DAIYA FAX EXPRESS Volume 22 D 27 M a r. 2008 FE 第 27号をお届けしま す。 今回は 2007 年 9 月 26 日にお店を新築移転し、ますます 地元のお客様に愛されるお店に なったサンタムールの清水克人 社長様をお訪ねしました。 繁 盛店・レポート お菓子の家サンタムール 茨城県・守谷市 オーナーシェフ 清水 克人 様 「1999 年に現在の店舗から数 百メートルの場所に店舗を構え 独立しました。順調にお客様が 増えていきましたが、駐車場が 2 台分しかありませんでしたの で、路上駐車などの苦情が増え てきて、警察や市の指導を受け るようになると、思ったような イベントを行なうのもむずかし くなりました。また住まいとい っしょの店舗ですと、たとえば ベランダに洗濯物を干していた りすると、お店のイメージも商 品価値も低下してしまうと思い、 2007 年 9 月に店舗を新築移転し ました。」 狭しと陳列してにぎやかさと凝 縮性が魅力ですし、一方サロン はゆったりとした空間が日常性 からの開放感につながることが 魅力だと思います。そうすると 売場とサロンが同じ空間にある ことはそれぞれの魅力を生かせ ないのではないかと考えたから です。また充実したサロンは広 いエリアからの集客力につなが りますので、強い差別化を打ち 出すには、このお店にはどうし ても必要なスペースだと思って 「今回強く意識した点は、駐車 います。また将来的にお菓子教 場に車を停めた瞬間にお菓子を 室とプロユースの材料と器具の 買いたくなる雰囲気づくりです。 販売もしていこうと考えていま 建物のデザイン、駐車場から売 す。お菓子を買うこと、味わう 場までのアプローチでどれだけ こと、作ることとケーキに関す お客様の期待感をワクワクと感 ることは総合的にサービスがで じてもらうために石畳や噴水な きるような魅力を持ったお店に どの仕掛けもできるかぎり工夫 なっていきたいですね。」 したつもりです。これらがお店 の総合力として、大手さんには 「売場はまずプチガトーは 10 簡単には真似のできない差別化 尺の 4 段ケースにまとめていま につながっていくのだと思いま す。左端部は一部棚を改造して す。」 プリンが山積み陳列ができるよ うに工夫しました。約 40 アイテ 「新店は売場とサロンを別棟に ムのプチガトーはやはりお店の しました。売場は商品をところ 顔になります。その右側にデコ レーションケーキとロールケー キの専用ショーケースを設置し ました。レジの隣にあるので、 会計をするお客様は必ずこのケ ースの中を見ていただくことに なります。この効果で平日は 40 ∼50 台、土日では 100 台近くの 販売数に伸びてきました。」 「レジを挟むような形で、半生 用の多段式のオープンを置いて います。このケースの中にはサ ンタチーズ(小型チーズスフレ)、 レーズンサンド、生チョコ箱詰 めを陳列しています。ついで買 いを促進させる効果で客単価の 向上にも貢献しています。なに より、これらの商品の販売数が 旧店舗と比べて 3 倍に躍進しま した。」 「店舗の中央部にはイベント型 要素のショーケースを置いてい ます。これは季節ごとの商品を 効果的にアピールする目的で導 入しました。季節の果物を使っ た焼きたてパイやバレンタイン にはチョコレートなど、わずか 4 尺のショーケースですが、季 節の変化性とかお店からの提案 を遊び心を交えながらお客様に 訴えていっています。私からの メッセージをお伝えするスペー スでもあるわけです。 」 「焼菓子の中心にはバウムクー ヘンをおき、それを 10 尺のケー スを贅沢に使って表現していま す。ケースの背後にはバウムの 製造スペースを設けて、ガラス 越しに作りたての臨場感と作り 手とお客様の一体感をお伝えし ながら、商品の魅力をいっそう 強調できるようにしています。 入口からお店に足を踏み入れる と最初に目に入る場所なので、 製造の担当者の気持ちも引き締 まります。バウムも季節のイベ ント商品も作りたてを見せるこ とで大きな付加価値がついてく るものだと思います。 」 「このように店内には、バウ ム・イベント・アントルメ・半 生・プチガトーという 5 つの専 門店があるのです。そのひとつ ひとつが一軒のお店としても十 分成立するレベルを目指してい ます。そのくらいの個々のレベ ルを目指して、トータルとして の洋菓子専門店を作り上げれば、 今後近くに大きなショッピング モールができたとしても、そう 簡単には負けることはないと思 います。」 「新店舗になって販売規模も大 きくなりました。旧店舗時代で は週に 1∼2 回の仕込みだった ものが、今は毎日か隔日で行な っています。サイクルが短くな れば当然鮮度もよくなりおいし さが増します。デコレーション でも仮に 1 日 1 台しか売れなけ れば、一度に 7 台焼いても 6 台 は冷凍になってしまいます。今 は当日焼きの当日販売ですから、 この面でも鮮度は格段によくな っています。規模による仕事の 循環がぐんとよくなり、お客様 への提供価値がさらに増大でき るようになってきました。さら にこのメリットを生かせるよう にしていきたいと思います。」 「百貨店やショッピングセンタ ーからの出店要請を受けること もありますが、一店舗主義でい きたいと思います。これはオー ナーの考え方次第ですから、ど ちらがいい悪いということでは ないと思います。私が思うには 個店とデパートなどの売場では 売る商品が変わってきてしまう のです。例えばお菓子のデザイ ンにしても搬送に強いものにし なくてはならないというような 制限が発生します。やはり自分 がお客様にお届けしたいものが、 それによって実現できないので あれば、私は自店で思いのこも った商品づくりを優先にしてい きたいと考えます。」 「ケーキ屋さんは人気ある職業 のようですが、人が慢性的に不 足するという矛盾を抱えていま す。優秀な人材の確保のために もクリスマスなどの最大繁忙期 でも終了が 0 時を越えないよう に努力しています。また年間を 通しても 8 ヶ月は週休 2 日、そ の他の月でも 6 日の休みが確保 できるよう働きやすい体制を作 り上げています。やはりお客様 からも働く側からも魅力的なお 店づくり・商品づくりを目指し ていきたいですね。」 あ とがき 車を降りてから歩いてお店の 入口に至るまでの期待感はどん どん高まるのが実感できます。 最近のケーキショップの力を映 す尺度として、アニバーサリー とおやつ菓子の販売量がありま す。プチガトーで惹きつけ、お やつ菓子で客単価を上げ、アニ バーサリーで来店頻度を高め、 ギフトで収益を確保する。これ らが実現されているのは、オー ナーとスタッフの熱意の賜物と 感じました。 当 FAX に対するご意見は下記まで。 FAX 06−6386−4707 E-mail:webmaster@daiyacase.co.jp 大阪支店 DFE 配信室 企画・編集・文責 ダイヤ冷ケース株式会社 営業企画部 編集責任者 太田 代表取締役社長 和隆 TEL:03-3412-1443 FAX:03-3412-3131
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