葉で表現され、人気を博してきたキャラクターとは異な
った動機で好まれていると考えられるこれらのキャラクターについて、非常に関心をもっ
た。特に「キモキャラ」については、「気持ち悪い」と言われながらも関連商品売れるな
ど人気となっており、木村(2008)がいう「なりたい自分の象徴」という理由では説明し
きれない。
本研究では、その「キモキャラ」と呼ばれるものが如何なる理由で人気となったのかを
解明することを目的とする。消費者がキャラクターに求めるものには、精神的機能と対人
的機能が考えられる。キモキャラを好む人々が、どのような機能をより重視しているのだ
ろうか。また、これまで長年親しまれ、現在でも変わらない支持を得ているディズニーや
サンリオのキャラクター等とは区別されたカテゴリとして考えられているのか、その認識
のされ方についても触れていく。
ここで、本研究で用いる「キモキャラ」の定義だが、キャラクターのもつ意味・内面・
図像のいずれかにおいて、提供者もしくは受領者から「気持ち悪い」
・
「きもかわいい」
・
「き
もい」という評価を得ているものとする。また、キモキャラと比較するキャラクターには、
ボイス情報株式会社「ライセンスキャラクター消費者調査2011」の「フリーアンサー
で挙がった、1位に好きなキャラクターランキング」より、上位18位からランダムに8個
のキャラクターを選択し、「一般人気キャラクター」としている。
1. 2
事前調査
事前調査として、キャラクターの中でも「キモキャラ」を好む大学生を対象に、インタ
ビューを行った。インタビューは男女1人ずつ、計2人に対して、約30分間程度の時間
3
で行った。内容は、16個のキモキャラの画像を見て、それらをグループ分けし、それぞ
れについての印象を答えてもらう他、キモキャラを好きな理由・好きになったきっかけ等、
キモキャラに関する被験者自身のことについても尋ねた。被験者A(男性)は 2011/08/27、
被験者B(女性)は 2011/08/28 に調査を実施した。
そのインタビューから得た両者の特徴をまとめているのが、次の表 1.2 である。
表 1.2
インタビュー調査結果
好きなキモキャラ
重視するポイント
好きになったきっかけ
(男性)
ムッシュ熊雄
持っている人が少ないこと
同情する部分に共感したこと
被験者B
エイリアン
ストーリーがあり、内面が
(女性)
(リトル・グリーンメン)
感じられること
被験者A
動画内でみられた人間性
被験者Aは、アルバイト先が雑貨屋ということもあり、キャラクター商品に触れる機会
も多く、様々な種類のキャラクターやその商品カテゴリを見ている。その中で、自ら購入
するか判断する基準となるのが、話題性と自身のキャラクターへの愛着度である。キャラ
クターへの愛着は、キャラクターがもつマイナスポイントに対して同情し、それを自分と
重ねることからうまれると言う。ゆえに、人々から「気持ち悪い」とマイナスに感じられ
るキモキャラに好感を抱くのであろう。また、そのようなキモキャラ商品でも、人が持た
ないようなもの、かつ、人の眼に着くものを持ちたいとも話す。以上の内容から、キモキ
ャラを好む理由として、独自性・話題性といった対人的動機が大きいと考えられる。
一方被験者Bは、キャラクターを好きになる時は、いつもその内面が重要となっている。
外見だけのものには魅力を感じず、映画等の動画内で、キャラクターに人間性が見られる
と好感を抱く。それと同時に、平面的に描かれているキャラクター商品には興味が湧かな
いという。立体的に描かれているものの方が、好感をもっている「動画内のイメージ」に
近いからである。さらに、動画内のキャラクターの中でもキモキャラに魅かれるのは、「人
間の悪の部分をキモキャラが表現してくれている」と感じていることが理由にある。被験
者Bがキモキャラを好む理由は、キモキャラが持つマイナスの人間性にあるのであろう。
被験者A・被験者Bの両者の意見からは、その共通性はあまりみられない。しかし、小
田切(2010)がいうように、人々がキャラクターを「意味」、「内面」
、「図像」の三要素か
らなる複合体と考えているならば、被験者Aは「図像」を、被験者Bは「内面」を重視し
ていると考えられる。見た目だけで判断がつく「図像」に魅力を感じる被験者Aは、他人
の反応を求め、一見では理解しきれない「内面」を重視する被験者Bは、対人的ではなく
個人的満足感を得るものとして好感を抱いているのであろう。
1. 3
仮説設定
事前調査から得られた情報を整理すると、キモキャラを好む人の中でも、そのマイナス
の「内面」を好きな人は、物語の中でみられる憎めない人間性に触れることで個人的満足
感を得ている。また、キモキャラのマイナスの「図像」を好む人は、そのキャラクターを
介して、他人に対する自己主張やコミュニケーションに繋げようという意思がある、とい
4
うことになる。
以上のことから、「キモキャラ」が好まれる動機として、今回は2つの仮説を設定した。
・仮説1「キモキャラを好む人は、そのマイナスイメージの人間味に好感を抱いている」
・仮説2「キモキャラを持つことで、自らの独自性を表現し、コミュニケーションの手段
としている」
第2章 研究方法
第1章で立てた仮説を検証するために、質問紙(アンケート)による量的調査を行った。
内容は、キモキャラの認知と好感を抱く動機について、被験者自身の考えを問うものであ
