(5) 【社長の豆知識】 ( 第三種郵便物認可 ) 2010年6月 号 TAX・経営プチ解説 課税条件あれこれ 土地や建物などの不動産の貸付けによる収入 が、大きなウエートを占めている会社は少なくな い。なかには、不動産の貸付け収入が大き過ぎて 「どちらが本業か分からない」などという会社も あるようだ。 ところで、こうした不動産の貸付けでは、貸し 付けている不動産の種類やその期間によって消費 税の取扱いが異なるので注意したい。まず、土地 の譲渡や貸付け。これは原則として消費税の課税 の対象ではない。例外が、貸付期間が1カ月に満 たない、ごく一時的な土地の貸付け。この場合は 土地の貸付けでも消費税の課税対象となる。 次に、建物や駐車場などの貸付けの場合はどう 青空駐車場は消費税に 注意 ▲ ジム付きマンション 消費税の課税は? 本格的な器具を用いてダイエットや体力強化に 取り組めるのがトレーニングジム。天候に左右さ れないだけでなく、トレーナーが各個人に合わせ たアドバイスをしてくれるため、効率的な運動を することが可能だ。 近年、こうしたトレーニングジムを備えた賃貸 マンションが増えている。その利用料は賃料に含 まれていることが多いが、この場合の消費税の課 税関係はどうなっているのだろうか。 居住用マンションの家賃は原則として非課税扱 い。しかし、トレーニングジムを備えたマンショ ンの場合、そのジムをマンション住人以外の人が 利用可能かどうかによって取り扱いが変わってく る。利用可能であれば、賃料のうちジムの利用料 金に当たる部分のみが消費税の課税対象になる が、そうでなければ非課税となる。 トレーニングジムの使用料に限らず、賃料にさ まざまな施設の利用料が含まれるケースは少なく ない。 たとえば駐車場の使用料が賃料に含まれる場 合、住人が自動車を所有しているかどうかにかか 税務上は雑所得 株式上場企業が、株主に対して自社の商品券や 自社サービスの優待券などを提供する「株主優待 制度」。同制度を実施する上場企業は長らく増加 を続けてきたが、今年はどうやら減少に転じる見 通しだという。長引く景気低迷の影響で業績の 振るわない企業にとってみれば、「利益の社外流 出を少しでも抑えたい」といったところだろう か。しかし、株主優待を目当てに株主になった人 にとっては大問題。株主優待を廃止したため「優 待目当ての株主」が売りに走ったことで株価が下 がった銘柄もあるという。 一方で、業績悪化により配当が出せないからこ そ、株主優待に力を入れることで個人投資家の「株 式離れ」を防止する企業もあり、株主優待に対す るスタンスは企業によってさまざまである。 ところで、株主優待により提供される物品のな かには、ホテルの宿泊券などそれなりに高価なも のも少なくない。となると、株主優待により個人 投資家が得た経常的利益は税務上どのように取り 扱うのが適当なのか気になる。 株主優待は魅力的だが⋮ か。こうした「施設の利用に付随して土地が使用 される場合」だと、消費税の課税対象になる。 駐車している車両の管理を行っている場合、駐 車場としての地面の整備またはフェンス、区画、 建物の設置などをして駐車場として利用させる場 合には、消費税の課税の対象となる。 これは逆にいうと、地面の整備やフェンス、区 画などがなければ「土地の貸付け」になるため、 駐車場として貸していてもその賃料収入は非課税 というわけだ。同様に、野球場、プール、テニス コートなどの施設の利用にともなって土地が使用 される場合も消費税の課税対象だ。建物(住宅を 除く)などの施設の貸付けをする場合に、その使 用料を建物部分と敷地部分に区分しているときで も、その総額が建物の使用料として消費税の課税 株主優待の利益 ▲ 消費税と不動産 の対象となる。 住宅用建物の貸付けは、貸付期間が1カ月に満 たない場合などを除き消費税の課税の対象とはな らない(非課税取引)。 一見すると「配当と同様に取り扱うのか」と考 えてしまいがちだが、それは間違い。株主優待に よる経常的利益の取扱いについては、所得税基本 通達 24−2により「法人が株主等に対して供与 わらず、全室に1台以上の駐車場が付属する場合 は非課税だが、それ以外の場合は駐車場料金を合 理的に区分した金額が課税対象となる。 マンションに付属する施設・設備の使用料は、 ①全住宅にその施設・設備が付属している②住人 のみの利用が前提となっている――など、住宅に 対する従属性がより強固な場合にのみ非課税とな るわけだ。 一方、マンションの経営者が賃料とは別に徴収 する金銭については、基本的には消費税の課税対 象と考えていい。ただし、住民が均一に負担する 性質のものである「共益費」は、その名目にかか わらず非課税となる。 