10月29日(木) 4歳児 ばら組指導案 担任 研 究 主 題 ―少人数の課題を見つめて 1 嶋田 麻美 ― 学級の実態(男児5名、女児4名、計9名) ① 生活面について ・所持品の始末など、自分で行おうとする幼児がほとんどである。援助が必要な幼児が1 名おり、一つ一つを自分で行えるように、側に付きながら個別に援助している。 ・片付けでは、半数の幼児が自分から取り組むことができる。友達同士で声を掛け合える よう、教師が仲立ちしながら行い、みんなできれいになった心地良さを味わえるように している。 ・方法やコツなどを知らせ、励ましながら、自分でやってみようとする気持ちを高めたり、 できた時には十分認めたりして援助していることで、自分でできる喜びを感じるように なってきている。 ② 遊びについて ・室内では2~4名の友達と、ケーキ屋ごっこをする姿や、小型箱積木を使って家や車な どを作る姿、空き箱で、自分のイメージしたものを作ろうとする姿が見られる。自分の イメージをもって取り組むようになってきたため、思いを友達に伝えようとしたり、友 達の思いが異なることを感じたりしている。 ・戸外では、2~4名の幼児は、鬼遊びやボールなど、体を動かす遊びを好み、4~5名 の幼児は、ジャングルジムを家にしてごっこ遊びをしたり、砂場でケーキ屋や、どんぐ りを使って豆屋などのお店ごっこに取り組んだりしている。 ③ 音楽的な活動について ・一学期から、ほとんどの幼児が親しんでいる曲をかけ、リズムに合わせて自分なりに楽 器を鳴らしたり、楽器を持って踊ったりすることを楽しんでいる。また、全体の活動の 中で、カスタネット、スズ、タンブリンに触れる機会を設け、持ち方や扱い方、演奏す る時は、曲の時以外は音を出さないと心地良いことを感じられるように、また、『聴く』 大切さを知らせてきた。6名の幼児は、扱い方が分かり、丁寧に扱おうとする姿や、演 奏する時以外は音を鳴らさない姿が見られる。3名の幼児は、音に反応して気持ちが高 ぶったり、集中が途切れたりする姿が見られるので、演奏前の静かになる空気を感じら れるように言葉をかけたり、個別に手を添えながらリズムを知らせたりして、みんなと 演奏する楽しさも感じられるようにしている。 ・リズム打ちでは、曲に合わせて音を鳴らしたり、教師の合図を見ながら奏したりするこ とが難しい幼児が2名いるので、手を添えながら一緒に行う中で、リズムを捉えられる ように個別に援助している。 2 期のねらい(9月~10月) ○教師や気の合う友達とかかわったり、自分の好きな遊びをしたりしながら、園生活のリズ ムを取り戻す。 ○学級や園全体で行う活動に興味や期待をもって参加する。 ○園や地域で行われるいろいろな行事に参加し、地域の様々な人々と触れ合うことを楽しむ。 ○秋の自然の様子に親しみ、遊びの中に取り入れる楽しさを味わう。 3 週のねらい 〇曲に合わせて楽器を鳴らすことを楽しんだり、友達と一緒に演奏したりすることを楽し む。 ○友達と一緒にイメージを出し合って遊びを楽しむ。 〇秋の自然物に触れ、さつまいもの収穫の喜びを味わったり、木の実や枝などで製作した りする楽しさを味わう。 4 本時のねらい 〇ばら組音楽会を通して、リズムに合わせて音を鳴らす楽しさや、友達とひとつの曲を演 奏する心地よさを味わう。 5 本時につながる遊びや活動の経過 ○幼児の姿 ◎教師の援助 5月下旬~6月 ☆教師の幼児の思いの汲み取り <楽器との出会い> ◎楽器を使って音を鳴らす楽しさを味わってほしいと願い、カスタネット、鈴、タンブリン を一種類ずつ出し、持ち方や鳴らし方を知らせる。 ○半数の幼児が見たことや経験したことがあり、興味をもって取り組む姿が見られた。 ☆興味のある幼児が多く見られる。もっと音楽を楽しむため に、子ども達の親しみのある曲で取り組んでみよう! ◎ダンスで踊った曲や歌った曲、親しみのある曲を流し、自分の好きなリズムで鳴らすこと を楽しむ場を設ける。 ○ほとんどの幼児が曲を口ずさみながら音を鳴らすことを楽しんでいた。 ☆好きなリズムで楽器を鳴らすことを楽しんでいるので、 みんなでリズムを合わせる心地良さも経験してほしい。 ◎『かえるのがっしょう』や『きらきらぼし』などの拍をとりやすい曲で、教師の模倣をし ながら鳴らす活動を行う。 ○合わせて音を鳴らす幼児が4名、自分なりに鳴らそうとする幼児が2名、興味があまりな い幼児が2名いた。 (この時期に1名休園中のため、計8名) ◎保育室に、楽器コーナーを常設する。 ○楽器を持ってダンスをしたり、音階のある『どこでもハンドホーン』を使って、音階を楽 しんだりする姿が見られた。 7月 <分担奏に挑戦> ☆興味のある幼児とない幼児の差が大きいな。音の強弱を 楽しんだり、簡単なリズムの曲にしたりすることで、ど の幼児も興味をもつようになってほしい! ◎大きな太鼓の音や小さな太鼓の音をイメージできるようにタンブリンとカスタネットを 使って、 『おおきなたいこ』を行う。 ○ほとんどの幼児が大きな太鼓の時は、堂々と、小さな太鼓の時は、肩をすくめて小さく鳴 らすなど、自分なりにイメージしながら楽しんで演奏する姿が見られた。イメージがつか みにくい幼児が2名おり、小さな音でも大きく鳴らしていた。 ☆大きいや小さいという感覚が、言葉では分かりにくいの ではないか。体で表現してみよう! ◎体で大きさを表現できるようにしたり、友達の姿を見ることができるような場を作ったり した。 ○体での表現では、大きい、小さいのイメージがつかめているようである。徐々に大きい、 小さいのイメージがつかめるようになってきている。 9月中旬~10月上旬 <1学期を振り返る活動> ☆1学期に取り組んだ楽器を設定しておき、どのくらいの 幼児の興味が持続しているか把握しよう! ◎カスタネット、スズ、タンブリンをコーナーに設定する。 ○4名の幼児が興味をもち、教師に「○○の曲流して」などと、要求する姿が見られた。 ☆約半数の幼児の興味が持続しているぞ。簡単なリズム の曲に合わせて、全体での活動も継続して行うことで、 互いに刺激を受けられるようにしていこう! ◎全体での活動で、教師の歌に合わせて『まつぼっくり』や『さ んぽ』、『おおきなたいこ』などの分担奏を行う。 ○タンブリンの大きな音で気持ちが高ぶる幼児が1名おり、いろ いろな楽器を楽しめるよう促す中でカスタネットであると落ち 着いて音を鳴らす姿が見られた。 ○リズムに合わせて演奏しようとする幼児が5名、リズムがずれ てしまったり、休符をとることが難しい幼児が3名、その時の 集中している様子によって側に付いて取り組む必要のある幼児 が1名いる。 ☆楽器コーナーにある『どこでもハンドホーン』で音を 鳴らす幼児が多い。音階にも興味をもっているようだ。 『どこでもハンドホーン』に付いている色に合わせて 楽譜を作ったら、楽譜に合わせて音を鳴らす幼児はい るだろうか。 ◎どこでもハンドホーンのコーナーに、 『きらきらぼし』の音階を色で示した楽譜を置いて おく。 ○3名の幼児が興味をもち音階を楽しんでいた。3名の幼児がその姿を見て、どこでもハン ドホーンを鳴らしてみようとする姿が見られた。 10月中旬 <ハンドベルで音階を楽しむ> ◎教師がハンドベルに興味がもてるように、音を鳴らし、 クイズを出す。 ○「スズみたい」 「風鈴の音!」 「きれいな音だね」な どと、音のきれいさを感じる言葉が多く出てきた。 ○「やってみたい」と、音を鳴らすことを楽しんだり、 ベルの中をのぞいて仕組みに興味をもったりする姿が 見られた。 ○一つ一つの音を耳で確かめ、 「違う音がする」と、音階 があることに気付く幼児もいた。 ○ピアノを習っている幼児1名は、すぐに『チューリッ プ』の曲を演奏することを楽しみ始めた。その姿に刺 激を受ける幼児が2名いた。 ☆ハンドベルを使うと、自分で曲が演奏できることに興味をもっ ているようだ。しかし、ピアノの経験があるなど、音階に触れ ていないと演奏することは難しい。 。 興味を持続させるために、すぐに自分でもできたという喜びを 味わうことができないだろうか。 そうだ!順番に行うという経験はあるので、一人一つずつハン ドベルを持ち、音を鳴らしてみよう! ◎音階があることに気付けるよう、全員で1音ずつ持 ち、「ドレミファソラシド」の順で並ぶよう促す。 ○聞いたことのあるメロディーに「先生が弾いているピ アノと同じ」「ドレミファソラシドって知ってるよ」 と反応する幼児が4名いた。 6 展開 別紙参照 7 評価の観点 (○~本時のねらい ・~評価の観点) 〇ばら組音楽会を通して、リズムに合わせて音を鳴らす楽しさや、友達とひとつの曲を演 奏する心地よさを味わう。 ・自分で曲に合わせて奏する楽しさを感じていたか。 ・友達と一緒に奏することを楽しんでいたか。 ・曲をよく聴いて、音を鳴らしていたか。 ・リズムが合ったことを感じ、楽しんでいたか。 「カスタネットの音がみんな同じ音だったね」「きれいだった」 <ばら組音楽会> ☆運動会を経験し、見てもらうことに喜びを感じているので、講師の先生や職員を招待して、 音楽会を行う。 *全員での分担奏(カスタネット、タンブリン、スズ) ・大きなたいこ ・どんぐりころころ *音階楽器を使った合奏(ハンドベル) ・きらきらぼし *楽器を使ってダンス(タンブリン) ・愛なんだ *お楽しみ音楽会では・・ ・おもちゃのチャチャチャ or はたけのポルカ(カスタネット、スズ、タンブリン) ・さんぽ (カスタネット、スズ、タンブリン)※1曲ずつ楽器を変えることも検討 ・きらきらぼし(ハンドベル 和音バージョン)
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