る。また、追加調査として、アンケートに用いたキャラクター同士の類似度を比較するた
めの調査も行った。(類似度調査)
<アンケート>
質問紙に載せられるキャラクターに限りがあることと、年代によって好まれるキャラク
ターが異なってくることから、今回の調査対象は大学生(大学院生含む)とした。男女比
に差が出ないようにしたかったため、自らも所属し、男女の人数差が少ないことが分かっ
ている筑波大学文化系サークルの社会福祉研究を中心に協力してもらい、質問紙を配布し
た。協力して頂いた団体名と実施日は、
「愛児園」
(2011/11/16)、
「窓愛園」
(2011/11/18)、
知的障害者スポーツ支援「スポーティア」(2011/11/11)である。いずれも、サークル活
動前に配布し、活動後に回収するかたちをとった。
回収結果は以下の通りである。
・回収率:100 部配布、87 部回収(回収率 87%)
・男女比:男性 40 人(46%)、女性 47 人(54%)
・学年比:
学年
1
2
3
4 院1
院2
人数
15
25
19
26
0
2
%
5.7
9.6
7.3
10
0
0.8
仮説を検定する尺度の分析結果
質問紙の質問項目では、1~10問目で「キャラクターに人間性・人格を感じているか」を、
11~20問目で「キャラクターのマイナスイメージを好ましく感じているか」を、21~30問
目で「変わったキャラクターの個性を自らの独自性としているか」を、31~40問目で「キ
ャラクターをコミュニケーションの手段として利用しているか」を確認している。(※付録
にて質問紙参照)それら10問ごとの信頼性分析の結果は以下の通りである。
5
表 2.1
尺度の信頼性分析
尺度名
人間性を
マイナスイメ
感じる
ージを好む
α係数
0.763
0.784
コミュニケー
独自性とする
ション手段
0.776
0.847
全4項目において、α>0.7 を満たしたので、信頼度の高いものといえる。
被験者には、各質問に対して、1=とても思う、2=少し思う、3=あまり思わない、4
=全く思わない、の4段階で回答してもらっているため、第3章以降の分析では、10問
ごとに合計値をとり、
「キャラクターに人間性・人格を感じているか」
「キャラクターのマイナスイメージを好ましく感じているか」
「変わったキャラクターの個性を自らの独自性としているか」
「キャラクターをコミュニケーションの手段として利用しているか」
を指標とする。
したがって、合計値が低いほど各項目に対する評価は高いことになる。
<類似度調査>
アンケート同様、調査対象は筑波大学生(大学院生含む)とし、計 23 人に行った。被験
者には、私が立ち会いのもと、アンケートで使用したものと同じキャラクター画像ページ
をみて、その中からそれぞれ「1番似ているキャラクター」と「2番目に似ているキャラ
クター」を別用紙に記入してもらった(※付録にて調査用紙参照)。
このデータを用いて二つのキャラクター、キャラクターi とキャラクターj の類似行列 Sij
を次のように定義した(Σは回答者 k=1,...23 についての和をとる)。
Rij=Σ(回答者 k がキャラクターi に対してキャラクターj を 1 番目または 2 番目に似たキ
ャラクターと回答した場合=1、それ以外=0)
さらに、転置行列との和をとることで対称行列である類似行列 Sij を定義した。
Sij=Rij+Rji
こうして定義されたのが表 2.2 の類似行列データである。
6
表 2.2
多次元尺度に用いた類似行列データ
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11 12
13
14 15
16
モ
キ
ミ
ャ
ッ
ス
ラ
ド
キ
ヌ
ク
ア
ー
ー
タ
ラ
マ
ピ
ー
ウ
ー
名
ス
こ
ム
び
ガ
ッ
と
ン
シ
づ
ダ
ュ
か
ム
熊
ん
雄
リ
ラ
ッ
ク
マ
ま
り
も
っ
こ
り
く
ウ
せ
ま
サ
ん
の
ビ
と
プ
ッ
く
ー
チ
ん
さ
シ
ー
マ
ン
ハ
リ
ロ
ゾ
ス
ル
ー
ー
テ
フ
・
と
ィ
ィ
キ
キ
ッ
テ
ッ
チ
ィ
コ
ん
ロ
1
0
19
4
2
8
11
3
10
6
13
2
1
9
3
0
8
2
19
0
20
0
2
0
7
4
2
2
12
0
7
20
0
21
3
4
20
0
0
0
2
26
0
0
0
14
1
0
26
4
3
4
2
0
0
0
0
7
0
16 10
11
0
39
3
0
9
0
5
8
2
0
0
0
7
0
1
1
8
0
0
35
2
1
1
6
11
0
2
7
7
0
17
5
15
5
10
1
3
0
9
3
7
3
7
26
0
0
17
2
1
0
2
29
1
1
11
9
4
8
10
4
0
16
1
5
1
0
7
20
1
10
3
0
24
2
9
6
2
0
10
1
15
0
7
0
3
3
6
0
1
18
5
10
13
2
0
11
8
5
2
20
3
2
2
17
5
0
5
4
11
2
12 14
0
0
10
29
1
3
2
0
0
0
7
1
15
12
1
0
1
39
0
1
1
10
6
17
0
0
0
0
1
0
13
9
7
0
3
35
3
1
3
0
5
0
0
0
1
1
4
14
3
20 26
0
2
0
11
0
1
0
7
0
1
0
1
12
15
0
0
4
9
1
9
