【プレスリリース】

【プレスリリース】
一般社団法人 コンサベーション・インターナショナル・ジャパン
一般社団法人 モア・トゥリーズ
2011 年 5 月 30 日
アジア初!
フィリピン・キリノ州の森林再生プロジェクトが VCS/CCB の有効化審査をダブルで通過!
【2011 年 5 月 30 日 フィリピン・キリノ州】 国際 NGO コンサベーション・インターナショナル(本部 米国、日本事務局:東京
都新宿区)と日本のカーボンオフセットプロバイダーである一般社団法人モア・トゥリーズ(所在地:東京)が進めている森林
再生プロジェクト(※1) が、2011 年 3 月、温室効果ガス削減効果の定量評価とクレジット化の仕組みとして、世界的に信頼性
が高い VCS(Verified Carbon Standard )の有効化審査を通過しました。
このプロジェクトは、温室効果ガス削減のみならず、地域社会と生物多様性など様々な面で有益な効果をもたらす案件とし
て、気候、コミュニティ、生物多様性プロジェクト設計スタンダード(CCB スタンダード)によるゴールド認証もすでに取得してい
ます。VCS と CCBS の両スタンダードに認められたアジアで初めてのプロジェクトです。
コンサベーション・インターナショナル・ジャパンの代表理事である日比保史は、今回の有効化審査の通過について、
『フィリピンの森林は、日本の高度経済成長期に日本に輸出するために伐採されたという歴史があります。つまり、日本の生
活を豊かにするために、フィリピンの自然が破壊されたのです。地元コミュニティとの協働で進めるこのプロジェクトは、生物
多様性や、気候変動、貧困などのグローバルな課題の解決に貢献しつつ、途上国の森林を再生することを目指しています。
今回の有効化審査の通過で、その効果をしっかりと評価できる態勢が整いましたので、モア・トゥリーズとともに、個人や企
業がよりプロジェクトに参加し易くなることを期待しています。』 と、コメントしています。
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(※1) ◆「フィリピン・キリノ州における森林カーボン・プロジェクト」◆
プロジェクトが行われている、フィリピン・キリノ州に位置するシエラ・マドレ山脈は、フィリピンに現存する森林のおよそ半分を
有し、絶滅の危機にある生物種にとって貴重な生育地であるとともに、地域住民にとっては生活を支える重要な水源地です。
しかし、森林伐採と非持続的な農業による土壌劣化、さらに頻発化する洪水や干ばつの影響が地域住民の安定した生活を
脅かしています。 CI は、キリノ州政府との協働により、2002 年から地元政府や地域コミュニティとコンサルテーションを重ね、
地元住民の生活を支えると同時に、気候変動問題や生物多様性保全に対する実行可能な解決策を検討してきました。
プロジェクトの面積は 177 ヘクタールです。管理は、2007 年の苗の植付け開始時から 20 年以上にわたり、地元のコミュニ
ティメンバーによって実施されることになります。すでに、ランブータンや柑橘類などの果樹や、在来のフタバガキ科樹木など
が植えられ、プロジェクト全体で、2029 年までに、約 3 万トンの CO2 を VCS のスキームに基づき削減することを目指し、100
軒程のプロジェクト参加農家の生計を支援します。森林の再生と保全により、生物多様性の保全と水源の涵養を目指してい
ます。
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*なお、本プロジェクトは当初 AR-CDM としての組成を検討し、その際に環境省の CDM/JI 事業調査(事務局:公益財団法
人 地球環境センター〈GEC〉)の支援を受けましたが、その後、AR-CDM 組成から VCS プロジェクトへと方針転換し、
実施することになりました。
◆プロジェクト関連リンク
http://www.conservation.org/sites/japan/fmg/articles/pages/carbon_quirino.aspx
◆画像はこちらからダウンロードいただけます。 http://ci.smugmug.com/Media/2011/quirino/
<クレジット>
コンサベーション・インターナショナル(CI)提供としてください。
お問合せ先:
一般社団法人 コンサベーション・インターナショナル・ジャパン 担当: 白井
電話:03-6911-6640
email: s.shirai@conservation.org
URL:http://www.conservation.or.jp
団体概要
コンサベーション・インターナショナル(CI)- 自然生態系と人とのかかわりを重視して環境問題を解決することを目的に設立された
民間非営利の国際組織(NGO)で、世界 30 カ国以上で約 900 名のスタッフが生物多様性保全に取り組んでいます。科学、パート
ナーシップ、そして世界各地での実践に基づき、次世代に豊かな自然を引き継いでいく社会を実現し、人類の幸福に貢献します。
世界の生物多様性ホットスポット(生物多様性が豊かでありながら絶滅の危機に瀕する地域)で生物多様性保全活動を展開。
1997 年旭硝子財団ブループラネット賞受賞。理事に、俳優ハリソンフォード、インテル設立者ゴードン・ムーアなど。
CI 日本プログラムは、1990 年より活動を開始し、2011 年 3 月に一般社団法人コンサベーション・インターナショナル・ジャパンとし
て登記されました。 グローバルサイト:www.conservation.org 日本サイト:www.conservation.or.jp
一般社団法人 モア・トゥリーズ (more trees)
「もっと木を」というコンセプトのもと、音楽家の坂本龍一を筆頭に、細野晴臣、高橋幸宏、中沢新一、桑原茂一が発起人となり、そ
の呼びかけに賛同した世界各国の 100 人以上の人々によって設立された森林保全団体です。地球規模で深刻な森林破壊が進
む中、森づくりによって CO2(二酸化炭素)の吸収力を高め、「カーボンオフセット」の普及に努めています。また同時に森の持つ保
水力や生物多様性などの多面的な機能を回復させることを目指しています。国内では間伐のほか、海外では熱帯林の再生保全、
砂漠の緑化、マングローブの植林と、世界各地での森づくりを推進しています。
*more trees WEB サイト:http://www.more-trees.org/
用語解説
---------------------------------------------------------------------------------------------VCS (Verified Carbon Standard)
VCS は、ボランタリーオフセット認証のグローバルスタンダートとして、世界中で利用されています。VCS は、追加性、測定とモニタ
リング、リーケージ(対象地外での気候変動関連の影響)、バッファーファンドの利用を通じたパフォーマンス、登録など、認証には
厳しい要件が課され、温室効果ガス削減量の定量化においては、信用度の高い指標として認識されています。
VCS サイト:http://www.v-c-s.org/ (英語)
CCBS(Climate, Community and Biodiversity Project Design Standards)
CCBS は、気候・地域社会・生物多様性プロジェクト設計スタンダードの略称であり、温室効果ガスの削減と同時に、地域社会と生
物多様性にもプラスの効果をもたらす土地利用に関するプロジェクトを見極める国際基準です。CCBS は、効果的で統合的なプロ
ジェクト設計を促すためのルールとガイダンスを示すと同時に、プロジェクト実施期間全体に渡って、社会面および環境面の影響を
評価する重要な役割を果たしています。
CCBS に関する詳しい資料は下記からダウンロードできます。
http://www.climate-standards.org/standards/pdf/second_edition/CCB_Standards_2nd_Edition_JAPANESE.pdf
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