月刊 第38巻第12号通巻448号2016年12月1日発行(毎月1回1日発行)1980年10月23日第3種郵便物認可 12 2016年 ◆社会広聴アンケート スマートフォンは49歳以下で8割、 「SNS」 は全体の半数が利用 -「インターネット利用に関するアンケート」 調査結果- 企業はHP、SNSをどう活用すればいいのか クロスメディア・コミュニケーションズ (株) 代表取締役 雨宮和弘 ◆マスコミ事情 ~『インターネット利用に関する意識・実態調査報告書』を読んで~ 新聞記者の攻略法と中日新聞の関心事 中日新聞 経済部長 林 浩樹 ターゲットに合わせて企業価値の伝え方を変える ◆統合報告書は、いま (株) クボタ 448 December 今 月 の 表 紙 日本証券業協会は、投資家が安心して参加できる健全 な金融・資本市場の発展を目指し、高齢者を中心に深 刻な社会問題にもなっている「株や社債をかたった投 資詐欺」を未然に防ぐ活動に力を入れている 写真は、警察や財務局などと連携して行う「株や社債 をかたった投資詐欺被害防止キャンペーン」で、同協 会の稲野会長が多くの消費者に注意喚起を行う街頭活 動の様子 『経済広報』では、裏表紙に関連する写真・イラストを表紙に 掲載しています。 12 月の動 き 国内 5日 11月の消費動向調査結果 (内閣府) 7日 10月の景気動向指数速報 (内閣府) 8日 10月の国際収支速報 (財務省) 11月の景気ウォッチャー調査 (内閣府) 9日 10 ~ 12月期の法人企業景気予測調査 (内閣府) 14日 12月の短観 (全国企業短期経済観測調査) (日銀) 19日 11月の貿易統計 (財務省) 19 ~ 20日 日銀の金融政策決定会合 27日 11月の失業率 (総務省) 11月の有効求人倍率 (厚生労働省) 30日 大納会 (東京証券取引所など) 海外 2日 11月の米雇用統計 (米労働省) 6日 10月の米貿易収支 (米商務省) 8日 ECB (欧州中央銀行) 定例理事会 (ドイツ・フランクフルト) 13 ~ 14日 FOMC (米連邦公開市場委員会) (米FRB (連邦準備制度理事会) ) 14日 11月の米小売売上高 (米商務省) 15日 7~9月期の米経常収支 (米商務省) 2016年12月号目次 社会広聴アンケート スマートフォンは49歳以下で8割、 「SNS」は全体の半数が利用 2 - 「インターネット利用に関するアンケート」調査結果- 企業はHP、SNSをどう活用すればいいのか 8 ~『インターネット利用に関する意識・実態調査報告書』を読んで~ 雨宮和弘(クロスメディア・コミュニケーションズ(株) 代表取締役) マスコミ事情 新聞記者の攻略法と中日新聞の関心事 10 林 浩樹(中日新聞 経済部長) 経済広報センター活動報告 アクティビストにどう向き合うべきか ~国際IRに関するセミナーとロールプレイングセッションを開催~ 12 統合報告書は、いま 4 ターゲットに合わせて企業価値の伝え方を変える (株)クボタ 14 コーポレートメッセージ 穀物ソリューション・カンパニー 昭和産業(株) 15 調査から見る日本企業の広報力2016 vol.4 情報創造力 上席研究員) 橋本良輔(企業広報戦略研究所((株)電通パブリックリレーションズ内) 16 経済広報センター活動報告 小冊子『グループ経営を支える広報戦略』を発行 17 総目次 2016年1〜 12月号 21 連載 経済広報センター NEWS 18 企業広報ニュース(広報トピックス/ Book) 25 企業・団体のCSR活動 (日本証券業協会) 12月の動き 裏表紙 表紙裏 発行/一般財団法人経済広報センター 国内広報部 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館 TEL:03-6741-0021 印刷/三葉株式会社 TEL:03-3294-4751 ※本誌掲載の記事・写真・イラスト・図版の無断掲載を禁じます。 2016年12月号〔経済広報〕 1 社会広聴アンケート スマートフォンは49歳以下で8割、 「SNS」は全体の半数が利用 - 「インターネット利用に関するアンケート」調査結果- 情報を収集する際、かつてはテレビや新聞などを見たり、図書館へ足を運んだりする必要があった。しか し、近年はパソコンやスマートフォンなどを使い、インターネットを通じて、どこでも、誰でも、瞬時に行 うことができるようになった。また、ソーシャルメディアの普及により、これまで難しかった個人による情 報発信や、企業との双方向でのコミュニケーションを手軽にできるようになってきた。さらに今後は、IT 機器だけではなく、身の回りのモノがこれまで以上にインターネットと繋がり、日常生活を変えていくこと が予想されている。 そこで、経済広報センターは、生活者がインターネットを活用して、どのように情報を収集し、また、 ソーシャルメディアによって、どのような双方向コミュニケーションを行っているかなどについて調査を実 施し、その結果を取りまとめた。一部の項目については、センターで行った前回調査 (2012年に実施)との 比較もしている。 調査対象は、全国3783人の「社会広聴会員」の中で、インターネットで回答可能な3030人が対象。有効 回答数は1697人(有効回答率:56.0%)、調査期間は、2016年7月14 〜 25日。 ・回答者の属性: 男 女 別:男性(740人、43.6%)、女性(957人、56.4%) 世 代 別:29歳以下(40人、2.4%)、30歳代(192人、11.3%) 、40歳代 (265人、15.6%) 、50歳代 (546人、 32.2%)、60歳代(370人、21.8%)、70歳以上 (284人、16.7%) 職 業 別:会社員・団体職員・公務員(686人、40.4%)、会社役員・団体役員(97人、5.7%)、自営業・ 自由業(131人、7.7%)、パートタイム・アルバイト (224人、13.2%) 、専業主婦・夫 (304人、 17.9%)、学生(12人、0.7%)、無職・その他 (243人、14.3%) 1 若い世代ほど長時間利用の傾向 個人的な1日のインターネット利用時間は、 「30分未満」 が16%、 「30分以上60分未満」 が31%、 「1時間以上2時 間未満」が32%、 「2時間以上4時間未満」が15%、「4時間以上」が5%と、平均して1時間前後の利用が中心と なっている。 世代別では、若い世代ほど、利用時間が長くなっていることが分かる。また、 「4時間以上」 の長時間利用者は 29歳以下で23%と突出して多い。 2 主な利用サービスは「メールの送受信」と「情報収集」 個人的なインターネット利用で、利用しているサービスは、 「メールの送受信」 (98%) と 「情報収集」 (94%) が9 割を超える。続いて、 「商品の購入、サービスの利用」 (76%) 、 「情報発信やコミュニケーション (ブログ、SNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などのソーシャルメディアなど) (48%) 」 、 「金融取引 (銀行、証券な ど) ( 」46%)、 「動画・音楽コンテンツの視聴」 (46%)となっている。 2 〔経済広報〕2016年12月号 社会広聴アンケート ■利用しているサービス(全体) (複数回答) 98 メールの送受信 情報収集 94 76 商品の購入、サービスの利用 情報発信やコミュニケーション (ブログ、 SNSなどのソーシャルメディアなど) 金融取引(銀行、証券など) 48 46 46 動画・音楽コンテンツの視聴 35 アプリケーションの取得 21 ゲーム 2 その他サービス 10 0 3 20 30 40 50 60 70 80 90 100% パソコンはほぼ全員が利用、スマートフォンは若い世代を中心に普及が進む 個人的なインターネット利用で、利用している端末機器は、ほぼ全員が 「パソコン」 (96%) を挙げている。 年別では、 「スマートフォン」の割合が前回調査(2012年) の24%に対して、今回調査 (2016年) では56%と普及が 進んでいることが分かる。また、 「タブレット端末機」は、2012年の10%に対し、今回は28%と増加傾向にある。 世代別では 「スマートフォン」は、49歳以下の世代(29歳以下88%、30歳代79%、40歳代80%)で、おおむね8 割の利用率であるのに対して、60歳代では39%、70歳以上では22%と大きな開きがあることが分かる。 ■利用している端末機器(全体・年別) (複数回答) 96 99 パソコン スマートフォン (iPhoneなど) 56 24 32 携帯電話 (スマートフォン以外) タブレット端末機(iPadなど) テレビ (インターネット回線に接続したもの) 3 ゲーム機 (ニンテンドーDS、 PSP、Wi iなど) 6 10 9 ■2016 年 7 ■2012 年 0 1 その他端末機器 10 0 4 59 28 20 30 40 50 60 70 80 90 100% 半数が 「SNS」を利用、一方で4人に1人がソーシャルメディアを未利用 個人的なソーシャルメディアの利用において、利用しているコンテンツを聞いたところ、 「SNS」 が48%と最 も高い。また、 「利用したことがない」が26%となっており、4人に1人がソーシャルメディアを利用していない ことが分かる。 ■ソーシャルメディア - 利用しているコンテンツ(全体) (複数回答) 48 SNS 33 動画共有サイト 33 情報共有サイト 30 ブログ 23 掲示板 7 マイクロブログ 5 ソーシャルゲーム 1 その他 26 利用したことがない 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100% 2016年12月号〔経済広報〕 3 社会広聴アンケート 5 ソーシャルメディアの利用目的は 「家族や友人・知人とのコミュニケーションや情報共有」 が66%で最も高い ソーシャルメディアを利用する人に、その目的について聞いたところ、 「家族や友人・知人とのコミュニケー ションや情報共有」が66%と最も高くなっている。次いで 「情報収集」 が60%、 「企業とのコミュニケーションや企 業の情報収集」が36%、 「情報発信」が31%となっている。 ■ソーシャルメディア - 利用目的(全体) (複数回答) 家族や友人・知人とのコミュニケーションや情報共有 66 60 情報収集 企業とのコミュニケーションや企業の情報収集 36 31 情報発信 27 社会や地域コミュニティーとのコミュニケーションや情報共有 23 同じ趣味や嗜好の人を探すなど、交友関係の拡大 有識者やタレントなど、著名人の情報収集 22 災害や事故など緊急時への対応 16 9 昔の友人・知人探し 9 身近な悩みの共有や相談 0 6 (n=1263) 1 その他 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100% 企業のホームページで最も見られている業種は 「卸売・小売 (百貨店、スーパー、通販など) 」 個人的なインターネット利用において、よく見る企業のホームページの業種について聞いたところ、「卸売・ 小売 (百貨店、スーパー、通販など)」が42%と最も高くなっている。次いで、 「運輸 (鉄道、バス、航空、物流な ど) ・旅行」が39%、 「食料品」が38%、 「金融(銀行、証券、保険など) 」 が29%となっている。