9
24 18
5
1
1
1
1
0
4
16
8
21
3
0
1
3
4
4
15
0
4
12
4
0
2
5
この類似行列を用いて 3 章では多次元尺度分析を行った。
7
第3章 結果と考察
3.1
アンケート調査結果の概要
仮説の検証に入る前に、アンケートの結果から見えてきた「キモキャラ」に関する認知
や、好まれる動機について分析した。また、類似度調査から、「キモキャラ」と「一般人気
キャラクター」が本当に区別されたカテゴリとして見られているかについても検証してい
る。この質問紙上の「キモキャラ」とは【ドアラ、こびとづかん、ムッシュ熊雄、まりも
っこり、ウサビッチ、せんとくん、シーマン、モリゾーとキッコロ】であり、「一般人気
キャラクター」とは【ミッキーマウス、スヌーピー、ガンダム、リラックマ、くまのプー
さん、ルフィ、ハロー・キティ、スティッチ】である。
<キモキャラの認知>
まず、「キモキャラ」というものが一般人気キャラクターと比べてどの程度好まれている
かを調べてみる。ランダムに並べられた、キモキャラ8個、一般人気キャラクター8個、
の計16個の中から、好きなキャラクター上位3つを選択してもらった。そのうち、少な
くとも1つ「キモキャラ」を選択していれば、キモキャラを好きな人とし、3つとも一般
人気キャラクターを選択した人は、一般人気キャラクターが好きな人と分類することにし
た。
結果は、以下のような割合となった。
表 3.1.1
キモキャラが好きな人と一般人気キャラクターが好きな人の割合
人数
χ2検定
%
キモキャラ
56
64.4
χ2=7.184
一般人気キャラクター
31
35.6
df=1
合計
87
100
p=0.007
表 3.1.2
男女のキモキャラが好きな人と一般人気キャラクターが好きな人の割合(%)
男性
χ2検定
女性
キモキャラ
72.5
57.4
χ2=0.147
一般人気キャラクター
27.5
42.6
df=1
合計
100
100
p=0.702
表 3.1.1 では、64.4%と、半数以上の人々がキモキャラを好きな人に分類されることが
分かった。カイ2乗検定でも、キモキャラが好きな人と一般人気キャラクターが好きな人の間
には統計的に有意な差があると確認された(p<0.01)
。男性・女性の中でもそれらの割合を
見てみたが、男性の 72.5%、女性の 57.4%がキモキャラに好感を抱いていることが分かる
(表 3.1.2)。男女の間には、統計的に有意な差がなかったこと(p>0.05)からも、キモキ
ャラが男女ともに好感を抱く存在となっていると考えられる。このように、性別に関係な
くキモキャラが好まれていることから、「キモキャラ」が筑波大学生にとって既に一般的な
8
ものとなっていることがいえるだろう。認知度が低い環境では、一般人気キャラクターが
好きな人の中に、「キモキャラ」を知らないから「一般人気キャラクター」を選択したとい
う人が多く含まれてしまうため、有効な結果が得られないが、今回の分析は認知度の高い
状態で行えるため、その事態を懸念する必要はないと考える。
次に、キモキャラが一般人気キャラクターに対して、より「気持ち悪い」と認識されて
いるかを調査した。キモキャラは、その見た目や内面について、「きもかわいい」と表現さ
れることが多い。一般人気キャラクターが単に「かわいい」と言われるのに対して、その
感覚に違いはあるのかを調査する。
被験者が選択した上位3つのキャラクターそれぞれに対して「可愛い」・「気持ち悪い」
の程度を、そう思う=1、ややそう思う=2、あまり思わない=3、全く思わない=4、
として表してもらった。
(質問紙2.1参照)
表 3.1.3
選択したキャラクターへの可愛さの程度
可愛い
そう思う
度数
キモキャラ選択
一般人気キャラクター
選択
表 3.1.4
ややそう
あまり
全く
思う
思わない
思わない
合計
36
29
8
8
81
%
44.4
35.8
9.9
9.9
100
度数
118
33
14
14
179
%
65.9
18.4
7.8
7.8
100
選択したキャラクターへの気持ち悪さの程度
気持ち悪い
そう思う
度数
キモキャラ選択
一般人気キャラクター
選択
%
度数
%
ややそう
あまり
全く
思う
思わない
思わない
合計
22
21
18
21
82
26.8
25.6
22
25.6
100
2
3
14
160
179
1.1
1.7
7.8
89.4
100
表 3.1.3 からは、キモキャラに対しても、一般人気キャラクターに対しても「可愛い」
と感じて選択している人が多いことが分かる。また、表 3.1.4 からは、一般人気キャラク
ター選択時に「気持ち悪い」と答えた人が 2.8%しかいないのに対して、キモキャラに対し
てはその 52.4%の人が「気持ち悪い」と感じていることが分かった。やはり、一般的に言
われるようにキモキャラは、気持ち悪さと可愛さとが混在した魅力があるのだろう。
これらの、
「キモキャラを選択時」と「一般人気キャラクター選択時」の、
「可愛い」
・
「気
持ち悪い」という感情の差異が有意であるかを、t検定で確かめてみる。
9
表 3.1.5
キモキャラと一般人気キャラクターの「可愛い」
「気持ち悪い」の程度
t値
可愛い
気持ち悪い
有意確率
2.187
p=0.030
10.584
p<.0001
