教採まであと半年

第 87 号 2012.12.22(土)
発行
教職教育センター
Concentrate your
attention on one thing!
教採まであと半年
勉学に専念と充実の醍醐味を!
集中あるのみ!!
「事を成し遂げるのに必要な2つの要素」
国際言語学部教授 中嶋 洋一
1)「目標(採用試験の合格)
」と「目的(何のために教師になるのか)」を混同していないか
12 月 8 日(土)、穂谷セミナーハウスにおいて教員採用試験対策セミナー(冬季合宿)が行
われました。現役の教師(OB,OG)
、4回生、3回生、そして2回生も含めて 63 名の参加でした。
互いに熱く語り合う姿から、多くの参加者の「満足度の高さ」が感じられました。満足した理
由は、正真正銘の「本物」に接することができたからです。
心に残るようなエピソードを用意し、間をとり、目で語りかけるなど、聴き手を捉えて離さ
なかった OB や OG、合格するテクニックの紹介ではなく「本気で努力した成果」を示した4回
生。彼らに共通するのは、上から目線ではなく、共に語り合おうとする「人間性」。それに憧れ
た学生たちが自然に先輩たちを取り巻き、頷きながら熱心に話に聞き入っていました。本稿で
は、穂谷に集った成功者たちから学ぶ「事を成し遂げるのに必要な2つの要素」を取り上げま
す。
事をなすには、まず「目的」からスタートすることが肝心です。教師になる場合、
「採用試験
に受かる」という目標を達成することを目的にするのではなく、
「なぜ教師になりたいのか」と
いう普遍の目的をもつことが最も重要です。現役で合格した学生たちの話からは、この「目的
意識の明確さ」をつぶさに感じ取ることができました。
教員になってから、退職するまで長い人で 38 年。その間に出会う多くの子どもたちに、自信
をつけ、将来の夢を育む。そして、学年や学級を望ましい集団にして「民主主義」を教えてい
くのが教師です。
「教師になる」ということは、その責務を担うことを意味します。その本来の
「目的」を知り、強い信念をもって教師になることを目ざす。そうすると、「採用試験の合格」
という「目標」につなげることができ、血のにじむような努力も可能になります。
言うまでもありませんが、人はすべて「出力(試験を含む)」で評価されます。出力とは、何
1
がどこまでできるようになっているかを相手に具体的な形(話した内容、書いた内容)で示す
ということです。かと言って、出力ばかりを急ぐのは禁物です。大切なのは、有意味学習につ
ながる「目的に応じた入力(input for output)」です。つまり、入力を、目的と目標に応じて
「意図的」に行い、途中で「整理」を加え、
「計画的」に出力していくというプロセスを地道に
行うことです。さらに、出力の質を高めるには仲間の力(「協同学習」cooperative learning)
は欠かせません。この「
」で示した4つの語句の意味を読み取り、日頃から「何のために」
を追究していく姿勢が、将来、教師になったときに「教師の醍醐味」を味わうことにもつなが
っていくはずです。
2) 成長を支えるのは「素直さ」
もう一つの大切な要素は「素直さ」です。「学力の公式」というものがあります。「学力=資
質×やる気×環境×素直さ」です。4つの中で、成功に最も必要な要素は「素直さ」だと言わ
れています。スポーツでも芸術でも、コーチや師匠の叱責や忠告に素直に耳を傾ける人はぐん
ぐん伸びていきます。
教育においても同じことが言えます。今まで多くの若い教師たちと一緒に仕事をする機会が
ありましたが、せっかく力があるのに伸び切れなかったのは、
「自己流」をおし通そうとした教
師、「目的」を意識せずに「目標(目の前の仕事を終わること)」だけを目指していた教師でし
た。
一方で、同僚のアドバイスや児童・生徒のコメントを素直に受け止めようとした人たちは、
力をつけていき、後々に管理職や指導主事にもなり、多くの人たちから支持されました。
「素直さ」について最近ハッとしたことがあります。私ごとで恐縮ですが、今、NHK の E テ
レ『R の法則』
(午後 6:55〜)という番組に出演しています。土曜日の1限が終わるとすぐにタ