一方で、 「企業のホー ムページは見ない」が1割(11%)となっている。 7 閲覧内容は 「商品、サービスの内容や関連情報」が91%と突出して高い 企業のホームページを見ている人に、どのような情報を見ているかを聞いたところ、 「商品、サービスの内容や 関連情報」が91%と突出して高くなっている。次いで、 「お知らせやニュースリリース」 (50%) 、 「イベントやセミ ナー、キャンペーンなどの情報」 (47%)となっている。 8 企業のホームページで、強化してほしい情報は「商品、サービスの内容や関連情報」が7割 を超える 企業のホームページを見ている人に、強化してほしい情報を聞いたところ、 「商品、サービスの内容や関連情 報」 が71%と最も高くなっている。次いで、 「よくある質問 (FAQ) などを含むお問い合わせ窓口」 と 「イベントや セミナー、キャンペーンなどの情報」が36%、 「お知らせやニュースリリース」 が34%と続く。 4 〔経済広報〕2016年12月号 社会広聴アンケート 9 約8割が企業のホームページに対して検索性や閲覧性を求める 企業のホームページを閲覧する際に重視する点としては、 「知りたい情報に早くたどり着ける」 が85%と最も高 く、次いで「見やすさ」 (76%)となっている。 ■企業のホームページ - 閲覧の際に重視する点(全体・男女別) (3つまでの複数回答) 知りたい情報に早くたどり着ける 81 88 76 73 78 見やすさ 51 情報が豊富 47 55 51 52 50 新しい情報が掲載されている 10 13 8 他社にはない独自性がある 6 楽しい 8 ■全体(n=1503) 10 ■男性(n=651) 1 1 1 その他 ■女性(n=852) 0 10 85 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100% 企業が運営するソーシャルメディアに関心を持っている人が5割以上 企業が運営するソーシャルメディアについて関心があるかを聞いたところ、 「大いに関心がある」 (12%) と 「あ る程度関心がある」 (41%)で、半数を超える人(53%)が関心を持っていることが分かる。 ■企業が運営するソーシャルメディア - 関心度(全体・男女別) (単一回答) ■大いに関心がある ■ある程度関心がある ■あまり関心がない ■関心がない ■分からない 全体 12 男性 41 14 41 10 女性 0 30 29 42 10 20 30 12 12 31 40 50 60 70 12 80 90 5 4 5 100% *小数点以下第1位四捨五入のため、合計が100%とならない場合もある。 11 3人に2人が企業のソーシャルメディアから情報を取得し、4人に1人が企業の発信した 情報に何らかの反応(「シェア」や「いいね!」)をしている 企業が運営するソーシャルメディアから発信された情報に反応 (取得した情報をシェア、 「いいね!」 ボタンを押 す、コメントを書き込むなど)したことがあるかを聞いたところ、 「情報を取得し、反応したことがある」 が24%、 「情報を取得したことはあるが、反応したことはない」が44%、 「情報を取得したことも、反応したこともない」 が 32%となっている。3人に2人(68%)が企業のソーシャルメディアから情報を取得し、4人に1人 (24%)が情 報を取得し、反応していることが分かる。 2016年12月号〔経済広報〕 5 社会広聴アンケート ■企業が運営するソーシャルメディア - 発信情報への反応状況 (全体・男女別) (単一回答) ■情報を取得し、反応したことがある ■情報を取得したことはあるが、反応したことはない ■情報を取得したことも、反応したこともない 全体 24 44 32 男性 24 44 32 女性 24 44 32 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100% *小数点以下第1位四捨五入のため、合計が100%とならない場合もある。 12 反応した情報は「商品、サービスの内容や関連情報」が8割 企業が運営するソーシャルメディアから発信された「情報を取得し、反応したことがある」 と回答した人に、ど のような情報に反応したかを聞いたところ、 「商品、サービスの内容や関連情報」 が80%と突出して高くなってい る。次いで「イベントやセミナー、キャンペーンなどの情報」 (45%) 、 「お知らせやニュースリリース」 (43%) が4 割程度となっている。 ■企業が運営するソーシャルメディア - 反応した情報(全体) (複数回答) 80 商品、サービスの内容や関連情報 45 イベントやセミナー、キャンペーンなどの情報 43 お知らせやニュースリリース 18 よくある質問 (FAQ) などを含むお問い合わせ窓口 11 CM (コマーシャル) 10 社会貢献や環境への取り組み 9 会社概要や事業内容、経営方針などの情報 6 不祥事への対応、信頼回復への取り組み 経営者のメッセージ 5 従業員の声や働く姿 5 5 企業の成り立ちや歴史 IR・財務情報 2 採用情報 0 その他 0 6 〔経済広報〕2016年12月号 (n=408) 2 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100% 社会広聴アンケート 13 企業が運営するソーシャルメディアでもホームページ同様に、 「商品、サービスの内容や関 連情報」 が最も強化してほしい情報 発信を強化してほしい情報について、ホームページとソーシャルメディアを比べたところ、共に 「商品、サー ビスの内容や関連情報」が最も高くなっている。また、「お知らせやニュースリリース」は、ソーシャルメディア (42%)が、ホームページ(34%)より8ポイント高くなっている。 k ■企業のホームページと企業が運営するソーシャルメディアで強化してほしい情報 (全体) (5つまでの複数回答) 71 67 商品、サービスの内容や関連情報 36 32 36 よくある質問 (FAQ) などを含むお問い合わせ窓口 イベントやセミナー、キャンペーンなどの情報 41 34 お知らせやニュースリリース 会社概要や事業内容、経営方針などの情報 42 23 16 21 20 不祥事への対応、信頼回復への取り組み 社会貢献や環境への取り組み 16 IR・財務情報 19 14 9 10 8 9 7 経営者のメッセージ 従業員の声や働く姿 企業の成り立ちや歴史 8 5 4 4 CM (コマーシャル) 3 2 採用情報 2 2 その他 ■ホームページ 6 分からない 0 10 ■ソーシャルメディア 13 20 30 40 50 60 70 80 90 100% *本アンケートでは「ソーシャルメディア」を、以下のように定義している。 <ソーシャルメディアとは> ユーチューブやツイッター、LINEなどオンライン上でユーザー同士が情報を交換 (送受信) することによっ て成り立つメディアや、インターネット上で個人が情報発信するブログなどの総称。 ■ソーシャルメディアの代表例 【ブログ】アメーバブログ、ヤフーブログ、FC2ブログ、楽天ブログ など 【SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)】LINE、ミクシィ、フェイスブック、google+ など 【動画共有サイト】ユーチューブ、ニコニコ動画、バイン など 【情報共有サイト】ウィキペディア、クックパッド、ネイバーまとめ など 【マイクロブログ】ツイッター、インスタグラム、タンブラー など 【掲示板】ヤフー知恵袋、2ちゃんねる、教えて! goo、FC2掲示板 など 【ソーシャルゲーム】グリー、モバゲー など(ニンテンドーDSやPSPなどの通信対応ゲームも含む) (文:国内広報部主任研究員 平澤 徹) 2016年12月号〔経済広報〕 7 社会広聴アンケート 企業はHP、SNSを どう活用すればいいのか ~『インターネット利用に関する 意識・実態調査報告書』を読んで~ 雨 宮 和 弘(あめみや・かずひろ) クロスメディア・コミュニケーションズ(株) 代表取締役 ■聞き手:佐桑 徹 経済広報センター 常務理事・国内広報部長 企業が発信する情報の変化 ■アンケート調査をご覧になってのご感想は。 用価値は上がりません。 今回の調査結果から、企業が発信する情報の変化 雨宮 かつては企業やマスメディアがオンライン の必要性、ホームページとソーシャルメディアの利 (ホームページ)での情報発信主体となっていまし 用指針のあるべき姿を垣間見ることができました。 た。今は情報発信主体がかつての情報受領者側に移 ■企業のホームページやSNSにスマートフォンの り、ソーシャルメディア(いわゆるSNSのみなら 普及が与える影響は。 ずキュレーションメディアやニュースメディア、楽 雨宮 常に持ち歩く情報端末であるため、ユーザー 天やアマゾンなどのクチコミも含む)から企業やマ の一日のインターネット接触時間は伸びています スメディアの提供する情報にたどり着き、またそれ が、ユーザーはその中でラインやフェイスブック、 を友だちやコミュニティで共有するためにソーシャ ツイッターをチェックし、気になる語句やニュー ルに戻る、という流れに変化してきています。 ス、話題を検索するため、一回一回の単位情報接触 「インターネットで情報発信」と言っていた時代 時間は細切れに短くなってきています。そのため企 は、企業ホームページ側で提供されているファクト 業のホームページは総花的に情報を格納するだけで 情報 (データやスペックやリリース)が情報価値を有 なく、新しさや特徴、考えを前面に出して画像や映 していると考えられており、これらのワードが表示 像、サマリー文章やコピーなどで可視化し、短い接 されるように検索エンジン特性(SEO)をいかに高 触時間の中でも強力に印象付ける必要がますます強 めるかなどが主流でした。 くなってきました。何が新しく、何が特徴で、何が しかしこの調査結果のように、スマホやSNSが 強みか、が短時間で伝わる工夫が必要になってきた 情報入手の入り口として過半数を占めるようになる のです。 と、社会側に情報共有主体が移ったことで、企業は ■インターネット上 (特にSNS) の情報の信憑性に それらデータやスペックなどの背景にある意義や意 ついてどう考えるか。 味・信頼を裏付ける情報提供をしないとアクセスを 雨宮 一般的に旧来のマスメディアからの情報への 伸ばすことが難しくなってきています。 信頼感はまだまだ高いのですが、キュレーションサ 欧米の企業にこの数年、コンテンツマーケティン イトにはトピックごとにまとめられているものもあ グやダイアログ、ストーリーテリングといったコン り、古い情報があたかも今起きたことのように扱わ テンツが急増しているのもその証左かもしれません。 れている場合もあります。 企業はなぜ、それ(サービスや商品、活動)を売る 8 使い勝手の悪いデータストレージにしかすぎず、利 メディアリテラシーの高い人は常に日付と出典、 のか、発表しているのか、その意味を語る場をホー その記事の前後関係を確認するので問題はありませ ムページないしはソーシャルメディアで持ち、伝え んが、問題は背景情報をきちんと確認せずに古い情 ないと、企業のホームページは単なる階層の深い、 報や個人の思い込みに基づくコメントがソーシャル 〔経済広報〕2016年12月号 社会広聴アンケート メディアを通して友人などに展開された場合にあり ます。 