「可愛い」は、p<0.05 で統計的に有意となり、「気持ち悪い」は、p<0.0001 で統計
的有意となる。よって、一般的キャラクターは、可愛さによって支持され、キモキャラは、
その気持ち悪さが好まれているのだといえる。また、「可愛い」の尺度に関して、キモキャ
ラ選択時と一般人気キャラクター選択時の差異はあったものの、キモキャラ選択の80%
以上の人が「可愛い」と感じている(表 3.1.3)ことから、キモキャラは「気持ち悪さ」≒
「可愛さ」と捉えられているようにも考えられる。いわゆる、「きもかわいい」というカテ
ゴリに分類されるのではないだろうか。
キモキャラの認知に関する分析の結果からは、キモキャラが一般人気キャラクターと区
別して認識されていることが分かる。可愛いから好まれるキャラクターとは異なる魅力が
キモキャラには存在するのだろう。その魅力が「気持ち悪さ」というマイナス点にあると
いうことも理解した上で、被験者はキモキャラを好きなキャラクターとして選択している
のである。木村(2008)の研究によると、
「好きなキャラクターはなりたい自分の象徴」で
あるともあるが、近年人気が出てきているキモキャラにもその説が当てはまるとは考えに
くい。
<キャラクター選択の動機>
ここでは、具体的にどのような理由でキモキャラが好まれているのか分析していく。ア
ンケート調査で、好きなキャラクター上位3つを選んでもらう際に、その理由についても
質問した。キモキャラを選択した場合と、一般人気キャラクターを選択した場合では、そ
れらを好意的に感じる動機が違うものとなるのではないかと考えた。
上位3つのキャラクターそれぞれについて、「a:癒される、b:おしゃれである、c:話
題性がある、d:人間性を感じる、e:一般的である、f:個性的である、g:奇妙である、h:
共感する、i:かわいい、j:かっこいい、k:面白い、l:怖い」の12項目から複数選択
してもらい、その結果をクロス表集計した。また、クロス表に出た値が有意なものである
か確かめるため、χ2検定も同時に行った。
10
表 3.1.6 キャラクター選択の動機に関するクロス表
キャラクター選択
カイ2乗検定
一般人気
尺度
キモキャラ
人数
癒される
%
人数
おしゃれである
%
人数
話題性がある
%
人数
人間性を感じる
%
人数
一般的である
%
人数
個性的である
%
人数
奇妙である
%
人数
共感する
%
人数
かわいい
%
人数
かっこいい
%
人数
面白い
%
人数
怖い
%
キャラクター
37
45
14.18
17.24
4
78
1.53
29.89
17
65
6.51
24.90
11
71
4.21
27.20
0
82
0.00
31.42
37
45
14.18
17.24
30
52
11.49
19.92
5
77
1.92
29.50
33
49
12.64
15.33
3
79
1.15
26.82
44
38
16.86
14.56
2
80
0.77
30.65
カイ2乗値
有意確率
1.422
0.233
1.953
0.162
1.574
0.210
0.057
0.811
31.191
p<.0001
52.048
p<.0001
46.630
p<.0001
0.034
0.854
19.773
p<.0001
8.224
0.004
49.085
p<.0001
1.750
0.186
(※カイ2乗検定:自由度 df=1)
表 3.1.6 の「有意確率」の列をみると、有意水準1%以下で統計的に有意となったのは、
次の6項目である。「一般的である」(χ2=31.191,df=1,p<.0001)、「個性的である」(χ
2
=52.048,df=1,p<.0001)、
「奇妙である」
(χ2=46.630,df=1,p<.0001)、
「かわいい」
(χ
2
=19.773,df=1,p<.0001)、
「かっこいい」
(χ2=8.224,df=1,p<.01)、
「面白い」
(χ2=49.085,
df=1,p<.0001)、これらの項目には、キモキャラを選択する動機と一般人気キャラクターを
選択する動機の間に有意な差が確認できた。
一般人気キャラクターの選択に対して高い数値を見せたのは、
「一般的である」
・
「かわい
い」
・
「かっこいい」の3項目である。
「一般的である」に関しては、一般人気キャラクター
11
選択者の約40%〈82/(82+125)〉の人がYESと答えた。また、「かわいい」は約47%
〈49/(49+55)〉、「かっこいい」は約34%〈79/(79+150)〉の人が一般人気キャラクターを
選択した理由としている。この結果から、一般人気キャラクターに、男性・女性の理想を
描いたものである“ヒーローもの”や“夢の国(ディズニー)のマスコット”などが含ま
れていることが、「かわいい」・「かっこいい」の項目の数値が高くなった要因ではないかと
考えられる。更に、一般人気キャラクターは、幼いころからテレビや漫画、ゲーム、テー
マパーク等で触れる機会も多く、「一般的である」≒「なじみ深いもの」として認識され、
好まれているのではないだろうか。
一方、キモキャラを選択する動機として有意となったのは、
「個性的である」
・
「奇妙であ
る」
・
「面白い」である。それぞれ、キモキャラ選択者の、74%〈37/(37+13)〉、約79%
〈30/(30+8)〉、約67%〈44/(44+23)〉の人がその動機としている。これらの3項目は、