復活前提で「休眠」 手続きと注意点は 会社法改正前は、高値で売買されることもあっ た「休眠会社」。改正により1円で株式会社を登 記できるようになったことから売買のうまみは減 りつつあるようだが、事業再編により子会社の事 業を整理したものの、折をみて復活させることを 目的に登記は残したままにしておく――などと再 開を前提に休眠させる場合もある。 会社を休眠させるためには、まずは税務署や都 した交通機関の優待乗車券、映画、演劇等の優待 入場券、ホテル、旅館等の優待施設利用券、株主 に対する値引き販売等は、法人が余剰金または利 益の処分として取り扱わない限り、配当には含ま れない」とされており、雑所得として取り扱うの が適当である。雑所得であれば、給与所得や退職所 得以外の各所得との合計額が 20 万円を超えた場 合、確定申告が必要となることを覚えておきたい。 社員が住宅取得 会社の援助に特例 マイホームが夢というサラリーマンは多い。企 業のなかには、社員のこうした夢をかなえるため、 その後押しとして住宅取得資金を貸すところもあ る。社員としても、よく知らない相手とローンを 組むよりは気持ちが幾分楽かもしれない。 社員に対して住宅を取得する資金を貸し付ける 場合、1%以上の利率で貸し付けるのであれば、 給与としての課税はナシという特例がある。 1%未満の利率で貸し付けている場合は、1% の利率と貸し付けている利率との差額が、給与と して課税される。住宅を購入するための資金はも ちろん、新築や増築、床面積の増加をともなう改 築をする資金でもOKだ。社員にとってうれしい 特例だが、会社の人間ならだれにでも使えるかと いうとそうではない。使用人兼務役員、事業主の 親族などはこの特例の対象外なので注意したい。 また、社員が金融機関などから住宅資金を借り 入れた場合に、会社が利息の援助をするという ケースもある。この場合の利益の計算も、1%の利 率が基準。社員が実際に負担している利息の額が 1%に満たない場合には、1%の利息と社員が実 際に負担している利息との差額が給与課税となる。 社員が住宅資金として銀行から4%の利率で借 り入れ、会社が 3.5%相当の利息を援助したとす る。この場合、社員が実際に負担している利息の 額は、0.5%だ。基準の1%と 0.5%の差の 0.5%の 利息が給与として課税される。気を付けたいのは、 その社員が転勤になったとき。資金を貸し付けた 対象である住宅にその社員が住まなくなった場合 には、原則この特例は適用されない。 道府県税事務所、市町村役所への届出が必要。そ のうえで、復活させることを視野に入れているの ならば、休眠中でも行わなければならない手続き がある。 まず一つ目が、 「税務申告」だ。休眠状態とは、 あくまで「企業活動を停止している」というだけ のこと。法人としての登記が残っている限りは、 申告も必要になる。これは法人住民税の均等割な ども同様だが、自治体によって扱いが違うので窓 口で確認する必要がある。 また、申告を行わなければ青色申告制度の適用 や欠損金がある場合の繰り越しは、申告を続けて いないと受けることができなくなってしまう。 二つ目は、 「役員の改選」である。休眠中も定 款に決められている期間ごとに役員および監査役 の改選をする必要がある。行わなければ、選任懈 怠(かいたい)として過料が加えられる。なお、 有限会社には任期の定めはない。 ところで、休眠会社は最後に登記があった日か ら 12 年経過すると、法務大臣の判断により「み なし解散」とされるので注意が必要(会社法第 四百七十二条)。12 年を過ぎて2カ月以内に本店 所在地を管轄する登記所へ「事業を廃止していな い」という届出書を出すよう、官報に公告される。 その間に届出書が出されなければ、解散とされる ので気を付けよう。 2010年6月 号 【事業承継・M&A】 (6) ( 第三種郵便物認可 ) 優良企業を買う! 事業規模拡大、新規参入、業態多様化のために 後継者不在、ハッピーリタイアメントのために 事業を譲渡する! 任せて 安心! NP事業承継支援協会のM&A案件情報 ■ 会社を譲受けたい!