ションの目的を明確にしていないことが問題なのです。 今後は自社情報の取捨選択や断捨離も含め、何を 友人のピックアップしたものは鵜呑みにして条件 伝えるかを明確にし、自らソーシャルメディアを使 反射的に過剰反応する場合が少なくなく、誤解に基 い社会との接点を増やしていくことで感覚値を養 づいた炎上状態が起きることもあります。 い、社会との関係性構築にふさわしい表現を選択す 企業の情報発信の課題と今後 ■企業のHP(またはソーシャルメディア)における 現状と課題は何か。 雨宮 多くの企業ホームページが「会社案内冊子の ることで企業ごとに個性的なホームページやソー シャルチャネルが現われてくると思います。 ■企業のHP (またはソーシャルメディア) 上の情報 発信は、キュレーションメディアなどを意識して 行う必要があるのか。 電子化」からスタートしているため、「製品サービス 雨宮 キュレーションメディアは多くの読み手が受 案内」 「事業・技術紹介」 「会社概要」 「採用情報」が並 け入れやすいジャンルやトピックでまとめられてい 列に並び、詳細情報は下層ページに下りて行かない ることが多く、アクセスを増やすこと=広告モデル と見えない状態となっている企業がまだまだ多いで がビジネスの基本になっていますので、どうしても す。 センセーショナルなものや単純に楽しいもの、分 当然、トップページは目次やバナーが並び、一目 で強みや特徴、会社が伝えたい思いが可視化されて いません。 これではアクセスしたユーザーが短時間で情報に 到達しづらくなります。 かりやすく興味を引くネタが中心になります(ソー シャルメディア上でのバズ (反響) を生むため) 。 これらのサイトやメディアを俯瞰して見ている と、瞬間的に流通しているニュースや話題の幅が一 様に狭い (その時の同じような話ばかりになる) こと また、事業部や部門ごとの予算や企画で作られた が分かります。よって情報の消費速度が速く継続性 情報の集合体になっていることが多く、部門間での が高くありません。なので、キュレーションメディ メッセージの齟齬が生じやすいことや、例えば採用 アを意識して情報発信を行う必要はないと考えます。 と会社概要のそれぞれのページに同じような内容の トピックやジャンルにもよりますが、バズを意識 事業説明が重複しているなど、いわばオーケストラ して浅く広く伝わるトピックを提供するよりも、逆 における指揮者がいないような状況といえます。 に特定のステークホルダーに響く、深く共感性の高 さらにグローバル企業の場合は英語の質が悪いこ とが挙げられます。 いコミュニケーションを優先的に考えることが重要 であり、企業が狙う社会との関係構築が実現しやす そもそもの日本語のメッセージが謙譲や謙虚を重 くなります。特に欧米のBtoB企業ではこのようなア んじる日本社会に向けた表現で作られているため、 プローチを志向している例が数多く見受けられます。 直訳してできた英文は文法的には正しくても、文化 ■ウェブサイトを活用してどのようにグローバル広 背景の違う海外の人にはメッセージが伝わりにく 報を展開すればいいのか。 い、最悪は誤解されやすい文章になっている場合が 雨宮 『世界で戦える人材の条件』 を書かれた渥美育 あります。 子さんによれば、自社・自国目線で対峙するイン ■企業のHP(またはソーシャルメディア)の今後の ターナショナル・コミュニケーションと違い、海外 在り方についての見方・お考えは。 の企業や国との関係を俯瞰してみることによってお 雨宮 インターネットの商用利用が始まって20年 互いの着地点を見いだし、より良い関係構築ができ たちました。 ることこそグローバル・コミュニケーションの要 技術やデザイン、インターフェイスなど、ツール 諦、と定義付けています。 やメディアの機能は革新的に進歩しましたが、いま これからは自社目線の情報発信を見直し、他の国 だにそれらのトレンドに基づいたステレオタイプな や地域の文化背景や嗜好の違いの理解に努め、伝わ 表現が時代を支配しているといえます。 りやすい表現 (言語、画像、映像) を選ぶことと未来 それは企業側が「よく分からない」と制作側に任 せっきりにしているためだと思われます。 制作側が悪いのではなく、企業側がコミュニケー 志向で具体的な発言をすることで意見やフィード バックを得やすい状況を作っていくことが必要で す。 k 2016年12月号〔経済広報〕 9 マスコミ事情 新聞記者の攻略法と 中日新聞の関心事 林 浩 樹(はやし・ひろき) 中日新聞 経済部長 経済広報センターは9月15日、「企業広報講座」を名古屋市で開催した。中日新聞の林浩樹経済部長が、名 古屋本社経済部の体制や担当紙面の特徴、最近の関心事などについて講演した。参加者は20名。 中日新聞名古屋本社経済部の体制 記者としてどうしても避けたい。 ・ 実は何も知らない…記者はなんでも知っていると 新聞社には、日本経済新聞のような専門紙や、朝 勘違いされがちであるが、経済部に配属される記 日新聞、読売新聞、毎日新聞、産経新聞の全国紙、 者は新人もいればベテランもいるため、記者も最 地域で発行している中日新聞のようなブロック紙な 初は何も知らないと理解しておいてほしい。懇切 どがある。名古屋はトヨタ自動車を中心とする製造 丁寧に説明をしておいた方が、紙面に記事が出る 業が盛んだが、このように製造業に特化している地 際も内容や意図が違っているというリスクが少な 域はブロック紙の中でも珍しい。 い。また、記者は、読者目線でいることが最も重 名古屋本社の経済部は、デスク(夕刊1名、朝刊 要で、何も知らないという感覚をずっと持ち続け 2名) 、製造業担当 (自動車・航空機など)、非製造 なければならない。 担当 (電力・ガス・鉄道・金融・流通など)、遊軍担 さらに、新聞記者の中でも経済部記者には、次の 当 (トレンド、社会現象、選挙取材など)を配置して 3つの特性があるといえる。 いる。非製造担当は、各記者が1~2業界・企業を ・ トップといかにパイプをつくるかが生命線。 担当しているが、その垣根を超えて仕事をすること ・ 人事そのものがニュースになるため、人事に詳し もある。遊軍担当は特に持ち場はなく、現在は雇用 関係に特化した取材などに力を入れており、時期に よってプライオリティが変わる。また、昨今女性の い広報担当者に一目置く。 ・ 企業の言いなりでは広告や広報と同じになってし まうため、ニュース価値にシビア。 活躍推進が叫ばれているが、経済部には女性記者が 中日新聞記者の攻略法 3名 (そのうち、産後休業と育児休業が1名ずつ)所 ●良い広報・悪い広報 属している。 経済部記者の特性 新聞記者の特徴として、次の4つを挙げる。 プの考え方や人間性についてもよく理解し、 「担当者 は話せないと言っていますが、記事に必要だと思う ・ 真実に近づきたい…使命感や社会正義の実現のた ので説得します」など、消費者やメディアを意識し め、記者には“真実に近づきたい”という思いが根 たスタンスを持って対応ができると、記者からの安 本にある。 心感や信頼感へと繋がる。さらに、自社の業界以外 ・ 特ダネが大好物…いかに自分だけのスクープを抜 の記事をよく読んでいたり、経済面以外でも「この くかが、自己実現や評価のひとつとなっている。 記事が良かった」などの会話ができると親近感が増 ・ 特オチは避けたい…どの報道機関でも報道されて いるのに、自分だけが知らないという状況だけは 10 自社の組織や現場に詳しいことはもちろん、トッ 〔経済広報〕2016年12月号 す。 一方で、リリースの内容をきちんと理解していな マスコミ事情 かったり、対応が遅かったりすると、記者は不信感 を抱く。不祥事をリリースで済ませるような対応は 最も避けるべきで、会見を開かないのは何か隠して 紹介。 ・ 街角トレンド…街角でトレンドとなっている商品 やサービスを大きめの写真付きで紹介。 いるからではないかと、真実に近づきたいという記 ・ ゆうかんさろん…人に焦点を当てた経済面以外の 者魂に火をつけてしまい、スクープ合戦やメディア コーナー。ボランティアや街の活性化への取り組 スクラムを起こしてしまうこともある。 みなどを紹介。 ●不祥事会見は腕の見せどころ 最近の関心事 不祥事など不都合なことが発生したとき、どう対 応するのかを考えておくことが危機管理の本質だろ 前述の通り、自動車産業は東海地方の基幹産業で う。不祥事会見こそが広報の腕の見せどころで、会 あるため、やはり記者の配置も記事の掲載分量も多 見をコントロールすることが求められている。会見 くなりがちである。自動運転車の実用化や環境車の をコントロールするには、次の4つを押さえておく 動向をはじめ、今後もしっかりウォッチしていきた 必要がある。 い。 ・ どの段階で、誰を出すのかをしっかり決めてお く。 ・“分かっている”ことと、“分からない(調査中)”こ また、日本のものづくり産業の6割ほどを占める 地域であるため、堅実に地道に進めていく風土が 根付いており、逆にベンチャーが生まれにくい土 とを整理しておく。 壌でもあるといわれている。そのような中、“もの ・ 想定問答を作成する。 づくり+IT”の発想が全く異なるもの同士が融合 ・ 会見で話す内容の線引きは妥当なのか、記者・読 する、AI (Artificial Intelligence) やIoT (Internet 者が納得できるものなのかを確認する。 ●プレスリリース作成時のポイント プレスリリースを作成するときは、次の3つに気 of Things) などは非常に面白いと感じる。 そのほか、MRJ(三菱リージョナルジェット) や、今後市場の拡大が見込まれる航空産業、2027 を付けていただきたい。 年のリニア中央新幹線開通による再開発、ストロー ・ 新聞記事のスタイルと合わせて見出しを重視し、 現象、観光振興などのリニアインパクト、海外への 最初に結論を述べる。 新幹線輸出、マイナス金利などに注視している。 ・ 記事に厚みが出て必然的に掲載スペースも大きく NIBの取り組み なるため、経緯や背景、データも載せる。 ・ 専門用語が多いと読者に伝えたいという意識は薄 新聞は、寄り道文化・道草文化と呼ばれるが、自 いと判断されるため、専門用語はできるだけ避け 身が知りたかったこと以外にも同時に様々な情報を て分かりやすく書く。 得ることができ、自身の幅を広げることができる。 ●自社をアピールするには 一方で、インターネットは、検索能力の高さや情 良いニュースはいつでもあるわけではない。広報 報量の多さから、早く答えがほしい者に適してい 担当者はニッチなところでアピールし、ニュースを る。また、興味のある分野には、より強く・深くの つくっていくという意識が非常に重要であろう。記 めり込む傾向があるが、興味のない分野には無関心 事のコンテンツから、自社でアピールできる商品や になりがちだ。そのため、ネット世代の新聞離れに 取り組みはないか探したり、自社の年間行事や周年 よる、教養や会話能力の低下を危惧する経営者が多 イベントと世の中の旬なトピックとを関連付けたり い。 組み合わせたりして、ニュースをつくることができ る。 中日新聞には、次のようなコーナーがある。 ・ 職場発うちの秘策…各企業での社員のやる気を引 そこで、中日新聞では、仕事に新聞を活用しても らおうと、企業の新人研修で 「新聞の読み方講座」 を 実施するなど、 「Newspaper In Business(NIB) 」 と いう新しい取り組みを行っている。 k き出し、他社に負けないサービス・製品を生み出 すための、特徴的な人事や制度、取り組みなどを (文責:国内広報部主任研究員 古川典子) 2016年12月号〔経済広報〕 11 経済広報センター活動報告 アクティビストにどう向き合うべきか ~国際IRに関するセミナーとロールプレイングセッションを開催~ 近年、欧米を中心に、企業に積極的に提言などを行い、企業価値の向上を目指す投資家、いわゆる “アク ティビスト”の活動が注目を集めている。アクティビストとの関係は、わが国の企業のコーポレートガバナン スの上でも、重要なテーマになっている。そこで、経済広報センターでは、10月3日、世界的なコンサル タント会社であるマッキンゼー・アンド・カンパニーの協力を得て、国際インベスター・リレーションズ(I R)の最新状況を聞くセミナーと、アクティビストに関する実際のケースを想定したロールプレイングセッ ションを開催した。 セミナーではマッキンゼー・アンド・カンパニーのピーター・ケネバン氏が概略を説明した後、それを受 け、同社の研究グループリーダーであるジョー・シリアック氏が講演した。その後、ほかの研究グループメ ンバー4人が、アクティビストの最新状況について説明した。以下は、その内容の概略である。 国際IRに関するセミナー 企業価値の最大化を積極的に進めるべき ピーター・ケネバン マッキンゼー・アンド・カンパニー シニアパートナー 欧米を中心にアクティビズ ムが活発化しており、その影 響は日本にも及んでいる。ア クティビスト自体には様々な 評価があるが、ROE(株主 資本利益率)を高めるべき時 代においては、日本企業とし アクティビストの関心は戦略的に企業の株主価値 てもアクティビストの考え方を理解した上で、企業 を高め、その結果として自らの投資リターンを拡大 価値の最大化を検討する契機にすべきである。企業 することである。ただし、彼らは短期的な利益を追 価値の最大化を積極的に進めることが、アクティビ 求するだけでなく、長期的な視野からも利益を追求 ストに対する最善の対策である。 している。彼らの提案のほとんどは、ほかの株主に アクティビストの活動は今後も拡大する ジョー ・シリアック マッキンゼー・アンド・カンパニー エキスパートパートナー (アクティビスト研究グループリーダー) 12 企業に対して、積極的に提案をするようになっている。 〔経済広報〕2016年12月号 とっても有意義なものであることから、実現する ケースも多い。経営陣としては、アクティビストの 提案を自己変革の良い契機と捉え、株主価値を高める ために積極的に議論し行動に移すことが必要である。 アクティビストスタイルを取る投資ファンドの運 用資産は拡大傾向にあり、パフォーマンスも大変良 米国のアクティビストの提 好になっている。アクティビストの提案を受けた企 案するアイデアの多くは、企 業の株主価値は、彼らが関わることで同業他社の平 業の価値向上の観点から、意 均に比べて上回って推移することが示されており、 味のあるものである。当初、 世界的にも一般投資家の間でアクティビスト的手法 アクティビストは、米国の小 が株主価値の向上に有効な方法であるという意識が 規模企業に対して提案をして 広がっている。このため、アクティビストの活動対 きたが、今や大規模な多国籍 象は、業界的にも地理的にも拡大していくだろう。 経済広報センター活動報告 アクティビスト研究グループによる説明骨子 ■北米のアクティビストの動向 ンゼー試算) 。 資本効率を高める観点から、日本企業は、現在手 掛けている事業が、本当に得意分野といえるのか 北米のアクティビストが上場企業に対して行う提 どうかをあらためて問いただすべきだ。コングロ 案は、2010年以降、増加傾向にあり、今や年間200 マリット企業であっても、そうでない事業について 件を超えている。直近では、100億ドル規模の時価 は、売却やスリム化し、メリハリのある資本の再 総額を持つ世界的な企業に対して、事業構造改革の 配分などを行えば、市場の評価は高まっていくだろ 提案を行ったアクティビストもいる。 う。得意分野に特化する企業は、一般的にコングロ その一方で、大企業に提案を行うアクティビスト マリットより株主総利益が上回る。この事実を根拠 は、決して多くはない。主要な15のアクティビス に、アクティビストは、事業ポートフォリオの見直 トだけで、米国の大企業が関係する全案件の約6割 しにより、得意分野に集中するよう企業に提案する を占める。仮にアクティビストからの提案を受ける 傾向にある。 事態に至った場合には、まずは、当該アクティビス トの過去の実績や傾向を分析し、対策を検討するこ とが肝要である。 ロールプレイングセッション セミナーに先立ち行われたロールプレイングセッ 事業ポートフォリオ戦略は、アクティビストの提 ションでは、ドキュメントソリューション事業を 案に最も多く見られるテーマである。この場合、経 持つ、時価総額約100億ドルの多国籍企業が、アク 営陣にとっては、自発的に付加価値の高い事業を見 ティビストから「同事業を売却し、業務プロセスや 極めることが重要になる。また、財務戦略、ガバナ ICTのアウトソーシングに資源を集中させるべ ンス、経営者報酬などについても、アクティビスト き」との要求を突きつけられるケースを想定した。 は提案することが多い。加えて、資本市場に対して このシナリオの下で、セッションに参加した24名 企業の成長のための適切なストーリーを示すべき、 がアクティビスト側と企業経営者側に分かれ、想定 といった提案が寄せられるケースもある。 した多国籍企業の事業部別の業績の推移や同業他社 過去の事例を分析すると、アクティビストの提案 との経営指標の比較データを駆使し、企業価値向上 のうち、75%はなんらかの形で、実現に至ってい の方策について、白熱したやり取りを展開した。参 る。経営陣がアクティビストの提案を拒否した場合 加者からは「会社や立場を超えて、企業価値の向上 でも、数年後に、この提案と軌を一にする経営戦略 の観点から、アクティビスト対策の議論を繰り広げ が実施されたこともある。 るのは、とても有意義であった」(内田 章・東レ顧 ■日本市場の状況 問) といったコメントがあった。 k 日本では1990年代後半以降、企業経営 における資本市場の重要性が高まり、直 接金融がより積極的に活用されるように なってきた。株主構成に占める外国人投 資家が増加する中、コーポレートガバナ ンスコード、スチュワードシップコード の制定など、日本企業にとって株主や投 資家との積極的な対話が不可避な状況に なってきた。 この20年間、東証1部企業の売上高や 営業利益率は上昇しているが、他国に比 べ、株価の上昇は見られない。今重要な のは、資本効率に対する経営者の意識向 上であり、資本効率の観点から事業ポー トフォリオの再構築を行えば、東証平均 株価は1.6倍に上昇すると見ている(マッキ (文責:国際広報部主任研究員 別所達也) 2016年12月号〔経済広報〕 13 統合報告書は、いま 4 ターゲットに合わせて 企業価値の伝え方を変える (株) クボタ 冊子やウェブなど様々な形式で統合報告書を発行する企業が増えている。クボタの事業・CSR報告書 は、冊子とウェブの役割を明確にし、ステークホルダーとの共存関係の下、社会と企業が共に持続可能な 社会づくりを目指す姿を発信している。 『KUBOTA REPORT』 の特徴 を強く意識している。 ク ボ タ は、2011年 か ら『KUBOTA REPORT 事 2017年版からは、同社をまだ知らない学生や個 業・CSR報告書』を発行している。以前に発行し 人投資家をより意識し、シンプルに要点を伝えてい ていた『環境報告書(1999 ~ 2004年)』『社会・環境 くことを目指す。例えば、文字数を減らし、文字サ 報告書/CSR報告書(2005 ~ 2010年)』に、『会社 イズを大きくしたり、重複感のあるページを整理し 案内』 『アニュアルレポート』を統合したものである。 たり、写真やグラフ、インフォグラフィックなどを 特徴は、同社が事業を通じてグローバル規模の社 多用するといった“インパクト、ビジュアル、シン 会課題に挑み、ステークホルダーに価値を提供して プル、ライト” を基調としていく。 いく 「CSR経営」の考え方をベースにした構成だ。 ウェブ版は情報開示と報告媒体を意識し、機関投 以前は、複数部門で各種の報告書を発行してい 資家、CSR・環境関連評価機関などの専門家やプ た。内容も「社会のためにやっていること」の実態報 ロに向け、同社の全てをより深く理解できるよう、 告が中心だった。それでは、ステークホルダーに、 広範囲かつ詳細な情報を掲載している。2015年か 同社の事業間の繋がりや経営の根幹である企業理念 らは、閲覧総数、閲覧推移、閲覧ページなどのウェ 「クボタグローバルアイデンティティ」の考え方を十 ブアクセス数の測定を始めて、読み手が注目してい 分に伝えることができなかった。 るコンテンツの分析も行う。 そこで、社会から求められる責任は何か、果たす 特に、 「トップメッセージ」 や 「特集」 などは閲覧数 べき社会的使命は何かを核とした構成に変更し、課 が多く、ステークホルダーからの同社のCSR経営 題解決に挑む同社の姿勢を明確にした。同社が取り への関心の高さがうかがえる。 「トップメッセージ」 組む 「食料・水・環境」分野は、「クボタ・グローバ では、 「グローバル・メジャー・ブランド」として、 ル・ループ」と表現され、個別に取り組むのではな 最も多くのお客さまから信頼されることによって、 く、密接に結び付いたテーマと位置付けている。そ 最も多くの社会貢献をなし得るブランドをどのよう れらに対する取り組みが、どのように同社の存在意 に実現するのかといった考え方や取り組みを、トッ 義や企業価値の向上へと繋がるのか、事業活動やC プ自らが語っている。また、 「特集」 は、現状の社会 SR活動との因果関係を含めた成果を示している。 課題を解決するための事業内容を、写真などを多用 冊子とウェブの役割 してダイナミックに表現している。 ウェブ版の閲覧者数は2015年と比べて3倍に増 同レポートは、日・英・中の3カ国語で作成。会 加し、冊子版からウェブ版へ徐々に移行を進めてい 社案内の役割も果たしているため、顧客への会社説 る。2017年版からは、ウェブの特性を生かし、レ 明や展示会、採用活動などで配布している。さら イアウトの工夫や写真・グラフに動きをつけるな に、2014年版以降は、ターゲットや役割別に、冊 ど、伝えたいポイントを目立たせ、閲覧時間、閲覧 子版 (ダイジェスト)とウェブ版(フルレポート)の2 ページ数を増やすことが目標だ。 種類を作成している。 今後は、ウェブアクセス数の結果をもとに読み手 冊子版は会社案内とPR媒体として活用。新規顧 の反応を反映しつつ、クボタの目指すものを明確に 客やサプライヤー、学生や工場見学者などの専門家 打ち出す内容やページ構成を検討する。また、同レ 以外を対象にしているため、会社の基礎情報や訴求 ポートから関連サイトへのリンク先を増やし、ホー したいポイントを掲載し、同社を知る入り口として ムページ内の回遊性を高める工夫をしていく。 