いずれも高い割合の人が選択しており、キモキャラを好む理由として、「普通ではない」こ
とが重要なのではないかと考えられる。これまで一般的に、「気持ち悪い」の一言で表現さ
れていたキャラクターの、その気持ち悪さを「独自性」・「面白味」としてプラスに捉える
ように変化してきたのだろう。また、これまで「憧れ」を表現してきたキャラクター(一
般人気キャラクター)に対して、キモキャラの「奇妙さ」が人々にとって斬新奇抜な感覚
を与える存在であったことも、充実していたキャラクター市場の中でキモキャラの人気が
上昇した理由と考えられる。
<キャラクターの類似度>
キモキャラとそうでないものでは、互いの類似度が異なってくるのではないかという推
測のもと、アンケート調査とは別に類似度調査を実施した。(※調査用紙参照)16個そ
れぞれのキャラクターについて、1番似ているキャラクター、2番目に似ているキャラク
ターを選択してもらい、そのデータをもとに多次元分析(SPSSのALSCAL)を行
った。それらの分析結果(知覚マップ)は以下のようになった。
12
図3.1.6
キャラクター類似度に基づく多次元尺度分析
図からキャラクターは大きく3つの集団に分けられる。左側に集団となる【シーマン、
モリゾーとキッコロ、ウサビッチ、こびとづかん、まりもっこり、ムッシュ熊雄、せんと
くん】(集団1)。右側に集団をつくる【リラックマ、くまのプーさん、スヌーピー、ハロ
ー・キティ、スティッチ、ミッキーマウス】(集団2)。下方には【ドアラ、ルフィ、ガン
ダム】が集団となっている(集団3)。集団1は全て「キモキャラ」に属すキャラクターで
あり、集団2は全て「一般人気キャラクター」となった。このことから、次元1は【気持
ち悪い(-)⇔⇔⇔可愛い(+)】を表す尺度ではないかと考えられる。また、集団3に属す
るキャラクターは、ドアラ(球団マスコット)・ルフィ(海賊漫画キャラクター)・ガンダ
ム(戦闘ロボットアニメキャラクター)と、全て男性に人気の高いキャラクターであるこ
とから、縦軸は下方(マイナス)に向くほど男性に人気なものである。よって、次元2は
【男性人気(-)⇔⇔⇔女性人気(+)】と解釈できる。
集団1と集団2が、はっきりと「キモキャラ」と「一般人気キャラクター」に分かれて
いることからも、両者が区別されたカテゴリとして認識されていることが言える。また、
次元2のプラス側にキモキャラが偏っていることからは、キモキャラが比較的、男性より
も女性に好まれる傾向があると考えられる。この理由としては、キャラクターに「かっこ
よさ」を求める割合が男性には多いからではないだろうか。そのような男性は、気持ち悪
さを含んでいるとはいえ、可愛いという評価も共に得ているキモキャラを敢えて好きなキ
ャラクターとして選択しないのだろう。
13
3.2
仮説の検証
3.2.1
仮説1の検証
第1章では、仮説1を「キモキャラを好む人は、そのマイナスイメージの人間味に好感
を抱いている」と立てた。この仮説を検証するために、前章で信頼性を得た変数[人間性を
感じる],[マイナスイメージを好む]を使用する。
各変数は、
①「キャラクターに人間性・人格を感じているか」(以下、「人間性感覚」)
②「キャラクターのマイナスイメージを好ましく感じているか」(以下、「マイナスイメー
ジ選好」)
a 「キモキャラを好きな人であるか一般人気キャラクターが好きな人であるか」
○
a を独立変数としてそれぞれt検定を行った。
を表している。①、②を従属変数、○
表 3.2.1
好みのキャラクター別の人間性感覚とマイナスイメージ選好の差異
尺度
キモキャラ
一般人気キャラ
(N=56)
クター(N=31)
t値
有意確率
人間性感覚
18.91
21.03
-2.102
0.038
マイナスイメージ選好
22.11
22.94
-2.604
0.011
表 3.2.1 より「キャラクターに人間性・人格を感じているか」に関しては、t(85)=-2.102,
p<0.05 となる。よって、キモキャラを好む人と一般人気キャラクターを好む人の間に、統
計的に有意な差があることがいえる。また、「キャラクターのマイナスイメージを好まし
く感じているか」に関する結果は、t(85)=-2.604,p<0.05 となり、同様に、キモキャラを
好む人と一般人気キャラクターを好む人の間に、統計的有意な差がみられた。また、表か
ら、[人間性を感じる],[マイナスイメージを好む]の尺度はともに平均値がキモキャラを好
む人のほうが低い(評価が高い)ことが分かる。
以上の結果から、キモキャラを好む人ほど、キャラクターのもつ人間味やマイナスイメ
ージを好ましく思っていることが分かる。したがって、「キモキャラを好む人は、そのマ
イナスイメージの人間味に好感を抱いている」という仮説1は採択される。キモキャラは、
その見た目だけでなく、性格や動きの奇妙さから「きもかわいい」などといわれている。
キモキャラを好きな人にとっては、キモキャラのもつ「見た目+α」のαの部分が重要で
あり、それが、人間味を含んだ性格であったり、「憧れ」とは対極にあるマイナス部分なの
だろうと考えられる。ドアラ・せんとくんの体格やこびとづかん・シーマンの顔、ムッシ
ュ熊雄のセリフなど、キモキャラの描き方に人間的要素が多く含まれているは、そのこと
が理由としてあるのかもしれない。
3.2.2
仮説2の検証
