PDFデータ(2082KB) - 九州地域産業活性化センター

地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
報
告
書
平成17年3月
財団法人 九州地域産業活性化センター
はじめに
日本経済はバブル崩壊後続いた長期停滞から脱しつつあるが、少子高齢化、人口減少社会
の到来や地方分権の流れ等、日本をとりまく社会環境は大きく変わりつつある。また、我が
国の財政は平成 16 年度予算の公債依存度が 44.6%となり、これまでになく厳しい状況となっ
ている。このような状況に対応するために、各分野において構造改革が進められており、公
共事業の見直しも急速に進んでいる。
国及び地方自治体の公共事業費削減が進行している状況において、公共事業依存度が高い
地方中小・中堅建設業は、地域全体の建設投資の大幅な縮小という厳しい状況に直面してお
り、生き残り策を懸命に模索しているところである。地方中小・中堅建設業の衰退は地域経
済・地域生活の退潮傾向につながるため、単に企業の問題にとどまらず地域全体の問題とな
る。特に九州地域は全国に比べて建設業への依存度が高く、その影響は大きいと考えられる。
本調査では九州地域における地方中小・中堅建設業の今後の振興方策を考察、提言するこ
とを目的として、九州7県の中でも建設業の比率が高く影響が大きいと考えられる宮崎県を
モデル地域として実施した。
本調査の提言が、宮崎県はもとより、九州各県、及び建設業に携わる方々の参考となり、よ
り効果的で、地域の実態に照らした地方中小・中堅建設業の今後の振興方策の推進に役立て
て頂ければ幸いである。
なお、本調査の実施にあたっては、学識経験者、有識者および自治体で構成する「地方中小・
中堅建設業の今後の振興方策に関する調査委員会」を設置して、ご審議、ご指導を賜った。
また、専門的立場から株式会社三菱総合研究所のご協力をいただいた。
ここに関係各位のご尽力に対し、深く感謝するものである。
平成 17 年 3 月
財団法人九州地域産業活性化センター
会
長
大
野
茂
目
全体概要図
第1章
次
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⅰ
社会環境の変化と建設業をとりまく状況
1
社会環境の変化
2
地域経済の特徴と建設業の位置づけ
3
建設業の経営環境と対応
4
宮崎県の建設業の支援体制と建設業の実態
第2章
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
建設業が直面する課題分析
建設投資の急激な縮少に直面する建設業
2
建設投資縮小への対応のシナリオ分析
3
建設投資縮小への対応
・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40
建設業の新分野進出の現状と課題
1
建設業の新分野進出の現状
2
建設業の新分野進出支援方策の現状
3
建設業の新分野進出の課題
第4章
・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35
1
第3章
・・・・・・・・・・・ 1
・・・・・・・・・・・・・・ 41
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51
宮崎県における建設業の新分野進出をとりまく環境
1
新分野進出をとりまく環境
2
宮崎県の建設業の新分野進出にあたっての強み
第5章
・・・・・・ 53
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 54
宮崎県の建設業振興方策の提言
1
建設業振興の基本方針
2
建設業振興の方向性
3
建設業の振興方策
4
具体的行動計画(アクションプラン)
・・・・・・・・・・・・・・ 56
・・・・・・・・・・・・・・・ 57
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 78
参考資料
九州地域における問い合わせ窓口一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参-1
委員会概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参-2
添付資料 1
建設業の新分野進出事例集 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 添-1
添付資料 2
宮崎県建設産業実態調査(アンケート調査)結果・・・・・ 添-53
■地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査報告書
第1章
社会環境の変化と
建設業をとりまく状況
1 社会環境変化
<全国>
第2章
人口減少による需要縮小
地方分権で投資減少の恐れ
財政再建による建設投資
削減
環境志向等がビジネスチャンス
全体概要図
建設業が直面する課題分析
1 建設投資の急激な縮小に直面する建設業
①建設業は九州・宮崎県では特に重要な地
域産業
2 地域経済の特 宮崎県は、
徴と建設業の位置 高齢化が進展
づけ <宮崎県>
建設業が重要産業
農畜産業が盛ん
有数の林業県
食品工業が盛ん
サービス業が伸張
建 設 業 の 経 営 小規模企業多い
環 境 の 推 移 と 投資はピークの 6 割
現状
業者数従業員数は過剰
<宮崎県>
若手の就業者比率が全国
より高い
倒産比率が相対的に増加
②宮崎県では建設投資がピーク時の6 割に低下
③建設業の厳しい経営実態
・企業業績が悪化
・業者数・就業者数の過剰感
・建設業の倒産割合が高水準で推移
3
建設業の経営環境と対応
建設業の構造
改革に求めら
れる対応
<全国>
建 設 業 の 振
興・再生に係る
施策の流れ
<全国中心>
④地域への悪影響が懸念される
・大量の失業者の発生
・他産業の停滞・税収の落ち込み等の経
済的影響
・社会不安の増大・コミュニティの弱体化・人
口の流出等社会的影響
建設業の構造改革
・不良業者排除
・技術力での競争
・企業連携や新分野進出促
進支 援等が全国 で求 め
られている
国は 14 年頃から新分野進
出を支援
都道府県は多様な施策を
展開
一部建設業協会で独自事
業を展開
2 建設投資縮小への対応のシナリオ分析
①建設業の対応の仮想シナリオ
・企業数削減
建設投資がピーク時
・従業員数削減
の 6 割となった際の
対応方向
・給与削減
4 宮崎県の建設業の支援体制と建設業の実態
②建設投資縮小に伴う建設業の課題
・企業としての生き残りを図る
・従業員の雇用を守る
◎宮崎県の建設業の支援体制
主管は土木部
新分野関係の相談は産業支援財団などが担
当
県単補助金で公共事業関連企業枠設定
③建設投資縮小に伴う地域(行政)の
課題
・優良な建設業者(社会資本整備力)
を残す
・地域産業の維持
・地域の雇用・生活の保全
◎宮崎県の建設業の実態(アンケート調査結果)
・過去の経営状況は悪化傾向
・将来も悪化と認識
・新分野進出企業は経営好調
・1/2 は将来とも建設業のみ
・1/3 は新分野を指向
・1/6 が方向を決めかねる
・小規模・赤字企業は全般的に将来方向に
迷い
・関心分野は農業、リフォーム、
環境、福祉、不動産
・新分野進出の問題は資金不足や新事業に
対応できる人材不足が多く、支援も金と
人を求めている
3 建設投資縮小への対応
①建設産業内部での
対応が主体
・ 技術力のある企業
が残ることが必要
ⅰ
②建設産業内部での
対応では不十分
・他産業を含めた
対応、すなわち新
分野進出が必要
第3章
建設業の新分野進出の現状と課題
第5章
1 建設業の新分野進出の現状
①農業:ノウハウのある人材/農業土木の経験/規制緩和
などを活用
②福祉:高齢化社会対応/介護保険制度/施設建設ノウハ
ウなどを活用
③環境:環境問題顕在化による事業機会/本業での廃材処
理などを活用
④リフォーム:景気低迷による需要拡大/既存の人材や技
術などを活用
⑤その他分野:経営者のアイデアや社内の特殊な人材活用
などを活用
2 建設業の新分野進出支援方策の現状
①情報提供等の支援:ほとんどの都道府県で実施
②資金的支援:より積極的な支援を一部の県で実施
3 建設業の新分野進出の課題
①建設業者自身の意識改革
②資金調達:請負産業との違い
③人材不足:ノウハウが必要
④経審点数:借入金があると本業の企業評価や受注に負の
影響
⑤営業力:不特定多数の市場が相手
⑥規制・手続き:農地法等
⑦賃金単価:建設業は一般に他産業よりも賃金が高い
第4章
宮崎県における建設業の新分野進出をとりまく環境
1 新分野進出をとりまく環境
①新分野進出に関連する宮崎県の特性
・人口面:人口減少傾向で高齢化も進んでおり、各方面で
の影響が大きい
・産業面:農林畜産業、食品系製造業、サービス産業に特
徴がある
・建設業:小規模な建設業者が多い、高齢の従業者が少な
い
②社会全般の潮流から見た新分野の特性
・一般的にリフォーム需要が拡大傾向→宮崎でも市場が拡
大傾向
・環境問題がクローズアップ→特に畜産環境は地域の課題
・規制緩和で市場拡大(農業、介護保険など)
→ともにビジネスチャンス
2 宮崎県の建設業の新分野進出にあたっての強み
①建設業の特性からみた強み
∼小回り性の高さ/就業者の若さ/農業経験者の多さ
②地域特性からみた強み(市場性の見込める分野)
∼農業が盛ん→農業分野
∼高齢化→福祉分野
∼畜産が盛ん→環境分野(畜産)
ⅱ
宮崎県の建設業振興方策の提言
1 建設業振興の基本方針
①建設業者自身のチャレンジ精神の発揮
②行政による一体的・積極的な応援
2 建設業振興の方向性
①経営基盤強化のための技術力強化と合
併・協業化の推進
②新分野進出の促進・支援
↓
〔企業の将来方向〕
①本業、②兼業、③転業、④廃業
3 建設業の振興方策
1)経営基盤強化のための技術力強化と合併・協
業化の推進に関する具体的方策
①技術力強化に関する具体的方策:
技術力・施工品質向上/工事成績評価の厳
格化と透明化/過去の工事成績の発注業
務への反映
②合併・協業化の推進に関する具体的方策:
合併・協業化のメリットの明確化と周知/
建設業者自身の意識改革/合併・協業化へ
のきっかけとなる制度づくり
2)新分野進出促進:6つの典型的な新分野進出
パターン
①農作業受託事業
②農地リース方式による農業生産事業
③農業生産法人設立による農業生産事業
④短期施設型介護サービス事業
⑤介護住宅リフォーム事業
⑥家畜糞尿リサイクル事業
4 具体的行動計画(アクションプラン)
①公共工事の将来見通しの明確化
②技術力を重視した発注体制の強化
③新分野進出支援機能の充実
④情報提供・相談機能の強化
⑤技術的支援機能の強化
⑥資金的支援機能の強化
⑦現場発想による地域提案型の新分野
進出促進
⑧コミュニティにおける地域密着型ビジ
ネスの創造
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
第1章
社会環境の変化と建設業をとりまく状況
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策検討の前提として、現在の建設業
をとりまく社会環境の変化についてとらえる必要がある。そこで本章ではわ
が国の社会全体の変化を俯瞰するとともに、九州地方、特にモデルとして設
定した宮崎県における建設業の厳しい現状や経営環境の動向について考察す
る。また、これまで行われてきた建設業の振興・再生に係る施策の流れとと
もに、本調査で行われたアンケート調査結果分析の概要を述べる。
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
1
社会環境の変化
(1)少子高齢化・人口減少社会の到来
・女性の社会進出などを背景に合計特殊出生率の低下に見られるような少子化現象が進
行している。既に若年人口の減少が始まっており、産業面では若年労働者不足が懸念
される。
・出生率の低下や医療水準の向上などにより高齢化率の上昇がみられ、将来的にも一層
拡大することが予測されている。社会保障費負担の増大や産業活力の低下が懸念され
る一方で、介護サービスや元気老人向けの各種需要などの拡大が見込まれている。
・平成 18 年には我が国で人口減少社会に突入する。右肩上がりを前提とした社会の前
提が崩れて、各種需要が縮小傾向となるため、産業面の競争が激化する。
(2)地方分権化の流れ
・社会システム全般の潮流として、市町村合併、三位一体改革、道州制の検討など地方
分権化が進んでいる。これらは地方の自立を促すものであり、個性的な地域づくりへ
の期待がある一方で、経済的にも自己責任が求められる。
・国の権限が縮小する中で基盤整備においても効率的な投資が求められており、中央か
ら宮崎県を含む地方圏への各種の投資が急速に落ち込む恐れがある。
(3)高度情報化の生活・産業活動への浸透
・インターネット普及率が拡大し、家庭にも浸透しつつある。情報提供手段やメールの
やりとりにとどまらず、行政手続き、商品の購入、金融取引など生活のあらゆる面で
ネットワーク利用が進む。
・産業面でもEC(電子商取引)などが浸透し、情報化が競争力向上のツールから産業
活動への参加資格になりつつある。
・使い方によっては過疎地を始めとする交通利便性の悪い地域の格差是正や小規模事業
者のビジネスチャンス拡大などメリットが大きい。
(4)国際化・国際連携の進展
・個人の活動や産業活動の国際化が進展し、国内の企業活動にも国際標準であるISO
対応などが求められるようになっている。
・さらに、国際貿易を一層円滑化すべくWTOやFTA交渉が進行中である。農産物や
工業品などのものの国際化が進むと共に、技能者を始めとする人の国際化も進展して
いく。
・特に農産物では、豚肉、鶏肉などの畜産物の関税や数量制限の規制緩和が進み国内産
業との競争激化が予想されている。
2
第1章
社会環境の変化と建設業をとりまく状況
(5)財政再建と構造改革の推進
・景気低迷等により国の財政は急速に悪化しており、平成 16 年度末には国債発行残高
が約 483 兆円で一般会計税収予算(約 47.1 兆円)の 10 年分に相当している。地方分
を合わせると長期債務は約 719 兆円でありGDP比で 144%となっている。平成6年
度の長期債務は約 368 兆円程度であり、GDP比 75%であったことと比較すると、
約2倍になっていることがわかる。
・このような財政状況に対して、国では金融システム改革、規制改革、税制改革、歳出
改革といった構造改革を推進している。公共事業関係では、平成 15 年度からコスト
構造改革の取組を実施しており、平成 15 年度から 19 年度の5年間で公共事業コスト
を平成 14 年度比で 15%削減するとしている。平成 14 年度の政府投資が 25.4 兆円で
あり、15%削減になるとこれだけで 3.8 兆円の削減になるが、投資額自体の減少が既
にこれを上回っている。
(6)消費者ニーズの変化(サービス経済化)
・消費者ニーズがものの豊かさ追求から心の豊かさ追求へと移行する中で、消費支出に
ついて、ものの消費からサービスの消費へ移行している。産業構造も第一次産業や第
二次産業に代わって第三次産業、なかでもサービス産業の比重が増大している。
・今後の拡大要素としては、サービス産業はもちろんのこと、ものづくりであっても基
本的な機能に加えて、おいしさ、安全性、顔が見えるなどの付加的な機能に価値が生
まれるようになっている。
(7)環境・安全・安心志向
・地球温暖化や廃棄物処理などの環境問題や防災・防犯などの安全面、さらに食の安心
といわれるように生活者の中で環境・安全・安心志向が高まっている。
・既存産業はこれらの面を重視して産業活動を展開する必要があると共に、これらを活
用することにより、環境ビジネスやトレーサビリティを備えた農産物流通など新たな
産業振興のチャンスも生まれている。
・京都議定書の二酸化炭素排出削減枠達成のために、産業・民生部門における排出削減
活動の他に、森林吸収源対策として森林整備などが求められている。
3
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
2
地域経済の特徴と建設業の位置づけ
(1)地域の人口構造の概要
1)人口構造の将来展望∼人口減少社会で需要は頭打ち
我が国の人口は平成 18 年にはピークに達し、それ以降は穏やかな人口減少に向か
うと予測されている。宮崎県は平成8年にピークを迎え、現在はすでに人口減少にな
っている。このため、一般的には商品や建設物需要の増大は見込みにくくなっている。
図表 1-1
(千人)
日本の将来推計人口(中位推計)
130,000
120,000
全国人口ピーク
平成18年:127,741千人
110,000
100,000
実績値
推計値
90,000
80,000
70,0000
昭和
25
30
35
40
45
平成
50
55
60
2
7
12
17
22
27
32
37
42 (年)
資料:
「人口推計資料」「我が国の推計人口」総務省統計局
「日本の将来推計人口 平成 14 年 1 月推計」国立社会保障・人口問題研究所
図表 1-2
(宮崎県:千人)
九州及び宮崎県の将来推計人口(中位推計)
(九州:千人)
14,000
1,300
九州人口ピーク
平成10年:13,448千人
1,250
13,500
13,000
1,200
12,500
1,150
宮崎県人口ピーク
平成8年:1,177千人
12,000
1,100
実績値
推計値
11,500
1,050
0
1,000
昭和
25
30
35
40
45
50
55
60
平成
2
11,000
0
7
12
17
22
27
32
37
42 (年)
注:国勢調査実施年以外のデータは補間補正値による(九州及び宮崎県のピーク年データは補間補正値)
資料:
「人口推計資料」「人口推計年報(平成 15 年 10 月 1 日推計人口)」総務省統計局
「都道府県の将来推計人口 平成 14 年 3 月推計」国立社会保障・人口問題研究所
4
第1章
社会環境の変化と建設業をとりまく状況
2)高齢化の状況∼社会の活力低下とシルバービジネス拡大のチャンス
我が国全体の高齢化率(65 歳以上人口比率)は、平成 12 年に 17.3%になっている
が、宮崎県は 20.7%であり、全国を大きく上回っている。産業活力の低下により税収
の減少などのデメリットが懸念されるが、介護サービスを始めとするシルバービジネ
スの需要拡大や元気老人の積極的な社会参画などのメリットにも着目する必要があ
る。
図表 1-3
日本の将来推計高齢人口
→推計値
高齢人口(千人)
高齢者比率(%)
284
300
242
250
20.7%
25
22.5%
20
17.3%
15
200
150
30
24.8%
100
10
50
5
0
0
昭和55年 昭和60年
平成2年
高齢人口
平成7年
平成12年 平成17年 平成22年
高齢化率:宮崎
高齢化率:全国
資料:
「国勢調査」総務省
「日本の将来推計人口 平成 14 年 1 月推計」国立社会保障・人口問題研究所
5
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
(2)地域の産業構造の概要と建設業の位置づけ∼宮崎県では建設業が重要な産業
産業構造における建設業の位置づけから、九州、宮崎県の特徴を抽出する。
全国で見ると、建設業は生産額で 6.3%、就業者数で 10.0%、事業所数で 9.6%となって
おり、人数に比べて生産額が低くなっていることが特徴といえる。
九州では各々、6.7%、11.1%、9.9%となっており、各指標とも全国よりもやや高くな
っている。宮崎県は 9.0%、11.6%、11.4%となっており、九州の値よりも更に高くなって
いる。また、生産額
比率と事業所数比
図表 1-4
生産額における産業構造(平成
13 年度)
生産額における産業構造(比率)
100%
率は九州で1位、就
業者数比率は2位
80%
三次産業
となっている。これ
60%
より、建設業は
40%
九州、特に宮崎県で
20%
は重要な産業とな
建設以外の
二次産業
建設業
0%
っているといえる。
6.3
6.7
全国
九州
5.6
福岡
7.0
7.2
6.5
7.4
佐賀
長崎
熊本
大分
7.9
宮崎
鹿児島
資料:
「県民経済計算年報」内閣府
また、産業構造と
してみると、生産額、
図表 1-5
就業者数、事業所数
100%
のいずれの指標でも
80%
第1次産業の比率が
一次産業
9.0
就業者数における産業構造
就業者数における産業構造(平成
12 年)
分類不能
三次産業
60%
最大となっており、
農林漁業が盛んな県
であるといえる。
建設以外の
二次産業
建設業
40%
20%
10.0
11.1
11.0
11.5
10.5
12.2
佐賀
長崎
熊本
大分
11.6
11.3
宮崎
鹿児島
10.6
一次産業
0%
全国
九州
福岡
資料:
「国勢調査」総務省
図表 1-6
事業所数における産業構造
事業所数における産業構造(平成 13 年度)
100%
80%
三次産業
60%
建設以外の
二次産業
40%
建設業
20%
9.6
9.9
9.3
10.5
9.7
10.6
10.1
11.4
9.5
全国
九州
福岡
佐賀
長崎
熊本
大分
宮崎
鹿児島
0%
一次産業
資料:
「事業所統計調査」総務省
6
第1章
社会環境の変化と建設業をとりまく状況
(3)主要産業の特徴
1)農業の特徴∼就業者が比較的維持され、畜産が盛ん
全国的に農業就業者数は大幅な減少傾向にあり、昭和 55 年から平成 12 年までの 20
年間で全国では約半分の 52%にまで減少している。これは九州もほぼ同様の傾向であ
るが、宮崎県は九州各県の中で最も減少率が少ないことが特徴的である。
生産品目の特徴を農業粗生産額で見ると、総額では鹿児島県、熊本県に次いで3位
となっている。これを構成比で見ると、米が相対的に少なく、畜産の比率が高いこと
が特徴的である。
農業就業者の推移(指数)
図表 1-7
農業就業者の推移(指数)
120
100
全国
九州
宮崎
80
60
40
昭和55年
昭和60年
平成2年
平成7年
平成12年
資料:
「国勢調査」総務省
図表 1-8
農業粗生産額構成の比較
農業粗生産額構成の比較(平成 14 年度)
100%
80%
60%
40%
その他
畜産
果物
野菜
米
20%
0%
全国
九州
福岡
佐賀
長崎
熊本
大分
宮崎
鹿児島
資料:
「生産農業所得統計」農林水産省
7
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
2)林業の特徴∼有数の林業県だが森林の管理水準低下が懸念
九州の林業を全国と比べると、人工林面積で 15%、就業者数で 16%、素材生産量で
21%となっており、素材の生産性が高いことが特徴である。同様に宮崎県においては
人工林面積で 3.4%、就業者数で 2.3%、素材生産量で 7.3%となっており、素材生産量
比率の高さが特徴的である。宮崎県は九州各県と比較しても人工林面積、素材生産量
共に最大であり、林業県といえる。
宮崎県の林業の推移を見ると、昭和 55 年から平成 12 年までの 20 年間で就業者数
は 40%にまで減少しているが、人工林面積、素材生産量はほぼ横ばいとなっている。
これは、機械化や林道整備などによる生産性向上が想定される一方で、人工林の管理
水準の低下も懸念されるところである。
図表 1-9
全国に対する九州及び宮崎県の人工林面積、林業就業者数、素材生産量
25.0%
21.0
20.0 %
16.0
15.0
15.0 %
10.0 %
九州
5.0 %
2.3
人工林面積
就業者数
0.0 %
宮崎
7.3
3.4
図表 1-10
人工林面積
(千ha)
素材生産量
資料:
「森林資源の現況」林野庁
「素材需給統計」農林水産省
「林業地域調査」農林水産省
素材生産量(平成 14 年)・
素材生産量
(千m3)
人工林面積(平成 15 年)の比較
400
1200
人工林面積
300
900
素材生産量
200
600
100
300
0
0
福岡
図表 1-11
人工林面積(万ha)
佐賀
長崎
熊本
大分
宮崎
鹿児島
資料:
「森林資源の現況」林野庁
「素材需給統計」農林水産省
宮崎県の林業就業者、人工林面積、素材生産量の推移
素材生産量(10万㎥)
(人)
40
8,000
30
6,000
20
4,000
10
2,000
人工林面積(万ha)
素材生産量(10万m3)
就業者数(人)
0
0
昭和55年
昭和60年
平成2年
平成7年
8
平成12年
資料:
「森林資源の現況」林野庁
「素材需給統計」農林水産省
「林業地域調査」農林水産省
第1章
社会環境の変化と建設業をとりまく状況
3)第二次産業の特徴∼総じて低水準にあるが、一次産業関連は盛ん
宮崎県は製造品出荷額等、製造業就業者数ともに九州7県の中で低い水準にある。
一人当たり出荷額でも九州の中で最も低い値である。製造品出荷額等の順位を見ると、
食料品や飲料など一次産業に関連した業種の比率が高くなっていることが特徴的で
ある。
図表 1-12
製造品出荷額等と就業者数の推移(平成 14 年)
製造品出荷額等と就業者数の推移
製造品出荷額等
(億円)
就業者数(人)
100,000
250,000
製造品出荷額等
80,000
200,000
製造業就業者数
60,000
150,000
40,000
100,000
20,000
50,000
0
0
福岡
佐賀
長崎
熊本
大分
宮崎
鹿児島
資料:
「工業統計表(市区町村編)」経済産業省
図表 1-13
県名
全国
九州
福岡
佐賀
長崎
熊本
大分
宮崎
鹿児島
1位
輸送用機械・
器具
輸送用機械・
器具
輸送用機械・
器具
食料品
輸送用機械・
器具
輸送用機械・
器具
電子部品・デバイス
食料品
食料品
製造品出荷額上位5業種(平成 14 年)
2位
一般機械器具
食料品
食料品
電気機械器具
一般機械器具
電子部品・デバイス
化学工業製品
電子部品・デバイス
電子部品・デバイス
3位
4位
5位
化学工業製品
食料品
電気機械器具
電子部品・デバイス 飲料・たばこ等
一般機械器具
鉄鋼
飲料・たばこ等
電子部品・デバイス
輸送用機械・
器具
一般機械器具
化学工業製品
食料品
電子部品・デバイス 電気機械器具
食料品
一般機械器具
金属製品
石油製品・・
石炭製品 鉄鋼
電気機械器具
飲料・たばこ等
化学工業製品
電気機械器具
飲料・たばこ等
窯業・・土石製品
電気機械器具
資料:「工業統計表(品目編)」経済産業省
9
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
4)第三次産業の特徴∼サービス業では就業者が増大
産業構造全体で見ると、全国的に第3次産業の比率が高くなっている。その内容を
就業者の構成比で見ると、全国、九州、宮崎の各区分においてほぼ同様の傾向が見ら
れる。他県と比較すると宮崎県はサービス業の比率がやや高くなっている。
宮崎県を対象に第3次産業の推移を見ると、全体的に伸びている中で、主にサービ
ス業の部分が伸びていることが分かる。
図表 1-14産業別就業者の構成比:平成12年(第3次産業)
産業別就業者の構成比(第3次産業:平成 12 年)
100%
13.9
13.4
13.2
12.9
14.1
13.7
13.6
13.1
13.1
41.9
43.1
41.1
44.2
43.9
44.9
44.3
45.0
44.7
80%
60%
その他
40%
サービス業
34.7
34.6
35.9
34.6
20%
33.7
33.3
33.7
33.5
34.4
9.5
8.9
9.8
8.3
8.3
8.1
8.5
7.6
8.7
全国
九州
福岡
佐賀
長崎
熊本
大分
宮崎
鹿児島
0%
卸売・小売・
飲食
運輸・通信
資料:
「国勢調査」総務省