クシーで新田辺駅に行き、京都駅から品川に向かいます。渋谷の NHK スタジオに着くのが午後
3時。すぐに収録に入り、終わるのが午後8時過ぎ。帰りの新幹線では、もうくたくたです。
しかし、ディレクターさんやゲストの方たち(デーブ・スペクターさんやガレッジ・セールさ
んなど)から「プロフェッショナル」のあり方を学ぶことができるのでとてもいい経験になり
ます。
12 月 1 日の収録(20 日放映)では「ワイルドだろぉ」のスギちゃんと共演しました。驚いた
のは、とても素直で腰が低い方だったということです。2012 年の流行語大賞をとったくらいで、
飛ぶ鳥を落とす勢いのあるタレントさんなのに、ちっとも偉ぶったところがない。番組 MC の山
口達也さん(TOKIO)や「R」の高校生タレントたち(ジャニーズ・ジュニアなど)とギャグを
言って楽しそうに話をしているスギちゃんを見ていてなるほどと思いました。彼が入院してい
たときに全国のファンから届いたたくさんの励ましの手紙は、今でも大切にしているのだそう
です。決して、裸足や「ワイルドだろぉ」だけが人気の秘密ではないようです。
私たちは、長い人生の中でいろんな人と出会います。成功した人は、それに至ったプロセス
や準備の仕方をすでに体得しています。ですから、
「この人は!」という人と出会ったら、その
考え方ややり方を学び、実践(実際にされたこと)をとことん真似てみることです。すると、
コツが見えてきます。やがて、自分もできるようになります。こうして、体験が「経験」にま
で昇華されていくのです。
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人が自信をもってできること、人に説明できることは「自分が経験したこと」だけです。話
をするときにも、教訓として得たことを具体例やエピソードを通して伝えられるので説得力が
高まります。本で読んだ、人から聞いたというレベルでは何も伝わりません。
今回の合宿に参加した2回生、3回生たちはカチッと「やる気のスイッチ」が入りました。
「本物」を見て、聞いて、何をしなければいけないかを目の当たりにしたからです。彼らは、
さらに「新しい経験」を積むために、強い意志でスクールボランティアなどにチャレンジして
いくことでしょう。
関西外大では、多くの先輩たちが合宿を機に、
「採用試験合格」のためのムーブメントの輪を
自主的に広げてきました。今度はみなさんの番です。ぜひ、一日も早く後に続いてください。
私たち教職センターの教職員は、そのような学生たちを全力で応援していきます。
【ホットホット情報】
《最終試験合格》 『喜びの声』第4彈
三枝
優友 さん
国際言語学部
滋賀県 高等学校 英語科 合格
国際言語コミュニケーション学科 4回生
「頑張れ!!未来の先生たち」
教員を目指して頑張っている皆さん、こんにちは。来年から、滋賀県の公立高校で教鞭をと
ることになる、三枝優友と申します。高校三年生の夏、
「学校の先生になりたい」と思い立って
早四年、まさか自分が本当に教師になるなんて思ってもいませんでした。これも、今まで何度
もアドバイスを下さった先輩方、手厚いサポートをしてくださった先生方、つらい時手を差し
伸べてくれた大事な友人たち、そして、ここまで育ててくれた私の家族のおかげであり、今は
ただ感謝の気持ちでいっぱいです。しかし、これはゴールではなく、ただのスタートラインに
すぎません。これからは私が後輩や生徒たちをサポートする立場の人間になります。今回は、
教員を目ざして頑張っている後輩たちに、三つのアドバイスを送りたいと思います。
(1)ひたすら試す
教員になるためには、まず基礎的、基本的な学力が必要です。そのためには毎日コツコツと
勉強を積み重ねるしかありません。しかし、それがとても難しいと感じている人も多いと思い
ます。どれだけやる気を出しても、その情熱を持続することは難しいからです。
私も 1 回生の時、あれこれ勉強してみようと考えていました。たまに講演会で先輩方の話を
聞く、本を読むなどして、その都度やる気を奮い立たせていましたが、結局長続きしませんで
3
した。確かに、いろいろな話を見て、聞くことによって、自身のモチベーションを高めること