ここでは、仮説2「キモキャラを持つことで、自らの独自性を表現し、コミュニケーシ
ョンの手段としている」を検証していく。仮説1同様、前章で信頼性分析を行った変数[独
14
自性とする],[コミュニケーション手段]を使用する。
各変数は、
③「変わったキャラクターの個性を自らの独自性としているか」(以下、「独自性とする」)
④「キャラクターをコミュニケーションの手段として利用しているか」(以下、
「コミュニケ
ーション手段」)
a 「キモキャラを好きな人であるか一般人気キャラクターが好きな人であるか」
○
a を独立変数としてそれぞれt検定を行った。
を表している。③、④を従属変数、○
表 3.2.2 キモキャラを好む人と一般人気キャラクターを好む人の[独自性とする],[コミュ
ニケーション手段]の差異
尺度
キモキャラ
一般人気キャラ
(N=56)
クター(N=31)
t値
有意確率
独自性とする
26.32
28.03
-1.514
0.134
コミュニケーション手段
25.66
27.45
-1.472
0.145
表 3.2.2 より「変わったキャラクターの個性を自らの独自性としているか」・「キャラク
ターをコミュニケーションの手段として利用しているか」の結果は、p>0.05 となり、双方
ともに、統計的に有意な差はみられなかった。したがって、「キモキャラを持つことで、
自らの独自性を表現し、コミュニケーションの手段としている」という仮説2は棄却され
る結果となった。
この結果から、キモキャラは他人に対して何かを表現したり、他人と関わりを持つため
のツールとしては意識されていないことが分かった。また、表の[独自性とする]、[コミュニケ
ーション手段]の平均値から分かるように、キモキャラを好む人も一般人気キャラクターを好
む人も、どちらも値が高くなっている(評価が低い)ことから、全体として、キャラクタ
ーを対人的動機で選択していないことがいえる。キャラクターの存在や価値観を他人と共
有することよりも、個人的に楽しむ傾向にあるのではないかと考えられる。
3.2.3
仮説に用いた尺度の性別による差異
3.2.1と3.2.2で行った仮説の検証では、仮説1は採択され、仮説2は棄却さ
れた。それらの分析に用いた尺度(TOTAL1~TOTAL4)が、性別の違いによって有意な差を
うむのか、検証してみる。
各変数を、
①「人間性感覚」
②「マイナスイメージ選好」
③「独自性とする」
④「コミュニケーション手段」
b 「性別」
○
b を独立変数としてそれぞれt検定を行った。
と定義し、①、②、③、④を従属変数、○
15
表 3.2.3
男女間の各尺度の差異
尺度
男性(N=40)
女性(N=47)
t値
有意確率
独自性とする
18.93
20.30
-1.396
0.166
コミュニケーション手段
22.80
23.38
-0.538
0.592
独自性とする
26.85
26.98
-0.121
0.904
コミュニケーション手段
24.85
27.53
-2.336
0.022
表 3.2.3 から分かるように、
「キャラクターに人間性・人格を感じているか」、「キャラク
ターのマイナスイメージを好ましく感じているか」、「変わったキャラクターの個性を自ら
の独自性としているか」の3項目には、p>0.05 であるため、統計的に有意な差はない。一
方、「キャラクターをコミュニケーションの手段として利用しているか」に関しては、t
(85)=-2.332,p<0.05 と、5%水準で統計的有意となった。また、表における[コミュニケー
ション手段]の平均値をみると、男性の方が低い値(評価が高い)となっている。したがって、
男性と女性のキャラクターに対する認識の違いは、
「男性は女性よりもキャラクターをコミ
ュニケーションの手段とする傾向がある」ということになる。
この結果には、今回のアンケート対象者が大学生という年齢層に限られたことが影響し
ているのではないかと考える。個人的に楽しむための小物等を購入する女性に対して、男
性は、仲間内で楽しむゲームを購入するなど、周囲を盛り上げるためのものという視点で
キャラクターを選択しているのかもしれない。
第4章 結論
本研究では、その「キモキャラ」と呼ばれるものが如何なる理由で人気となったのかを解
明することを目的とし、そのために、大きく2つの仮説を設定していた。また、それらの
仮説の検証を進める前に、「キモキャラ」が人々にどのように認識されているのかという
意識調査についても分析している。ここでは、これらの分析結果についてまとめ、考察し
ていきたいと思う。
まず、キモキャラがどの程度人々に浸透しているかであるが、今回の対象者の半数以上が
キモキャラを好んでいるという結果となり、少なくとも大学生の年代の人々にとっては一
般的なものとなっていると考えられる。しかし、可愛さによって支持されているディズニ
ーキャラクターのような一般人気キャラクターとは違い、キモキャラは、その気持ち悪さ
というマイナス面を認識された上で好まれていた。この認識を裏付けるものとして、キモ
キャラを好む人は、その動機に「個性的である」・「奇妙である」・「面白い」といった、一
般的とは対極にある項目を選択している。ゆえにキモキャラは、マイナス部分(気持ち悪
さ)をもつことで、一般的なものとは異なるカテゴリとして認識され、人々の「差別化」
の心理に共鳴していると考えられる。一方、一般人気キャラクターを好む人々は「一般的