就業者数
(千人)
図表 1-15
宮崎県の産業別就業者数の推移(第3次産業)
宮崎県の産業別就業者数の推移(第3次産業)
400
300
200
102
115
125
146
157
その他
サービス業
100
卸売・小
売・飲食
0
昭和55年
昭和60年
平成2年
平成7年
平成12年
運輸・通信
資料:
「国勢調査」総務省
10
第1章
3
社会環境の変化と建設業をとりまく状況
建設業の経営環境と対応
(1)建設業の経営環境の推移と現状
1)建設業の特徴∼小規模で多数の建設事業者の存在
九州各県の建設業の特徴を分析するために、各指標について原単位に置き換えて比
較した。
人口千人当たりでみると建設投資額は佐賀、鹿児島、大分が高く、許可業者数は宮
崎、福岡が高くなっている。建設業就業者数は大分、宮崎で高くなっている。許可業
者数当たりでみると、就業者数、投資額の両方において、鹿児島が高く大規模業者が
多くなっている。逆に福岡、宮崎の両県で小規模業者が多くなっている。
宮崎県の建設業の特徴として、人口当たりの建設業許可業者数が最も高くなってい
ること、建設業許可業者当たりの建設就業者数が福岡県に次いで低くなっていること
などから、小規模の建設業者が多数存在する状況といえる。
人口当たりの建設投資額は特に多いわけではないため、限りある建設投資を多数の
小規模建設業者によってこなしている状況といえる。このため、許可業者当たりの建
設投資額も長崎県に次いで低い値となっている。
図表 1-16
(百万円)
人口千人当たりの建設投資額の比較(平成 15 年)
600
500
497.4
373.6
400
322.4
363.6
322.5
368.0
276.8
259.9
300
325.1
200
100
0
全国
九州
福岡
佐賀
長崎
熊本
大分
宮崎
鹿児島
資料:
「建設工事施工統計調査報告」国土交通省
「住民基本台帳」総務省
図表 1-17
(業者)
人口千人当たりの許可業者数の比較(平成 15 年)
6
5
4.4
4.5
4.9
5.1
4.4
4.1
4.1
4.2
熊本
大分
3.7
4
3
2
1
0
全国
九州
福岡
佐賀
長崎
宮崎
鹿児島
資料:
「建設業許可業者数の現況」国土交通省
「住民基本台帳」総務省
11
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
図表 1-18
(人)
人口千人当たりの建設業就業者数の比較(平成
人口千人当たりの建設業就業者数 12 年)
60
57.8
55.7
53.8
55
52.0
49.6
50
53.2
52.9
50.0
49.4
45
40
全国
九州
福岡
佐賀
長崎
熊本
大分
宮崎
鹿児島
資料:
「住民基本台帳」総務省
「国勢調査」総務省
図表 1-19
許可業者あたりの建設就業者数の比較(平成
12 年)
許可業者あたりの建設就業者数
(人)
18
15
12
11.4
11.7
全国
九州
12.2
13.0
佐賀
長崎
14.2
13.7
12.1
10.9
10.1
9
6
3
0
福岡
熊本
大分
宮崎
鹿児島
資料:
「建設業許可業者数の現況」国土交通省
「国勢調査」総務省
(百万円)
120
図表 1-20
許可業者あたりの建設投資額の比較(平成
12 年)
許可業者あたりの建設投資額
114.1
99.1
100
86.2
84.9
72.3
80
66.2
63.5
66.8
長崎
熊本
63.9
60
40
20
0
全国
九州
福岡
佐賀
大分
宮崎
鹿児島
資料:
「建設業許可業者数の現況」国土交通省
「建設工事施工統計調査報告」国土交通省
12
第1章
社会環境の変化と建設業をとりまく状況
2)建設業の経営環境の推移
①建設投資からみた環境∼全国・宮崎県ともピーク時の6割に減少
全国の建設投資はバブル経済の末期から平成8年度にかけて 80 兆円程度で推移し
ていたが、平成9年度以降徐々に減少し、平成 16 年度の見通しでは 52 兆円程度と約
6割に低下している。宮崎県は平成5年度がピークであり、平成 14 年度にはその 62%
の 5,200 億円程度となっている。
図表 1-21 全国における建設投資額の推移
全国における建設投資額の推移
(兆円)
140
民間
120
政府
100
81.4
80
84.0
81.7
78.8
79.0
82.8
75.2
73.1
61.5
60
53.6
38.9
30.6
32.8
19.4
20.8
43.3
48.8
55.7
20
22.6
71.4
66.7
50.0
40
82.4
23.4
24.3
25.7
53.7
28.7
51.6
32.3
47.5
45.5
34.2
33.3
43.8
35.2
48.2
34.6
42.2
33.0
37.4
34.0
68.5
36.6
31.9
66.2
36.2
30.0
61.3
33.1
28.2
56.3
53.9
30.9
30.9
25.4
23.0
0
60
61
62 63
元
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
51.9
31.5
20.4
(年度)
15 16 (年度)
資料:
「建設投資見通し」国土交通省
*平成 14、15 年度は見込み値、16 年度は見通し値
図表 宮崎県における建設投資額の推移
1-22 宮崎県における建設投資額の推移
(兆円)
民間
1.4
政府
1.2
1.0
0.8
0.36
0.6
0.39
0.4
0.24
0.21
0.18
0.23
60
61
0.25
0.29
0.29
0.24
0.34
0.30
0.31
0.27
0.23
0.31
0.33
0.48
0.2
0.28
0.32
0.41
0.26
0.29
元
2
0.35
0.35
3
4
0.50
0.40
0.39
7
8
0.46
0.20
0.20
0.34
0.32
0.54
0.50
0.37
0.0
62 63
5
6
9
10
11
12
14
13 (年度)
14 (年度)
資料:
「建設総合統計年度報」国土交通省
13
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
②建設業許可業者数からみた環境∼投資額と比べ過剰感のある業者数
全国の建設投資額は、平成8年度をピークに一貫して減少しているが、許可業者数
は平成 12 年度まで増加が続き、最近でも平成7年度の水準にあり、建設投資額ほど
は減少していない。宮崎県でも建設投資が減少する中で、許可業者数は増加を続け、
平成 12 年度以降下降に向かっている。
図表 1-23
許可業者数
(万業者)
(万人)
65.0
全国における建設業許可業者数と建設投資額の推移
全国における建設業許可業者の推移
建設投資額
(兆円)
110
許可業者数
建設投資額
60.1
60.0
58.6
54.3
55.0
51.9 51.7
51.1 51.0 51.0 50.9
51.5
52.2
55.2
55.7
90
58.6
57.1
56.5 56.9
55.2
70
53.1
50.0
50
45.0
30
60 61 62 63 元 2
3
4
5
6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
(年 )
資料:
「建設業許可業者数調べ」
、「建設投資見通し」国土交通省
*業者数は各年3月末値
*建設投資額は年度値
許可業者数
(百業者)
(百人)
70.0
図表 1-24
宮崎県における建設業許可業者数と建設投資額の推移
宮崎県における建設業許可業者数の推移
9
許可業者数
建設投資額
64.5
65.0
60.0
建設投資額
(兆円)
57.9
57.3 57.2 57.2 57.5 57.3
58.7
59.3
60.2 60.6 60.7
61.4 61.6
62.6
8
63.5
62.1
60.0
7
55.0
6
50.0
5
45.0
4
60 61 62 63 元 2
3
4
5
6 7 8 9 10 11 12 13 14
(年)
資料:
「建設総合統計年度報」国土交通省
*業者数は各年3月末値
*建設投資額は年度値
14
第1章
社会環境の変化と建設業をとりまく状況
③建設業就業者数からみた環境∼投資額と比べ過剰感のある就業者数
全国の建設業就業者数は、建設投資が減少に転じた平成9年度の翌年から減少に転
じており、平成 14 年度には平成4年度の水準まで落ちている。しかし、建設投資の
落ち込みに比べると現在でも過剰感があるといえる。(宮崎県における建設業就業者
数の推移は国勢調査のみでの把握になるため5年おきのデータとなっている。)
図表 1-25
就業者数
(万人)
全国における建設業就業者数と建設投資額の推移
建設投資額
(兆円)
全国における建設業就業者数の推移
就業者数
750
90
建設投資額
700
80
685
655
663
670
662
657
653
640
650
70
632
619
618
604
600
578
60
588
560
550
530
534
533
60
61
62
50
500
40
63
元
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14(年)
資料:
「労働力調査報告」総務省
「建設投資見通し」国土交通省
図表 1-26
宮崎県における建設業就業者数と建設投資額の推移
宮崎県における建設業就業者数の推移
就業者数
(万人)
建設投資額
(兆円)
就業者数
建設投資額
8
7
9
8
6
7
5
6
4
5
3
4
2
3
60
61
62 63
元
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
(年)
資料:「国勢調査」総務省
「建設総合統計年度報」国土交通省
15
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
3)建設業の就業構造∼働き盛りの年齢層が多い
宮崎県の建設業就業者の年齢構成別構成の推移を見ると、平成 12 年時点では、全
国の比率を上回っている階層は、35∼44 歳、45 歳∼54 歳となっており、55 歳以上の
階層は全国より少なくなっている。これより、宮崎県では働き盛りの階層が多く、55
歳以上の高齢者層の比率が少ないことが特徴といえる。
図表 1-27
100%
80%
建設業就業者の年齢構成別推移
宮崎県における建設業就業者の年齢構成別推移
2
12
2
5
5
17
17
16
26
32
6
19
22
22
60%
27
54 歳以下
(全国)
75%
29
34
40%
20%
0%
18
28
21
19
14
16
21
7
6
10
9
9
昭和60年
平成2年
平成7年
平成12年
28
65歳以上
55∼64歳
45∼54歳
35∼44歳
25∼34歳
15∼24歳
54 歳以下
(宮崎)
79%
全国
(平成12年)資料:「国勢調査」総務省
4)建設業の倒産の状況∼建設業の倒産比率が相対的に増加
宮崎県の建設業の倒産件数は、建設投資が比較的潤沢であった平成9年、10 年まで
は全業種の 30%程度で全国と同水準であったが、平成 11 年に上がり始め、平成 12 年
以降は 40∼50%で推移している。
この点からも本県の建設業の厳しい状況を伺うことができる。
宮崎県における建設業倒産件数の全産業に占める比率の推移
図表 1-28
宮崎県における建設業倒産件数の全産業に占める比率の推移
60%
50%
40%
30%
建設業比率
(宮崎県)
20%
10%
平成9 年
平 成10年
平成 11年
平成 12年
平成13年
平 成14年
平成 15年
建設業比率
(全国)
資料:㈱東京商工リサーチ調べ
16
第1章
社会環境の変化と建設業をとりまく状況
(2)建設業の構造改革に求められる対応
我が国の建設業界は、平成4年度の約 84 兆円をピークに、平成 16 年度の見通しは約
52 兆円と、ピーク時の約6割まで減少している。こうした状況にもかかわらず、建設業
者数は約 53 万社(平成5年3月末)から約 56 万社(平成 16 年3月末)と建設投資の
ピーク時からほぼ横ばい状態となっており、建設産業は、需給バランスが崩壊した過剰
供給構造となっている。
こうした状況に対応して、国では建設産業の構造改善を推進しており、国土交通省で
は今年度からの3年間に、各企業、建設業者団体及び行政がそれぞれの立場において重
点的に取り組むべき推進事業などを示した「建設産業構造改善推進プログラム 2004」を
とりまとめた。
ここでは、本プログラムをもとに建設業を取り巻く動向と業界等に求められている改
革努力を整理することとする。
1)不良・不適格業者の排除の徹底
①現状と課題
厳しい経営環境を背景に、経営審査事項における虚偽申請や技術者の専任制違反な
どの不正行為が多数発生し、また、適正な施工が見込めないような著しく低価格な受
注、いわゆるダンピング受注が横行している。
そのため、行政による不良・不適格業者への厳格な対応を通じて建設業法の遵守を
徹底させるとともに、品質確保、下請へのしわ寄せ防止等の観点からダンピング受注
の排除を促進する必要がある。
②主な推進事業
○建設業法の遵守の徹底
・経営事項審査における虚偽防止策の強化
・「発注者支援データベース・システム」の導入促進による専任制確認の強化
な
ど
○入札者選定、技術者の専任制確保に資する情報システムの整備及び情報公開の促
進
・建設技術者等の情報のデータベース化
・監理技術者資格者証の偽造防止
など
○ダンピング受注の排除の促進
・発注者や建設業所管部局による地域ごとの情報交換の促進
・下請業者への適正な支払の確認
など
17
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
2)入札契約の適正化の徹底
①現状と課題
地方公共団体等においては入札契約適正化法等が徹底されていない場合があり、入
札契約をめぐる不正行為も後を絶たない。また、従来からの価格のみによる競争では、
受注者選定過程において企業の技術力を適正に評価することができず、疎漏工事など
品質確保上の問題が発生している。
そのため、入札契約の適正化に向けた取組みを促進し不正行為の排除を徹底すると
ともに、技術力評価を的確に行うことにより、受注者選定段階で不良・不適格業者の
参入を排除し、公共工事の品質確保を強化する必要がある。
②主な推進事業
○入札契約の競争性・透明性の向上、不正行為等の防止
・地方公共団体等における入札契約情報の公表の促進
・地方公共団体等における入札監視委員会等第三者機関の設置の促進
など
○技術力による競争等の推進
・工事成績データベースの整備
・総合評価方式や VE 方式等の推進
など
3)建設生産システムにおける合理化の推進
①現状と課題
元請下請間の契約や支払の適正化については、従来からの建設業者団体の自主的な
取組みや行政による指導により改善はみられるものの、いまだ徹底されているとは言
いがたい状況にある。特に専門工事業界においては、経営革新のための取組みについ
ては、緒についたばかりの状況にある。
そのため、建設業界自らが一体となって建設生産システムの合理化を推進するとと
もに、専門工事業界における取組みを支援する一方で、行政においても元請下請関係
の適正化に向けた取組みを徹底する必要がある。
②主な推進事業
○建設生産システム合理化推進協議会等を活用した合理的な建設生産システムの
検討
・建設生産システム合理化推進協議会を活用した多様な建設生産システムの検討
・建設工事標準下請契約約款に準拠した注文書、請書等の標準化
○専門工事業界の取組みへの支援
・多様な発注方式に対応した施工体制の検討
など
○元請下請関係の適正化に向けた取組みの徹底
・元請下請間の取引の適正化に向けた調査及び指導の充実
18
など
第1章
社会環境の変化と建設業をとりまく状況
4)生産性の向上および経営革新の推進
①現状と課題
過剰供給構造の中、企業間の競争が激化、建設業者の収益力が低下する一方で、依
然として、重層的な下請構造の下での重複した無駄な作業が原因であるコスト高が生
産性を損なっている。
そのため、IT の活用等により経営基盤の強化・経営の効率化を図るとともに、過
剰供給構造の是正を図る観点から、企業間連携や新分野進出を促進することが必要で
ある。また、品質を確保することを通じて消費者の信頼を確保する観点からも、瑕疵
保証、品質保証等についての取組みが必要である。
②主な推進事業
○IT の活用による経営の効率化の促進
・CI-NET 及び C-CADEC の普及促進
・CALS/EC の対応支援
など
○企業間連携・新分野進出など経営革新に対する支援
・地域における中小・中堅建設業の企業間連携・新分野進出促進支援
・中小・中堅建設業への相談体制の充実
・中小・中堅建設業の資金繰りの改善
○瑕疵保証・品質保証・性能表示等の環境整備
・建設産業団体による瑕疵保証・品質保証・性能表示等の検討に対する支援
・公共工事の品質確保の強化に向けた取組み
5)優秀な人材の確保育成と安全対策等の推進
①現状と課題
建設労働者の処遇悪化等により優秀な建設労働者が流出し不足することが懸念さ
れている。また、建設工事現場における安全確保については、従来から機会あるごと
に注意喚起を行ってきたところであるが、今なお建設工事現場における労働災害が発
生している。そのため、優秀な人材の確保・育成及び社会的評価の向上を図るととも
に、安全対策の推進及び労働災害防止策の検討が必要である。
②主な推進事業
○基幹技能者等の優秀な人材の確保・育成及び社会的評価の向上
・各企業による組織的・体系的な人材育成マネジメントシステムの確立への支援
・技能に関するデータベースの充実・活用
・建設産業及び建設産業で働く人に対する理解の促進とイメージアップ
○安全対策の推進及び労働災害防止策の検討
・技術者、技能者に対する適正な安全講習の推進
19
など
など
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
(3)建設業の振興・再生に係る施策の流れ
1)国の施策動向
バブル経済崩壊後、わが国の建設市場の縮小傾向が顕著になり始めた頃から、政府
や国土交通省において数々の建設業振興策が提言・推進されてきた。今日までの建設
産業の振興、特に新分野進出に関わる主な建設産業政策を整理すると以下のとおりと
なる。
①政府全体としての施策動向
政府全体としては建設業に限定せず、企業や産業全般の再生や構造改革についての
基本指針等を提言し、それを受ける形で国土交通省(建設省)が建設業に係る施策を
策定するという流れが基本となっていたが、昨今の建設業界の厳しい状況を受け、地
域振興の一環として特に建設業の振興策について具体的に提言する例がでてきてい
る。
ⅰ)「地域再生推進のための基本指針」(平成 15 年 12 月 19 日、地域再生本部)
地域経済の活性化と地域雇用の創造を地域の視点から積極的かつ総合的に推
進するための指針として内閣が策定したものである。この中に、
「建設業の事業
転換などの経営革新」が示されており、これを含む各課題について同本部が総
合調整機能を十分に発揮することにより、今後、政府が一丸となって各種施策
の一層の推進を図っていくことが必要とされている。これは、
「地域再生推進の
ためのプログラム」
(平成 16 年2月 27 日、地域再生本部)にも踏襲され、3月
30 日に各省庁横断による「建設業の新分野進出を促進するための関係省庁連絡
会議」が開かれた。
ⅱ)「経済財政運営と構造改革に関する基本方針 2004」(平成 16 年6月2日、閣議
決定)
構造改革の基本戦略としての性格があり、今年で第4弾となる。この中で、
経済活性化に向けた重点施策として、「建設業の新規ビジネス進出支援(農業、
福祉、環境等)」が明示的に提言されている。
②国土交通省(建設省)の施策動向
建設業界の主務官庁であることから、早くから建設業の振興策について様々な計画
や施策が国土交通省(建設省)で行われてきた。主な施策の流れとしては、以下のと
おりとなっている。
ⅰ)「建設業政策大綱」(平成7年4月、建設省)
建設産業が「新しい競争の時代」を迎えているとの認識を示し、建設産業政
策の基本的方向が打ち出された。この中では健全な企業間競争環境を作ること
20
第1章
社会環境の変化と建設業をとりまく状況
が基本目標に掲げられた。この段階では、大手ゼネコンを念頭に置いたもので
あり、建設投資が豊かであったため、地方中小・中堅建設業をターゲットとし
たものではなかった。
ⅱ)「建設産業再生プログラム」(平成 11 年7月、建設省)
これも大手総合建設会社の今後のあり方を主たる焦点として策定された。こ
の中で、建設産業が「淘汰の時代」を迎えたという認識が示され、経営の「選
択と集中」を行った企業が厳しい建設業界の競争に勝ち残るものとしている。
この中で示されている具体策の中には「業務提携」や「営業譲渡」等を見出せ
るものの、新分野進出についての提言は特段なかった。これを受け、平成 12 年
度には「建設産業の再編の促進について」が打ち出された。
ⅲ)「建設市場の変化に対応した建設産業の再編に向けて」
(平成 14 年4月、建設
産業の再編の促進に関する検討委員会)
建設産業の再編の促進に関する検討委員会が発表した最終報告であり、この
中で、建設産業の再編は大手のみならず地方の中小建設企業を巻き込んでいく
という見方が示された。
ⅳ)
「中小建設産業の新分野・新市場開拓のための企業連携に関するガイドライン」
(平成 14 年7月、中小建設産業の連携による新市場開拓研究会)
この中では、供給過剰の建設市場を背景に今後多くの中小建設企業の自発的
なイノベーション活動への取組みが喫緊の課題としている。具体的には新分野
新市場開拓が必要とされ、その際に一社単独で新分野・新市場開拓を進めてい
くことは困難な場合が多いので、経営資源の補完をするため、他企業等との連
携が必要との方向性が示された。
このガイドラインでは、有望と考えられる新市場として、①リフォーム分野、
②環境分野、③その他(都市再生、まちづくり、介護、農林業)となっており、
建設業に近い分野が中心に考えられていた。
ⅴ)「建設業の再生に向けた基本方針」(平成 14 年 12 月、国土交通省)
平成 14 年 12 月、政府産業再生・雇用対策戦略本部において企業・産業再生
に関する基本方針が決定されたのを受けて策定した。
この指針では、中小・中堅建設企業の再生を柱の一つに据え、再生支援策の
推進が打ち出された。
21
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
ⅵ)「建設業セーフティーネット構築緊急事業」
(平成 15 年1月、国土交通省)
平成 14 年度補正事業で上記事業を実施し、その中で、(財)建設業振興基金
を実施主体とした、新分野進出支援体制整備事業が行われた。この事業から本
格的に新分野進出を促進することとなり、中央に新分野進出インフォメーショ
ンデスク、各県に新分野進出アドバイザーを設置すると共に、事例集や支援施
策集などの整備が行われた。
ⅶ)「地域における建設産業再生のための先導的・革新的モデル事業構築の支援調
査事業」、
「建設業の生産高度化のための実証実験事業」
(平成 15 年度、国土交通
省)
国土交通省からの委託で(財)建設業振興基金が実施したもので、新分野進
出などについてのモデル的な取組について、市場調査等のソフト事業への支援
などを実施した。
ⅷ)「建設産業再生協議会の設置」(平成 15 年度、国土交通省各地方整備局)
地方ブロックごとに、国土交通省、都道府県、建設業協会等で構成される建
設産業再生協議会が設置された。それぞれの情報の共有化を図り、地域関係機
関の連携体制の確立を目指すとしている。
22
第1章
社会環境の変化と建設業をとりまく状況
<参考資料:国レベルでの施策の体系整理>
政府等
建設省・国土交通省等
H6.1 公共事業の入札・契約手続きの改善に関する
行動計画
H7.4.14 「建設産業政策大綱」
H8.1.1 WHO政府調達協定の発効
H9.4.4 公共工事コスト縮減対策に関する行動指
針
H10.2.4 建議→建設産業の構造変化に対応した建
設業の目指すべき方向について
H11.7.1 「建設産業再生プログラム」
H12.9.5 財政構造改革の推進
H13.4.6 緊急経済対策
H14.4.9「建設市場の変化に対応した建設産業の再
編に向けて」
H14.10.30 改革促進のための総合対応策
H14.7 「中小建設産業の新分野・新市場開拓のため
H14.12.19 企業・産業再生に関する基本指針
の企業連携に関するガイドライン」
H14.12.19 「建設業の再生に向けた基本方針」
H14 年度
H15.12.19 地域再生推進のための基本指針
建設業セーフティーネット構築緊急事
業による新分野進出支援体制の整備
H15 年度
地域における建設産業再生のための先
導的・革新的モデル事業
H15 年度
ITを活用した建設業の生産高度化の
ための実証実験
H15 年度
H16.2.27 地域再生推進のためのプログラム
体制の構築
H16.3.30 建設業の新分野進出を促進するための
関係省庁連携会議
H16.6.2
建設産業再生協議会の設置による支援
経済財政運営と構造改革に関する基本
方針 2004
23
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
2)都道府県における建設業の新分野進出に係る施策動向
各都道府県においてもバブル経済崩壊後、建設業の振興策について様々対策を打ち
出すところがでてきた。北海道、島根県、長野県等は他都道府県に先行する形で早く
から建設業振興策に係る取り組みが行われてきており、平成 14 年から平成 15 年にか
けては具体的な指針や事業等を打ち出していた。
他都道府県においても概ね平成 16 年度においては指針や事業が出揃い、建設業の
支援を行っている。
ⅰ)主として行われている施策
各都道府県にほぼ共通に見られる主要な支援施策について整理すると、以下
のとおりとなる。
○振興計画の策定
○現状調査(アンケート)
○情報提供(パンフレット、マニュアル本作成)
・支援施策(助成・補助)の紹介
・新分野進出成功事例の紹介
○説明会・研修の開催
○相談体制の整備
ⅱ)特徴的な施策
都道府県単位の建設業振興施策としては以下のような特徴的なものがある。
実際に新分野進出等の行動に移す企業への資金援助やサポート等、より具体的
な支援がその特徴に挙げられる。
○北海道
・地域施策促進事業(異業種とのマッチング事業など)
○岩手県
・構造改革特区農業参入モデル事業(農業特区参入企業への施設資材費の一部
補助)
○秋田県
・受発注マッチングサポート事業(首都圏に調査員を設置し、発注案件を開拓、
情報提供)
○福井県
・建設業新規・成長分野進出教育訓練助成金
○長野県
・農業分野進出資金融資利子補給金交付事業(農業分野進出企業の資金支援)
・新建設産業創出モデル事業(意欲ある取組みを行う企業を評価)
24
第1章
社会環境の変化と建設業をとりまく状況
3)建設業協会の施策動向
建設業協会が独自で建設業の新分野進出支援活動を行っている例は少なく、都道府
県の各種施策に業界団体として協力をするというスタンスでの動きが中心である。
建設業協会単独としての活動を行っている例としては、長野県、福島県建設業協会
の活動が挙げられる。
ⅰ)都道府県庁と建設業協会の連携
○北海道建設業協会と北海道との連携
北海道建設業協会は北海道庁と役割分担を定め、道の「建設業ソフトランデ
ィング施策」に協力している。
○石川県建設業協会と石川県の連携
石川県建設業協会は石川県の「中小企業再生支援プログラム」に対して推進
協力体制をとっている。
ⅱ)建設業協会独自の施策
○岩手県建設業協会
経営支援センターの設置:民間の経営コンサルタントが協会に週2日駐在し、