k 活用している。ページ数を減らし、写真を大きく横 14 使いにして見せるといった読み手を引き付ける構成 〔経済広報〕2016年12月号 (文:国内広報部主任研究員 守谷ちあき) C o r p o r a t e m e s s a g e コーポレートメッセージ 穀物ソリューション・カンパニー 昭和産業 (株) 穀物の海外調達から自社サイロでの保管までを手掛け、食品メーカーとして穀物の取扱量は日本一*。調 達から生産・研究開発・販売など、あらゆる過程で多種多量の穀物を扱うシナジー効果を生かし、 「食」 に携わ る様々な課題の解決策を提案する「穀物ソリューション・カンパニー」を目指す。この言葉には、従業員一人 ひとりの仕事への思いとありたい姿が込められている。 *昭和産業調べ このページでは、企業の「コーポレートメッ セージ」や「コーポレートステートメント」など、 事業活動を行う上で大切にしている想いやストー リーについて紹介します。 グループ一丸となって企業価値の向上を 同社は、創立80周年を機に、グループの結束力 成長を支える教育プログラム「昭和塾」 昭和産業は、多種多量な原料を扱い、 「食」 に携わ る様々な課題を解決し、お客さまから選ばれ続ける 企業であるが、それを実現可能にしているのは、従 業員への多彩な教育制度である。中でも特徴的な取 り組みが 「昭和塾」 である。 を一層強め、一丸となって進んでいくための旗印と 昭和塾は、全従業員参加型の研修で、年に1、2 して、新たなロゴを制定した。新しいロゴは、 「穀物 回程度開催される。全ての従業員が経営方針を理解 ソリューション・カンパニー」 「SHOWA」 「昭和産 し、必要な知識を学ぶことで、従業員一人ひとりの 業」 を一体で表現することで、「SHOWA」=「昭和 成長と会社の発展に寄与する人材の育成を目的とし 産業」 の個性・意志・結束力を統合的に発信し、企業 ている。経営方針、コンプライアンス、安全・安心 ブランドを広め、企業価値の向上を狙うものである。 などについて、ざっくばらんに従業員同士が意見交 換をすることで、従業員が本音で会社と向き合い、 成長することを促している。それが、お客さまの ニーズに添ったソリューション提案を可能にし、選 ばれる企業であり続ける原動力となっている。 k また、 「SHOWA」を囲み、支えている「輪」は、 大地、そして4つの穀物の複合的・相乗的な連携、 グループが結束する姿、さらに、食卓に並ぶお皿や 笑顔をモチーフに、企業が広く成長していく姿を表 現している。企業ブランドカラーであるSHOWA レッドは、おいしさを届ける温かさと親しみ、企業 と全従業員の活力感、力強さ、逞しさを表してい 「昭和塾」開催の様子 る。昭和産業は、新たなロゴと共に、未来に向かっ て成長し続けている。 (国内広報部主任研究員 平澤 徹) 2016年12月号〔経済広報〕 15 調査から見る日本企業の広報力2016 vol.4 情報創造力 コンテンツ消費時代に不可欠な「情報創造力」 を送っており、どのタイミングでどんなメディアに 第4回は、「情報創造力」について解説する。本調 接触しているかはもちろん、そのメディアは、ポー 査の 「情報創造力」は、“ステークホルダーの認知・ タルサイトやSNS(ソーシャル・ネットワーキン 理解・共感を得るために、メディア特性に合わせた グ・サービス)を活用してどのように展開している メッセージやビジュアルなどを開発する能力”と定 かなどの情報流通構造までを理解する必要がある。 2つ目は、 「ステークホルダーの嗜好を理解する」 義している。 広報に従事している皆さまには、なじみ深い能力 こと。当研究所の生活者1万人調査*では、生活者 かと思うが、2年前の調査結果と比べると、 「情報創 は製品の情報よりも、ストーリー性、メッセージ 造力」を構成する各要素のポイントが高くなってい 性、人間性を好む傾向があることが把握できてい る項目が多くなっていることから、コンテンツ消費 る。これは 「モノ」 より 「コト」 を好むコンテンツ消費 時代を意識した広報体制が徐々に進められている現 時代の特徴を反映しており、何の目的で誰が何をし 状がうかがえる (図参照)。ただし、広報力(6つの たのかを、最適なビジュアルや手法 (動画、グラフ、 能力の合計)の全体平均である32.6ポイントと比べ イラストなど)を選択し、表現する必要があること ると、「情報創造力」は26.0ポイントと低く、実際に を示唆している。 情報を創造する段階になると次の一歩が踏み出せな また、従来“広報は事実を積み重ねることが重要” いという事態に陥っている現状も見受けられた。こ といわれているが、現代ではこの重要度が確実に増 の状況を踏まえて、情報創造力を高めるポイントを している。情報過多になっている昨今では、フィク 以下に示す。 ションやイメージ訴求だけではステークホルダーの まずはコンテンツ消費時代の 生活や思考を理解すること 心にコンテンツが響かなくなってきているためであ る。そのために、それぞれのステークホルダーが、 情報創造力に必要なポイントは、大きく2つあ どんな事実やストーリーを好むのかを分析する必要 る。1つ目は、 「ステークホルダーの生活を深く理 があると同時に、編集者が見出しを考えるように、 解する」こと。ステークホルダーがどのような生活 社会的なトレンド・時節性に合わせて的確な短い 「④情報創造力」 メッセージやタイトルで関心を持たせ ■図 「情報創造力」 を構成する各要素の調査結果 ステークホルダーの認知・理解・共感を得るために、メディア特性に合わせたメッセー ④情報創造力 ジやビジュアルなどを開発する能力 (2014年、2016年比較) 0 :専門家重視項目 2位 20 40.0 37.6 自社や自社商品・サービスについて、報道向け資料を整備している 40.0 40.3 広報戦略に沿った、PRメッセージ・ストーリーを策定している ビジュアルやグラフィックなどを駆使した広報ツールを作成している 1位 2位 トップのメッセージを専門的に作成する社内・外の体制がある 口コミで拡散するようなバイラルムービー・動画を広報活動に活用している トップのプレゼンテーション力・表現力を 強化するためのトレーニングを定期的に実施している 自社だけでなく、NPOや調査機関と連携し、広報素材・情報づくりをしている 〔経済広報〕2016年12月号 が、まずは自社のオウンドメディアで (-0.3) 実際にコンテンツを発信し、閲覧デー タを分析し効果を検証してみること 31.7 28.0 が、情報創造力を伸ばす一番の近道だ 25.7 20.0 7.1 5.1 4.0 12.4 (+3.7) (+6.2) (+5.7) (+5.3) (+1.1) 4.7 (+0.1) 4.6 て公平な表現に注意を払う必要はある (+2.4) 28.1 (+6.4) 21.7 広報的視点を重視した、事業活動や、CSR活動を企画・実施している ステークホルダーの多様性を重んじ 33.0 (+5.9) 27.1 29.6 23.4 デジタルの特性に合わせた広報素材・情報づくりをしている 16 (%) 60 40 広報戦略に沿った、広報素材(データ、ファクト等)を準備している 2位 る能力も必要になる。 と考えている。 k *: 上場企業(10業種、計150社)の企業行動(ファ クト)に着目して、生活者1万人を対象とし て実施した企業魅力度調査 (企業広報戦略研究所 2016(N=533) 2014(N=479) ( )の数値は前回との差分 ( (株) 電通パブリックリレーションズ内) 上席研究員 橋本良輔) 経済広報センター活動報告 小冊子『グループ 経営を支える 広報戦略』を発行 経済広報センターは、このたび、小冊子『グルー プ経営を支える広報戦略』を発行した。 これまでにも当センターでは、2001年に『グルー グループ経営を支える 広報戦略 (一財)経済広報センター 国内広報部 編 介することで、グ ル ー プ の 一 体 感、 求心力を醸成して プ広報の事例研究』、2002年に『グループ広報の新 いる。ANAホールディングスは、グループ全体の たな展開』を発行している。当時は、ちょうどわが 危機管理体制を構築し、危機発生を想定したトレー 国の開示制度が連結決算重視に移行したことから、 ニングを定期的に行うなど、グループのグローバル 連結経営がより重視され、広報についても、グルー 化、事業拡大に伴うリスクの増大にも対応する体制 プ広報に関心が持たれるようになった。社長があい を確立している。 さつする時などに「○○社」でなく「○○グループ」と 一方、グループ外広報の事例としては、資生堂の 発言するようになったり、社内報・広報誌をグルー コーポレートコミュニケーション本部は、グループ プ報に切り替えたりした。このため、当センターも 全体のグローバルコミュニケーション戦略を立案す 「連結経営時代のグループ広報」とのテーマで講演会 るグループを広報部門に設置し、トップの考えや事 や、グループ広報誌の展示会を開催していた。 さて今回、再びグループ広報を取り上げたのは、 業活動を世界各地に伝えるミッションを担ってい る。また、 「Think Global, Act Local」 の考え方に則 近年、ホールディングス制を採用する企業が増大し り、現地・現場への権限委譲を進めており、これに ているほか、M&A(企業の合併・吸収)などにより 対応した形で地方メディアとのリレーションを強化 グループ経営・グループ広報に関心を持つ企業が増 するなど、事業を展開する各地域でのきめ細かな情 えてきたためだ。 報発信を行っている。TDKは、電子部品メーカー 事業のグローバル化が進展し、言語の異なる顧客 という新たなBtoB企業のイメージを作るため、世 や社員、ステークホルダーが増えるとともに、SN 界での企業認知度を高める活動を展開している。ブ Sなどソーシャルメディアの発達によりグループ内 ランドサイトの立ち上げや、 「TDK Brand Movie」 の 外の広報対応にも変化が見られることも、その背景 制作など、コーポレートブランドを向上させるチー にある。 ムを広報グループ内に配置している。また、最重要 小冊子では、キッコーマングループ、住友化学、 国である中国では、北京世界陸上への協賛のほか、 ANAホールディングス、帝人グループ、日本コカ・ 展示会の開催、中国責任者の中国メディアへの露出 コーラ、TDK、資生堂、東京ガスの8社の事例を などを組み合わせた活動を展開し、同社イメージの 掲載している。 向上に繋げた。 グループ広報をグループ内広報とグループ外広報 に分けて紹介すると、グループ内広報では、帝人グ 定価500円(税・送料込)。お申し込みは、当セン ループは、グループ報をインターナルブランディン ター国内広報部 (TEL:03-6741-0021) 、もしくは グツールと位置付け、経営トップのメッセージやブ ホームページ (http://www.kkc.or.jp/) まで。 ランディングに資する活動を行う従業員や組織を紹 k (国内広報部主任研究員 西田大哉) 2016年12月号〔経済広報〕 17 9月28日~ 10月21日 NEWS 端と将来展望~ガイダンス」 、講 施した。 ( テーマ:「21世紀におけ 師:奥野 喜裕 東京工業大学 工 る科学技術と社会~スマート社会 学院機械系教授) の展望~オリエンテーション」、 講師:綾部 広則 早稲田大学 理 Keizai Koho Center News 9 / 29 早稲田大学商学部で「企 業 人 派 遣 講 座 」を 実 施 し 工学術院創造理工学部社会文化領 域教授) た。 ( テーマ:「変化に対応する日 9 / 28 テ ィ ム・ ヒ ッ チ ン ズ 駐 日英国大使、英国外務省 本企業~ガイダンス」、講師:片 岡 孝夫 早稲田大学 商学部教授) を講師に、 「Brexitと日英関係に関 10 / 1 する懇談会」を開催した。参加者 設見学会」を開催し、社会広聴会 は23名。 員24名が参加した。参加者は、ニ 9 / 28 ニコンミュージアム (東 京都)で「生活者の企業施 開催した。 (詳細は、本誌12ページ を参照) コンカメラ初号機 「ニコンⅠ型」 を 10 / 4 社会広聴活動を取りま はじめ、約450点の歴代カメラが ( テー 業人派遣講座」を実施した。 慶應義塾大学総合政策 学部・環境情報学部で「企 とめた『ネットワーク通信 並ぶ映像ゾーンや、世界トップ マ: 「21世 紀 の 企 業 の 挑 戦 ~ ブ 「 災害 (秋号No.68)』を発行した。 シェアを有するFPD露光装置を ロードバンド時代のビジネス戦略 への備えと対応に関するアンケー 通じて技術的変遷を学ぶ産業ゾー ~情報通信産業のトレンド概説」 、 ト」調査結果や、安川電機、中日 ンを見学した。また、バイオ・医 講師:神野 新 情報通信総合研究 本高速道路における 「企業と生活 療機器ゾーンでは、再生医療やi 所 法制度研究部主席研究員) 者懇談会」 、東京ガスの、がすて PS細胞の研究などで活躍する顕 なーに ガスの科学館での「生活者 微鏡や細胞培養観察装置に触れ、 の企業施設見学会」の模様などに 最先端技術への理解を深め、見学 10 / 5 ついて掲載した。 を通じて同社の歴史と将来像につ 施した。 ( テーマ:「科学技術特論 いて学んだ。 ~エネルギー・環境技術の最先端 9 / 28 東 京 工 業 大 学・ 大 学 院 施した。 ( テーマ: 「科学技術特論 10 / 3 ~エネルギー・環境技術の最先 理工学部で「企業人派遣講座」を実 で「企業人派遣講座」を実 1月号 東 京 工 業 大 学・ 大 学 院 で「企業人派遣講座」を実 と将来展望~石油資源の活用とエ 早稲田大学基幹理工学 ネルギー・環境政策」 、講師:三 部・ 創 造 理 工 学 部・ 先 進 浦 安史 石油連盟 技術環境安全 PR・IR・危機管理 定価:1300円 (税込) 編集・販売 株式会社宣伝会議 購読申込 部長基盤整備・油濁対策部長) [巻頭特集]クレーム過激化社会を生き抜く 2017年版 危機管理広報マニュアル [保存版]もしもあなたの会社でパワハラが発覚したら? 「水面下の広報」 シミュレーションマップ 月刊「広報会議」読者サービスセンター [インタビュー]文春リークスで増えた内部告発 TEL: 0 3 − 3 4 7 5 − 7 6 7 0 インターネットからもお申し込みいただけます。 http://sendenkaigi.com/ 18 経団連会館で、 「国際I Rに関するセミナーと ロールプレイングセッション」を のアロク・シャーマ大臣政務官 (アジア・パシフィック担当大臣) 10 / 3 〔経済広報〕2016年12月号 『週刊文春』編集長と総括 2016年の不祥事 10 / 6 早稲田大学商学部で「企 100年の歴史を体感した。また、 ~エネルギー・環境技術の最先端 業 人 派 遣 講 座 」を 実 施 し 懇談では、王子グループの経営理 と将来展望~航空業界におけるエ た。 ( テーマ: 「変化に対応する日 念、製紙産業で培った技術の応用 ネルギー ・環境先端技術」 、講師: 本企業~IT技術における取り組 研究、環境に配慮した工場の様々 久野 正雄 ANAホールディング み (1)」 、講師:荒牧 秀知 全日 な工夫などについて、活発な議論 ス コーポレートブランド・CS 本空輸 業務プロセス改革室イノ を通じて理解を深めた。 R推進部マネジャー) 10 / 11 10 / 12 ベーション推進部部長兼デジタ ル・デザイン・ラボ担当部長) 10 / 10 慶應義塾大学総合政策 学部・環境情報学部で「企 12 ~ 15日の日程で、上 海の有力メディアや上海 早稲田大学基幹理工学 ( テー 業人派遣講座」を実施した。 市政府との関係構築、中国企業の 部・ 創 造 理 工 学 部・ 先 進 マ:「21世 紀 の 企 業 の 挑 戦 ~ ブ 広報活動の現状把握、中国経済の 理工学部で「企業人派遣講座」を実 ロードバンド時代のビジネス戦略 状況理解などを目的に、上海市人 施した。 ( テーマ:「21世紀におけ ~ライフネット生命の挑戦」 、講 民対外友好協会の協力を得て、 「上 る科学技術と社会~スマート社会 師:出口 治明 ライフネット生命 海スタディ・ミッション」を派遣 の展望」、講師:須藤 亮 経団連 保険 代表取締役会長) した。 未来産業・技術委員会 企画部会 長/東芝 技術シニアフェロー) 企業・団体の広報関係者ら5名 10 / 12 インターネットを活用 して、どのように情報収 が参加し、上海の有力メディア (解放日報、新民晩報、東方網、 王子製紙の苫小牧工場 10 / (北海道苫小牧市)で「企業 11 集し、また、ソーシャルメディア 梨視頻)と交流を行い、上海市人 によってどのような双方向コミュ 民対外友好協会、上海市人民政府 と生活者懇談会」を開催し、生活 ニケーションを行っているかなど 新聞弁公室、上海発布、春秋航 者18名が参加した。施設概要など について意識・実態調査を行い、 空、上海梅龍鎮伊勢丹、復旦大学 について説明を受けた後、工場内 その結果を取りまとめ、 『インター 新聞学院、上海対外経貿大学を訪 で、古紙を解きほぐし繊維状にす ネット利用に関する意識・実態調 問した。 るパルパーや、高速で新聞用紙を ( 詳細は、 査報告書』を発行した。 作り上げる巨大マシンを見学し 本誌2ページを参照) た。さらに、明治43年の操業開始 10 / 13 経団連会館で「企業広報 講座(第4回東京会場)」を 10 / 12 東 京 工 業 大 学・ 大 学 院 開催した。テーマは、 「ウェブサイ 遺産群」のひとつである送木水路 で「企業人派遣講座」を実 トを活用したグローバル広報戦 を見学し、近代産業の礎を築いた 施した。 ( テーマ:「科学技術特論 略」。講師はクロスメディア・コ 以来使い続けている、 「近代化産業 2016年12月号〔経済広報〕 19 9月28日~ 10月21日 NEWS ベーション事業本部グローバル事 10 / 19 業推進本部企画部部長) 施した。 ( テーマ:「科学技術特論 加藤 兼司 日立製作所 社会イノ 東 京 工 業 大 学・ 大 学 院 で 「企業人派遣講座」を実 ~エネルギー・環境技術の最先端 10 / 13 Keizai Koho Center News ミュニケーションズの雨宮和弘代 日本経済新聞に 「トッ と将来展望~発電用ガスタービン プ が 主 導『 年 休 3! 4! 技術開発の現状と展望」 、講師: 5!』」と題する を掲載 「意見広告」 正田 淳一郎 三菱日立パワーシス した。 テムズ タービン技術本部タービ 表取締役。雨宮氏は、日本企業 ン開発総括部長) ションの課題として、日本と海外 10 / 17 のコミュニケーションの文化の違 理工学部で「企業人派遣講座」を実 10 / 20 いについて認識していないケース 施した。 ( テーマ:「21世紀におけ た。 ( テーマ:「変化に対応する日 があると指摘した。 が抱えるグローバルコミュニケー 早稲田大学基幹理工学 部・ 創 造 理 工 学 部・ 先 進 早稲田大学商学部で「企 業 人 派 遣 講 座 」を 実 施 し る科学技術と社会~スマート社会 本企業~環境における取り組み 海外企業のグローバルサイト の展望」、講師:西本 聡 みずほ (1)」、講師:幡多 輝彦 JFE の紹介を通して、インフォグラ フィナンシャルグループ インキュ エンジニアリング 取締役専務執 フィックスの利用や、英語のノン ベーションPT参事役/みずほ銀 行役員) ネイティブでも理解できるよう、 行 個人マーケティング推進部リ 「伝わる」平易な表現の英語で企業 モートチャネル推進室参事役) 概要、企業理念を説明するのが世 顧客から理解・共感される関係を 10 / 18 構築していくことが重要であると ( テー 業人派遣講座」を実施した。 強調した。参加者は77名。 マ: 「21世 紀 の 企 業 の 挑 戦 ~ ブ 界の潮流であると説明し、社会や コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン・ コンサルタントの川村秀 慶應義塾大学総合政策 樹氏を講師に、 「危機管理広報に関 学部・環境情報学部で「企 する講演会」を開催した。参加者 ロードバンド時代のビジネス戦略 10 / 13 10 / 20 は約120名。 10 / 21 日本外国特派員協会の 早稲田大学商学部で「企 ~マイクロソフトのワークスタイ 業 人 派 遣 講 座 」を 実 施 し ル変革事例紹介~業務効率とワー 「外国メディアに対する広報活動 た。 ( テーマ: 「変化に対応する日 クライフバランスの向上~」、講 に関する説明会」を開催した。参 本企業~グローバリゼーション 師:小柳津 篤 日本マイクロソフ 加者は80名。 における取り組み(1)」、講師: ト エグゼクティブアドバイザー) 英文国際比較統計集 『Japan and the World 2016/17 柳友彦総支配人を講師に、 k (国内広報部 鈴木陽子) 好評 発売中 A Pocket Guide in Figures』 ポケットサイズ(19cm×9.5cm) 定価 1000 円(税・送料別) 経済広報センター会員価格 700 円(税・送料別) グローバルなビジネス環境の理解に役立つ主要データを網羅。大幅刷新し、 より見やすく使いやすく。 本統計集には「経済・金融指標」 「人口・労働市場」など5分野全70項目について、 日米中英独韓などのデータを原則、過去10年にわたり収録 しました。昨今の注目データも充実しており、例えば、2015年の25∼54歳の女性雇用率は、 日本(72.7%) は米国(70.3%) より高いことが紹介され ています。視覚に訴えるカラー・グラフと、調査業務への活用を念頭に、具体的な数値の表を併記。 目次等に和訳を記載し、使いやすくなりました。 直販のほか、全国の有名書店、政府刊行物センター、 ならびにオンライン書店で販売中。 ノベルティーとして社名ロゴ入れなども可能です。 編集 ・ 発行 20 〔経済広報〕2016年12月号 〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館 購入申込 http://www.kkc.or.jp/pub/#a96 TEL 03-6741-0031 e-mail:pocketguide@kkc.or.jp 総目次 2016年(1 〜 12月号) (月号) 新春特集 2016年を迎えて 広報の大切さ 宮原耕治(経済広報センター/日本郵船) 1 新春特集 今年は、ここに注目 川村晃司(テレビ朝日) 藤沢久美(シンクタンク・ソフィアバンク) 熊野英生(第一生命経済研究所) 1 1 1 第32回 企業広報賞 第32回「企業広報賞」受賞企業・受賞者決まる 第32回「企業広報賞」表彰式・パーティを開催 9 11 第31回 「企業広報賞」 受賞者インタビュー “マツダブランド”をあらゆるステークホルダーに1 ~広島に育てられた企業として地域への感謝を意識~ 小飼雅道(マツダ) リーダーのコミュニケーションの目的は 人を動かすこと 川村秀樹(コミュニケーション・コンサルタント) 4 「ステルスマーケティング」 に潜むリスク 祝前伸光(ヤフー) 5 ソーシャルメディア時代のパブリシティとその効果6 ~企業広報講演会を開催~ 細川一成(電通パブリックリレーションズ) 橋本良輔(電通パブリックリレーションズ) スクープ報道に対する 上場企業としての適切なコメントとは? 