である」
・
「かわいい」
・
「かっこいい」という理由でキャラクターを選択しており、
「差別化」
16
のキモキャラに対して「同調」という人々の心理に働き掛けているのだろう。追加で行っ
た類似度調査の結果(表 3.1.6)からは、キモキャラと一般人気キャラクターが全く異なっ
たカテゴリとして認識されているということが見て取れる。しかし、ここで注意しなけれ
ばならないのが、キモキャラの中でも男性人気の強いものは一概に同様の動機で好まれて
いるとは限らないことだ。球団マスコットの「ドアラ」は、その破天荒な内面からキモキ
ャラと言われているが、表 3.1.6 の中ではキモキャラの集団から外れている。この理由と
しては、男女の間にキモキャラの認識の違いや、求める要素の違いがあることが考えられ
る。一般的に「きもかわいい」と評価されるキモキャラだが、その気持ち悪さの中に「可
愛さ」を見だすのが女性であって、男性は「面白さ」といったように違うものを感じてい
るからかもしれない。
このようにキモキャラが、一般人気キャラクターとは区別されたものとして、広く認識
されていることを前提に、仮説の結果について考察する。
「キモキャラを好む人は、そのマ
イナスイメージの人間味に好感を抱いている」とした仮説1だが、この仮説は採択された。
「キャラクターに人間性・人格を感じているか」というものと「キャラクターのマイナス
イメージを好ましく感じているか」という両方の尺度において、キモキャラを好む人がよ
り高い値を示した。キモキャラの描き方に人間的要素が含まれていることが多いのは、こ
のような人々の心理をターゲットにしていることが理由とも考えられる。
仮説2「キモキャラを持つことで、自らの独自性を表現し、コミュニケーションの手段
としている」については、棄却される結果となった。分析結果によると、キモキャラを選
択する人に限らず、全体として人々はキャラクターを「自己表現」や「コミュニケーショ
ンツール」として意識していないことが分かった。人々がキャラクターに対して、対人的
機能ではなく、自己満足に近い精神的機能を求めていることがいえるだろう。
以上の結果をまとめると、人々に対してキモキャラは、
・「マイナスイメージ」によって人々の「差別化」の心理に共鳴
・「人間味」をみせることで「仮想の世界にいながらリアルを感じさせる」奇妙さ
という魅力を発しているのだろう。このような点を理解してキモキャラというものを消費
者へアプローチすれば、減少傾向にあるキャラクター市場のなかでも、「キモキャラ」とい
う新しいカテゴリによって今後もターゲット層が開けてくるかもしれない。しかし、石井
(2009)の研究によれば、キャラクターを好むということと、キャラクター関連商品を買う
ということの間には、動機に差がある。本研究は、あくまで「好む」ことに対する動機を
解明したに過ぎない。また、被験者数が87人と少数であり、対象も大学生(大学院生含
む)と限られている。したがって、より現実的なマーケティングに活かすためには、幅広
い年代に多くの被験者数をとり、偏りのない調査をする必要があるだろう。
17
参考文献・資料
・石井 健一(2009)「キャラクター消費とその意識構造」社会システムマネジメント
Discussion Paper Series, no.1232
・小田切 博(2010)「キャラクターとは何か」
・株式会社 矢野経済研究所(2011)「キャラクタービジネスに関する調査結果 2011」
http://www.yano.co.jp/press/pdf/841.pdf(2012/01/11 アクセス)
・木村 綾香(2008)
「キャラクター消費者―性役割と年齢意識との関連の一分析」筑波大学
社会工学類平成 2007 年度卒業論文
・ボイス情報株式会社「ライセンスキャラクター消費者調査2011」
http://www.voice-joho.com/Search.htm(2012/01/10 アクセス)
18
付録①:アンケート調査用紙
キャラクターに関する
アンケート調査
筑波大学 理工学群 社会工学類 4年
蔭山 奈央
kageyama80@sk.tsukuba.ac.jp
19
① ドアラ
⑤ガンダム
⑨ウサビッチ
⑬ルフィ
②ミッキーマウス
③スヌーピー
⑥ムッシュ熊雄
⑦リラックマ
⑩せんとくん
⑭ハロー・キティ
⑪くまのプーさん
⑮モリゾーとキッコロ
④こびとづかん
⑧まりもっこり
⑫シーマン
⑯スティッチ
※画像省略
20
左のキャラクターを見て、以下の質問に答えて下さい。
1、好きなキャラクター上位3つを選択し、その番号を記入してください。
また、それぞれについてその理由に当てはまるものに○を付けてください。(複数可)
A
a、癒される
e、一般的である
B
j、かっこいい
a、癒される
b、おしゃれである
a、癒される
b、おしゃれである
l、怖い
g、奇妙である
k、面白い
h、共感する
l、怖い
c、話題性がある d、人間性を感じる
f、個性的である
j、かっこいい
h、共感する
c、話題性がある d、人間性を感じる
f、個性的である
j、かっこいい
i、かわいい
g、奇妙である
k、面白い
i、かわいい
e、一般的である
c、話題性がある d、人間性を感じる
f、個性的である
i、かわいい
e、一般的である
C
b、おしゃれである
g、奇妙である
k、面白い
h、共感する