建設業の経営や新分野進出に対応する。
○福島県建設業協会
介護人材育成:協会会員の建設業従業者を対象に介護資格者の研修会を実施
している。
25
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
4
宮崎県の建設業の支援体制と建設業の実態
(1)宮崎県の建設業の支援体制
1)建設業振興の視点からの支援体制
宮崎県における建設業の主管部署は、土木部管理課であり、建設業の支援全般を担
当している。また、県内の建設業の許可業者全体では、6000 社程度あり、うち 840 社
程度が、
(社)宮崎県建設業協会を組織している。平成 14 年度国補正予算による「建
設業セーフティーネット構築緊急対策事業」において、新分野進出アドバイザー制度
が発足した。このアドバイザーは建設業協会職員が担当している。
2)産業振興の視点からの支援体制
建設業の新分野進出にあたっては、建設業のみならず、進出先分野の産業振興のノ
ウハウが必要になる。このため、(財)宮崎県産業支援財団が支援を行っており、実
務的にはコーディネーターが相談対応等を行っている。
図表 1-29
宮崎県における建設業の支援体制
宮崎県における建設業の支援体制
県内建設業者
(財)宮崎県
産業支援財団
建設業協会加盟会社
設立
(社)宮崎県
建設業協会
助言
コーディネーター
協会非加盟会社
指導
宮崎県 商工観光労働部
指導・支援
宮崎県 土木部 管理課
26
助言
指導
新分野進出ア
ドバイザー
支援
国土交通省/
(財)建設業振興
基金/(社)全国
建設業協会
第1章
社会環境の変化と建設業をとりまく状況
3)建設業振興関連事業からみた支援体制
①みやざき建設産業活性化事業
○事業目的:意欲ある建設業者が、自助努力・自己責任を基本として、地域経済の
担い手として技術力と経営力を維持・向上させる環境づくりを進めることにより、
県内建設産業の健全な発展を図る。
○事業概要
・予算額:平成 16 年度 164,459 千円
・事業期間:平成 16 年度から平成 20 年度
○事業内容
・「宮崎県建設産業活性化指針(仮称)」の策定(4,196 千円)
・経営基盤強化支援(158,286 千円)
ⅰ)建設業者研修会の開催(2,745 千円)
ⅱ)中小企業診断士などの専門家による経営相談・助言指導(2,541 千円)
(県内8地区で相談窓口を設置して、専門家が相談に対応)
ⅲ)宮崎県建設事業協同組合等の融資制度に対する支援(153,000 千円)
・不良・不適格業者に対する指導強化(1,977 千円)
②中小企業新分野進出等支援事業
○事業目的:既存中小企業等の新分野進出等への取り組みを推進し、厳しい経済状
況下において、更に地域経済の活性化、雇用の創出を図る。
○事業概要
・(財)宮崎県産業支援財団の「中小企業経営基盤強化基金」を増資し、基金の
取り崩しによる支援事業を行う。
・全体で8千万円のうち、4千万円を公共事業関連企業枠として、建設業を想定
した支援を行う。
○事業内容
・経営革新支援事業:経営革新に取り組む中小企業が、複数年(最長3年)に亘
り、新商品・新サービス開発、人材育成、販路開拓等の事業を行う場合に、費
用の一部を助成する。(補助率 1/2、限度額 680 万円、事業費4千万円)
・技術研究開発支援事業:新製品、新技術等に関する技術研究又は研究開発に取
り組む中小企業に対して、複数年(最長3年)に亘り、事業に要する費用の一
部を助成する。補助率 1/2、限度額 680 万円、事業費4千万円)
27
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
(2)建設業者の実態・意向分析
宮崎県の建設業者の経営実態及び経営者の意向を把握するために、県内の主要な建
設会社に対してアンケート調査を実施した。ここでは、調査結果のうち、経営状況や
新分野進出に関係する部分を中心に示す。(詳細はアンケート報告書を参照のこと。)
1)調査の概要
○調査対象:宮崎県において事業者登録を行っている建設業者 1,077 社
○抽出方法:Aランク以上の企業の全て及びB、Cランクの企業の一部を対象とした
○実施時期:平成 16 年6月 17 日∼7月 20 日
○回収状況:有効回収票数 830 票(有効回収率 77%)
2)調査結果の概要
①経営状況
全体の 70%の企業が完工高の減少に直面している。
直近の経常利益は赤字が 14%、黒字が 83%であるが、全体の 62%は黒字幅が減少
し、10%は黒字から赤字に転落している。新分野進出の有無によるクロス集計をする
と、既に新分野に進出している企業の方が経営が好調な企業の割合が高かった。
今後の見通しは約 60%の企業が完工高、経常利益ともに減少するとしている。
図表 1-30
経営状況/完工高
問2-1 経営状況/完工高(SA)
N=830
無回答
1%
大きく増加
4%
やや増加
9%
大きく減少
37%
あまり変化はない
16%
やや減少
33%
28
第1章
社会環境の変化と建設業をとりまく状況
図表 1-31
経営状況/経常利益
問2-2 経営状況/経常利益(SA)
N=830
ともに赤字
4%
無回答
1%
3期前は赤字だが現在
は黒字
3%
ともに黒字で、利益額は
増加
6%
ともに黒字で、利益額は
概ね変化なし
14%
3期前は黒字だが現在
は赤字
10%
ともに黒字であるが、利
益額は減少
62%
問2-3 今期の見通し/完工高(SA)
図表 1-32
今期の見通し/完工高
無回答
1%
N=830
前期より増える見通し
15%
前期とほぼ同じ見通し
24%
前期より減る見通し
60%
問2-4 今期の見通し/経常利益(SA)
図表 1-33
今期の見通し/経常利益
無回答
1%
N=830
前期より増える見通し
11%
前期とほぼ同じ見通し
29%
前期より減る見通し
59%
29
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
②現在の事業の状況/今後の
問10 現在の事業の状況(SA)
図表 1-34
現在の事業の状況
展開
現在建設業以外の事業を行
っている会社は 20%であり、
3年後の展望では 33%が建設
業以外の事業を行っていると
N=830
実質的に建設業は行っ
ておらず建設業以外の
事業のみを行っている
0%
どの事業も行っておらず
事実上廃業状態である
0%
無回答
4%
建設業も行っているが
建設業以外の事業が中
心である
1%
建設業が中心ではある
が建設業以外の事業も
行っている
19%
している。
建設業のみを行ってい
る
76%
一方で、48%が現状・3年
図表 1-35
問11 今後3年間程度における事業の展望(SA)
今後3年間程度における事業の展望
後共に建設業を行っていると
し、15%が将来の方向を決め
かねているとしている。
企業規模別、経営状況別の
クロス集計をすると、小規
模・赤字企業ほど将来の方向
その他
0%
N=830
無回答
4%
将来の方向性を決めか
ねている
15%
建設業は行っておらず
建設業以外の事業のみ
を行っている
0%
建設業も行っているが
建設業以外の事業が中
心である
4%
建設業のみを行ってい
る
48%
を決めかねている企業の割合
が高かった。
建設業が中心ではある
が建設業以外の事業も
行っている
29%
建設業のみを行っていく理
図表 1-36
問12 今後3年間の事業展開として建設業のみを行っていく理由
今後3年間の事業展開として建設業のみを行っていく理由
N=385
その他
2%
由としては、建設業のみでも
3年間の間では時間的
に無理だと思うため
9%
やっていける、新分野でうま
くいく自信がない、などとな
無回答
1%
N=385
以前のように戻ると思う
ため
13%
っている。景気回復を期待し
ている企業も 13%に上ってい
自社がうまくいく自信が
ないため
24%
建設業のみでもやって
いけると思うため
31%
る。
経営的に魅力ある進出
先が見あたらないため
20%
30
第1章
社会環境の変化と建設業をとりまく状況
③新分野進出の可能性がある分野とその理由
新分野進出の可能性がある分野としては、農業、リフォーム、環境が高くなってお
り、福祉、不動産が続いている。
図表 1-37
建設以外に現在行っている事業分野、将来の多角化・事業転
問13-1 建設業以外に現在行っている事業分野、将来の多角化・事業転換する先として
換する先として可能性・関心のある事業分野(複数回答)
可能性・関心のある事業分野(MA)
N=445
23.1
リフォーム工事業関連
13.3
不動産業・不動産管理業
24.3
農業関連
4.9
林業関連
0.2
漁業関連
18.9
福祉・介護事業関連
22.7
環境・リサイクル関連
2.5
観光関連
4.9
製造業
5.6
物販
7.0
飲食関連
4.7
その他
14.4
無回答
0
5
10
15
20
25
30
%
31
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
それぞれの分野を選んだ理由の代表例は以下の通りとなっている。
進出分野
農業
区分
業界特性
周囲の環境
現業との関
連
業界特性
リフォーム
周囲の環境
現業との関
連
業界特性
周囲の環境
環境
現業との関
連
業界特性
福祉
周囲の環境
現業との関
連
業界特性
周囲の環境
不動産
現業との関
連
内容
・高齢化しており担い手が減少傾向にある、休耕地が増え
る。
・初期投資が少なく、手早く始められる。
・時代の流れ、食糧不足になる、食料を海外に頼るべきで
はない。
・中小零細が多く、事業としての可能性がある。
・健康で安全な食への高まりがある。
・周囲に農業関係者がいる。
・会社の立地条件からみて合っている。
・農協等に技術面・経営面で相談に乗ってもらえそう。
・閑散期・繁忙期がずれて労働力調整がしやすい。
・農業土木工事をしているので農業と関連がある。
・社内の人材が生かせる、従業員で農業者がいる。
・自社の重機、機械力を生かせそう。
・既に農地を保有している。
・過去にやったことがあり、経験がある。
・今後新築が減少し、その分リフォーム工事分野の需要拡
大が見込める。
・リフォームは資金も安くすみ、話が進めやすい。
−
・建設業に関連する分野であり参入しやすい。
・これまで住宅を建設してきたので、その客への営業の徹
底を行う。
・他に何も思い浮かばない。
・これからは社会的に求められる分野であり、将来的に期
待のもてる事業だと思う。
・産業廃棄物処理場が1社しかなく、処理が滞っている。
・既存の産廃処分場が利用できるとともに、将来的に産廃
処理問題が浮上すると予想される。
・ソーラー発電に詳しい知人がおり、ノウハウを勉強中。
・建設業に関連がある。本業の延長線上にある。
・保有している重機や車が生かせる。
・建設工事の合間に、社員が未就労にならないように太陽
光発電取付販売、エコ給湯設備、合併浄化槽工事などを
行い、少しでも利益になるようにとすでに始めている。
・産業廃棄物処理施設があり、自社の解体工事からの廃棄
物から処理を始めている。
・少子高齢化の時代であり、今後必要性が増大すると思わ
れる。
・福祉関係に精通した人材がいる。
・自身が要介護老人を抱えて苦労している。
・建設業と関連することが多い。
・自社の土地の有効活用を図りたい。
・商用店舗の賃貸で安定した収入を見込める。
・自分に信頼できるブレーンがいた。
・既に自ら不動産事業を行っている。
・遊休資産(土地)の有効活用を図る。
・不動産業に伴う建設工事をやりたい。
・建設業と関連があり、現在までにノウハウを得てきた。
32
第1章
社会環境の変化と建設業をとりまく状況
④新分野進出にあたっての問題点・苦労
新分野進出の際の問題点や苦労としては、資金と人材の確保が多く挙がっている。
具体的意見の代表例は以下のとおりとなっている。
分野
回答数
資金面
14
人材面
13
ノウハウ
6
営業力
2
手続き
4
問題なし
5
その他
21
内 容
・経営審査があるので、決算時期に借入金や土地の棚卸し資産
があると減点の対象となるので思い切った投資ができない。
・収入とならないうちに、先行投資があるので資金的に苦しい。
共倒れになりかねない。
・資格保有者などの専門人材の確保に苦労した。
・責任者としての人材の不足、育成が難しい。
・新分野についてのノウハウがない。
・建設業と違いユーザーに対し真剣に営業しなくてはビジネス
にならない。
・農業法人の設立や都市計画法など難しい点が多い。
・7∼8年前から構想を持って進出したため苦心がなかった。
・創業時から建設業と製造業の兼業で一方がよいときは一方が
補完してやってきた。
・リフォーム事業に進出し、新築需要の低迷を補うことができ
た。
・競合他社が出てきてすぐに価格競争になる。採算が取れるま
で資金繰りが困難になる。
・全く新しい分野ではフランチャイズに加盟して指導してもら
う。
・飲食業に進出したが、単価の安さに労務体制がついて行かな
い。
⑤新分野進出にあたって期待する支援策
期待する支援策としては、④を反映して、資金面や人材面(アドバイザー)が多く
なっている。
図表 1-38
多角化・他業種転換への取り組みに期待する支援施策(複数回答)
問16-1 多角化・他業種転換への取り組みに期待する支援施策(MA)
N=445
28.3
新分野進出アドバイザーの派遣
11.2
セミナーの開催
融資・助成制度の充実
55.5
11.7
事例集の作成
12.6
新分野進出マニュアルの作成
8.1
規制緩和(構造改革特区を含む)
その他
0.9
19.3
無回答
0
10
20
33
30
40
50
60
%
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
⑥自由意見
自由な意見としては、依然として公共事業の増大を望む意見や厳しさを訴える意見
が多い中で、建設業の将来予想についてのセミナーや新分野進出の支援を求める意見
もある。
区分
発注量増大
発注方法改
善
評価の適正
化と不適格
業者の排除
受注・資材
価格
行 研修・講習
政 会等
へ
の
要
望
・ 規制・制度
提
言
その他
苦境の訴え
自助努力の必要
性
新分野関連
その他
代表的な意見
・公共事業の予算を増やして欲しい。
・予算増は望めないが、発注件数を増やして欲しい。
・地元企業や専門工事業に優先発注して欲しい。
・受注参加の機会を平等にして欲しい。
・技術者数など経審内容のチェックの厳格化をして欲しい。
・小規模でも技術がしっかりしている会社は指名して欲しい。大手(A,B
クラス)だけに指名を集中させないで欲しい。
・事業転換や新分野進出する場合は経審点数の加点をして欲しい。
・常勤技術者のいない企業等の整理が必要である。
・労務費単価が値下がりする中で従業員の給料は下げられない。労務
費単価を上げて欲しい。
・社員教育の費用が高額で年に1∼2人しか資格受検させられない。
県で安価な教育講習を考えて欲しい。
・建設業の将来予想等に関するセミナーを開いて欲しい。
・JV を行う際のノウハウを示して欲しい。
・CALS/EC の講習会はいつも下のクラスに合わせて基本ばかりである。
クラス毎にして高度な講習もして欲しい。
・公共事業は PFI 方式による発注を検討して欲しい。
・建設業で人材派遣を認めて欲しい。
・農地法や都市計画法を緩和して開発しやすくして欲しい。
・公共事業イコール悪という風潮等があるが、地域貢献の部分も PR
が必要である。
・多角化、他業種転換にはどこまで資本投資をすればよいのか、経験
不足のためわかりづらい。
・建設業者が多すぎるので、合併・協業を進めるほか、国の補助金を
使い廃業社を増加させる。
・現在の特A∼DクラスをBクラスまでとし、他はランク外として少
しでも業者数を減らす。
・協業化した企業体に県、市町村の後押しがあれば、大幅なリストラ
に踏み切ることなくソフトランディングできる。
・山間部では急に公共事業をなくすと生活できなくなり村が崩壊する。
・体力のあるうちに新分野へと思う反面、廃業も選択肢の一つと考え
ている。
・NHK の特集やこのアンケートを見て人ごとではないと思っているが、
10 名以下ではどうしたらよいかわからない。
・将来は合併、協業化等により事業者の適性数、体質改善(技術・資
本)が必要である。
・今度の改革で今までの親分・子分の建設業ではなく、新しい形がで
きると思い、頑張って生き残りを図っている。
・数年前に新分野進出をしたが、資金が続かず断念した。
・新分野進出について2∼3年前より考えているが、そのきっかけが
ない。取組についての支援、施策を要望する。
・地域の資源を官・民で考えてみたい。
34
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
第2章
建設業が直面する課題分析
建設業の振興方策の検討にあたっては、現在建設業が置かれている状況から波及
的に生ずる影響を含めて認識する必要がある。
本章においては建設業をとりまく状況をもとに仮想的なシナリオを描きつつ建
設業が直面する課題について分析する。
建設業の経営状況により生ずる様々な影響を建設業内部のみで対応すると大量
の失業者の発生など極めて大きな社会問題が発生するため、行政としても様々な対
応が必要とされるところである。直面する課題に対しては、建設産業内部での対応
が主体ではありながら、他産業を含めた対応、すなわち建設業が新分野へ進出する
ことが必要になる。
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
1
建設投資の急激な縮小に直面する建設業
ここでは建設業の課題分析にあたって、出発点となる現状について、第1章の部分の
中から読みとれる要点を再掲して示している。
(1)建設業は九州、特に宮崎県では重要な地域産業
建設業は地域の社会基盤1形成、住宅整備などにおいて重要な役割を果たしている産
業である。全産業に占める建設業の割合を比較すると当該地域の建設業の重要度がわか
る。生産額でみると、建設業の全産業に占める比率は全国では 6.3%、九州では 6.7%と
なっており、重要な産業といえる。九州各県の中でも宮崎県は 9.0%と最も高くなって
いる。これと同様の傾向が就業者数、事業所数でも見られる。
これより、建設業は九州、特に宮崎県では重要な産業となっているといえる。
図表 2-1 産業別総生産額(平成 13 年度:比率)
産業別総生産額(平成13年度:比率)
(単位:%)
合計
一次産業 二次産業
三次産業
建設業
建設以外の二次産業
全国
100
1.2
25.8
6.3
19.5
73.0
九州
100
2.6
21.8
6.7
15.1
75.6
福岡
100
0.9
20.8
5.6
15.2
78.3
佐賀
100
3.4
26.2
7.0
19.2
70.4
長崎
100
2.6
17.0
7.2
9.8
80.3
熊本
100
3.6
21.7
6.5
15.2
74.8
大分
100
2.6
29.8
7.4
22.4
67.6
宮崎
100
5.6
21.8
9.0
12.8
72.6
鹿児島
100
4.8
20.2
7.9
12.3
75.1
資料:「県民経済計算年報」内閣府
(2)建設投資がピーク時の6割に低下
景気の低迷や財政の逼迫の影響を受け、建設業の市場規模に相当する建設投資が全国
的に減少傾向にある。宮崎県では建設投資がピーク時である平成5年度に比べ平成 14
年度では6割にまで低下している。全体的に低下傾向にある。
図表 2-2宮崎県における建設投資額の推移
宮崎県における建設投資額の推移(再掲)
(兆 円)
1.4
民 間
政 府
1.2
1.0
0.8
0.36
0.6
0.39
0.4
0.25
0.24
0.29
0.34
0.28
0.32
0.41
0.30
0.31
0.27
0.23
0.31
0.33
0.21
0.2
0.18
0.23
60
61
0.29
0.24
0.26
0.29
0.35
0.35
0.48
0.50
0.40
0.39
7
8
0.46
0.20
0.20
0.34
0.32
0.54
0.50
0.37
0.0
62
63
元
2
3
4
5
6
9
10
11
12
13
(年
度)
14
14 (年度)
資料:
「建設総合統計年度報」国土交通省
1
社会基盤は道路や下水道などのインフラを指し、社会資本は社会基盤および住宅その他の
箱もの施設を合わせた意味としている。
36
第2章
建設業が直面する課題分析
(3)建設業の厳しい経営実態
市場規模が9年間で6割という急速な縮小の中で建設業の経営は非常に厳しくなっ
ている。
アンケート調査
図表 2-3 問2-2 経営状況/経常利益(SA)
経営状況/経常利益(再掲)
N=830
によると建設業の
企業業績が低下傾
向にあることがわ
かる。
ともに赤字
4%
無回答
1%
3期前は赤字だが現在
は黒字
3%
ともに黒字で、利益額は
増加
6%
ともに黒字で、利益額は
概ね変化なし
14%
3期前は黒字だが現在
は赤字
10%
ともに黒字であるが、利
益額は減少
62%
建設投資がピーク時の6割という大幅な減少を示しているのに対して、業者数・就業
者数の減少は建設投資ほど大きくはない。このため、業界全体で業者数や就業者数の過
剰感がある。これらは既に減少を始めているが、建設投資の動向から見ると、今後一層
の業者数・就業者数の減少に向かうと考えられる。
建設業者数が過剰感を示す中で、宮崎県の全産業に占める建設業の倒産件数割合は平
成 11 年度以降高水準で推移している。
(4)懸念される地域社会全体への悪影響
建設業の倒産等の縮小や従業員数の減少は、大量の失業者の発生につながる。先に示
したように九州、特に宮崎県では建設業が重要な地域産業となっており、その衰退は地
域の他産業の停滞や税収の落ち込みなどの経済的な影響のみならず、社会不安の増大、
コミュニティの弱体化、人口の流出など地域社会にとってもさまざまな悪影響を及ぼし、
地域によっては最悪の場合、地域の崩壊・喪失につながる可能性がある。
このようなことから、地方中小・中堅建設業の振興は地域全体で取り組むべき重要な
問題となっている。
37
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
2
建設投資縮小への対応のシナリオ分析
(1)建設業の対応の仮想シナリオ
宮崎県全体の建設投資額は平成 14 年度時点でピーク時の6割に下がっており、平成
16 年度にはさらに下がっている可能性が高い。また、今後さらに下がる可能性がある。
建設投資が6割に縮小した際に、建設業内部のみでの対応を行うとすると、「企業数
削減」「従業員数削減」「給与削減」を行うことになる。その際の影響を検討するため、
極端な例をシナリオとして以下のように設定した。
図表 2-4
方向性
企業数削減
従業員数削減
給与削減
建設投資が6割に縮小した際の対応と影響
対応内容
負の影響
外注先を含めて企業数を6割に減
らす。
全企業が従業員数を6割に減ら
す。人件費以外でも削減が必要。
従業員の給与を全員6割に減ら
す。人件費以外でも削減が必要。
4割が倒産(又は合併)し、負債
と大量の失業者が発生する
4割の失業者が発生する
県内のほとんどの建設業就業者
の生活が成り立たなくなる
現実には対応内容が組み合わせで行われることになるが、いずれにせよ負の影響が非
常に大きく、建設投資が6割も縮小すると極めて大きな社会問題が発生する。
現実には、各企業ともこれまでの蓄積を取り崩したり、定年退職社員の補充をしない
などの対応を取っていると考えられる。さらに、契約社員等の非正社員が兼業であった
農業に専念したり、配偶者が別の産業で働くなどして建設産業以外の産業を含めて影響
の緩和を図っていると思われる。
38
第2章
建設業が直面する課題分析
(2)建設投資縮小に伴う建設業の課題
平成 14 年時点では6割の縮小にとどまっていたが、現状・将来ではそれ以上の縮小
が想定される。このような中で、建設業としては、以下のような課題に直面している。
1)企業としての生き残りを図る
建設産業は地域において不可欠な産業であるため、投資額が減少していても産業
としてなくなることはない。このため、個々の企業は何とかして淘汰の波を逃れ、生
き残りを図ることが課題といえる。
2)従業員の雇用を守る
地方中小・中堅建設業は地域に密着した産業として、従業員を家族同様に考えて
いる傾向がある。このため、建設投資が縮小しても解雇は非常に行いにくい。このた
め、経営者としては、どのようなことをしても従業員の雇用は守るという意識があり、
厳しい環境下でいかに雇用を維持していくかが課題といえる。
(3)建設投資縮小に伴う地域(行政)の課題
中山間地域を始めとして、建設業が主要産業になっている地域は多い。このため、
建設投資の縮小は地域経済の縮小に直結し、失業者の増加に伴う生活困窮者の増大や
人口流出につながり、地域の崩壊にも結びつく。地域の運営を担っている自治体は以
下のような課題に直面している。
1)優良な建設業者(社会資本整備力)を残す
先に述べたように建設業が地域においてなくなるものではない。しかし、多くが
淘汰される際に、技術力のある優良な建設業者が消失すると地域において社会資本整
備機能が低下することになる。このような事態を避けて、技術力のある建設業者を地
域で残していくことが課題といえる。
2)地域産業の維持
建設業は重要な地域産業として税源となっているとともに、他産業にも波及効果
を及ぼすものである。このため、建設業に限定するものではないが何らかの地域産業
を維持していく必要がある。自治体としては、建設業の維持を図るとともに、その縮
小に伴い別の産業を興すなどにより、地域産業の維持を図ることが課題といえる。
3)地域の雇用・生活の保全
建設業は地域における雇用の受け皿となって、地域住民の生活を支えている。そ
の受け皿が縮小する中で、自治体は新たな雇用創出を含め、地域の雇用や生活の保全
を図っていくことが課題である。
39
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
3
建設投資縮小への対応
建設投資の縮小に伴う建設業や地域の課題への対応を整理すると以下のように考える
ことができる。
図表 2-5
建設業の新分野進出の必要性についての論理展開
建設業
企業としての生き残りを図る
の課題
従業員の雇用を守る
地域の
課題
建設産業内部での対応が主体
優良な建設業者を残す
地域産業の維持
建設産業内部での対応では不十分
地域の雇用・生活の保全
建設業の新分野進出が必要
産業廃棄物の処理
要介護老人の増加
農業の担い手不足
地域(特に農村地域)に
おけるさまざまな課題の
解決が求められている
農業・福祉・環境分野等
(1)建設産業内部での対応が主体
建設業が建設業として生き残りを図る場合や地域において技術力のある建設業を残
すのは、企業の自助努力とそれを促すしくみづくりを行政の担当部局が整備するなど、
建設産業内部での対応が主体となる。このため、支援策も従来実施してきた建設産業
の振興方策の延長線上にあり、それを一層強化する方策が中心となる。
(2)建設産業内部での対応では不十分
一方で、建設業にこだわらずに企業として生き残りを図り、さらにそれにより従業
員の雇用を守る場合や自治体が建設業に代わる産業を興し雇用と生活を保全するため
には、建設産業内部での対応では限界があり、他産業を含めた対応、すなわち建設業
が新分野へ進出することが必要になる。
農村には農業の担い手不足による耕作放棄地の発生、高齢化による要介護老人の増
加、産業廃棄物の適正処理など解決が求めれられている課題が多い。これらに対して、
建設業が適切に対応することにより地域のためになるとともに、建設業の生き残りに
もつながる。
このような観点から、新分野進出にあたってはこれまでにない新たな施策を講じて
いく必要がある。
40