はできます。しかし、自己啓発は十人十色、他人の術が自分に当てはまることはそうはありま
せん。多くの情報を得ることはとても大切です。しかし、それを「聞く」だけでなく、「実践」
してみるのはどうでしょうか。
例えば、私は単語を覚える際、ひたすら音読、赤シートで隠す、寝る前と起きた直後に暗記
する、といった方法をとります。最初は、ノートに書くなどの方法を行っていましたが、習慣
にはなりませんでした。そこで、暗記に関わる様々な方法を試していきました。その結果自分
に合った術を身につけるに至りました。他人の経験を聞くことはとても良いことです。その経
験を生かすことができるかどうか、これだけで大きな差ができるのではないかと考えます。
(2)思いっきりリラックス
皆さんは学校生活をいかがお過ごしでしょうか。学校の授業やアルバイト、またはボランテ
ィア活動に参加しながら時間を作って勉強を続けることはとても大変だと思います。自分が一
生懸命であればある程、疲労が溜まってだんだん自分に妥協を許したくなるでしょう。
そんな時、リラックスをして気分転換を図る人は多いと思います。少しの疲労ならば、友人
と買い物に行く、少し横になって音楽を聴くなどで解消できます。しかし、時には本当に限界
だと感じるくらいに疲労が溜まってしまうことがあります。そうなると、普段難なくできるこ
とがさっぱりできなくなり、それが積み重なって自身の大きなプレッシャーになります。
では、そのような状態に陥った時、皆さんはどのようにして対処していますか?そんな時、
私は全てのスイッチを完全にオフにして、思いっきりリラックスをしています。私は英語の勉
強を煮詰めて続けていると、普段では簡単にできたことができなくなってしまったことがあり
ました。そして、
「できない」という感情が自分にとって大きな壁のように感じていました。そ
の時、少々気晴らしをしようとしても、勉強のことが気になって気晴らしすら満足にできませ
んでした。そこで、一週間ほど勉強のことを忘れて、徹底的に休憩をとって過ごしてみました。
すると、以前よりも集中力が増し、勉強に張りが出るようになりました。
以上の経験から、私は中途半端に休むのではなく、徹底して休憩することで自分のリズムを
維持しています。もし、自身の生活が煮詰まってきたら、徹底して休むことをお勧めします。
(3)二人の自分を知る
最後に、今この文章を読んでいる皆さんは、
「教師になりたい」という強い情熱を抱いている
と思います。そのために、皆さんは毎日の勉強やボランティア活動などを通して自身のスキル
アップを行っているでしょう。そのために積み重ねてきた経験は必ず自分の財産になります。
その財産を採用試験や就職活動で活かすために、もう一度振り返ってみてください。自分がど
のように生きてきたかを知ることで、理想の自分と今の自分との差を知ることができます。
自分を知ることはとても大切なことです。知識がどれだけ優れていても、自分をアピールで
きなければ全く意味がありません。ですので皆さんには、もう一度自分を振り返って、自分の
可能性を再確認してほしいと強く願います。
教員採用試験に向けて頑張っている皆さん、教員のなるためにはとても狭い門を突破しなけ
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ればなりません。時には投げ出したくなることもあるかもしれません。ですが、皆さんには是
非突破してほしいと強く願っています。そのために、私はいつでもサポート致しますので、最
後まで諦めない粘り強さを持って頑張ってください。
小見
将功さん
愛知県
小学校 英語科 合格
外国語学部
英米語学科 4回生
みなさん、こんにちは。私は今年度行われた愛知県の教員採用試験を受験し、合格を頂きました。
そこで、私が体験したことの中から、みなさんにお伝えしたいことを3点書かせて頂きます。既に
たくさんの方々が体験記を書かれておりますので、他のみなさんとは違う事柄を書きたいと思いま
す。私がみなさんにお伝えしたいことは、
1.できるだけ多くの自治体を受験する。
2.リラックスタイムを作る。
3.教授の言うことをしっかり聞く。
ことです。
まず一点目の「できるだけ多くの自治体を受験する。」ことに関してお話します。私は、4つの自