l、怖い
2、1で選択したキャラクターについて、「好き」「可愛い」「気持ち悪い」それぞれの程度を考え、
当てはまるものに○を付けてください。
1.そう思う
A
B
C
2.ややそう思 3.あまり思わ 4.全く思わな
う
ない
い
好き
1
2
3
4
可愛い
1
2
3
4
気持ち悪い
1
2
3
4
好き
1
2
3
4
可愛い
1
2
3
4
気持ち悪い
1
2
3
4
好き
1
2
3
4
可愛い
1
2
3
4
気持ち悪い
1
2
3
4
3、1で選択したキャラクターについて、以下の質問で当てはまる項目に○を付けてください。
1.とても思 2.少し思
3.あまり
4.全く
う
う
1、キャラクターには内面(性格)がある
1
2
3
4
2、動画の中でキャラクターを見ることがある
1
2
3
4
21
思わない 思わない
1.とても思 2.少し思
3.あまり
4.全く
う
う
3、キャラクターを誰かと重ねてみたことがある
1
2
3
4
4、キャラクターから学べることがある
1
2
3
4
5、自分と似ているキャラクターがある
1
2
3
4
6、悪役のキャラクターも重要である
1
2
3
4
7、性格をもつキャラクターを好む
1
2
3
4
8、キャラクターに人間味を感じることがある
1
2
3
4
9、キャラクターの背景には物語がある
1
2
3
4
10、1つの生物として捉えることがある
1
2
3
4
11、見た目が悪いほうが愛着が沸く
1
2
3
4
12、キャラクターに同情することがある
1
2
3
4
13、批判されることで注目を集めることがある
1
2
3
4
14、キャラクターは悪い面があっても憎めない
1
2
3
4
15、全てが完璧なキャラクターはいない
1
2
3
4
16、マイナス面があるものは良さが引き立つ
1
2
3
4
17、小バカな扱いを受けるキャラクターが多い
1
2
3
4
18、変な外見・内面がキャラクターの個性である
1
2
3
4
19、キャラクターの奇妙な部分が目に付く
1
2
3
4
20、性格の悪いキャラクターほど可愛い
1
2
3
4
21、見たことのないキャラクターに興味をもつ
1
2
3
4
22、少し変わっているキャラクターを好む
1
2
3
4
23、キャラクター商品は身に着ける物を選ぶ
1
2
3
4
24、キャラクターの個性が自分の個性となる
1
2
3
4
25、購入したキャラクター商品は持ち歩きたい
1
2
3
4
26、一般的なものよりも少数派なものを好む
1
2
3
4
27、キャラクターもファッションの一部となり得る
1
2
3
4
28、マイナスイメージの個性でも魅力的なものとなり得
1
2
3
4
る
22
思わない 思わない
1.とても思 2.少し思
3.あまり
4.全く
う
う
思わない 思わない
29、キャラクターを自分の象徴としてみることがある
1
2
3
4
30、他人の目に付く商品を購入したい
1
2
3
4
31、そのキャラクターに話題性があるか考える
1
2
3
4
32、場を盛り上げられるキャラクターを選びたい
1
2
3
4
33、キャラクターの話で笑いをとったことがある
1
2
3
4
34、友人の反応を想像してキャラクター商品を購入す
1
2
3
4
1
2
3
4
36、自分の好みよりも周囲の受けを考慮して選択する
1
2
3
4
37、一人で楽しむ物よりも他人と楽しむ物が良い
1
2
3
4
38、話題を先取りした商品を購入したい
1
2
3
4
39、自分の持っている物の話をしたい
1
2
3
4
40、自分の持つキャラクター商品への他人の反応を期
1
2
3
4
る
35、キャラクターはコミュニケーションのきっかけにもな
る
待したことがある
23
4、あなた自身のことについて、質問に答えてください。
・保有しているキャラクターの商品カテゴリにチェックを入れてください(複数選択可)
□ぬいぐるみ □おもちゃ □プラモデル・フィギュア □携帯ストラップ・キーホルダー □文房具
□洋服等衣料品 □服飾雑貨(帽子・マフラー・手袋等)□かばん・袋物 □下着・靴下・パジャマ
□ハンカチ・タオル □靴・スニーカー・サンダル □コスメ・化粧品雑貨 □キッチン雑貨 □食品
□バス・トイレ用品 □パソコン関連用品 □携帯電話コンテンツ □その他
(その他に印を付けた人は、そのカテゴリを記入して下さい____________ )
・好きなキャラクター(①~⑯のリスト以外にある場合)
______________
・上で答えた好きなキャラクターについて、その理由やこだわりをできるだけ詳しく教えて下さい
・性別
__男性__/__女性___
・所属
_________
・学年
______年__
24
付録②:類似度調査用紙
・①~⑯それぞれのキャラクターについて、直感的に似ていると思うキャラクターの番号を答えてく
ださい。
1番似ている
2番目に似て
1番似ている
いる
2番目に似て
いる
①
⑨
②
⑩
③
⑪
④
⑫
⑤
⑬
⑥
⑭
⑦
⑮
⑧
⑯
謝辞
卒業論文を作成するにあたり、ご指導を引き受けて下さり、お忙しい中たくさんのアドバ
イスをくださった石井先生に、心より感謝申し上げます。
また、アンケート調査に協力して下さった筑波大学の社会福祉研究「愛児園」・「窓愛園」、
知的障害者スポーツ支援「スポーティア」の皆様にも、心より深く感謝申し上げます。
ありがとうございました。
25