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
第3章
建設業の新分野進出の現状と課題
建設投資の縮小に直面している建設業者が生き残るためには新分野への進出が
必要であり、先進的な地域では既に様々な取組みが始まりつつある。
本章においては、建設業の新分野進出のイメージとその課題を明確化するために
先行的な新分野進出の現状と課題を整理する。はじめに建設業者が新分野へ進出す
るパターンについて、既存事例を元に整理する。また、新分野への取組みを支援す
る対策について都道府県や業界団体の対応を示す。さらにアンケート調査等から想
定された新分野進出の際の課題について整理する。
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
1
建設業の新分野進出の現状
建設業の新分野進出はまだまだ多いとは言い難いが、既に全国で取り組みが始まりつ
つある。北海道や岩手県などの先進地では既に事例集を作成している。進出が多い分野
としては、農業分野、福祉分野、環境分野、リフォーム分野の4つである。本章では上
記の4分野に加えて、その他分野を設定し、建設業の新分野進出の現状等を示す。
一般に企業が新規事業をおこす場合には自社製品の市場と技術(製品)との関連性を
分析してターゲットを設定する。ここでは、建設業の進出が盛んな4つの新分野を建設
業の視点から市場と技術の軸によって配置すると以下のようなイメージになる。
図表 3-1 建設業が進出する主要4分野の事業ポジショニングイメージ
新市場
リフォーム
環境
福祉
農業
既存技術
新技術
建設業
既存市場
42
第3章
建設業の新分野進出の現状と課題
(1)農業分野への進出
1)農業分野の概要
地方の建設業においては、経営者や従業員がもともと農家出身であるなど、農業
のノウハウを有する人材が比較的多い。また、ほ場整備など、本業で農業と関連す
る事業を行っている会社も多い。近年農業従事者の高齢化等により遊休農地が増え
ていることもあり、農業の担い手が求められている農村地域は多い。
このように農業分野は建設業の新分野進出先として、有望な分野の一つといえる。
特に、宮崎県は農業県であり農業生産や流通、加工、さらには支援体制などの基盤
が整備されていることから、建設業としても着目すべき分野と考えられる。
2)建設業の農業分野進出事例分析
建設業の農業進出は以下のようなパターンに区分して考えることができる。
図表 3-2
農業分野の進出パターン
事業パターン
農作業受託事業
事業の概要
対応事例
農地は農家が保有し、経営も農家が行う。 北海道:金山建設、芙蓉
その上で一部の農作業を農家から請け負 建設 3、日野組
うもの。事業リスクは低いが収益性は期
待しにくい。
農地リース方式によ 昨年度の構造改革特区制度により認めら 岩手県:遠野建設工業
る農業生産事業
れた形態で、市町村等が農家と建設会社 4、福島県:大建工業 8、
の間に立って農地のリースを行い、建設 新潟県:頸城建設 9、蓑
業者が自ら農業を行うもの。
和土建 10
農業生産法人設立に 建設会社の経営者等が建設業とは別の会 北海道:舟山組 1、田中
よる農業生産事業
社を農地法の農業生産法人要件を満たす 建材工業、岩手県:蒲野
形で設立して農業生産を行い、作業を建 建設 5、山形県:高橋重
設会社の従業員などが請け負うもの。
機サービス 6、愛媛県:
金亀建設 11
非農地農業生産事業
建設会社が農地を利用しないで農業生産 山形県:大東建設 7、新
を行うもの。畜産やキノコ栽培など施設 潟県:ミツワ興業
を利用した生産形態が多い。
※注1
43
企業名後の数字は事例集の番号に対応
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
(2)福祉分野への進出
1)福祉分野の概要
高齢化社会を反映して、介護サービス全般にわたる需要は、潜在的なものも含め
れば非常に高い。また、平成 12 年度からの介護保険制度導入に伴い、介護サービス
を担う主体の規制が解かれ、広く民間会社にも門戸が開かれた。このため、建設会
社も直接介護サービスの事業者となることができるようになり、今後も高齢化が進
むことを考えれば市場のさらなる拡大が予想され、建設業にとっても有望な分野と
いえる。
一方で既に参入事業者が多く競争的状況も生まれているとともに、平成 17 年度に
介護保険制度の大幅な改正が予定されていることから、これらの状況を慎重に見極
めることも重要である。
○介護保険制度の概要
高齢者福祉は、介護保険制度導入前においてはすべて行政の責任において行政処
分(措置)として行われていたが、介護保険制度が導入された現在においては、サ
ービス提供者の規制の緩和とともに、医療保険と同様に利用者がサービス(内容、
主体とも)を選択して求めることとなっている。福祉分野に参入する建設業にとっ
て介護保険制度は事業の成立基盤に係わる重要な制度である。以下に介護保険制度
で対象となるサービスメニューの一覧を示す。
図表 3-3
在宅サービス
施設 サ
ービ ス
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
(10)
(11)
(12)
(13)
(14)
(15)
(16)
(17)
(18)
介護保険制度の対象サービスメニューの一覧
名称
訪問介護
訪問入浴介護
訪問看護
訪問リハビリテーション
居宅療養管理指導
通所介護
通所リハビリテーション
福祉用具貸与
短期入所生活介護
短期入所療養介護
痴呆対応型共同生活介護
特定施設入所者生活介護
特定福祉用具購入
居宅介護住宅改修
居宅介護支援
介護老人福祉施設
介護老人保健施設
介護療養型医療施設
44
通称
ホームヘルプサービス
訪問入浴サービス
訪問看護サービス
訪問リハビリテーション
医師等による医学的管理・指導
デイサービス
デイケア
福祉用具レンタル
ショートステイ(老人福祉施設等)
ショートステイ(老人保健施設等)
痴呆性高齢者グループホーム
有料老人ホーム
福祉用具販売
住宅リフォーム
ケアプラン作成
特別養護老人ホーム
老人保健施設
療養型病床
第3章
建設業の新分野進出の現状と課題
2)建設業の福祉分野進出事例分析
建設業の福祉分野への進出は以下のように分類してとらえることができる。
図表 3-4
福祉分野進出事例の分析
分類
内容(注1)
非施設型介護サ
ービス事業
訪問介護のように、基本的には施設等のハード
は無く、人によるサービスを主体とした事業を
行うもの。(介護保険で在宅サービス分野にな
っていても、デイサービス等顧客を受け入れる
施設が必要な場合はここには区分していない)
(1)(2)(3)(4)(5)
デイサービスやショートステイなど施設での
サービスで、長期入所を想定した施設ではない
もの。(6)(7)(9)(10)
終身介護付き老人ホーム等、長期入所を想定し
た施設でのサービスを行うもの。
(11)(12)(16)(17)(18)
介護保険制度を活用し車いす、ベッド、歩行器
などをレンタルするもの。福祉用具レンタル卸
と連携することにより自社で在庫を持つ必要
はない。
(8)(13)
手すり設置や床の段差解消など介護保険制度
活用等による住宅リフォームを行うもの。
(14)
短期施設型介護
サービス事業
長期施設型介護
サービス事業
福祉用具レンタ
ル事業
介護住宅リフォ
ーム事業
事例(注2)
新潟県:金子建設
滋賀県:北川建設 21
山形県:黒田建設 18
新潟県:渡辺工務店
宮城県:斉藤工務店 17
福島県:共立土建 20
鳥取県:美保テクノス
22
山口県:大谷建設 23
※注1
括弧の数字は前述介護保険制度の対象サービスメニュー一覧表中の数字に対応
※注2
企業名後の数字は事例集の番号に対応
45
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
(3)環境分野への進出
1)環境分野の概要
温暖化や廃棄物処理などの地球的規模、地域的規模での環境問題がクローズアッ
プされており、官民挙げてさまざまな環境対策が行われている。環境分野は規制が
ビジネスチャンスになる側面があり、今後一層の環境対策が求められる中で、さま
ざまなビジネスチャンスが生まれることが予想される。
建設業は基本的に自らが多くの廃材を排出する産業であり、今日でも産廃処理な
どに取り組んでいる例は多い。また、環境対策は施設を伴うものも多く、建設業の
活躍の場は多い。このようなことから、環境分野は建設業の進出先として重要な分
野といえる。
宮崎県では、特に畜産が盛んであることから、畜産環境対策への進出も想定され
る。
2)建設業の環境分野進出事例分析
建設業の環境分野への進出は以下のように分類してとらえることができる。
図表 3-5
分類
産廃関連事業
家畜糞尿リサイ
クル事業
環境関連製品等
製造販売事業
環境分野進出事例の分析
内容
事例(注1)
産業廃棄物の収集運搬や処理を行うもの。排出
者責任が明確に求められることとなり、どの事
業者も適切な廃棄物処理が求められている。資
材の運搬等で機材やノウハウを有している建
設業にとって参入しやすい分野といえる。
家畜排せつ物法に対応して、一定規模以上の畜
産農家は糞尿の適正処理が求められている。こ
の家畜糞尿の処理施設の開発・整備を行うも
の。堆肥の製造販売等もこの区分とする。
ウッドブロックなど環境に優しい製品やリサ
イクル製品の開発・販売などを行うもの。建設
資材の場合も多く本業に寄与する可能性もあ
る。
北海道:花本建設
青森県:岡山建設 28、
宮城県:仙舗建設 31
北海道:溝口事業、橋
場建設 27、岩手県:阿
部総業 30、新潟県:五
十嵐建設 32、長野県:
小木曽建設 35
自然エネルギー
開発・整備事業
風力・水力・バイオマスなどの自然エネルギー
の開発・整備を行うもの。将来的には見込みの
ある事業だが、新エネルギー自体がいまだ模索
中の状態であるため、長期的な視点に立った計
画が必要である。
※注1
46
岩手県:工藤建設 29、
新潟県:相村建設 33
企業名後の数字は事例集の番号に対応
第3章
建設業の新分野進出の現状と課題
(4)リフォーム分野への進出
1)リフォーム分野の概要
リフォームだけでなくメンテナンスなども含む。建設業という枠で見ると新分野
とは言い難い面もあるが、建築系企業だと特に新たな投資や人材育成等を行わなく
ともすぐに始められる分野で、いわば新市場といえる。土木系企業の場合は技術的
にも差があり、新分野といえる。
既存の建築物の多くが改修期を迎えているとともに、個々人の多様な価値観が反
映され今後大きな需要が見込める。しかし建設業の範疇の中で数あるリフォーム会
社が業界にひしめくため、他社と差別化していく工夫が必要と考えられる。
2)建設業のリフォーム分野への進出事例分析
建設業のリフォーム分野への進出は以下のように分類してとらえることができる。
図表 3-6
リフォーム分野進出事例の分析
分類
内容
事例(注1)
住宅リフォーム
事業
個人住宅の内装を中心としてリフォームを行
うもの。他分野との接点として、高齢者に対応
したバリアフリー改修、シックハウス対応改
修、断熱改修、セキュリティ改修等がある。
オフィスビルからマンションへ改修(コンバー
ジョンビジネス)などビルの大幅なリフォーム
により再生させるもの。
コンクリート構造物の維持・修繕業務を行うも
の。この分野では、大手建設会社の独占市場で
あったが、中堅企業で新たな分野に参入してい
る。
北海道:加藤組土建
ビル改修事業
その他メンテナ
ンス
※注1
47
38、山形県:佐々木工
務店
東京都:野原産業
長野県:丸福久保田組
企業名後の数字は事例集の番号に対応
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
(5)その他の分野への進出
1)その他の進出分野の概要
上記整理してきた新分野は比較的多くの進出事例があり、整理することが可能で
あるが、これらの枠に当てはまらない進出先も、様々な事例が見られる。ここでは、
農業、福祉、環境、リフォームの4分野に当てはまらない事業をまとめてその他分
野と呼ぶこととする。これらは、建設業が汎用的に持つ経営資源の活用というより
も、経営者のビジネスアイデアや社内の特殊な人材などから出発しているものであ
り、この取組自体が幅広く建設業の新分野進出に展開可能というわけではなく、主
要分野以外の分野への展開の参考となる。
2)建設業のその他分野への進出事例の分析
建設業のその他分野への進出は以下のように分類してとらえることができる。
図表 3-7
分類
その他分野進出事例の分析
内容
事例(注1)
飲食業
労働集約的部分があるので、比較的始めやす 新潟県:遠藤建設 44
い。フランチャイズの傘下に入ると、研修制度 山口県:ナカタニ建設
等が整っていることもあり、他産業からも入り 45
やすい。建設業と比較すると労働単価が安く、
他社との競争力が削がれる面があることが問
題となる。
IT 産業
IT を活用した各種事業を行うもの。大学と共
同研究を行うなど、かなり高度な事例も見られ
るが、特有の技術・知識が必要であり、すべて
の建設業者に参考となる事例とはいえない。
福島県:会津土建 43、
高齢化が進む中、健康産業は今後も堅調と考え
られる。その流れにうまくのれば全く新しい販
路の開拓が期待できる。しかしながら、健康食
品には盛衰(流行)があるため、特定の分野(製
品)に限定してしまうとリスクが高くなる。
青森県:大見海事興
健康産業
※注1
48
新潟県:近藤電機
業、宮城県:斉藤工務
店
企業名後の数字は事例集の番号に対応
第3章
2
建設業の新分野進出の現状と課題
建設業の新分野進出支援方策の現状
建設業の経営環境は全国的に厳しく、各都道府県や業界団体において様々対策が練ら
れているところである。どこにおいてもほぼ共通する施策をまとめると、以下のとおり
となる。
(1)情報提供等の支援
①研修会…新分野進出に係る知識・資格取得のための研修会を開催する例が多い。建設
業者においても安価で適切な研修会に対する需要が多い。
②アドバイザー…中小企業診断士等専門家による相談窓口を開催している例が見られる。
③事例紹介…相談窓口において、あるいは冊子等にして広く参考となる先進事例の紹介
をしている例が見られる。
④施設紹介…専門的な技量を研修するためのセンター等の紹介を行っている施策。
⑤経営コンサルティング…②のアドバイスよりもより踏み込んだ形での相談事業。提携
企業のマッチングを図ったりするなど幅広い情報を得られる立場を利用した
相談事業を行っているところもある。
49
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
(2)資金的支援
①融資…厳しい経済情勢から銀行等の金融機関の融資が控えられている中、新分野に進
出する企業が資金を調達するのは大変困難なこととなっている。そのような状
況の中、新分野に挑戦する企業に政策的判断で優先的な融資を行うものである。
②利子補給…新分野に進出したとしても利益を得られるまでには時間がかかることが
多く、新分野進出資金の利子が大きな負担となることが多い。その利子を補給
することで、スムーズな運営を担保する施策である。
③補助金…より直接的な形で建設業者に資金的援助を行うものである。技術や意欲はあ
るが、資金が足りずに新分野に進出できずにいる企業を支援する施策である。
単なる赤字企業の救済とならないよう、技術や意欲を適切に評価することが必
要とされる。
図表 3-8
都道府県が建設業向けに設置している補助金の例
県名
事業名等
事業内容
宮崎県
中小企業新分野進出等支援
基金を増資し新分野に取り組む中小企業の
事業
活動を支援。
(8,000 万円)
ア経営革新支援事業(4,000 万)
※公共事業関連企業枠とし
経営革新に取り組む中小企業の事業
て 4,000 万円設定
の一部(1/2)を補助
イ技術研究開発支援事業(4,000 万)
技術革新に取り組む中小企業に対し
て、事業の一部(1/2)を補助
岩手県
平成 15 年度構造改革特区農
県補助金(1/3 補助)
業参入モデル事業
他に単独事業としても事業に支出してい
る。
15 年度は遠野市の2つの建設会社に助成。
16 年度も継続予定。
50
第3章
3
建設業の新分野進出の現状と課題
建設業の新分野進出の課題
国等でも新分野進出を進めているとともに、上記のような先行する事例があるものの、
現実にはなかなかうまくいっていない。そこで、今回実施したアンケート調査等から想
定される新分野進出の際の課題を整理すると以下のようになる。
○建設業者自身の意識改革
アンケート調査では、全般的に経営状況が厳しいにもかかわらず、今後建設業のみ
でやっていけると思っている企業が半数を占め、その理由として建設投資が以前のよ
うに戻ると思っている企業も少なからず存在する。行政等が行えるのはあくまでも側
面的な支援であり限界がある。新分野進出にあたってはまずもって上記に代表される
ような建設業者自身の意識改革を進めることが必要である。
○資金調達
アンケート調査では、新分野進出の際に先行投資から収入になるまでの期間が長い
ので、その間の資金調達に苦労している。建設業は基本的に請負産業であり、先行投
資や見込み生産という対応は不要で投資から資金回収までの期間が短い。この点が、
進出先のビジネスと大きく異なる点であり、新分野進出の課題といえる。
○人材不足(ノウハウ不足)
アンケート調査では、多くの新分野進出経験企業が問題点として人材確保を挙げて
おり、その困難さが伺える。リフォームや農業など会社あるいは個人としてノウハウ
を有している分野もあるが、ほとんどの分野について建設業者はノウハウを有してい
ない。どの分野であっても事業として成功するためには、専門知識を有していること
が必要であり、そのためには専門人材の確保が課題といえる。
○経営事項審査の点数の下落の可能性
建設業界特有の条件として、経営事項審査の点数がある。決算時期に借入金があっ
たり、土地の棚卸し資産があると点数が低くなる算出方法になっている。新分野進出
は多くの場合に投資から回収まで期間があるため、投資時期は企業の利益が減少した
り、借入金が残ることがある。この場合には経営事項審査の点数の下落につながる可
能性があり、それが建設会社のランクの引き下げにつながる可能性がある。
建設会社のランク付けが下がると、相応の規模の工事を受注できなくなり、建設業
としての完工高(売上高)の減少につながる。こうなると、本業を助けるはずの新分
野進出が、必要以上に本業の重荷になることになる。この点は、建設業界特有の課題
といえる。
51
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
○営業力
建設業界の営業、特に公共事業の営業はほとんど固定的な顧客に対するものである
とともに、競合会社も想定可能である。しかし、一般消費財のように不特定多数を相
手にする営業は比較にならないほど厳しいものがあり、建設会社としての営業力では
不十分な面がある。
○規制・手続き
農業などに進出する際には、農地法などの規制が厳しく、建設業を始めとする他業
種からの進出はハードルが高い。例えば農地の売買や貸借では農業委員会の許可が必
要になるが、各市町村の農業委員会の対応は必ずしも一定ではない。
現行の農地法では建設会社のような一般の株式会社の農業参入は認められていない
が、現在食料・農業・農村基本計画の改訂時期を迎えており、農地法改正の議論も行
われている。この点については現在農業特区で農地リース方式による株式会社の農業
参入が可能となっているが、近い将来この制度が全国展開されることが確実視されて
おり、活用が期待されるところである。
○賃金単価の違い
アンケート調査の回答に、
「飲食業に進出したが単価の安さに労務体制がついてゆか
ず採算が厳しい」とある。建設業界はこれまで比較的経営環境が恵まれており、人件
費単価も全国平均で見ると産業全体の平均よりも高くなっている。
一方、新分野となる各産業の多くは建設業よりも賃金水準が低く、建設業と同様の
賃金を支払っていては、新分野の事業の競争力が低下することになる。このため、賃
金単価を他産業並みに引き下げるか、より高い付加価値を実現できる事業を行うこと
が必要になるが、いずれも困難な点が多く、この賃金単価の違いも課題といえる。
52
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
第4章
宮崎県における建設業の新分野進出を
とりまく環境
建設業の新分野進出を円滑に進めるためには、地域の特性に適応したものとする
必要がある。
そこで本章では特に宮崎県に着目し、建設業の新分野進出をとりまく環境につい
て述べる。新分野進出に関連する宮崎県の特性として、人口、産業、建設業の環境
について述べる一方、社会全般の潮流から見た新分野の特性として、リフォーム需
要の拡大、環境問題の重視、規制緩和による市場の拡大について示す。
これらの環境から導き出される、宮崎県ならではの強みについて分析し、新分野
進出に当たり市場性が見込める分野について考察する。
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
1
新分野進出をとりまく環境
(1)新分野進出に関連する宮崎県の特性
県内の建設業者が新分野進出する際に認識すべき地域特性としては、以下のような
点が挙げられる。なお、理解しやすくするため分析データは第1章の分析の要点を再
掲している。
1)人口面の環境
前出の内容だが、理解をしやすくするため、宮崎県の環境について要点を記述す
る。図のように宮崎県の高齢人口は急速に拡大しており、今後も拡大が予想されてい
る。比率でも、平成 12 年は全国よりも高齢化率が 3.5 ポイントも高くなっている。
将来的には 総人
口が減少し、各種需
要の縮小など県内
図表 4-1
日本の将来推計高齢人口(再掲)
→推計値
高齢人口(千人)
の各方面にしわ寄
250
せが及ぶことが懸
200
高齢者比率(%)
284
300
30
24.8%
242
20.7%
25
22.5%
20
17.3%
念される。その一方
150
で、高齢者関連の需
100
10
要が今後も増大が
50
5
見込まれる。
0
0
昭和55年 昭和60年
高齢人口
2)産業面の環境
15
平成2年
平成7年
平成12年 平成17年 平成22年
高齢化率:宮崎
高齢化率:全国
資料:
「国勢調査」総務省
資料:「国勢調査」総務省
「日本の将来推計人口
「日本の将来推計人口 平成
平成14
14 年
年 11 月推計」国立社会保障・人口問題研究所
月推計」国立社会保障・人口問題研究所
産業構造を見ると、第一次産業、特に農林業が盛んであり関連基盤も揃っている
と考えられる。農業従業者の高齢化率は全国、九州と比較して低く若手の農業者が比
較的残っているといえるが、傾向的には高齢化が進みつつあり、将来的には耕作放棄
地がまとまって発生する恐れもある。このような状況に備えて新しい担い手が求めら
れている。第二次産業は相対的に見ると盛んとは言い難いが、業種別に見ると食料や
飲料など農業に関連した製造業は盛んである。第三次産業では九州各県に比べてサー
ビス産業の比率が高くなっている。
3)建設業の環境
宮崎県の建設業の特徴として、小規模企業が多いことがある。これは建設業とし
ての企業体力や競争力という面では強みとは言い難いが、新分野に進出する際は小回
り性が発揮でき、経営者の目が行き届きやすいことから、有利に働く可能性が大きい。
また、就業者の年齢構成が全国に比べて、高齢者層が少なく、30 歳前後、40 歳前
後の層が多くなっている。このように就業者の若さが新分野進出にあたっての対応の
柔軟性となる可能性がある。
54
第4章
宮崎県における建設業の新分野進出をとりまく環境
(2)社会全般の潮流から見た新分野の特性
新分野進出を取り巻く環境の一環として、社会全般のトレンドとの関係からの考慮す
べき特性と宮崎県における状況を以下に整理する。
1)一般的にリフォーム需要が拡大傾向
景気の低迷により、住宅やオフィスビルなどを建て替えるのではなくリフォーム
することより、低コストで建て替えに近い感覚を得ることができる。このため、都市
部を中心にリフォーム需要が拡大している。
宮崎県は都市部は少ないものの、農村部においても高齢者対応の住宅改修などが
必要とされ、以前よりもリフォーム需要が高まっているといえる。
2)環境問題がクローズアップ
地球環境から地域の身近な環境問題まで幅広く意識されるようになり、各種規制
等も行われている。このような環境問題に対応したビジネスが拡大しつつある。建設
業者が取り組みやすい環境ビジネスとして建設廃棄物を始めとする産業廃棄物の収
集・運搬事業や処理事業があげられる。
産業廃棄物の発生は当然地域産業の特性を反映したものであり、宮崎県では食品
系廃棄物や畜産廃棄物の処理が課題になると思われる。
3)規制緩和で市場拡大
ここ数年の間政府を挙げて規制緩和が進められており、社会的に大きなトレンド
となっている。建設業の新分野進出関連では、農業、特に農地法の規制緩和により、
株式会社も農業ができるようにとの議論がなされている。試みとして、平成 15 年度
より構造改革特区制度により農業生産法人でなく、株式会社が直接農業を行うことが
できるようになった。実際にいくつかの建設業は特区制度を活用して農業に進出して
いる。また、時期や詳細については今後の動向を注視する必要があるものの、近い将
来特区に限らず全国展開することが確実視されており、この方式は建設業の農業参入
手段としてますます重要になる。農業参入を考える建設業は本方式の積極的な活用が
求められるところである。
また、福祉事業についても、平成 12 年度からの介護保険制度により、株式会社等
の営利法人も事業に参画できるようになった。このため、介護保険制度の活用を前提
として福祉分野に参入する建設会社も見られる。
宮崎県においては、農地法の規制緩和や介護保険制度は大きなビジネスチャンス
要因であり、地域の問題解決のためにも活用していくことが求められる環境変化とい
える。
55
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
2
宮崎県の建設業の新分野進出にあたっての強み
(1)建設業の特性から見た強み
1)小回り性の高さ
宮崎県には小規模な建設業が多い。新たな分野への事業展開にあたっては規模の
小ささは小回りがきいて事業環境の変化に対応しやすく、強みと捉えることができる。
2)建設業就業者の若さ
55 歳未満の働き盛りの建設就業者が多く、55 歳以上の高齢層に比べて新分野業務
への対応力が高く、強みになると思われる。
3)農業経験者や農地保有者の多さ
宮崎県は農業県であり、建設業の経営者や就業者に農業経験者が多い。また、も
ともと農家であり、農地を保有している者も多い。このため農業への進出が行いやす
い。
(2)地域特性から見た強み(市場性が見込める分野)
1)農業が盛んであり、周辺の農地や農業の基盤・ノウハウが豊富=農業分野
農業県であることから、行政や農業団体による農業生産の指導体制が充実してい
ると共に、農協を中心とする出荷体制も確立しており、販売力の乏しい建設業者でも
経営としての農業に取り組みやすい環境にあると考えられるため、農業分野は有望で
あると思われる。
2)高齢化率が高く今後も高齢者が増大する=福祉分野
高齢化率が全国平均を大きく上回っており、人口に対する高齢者割合が高いこと
から、マーケットとしての福祉・介護事業が大きいと想定されるため、福祉分野は有
望であると思われる。
3)畜産業が盛んであり糞尿処理が課題となっている=環境分野
宮崎県は全国有数の畜産県である。家畜排せつ物法の罰則規定の適用が本年 11 月
となっていることから適正処理需要が増大するため、家畜糞尿処理などの環境分野が
有望であると思われる。
56