治体を受験しました。受けた数は、今年度採用試験を受けた外大生の中で最多でしょう。しかし、
本命であった大阪市を含む3つの自治体は、1次試験で不合格でした。しかし、最後の最後で発表
された愛知県から合格を頂きました。もし、大阪市だけを受けていたら、私の合格はありませんで
した。私がこの経験を通して、複数の自治体を受けることは大事だと感じました。実際に、1つだ
けの自治体を受けて合格した人はいます。しかし、そのような人たちは数少ないです。もう一つの
理由として、
「現職教員採用枠」という制度がある自治体もあります。ですから、自分の本命ではな
かった自治体で教員として働いていても、何年後かには本命の自治体を受験して、そちらに移るこ
ともできます。上記では私の意見を書かせていただきましたが、実際に受験地を決めるのは自分自
身です。ですから、自治体へのこだわりがとても強い方は、一つだけ受験するだけでも構わないと
思います。しかし、私は複数の自治体を受験することをお勧めします。
次に、二点目の「リラックスタイムを作る。」ことに関してお話します。教採本番までの期間は、
勉強や面接対策などで毎日が多忙になるでしょう。そんな時、自分でリラックスタイムを設けるこ
とをオススメします。どのようなリラックスタイムがあるかというと、自分の趣味に時間を使った
り、友人と遊びに出かけたりすることです。私は、2 週間に一回程度、リラックスタイムを設けて
いました。これは少し多いかもしれませんが…(笑)。私は、自分の趣味である野球観戦や、アーテ
ィストのライブに行きました。それらのリラックスタイムが楽しみで、より勉強に熱が入りました。
しかし、リラックスタイムを取るということは、他のみんなよりも勉強が遅れてしまい、不安にな
る方も多いかと思います。確かに、勉強量では遅れてしまいます。しかし、リラックスタイムが終
わった後で、また勉強を頑張ればいいと思います。遅れを取り戻さないと…と思い、前よりも勉強
に熱が入るでしょう。
私は、
教採対策のために自分の趣味を全て犠牲にする必要はないと思います。
むしろ、勉強ばかりで苦しい期間だからこそ、自分の趣味に使う時間を大切にする必要があると思
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います。ですから、みなさんも時には自分の趣味や友人と遊びに行き、リラックスするという気持
ちを持ってほしいと思います。
三点目の「教授の言うことをしっかり聞く。」ことに関してお話します。関西外大の教職関連の教
授は、全国トップクラスの指導力や実績を持たれている方々がたくさんおられます。みなさんはこ
れから、教授の方々から様々なアドバイスをたくさん頂けると思います。それらをしっかりと受け
とめ、実践してもらいたいと思います。
私が特に実践するべきと考える事柄をあげたいと思います。
・自分が受ける自治体の過去問題集を最低 5 周する。
・面接対策として、自分の考える学習指導・生徒指導・進路指導の仕方を考えておく。
・夜スペに参加したり、教職関連の教授が開講している言語特別講義(演習)を受講したりする。
これから出会うであろう様々な教授の教えをしっかりと実践すれば、合格への道はより近づきま
す。また、関西外大には教職教育センターがあり、そこでもみなさんを全面的にバックアップして
いただけます。私は教職教育センターが主催してくださった様々なボランティアに参加させていた
だき、とても貴重な経験をさせていただきました。みなさんには、教授の教えを実践すると共に、
教職センターも活用してほしいと思います。
以上が、私がみなさんにお伝えしたい事柄です。正直、採用試験までは辛く厳しい毎日になりま
す。しかし、合格をいただいた時の嬉しさはとても大きなものになります。私は1次試験と2次試
験、合格通知を頂いた時の 2 回共、家の中を走り回りました。そして、母親に、
「うるさい!だけど、
おめでとう。」と言ってもらいました。みなさんにも、このような合格した時の喜びを味わってほし
いです。私の体験記が、みなさんの教育に対するモチベーションの一因となれば、とても嬉しく思
います。
Just do it!