6 ~株価へのインパクトを想定した、迅速な情報開示が 求められる時代に~ 江良嘉則(エイレックス) グローバル企業のインターナルコミュニケーション6 トップ広報で、 社内意識と総合商社のイメージを変える 岡藤正広(伊藤忠商事) 2 ~コミュニケーションが生み出す組織の透明性~ 岩原雅子(イン・タッチ・コミュニケーションズ) ミドリムシの魅力を正しく広く 知ってもらうための発信 出雲 充(ユーグレナ) 2 雪印メグミルクのインナーコミュニケーションと 6 風土改革 足立 晋(雪印メグミルク) 企業広報研究 企業危機管理と初動の重要性 ~幹部社員逮捕や自然災害などを題材に~ 結城大輔(のぞみ総合法律事務所) 森 健(森総合研究所) 1 LINEの現状と企業広報・PR活動における LINEの活用について 田端信太郎(LINE) 7 ツイッターと企業広報 西窪恭未子(Twitter Japan) 8 企業魅力度モデル 8 グローバル・リサーチを通して見る日本の広報 宮部潤一郎(北海道大学) 2 ~生活者1万人が魅力的に感じる企業とは~ 北見幸一(企業広報戦略研究所(電通パブリックリレーションズ内)) 長濱 憲(企業広報戦略研究所(電通パブリックリレーションズ内)) 究極の3フィートでの対話 猪狩誠也(東京経済大学) 2 採用に効くコーポレートPR 企業広報功労・奨励賞を受賞して セブン&アイ・ホールディングスの広報と、 私の広報観 山口公義(セブン&アイ・ホールディングス) 3 企業広報功労・奨励賞を受賞して 「対話」を重視した広報IR活動で ステークホルダーの理解を深める 田中良輔(カプコン) 3 11 ~「ストーリー」 「人」 「制度」に注力を~ 太田 滋(ビルコム) グループ広報戦略 日本コカ・コーラの 広報・パブリックアフェアーズ活動 4 TDKのグローバルグループ広報戦略 6 グループ再編と広報戦略 7 グループの一体感を醸成する広報戦略 9 日本コカ・コーラ TDK 日本企業に迫るグローバルクライシスの影 その最新事例と対処法 リチャード・レヴィック(レヴィック社) 3 グローバル広報は国内広報とどう違うか ロス・ローブリー(エデルマン・ジャパン) 3 Facebook運用から 複数ソーシャルメディア運用のフェーズへ 3 資生堂 東京ガス ~変わりゆく生活者とメディアの関係、注目高まる ソーシャルメディアにおける情報発信のキホンとは~ 小野寺 翼(メンバーズ) PRにおける“クリエイティビティー ”の重要性 4 アンディ・ポランスキー(ウェーバー・シャンドウィック) グローバル企業のインターナルコミュニケーション なぜ、インターナルコミュニケーションが 重要なのか ロス・ローブリー(エデルマン・ジャパン) 7 社員のモチベーションを高める、 8 グローバルなインターナルコミュニケーションとは 矢野元子(ウェーバー・シャンドウィック) TOGAの活性化でエンプロイ・エンゲージメントを強化9 井垣 勉(オムロン) 2016年12月号〔経済広報〕 21 総目次 2016年(1 〜 12月号) 独自の企業文化を伝承し、 社員の意識醸成と組織力を強化 吉川英里(京セラ) 10 トップが考えるダイアローグ・マネジメントの新潮流 日本企業のインターナル・コミュニケーション トップ主導で相互交流・対話型 清水正道(筑波学院大学/日本広報学会) 8 日本企業のインターナル・コミュニケーション 経営理念浸透活動におけるトップの直接対話 池田勝彦(ソフィア) 9 日本企業のインターナル・コミュニケーション 11 進化が求められる広報の役割 柴山慎一(NRIみらい) 統合報告書は、いま “統合報告書元年”から5年 統合報告書の「いま」9 加藤公明(凸版印刷) 個性を際立たせ、企業価値をストーリーで伝える10 第一生命保険 価値創造をストーリーで伝える 日本航空 11 ターゲットに合わせて 企業価値の伝え方を変える クボタ 12 日本企業の広報力総論 9 北見幸一(企業広報戦略研究所(電通パブリックリレーションズ内)) 情報収集力 10 末次祥行(企業広報戦略研究所(電通パブリックリレーションズ内)) 戦略構築力 11 萬石隼斗(企業広報戦略研究所(電通パブリックリレーションズ内)) 情報創造力 12 橋本良輔(企業広報戦略研究所(電通パブリックリレーションズ内)) マスコミ事情 オウンドメディアの最新事情 平田大治(シックス・アパート) 2 まるで“モグラたたき” 「想定外」続くテレビの災害報道 3 〜東日本大震災から5年〜 久慈省平(テレビ朝日) 22 1 生活情報部で報道価値を高める 角谷公英(フジテレビジョン) 3 日本を世界に伝える 5 共同通信大阪経済部の編集方針と取材体制 高橋雅哉(共同通信社) 8 10 10 メディア事情 ネットに広がる、様々なソーシャルな世界 平田大治(シックス・アパート) 7 ネットで影響力のある人に どうアプローチしたらいいのか 加藤恭子(ビーコミ) 8 企業PRの「明日のヒント」 岡本純子(グローコム) グローバルPRの3つのトレンド トップの役割は チーフエンゲージメントオフィサーへ 広報担当者は 「トップのプロデューサー」 となれ トップに聞いておきたい質問リスト トップやエグゼクティブの 即効コミュ力アップ法とは 1 2 3 4 5 6 視点・観点 理科関連の出前授業のコツ 小森栄治(日本理科教育支援センター) 1 悲観大国、日本 4 ブームをつくる 殿村美樹(TMオフイス) 5 熊本地震 現地は、いま 小野豊和(東海大学) 7 ~「2016 エデルマン・トラストバロメーター」調査結果~ 「Society 5.0」 とは 日本の理解促進のために やらなければならないこと ケント・ギルバート 持続可能な発展のための人づくり 日経ビジネス、経営情報メディアへの挑戦 飯田展久(『日経ビジネス』) 〔経済広報〕2016年12月号 BSは深く、ゆったりと 星野 誠(BS-TBS) グローバル時代の新しいPRの可能性 調査から見る日本企業の広報力2016 12 メディアに聞く ~来年3月に120年を迎える歴史で初の女性編集役員~ 大門小百合(ジャパンタイムズ) 日本企業のインターナル・コミュニケーション 10 社員参加型の継続的な仕組みで理念を具現化 中村昭典(名古屋大学) 毎日新聞経済報道の編集方針 塚田健太(毎日新聞東京本社) 新聞記者の攻略法と中日新聞の関心事 林 浩樹(中日新聞) ~企業にとっての意味とは~ 関 正雄(ESD活動支援企画運営委員会/ 損害保険ジャパン日本興亜/明治大学) 「金融リテラシー調査」 の概要 金融教育の遅れなどが明らかに 川村憲章(金融広報中央委員会/日本銀行) 7 8 10 10 ANGLE 「安心・安全な社会」 の実現に向けて 北川裕司(日本損害保険協会) 1 総目次 2016年(1 〜 12月号) 豊かなクルマ社会の実現に向けて 大上 工(日本自動車工業会) 2 エネルギーを繋ぐ力 森田浩司(電気事業連合会) 3 これからもずっと 安心社会実現のために 山根康史(生命保険協会) 4 都市ガスで豊かな社会と暮らしの実現に貢献 伊藤昌彦(日本ガス協会) 5 もっと知ってほしい「かがく」のチカラ 鎌田裕司(日本化学工業協会) 6 担い手の確保・育成と生産性向上に向けて 永山貴一(日本建設業連合会) 7 金融商品市場の健全な発展のために 笛木敦夫(日本証券業協会) 8 若い人材は産業界の財 松本俊博(日本電機工業会) 9 社会広聴アンケート 企業に対する肯定的評価は37%、 否定的評価は14% 4 社会の出来事に鋭く反応する生活者の企業観 中島 茂(中島経営法律事務所) 4 増加する訪日外国人旅行者とラグビーW杯の 日本12都市での開催に期待すること 5 企業には災害時、 「商品・サービス提供の維持、 速やかな復旧・再開」を期待 9 行政の災害への備えに課題 小川和久(静岡県立大学) 9 ―第19回 「生活者の“企業観”に関するアンケート」調査結果― ―「地域活性化と観光立国に関するアンケート」調査結果― ―「災害への備えと対応に関するアンケート」調査結果― スマートフォンは49歳以下で8割、 「SNS」は全体の半数が利用 12 ―「インターネット利用に関するアンケート」調査結果― 企業はHP、SNSをどう活用すればいいのか ~『インターネット利用に関する 意識・実態調査報告書』 を読んで~ 雨宮和弘(クロスメディア・コミュニケーションズ) 12 ~教員の民間企業研修~ 2 グローバル化したサプライチェーンに潜むリスク 4 越守丈太郎(トムソン・ロイター・マーケッツ) ~熊野英生氏を講師に京都で講演会を開催~ 熊野英生(第一生命経済研究所) シンポジウム 6 「産業の未来 (第四次産業革命) と日本の経済成長」 森川博之(東京大学先端科学技術研究センター) 加藤智秋(マッキンゼー・アンド・カンパニー) 鍛治屋清二(ダッソー・システムズ) 野崎省二(ダッソー・システムズ) 米国シンクタンク研究者招聘プログラムを実施 7 ~日米と中国との建設的な関係発展に向けて~ ナサニエル・アーレンズ(CSIS(戦略国際問題研究所)/ メリーランド州立大学) スコット・ハロルド(ランド研究所) アダム・ハーシュ(ルーズベルト研究所) 不透明な時代における経営マネジメントを議論 8 シンポジウム 「日米の人的交流―本当の課題―」 加藤ゆかり(留学ジャーナル) 黒田一雄(早稲田大学) マシュー・サスマン(日米教育委員会) 9 ―米国ビジネススクール教授招聘プログラム― シム・シトキン(デューク大学) ギータ・ジョハール(コロンビア大学) プニート・マンチャンダ(ミシガン大学) レツェフ・レヴィ(マサチューセッツ工科大学) マイケル・マッツェオ(ノースウエスタン大学) 「エネルギー分野の技術革新」 と 「新しい製造業」 10 〜「イノベーション・シンポジウム」をMIT産業学際会と共催〜 ロバート・アームストロング(マサチューセッツ工科大学) クリスティン・ヴァン・ヴィリエット(マサチューセッツ工科大学) ポケットサイズの英文国際比較統計集を発行 11 アクティビストにどう向き合うべきか 12 ―Japan and the World 2016/17― ~国際IRに関するセミナーと ロールプレイングセッションを開催~ 小冊子 『グループ経営を支える広報戦略』 を発行 12 企業広報講座ダイジェスト ドイツジャーナリスト訪日プログラム 2 スザンネ・ベーツ(バイエルン放送) ディーテゲン・ミューラー(『ベールゼン・ツァイトゥング』紙) オリバー・シュトック(『ハンデルスブラット』紙) どうなる? 