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
第5章
宮崎県の建設業振興方策の提言
これまでの分析を踏まえて、宮崎県の建設業振興方策について提言をする。
建設業振興の基本方針としては、
「建設業者自身のチャレンジ精神の発揮」と「行
政による一体的・積極的な応援」の2本柱で考える。また、建設業振興の方向性と
しては、本業充実と新分野進出のどちらもが重要なことを示し、それぞれの方向性
に合わせて具体策の提言を行う。
最後に、具体的方策を実現させるために、宮崎県をはじめとする各自治体が行う
べき行動計画について提言する。
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
1
建設業振興の基本方針
○建設業の現状と懸念
・マーケットの縮小がかつてない早さで進行中であり、建設業の急速な減少が必至。
・建設業の減少は大量の失業者を生む恐れがあり、地域活力の急速な低下が懸念され
る。
・技術力のある建設業者が残らないと県内の社会資本整備の質的低下が懸念される。
○新分野進出
・建設業者が自ら新分野に進出して生き残りを図る動きが全国で見られる。
・新分野進出はリスクもあるが、企業の生き残りには一定の役割を果たす。
・地域経済の面から見ると、「雇用の維持」「地域新産業の創出」という2つの面から
望ましい動きといえる。この2つの視点からの対応が望まれる。
◎地方中小・中堅建設業振興の基本方針
① 建設業者自身のチャレンジ精神の発揮
・建設業は請負事業という基本的性格とともに、これまで潤沢な公共投資がなされ
てきたため、自ら新たなことに挑戦する必要がなかった。
・しかしこれからの時代は、社会環境の変化を見据え、危機感を持った上で、自ら
が行動を起こさなければ生き残ることが難しい時代となってきた。このことを認
識し、建設業者が自ら困難に挑戦し、競争状態の中で生き残りを図り、さらなる
発展を目指すという気構えを持つことが必要である。
② 行政による一体的・積極的な応援
・建設業は宮崎県にとって重要な地域産業であり、現在の傾向が続けば、優良な建
設業者が消失すると共に、地域経済全体への打撃も大きい。
・行政としては対応に手をこまねいていては機を逸する恐れがあり、地域産業振興
の視点から各部局が一体となって、例えば農政部門による建設業の農業参入説明
会の開催などこれまでの対応にとらわれない積極的な応援を行うことが必要であ
る。
58
第5章
2
宮崎県の建設業振興方策の提言
建設業振興の方向性
建設投資額が減少する中で、建設業の淘汰は避けられないばかりか、建設産業内部で
の対応のみならず、農業や福祉など他産業を含めた対応を行っていくことが求められて
いる。建設産業内部の対応としては、建設投資は少なくはなっていっても、なくなるこ
とはないため、建設業自身がさまざまな経営基盤強化を行っていく必要がある。このう
ち行政としては、アウトプットである工事の品質を最も重視すべきである。このため、
建設業者の淘汰の過程で技術力のある優秀な業者を残していく必要がある。
また、建設産業以外を含めた対応としては、農村部にある数少ない民間企業という特
性も生かして、新分野への進出が必要になる。しかし他分野への進出は一般に事業ノウ
ハウが不足しているため、行政による応援が必要になる。
このようなことから、地方中小・中堅建設業振興の方向性として、以下の2つが必要
といえる。
(1)地方中小・中堅建設業振興の方向性
方向性1:経営基盤強化のための技術力強化と合併・協業化の推進
・建設工事はどの企業が行っても同じ品質であると思われる点もあるが、技術力等
の差により品質にばらつきがあるのが実態である。今後数年間のうちに相当数の
建設業者の淘汰が予想される。その際、宮崎県に安全で良質な社会資本が提供さ
れるために、技術力の高い建設業者が生き残ることが必要となる。
・また、大規模な工事への対応力を高め、県内工事の自県内受注シェアを拡大する
ためにも、現状の企業規模構成のまま業者数が減るのではなく、合併・協業化を
進め経営資源の充実を図る必要がある。
・そこで、県内外の競争に生き残れるように卓越した技術力の確立と合併・協業化
を推進することが不可欠といえる。
方向性2:新分野進出の促進・支援
・建設投資の総量が減少する中で、建設業が企業として存続し、雇用を守っていく
ためには、建設分野以外の新分野進出が有効であり、行政から見ると、地域の雇
用の維持と地域新産業の創出というメリットもある。
・農村部では、建設業は数少ない民間企業であり、各種サービスの担い手としても
期待されるところである。しかし、新分野の経験・ノウハウがないため行政から
一定の支援が必要になる。
・また、新分野に進出するためには、建設業の自主的なチャレンジ精神が不可欠で
ある。このため、チャレンジ精神を醸成、育成するための啓蒙、指導が必要であ
る。
59
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
(2)振興の方向性と企業の将来方向
技術力強化と新分野進出という振興の方向性に対応して、建設業自身としては、自
社の未来の方向性が決まってくる。
建設業者自身は、以下の4つの方向に分かれていくと考えられる。
①建設業のみで生き残り<本業>
・建設業のみで生き残っていく方向。単に現状の経営を継続するのではなく、特
殊な技術力を積極的に導入したり、民間受注の開拓や建設業内での対応業務・
対応市場の拡大、さらには合併・協業化などを進めていくもの。
②建設業と新分野との兼業での生き残り<兼業>
・建設業と新分野事業を合わせて行うことにより従業員の労働力調節などを行い
つつ生き残っていく方向。新分野で成功するためには単に参入するのではなく、
差別化の視点が重要であり、事前に参入する分野の事情を把握する必要がある。
③新分野への転業での生き残り<転業>
・建設業をやめて、新分野事業のみで生き残っていく方向。建設業から徐々に撤
退する形態と建設業を一気にやめる形態がある。②と同様に差別化の視点が重
要になる。
④廃業
・建設会社をやめる方向。借入金の増大などがないうちに早めに決断することも
重要である。家族的会社では多いと思われる。経営者は建設会社や他産業での
就業になる場合が多い。
図表 5-1
建設業振興の2つの方向性と4つの将来パターン
方向性2:新分野進出
方向性1:経営基盤強化
(技術力強化+合併・協業化)
①建設 業の み で
②新分野との兼
③新分野へ転業
の生き残り
業で生き残り
して生き残り
④ 廃 業
60
第5章
3
宮崎県の建設業振興方策の提言
建設業の振興方策
(1)経営基盤強化のための技術力強化と合併・協業化の推進に関する具体的方策
1)技術力強化に関する具体的方策
地域に技術力のある優良な建設業を残すために最も重要なことは、建設業者自身の
高い技術力を確立していることと丁寧な工事実施である。これを単に建設業者自身の
自主的な取組にまかせていては地域において確実に技術力のある企業が残ることに
ならない。
そこで、行政からの公共工事の発注を含めた「技術力確立のしくみ」が必要になる。
これを図示すると以下のようになる。
図表 5-2
競争に生き残れる技術力の確立に関する振興方策
<建設業者の取組>
<建設業者の取組>
<県の取組>
<県の取組>
・人材育成/新技術導入
・人材育成/新技術導入
・現場での品質向上努力
・現場での品質向上努力
・工事成績の発注業務への反映
・工事成績の発注業務への反映
建設業者の技術力
建設業者の技術力
建設業者の技術力
向上・施工品質向上
向上・施工品質向上
向上・施工品質向上
過去の工事成績の
過去の工事成績の
過去の工事成績の
発注業務への反映
発注業務への反映
発注業務への反映
工事成績評価の
工事成績評価の厳
工事成績評価の厳
厳格化と透明化
格化と透明化
格化と透明化
<県の取組>
<県の取組>
・評価者の人材育成/・評価規格化
・評価者の人材育成/・評価規格化
・国工事とのデータ交換/・評価結果の公表
61
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
①建設業者の技術力の向上・施工品質向上(人材育成・新技術導入)
建設業者自身が基盤となる技術力を向上させるように人材育成や新たな工法を早
期に導入すると共に、各現場において施工品質を向上させる必要がある。
具体的には、優秀な人材の確保、教育訓練施設での研修や資格取得を通じた個人レ
ベルでの技術力向上、新たな工法を導入するような社内研究活動の実践などが求めら
れる。
②工事成績評価の厳格化と透明化
国・県・市町村が発注する公共工事について、施工した建設業者を含めて関係者が
皆納得のいくような評価を行うと共に、それをオープンにしていくことが必要である。
そのために、行政機関では工事結果を厳格に評価できるような人材の育成としくみの
構築を行うと共に、国・県・市町村のいずれの工事においても誰が評価しても同じ評
価となるようなしくみづくりが求められる。
③過去の工事成績の発注業務への反映
工事品質を高めるためのより実効性あるしくみとして、工事成績を発注業務に反映
することが必要である。具体的には点数を県の入札参加資格審査に加える、一定点数
以下を連続して取ると翌年度の指名から外す、さらに工事成績が優良な業者は優先指
名するなどの方法が考えられる。これらは宮崎県では既に導入済みのものもあるが、
より効果的な仕組みへと常に見直しを図っていくことが必要である。
62
第5章
宮崎県の建設業振興方策の提言
2)合併・協業化の推進に関する具体的方策
①合併・協業化のメリットの明確化と周知
建設業団体などが中心となり、建設会社同士の合併や協業化について、そのメリッ
トについて事例などを用いて明確化するとともに、加盟企業に対してそのメリットを
広く周知していくことが望まれる。
②建設業者自身の意識改革
建設業に限らず中小企業はオーナー企業が多く、家業の延長として捉えている面も
ある。合併・協業化を進めるために、企業は社会の公器であることを再認識し、良好
な事業経営のために必要な合併・協業化に積極的に取り組むような意識改革が必要で
ある。
③合併・協業化へのきっかけとなる制度づくり
現在宮崎県で進めている経常JV制度2のような、合併・協業化につながるような
制度を効果的に適用していくことが必要である。さらに、宮崎県をはじめいくつかの
県で実施済であるが、合併により公共事業の受注機会の減少がないような特例措置を
講じていくことが必要である。
図表 5-3
建設会社の協業化のイメージ
工務店
工務店
工務店
工務店
工務店
工務店
工務店
工務店
工務店
工務店
工務店
工務店
工務店
工務店
工務店
工務店
工務店
工務店
工務店
工務店
共同設計センター 資材の共同調達 共同配送センター
共同設計センター 資材の共同調達 共同配送センター
(財)建設業
振興基金
県建設業協会
・情報提供
・研究会開催
・アドバイザー派遣
2
経常JVとは、経常建設共同企業体の略であり、中小建設業の振興を図るため、優良な
中小建設業者が継続的な協業関係を確保することにより、その経営力・施工力を強化する
ことを目的として結成された共同企業体のこと。一般の共同企業体(JV)と異なり継続
的な関係である点が特徴である。
63
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
(2)新分野進出促進の具体的方策
第3章においては、建設業の新分野進出事例を全国から収集し、現状を整理した。
これらの事例の事業から宮崎県で想定しやすい建設業の新分野進出事業を抽出し、後
段でその具体的な内容イメージを提示することとする。
まず、多くの事業から宮崎県の建設業の参考になる事業についての絞り込みを以下
のように実施した。絞り込みの視点は、一般的な建設業の参入しやすさ(投資の少な
さ、高度技術でないこと、近い将来の展開可能性、建設業との相乗効果の可能性)、宮
崎県の特色への対応などとした。
なお、宮崎県は全国的にも農業のみならず畜産や林業が盛んである。畜産について
は、農業の範疇として考えられるものの、林業については、安価な外材の輸入などを
原因とした木材価格の低迷によって経営環境が悪化しており、進出する分野としての
魅力に欠けている。実際に建設業の林業への進出は全国的に見ても多くない。このた
め、短期的には新分野としては考えにくく本報告書では新分野の候補から除外してい
る。しかし、宮崎県のような林業県では将来的には有望な事業分野となる可能性も秘
めており、事業環境を見守っていくことは必要と考えられる。
64
第5章
図表 5-4
分
建設業の新分野進出事例から抽出された事業分類の絞り込み
野
事業分類
農作業受託事業
農業分野
福祉分野
絞り
込み
○
農地リース方式による農
業生産事業
農業生産法人設立による
農業生産事業
非農地農業生産事業
○
○
非施設型介護サービス事
業
短期施設型介護サービス
事業
長期施設型介護サービス
事業
福祉用具レンタル事業
○
介護住宅リフォーム事業
○
産廃関連事業
環境分野
リフォーム
分野
家畜糞尿リサイクル事業
○
環境関連製品等製造販売
事業
自然エネルギー開発・整
備事業
住宅リフォーム事業
△
ビル改修事業
その他メンテナンス事業
飲食業
その他分野
宮崎県の建設業振興方策の提言
IT 産業
健康産業
65
理
由
多くの建設会社が少ないリスクで参入
可能
農業特区の全国展開も見込まれ今後増
加する方式
現時点で農業参入の最も一般的な方式
投資を伴うとともに技術的に高度なた
め一般には困難
建設業とヘルパー等の人材の適性の違
いから困難
施設を伴うサービスのうちでは比較的
容易に参入可能
投資額が大きく事業リスクが大きい
建設業としての相乗効果を発揮しにく
い
建設と分野が近く、比較的容易に参入
可能
既に兼業して実施している会社が多く
発展性に欠ける
宮崎の特徴であるとともに今後も需要
が期待できる
製品の幅が広く、モデルパターンを作
りにくい
技術的に高度かつ未成熟であり事業と
して成立しにくい
福祉分野の「介護住宅リフォーム事業」
に包含する
宮崎県では対象となるビルは少なく、
一般的ではない
対象がやや特殊でマーケットが限定さ
れる
固有の経営資源やアイデア対応であ
り、一般的ではない
同上
同上
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
1)農業分野の振興方策
①農作業受託事業
ⅰ)テーマ:JAを介した稲作機械作業受託事業
ⅱ)内容
引き受け手のなくなった農地(耕作放棄地)をJAがとりまとめて、農地の集
約化などを行い、地元建設会社に一括して作業を委託する。
ⅲ)メリット
◆建設業:閑散期(4∼7月)の業務による収入確保
◆JA:管内の農業生産量の維持による収益確保
◆委託農家:農地の維持、米販売収入の確保
◆自治体:生産環境の維持、経済の活性化
ⅳ)ポイント
JAが間に立つことで、契約行為を明確化し、代金回収を確実にするとともに、
作業計画・技術指導が可能になり建設会社もリスク軽減になる。
市町村が委託料金への補助を行うことで、貸し手側農家のインセンティブを与
える。
建設会社としては、農家の要望を十分汲み取り、農家が満足するような受託作
業を効率的に実施することが求められる。
ⅴ)関連事例(「事例集」掲載事例に対応)
番号
都道府県
社
名
概
要
3
北海道
芙蓉建設
農業コントラクター部門への進出
6
山形県
高橋重機サービス
農業生産法人による農作業・経営の受託業務
ⅵ)実現に向けて
自治体農政部局と地元JAが建設部局と連携し、農家と建設会社の仲介機能を
発揮することが求められる。
66
第5章
宮崎県の建設業振興方策の提言
ⅶ)事業イメージ
<引き受け手のない農地>
農家B
農地B
…
農地A
…
農家A
農家X
農地X
米出荷
委託料の
一部を補助
委託料を
除く米代金
農作業委託
市町村
市町村
作業実施
J A
J A
・販売手数料
・販売手数料
・資材販売手数料
・資材販売手数料
作業計画・
技術指導
農作業委託
建設会社
建設会社(入札で決定)
(入札で決定)
67
米販売
全農
米代金
委託料
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
②農地リース方式による農業生産事業
ⅰ)テーマ:構造改革特区制度を活用した農業生産事業
ⅱ)内容
耕作放棄地が発生している、あるいは高齢化等により将来的に担い手が見込め
ない農地を市町村または農地保有合理化法人(以下、市町村等)がまとめて借り
上げて農地を集約したうえで、営農に関する協定を締結した地元建設会社に貸し
付ける。借り受けた建設会社は本業の繁閑等を考慮して作目を選択し、農業生産
を行う。従来は農地法の制約により建設業等の一般の企業は直接農業生産を行う
ことができなかった。
ⅲ)メリット
◆建設業:閑散期(4∼7月)の業務による収入確保
◆JA:管内の農業生産量の維持による収益確保、周辺の営農環境の維持
◆委託農家:農地の維持・有効活用
◆自治体:生産環境の維持、地域経済の活性化
ⅳ)ポイント
市町村等が農地賃貸借の間に入ることにより、農地をいったん貸したら戻って
こない、という間違った意識と建設業という異業種に農地を任せるというある種
の後ろめたい意識を払拭することが可能となる。
市町村等が単に農地を転貸するだけではなく、周辺の農地所有者の意向を確認
しつつ、転貸する農地の集約化を図ることにより、借り手となる建設業者の生産
効率を向上させることができる。しかし、一般に貸借の対象となる農地は、営農
条件が厳しいために耕作放棄地が発生しているのであり、建設業として企業なら
ではの創意工夫を加えないと収益性の上がる経営は困難である。
特区制度による農業参入は近い将来全国展開されることが確実視されており、
企業としては現段階から本方式の活用を前提に工夫を凝らした農業展開を考えて
いくことが望まれる。
ⅴ)関連事例(「事例集」掲載事例に対応)
番号
都道府県
社
名
概
要
4
岩手県
遠野建設工業
農業特区を活用したホウレンソウ栽培
8
福島県
大建工業
農業特区を活用した加工用トマト栽培
9
新潟県
頸城建設
農業特区を活用した高付加価値の米作り
10
新潟県
蓑和土建
観光牧場を核とした複合的な農業経営
68
第5章
宮崎県の建設業振興方策の提言
ⅵ)実現に向けて
建設業支援策というよりも、自治体農政部局が地域農業振興方策の一手法とし
て積極的に位置づけて、支援・指導していく必要がある。
また、制度自体が平成 15 年度から始まったものであり、一般に認知度が低いた
め建設業関係者はもちろんのこと、農業関係者にも制度の周知を行う必要がある。
具体的な推進に向けては、市町村が参入対象となる農地を積極的に発掘し、地
権者の合意を得るとともに、地元建設業者向けに参入説明会などを開催し、制度
の趣旨・効果などを幅広くPRすることが有効である。
ⅶ)事業イメージ
農地A
農地貸付
農地B
農地C
農地D
賃貸料
市町村等(市町村・農地保有合理化法人)
農地貸付
協定
賃貸料
建設会社X
建設会社Y
建設会社が経営主体
となって農業を行う
建設会社が経営主体
となって農業を行う
農業生産法人を設立せ
ずに農業参入が可能
○建設会社の雇用の維持
○農地の維持
効
果
○生産資材の購入
○生産物の出荷・販売
○営農に伴う雇用の発生
69
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
③農業生産法人設立による農業生産事業
ⅰ)テーマ:建設会社とは別に設立する農業生産法人での農業生産事業
ⅱ)内容
建設会社の社長などが本業とは別に農業生産法人を設立し、農業に参入するも
の。建設会社の従業員が農業生産法人で働く場合は、農業生産法人が建設会社に
作業を委託する形態になる。
ⅲ)メリット
◆建設業:閑散期(4∼7月)の業務による収入確保、農業関連の補助金等を受
けられる、別会社化により本業との経理区分をつけやすい
◆JA:管内の農業生産量の維持による収益確保、周辺の営農環境の維持
◆自治体:生産環境の維持、地域経済の活性化
ⅳ)ポイント
農業生産法人は次の3要件を備えている場合の農地法上の呼び名であり、形態
は有限会社、株式会社などがある。3要件とは、①事業要件(主たる事業が農業)、
②構成員要件(農地や労働力の提供者が中心となる)、③役員要件(農業従事が 60
日以上の役員が過半数)である。
既に個人として農地を有している(農家である)場合は比較的容易に農業生産
法人を設立できるが、農地を有していない(農家でない)場合は市町村の農業委
員会の許可を得て 50 アール以上の農地を購入または賃借する必要がある。
ⅴ)関連事例(「事例集」掲載事例に対応)
番号
都道府県
社
名
概
要
1
北海道
舟山組
有機無農薬によるハーブ栽培と各種加工品販売
5
岩手県
蒲野建設
野菜栽培と堆肥の製造
11
愛媛県
金亀建設
無農薬、無化学肥料での農業生産
12
宮崎県
東九州電設工業
農業生産法人によるピーマン栽培
ⅵ)実現に向けて
既に農地を有している場合は、前項の農地リース方式ではなく、ここに示す農
業生産法人設立による農業生産事業の方が手続き的に容易である。
行政側からみると既存の制度で対応可能なことから、自治体の地域農業振興方
策の一手法として積極的に位置づけて、促進することが必要である。
70
第5章
宮崎県の建設業振興方策の提言
ⅶ)事業イメージ
経営者
経営者
役員(妻等)
農業生産法人
建設会社
(有限会社等)
作業受託
作業料金
パート雇用等
従来の所有
農地の利用
または
50 a 以 上 の
農地取得(購
入・賃借)
労働力
この場合は農業委
員会の許可が必要
パート代
代金
出荷
市場出荷等
71
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
2)福祉分野の振興方策
①短期施設型介護サービス事業
ⅰ)テーマ:デイサービスやショートステイなど居住ではない施設介護サービス事業
ⅱ)内容
介護保険制度で定められている 18 のサービスメニューのうち、通所介護(通称
デイサービス)や短期入所生活介護(ショートステイ)など居住を伴わない施設
サービスを提供するもの。介護保険による各種の介護サービスの提供主体は広く
民間会社にも門戸が開かれており、建設会社でも直接事業者となることができる。
ⅲ)メリット
◆建設業:遊休地や施設建設ノウハウの活用が可能
(事例では人的な相乗効果はほとんどみられない)
サービス提供で培ったノウハウが、介護リフォームなど福祉関連他事業を行う場
合に活用できる。
◆利用者:満足のいくサービスならばサービス提供主体は問わない
◆自治体:サービス提供主体の元の性格が何であれ、良好な介護サービスの提供
が必要される
ⅳ)ポイント
少子高齢化社会が進む中で家庭での介護は限界があり、介護保険事業の需要は
今後増大が見込まれる。
しかし、既にサービス提供主体間の競争となっており、他施設を上回るサービ
スを提供することが事業成功の決め手になる。
建設業からみると本事業は全くの異分野であり、事業内容について十分な勉強
が必要となる。
利用者を確保するために、サービスの向上とともに、PR、営業活動が重要に
なる。
ⅴ)関連事例(「事例集」掲載事例に対応)
番号
都道府県
社
名
概
要
18
山形県
黒田建設
デイサービスに特化した介護福祉事業への進出
24
宮崎県
馬原造園建設
造園会社が園芸療法を活かしてデイサービス施設に参入
25
宮崎県
第一建設
県内土木業界初のデイサービスセンターを開設・運営
72
第5章
宮崎県の建設業振興方策の提言
ⅵ)実現に向けて
介護保険制度の導入により、一定程度の利益が期待できる分野といえる。しか
し、農業分野と異なり、一般に担い手(介護サービス提供者)が圧倒的に不足し
ている状況ではなく、参入により地域に大きなメリットが生まれるという状況で
はない。
そこで、参入にあたっての公的な支援は農業分野に比べると得にくく、建設業
者自身が十分に制度や先進事例を研究し、採算性の取れる事業として確立する必
要がある。
ⅶ)事業イメージ
建設会社
建築ノウハウ
遊休地
ケアマネージャー
ケアプラン
デイサービス施設
利用
サービス提供
新規雇用
利用者
費用
・生活相談
・介護職員
給付
73
介護保険
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
②介護住宅リフォーム事業
ⅰ)テーマ:介護保険制度に基づく住宅リフォームを中心とした提案型リフォーム事
業
ⅱ)内容
介護保険対象者の住宅について、風呂や階段の手すり設置などのリフォーム事
業は介護保険の対象となる。利用者の負担は1割であり、軽微な負担ですむため、
利用しやすいものとなっている。
この介護住宅リフォーム事業をきっかけに、介護関連以外の住宅リフォームを
提案し、業務の確保を図る。
ⅲ)メリット
◆建設業:住宅という民間需要開拓による公共事業依存体質からの脱却
◆利用者:要介護者の自立促進、家族の介護負担の減少、居住環境の向上
◆自治体:軽微なリフォームにより他にかかる介護サービスを抑制できる
ⅳ)ポイント
介護住宅リフォームについては、潜在的な対象者をいかにして発掘するかが重
要となる。
一般の営業活動とともに、ケアプランを作成するケアマネージャーなどへの間
接的な営業などを合わせて行うことが有効となる。
介護住宅リフォームのみでは、建設業としての受注高は小さいため、介護関係
を契機として、一般のリフォームに展開する提案力・営業力が重要になる。
ⅴ)関連事例(「事例集」掲載事例に対応)
番号
都道府県
社
名
概
要
21
滋賀県
北川建設
在宅介護サービス、介護住宅改修等介護ビジネスへの参入
23
山口県
大谷建設
介護用住宅改修など介護事業への参入
ⅵ)実現に向けて
農業分野と異なり行政の支援事業ではないため、積極的な営業展開を行うこと
が実現への道筋といえる。
74
第5章
宮崎県の建設業振興方策の提言
ⅶ)事業イメージ
提案営業
ケア・マネージャー
介護関連を中心に最新
ケアプラン
のリフォーム情報と技
提案営業
術等を導入
介護保険対象者の
建設会社
介護リフォーム実施
関連リフォームの提案
いる住宅
適切な専門工事業など
リフォーム実施住宅
ネットワークを形成
提案営業
75
の近隣の住宅
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
3)環境分野の振興方策
①家畜糞尿リサイクル事業
ⅰ)テーマ:家畜糞尿からの堆肥の生産販売
ⅱ)内容
畜産地帯で発生する家畜糞尿の処理を受託しつつ、良質な堆肥に変換し、周辺
の畑作農家に販売するもの。畜産農家や耕種農家の要望がさまざまであるため、
コンサルティング機能を持つとともに、建設会社の特性を活かして施設建設の請
負も合わせて行う。
ⅲ)メリット
◆建設業:地域に密着した課題解決型事業創出、建設業の資機材を活用
◆畜産農家:家畜排せつ物法の施行により糞尿の適正処理が義務づけられており、
大きな投資なしで処理が可能
◆耕種農家:有機農産物のニーズが高まっており、海外産と差別化した農産物生
産が可能
◆自治体:悪臭や地下水汚染などの畜産環境問題への対応、農業生産環境の維持・
高度化
ⅳ)ポイント
家畜糞尿の輸送コストを削減するため、糞尿を受け入れる畜産農家が一定地域
に集積していることが必要。また、受入価格を高くしないと採算性が悪くなる。
同時に、堆肥の販売先となる耕種農家の存在も必要。
多くの畜産・耕種農家を建設会社が束ねるのは困難であり、間に農協が入るこ
とが望ましい。
ⅴ)関連事例(「事例集」掲載事例に対応)
番号
都道府県
社
名
概
要
28
青森県
岡山建設
有機廃棄物等を利用したリサイクル事業
31
宮城県
仙舗建設
家畜排泄物の低コスト処理施設の開発・施工
ⅵ)実現に向けて
事業の構想段階から地域の農協とともに話し合いを行っていくことが必要であ
る。施設の導入にあたっては、畜産関係の補助金の活用が必要であり、行政機関
76
第5章
宮崎県の建設業振興方策の提言