岡
美樹 さん
神奈川県
高等学校
外国語学部
英語科
英米語学科
合格
平成 24 年 3 月卒業
こんにちは。この度、神奈川県教員採用試験に合格しました、岡美樹と申します。私は大学
を卒業してから、東京アカデミーの予備校に4か月通い、教採が終わった10月から中学校で
常勤講師をしています。卒業してからすぐに講師をしようか悩みましたが、その時の私は自分
に自信がなく、生徒の前に立って授業をするのが考えられませんでした。もしかしたら、その
時の私のように今、なかなか前に踏み出せないでいる人達もいるかもしれません。そういう人
達の少しでも助けになれればと思い、アドバイスを3点書かせていただきます。
まず、最初から自信のある人などいません。自信に満ち溢れきらきらして見える人はそれだ
けの努力をしてきたという裏付けがあるからです。私は毎日、試験勉強を始める前に今日の目
標を具体的にメモ用紙に書いていました。例えば、国語は文学史、化学は気体の性質、日本史
6
では江戸時代の改革など。そしてできた所を○で囲み、その日の終わりにノートに貼り付ける
ようにしていました。だんだんとノートがメモ用紙でいっぱいになっていくのが嬉しかったで
すし、自分の進歩を目で見える形で確認することができました。
また、英語での面接試験の為の勉強では、在学時に参加した教採合宿で、外大の先輩が作っ
て下さった資料を覚えることから始めました。そして歩いている時、電車に乗っている時など
小声でいいので、どんな時もずっと練習していました。その積み重ねが、誰よりも練習してき
た、勉強してきたのだという自信につながりました。
2点目は、たくさん本を読んで下さい。私の一番のオススメは重松清さんの『せんせい』で
す。自分が先生だったらどうするのか、どんな先生になりたいのか等を考えながら読むことで
教わることはたくさんあります。その他にも、斎藤孝の『論語力』や中島敦の『李陵・山月記』、
星野道夫の『魔法のことば』などがお勧めです。また、英語教育関連では、毎月、『英語教育』
という雑誌が出ています。実際に現場で働いている先生方の具体的な指導方法などが載ってい
るので模擬授業で参考にしていました。自分もこういう授業をしたいなと考えながら読むのが
楽しいです。
3点目は、どんな事も遅過ぎるということはないということです。今から、この今から、本
気で始めればいいのです。絶対に最後まで諦めず、歩みを止めないでください。そして試験の
時には、教師になりたいという熱意と笑顔を忘れずに挑んでください。面接の時に、舌がもつ
れそうになっても、暗記したことを忘れても必死になって伝えようとすれば、面接官にもきっ
と伝わるはずです。
最後になりましたが、特に、ゼミの岡澤先生には本当にお世話になりました。いろいろとご
心配をおかけしましたが、いつも気にかけてくださり、声をかけて下さってありがとうござい
ました。私が今、こうして合格通知を得ることができたのも先生のおかげです。本当にありが
とうございました。スタート地点に立った今、これからが勝負だと思って頑張ります。
【先輩からのメッセージ】
藤原 聖
愛子
さん寝屋川市立中学校勤務
大阪市立小学校勤務
横山
さん
国際言語学部
コミュニケーション学科
外国語学部
英米語学科
三年目
平成 21 年 3 月卒業
平成 18 年 3 月卒
教員採用試験を受験されるみなさんへ
はじめまして。横山聖と申します。先日、教職教育センター主催の「合宿」に参加させてい
ただきました。私自身、大学在学中に参加したこともあり、大きな刺激を受けたのを今でも覚
えています。今回も60名以上の学生の方が参加され、その意識の高さにまた刺激を受けまし
た。この文章を読んでおられるみなさんにとって、少しでも今後の参考になればと思い、以下
にいくつか示しておきます。
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【教職合宿の素晴らしさ】
この勉強会も9年目を迎えたと聞いています。今、日本全国で活躍している英語科の先生や、
小学校の先生の中にも、在学中にこの勉強会に参加していた人が多くいます。年に2回(12
月と5月だったと思います…)行われるこの勉強会で、同じ目標を持った「仲間」に出会い、
お互いにいい刺激を与え合いながら、切磋琢磨して教員になっています。そして、教員になっ
た今でも、お互いにいい刺激を受けあっています。そういった一生の付き合いのできる「仲間」
に出会えるのもこの合宿の大きな魅力だと思います。
また、この合宿は「面接での自分の弱点」も見つけられるものです。
「これだけ勉強していれ
ば十分だろう」と思っていても、面接形式で練習してみるとそう簡単にはいきません。
「こうい