【買取希望案件情報】 整理番号 希望業種 商圏エリア 事業規模 (年商等) 買取予算額 備 考 100601 病院 全国 200 床以上 規模による 地域を問わず 200 床以上の病院を希望 100602 医療法人 中部 ― 規模による 医療法人を希望 100603 デイサービス介護施設 つくばエクスプレス沿 線または東京 23 区内 ― 規模による 月間介護者 300 人程度を希望 100604 調剤薬局 全国 1200 万円以上 規模による 1 店舗当り売上 1200 万円以上を希望 100605 IT関連 全国 ― 規模による 携帯で顧客管理・在庫管理を行えるシステ ムを開発している会社 100606 物流 全国 6 ∼ 10 億円 規模による 売上規模 6 ∼ 10 億円程度で特に医薬品、 衣料品等の物流会社 100607 建設機械製造・レンタル 全国 ― 規模による 特に掘削技術を持っている会社 100608 ア ニ メ・ 映 像 制 作、 映 画 配 給会社 全国 ― 30 億円まで 著作権を持っているとより望ましい ■ 会社を譲渡したい!【売却希望案件情報】 整理番号 業 種 所在地 事業規模 (年商等) 売却希望額 備 考 200601 冠婚葬祭の式場 北陸 3000 万円 相談 料理等の提供設備あり 200602 コールセンター運営 九州 9 億円 相談 大手企業との契約あり 200603 人材関連 東京 3 億円 相談 優良顧客との長年の取引あり 200604 ヘルスケア関連 東京 3 億 5000 万円 相談 特色のある特許あり M&A案件情報の見方 ◆この表で公開した譲受・譲渡希望案件情報は、NP事業承継 支援協会事務局から情報提供を受け、本紙編集部が集計した。 このため編集作業の都合上、買取希望案件、売却希望案件とも 情報は5月中旬までのデータとなる。 ◆企業名などは、当該案件企業およびNP事業承継支援協会か らの許可がない限り匿名としてある。 ◆買取予算額・売却希望額は、当該案件企業の希望額に基づい たもの。 「規模による」「相談」などの表記は、案件の規模や諸 条件によって、交渉過程で希望額が変動する可能性のあること を意味する。 ◆事業規模は年商のほか、従業員数や動産・不動産の保有数な ど、業種・業態ごとに関連性の高い数値で表記することもある。 ご注意ください ◆ここに掲載した情報は、情報発信元である当該案件企業や、M&A仲介業者・ 会計事務所などの情報提供先から、NP事業承継支援協会に寄せられたものの 一部です。それぞれの情報提供元の責任に基づいた情報を根拠として掲載して いるため、内容のすべてを本紙が保証するものではありません。買取・売却案 件への参加に際しては、契約条件などを十分にご確認ください。万が一、掲載 情報と異なる場合があれば、本紙までご連絡ください。 ◆読者から本紙へのお問い合せに対しては、本紙編集部が責任を持って「お問 い合わせの内容」をお預かりします。読者の承諾なしに、NP事業承継支援協 会や当該案件企業などの情報提供元に開示することはありません。また、売買 価格や条件面などについて、本紙が読者に代わって交渉することはできません。 このため、より具体的で迅速な対応が必要な場合には、本紙にお問い合せいた だくよりも、直接、NP事業承継支援協会へご相談ください。 とは 中小企業の多くが事業承継問題に直面しています。後継者不在のために、M &A(企業合併・買収)による事業譲渡を検討する経営者も激増しています。 ところが、中小企業のM&Aにはいくつかの障壁があります。まず、譲渡希望 企業の多くが「譲渡に適した体裁」を整えていないこと、そして、中小企業の M&Aを仲介できる実践者がほとんど存在しないこと、などです。 中小企業経営者の多くは、真っ先に顧問税理士に相談します。一方、相談を 受けた税理士の多くも積極的に対応したい、としています。そこでまず、同族 会社独特の偏向的な経理処理や財務状況を顧問税理士が正規の状態に修正す る、つまり 1 円でも高く譲渡できる会社に「磨き上げる」ことが重要となります。 さらに、的確な買収監査(企業査定・デューデリジェンス) 、買収企業の抽 出と選別、各種折衝・交渉、調印・契約業務など、さまざまな実務処理が要求 されます。 NP事業承継支援協会は、M&A仲介業務を中心とした中小企業の事業承継 を支援するために、全国の税理士・公認会計士によって設立、運営されている 組織です。 NP事業承継支援協会の理事会員(税理士・公認会計士)は全国で 1200 人 以上。各理事に寄せられる事業譲渡 ・ 譲受希望案件は相当数にのぼりますので、 素早く的確なマッチングが期待できます。ご相談は無料です。お気軽にお問合 せください。 NP事業承継支援協会【事務局・相談センター】 (運営母体・エヌピー通信社) http://www.np-net.co.jp/np-syoukei/ メールでのお問合せ:np-syoukei@np-net.co.jp お電話でのお問合せ:03-6228-3974 担当:竹田(専任コーディネーター)
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