との相談も必要となる。
ⅶ)事業イメージ
補助金
建設会社
畜産農家
A
建設・運営
⋮
畜産農家
B
家畜ふん尿
X
A
耕種農家
B
堆肥
家 畜 ふ ん 尿
建設工事用
堆 肥 化 施 設
畜産農家
耕種農家
収入
処理費用・
堆肥代金
家庭園芸用
とりまとめ
とりまとめ
JA
購入代金
処理費用
粗飼料生産ほ場への還元
77
牧草地用
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
4
具体的行動計画(アクションプラン)
建設業振興の2つの方向性(競争力ある技術力の確立と新分野進出)と具体的方策を
ベースに宮崎県で実施することが望まれる具体的行動計画を以下のように提言する。全
体の中心となるのは建設業自身による「将来方向の早期決断」であり、適切な経営計画
を策定することが基本になる。
図表 5-5
宮崎県の建設業振興方策の行動計画(アクションプラン)の概要図
宮崎県の建設業者
応援
①公共工事の将来見通しの明確化
①公共工事の将来見通しの明確化
〔県土木部を中心に実施〕
〔県土木部を中心に実施〕
・工事事務所別将来工事量の提示
・工事事務所別将来工事量の提示
・公共工事全般に対する透明性向上
・公共工事全般に対する透明性向上
将来方向の
早期決断
Ⅰ 本業継続志向の業者
Ⅲ 廃業する業者
挑戦
Ⅱ 新分野進出を行う業者
建設と新分野の
兼業指向の企業
も相当程度存在
挑戦
③新分野進出支援機能の充実
③新分野進出支援機能の充実
応援
②技術力を重視した発注体制の強化
②技術力を重視した発注体制の強化
〔県土木部を中心に実施〕
〔県土木部を中心に実施〕
・工事成績評価の客観性向上
・工事成績評価の客観性向上
・工事成績データベース整備と公表
・工事成績データベース整備と公表
・発注業務への反映
・発注業務への反映
〔県庁全体で実施〕
〔県庁全体で実施〕
・支援連絡会議の設置
・支援連絡会議の設置
・事例紹介・マニュアル作成等推進
・事例紹介・マニュアル作成等推進
④情報提供・相談機能の強化
④情報提供・相談機能の強化
〔県協会と産業支援財団を中心に実施〕
〔県協会と産業支援財団を中心に実施〕
・新分野進出アドバイザーの充実
・新分野進出アドバイザーの充実
⑦現場発想による地域提案型の
⑦現場発想による地域提案型の
新分野進出促進
新分野進出促進
⑤技術的支援機能の強化
⑤技術的支援機能の強化
⑧コミュニティにおける地域密着型
⑧コミュニティにおける地域密着型
ビジネスの創造
ビジネスの創造
⑥資金的支援機能の強化
⑥資金的支援機能の強化
〔建設業者を含む産学官で対応〕
〔建設業者を含む産学官で対応〕
・産学官連携、企業間連携の支援強化
・産学官連携、企業間連携の支援強化
・新技術開発への支援
・新技術開発への支援
〔各部出先と地元産業界等が実施〕
〔各部出先と地元産業界等が実施〕
・地域産業協議会の設置
・地域産業協議会の設置
・地域特性に応じた新分野事業構築
・地域特性に応じた新分野事業構築
〔県庁内部と外部資金導入促進で対応〕
〔県庁内部と外部資金導入促進で対応〕
・庁内新分野進出支援事業の有効活用
・庁内新分野進出支援事業の有効活用
・国等の補助金・融資・利子補給活用
・国等の補助金・融資・利子補給活用
・新分野進出時の経審点数の配慮
・新分野進出時の経審点数の配慮
〔建設業者と地元産業界・地域住民等が
〔建設業者と地元産業界・地域住民等が
実施〕
実施〕
・コミュニティビジネスの場づくり
・コミュニティビジネスの場づくり
・有限責任事業組合等のモデル研究
・有限責任事業組合等のモデル研究
技術力ある建設業者の維持
建設工事の県内
業者シェア拡大
社会資本整備力
の維持・向上
応援
新分野進出の実現・成功
地域の新産業
の創出
78
地域の雇用の
維持・拡大
挑戦
第5章
宮崎県の建設業振興方策の提言
<8つのアクションプラン>
①公共工事の将来見通しの明確化
〔県土木部を中心に実施〕
アンケート結果を見ると、公共事業の量が数年のうちに回復すると思っている企
業や今後の方針を決め切れていない企業が少なからず存在する。これらの企業に対
してこれまで通りに公共事業に頼っていけないことを明確に示し、自社の将来方向
を早めに決断するための判断材料を提供することが望まれる。
宮城県では、土木事務所別に将来 11 年間の工事量を公表している。
・工事事務所単位に将来5∼10 年程度で実施していく公共工事の内容を提示する
ことにより、建設会社の将来方向決定のための判断材料となる。既に宮城県で
実施しているものであり、各県に合った形での導入を検討することが望まれる。
・上記のように工事内容を明示することにより、公共工事予算の箇所付けなどに
ついて政治的な圧力などにより左右されることがなく、計画的に社会資本整備
を進めることができる。
・さらに、建設業者においても企業経営において非常に重要な経営計画の策定も
進めやすくなる。
図表 5-6
宮城県「土木行政推進計画」について
宮城県では「土木行政推進計画」を策定(平成 13 年 3 月策定、平成 15 年 12 月改訂)
している。この計画は以下の4点を基本方針としている。
・21 世紀初頭を目途とした、中長期の社会資本整備のあり方や公共投資の方向性を規定
・将来ビジョンの実現に向けて、優先的に実施すべき分野を明確にした、今後 10 年
間の公共投資プログラム
・計画目標年次における整備目標を明示
・効率的な予算執行に向けてのシステム及び組織体制の構築
このなかで、平成 12 年から平成 22 年までの土木部が所管する全ての公共事業を対象
に、事業箇所と事業計画(事業期間・投資額)を公表し、それに従って事業を実施して
いる。これにより、建設会社は今後 11 年間に地元で発生する県の公共工事量を見通すこ
とが可能となる。これは自社の将来方向決定のための重要な判断材料となり、本業継続、
新分野進出(兼業・転業)
、廃業などの経営計画の策定が促進される。
参考:
「みやぎから始まる公共事業改革」
http://www.pref.miyagi.jp/dobokusom/keikaku/
79
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
②技術力を重視した発注体制の強化
〔県土木部を中心に実施〕
建設工事は施工業者により品質が異なるのが実態であり、低品質の工事は社会資
本や人命に甚大な被害を与えることになる。建設業者の大幅な減少が見込まれる中
で、技術力のある業者を残していくためには、各業者の技術力重視の発注を行って
いくことが必要である。
・その前提として、工事成績を客観的で正当に評価することが必要であり、その
ための人材育成や評価基準の規格化・標準化などの作業が必要になる。
・国で整備しつつある「工事成績データベース」を同じ基準で県のレベルでも整
備し、相互に交換し、公表することによりデータベースの有効性を高めていく。
・これらの工事成績を入札参加資格審査の主観点への加点などを通じて公共工事
の発注の際の要件として反映させることが必要である。
図表 5-7
工事成績に応じた発注について
国の直轄工事では工事成績は公表されており、そのデータベース化も進められてい
る。これは、工事完了後の品質検査により工事内容の評価を行うもので、担当した建
設会社の技術力や品質が評価される。これは、建設業者の格付けには若干反映してい
るものの、工事発注には考慮されていない。都道府県では対応が分かれている。宮崎
県では平成 16 年4月より工事成績を閲覧可能としているが、格付けに配慮している
ものの、業者指名などの発注には反映していない。一方、横須賀市では自治体の中で
は早い取組として工事成績を入札参加条件に反映している。
横須賀市のように工事成績が受注に直接反映することになると、技術力の低い業者
の排除につながるとともに、企業としても技術力向上、工事品質向上に一層の努力を
行うようになると思われる。
80
第5章
宮崎県の建設業振興方策の提言
③新分野進出支援機能の充実
〔県庁全体で実施〕
国では「建設業の新分野進出のための関係省庁連絡会議」が設置され、分野横断
的に支援体制を検討している。北海道など先進的な取組を始めている都道府県でも
分野横断的な支援体制を構築している。
建設業の新分野進出にあたっては、農林、福祉、環境など県庁内他部署の協力が
不可欠である。宮崎県では、全庁的な支援体制が整備されたところであり、今後内
容の充実が求められるところである。そこで、新分野進出を中心とする建設業の振
興を地域産業の問題として捉え、支援機能の強化を図る必要がある。
・具体的取組として、県庁内の各部局からなる「宮崎県建設産業活性化支援連絡
会議」の場を活用し、新分野進出に関係する全ての部局が積極的に進出を受け
入れる意識づくり、事業づくり、仕組みづくりを進める必要がある。
・また、上記会議の場などを通じて、全県で利用できる県の特性を反映した新分
野進出事例の紹介資料や各企業が進出する際のマニュアル作成などを行うこと
が有効である。
・構造改革特区のような制度改革についても、現場の声を汲み取りつつ実現に向
けた対応を進めるとともに、各種の手続きの簡素化・支援等も進めていく。
図表 5-8
宮崎県建設産業活性化支援連絡会議の構成メンバー
会
長 土木部長
委
員 総合政策本部
次長
総務部
次長(財務担当)
地域生活部
次長(地域政策担当)
福祉保健部
次長(福祉担当)
環境森林部
次長(総括)
商工観光労働部
次長(商工担当)
農政水産部
次長(総括)
土木部
次長(総括)
81
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
④情報提供・相談機能の強化
〔県協会と産業支援財団を中心に実施〕
県内で既に新分野進出を行っている建設業者から、新分野進出にあたっては、人
材やノウハウが不足しており、新分野進出アドバイザーなどの派遣が有効との回答
があった。情報提供や相談機能はどの県でも一定の機能は有しているが、商工サイ
ドのみの機能であり、建設業者が気軽に情報収集や相談を行いづらい点がある。そ
こで、建設サイドと商工サイドが協力し建設業の新分野進出に絞った情報提供・相
談機能を強化することが必要である。
・県建設業協会には(財)建設業振興基金と連携して建設業者の相談にのるため
の新分野進出アドバイザーが任命されている。これを宮崎県の産業支援財団の
相談機能と連動させて専門の相談機能の強化を行う。今年度の取り組みを踏ま
えて、来年度はさらに相談回数の増加、相談内容の深化、資金的支援等への実
現性の向上などを進める。
82
第5章
宮崎県の建設業振興方策の提言
⑤技術的支援機能の強化
〔建設業者を含む産学官で対応〕
優れた製品・サービスを生み出し企業として成長を図るためには、技術力を強化
することが重要である。しかし、ほとんどの建設業者は建設分野以外の技術力には
乏しく、自社での努力のみでは限界がある。本調査における先進事例調査では、技
術力を武器に積極的に新分野に挑戦している建設業者は、大学教授との共同研究を
成長のバネとしている例があった。
(次ページ参照)他の新分野進出事例でも都道府
県の公設試のアドバイスなどを活用している例は多い。また、中小企業庁において
も今後企業間の「新連携」3を支援し、新たな産業の創出を図ろうとしている。この
ように、建設業者が円滑に新分野進出を行うためには産学官や企業間の連携を進め
て技術力の強化を図る必要がある。
しかしながら建設業者の多くはこれまで学(大学等)や官(公設試等)、さらに、
異業種の民間企業とのネットワークが十分ではなく、産学官連携等を行おうとして
もはじめの一歩を踏み出すことができず、結果として産学官・企業間の連携、ひい
ては新分野進出が進まないケースが相当あると思われる。このため、上記のような
連携を促進するために、公的な産業支援機関によるコーディネート活動などの連携
支援機能を強化する必要がある。
・建設業者と大学や国公立試験研究機関との産学官による共同研究や建設業者と
異業種の企業による新製品開発などの技術的な連携を進めるために、(財)宮
崎県産業支援財団のような産業支援機関のコーディネーターなどが実施する
マッチングなどの支援機能を従来以上に強化する必要がある。
・産学官連携や企業間連携などの組み合わせが整っても、実際に成果の上がる新
技術を生み出すためには技術開発支援が必要となる。そこで、公設試を中心に、
試験施設や分析機器の貸与、技術人材(アドバイザー)の派遣など技術開発に
ついての支援機能を強化する必要がある。
3
新連携は、平成 17 年度の中小企業庁の法案化作業が進められている「中小企業新事業活動
促進法(仮称)」において、創業・経営革新と並ぶ柱の一つとなっている。意味としては、
「複数の事業者が異なる事業分野で蓄積したノウハウ・技術などの経営資源を持ち合い、
それらが融合することで初めて可能となる事業活動を行うことで、新たな需要の開拓を行
う企業グループ」とされている。
83
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
図表 5-9
県内建設業者を含めた産学官/企業間連携支援強化のイメージ
国公立試験研究機関
宮崎県工業技術センター
宮崎県総合農業試験場
等
大 学
高 専
専門家
宮崎県内外
の企業
産学官連携 ・企業間連携
支 援 強 化
(財)宮崎県産業支援財団
コーディネーター
宮崎県内の
建設業者
図表 5-10
大学との連携による新分野進出の事例
建設業者が大学との共同研究により新分野進出を図っている例として、本調査にお
いて以下の2事例を調査した。いずれも、大学との連携が進出の鍵となっている。
岩手県の工藤建設(株)は工学院大学教授との共同研究により、クロスフロー型風
車による小規模風力発電システムを開発し、既に県内に納入実績を持っている。これ
を機に新エネルギー分野への進出を図っている。(事例集 29 番 参照)
また、宮城県の仙舗建設(株)は東北大学教授との共同研究により、乳牛の尿を発
酵処理と蒸発を組み合わせることにより消滅させる低コスト処理施設を開発し県内
外に納入している。(事例集 31 番 参照)
84
第5章
宮崎県の建設業振興方策の提言
⑥資金的支援機能の強化
〔県庁内部と外部資金導入促進で対応〕
宮崎県におけるアンケート調査及び先進事例ヒアリング調査などから、新分野進
出の際には資金確保が問題であり、資金的支援を求める声が強い。一例として農業
分野に進出しても、農業生産法人を設立し、認定農業者とならなければ農業者向け
の低利融資を受けることができない。このような中で新分野進出を行う建設業に対
する支援を、県庁内部あるいは国等の資金導入などにより強化することが求められ
ている。
・宮崎県においては既に平成 16 年度に中小企業新分野進出等支援事業が創設され
ており、そのうち公共事業関連企業枠は4千万円確保されている。この枠を有
効活用することがまずもって必要である。
・国では中小企業庁施策を始めとする資金的支援制度がある。国土交通省でも
(財)建設業振興基金を通じて新分野進出のモデル的な取組に対して、市場調査
等の支援を行っている。これらの国の資金的支援制度の有効活用が必要である。
・建設業本体で銀行などから新分野進出のための資金を借り入れると経営事項審
査の点数が下がる可能性があり、本業の受注に影響する恐れがある。この点も
新分野進出をためらう原因の一つとなっており、新分野進出の際の借入金によ
り低下した客観点数を、入札参加資格審査における主観点数の加点により補う
などの検討が必要である。
図表 5-11
基金増資
8千万円
(H16)
県
宮崎県における中小企業新分野進出等支援事業のスキーム
(財)宮崎県産業支援財団
経営基盤強化基金
※H14 3.3億円造成
基金取崩しに
よる支援事業
(H16∼H18)
* 増資分は新分野進出
等に特化
(H15年度末残高見込み 150百万円) * 公共事業関連企業枠
として4千万円設定
85
中小
企業
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
⑦現場発想による地域提案型の新分野進出促進
〔各部出先と地元産業界等が実施〕
新分野進出は地域の問題解決をビジネスとしていく面がある。同じ宮崎県内でも
地域性が異なれば、問題も異なる。また、地域の問題は地域でこそ解決策が見つか
るものである。そこで、土木事務所や農業改良普及センターなど関係各部局の設置
地域(広域市町村圏など)を想定し、建設業のためではなく、地域の雇用を再生す
るという目的で集まって解決策を検討する場を設置する。
・県庁各部の出先機関(少なくとも土木・農業・福祉・環境)、構成市町村、地元
産業団体(商工会/商工会議所・建設業団体の支部、農協など)、地元市民など
で構成する現場発想による進出促進を行う。この場で長期的な視点をもとに互
いにメリットがある連携を進める。特に地域特性のある農業などについて地域
に応じた事業展開を関係各主体が協力して構築していく。
・このような考え方による新分野進出を県内全体で進めるために、特定地域を設
定し、成功事例を創出する取り組みを早期に実施していく。関連事例として、
青森県弘前地区では、県土整備事務所長も応援する「建設産業と農業を考える
会」が結成され、調査研究・研修活動等が展開されている。
図表 5-12
広域圏における各主体が連携した新分野進出の取り組み事例
青森県でも公共事業の削減に対して建設業の新分野進出の取り組みがある。その中
でも弘前市を中心とする広域圏では若手経営者による建設会社 12 社が「建設産業と
農業を考える会」を結成し、共同で農業分野への進出についての検討を行っている。
具体的には、農業法人への視察会や新分野進出を果たした企業の経営者を招いた講
演会、異業種の実践者との交流などを行っている。
このような取り組みに対し、所管の県土整備事務所、農林水産事務所が支援すると
ともに、建設業協会の地域支部においても一部事務局業務を行うなど地域を挙げて新
分野への進出を図っている。
86
第5章
図表 5-13
現場発想による進出促進のための体制イメージ図
県庁各局と連携
助言・支援
宮崎県の建設業振興方策の提言
宮崎県建設産業活性化支援連絡会議
有効な支援策の提案
○○地区地域産業協議会
○○地区地域産業協議会
県庁出先機関
管内市町村
土木事務所
○○市
農業改良普及センター
○○町
福祉事務所
(産業支援財団)
○○村
等
管内業界団体
○○地区建設業協会
JA
商工会/商工会議所
等
調査研究
圏域内産業分析
建設等事業者意向把握
新分野進出事例分析
地元市民等
市民団体
NPO法人
福祉団体
連携・事業化
異業種・産学官連携
業界内協業化
事業計画策定支援
建設業の円滑な新分野進出
地域経済の維持・改革・発展
87
等
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査
⑧コミュニティにおける地域密着型ビジネスの創造(建設作業お助け隊)
〔建設業者と地元産業界・地域住民等が実施〕
宮崎県は小規模建設業者が多いことが特徴であり、これを強みに捉えて、小回り
性や経営者の目が行き届くことを生かした事業展開を進めることが必要である。ま
た、最近はコミュニティビジネス4として、地域密着型の小規模事業が注目されてい
る。
そこで、建設業者が地元の商店などの自営業者や地域住民などとともに、小さな
困り事に対応できるようなビジネスを作っていくことが有効である。行政や業界団
体はNPO法人や有限責任事業組合(LLP)5などの組織形態の有効活用方策を検
討し、提示していくことが望まれる。
・自治会や区などの地域の自治組織との連携により、簡易な住宅の修繕や舗装修
理、田直しなどの小規模であるが、建設業者の能力が求められるコミュニティ
を対象としたビジネス創出の場づくりを行う。
・地方建設業による有限責任事業組合制度などの活用可能性についてのモデル研
究を推進し、関係主体の連携方策、行政の支援のあり方などを検討する。
図表 5-14 「コミュニティビジネス事業化支援事業」の分野と具体例
●「コミュニティビジネス事業化支援事業」分類表
分 野
申請件数
福祉
18件
まちづくり・まちおこし
16件
具体的事業名称例
・有明町シルバー農場設置事業
・宮崎コミュニティケア支援センター「かあさんの家」
・「豊後くにさき お宝めし」に根ざした生き生き地域づくり事業
・いずみ観光牛車会の御所車による遊覧
農業・環境
6件
・伊万里菜の花エコプロジェクト
女性・子育て支援
5件
・子育ち・子育て支援コミュニティビジネスさが
啓蒙・啓発活動、研修活動
5件
・消費者が求める「食の安全・安心」を目指して取り組む地域
住民への支援事業
その他
3件
・協働型インキュベーションセンター設立事業
(財)九州地域産業活性化センターによる支援事業の平成15年、16年の公募申請案件を分類したものである。
各分野を複合的に行っているものについてはそれぞれカウントしているため、件数の合計数は申請件数とは一致しない。
4
コミュニティビジネスとは、地域資源を活かしながら地域課題の解決を「ビジネス」の手
法で取り組むものであり、地域の人材やノウハウ、施設、資金を活用することにより、地
域における新たな創業や雇用の創出、働きがい、生きがいを生み出し、地域コミュニティ
の活性化に寄与するものと期待されている。
5
有限責任事業組合とは、民法組合の持つ経営の自由度や税制を認めながら、株式会社のよ
うに出資に応じた有限責任とするという、良いところのみを取った制度。企業同士の共同
事業や産学官連携事業などへの適用が想定されている。現在は政府内で導入に向けた検討
が進められている。
88
参考資料
○九州地域における問い合わせ窓口一覧
○委員会概要
九州地域における問い合わせ窓口一覧
建設業の経営基盤強化や新分野進出についての問い合わせ窓口を以下に示す。問い合わせ内容や進出
を考える事業分野などにより実際の問い合わせ先などは異なる場合があるが、窓口としては、以下の部
署において対応を行っている。
県名
部署名
連絡先
福岡県
建築都市部 建築指導課
092-643-3719
佐賀県
県土づくり本部 建設・技術課
0952-25-7153
長崎県
土木部 監理課
095-822-2859
熊本県
土木部 監理課
096-383-1111
大分県
土木建築部 土木建築企画課
097-534-0926
宮崎県
土木部 管理課
0985-26-7176
鹿児島県
土木部 監理用地課
099-286-3490
参- 1
委員会概要
1
地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査委員名簿
氏 名
佐々木
◎
会社・団体
隆行
財団法人
役 職
宮崎県産業支援財団
永野建設株式会社
代表取締役
(社団法人
副会長)
永野
征四郎
根岸
裕孝
宮崎大学
森山
順一
宮崎県
清水
正行
財団法人 九州地域産業活性化センター
宮崎県建設業協会
教育文化学部
土木部
助教授
管理課
課長
◎印は委員長を示す。
2
コーディネーター
常務理事
(五十音順、敬称略)
委員会審議経過等
第 1 回委員会
平成 16 年 6 月 3 日(木) [宮崎市:ホテルプラザ宮崎]
・委員会の発足
・調査企画書(案)の検討
先進事例ヒアリング調査
平成 16 年 8 月 3 日(火)∼5 日(木)
[岩手県盛岡市、遠野市、水沢市、宮城県加美郡加美町、宮城郡利府町]
・岩手県県土整備部建設技術振興課
・社団法人岩手県建設業協会
・遠野建設工業株式会社
・工藤建設株式会社
・熊谷牧場(仙舗建設株式会社)
・介護付終身利用型有料老人ホーム
第 2 回委員会
平成 16 年 9 月 3 日(金)
サン・パレ加瀬(株式会社斉藤工務店)
[宮崎市:ホテルプラザ宮崎]
・調査の中間報告
第 3 回委員会
平成 17 年 1 月 21 日(金) [宮崎市:ホテルプラザ宮崎]
・調査報告書(案)の検討
参- 2
添付資料 1
建設業の新分野進出事例集
添付資料1
事例集
目次
(農業分野)
番号
取組み内容
会社名
所在地
頁番号
1
有機無農薬によるハーブ栽培と各種加工品販売
舟山組
北海道
添-5
2
遊休地を活用したブドウ栽培とワイン醸造
海老原建設
北海道
添-6
3
農業コントラクター部門への進出
芙蓉建設
北海道
添-7
4
農業特区を活用したホウレンソウ栽培
遠野建設工業
岩手県
添-8
5
野菜栽培と堆肥の製造
蒲野建設
岩手県
添-9
6
農業生産法人による農作業・経営の受託業務
高橋重機サービス
山形県
添-10
7
オーストリッチ飼育と各種製品販売を展開
大東建設
山形県
添-11
8
農業特区を活用した加工用トマト栽培
大建工業
福島県
添-12
9
農業特区を活用した高付加価値の米作り
頸城建設
新潟県
添-13
10
観光牧場を核とした複合的な農業経営
蓑和土建
新潟県
添-14
11
無農薬、無化学肥料での農業生産
金亀建設
愛媛県
添-15
12
農業生産法人によるピーマン栽培
東九州電設工業
宮崎県
添-16
13
農業と土木業の複合経営
アグリパートナー宮崎
宮崎県
添-17
14
しいたけの菌床栽培
福島産業
宮崎県
添-18
15
ナシ・切花の栽培・卸売
川崎工業
鹿児島県
添-19
所在地
頁番号
(福祉分野)
番号
取組み内容
会社名
16 高齢者生活支援型グループハウスの運営
エルム建設
北海道
添-20
17 有料老人ホームの経営
斎藤工務店
宮城県
添-21
18 デイサービスに特化した介護福祉事業への進出
黒田建設
山形県
添-22
19 介護付き賃貸マンションの運営
佐藤工業
福島県
添-23
20 在宅介護サービス、介護施設の運営
共立土建
福島県
添-24
21 在宅介護サービス、介護住宅改修等介護ビジネスへの参入 北川建設
滋賀県
添-25
22 介護施設の運営を中心とした介護ビジネスへの参入
美保テクノス
鳥取県
添-26
23 介護用住宅改修など介護事業への参入
大谷建設
山口県
添-27
24 造園会社が園芸療法を活かしてデイサービス施設に参入 馬原造園建設
宮崎県
添-28
25 県内初のデイサービスセンターを開設・運営
宮崎県
添-29
第一建設
添-1
(環境分野)
番号
取組み内容
会社名
所在地
頁番号
26 環境対応関連事業への参入
小川組土建
北海道
添-30
27 産業廃棄物からのリサイクル品製造と農業生産法人の設立
橋場建設
北海道
添-31
28 有機廃棄物等を利用したリサイクル事業
岡山建設
青森県
添-32
29 自然(太陽、雪、風、木、水)を利用したエネルギーの開発 工藤建設
岩手県
添-33
30 木くずを利用したリサイクル商品の開発
阿部総業
岩手県
添-34
31 家畜排泄物の低コスト処理施設の開発・施工
仙舗建設
宮城県
添-35
32 建設発生土を高品質な改良土へリサイクル
五十嵐建設
新潟県
添-36
33 木質バイオマスの資源ガス化・水素製造技術の事業化
相村建設
新潟県
添-37
34 雪を利用した新エネルギー利用施設の提案
坂詰組
新潟県
添-38
35 間伐材を活用した舗装技術を実用化・施工
小木曽建設
長野県
添-39
36 環境・景観面に配慮した新舗装材の開発
イマムラテクノ
宮崎県
添-40
37 廃ガラスビンを景観舗装材に活用
田島組
鹿児島県
添-41
所在地
頁番号
(リフォーム分野)
番号
取組み内容
会社名
38 福祉住環境、土木環境ビジネスへの進出
加藤組土建
北海道
添-42
39 住宅・店舗等のリフォームの設計・施工
大建建設
新潟県
添-43
(その他分野)
番号
取組み内容
会社名
所在地
頁番号
40 本業の経験を活かし清掃、介護、警備事業を展開
サンエス工業
北海道
添-44
41 天然温泉入浴施設の経営
丸富士三浦建設
北海道
添-45
42 テーマ施設を利用したテナントビル開発
八重樫工務店
宮城県
添-46
43 モザイキング技術を応用した画像処理技術の開発
会津土建
福島県
添-47
44 コンビニ、レストランの運営や農業経営
遠藤建設
新潟県