日本の将来 5 ~日中経済関係への示唆~ 陳 光金(中国社会科学院) 李 春玲(中国社会科学院) 呂 鵬(中国社会科学院) 周 倩(北海道大学) 危機管理と広報 経済広報センター活動報告 2016年度実施に向け募集始まる 多様化する中国の若者の価値観 5 1 国際プロジェクト紹介 35周年を迎えた北米社会科教師招聘プログラム 1 ~KKCフェローの活躍~ ASEAN政治家 「都市政策視察プログラム」 2 ビジネス・スピーカー・シリーズ 第16回会合をコロラド州デンバーで開催 4 ユスロン駐日インドネシア大使との懇談会を開催 3 コーポレートステートメント・メッセージ Foresight in sight 4 Solutions for Innovation 5 日本ユニシスグループ 日本電子 2016年12月号〔経済広報〕 23 総目次 2016年(1 〜 12月号) 一歩先を行く技術 地球を大切にする心 思いやりのある行動 6 A SUSTAINABLE FUTURE 7 世界的な競争力を持つ アルミニウムメジャーグループ 8 こころまち つくろう 9 シンフォニアテクノロジー ヤンマー UACJ 京阪ホールディングス Open up your dreams OKI 10 手形・振込みに代わる新たな決済手段を提供する11 全銀電子債権ネットワーク 穀物ソリューション・カンパニー 昭和産業 12 1 日本経済新聞社、日経リサーチ 中部電力、 「夏休み親子施設見学会」を開催 中部電力 ASEANでの日本に関する情報源、 「テレビ」 「口コミ」が上位 2 3 博報堂、博報堂DYメディアパートナーズ グローバル日本ブランドランキング2016 を発表 4 インターブランド 女性経営幹部比率が高い企業ほど 高いレピュテーション 5 ウェーバー・シャンドウィック 「なでしこ銘柄」女性活躍推進の45社を発表 経済産業省、東京証券取引所 「IR活動の実態調査」 日本IR協議会 「攻めのIT経営銘柄2016」に26社を選定 経済産業省、東京証券取引所 働き方変革に取り組む企業3割を超える NTTデータ経営研究所 女性活躍推進の「えるぼし」企業を認定 厚生労働省 ビジネスパーソンは社内の人脈を重視 住友生命保険 「東レ先端材料シンポジウム2016」を開催 東レ 6 7 8 9 10 11 12 24 1 『危機管理広報の基本と実践』 浅見隆行 著 2 『未来に選ばれる会社 3 〔経済広報〕2016年12月号 5 『実践!プレスリリース道場 完全版』 井上岳久 著 6 『ネット炎上の研究 誰があおり、どう対処するのか』 田中辰雄・山口真一 著 7 『今、企業がブランド力を上げる理由 想いを伝える企業ブランディング』 関野吉記 著 8 『手紙を書いてマスコミにPRする方法 9 “想い”をこめた「お手紙プレスリリース」で心をつかむ!』 『社長! その会見、会社を潰します 「戦略的経営広報」の実際』 中島 茂 著 10 『できる100の新法則 Instagram マーケティング11 写真1枚で「欲しい」を引き出す技術』 オプト (山田智恵、小川由衣、石井リナ) 、 できるシリーズ編集部 著 『アイビー・リー ―世界初の広報・PR業務―』 河西 仁 著 12 企業・団体のCSR活動 東レグループの教育支援活動 1 オリンパス技術歴史館 「瑞古洞」 2 横浜銀行が取り組むCSR活動 3 コマツの社会貢献活動 4 マチと共に生きる、ローソンの取り組み 5 京都鉄道博物館 6 手づくり絵はがきコンクール 7 東レグループ オリンパス 横浜銀行 コマツ ローソン 西日本旅客鉄道 日本製紙連合会 りそなホールディングスの 「りそなキッズマネーアカデミー」 8 りそなホールディングス ニコン 『メディアのリアル』 吉田正樹×先駆者たち 著 森 摂(オルタナ編集長)+オルタナ編集部 著 『成長をかけ算にする サイバーエージェント 広報の仕事術』 上村嗣美 著 ニコンミュージアム 企業広報ニュース 「BOOK」 CSRから始まるソーシャル・ブランディング』 4 坂本宗之祐 著 企業広報ニュース 「広報トピックス」 日経新聞社が上場企業ランキング 「NICES(ナイセス)」を発表 『ブームをつくる 人がみずから動く仕組み』 殿村美樹 著 9 花王・教員フェローシップ ~生物多様性支援プログラム~ 10 株や社債をかたった 投資詐欺被害防止キャンペーン 12 花王 日本証券業協会 企業広報ニュース 東レは創立90周年を迎えるに当たり、 「東レ先端材料シンポジウム2016」 を10月6日に開催し 広 報 トピックス た。 同社の日覺昭廣社長は、開催に当たり 「本シンポジウムでは21世紀における持続可能な成長 「東レ先端材料シンポジウム 2016」を開催 に向けて弊社が注力している『グリーンイノベーション』 『ライフイノベーション』 に関連する分 野で、特に活躍されているリーダーを学界、産業界から特別講師として招聘し、先端材料、先 端技術を起点とする“Innovation”の現状と将来動向についてご講演いただく」 とあいさつした。 続いて基調報告として同社副社長 技術センター所長 (CTO)の阿部晃一氏が「東レの研究・ 技術開発戦略-先端材料が拓く、地球の未来。-」をテーマに、先端材料を持続的に創出する 同社の研究・技術開発の仕組みについて講演した。 特別講演では理化学研究所 網膜再生医療研究開発プロジェクトリーダーの高橋政代氏が「網 膜再生医療 - 新しい事への挑戦」をテーマに、iPS細胞を使った網膜再生医療の研究や臨 床実験、さらには視覚障害者の社会復帰の課題への取り組みについて詳細に報告。また、ザ・ ボーイング・カンパニー チーフ・テクノロジー・オフィサーのグレッグ・ハイスロップ氏は 「Advances in Aerospace Materials(航空宇宙材料の進歩) 」をテーマに、炭素繊維に代表される 先端材料が航空機の進化に与える影響がいかに大きいかを語った。 同シンポジウムと同時開催された「東レ先端材料展」 (展示会は10月6〜8日)では、炭素繊 維を使った実際の航空機モデルの展示や、着るだけで生体信号が計測できる繊維など東レの革 新的な先端材料の展示があり、多くの来場者が足を止めて見入っていた。 k (国内広報部主任研究員 磯部 勤) Book 『アイビー・リー 』 ―世界初の広報・PR業務 ― アイビー・リーをご存知でしょうか。広報の実務家には、 もしかしたらあまりなじみがないかもしれないが、広報・P Rを学ぶ学生やPRの資格試験の受験生は、必ず目にする名 前だろう。広報・PRの参考書を開くと、 「近代広報の父」 「危 機管理広報の父」として登場する。 アイビー・リーは、20世紀初頭から1930年代まで米国で 活躍した広報エージェントの草分け的存在。急速な工業化と 新聞メディアの普及で、企業経営者は顧客や従業員との関係 構築、一般大衆との双方向コミュニケーションの重要性を痛 感していた。そうした中で、リーは、今日では当たり前のよ うに行われている、プレスリリース、記者会見、クリッピン グ、メディアリストなどのメディア広報の手法を発案・実用 化した人物だ。企業経営者向けのメディアトレーニングも実 践していたとされる。 また、ステークホルダーに直接かつ効果的にメッセージを 河西 仁 著、 伝えるために広報誌、パンフレット、ポスターなど独自の印 同友館 刷メディアを開発した。これらの印刷物は、クライアント企 2016年10月発行、 業の従業員や家族にも届けられたという。 (税別) また、彼が「危機管理広報の父」と呼ばれるのは、炭鉱での 1800円 ストライキ収拾、鉄道会社での対応などが評価されたもの だ。 今日の広報活動の原型が100年前にできていたことが分かる。また、同書を読んでいると、 広報活動の悩みは、100年前も今も変わらない。 次号(本誌2017年1月号)では、著者である河西仁氏に、アイビー・リーについて、さらに 詳しく紹介いただく。 k (常務理事・国内広報部長 佐桑 徹) 2016年12月号〔経済広報〕 25 2016 12 企業・団体のCSR活動 株や社債をかたった投資詐欺被害防止キャンペーン 日本証券業協会 お問い合わせ先 日本証券業協会 広報部 TEL:03-3667-8528 HP http://www.jsda.or.jp/ http://www.kkc.or.jp/ 平成 昭和 年 月 日発行 (毎月 回 日発行) 第 年 月 日第 種郵便物認可 55 28 10 12 23 1 3 1 1 消費者にリーフレットなどを配りながら注意喚起を行う街頭 活動の様子 強化月間として「株や社債をかたった投資詐欺被害 や、そのルールが実際に守られているかの監査を行 防止キャンペーン」を実施している。同キャンペー うほか、金融・資本市場の健全な発展を推進するた ンでは、証券会社、警察、財務局、消費生活行政と めの調査研究および意見表明などを行っている。 連携し、全国47都道府県の街頭で、消費者に注意 を喚起するリーフレットなどを配布するとともに、 ため、金融・証券知識の普及・啓発事業も展開して メディアを通じた呼び掛けも行う。さらに、警察主 いる。 催のイベントや証券会社の店舗でのリーフレット配 健全な金融・資本市場の発展のためには、投資家 布、鉄道などの公共施設でのポスター掲示、全国老 が安心して参加できることが第一である。しかし一 人クラブ連合会での注意喚起など、地道な活動を続 方で、未公開株式を勧誘するなどの「株や社債をか けている。 たった投資詐欺」が頻発している。証券会社と取引 また、同協会が設置している「株や社債をかたっ のある人たちの被害も多く、証券会社や公的機関の た投資詐欺」被害防止コールセンターでは、通報の 名をかたって勧誘するケースも増えており、高齢者 受け付けやアドバイスだけでなく、分析した通報内 を中心に深刻な社会問題となっている。 容や手口をウェブサイトで公開し、行政へも情報提 このため同協会では、こうした投資詐欺の未然防 供を行うなど、被害を未然に防ぐ注意喚起に余念が ない。 特殊詐欺対策推進への貢献が認められ、警察庁か ら表彰された同キャンペーンも、2012年のスター トから5年目を迎える。例年、関係者約1500人で 3万人以上の消費者に直接呼び掛け、多数のメディ アにも取り上げられている。年々、消費者の投資詐 欺の被害防止に向けた意識も高まり、街頭活動に足 を止め、熱心に話を聞く人も増えたという。 同協会は、今後も、消費者の安全と利益を守るた め、投資への信頼向上に繋がる情報を提供していき 街頭では 「カモかもくん」 「とうしくん」 「ピーポくん」 (右か ら) も呼び掛けに参加 発行:一般財団法人 経済広報センター たいと考えている。 k (国内広報部主任研究員 守谷ちあき) Printed in Japan 448 発行人/渡辺 良 編集人/佐桑 徹 [ ISSN 0918–4600 ] 東京都千代田区大手町一 三 (本体価格三〇〇円+税) - 二 - 経団連会館 電話〇三 六 - 七四一 〇 - 〇 二 一 〒一〇〇 〇 - 〇〇四 ( 送料別、賛助会員の購読料は会費に含む) また、国民のいわゆる「金融リテラシー」の向上の 12 号 止のための活動を行っており、特に、毎年10月を 号通巻 日本証券業協会は、「金融商品取引法」に基づく自 主規制機関として、証券業界の自主ルールの制定 38 巻第 毎年10月の強化月間を中心に、全国47都道府県の街頭で「株や社 債をかたった投資詐欺被害防止キャンペーン」を実施している
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