Fastect®-Ⅱ (尿中薬物検出キット) 研究用 (AMP/THC/MET/COC/PCP/BAR/BZO/OPI/TCA/MDMA/MTD/OXY 検出用カセット) 製造元: 輸入発売元: Branan Medical Corporation 株式会社 ベリタス 用途・特長: 尿をサンプルとした濫用薬物のスクリーニングには、単純な免疫検定法(イムノクロマトグラフィー法)から複雑な解析法 まで様々あり、イムノクロマトグラフィー法は、その速度および感受性のために、広く使用されるようになりました。本カ セットのワンステップ免疫検定部は、尿中の AMP/THC/MET/COC/PCP/BAR/BZO/OPI/TCA/MDMA/MTD/OXY あるい はそれらの代謝産物の定性検出が可能です。このワンステップ検出では、以下のカットオフ濃度以上でこれらの薬物を検出 できます。検出可能な薬物は商品によって異なります。 AMP MET THC COC PCP BAR BZO OPI TCA MDMA MTD OXY Amphetamines Metamphetamines 11-nor-Δ9-Tetrahydrocannabinol-9-carboxylic acid Benzoyleecgonine Phencyclidine Secobarbital Oxazepam Morphine Nortriptyline Ecstasy Methadone Oxycodone 1,000 ng/mL 500 ng/mL 50 ng/mL 300 ng/mL 25 ng/mL 300 ng/mL 300 ng/mL 300ng/mL 1,000ng/mL 500 ng/mL 300 ng/mL 100ng/mL 原理: A. 尿中薬物検出 Fastect®-Ⅱは化学的に修飾した薬物(薬物-蛋白結合物)と尿中に含まれる可能性のある薬物とが限りある抗体の結合サイトを 競うワンステップのイムノアッセイ法です。試験器具にはあらかじめ検出領域に薬物-蛋白結合物をコートした膜ストリップ が含まれ、その膜の片方の端には金コロイド標識された抗薬物抗体を含むパッドが着いています。 尿中に薬物が含まれない場合、金コロイド標識抗体は試料溶液とともにキャピラリー作用で上昇して膜を移動して、薬物-蛋 白結合物の固定された検出領域に到達します。移動してきた金コロイド標識抗体は検出領域に固定された薬物-蛋白結合物に 結合し目に見える赤く着色した線が現れます。 例) AMP(アンフェタミンの場合) 図 1. 尿中に AMP が存在しない場合 金コロイド標識抗 AMP 抗体と金コロイド標 識コントロールを含むパッド AMP-蛋白質結合物固定バンド 尿サンプル添加窓 抗コントロール抗体 AMP Cont. 金コロイド標識 Cont. コントロール 尿サンプルは矢印方向に 移動し、金コロイド標識さ れた AMP 抗体とコントロ ールが溶出してサンプル と共に移動する。 標識 AMP 抗体は AMP-蛋 白質結合体のバンドに、 標識コントロールは抗コン トロール抗体のバンドに結 合して赤く着色した線が現 れる。 金コロイド標識 抗 AMP 抗体 尿中に薬物が存在する場合は検出領域の薬物-蛋白結合物と尿中の薬物/薬物代謝物が限りある抗体を競争する形になります。 尿中に充分量の薬物が存在すると、限りある抗体の結合部位を薬物が埋め尽くしてしまいます。したがって、検出領域に固 定された薬物-蛋白結合物に結合できる金コロイド標識抗体は残されず、赤い線は出現しません。 1 図 2. 尿中に AMP が存在する場合 AMP Cont. AMP 金コロイド標識 AMP Cont. コントロール 金コロイド標識 抗 AMP 抗体 Cont. 尿サンプルは矢印方向に 移動し、金コロイド標識さ れた AMP 抗体とコントロー ルが溶出するが、尿中の AMP が標識 AMP 抗体に 結合してしまう。 移動していった標識コント ロールは抗コントロール抗 体のバンドに結合して赤く 着色したコントロール線が 現れるが、標識 AMP 抗体 には尿中の AMP が結合し ているため AMP-蛋白質結 合 体 の バ ンド に結 合 でき ず、赤い線は現れない。 従って、検出領域に赤く着色した線が現れない場合は尿中にその薬物が存在する(陽性)という事を意味しています。 イムノクロマト膜ストリップのコントロール領域には、テストが正確に行われた事を確認するために、異なる抗原/抗体反応 用のコントロールバンドが含まれています。薬物あるいはその代謝物の存在の有無にかかわらずコントロールラインは必ず 現れなければなりません。コントロールラインが出てこない場合は再度試験し直してください。コントロール領域における コントロールバンドの存在は 1) 充分量の試料が添加されたことの確認、 2) 溶液の流れが滞り無かったかどうか、 3) 試薬のコントロールとして利用されます。 製品: A. 添付の試薬および材料 1. パッケージインサート 2. 尿検査用カセット-50 個 B. 必要ではあるが付属していない材料 1. サンプル採取容器 2. タイマー、時計など 3. 薬物の陽性、陰性コントロール C. 警告および使用上の注意 ・in vitro の判定にのみ使用すること。 ・専門家のみが使用すること。 ・本品は試料尿中に対象薬物あるいはその代謝物が含まれている可能性を示すものですが、薬物中毒である事、あるいは その程度を示すものではありません。陽性あるいは擬陽性の結果となった場合は GC/MS のような特異性の高い定量性 のある方法で確認試験を行ってください。 ・検出用カセットは、使用する直前にパウチから取り出すこと。包装が開いている、あるいは破れている場合、その検出 用カセットを廃棄すること。 ・全ての尿サンプルは、感染の可能性があるものとして扱うこと。適切な処理および廃棄方法を確立すること。 D. 製品の保管 袋に密封されている Fastect®-Ⅱ (尿中薬物検出キット)は、袋に記載の有効期限まで室温(15~30℃)および通常の湿度 で保管すること。この製品は湿度の影響を受けるため、開封後はすぐに使用すること。 E. サンプルの採取および取り扱い Fastect®-Ⅱ (尿中薬物検出キット)は、尿サンプルに使用するように作られている。新鮮な未処理の尿のみを使用するこ と。尿を遠心分離したり、尿に保存薬を加えたりしないこと。検出は尿サンプル採取後できるだけ早く、できれば同日 に実施すること。冷蔵していたサンプルは、室温に戻してから用いること。