添-48
45 惣菜専門店の運営
ナカタニ建設
山口県
添-49
46 焼酎製造に参入
旭建設
宮崎県
添-50
47 地元の湧水を生かした飲料水事業への参入
ヤナセ緑化
宮崎県
添-51
48 公衆温泉の建設・運営
渡辺組
鹿児島県
添-52
添-2
本事例集の利用にあたって
(1)本事例集の目的
この事例集は、九州地域の建設業者が新分野進出に関するアイデアや注意点等を得ることにより、新
分野進出のきっかけとすることを目的としています。
(2)本事例集の使い方
この事例集は、新分野進出事例の基本的な情報を整理しているもので、この事例集をヒントに各建設
会社が自社の新分野進出を検討するための資料として頂くものです。詳細な情報や相談については、
県や建設業協会などに相談するとともに直接対象企業に問い合わせを行うことをお奨めします。
(3)事例集の見方
本社会社情報
項目名
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
進出事業の体制
社内体制
当該事業を行っている企業本体の会社名
当該事業を行っている企業本体の住所と従業員数
当該事業を行っている企業本体の問い合わせ先
新事業を行うにあたっての組織形態(例:新会社を設立、社内
の組織を変更、特に社内体制は整えなかった等)
会社名
新分野進出に係り新会社を設立した場合、その新会社名
所在地
同じく新会社を設立した場合、その新会社の所在地
問い合わせ先
取組のきっかけと経緯
取組概要
参考
内容
内容
同じく新会社を設立した場合、その新会社の問い合わせ先
新分野に取り組む端緒となる事柄、事業を興し、軌道に乗せる
までの経緯等を記載
進出事業の概要を説明
成功要因
苦心した点
事業が成功した要因と経営者が考えること、また事業を行うにあ
たって苦労、苦心した点について記載
既存の経営資源
活用状況
新分野進出にあたって、本業の経営資源をいかに活用したか
記載
取組の成果と
今後の展望
新分野事業に係る成果(経済的なものに限らず)と、今後の展
開について考えていること、または行政等への要望等を記載
当該事例の作成にあたり参考とさせて頂いた資料名
※下方右側には事例検索に資するために事業や企業の概要を項目として挙げています。
「分野」は新分野進出先分野、「業種」は進出前の建設業としての業種、「規模」は進出前の建設業の従業
員人数の規模をそれぞれ表しています。
添-3
(4)資料内容について
この事例集は各都道府県や業界団体が行った調査報告書、新聞報道、書籍等を基に再編集したもの
であり、一部を除き直接の取材を基に作成したものではありません。
主として参考にさせて頂いた資料は、以下のとおりです。
『建設業の新分野進出』米田雅子編著、東洋経済新報社、2003 年 2 月 3 日発行
『新分野へ挑戦する建設業』米田雅子編著、東洋経済新報社、2004 年 5 月 6 日発行
建設業振興基金 HP
(財)建設業振興基金ホームページ「ヨイケンセツ・ドットコム」
URL:http://www.yoi-kensetsu.com/
『建設業等の新分野進出・多角化事業』
北海道経済部産業政策推進室・(社)北海道建設業協会 発行
ヒアリングによる
直接の取材を基に作成
『岩手日報社』岩手日報社新聞記事による
山形県農業法人協会 HP
山形県農業法人協会ホームページ
URL:http://www.yca.or.jp/hojin/hojin-top.html
『土建の帰農』2004 年現代農業増刊、2004 年2月1日発行
『新分野・新市場進出事例集』 新潟県土木部・(社)新潟県経営者協会発行
社団法人福島県建設業協会 HP
社団法人福島県建設業協会ホームページ「e-hukuken.web」
URL:http://www.e-fukuken.or.jp/
『財界九州』雑誌「財界九州」10 月号(№961)
『経営読本』(財)宮崎県産業支援財団 発行
『宮崎日日新聞』宮崎日日新聞記事による
添-4
1
農業
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
有機無農薬によるハーブ栽培と各種加工品販売
(株)舟山組
北海道北見市寿町6−3−4
TEL
0157-23-5070
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
約 50 人
FAX 0157-31-6238
funayama@funayamagumi.co.jp
/
URL
http://www.funayamagumi.co.jp
社内にハーブ事業部を設け、後に農業生産法人として独立した。専門知識を持つ人材を新卒採
用した。
会社名
(有)香遊生活
所在地
北海道北見市柏木 14−3
問い合わせ先
/
TEL
0157-66-1201
/
FAX
0157-66-1202
E-mail info@koyu-seikatu.co.jp
/
URL
http://www.koyu-seikatu.co.jp
内容
∼ハーブでハーブティ、入浴剤、キャンディなどを生産、インターネットで販売∼
2haの畑に約 40 種類のハーブを有機無農薬で栽培し、加工・販売も行う。オリジナ
ルティーを自社加工・販売し、加工コストの高い入浴剤・キャンディ等は他社工場に
加工委託している。インターネット販売が売上の6割を占め、その大半は関東方面の
女性客。
(有)香遊生活の従業員はパート4名を含む8名体制で、舟山組の工事部の社
員も必要に応じてハーブ栽培を手伝っている。
成功要因
苦心した点
事業化準備当初はほとんどの従業員が無関心だった。農業に挑戦して初めて農業の難
しさを知り、また販売面でも流通の難しさを知った。
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼苗圃を活用しハーブ事業に参入、役員がロンドンに留学しノウハウ獲得∼
公共事業減少に危機感を持ち新分野への進出を決意。北見地方がハーブ栽培に最適で
あり、当社の造園部が優良な苗圃を4ha持っていたことからハーブ事業を選択。H
3年に社員2名を配置しハーブ事業部を新設した。役員をロンドンで開催されるサマ
ースクールに5年間にわたって派遣するなどノウハウ蓄積を図り、また専門知識を有
する人材を新卒採用した。
(財)北海道中小企業総合支援センターの補助事業を活用し
てマーケティング調査を実施し販路確保に備えた。H9年に同事業部は農業生産法人
として分離独立した。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
(有)香遊生活の事務所兼工房は当社が施行したので通常より割安となった。
販路拡大が緊急課題である。現在は個人販売が主だが、ホテル、飲食店や百貨店への
営業も強化してゆきたい。
参考: 『新分野へ挑戦する建設業』『建設業等の新分野進出・多角化事業』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-5
2
農業
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
遊休地を活用したブドウ栽培とワイン醸造
(株)海老原建設
北海道奥尻郡奥尻町字米岡
TEL
01397-3-2424
E-mail
進出事業の体制
社内体制
URL
43 人
FAX 01397-3-2668
‐
社内に3名体制のブドウ栽培部門を設けており、本業の余剰人員をブドウ栽培及び醸造工場で
雇用している。
会社名
‐
所在地
‐
問い合わせ先
‐ /
/
/
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
‐
/ URL
‐
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼遊休農地の増加傾向が取組のきっかけ∼
遊休農地が増加傾向にあるため、これを活用した。H11 年より奥尻に自生するヤマブ
ドウの栽培を開始、H13 年からはワイン専用種の栽培を開始した。
内容
∼町内の遊休農地を活用してブドウを栽培、ワイン醸造も計画中∼
町内の遊休農地を活用し、地元に自生するヤマブドウとワイン専用種のブドウを合計
10ha程度栽培し、ワイン醸造も計画中である。山ブドウ、ワイン専用種合計で 25
ha栽培が目標である。ブドウ栽培技術に関して北海道ワイン(株)から助言を受け
ており、H13 年度には研修のため同社に社員を派遣した。H14 年度までは投資のみで、
売上・利益はない。またこれ以外に、肉牛の肥育・繁殖や貨物自動車運送業をそれぞ
れ別会社で手がけている。
成功要因
苦心した点
山ブドウ及びワイン専用種の栽培は奥尻初であり不安が大きい。特に山ブドウは苗木
の育成から始めるので苦労が多い。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
本業の余剰人員をブドウ栽培及び醸造工場で雇用する。
奥尻島特産品に新たに奥尻ワインを加えることで、観光資源の充実を図ることができ
る。奥尻島の観光客が増加し、本業としても大いに期待がもてる。平成 15 年以降に予
定しているワイン醸造は、専門ノウハウを持っていないので、北海道ワイン(株)の
助言や協力を得ながら取り組む方針である。ワイン醸造工場建設には公的助成が必要
であり、支援をお願いしたい。
参考: 建設業振興基金HP、『建設業の新分野進出』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-6
3
農業
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
農業コントラクター部門への進出
芙蓉建設(株)
北海道網走郡美幌町東2条北1−12
TEL
01527-3-4314
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
37 人
FAX 01527-5-2480
fuyo@mail.ok21.or.jp
/
URL http://www.fuyo-kensetu.co.jp
別会社を設立し、本社から社員3名を出向させている。
会社名
三星アグリサポート(株)
所在地
北海道網走郡美幌町東2条北1−12
問い合わせ先
/
TEL
01527-3-3141
E-mail ‐
/
/ URL
FAX
01527-2-4569
‐
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼雇用安定を図るために∼
雇用の安定を図るため、機械やオペレーターなどの経営資源を有効利用できる、地域
のニーズが高い等の理由から農業コントラクターへ進出した。
内容
∼関連会社とともに別会社を設立、農業コントラクターに進出∼
H5年、関連会社の三星運輸(株)、北見三星運輸(株)とともに三星アグリサポート
(株)を設立し農業コントラクターに進出した。業務として行っているのは、農産青
果物の選別作業請負、牧草、デントコーンの刈り取り収穫、運搬、貯蔵作業の請負、
稲藁梱包作業、堆肥の製造管理、運搬、散布ほか多岐に渡っている。グループ3社の
農業経験者の能力を活用している。H13 年度の売上は 1.7 億円で、開始当初の 10 倍
に成長している。当社から3名の社員が出向している。
成功要因
苦心した点
従業員で農業経験者がいたので、その能力を生かしたこと。農業用機械は購入せず価
格上昇を抑えたこと。トラブルを防ぐため農家と直接契約をせず、農協やホクレンな
どの団体と契約したこと。
既存の経営資源
活用状況
本社で農業経験のある社員の能力を生かした。また建設業の工程管理のノウハウが生
かされている。
取組の成果と
今後の展望
本業での雇用維持に貢献している。また、農作物等の輸送をグループの運送会社が中
心となって行うなど、建設業、運送業への相乗効果がある。コントラクター事業は農
家の存在を前提としたビジネスであるが、離農者が増加しているため、受注を待つだ
けでは先行きに不安がある。今後、農業生産法人を設立して本格的に農業に参入する
計画である。
参考: ヒアリングによる
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-7
4
農業
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
農業特区を活用したホウレンソウ栽培
遠野建設工業(株)
岩手県遠野市松崎町白岩 13−4−1
TEL
0198-62-5209
E-mail
進出事業の体制
社内体制
URL
50 人
FAX 0198-62-5242
‐
環境開発部門に農業部門「夢とっぷ遠野」を新設した。現在3名で担当。他の本業社員も新部
門を手伝っている。
会社名
‐
所在地
‐
問い合わせ先
‐ /
/
/
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
‐
/ URL
‐
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼県からの打診を受け農業特区を活用した農業参入へ。経営者の妻の農地を活用∼
売上高の8割を占める公共事業が減少し新分野への進出で補いたいと考えた。H15 年
6月に県の振興局の前部長から打診を受けたのが直接的なきっかけとなり、市が認定
を受けた構造改革特区を活用して農業へ参入した。H16 年度に施設が完成し栽培・出
荷を開始。市から貸与されている農地は経営者の妻の農地である。
内容
∼ハウスでのホウレンソウ栽培。助成を有効活用∼
ハウスでのホウレンソウ栽培を行う。総事業費約 3040 万円をかけて施設を整備し、現
在、22 棟のハウス(面積 37.5a)で生産している。H16 年度は年4回の作付けをし、
生産量 20 トン、生産額 1000 万円を目指す。参入にあたって「H15 年度構造改革特区
農業参入モデル事業」を活用し、県から補助金を受けている。売上の4割は販売手数
料や資材費などJAへの経費となっている。本業社員も一部新部門を手伝って応援し
ている。
成功要因
苦心した点
もともと建設業者なので農業の厳しさや土壌の状況を見るのに不慣れであるので苦労
した。農業経験者を加えておけば良かったとも思っている。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
ハウス建設に建設業のノウハウが活かされている。
社員全員が夢を持ったことで意識改革が実現した。今後は独自の販売ルート(直販)
の確立と周辺の建設業者との協力による生産者の拡大を図りたい。また、作付面積を
3haに増やしたい。
参考: ヒアリングによる
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-8
5
農業
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
野菜栽培と堆肥の製造
蒲野建設(株)
岩手県九戸郡山形村大字川井9−32−2
TEL
0194-72-2211
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
/
FAX 0194-72-2903
sales@gamano.co.jp
/
URL
http://www.gamano.co.jp
当社から出向の4名体制の別会社を設立し、さらに社内にアグリ事業部を新設。
会社名
(有)ヒノサン工業
所在地
岩手県九戸郡九戸村大字長興寺 15−99−1
問い合わせ先
TEL
0195-42-2285
E-mail ‐
取組の
きっかけと経緯
取 組 概要
内容
成功要因
苦心した点
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
60 人
/
/ URL
FAX
0195-42-3813
‐
∼公共事業削減に伴う余剰人員を有効活用∼
公共事業削減で本業から発生する余剰人員を有効活用し、雇用を維持するため農業分
野に進出した。H8年頃より農業を開始し、H15 年にアグリ事業部を新設して野菜の
栽培、出荷を開始。H16 年3月には子会社(有)ヒノサン工業が農業生産法人の認可
を受けた。
∼生産から販売まで一括した事業展開、農業生産法人の認可受け本格参入∼
農作物の生産から販売までを一括した事業として行う。また、斜面工事に使う緑化基
盤材の工場を活用して、製材所の廃材等を用いて堆肥を製造している。堆肥は市販さ
れるほか、協力農家や農協などに販売され、それで生産された野菜を買い取り「アグ
リがまの」ブランドで販売している。
また、子会社(有)ヒノサン工業はH16 年に農業生産法人の認可を受け農業に本格参
入。自社農地でホウレンソウや大根を栽培する。他にも農家との委託契約による栽培、
水稲の試験栽培等を行っている。農業は現在赤字だが、販路開拓により数年で黒字化
する見通し。
自社開発の堆肥を用いて土壌作りから始めたため作物の生育が向上し、化学肥料や農
薬を軽減して安全な野菜を作ることができた。
余剰になった建設重機、工場、人材を有効活用できている。
市場および消費者へ生産物の安定供給ができるよう、自社の生産基盤を整備するとと
もに協力農家を多く募り計画的に生産することが課題である。
参考: 『新分野へ挑戦する建設業』『岩手日報社 2004.5.7』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-9
6
農業
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
農業生産法人による農作業・経営の受託業務
高橋重機サービス(株)
山形県長井市白兎 1201
/
TEL
FAX 0238-88-3608
0238-88-3525
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
10 人
tj-3525@m6.dion.ne.jp
所在地
山形県長井市白兎 1201
TEL
0238-88-3570
/
FAX
E-mail tj-3525@m6.dion.ne.jp
取 組 概要
内容
成功要因
苦心した点
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
‐
充てて対応している。
(有)山形カントリーサービス
取組の
きっかけと経緯
URL
パート 10 名を含む 12 名体制の農業生産法人を設立している。農繁期には土木部門の従業員を
会社名
問い合わせ先
/
0238-84-5792,0238-88-3608
/
URL ‐
∼社長が農家出身、地域の需要の高まりに合わせ作業受託を開始∼
当社社長が元々農家出身であり、地域農業の後継者不足により農作業受託への需要が
高まったので、農作業や経営の委託を引き受けるようになった。
H7年に農業生産法人(有)山形カントリーサービスを設立し受託業務を本格化させ
た。
∼農業生産法人の認可受け農作業・経営の受託業務を本格化∼
H7年に農業生産法人(有)山形カントリーサービスを設立し、農作業・経営の受託
業務を本格的に開始。農繁期には土木部門の従業員を充てて対応。当社の米はJA等
に一括販売しており、コストがかかる個別販売は行っていない。
また、転作地は労働力が重複しないそばを取り入れている。
米余りかつ低コストという時代に合わせて独自の低料金を設定し、地域内ならば小面
積や不便な場所の農地でも引き受け、特に小規模農家のニーズに応えている。
農繁期には建設業の従業員を活用している。
建設大型車両は農機具の運搬に活用されている。
建設機械の操作に熟練している本業従業員は、農機の操作でも作業効率が良い。
土木業と農業との両立により社員を安定的に雇用できている。
地域の農地を守るため、当社と地域住民と農協など関係機関の三者が一体となった取
り組みを一層強化する必要がある。
参考: 『新分野へ挑戦する建設業』、山形県農業法人協会HP
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-10
7
農業
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
オーストリッチ飼育と各種製品販売を展開
大東建設(株)
山形県西村山郡朝日町宮宿 777−1
TEL
0237-67-3101
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
/
46 人
FAX 0237-67-3104
daitoo@khaki.plala.or.jp
/
URL
社内に畜産部を設けるほか、別会社を設立した。職員は4名で、うち2名は本社との兼務であ
る。
会社名
(有)山形朝日オーストリッチ産業センター
所在地
山形県西村山郡朝日町宮宿 777−1
問い合わせ先
‐
TEL
0237-67-3103
/
FAX
0237-67-3103
E-mail ostrich@asahi-ost.co.jp
/
URL
http://www.asahi-ost.co.jp
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼飼育のしやすさと遊休地の有効活用を考えオーストリッチ飼育を開始∼
高齢者でも飼育しやすいことと、離農者増加により発生した中山間地域の遊休地の有
効活用を考え、オーストリッチの飼育を決めた。H10 年に孵化場と飼育場の建設を開
始し試験的飼育に入った。H13 年、食肉処理場の開業に合わせて食肉処理と各種製品
販売を行う別会社(有)山形朝日オーストリッチ産業センターを設立した。別会社の
職員は4名で、うち2名は大東建設(株)との兼務である。
内容
∼自治体や業界団体との連携重視∼
オーストリッチ飼育、各種加工商品販売、食肉処理事業を展開する。地域振興を図る
県・町の行政と連携し、地域の雇用確保のために地元農家へ飼育委託を積極的に進め
ている。日本オーストリッチ事業協同組合の専用処理場の一つとして認可を受け、関
東以北全域の解体処理を行っている。事業化検討当初より日本オーストリッチ協議会
の会員となり、同協議会からアドバイスを受けた。また各地の飼育業者と事業協同組
合を設立し、家畜飼料工場や食品加工工場とも提携を進めている。
成功要因
苦心した点
当初ダチョウは県条例で危険な動物に指定されており通常の農地に入れることができ
ず困ったが、何度も県に陳情して指定を解いてもらった。飼育では幼鳥期の管理が難
しく、最初は何羽も死なせてしまった。ダチョウ肉の認知度が低いのも悩み。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
地元の遊休農地などを活用した。
オーストリッチ肉はまだ知名度が低い。今後はインターネット、通販等の販売戦略を
充実し販路開拓に力を入れる。
参考: 『新分野へ挑戦する建設業』、建設業振興基金HP
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-11
8
農業
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
農業特区を活用した加工用トマト栽培
大建工業(有)
福島県喜多方市字天満前 8821−2
TEL
問い合わせ先
0241-22-9286
FAX 0241-22-9286
‐ /
URL
‐
進出事業の体制
当社従業員が農業も兼業する。
会社名
‐
所在地
‐
問い合わせ先
14 人
09286
E-mail
社内体制
/
/
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
‐
/ URL
‐
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼市からの打診を受け農業特区を活用した農業参入を決意∼
本業の売り上げが大幅に減る中、市役所から農業特区の話があった。同じ地区の同業
者が個人として農業に取り組んでいる話を聞いて関心を持ち、「喜多方市アグリ特区」
が申請・認定されたのを契機に農業に参入。
内容
∼販売先開拓のリスクを避けるため加工用トマトを選択、加工会社や農協と連携∼
農業特区を活用した農業進出。市が農家から賃借した農地を借りて生産している。初
年度は販売先を開拓するリスクを負わずに済むことから、作目には加工用トマトを選
択した。建設業の重機を活用して耕作するとともに、従業員も建設業と農業の兼業体
制をとる。農協やトマト加工会社との連携で販売力不足を補う。収穫されたトマトは
トマト加工会社に全量出荷される。加工会社のマニュアルと農協の営農指導にもとづ
いて栽培しており、技術面で問題はない。10 月よりJAS規格取得に向けて活動開始。
完全なる有機農業を目指す。
成功要因
苦心した点
土作り・緑肥収集
(参考)H16 年度は、各公共機関において産廃として処分していた草を収集。同じく
東京電力と協議中。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
余剰労働力や建設業の重機を活用できている。
まだスタートしたばかりで成果の発現はこれからだが、会社内においての社員の意識
変化、自発的な行動、余剰労働力の活用、建設重機の活用、冬場の仕事作りなど成果
の芽が出始めている。
参考: ヒアリングによる
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-12
9
農業
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
農業特区を活用した高付加価値の米作り
頸城建設(株)
新潟県東頸城郡浦川原村大字下猪子田 95−3
TEL
025-599-2216
E-mail
進出事業の体制
社内体制
URL
約 60 人
FAX 025-599-2364
‐
別会社は設立していない。
会社名
‐
所在地
‐
問い合わせ先
‐ /
/
/
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
‐
/ URL
‐
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼村と協定し農業特区に参入、営農を開始∼
公共事業に 100%依存していたため、公共事業費削減により売上高はほぼ半減。人が
余る状況が続き、余剰人員の活用を模索していた。
H15 年、浦川原村と協定し「東頸城農業特区」に参入し、農業公社から遊休地となっ
ている農地を約3ha借りた。
内容
∼有機農業による米作り。有機野菜栽培も今後の事業展開を視野に計画中∼
中山間地域で有機農業による高付加価値の米作りを行う。H15 年度は 0.5haの田か
ら収穫したが、試験的な栽培であり販売は行っていない。
魚の養殖も開始し、有機野菜栽培も計画中。H16 年度は田 1.7ha、畑 0.7haに拡
大する。
将来は、収穫した農作物を用いた直営レストランや農作物加工販売を展開していきた
いと考えている。現在は技術・ノウハウを学んでいる段階である。
成功要因
苦心した点
休耕地を借りているため平地のほ場より生産コストが高く、農道復旧にも経費がかか
る点に苦労している。
既存の経営資源
活用状況
ほ場整備や農道改良などを本業として行っていたので、休耕田整備及び農道改良に必
要な技術、機械があるのが強みである。従業員の多くが農業を兼業しているため、人
材・ノウハウも揃っていた。
取組の成果と
今後の展望
遊休地を保守管理する農業公社の人材不足が深刻化していたが、これが解消されつつ
ある。今後はH21 年度までに農地を 10haまで拡大し、収支均衡を目指す。高付加価
値な農作物を生産し加工・販売することで利益を確保したい。
参考: 『土建の帰農』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-13
10
農業
