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清水小学校
親子で身のまわりの自然について考えてみませんか?
平成28年 1月 川瀬
30g
6年生の理科の授業で「霜つかれの雨」(「霜上がりの雨」とも呼ばれ
ています。)の話題から、先日の朝、廊下や壁、ガラスに水滴がついてい
た理由を質問されました。理由を説明するには中学校や高校での学習を待
たないと正確には難しいのですが、簡単に説明をしました。
空気にはもうこれ以上水蒸気を含むことができない量があって、右のグ
ラフのように、温度が高くなるほど含むことのできる水蒸気の量はグンと
増えます。湿度50%の場合を夏の気温30℃、冬の気温10℃を例にして考
えてみます。
30℃の時には1㎥の空気には約30gの水蒸気を含めます。その50%
ですので、実際には15gの水蒸気を含んでいることになります。同様に
10℃では17gです。
さて、気温30℃、湿度50%で、天候の変化などで急速に気温が下がると
空気1㎥が含むことの
できる水蒸気の重さ
17g
7g
どうなるでしょう。例えば20度近くまで下がると、含むことのできる水蒸気の量は、もう限界(湿度100%)に
達します。さらに下がると10℃では8gもの水蒸気が含めなくなって、水滴になります。これが雲(霧:きり)の
状態です。含めなくなった水蒸気(水滴)が空中に漂っているのが雲(霧)、水滴がものにつくと露(つゆ)で
す。
先日のように雨が降って湿度が高く、気温が下がったために露ぶいたのです。普通は6月頃の梅雨の時期に多
6月27日
い現象です。もともと気温が低く、含むことのできる水蒸気の量が少ない冬に起こることはあまりありません。
先日は異常に気温が高く、雨が降って一時的に湿度が高くなったために起こったと考えられます。
「異常乾燥注意報」は気温が低く、空気中の水蒸気の量が少ない時に出されます。上の例のように、同じ湿度
50%といえど、空気中に含まれている水蒸気の量は冬の方が圧倒的に少ないためです。だから冬は肌が乾燥す
るので保湿に気を使います。また、乾燥して物が燃えやすいので火事にも注意が必要です。
双子座
カストル
ぎょしゃ座
カペラ
以前にも紹介しましたが、冬の空に大きなGを探すと冬の代表的な星座が ボルックス
いくつも簡単に見つかります。(右図)その中でもオリオン座のペテルギウ
ス、大犬座のシリウス、子犬座のプロキオンの作る「冬の大三角」は「夏の
大三角」と並んで夜空で目立つ星です。今は少し寒いですが、は空気が澄ん
牡牛座
で星を見易い時期です。
子犬座
アルデバラン
ペテルギウス
ペテルギウスは間もなく消滅するという予想もあります。私たちが眺め
プロキオン
ている星の多くは太陽のように燃えています。温度は何万℃、大きさは星
によってもちがいますが、太陽の数百倍なんて大きなものもあります。ペ
オリオン座
冬の大
テルギウスは太陽の1000倍くらいで、地球から約640光年離れている星
三角
です。表面温度は3700℃とちょっと低めの星です。(温度が低い星は赤く シリウス
リゲル
見えます。)
1月4日 しぶんぎ座流星群が極大期を迎えます。ベルセウス座(8月)、
大犬座
双子座(12月)とともに3代流星群と呼ばれていますが、今回は月明かり
などの関係で、あまり条件がよくなくて期待薄のようです。お正月の休みを利用してチャレンジしてみるのもよ
いと思います。
また、このところ、日本の宇宙関連技術に関するニュースが続いています。
・純国産ロケットH2Bによる衛星打ち上げの成功(成功率はなんと98%以上だそうです。)
・小天体「りゅうぐう」に向けて「はやぶさ2」が地球の重力を使って加速する「スイングバイ」という
大変に難しい航法に成功
・日本の金星探査船「あかつき」が5年前の金星を回る軌道投入に失敗し、今回、再チャレンジして見事
に成功
・宇宙ステーションに5ヶ月も滞在した由井宇宙飛行士が無事に地球に返ってきたこと
・梶田さんが宇宙からやってきたニュートリノの観測を行ってノーベル物理学賞を受賞
このようなニュースとともに、夜空を眺めながら宇宙への関心を高められるとよいと思います。時には親子で
一緒に星空を眺めてみてはどうでしょう。
清水小学校
親子で身のまわりの自然について考えてみませんか?