う言い方があるのか」と同じ参加者の人たちからも学ぶことが多くあると思います。それもこ
の合宿の魅力ではないでしょうか。
【本物を見て感じる】
みなさんは今、ボランティア等で学校現場に入っていますか。もし入っていないのならば、
今すぐに大学の先生に相談し、動き始めてください。「採用試験の勉強」「面接の練習」と言っ
て、本をたくさん読む人は多いと思います。しかし、現場に入ると「本には書かれていないこ
と」がたくさんあります。
「自分の目」で本物を見て感じてください。そして、「自分ならこう
する」
「先生が今○○したのはどんな意図があるのか?」と言ったことを追求し、あなた自身の
言葉で考えてみてください。それは、採用試験だけでなく、合格後、教員として働き始めたと
きにも役に立つはずです。
【最後に】
みなさんが教員採用試験に合格し、現場で活躍するようになるまでに、大学の先生方やスタ
ッフの方など、多くの人たちが関わってくださっています。そういった人たちへの感謝の気持
ちを忘れることなく、「今自分がやるべきこと」を実践してください。
研修会などでも、学生のみなさんが参加できるものも多くあります。積極的に参加し、自分
自身の中にたくさんの引き出しを持つようにしておくといいのかも知れません、
後悔のないよう、全力で取り組んでください。
藤原 愛子 さん
大阪市立小学校勤務
国際言語学部
コミュニケーション学科
平成 21 年 3 月卒業
「先生になれて、本当に幸せ!」
小学校教員になって3年目。私は今年度1年生の担任になり、入学式で一人の男の子(S君)
と出会いました。S君は、入学式や教室で落ち着きがなく、時々「わー!」と大声をあげ、と
にかく目立つ児童でした。私にS君の担任が務まるかどうか、大変不安になりました。
「しばら
くしたら、学校にも慣れて落ち着いてくるだろう」と思い、様子を見ていました。しかし、S
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君の忘れものの多さ、落ち着きのない行動や大声で叫ぶ振る舞いはあまり良くはなりませんで
した。
4 月の中旬、図工の学習で、折り紙を使い“お花”を折りました。どの子も一生懸命取り組
みました。S君も、とてもすてきな作品を完成させました。
「持って帰って、お父さん・お母さ
んにプレゼントしてもいいよ!」と伝えると、たくさんの子どもが「やったー!嬉しい!」と
声を出して喜びました。その時、S君は「ぼく、図工好きじゃない。」「持って帰りたくない。」
とポツリと呟きました。
私はS君のその一言が気になったこともあり、家庭訪問をしました。お母さんに包み隠さず
学校でのS君の様子を話しました。すると、S君のお母さんは、私が知らなかったことを話始
めました。
・S君のお母さんが妊娠中で体調が優れないことが多く、S君の話を聞けていないこと
・体調が良くないので、大きな声を出さないように言い聞かせていること
・母の手助けなしで、自分一人で時間わりを合わせ、学校の支度をしていること
・図工などの作品は部屋をきれいに保つために、すぐに捨てていること。
これまで、私はS君のことを「
(教師を)困らせる子ども」と捉えていました。しかし、お母
さんと話をして、S君は「
(S君自身が)困っている子ども」なのだと痛感しました。お母さん
と「これからのS君に何が大切なのか」をじっくりと話しました。お母さんも、S君の気持ち
を改めて考え直してくれました。S君の話をたくさん聞くように、また、S君が甘えられる時
間をつくってくれました。2 学期に入り、S君の様子が変わってきました。話をしっかりと聞
けるようになりました。困っているお友達をさりげなく助けられるようになりました。
「○○君、
すごい!」とお友達を認めることが多くなりました。
ある図工の授業で、クリスマスツリーをつくりました。みんな、とても真剣な表情で器用に
つくっていました。
「持って帰って飾るといいよ!」と子どもたちに伝えました。すると、S君
が誰よりも喜んで「やったー!母と赤ちゃんにプレゼントしよ!」と答えてくれました。図工
後の休み時間に、S君が私の元へ来て、
「先生、ぼくな、図工好きやねん!お母さんが褒めてく
れるねん。ぼくのつくったものが、家中に飾ってあるねん!」と太陽のような笑顔で話をして
くれました。
私はS君から教師としての大切なことを教えてもらいました。子どもたちを「多面的に見る
こと」、
「心の奥を見ようとすること」。これからも子どもたちの心に寄り添って、楽しんでいき
たいと思います。
これから教員採用試験に受験されるみなさん、どうか試験に合格することをゴールにするの
ではなく、その先を見据えてがんばってほしいと強く思います。
“教師”って本当に幸せな職業
ですよ!!