冷凍していたサンプルは解凍し、室温に戻 し、十分に混合してから用いること。 注意:尿サンプルと接触した全ての材料は、感染の可能性があるものとして扱い、廃棄すること。尿サンプルには触れ ないようにし、GLP に従うこと。 2 F. 検出法 重要:検出用カセット、検体サンプル(尿サンプル)、ならびに対照は室温にしてから使用すること。準備が整うまで 開封しないこと。 使用方法: a. 矢印の位置までろ紙が出るようにキャップを上げ、サンプル尿にろ紙の先が規定の線を越えないように 10 秒間浸し ます。 b. 2. キャップを矢印の位置まで下ろして平らに静置し、5 分程度でコントールバンドと判定バンドを確認します。 薬物検出テスト コントロールバンドとともに、判定バンドが出ていれば陰性です。 コントロールバンドが出ていないので、 このテストは無効です 重要 コントロールバンド:OK TCH:ネガティブ COC:ポジティブ !! 異なる項目のバンドの色の濃さを比較せずに、各判定バンド部分を個々に読んでください。 かすかにバンドが確認されたサンプルは「陰性」と判断してください。 疑わしい反応を呈したサンプル、および「陽性」のサンプルは、より特異性の高い定量性のある方法(GC/MS)での確認 を行ってください。 3 品質管理 GLP は、キットが正常に機能していることを保証するために対照物質を使用することを推奨している。SAMHSA は、陽性の 品質管理サンプルがその検出のカットオフ濃度であること、あるいはそれに近いことを推奨している。品質管理基準は市販 されており、毎日使用することが推奨されている。尿サンプルと同じ検定手順を使用すること。対照値が規定の範囲内にな い場合、検定結果は無効である。 Fastect®-Ⅱは、対照領域に異なる抗原/抗体反応を持つ対照帯が組み込まれており、検出が正しく行われたことを示す。これ らの対照の線は、薬物あるいは代謝産物の有無にかかわらず常に現れる。対照の線が現れない場合、その検出用カセットを 廃棄すること。対照領域にこれらの色のついた帯が存在することは、(1) 十分な量のサンプルを使用したこと、ならびに (2)正しい流量が得られていることの確証となり、(3)試薬対照としても役立つ。 本法の限界 ・本検定は、ヒトの尿のみを対象としている。 ・陽性の結果は薬物/代謝産物が存在することのみを示しており、中毒であること、あるいはその程度を示すものではない。 ・技術上または手順上の誤り、あるいは食品および医薬品中の他の物質が検出に干渉し、その結果として誤った結果を生じ ることがある。陽性の結果を生じさせる物質、あるいは検出の性能に干渉しない物質のリストについては英文添付文章の 特異性及び交差反応の項を参照。 ・ある検定で薬物/代謝産物が尿サンプル中に検出されても、薬物使用の頻度はわからない。また濫用薬とある種の食品あ るいは医薬品は識別されない。 参考文献 1. 2. 3. 4. Wong, R., The Current Status of Drug Testing in the US Workforce, Am.Clin. Lab., 2002; 21(1): 21-23 Baselt, R.C. Disposition of Toxic Drugs and Chemicals in Man, Biomedical Publications, Davis, CA, 1982. Urine testing for Drugs of Abuse. National Institute on Drug Abuse (NIDA),Research Monograph 73, 1986. Wong, R., The Effect of Adulterants on Urine Screen for Drugs of Abuse:Detection by an On-site Dipstick Device, Am. Clin. Lab., 2002; 21(3); 14-18 5. Young, D.S. et. al., Clinical Chemistry, 21 (9), 1975. 6. U.S. Dept. of Health and Human Services, Mandatory Guidelines for Federal Workplace Drug Testing Programs. Federal Register, 2001 Aug.;66(162): 43876 7. U.S. Dept. of Transportation, Procedures for Transportation Workplace Drug and Alcohol Testing Programs. Federal Register, 1999 Dec.; 64(236); 69076 8. McBay, A.J. Clin. Chem. 33, 33B-40B, 1987. 9. Gilman, A.G., and Goodman, L.S. The Pharmacological Basis of Therapeutics, Eds. MacMillan Publishing, New York, NY, 1980. 10. Ringsrud, K.M and Linne, J.J., Urinalysis and Body Fluids, A color Text and Atlas, Mosby-Year Book, Inc., 1995. 11. Fed. Register, Department of Health and Human Services, Mandatory Guidelines for Federal Workplace Drug Testing Programs, 53, 69, 11970–11979, 1988. 製造元: Branan Medical Corporation 10015 Muirlands Rd. Suite C Irvine, CA 92618 USA 株式会社ベリタス 〒105-0001 東京都港区虎ノ門 2-7-14 八洲ビル TEL 03-3593-3211 FAX 03-3593-3216 技術的なお問い合わせは:TEL 03-3593-3385 E-mail techservice@veritastk.co.jp 4
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