平成28年
2月
川瀬
朝、サポーターの方と話す機会があり、その中で、「朝、ウォーキン
グをしていたら国際宇宙ステーション(ISS)がはっきりと見えた。」と
話されました。少し前まで日本人宇宙飛行士、由比さんが長期滞在して
いたというニュースはまだ記憶に新しいと思います。今までに日本人と
しては若田光一さん、野口聡一さん、古川聡さん、星出彰彦さん、油井
亀美也さんの5名が長期滞在をしています。
宇宙ステーションは1998年から打ち上げがスタートし、宇宙空間で組
み立てられました。150以上の国が参加し、日本も実験施設「きぼう」で、
無重力を活かした様々な実験を行っています。ISSはおよそ400Km上空
地球をバックにしたISS
を秒速7.7Km(地球上空を、およそ90分で1周するスピード)で回っています。全長およそ77mという巨大な
人工衛星です。
条件さえよければ肉眼で十分に見ることができます。しかし、いつでも見ることができるというわけではなく
て、見える時刻や方角、高さがあります。予め、調べておくことが必要です。それさえ分かれば、明るさが-1
等星くらいで、かなりゆっくりと動いて見えるので、確認は易しいと思います。調べ方はインターネットで「国
際宇宙ステーション」で検索すると分かります。以下のアドレスからも確認できます。
http://kibo.tksc.jaxa.jp/letsview/visibility1/gifu/index.html
サポーターさんの見られた22日は朝の6時に、かなり高い位置に見ることができたようです。この先1週間ほど
はなかなか見るのは難しいようです。自分でチャレンジしてみましょう。
数年前に、太陽系の9番目の惑星(冥王星)が惑星から
準惑星に降格されました。降格のきっかけとなった論文を
発表した同じ研究者が今度は新たな惑星の存在の可能性を
発表して話題になっています。地球の10倍の大きさで、太
陽を1周するのに1万年から2万年かかると考えられていま
す。太陽からの距離も1000億Km近くも離れて極端な楕円の
軌道で回っているようです。
世界中がこのニュースにわいていますが、注目したいのはまだこの星が見つかったわけではないことです。地
球を含めた多くの星の軌道を計算すると、このような星があるはずだという、計算から予想されている段階です。
実は、海王星や冥王星も同様に、計算で予想され、その後、実際に発見されたという歴史があります。今回も
ひょっとすると・・・。これからの研究が楽しみです。
私達の住む地球を含めて、宇宙にはまだ分からないことが山ほどあります。人間が実際に訪れることができた
のは、まだ地球に最も近い月だけ、探査機を着陸させて観測できているのも火星のみ。ロケットを飛ばして映像
を撮影できたのが、やっと冥王星まで。それより外は望遠鏡で覗いているに過ぎません。これからどんどんと観
測技術が進み、色々なことが分かってくると思います。親子でニュースに注目しながら宇宙のはてに夢を巡らす
のもよいのではないでしょうか。
【1月22日 AFP】米カリフォルニア工科大学(Caltech)の研究チームは20日、太陽系の最外縁部に存在する未知の巨大惑星を発見
した可能性があると発表した。
チームが発表した声明によると、「プラネット・ナイン(Planet Nine)」の通称で呼ばれているこの天体は、地球の約10倍、冥王星の
約5000倍の質量を持ち、「太陽系外縁部の異様な、非常に細長い軌道」を巡っている。「この新惑星が太陽の周りの公転軌道を完全
に1周するのには1万~2万年かかる」と推定されるという。
研究結果は、米天文学専門誌アストロノミカル・ジャーナル(Astronomical Journal)に掲載された。チームによると、この天体は数
理モデルとコンピューターシミュレーションを通じて発見された。この天体の重力は、太陽系外縁部の準惑星の動きや、海王星よりも
さらに遠くにある「カイパー・ベルト(Kuiper Belt)」と呼ばれる領域の天体にも影響を与えているという。
直接の観測にはまだ至っていないが、現在、米ハワイ(Hawaii)のW・M・ケック天文台(W. M. Keck Observatory)にある口径10
メートルの望遠鏡や、すばる望遠鏡(Subaru Telescope)などが観測を試みている。
カリフォルニア工科大学のマイク・ブラウン(Mike Brown)教授(惑星天文学)は「これは、本物の太陽系第9番惑星とみられる」「太
陽系のかなりの部分が未解明の状態。これは、非常に胸を躍らせることだ」と語る。また同大学のコンスタンティン・バティギン
(Konstantin Batygin)助教(惑星学)は「過去150年以上の間で初めて、太陽系の惑星探査が不完全である確かな証拠が得られた」
と話している。(c)AFPBB News
yahooニュースより