【訂正とお詫び】
前号(羅針盤 86 号 11 月 24 日発行)の本欄《最終試験合格》『喜びの声』第3彈の投稿
記事「出会った人、すべてに感謝!」におきまして、大阪府中学校・英語科合格の外国語学
部英米語学科4回生の「田中涼太」さんの名前に誤記(田中良太)がありました。大変ご迷惑
をお掛けし、訂正致しますと共にお詫び申し上げます。
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[編集;岡澤潤次]
教職教育センターからのお知らせ
あっという間に年末を迎えることになりました。今年の一年はみなさんにとってどんな一年でし
たか。センターとしては、引越しを含めて今年は多くの出来事がありました。慌ただしく日々が過
ぎて行き、気付けば 12 月でした。普段接している学生の皆さんも学年を終えるころになると、姿勢
や態度が堂々としてきて、成長している様子が感じられました。今年、学生と接していて気付いた
ことは、例年に増して学生同士のつながりが多く見受けられたことです。センターからの連絡や案
内で伝える情報も多くありましたが、学生同士が友人や授業などを通して教職に関することや役に
立つこと、やるべきことなどの情報交換をしていたようで、とても頼もしく感じられました。
2013 年も皆さんに大いに期待をしたいと思います。
~センター事業・イベントの紹介~
≪LL 授業体験セミナー≫
パソコンやインターネットを活用した英語の授業が体験できるセミナーを大阪府立枚方なぎさ高
校にて英語科の現職教員が外大生ために実施します。スクリーン・イングリッシュ教材作成や体験
授業、意見交換会などを予定しています。
日時:平成 25 年 2 月 7 日(木)
8:30~13:00
場所:府立枚方なぎさ高校
申込:平成 25 年 1 月 31 日(木)までに教職教育センター(中宮)、学務課(穂谷)に
ある申込書を記入し、提出してください。
≪第 1 回教員採用試験全国公開模擬試験≫
東京アカデミー主催の模擬試験の申込みを受け付けています。本来ならば、教員採用試験対策講
座受講者のみが受験できる試験ですが、特別に受講生でなくても受験できるようになりました。受
験を希望する学生は、センター(中宮)にて申込書を記入し、提出してください。平成 25 年度に教員
採用試験を受験予定の学生は、自分の実力を把握するためにも受験することをお勧めしています。
日時:平成 25 年 1 月 13 日(日)9:30~
場所:東京アカデミー大阪校(大阪市北区梅田)
受験料:第 1 回のみ無料
申込:12 月 24 日午後 5 時までにセンターにて申し込み
注意:現在開講中の教職教養講座受講者は 1 月 12 日(土)午後 1 時から(約 3 時間)、ICC
室での受験となります。
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6207 教
≪東京アカデミー主催
一般教養講座説明会≫
教職教養講座計 30 コマが 12 月 19 日に終了しました。講座を利用し、教職教養に関しての理解が
かなり深まったことと思います。引き続き 2 月に一般教養講座の開講を予定しています。採用試験
まではもう少し期間がありますが、春休み中にこそ基礎固めをしておくことをお勧めします。3 月
から、試験に向けて良いラストスパートに入れるよう、受講を検討してみてください。迷っている
学生もぜひ説明会に参加してください。説明会だけでもたくさんの情報を得られるため、毎回大変
好評です。
≪説明会≫
日時:平成 25 年 1 月 24 日(木)
14:00~
場所:6212 教室
≪一般教養講座≫
日程:平成 25 年 2 月 13 日(水)~27 日(水)
1 日 3 コマ計 30 コマを予定
受験料:25,000 円
申込:センターにて申込案内資料を入手してください
穂谷はキャリアセンターにて案内しています。
≪教職インターンシップ(KTAP) ≫
活動終了へ向けて…重要
(再掲載)
平成 24 年度の教職インターンシップ活動は秋学期終了日の 12 月 24(月)で終了となります。終了
にあたり、提出書類及び提出期限を確認してください。なお、1 月以降の活動継続希望者は、活動
校と相談・了承のうえで、平成 25 年 3 月 31 日まで継続して活動することができます。ただし、1
月以降の活動については、学期中に加入している保険制度を利用することができない場合もありま
すので、活動校に保険制度について確認する必要があります。
新年度 4 月以降の活動に関しては新学期開始後に説明会等でお知らせします。
≪提出書類・提出期限≫
書類:
『活動表』、『活動報告書』、
『活動評価票(*)』、『活動ノート』
期限:平成 24 年 12 月 24 日(月)
午後 12 時まで(12 時以降は受け付けません)
4 点の書類をすべて提出期限内に教職教育センターに提出してください。提出期限を過ぎた場合
は、受け付けません。なお、インターンシップ・ボランティアとしての単位認定も行われません。
活動を継続する学生も提出期限までの活動を記録し、提出してください。期限内の提出がない場合
は、活動記録の確認ができないため、活動校に迷惑がかかり、来年度以降に活動を希望する学生が
受け入れられなくなる可能性があります。余裕をもって書類を提出してください。
*活動評価票は活動校の校長先生(又は担当教諭)に教職センターまで送付していただくようにお願いし
てください。送付に必要な封筒は教職センターにて手渡ししていますので、活動終了前に受け取りに来
てください。活動校の都合により提出が 12 月 24 日より遅れる場合はセンターまで報告してください。
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~実施報告~
≪小学校英語活動指導者養成研修(アドバンスト講座)≫
12月8日、15日、22日と3週連続の講座が本日最終日を迎えま
す。現職の先生方と本学学生がペアやグループとなり(写真)、
積極的に実践・練習を行う研修です。発音やスピーキング・リ
スニング指導のためのスキル・アップ講座をはじめ、教室英語
の演習、ドラマ・メソッド、ストーリー・テリングの活用と実
践など、3日間では収まらないほど多くの内容が含まれています。
来年度も英語の活用に関する講座の実施を予定していますの
で、興味をもった学生はどんどん参加してください。
≪寝屋川市不登校児童生徒支援ボランティア説明会≫
寝屋川市教育委員会教育研修センターから3人のスタッ
フの方が外大に来られ、説明会を実施していただきました。
予想より多くの学生が集まり、大変活発な会になったよう
です。具体的な数字や例を挙げ、取るべき行動や有効な手
段など、教職を志していなくとも有意義な内容が多く含ま
れていました。また、現在活動中の学生が活動内容を伝え
る機会もあり、出席した学生は熱心に耳を傾けていました。
活動希望する学生は、気軽にセンターまたは学務課まで
申し出てください。最短での活動は1月から、また、進級後の4月からの活動も可能です。
なお、授業などで説明会に参加できなかった学生は、DVDの閲覧が可能です。センターまで問い
合わせてください。
羅針盤のご意見・ご感想はこちらまで→→→
kcenter@kansaigaidai.ac.jp
編集後記―――教職教育センターより―――
ところでみなさん、クリスマスにはサンタは来ますか。サンタの本拠地はフ
ィンランドというのは有名ですが、先日テレビでチラッと見た情報では、日本
にも1人だけサンタが存在するようです。世界全体では何人いるのか (そもそ
もたくさんいるのか… )はわかりませんが、今がきっと一番忙しい時期でしょ
う。大人になるとサンタは来なくなるようですが、ほとんど諦めている方も、
そうでない方も、今年は枕元に靴下を置いてみてはいかがでしょうか。
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