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
観光牧場を核とした複合的な農業経営
(有)蓑和土建
新潟県上越市浦川原区熊沢 1201
TEL
025-599-2557
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
/
14 人
FAX 025-599-3381
aminowa@cocoa.ocn.ne.jp
/
URL
蓑和土建ほか5名で別会社を設立した。
会社名
ファーストファーム(株)
所在地
新潟県東頸城郡浦川原村大字熊沢 932−3
問い合わせ先
‐
TEL
025-599-3778
/
FAX
E-mail info@firstfarm.com
025-599-3381
/
URL
http://www.firstfarm.com
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼遊休地の活用を図り新会社を設立、農業特区に参入∼
離農者の増加で山林、農地の荒廃が深刻化している。遊休地を復旧して自然の機能を
保全するため、当社が8割、残りの2割を当社常務、行政書士、旅館業経営、畜産経
営、酒造業の5名が個人出資して新会社を設立し「東頸城農業特区」に参入した。事
業実施にあたり村、県、NICO などから助言を得ている。
内容
∼事業の核は観光牧場経営、今後目指すのは観光資源としての農業経営∼
5haの農地を確保。事業の核はポニー、山羊など小型動物の観光牧場経営で、有機
無農薬の稲作、果樹園、農産物加工販売、レストラン経営なども展開する予定である。
眺望を利用した観光資源としての農業経営を目指す。認定農業者の助成金や農林金融
公庫の融資を今後積極的に活用したいと考えている。
また、5万円の一口株主を増やし資金調達するとともに多くの協力者を募り、彼らの
知識や技術を活用して事業を発展させることを考えている。現在山羊乳加工品開発に
も取り組んでいる。
成功要因
苦心した点
農業特区制度が周知徹底されていなかったので、事業に参入する地域の理解を得るの
に時間を要した。また、農地の確保に時間を要した。少ない初期投資でいかに効果的
な施設整備を行うかを考えるのに苦労した。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
本業の閉暇期に余剰人員や建設機械等を整地、施設整備や農作業で活用している。
事業開始間もないので、成果はH16 年度から出る。資金調達やスムーズな農地賃借契
約が課題である。
参考: 『土建の帰農』『新分野・新市場進出事例集』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-14
11
農業
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
無農薬、無化学肥料での農業生産
金亀建設(株)
愛媛県松山市南江戸2−660−1
TEL
089-921-3030
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
/
FAX 089-941-3286
info@kinkikensetsu.co.jp
/
URL
http://www.kinkikensetsu.co.jp
農業生産法人を設立し、農業の専門家を数名配置している。
会社名
(有)あぐり
所在地
愛媛県伊予郡松前町北川原 79−1
問い合わせ先
190 人
TEL
089-984-3617
E-mail ‐
/
/ URL
FAX
089-984-3617
http://www.kinkikensetsu.co.jp/aguri/index.html
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼社員の多くが農家出身者、社長が農業に関心∼
当社の技能労働者の雇用確保と地域の農業従業者不足を解消するため農業に参入を決
めた。会社の現場労働力は農家出身者が多いことや社長が農業に関心を持っていたこ
とが契機となっている。
H12 年、(有)あぐりを設立。農業の専門家が数名配置され、当社グループから来る
作業員の指導に当たる。
内容
∼食品残査を堆肥化し無農薬で生産、併せて大学との連携による研究活動を続行∼
高効率な循環型、機械化営農を推進。食品残渣を自社培養の有用微生物で堆肥化して
土壌を作り、米、果物、野菜等を無農薬、無化学肥料で生産している。現在は 20ha
に拡大し、県よりエコファーマーの認定と認定農家の認定を受けている。栽培した作
物も順次「エコえひめ特別栽培農産物」の認証を獲得している。H15 年度の売上は 2400
万円で若干の赤字であった。また幾つかの大学と連携して、有用微生物を環境浄化事
業へ転用する研究や、無農薬栽培された作物から健康や美容に効果のあるエキスを抽
出する研究も行っている。
成功要因
苦心した点
地域農家、行政、農協から理解を得ること、社員の意識改革、農業分野独特の慣習、
規制に慣れるのに苦労しており、いまだ成功したとはいえない。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
建設業従業員を当社の建設工事の工程に合わせて効率的に活用している。
課題は収益性の確保、熟練農業従事者の育成、関連各社間の労働力の効率的活用の促
進などであり、地域との連携、地産地消を展開している。
参考: 『新分野へ挑戦する建設業』『土建の帰農』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-15
12
農業
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
農業生産法人によるピーマン栽培
東九州電設工業(株)
宮崎県日向市美々津町 1203-2
TEL
0982-58-1364
E-mail
進出事業の体制
社内体制
‐ /
/
URL
10 人
FAX 0982-58-1474
‐
パート6名体制の農業生産法人を設立している。
会社名
(有)東九農園
所在地
宮崎県日向市美々津町 1203-2
問い合わせ先
/
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
‐
/ URL
‐
内容
∼農業生産法人を設立。ハウスの栽培システム温度など全て自動制御∼
本格的に農業に参入するにあたり、農業生産法人として(有)東九農園を設立。ハウ
スの栽培システム温度など全て自動制御されている。ハウス内は行と列が細かく位置
が指定されており、きめ細かい管理を行っている。その後H12 年には認定農業者とな
っている。
成功要因
苦心した点
生産物の選択では、収穫が1∼2日ずれても商品価値があること、病気に強いことな
どからピーマンを選択した。当初は宮崎県で多いハウスでの土耕生産を試みたが、経
験と勘が頼りでうまく生産できないと思い、翌年には本を読み独力で水耕栽培のピー
マン生産を開始した。
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼経済評論家の言葉がきっかけで新事業として農業に参入∼
社長の実家にもともと農地があったが、自身としては農業の経験は全くなかった。バ
ブル期に景気の良い時こそ次の行動を起こせとの経済評論家の言葉を聞いて農業を始
めたが、当初は趣味的な範囲であった。その後H5年から本業の閑散期の仕事づくり
や従業員の退職後の雇用対策を目的として野菜生産に取り組むこととした。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
ハウスの自動制御栽培システムに、電気工事業のノウハウが生かされている。
手の空いてしまう時期の人材を活用することができた。今後は面積を広げるとともに、
コストダウンを図り、退職者2名程度が農業で雇用し続けられるようにすることが目
標。さらに、将来は精神障害者社会適用訓練事業にも取り組んでいくことを目指して
いる。
参考: ヒアリングによる
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-16
13
農業
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
農業と土木業の複合経営
(有)アグリパートナー宮崎
宮崎県児湯郡川南町大字川南 18058
TEL
0983-27-6140
E-mail
進出事業の体制
社内体制
‐
会社名
‐
所在地
‐
問い合わせ先
TEL
‐
‐ /
URL
/ FAX
E-mail ‐
/
/
13 人
FAX 0983-27-5497
http://www.ap-miyazaki.com
‐
/ URL
‐
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼農業から建設業に参入∼
本事例は建設業の新分野進出ではなく、農業から建設業に進出した事例である。もと
もと農家であり、農閑期である冬場の仕事として、建設会社の下請けとして土木工事
を行ったことがきっかけであり、当初の会社名は(有)川南農業土木としていた。
内容
∼土木工事、農業生産、農作業受託などを組み合わせて展開∼
建設関係では、宅地造成の盛り土や民間のほ場整備の仕上げ、手直し、ハウス建設の
ための井戸掘りなど農業に関連する土木工事を行っている。
農業では馬鈴薯、甘藷、にんじんなどを主に借地で生産している。また、農作業受託
も幅広く行っており、近隣の畜産農家の飼料づくりを支援している。
成功要因
苦心した点
基本的に機械が好きで、大型機械での作業受託や機械の改良などを自分でやってきた。
また、地域内でニーズがあり自分ができることは何でも低価格で受けてきた点が成功
要因といえる。
苦心した点として、農業の会社なのか、建設業なのかを特定しないと融資を受けにく
かったことがある。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
大型機械を使うという点では農業と土木作業の共通点がある。
建設業からの農業参入ではないが、農業と建設業をうまく両立させている例といえる。
耕作放棄地等の藪を非常に高効率で仮払う「ブッシュチョッパー」を自社で開発・販
売しており、非常に好評を得ている。今後も機械作業を中心に事業展開を図ろうとし
ている。
参考: ヒアリングによる
分野
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
業種
新規
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
事業
規模
本業
5 人以下
添-17
14
農業
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
しいたけの菌床栽培
(有)福島産業
宮崎県東臼杵郡北浦町古江 2431−2
TEL
0982-45-2150
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
約5人
FAX 0982-45-2343
fbfarm@mnet.ne.jp
/ URL
-
パート5名体制の別会社を設立している。
会社名
FBファーム
所在地
宮崎県東臼杵郡北浦町古江 2431−2
問い合わせ先
/
TEL
0982-45-2150
E-mail
/
FAX 0982-45-2343
fbfarm@mnet.ne.jp
/ URL
-
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼公共事業の減少で、建設業の先が見えない状況に危機感∼
公共事業の減少などで、建設業を継続できるかどうか危機感を持ち、新分野への進出
を決意。運搬が手軽で女性でも作業が可能であり、空調による温度・湿度管理につい
て管工事の経験が生かせると考え、H11 年に別会社「FBファーム」を設立し、しい
たけの菌床栽培を開始。県の農政関係の融資制度を活用し、設備の改装費用などの事
業開始資金を調達。
内容
∼しいたけを菌床栽培により生産。温度・湿度管理の方法を独自に開発。∼
以前はブロイラー生産施設だったものを、自社でしいたけの菌床栽培施設に改修。H
15 年はJAを通じて年間 25 トン程度を出荷。FBファームの従業員はパート5名体
制で、福島産業の従業員も必要に応じてしいたけ栽培を手伝っている。
自社でおがくずからの菌床づくりを行い、温度・湿度管理の方法についても社長自ら
が試行錯誤を重ねて開発した。
成功要因
苦心した点
温度・湿度管理の方法は地域により差が出るため、最適な方法を独自に開発するまで
時間がかかった。菌床を自社で作り始めたことにより、安定した収量を確保できるよ
うになった。
既存の経営資源
活用状況
栽培施設の増築・改修等を自社で行うためコストダウンが図れた。また、管工事の経
験による空調のノウハウを温度・湿度管理に活用できた。
取組の成果と
今後の展望
安定した市場への供給が可能となるように、今後生産量を増やすことを検討している。
参考: ヒアリングによる
分野
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
業種
新規
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
事業
規模
本業
5 人以下
添-18
15
農業
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
ナシ・切花の栽培・卸売
(株)川崎工業
鹿児島県曽於郡大隅町岩川 6386
TEL
0994-82-0411
E-mail
進出事業の体制
社内体制
11 人
FAX 0994-82-5463
kawako@d1 dion ne jp
/
URL http://www d1 dion ne jp/ kawako/
社内に農園部を設け、ナシとストレリチア(※極楽鳥花)の栽培に従事している。
会社名
-
所在地
-
問い合わせ先
/
/
TEL
-
E-mail
/ FAX
-
-
/ URL
-
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼公共工事削減をきっかけに趣味の園芸を活かした新分野進出を模索∼
公共工事の削減に危機感を持ち、新分野進出を考えていた。社長が園芸の趣味があり、
農作業に慣れていない社員でも行えるということで切花の栽培、販売を行うこととし
た。基本的なことは社長が講習会などでノウハウを学び、工事の仕事が無い時の社員
に指導していった。現在は農業高校出身の専業の社員も2人いるが、手空きの折は工
事部門の社員も手伝っている。
内容
∼ナシ・切花を栽培し、「県外市場」や「道の駅」
、「ホームページ」で販売∼
本業の閑散期に合致した品種を選び、ナシとストレリチアの栽培を行う。3人を1チ
ームとして農作業に従事し、花は現在岡山ほか7市場に出荷。また、ナシは「やごろ
う梨」ブランドにて「道の駅」や病院の売店、ホームページで販売している。二次加
工品として規格外ナシを活用し梨ゼリーを販売している。現在は他にもシイタケや野
菜を生産しており、特にシイタケは小規模ながら事業化に向け努力中である。
成功要因
苦心した点
自社でビニールハウスを作り、高齢化した農家から農地と機械設備を借り、初期投資
は極力抑えるようにした。切花のストレリチアは育つまで数年かかるため競合すると
ころが少なく、また、出荷のタイミングも多少の融通が効くため兼業として生産する
には大変適していた。しかしナシについては本業の閑散期中に収穫できる種類を選ん
だが、大玉を作るのがとても難しく、今後は他の品種等にと検討を加えている。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
従業員の雇用を守ることができたのが何よりもの成果である。また、これまで本業閑
散期に行っていた草取りなどの下請作業よりも楽しくかつ継続的に行える事業がある
ことが会社にとっても社員にとっても良い。今後も更に維持・発展させていきたい。
参考: ヒアリングによる
分野
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
業種
新規
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
事業
規模
本業
5 人以下
添-19
16
福祉
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
高齢者生活支援型グループハウスの運営
エルム建設(株)
北海道北広島市共栄町4−17−8
TEL
011-376-8888
E-mail
進出事業の体制
社内体制
35 人
FAX 011-372-2414
elm@elmnet.co.jp , soumu@elmnet.co.jp
/
URL
http://www.elmnet.co.jp
施設運営会社として子会社を設立した。
会社名
(株)シニアライフ
所在地
‐
問い合わせ先
/
/
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
‐
/ URL
‐
∼不要となった独身寮を有効活用∼
不要となった独身寮の有効活用を検討する中、若年者も居住できる高齢者生活支援グ
ループハウスを設置することになった。
内容
∼独身寮を改修しグループハウスを建設、運営∼
施設運営子会社が独身寮を改修しグループハウスを建設した。高齢者を支援するスタ
ッフが常駐し、年間を通して3食提供する体制を取っている。現在、19 才から 90 才
までの男女 10 名が居住している。
また当社は、10 数年前から行っているゴルフ場の芝生育成と管理業務を通じて、芝生
のコンディションを維持する専門技術とノウハウを蓄積している。
H12 年には新会社を設立し、当社従業員5名を出向させて芝生専門のメンテナンス事
業を立ち上げた。
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
成功要因
苦心した点
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
本業の業績が厳しいため、新事業の事業化に余裕がない点。
不要となった自社施設を有効活用した。
グループハウス事業を通じて、民間施設建設のノウハウ蓄積と地域社会への貢献がで
きた。
芝生メンテナンス事業を通じて顧客領域の拡大、本業のイメージアップに繋がった。
今後、第三者による株式公募を検討している。
参考: 建設業振興基金HP、『建設業の新分野進出』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-20
17
福祉
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
有料老人ホームの経営
(株)斎藤工務店
宮城県多賀城市明月1−5−12−101
TEL
022-364-2341
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
/
FAX 022-364-2340
saito-co.@post.tinet-i.ne.jp
/
URL
http://www.bigsaito.co.jp
共同出資会社を設立。当社社長の次男が経営を担当し、正社員は 12 名。建設業との兼務職員は
いない。
会社名
(株)サン・パレ
所在地
宮城県宮城郡利府町加瀬字野中沢 48−2
問い合わせ先
41 人
TEL
022-356-1177
/
FAX
E-mail kase@sanpale.co.jp
022-356-1777
/
URL
http://www.sanpale.co.jp
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼社長の知人のアドバイスがきっかけで事業拡大策として福祉分野へ進出∼
好況期に事業拡大を考えていた所、S56 年に社長の知人のアドバイスがきっかけで福
祉分野への進出を構想した。H4年に現在地の売却情報が入り事業計画が本格化。H
6年に別会社を設立し、H8年に施設をオープンさせた。本業から完全に独立した福
祉事業として経営を行っている。別会社の職員は現在 42 名で、建設業との兼務職員は
いない。
内容
∼別会社を設立、介護付き老人ホーム事業、介護保険事業を展開∼
別会社によって介護付き有料老人ホーム事業及び介護保険事業を展開している。入居
率は 60%強で、H15 年度の売上は4億円、経常利益は4千万円であり、事業化は困難
を極めたものの経営は軌道に乗りつつある。
介護や医療など専門知識をもつ人材を外部から採用している。事業化にあたって(社)
全国有料老人ホーム協会から助言を得た。各市町村役場の窓口を活用して入居者確保
を図っている。
成功要因
苦心した点
異業種からの参入でゼロからスタートし、許認可等の行政手続きや入居者の確保に苦
労した。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
施設建設に建設業のノウハウを活かすことができ、建設費も安くなった。
福祉施設への初期投資とその後のメンテナンスで、本業の受注に貢献している。当面
の課題は採算性の強化。各市町村役場にアピールして入居者確保に努めている。
参考: ヒアリングによる
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-21
18
福祉
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
デイサービスに特化した介護福祉事業への進出
(株)黒田建設
山形県新庄市松本 485−6
TEL
0233-22-8233
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
/
14 人
FAX 0233-22-8234
kk-kuron@ic-net.or.jp
/
URL
http://www.ic-net.or.jp/home/kk-kuron/
別会社を設立している。
会社名
(有)北国ホーム新庄・ほっと新庄デイサービスセンター
所在地
山形県新庄市大字泉田下村西 19−43
問い合わせ先
TEL
0233-25-2010
E-mail ‐
/
/ URL
FAX
0233-25-2024
‐
内容
∼デイサービス施設を開業、ノウハウを生かし介護施設の設計・施工の一括提案∼
H12 年にデイサービス施設を開業した。送迎 30 分以内の近隣を顧客領域とし地域密
着のきめ細かいサービスを提供している。初年度は赤字であったが2年目は 5950 万円
の売上げとなり利益を出すことができた。
デイサービス事業からノウハウを蓄積し、デイサービス事業開設など介護関係の新規
開業を考えている業者に対して事業計画から設計・施工までを一括して提案する取組
みも行っている。
成功要因
苦心した点
事業開始前にコンサルタントの指導を受けるなど勉強したが、実務経験の不足ゆえに
実際とは異なることも多かった。前例がなく、相談する相手が見つからなかった。研
修を受け資格を得たヘルパーの質が期待外れである場合が多い。
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼建設業界への危機感からデイサービス業に参入∼
建設業だけでは将来が危ういという意識から、事業領域を拡大するため介護に参入。
資格の関係で別会社を設立し、H12 年に「ほっと新庄デイサービスセンター」を開設
した。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
(株)黒田建設所有の不動産を有効活用した。
デイサービス事業を先行して立ち上げたことでノウハウが蓄積し、新規事業計画者に
対して計画から設計・施工まで一括営業を行うことで建設業の施設建設受注に結びつ
いている。また、社会的評価の向上が見込めるので、ISO認定を受けたいと考えて
いる。課題は人材育成である。
参考: 建設業振興基金HP、『建設業の新分野進出』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-22
19
福祉
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
介護付き賃貸マンションの運営
佐藤工業(株)
福島県福島市泉字清水内1
TEL
024-557-1166
E-mail
進出事業の体制
社内体制
160 人
FAX 024‐558-8967
s-yamazaki@sato-kogyo.co.jp
所在地
‐
TEL
024-557-6677
/
FAX
取 組 概要
成功要因
苦心した点
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
http://www.sato-kogyo.co.jp
024-557-3120
E-mail r-anzai@sato-kogyo.co.jp/
内容
URL
駐している。
‐
取組の
きっかけと経緯
/
別会社は設立せず、社内に介護企画部を新設。マンションには資格を持つ管理人と看護師が常
会社名
問い合わせ先
/
/
/
URL
‐
∼土木技術者の雇用の受け皿として介護事業へ参入∼
土木技術者の雇用の受け皿となる部署として、土木本部内に介護企画部を新設し介護
事業へ参入した。
∼自社施工の既設マンションを改修、介護付き賃貸マンション運営を開始∼
自社施工の既設マンションを内部改修し、H15 年4月に賃貸マンション「パレ・ロワ
イヤル」の運営を開始した。
2級訪問介護員の資格をもつ管理人と看護師が常駐して生活相談を行う。
各居室にはナースコールも設置されている。
在宅介護サービスが手軽に利用できるように訪問介護事業所も併設している。
要介護者の多様なニーズに応えることが成功の鍵である。
余剰になった土木技術者を新設部署に配置している。
「一人暮らしのお年寄りが安心して元気で暮らすことができる住宅の提供」をコンセ
プトにして、新たな老後の暮らしを提案していく。
参考: 社団法人福島県建設業協会HP
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-23
20
福祉
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
在宅介護サービス、介護施設の運営
(株)共立土建
福島県会津若松市インター西 69
TEL
0242-37-2221
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
/
46 人
FAX 0242-37-2271
kyoritsu@lime.ocn.ne.jp
/
URL
「社会福祉法人心愛会」を設立。120 名の社員とボランティアで対応している。
会社名
社会福祉法人心愛会
所在地
福島県大沼郡会津本郷町大石字下川原1−1
問い合わせ先
TEL
0242-57-1620
E-mail ‐
取組の
きっかけと経緯
取 組 概要
内容
成功要因
苦心した点
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
‐
/
/ URL
FAX
0242-57-1621
‐
∼従来より行ってきた社会貢献活動と副社長の関心が特養ホーム建設のきっかけ∼
当社は従来より社会貢献活動を行っており、副社長が特別養護老人ホームの建築に関
心を持ったことがきっかけで福祉事業へ進出した。
∼ケアハウス、特養ホームを開設、運営。介護の質的向上のため県に研究協力∼
地域貢献を目的に居宅・訪問介護事業を展開している。
H13 年、ケアハウス「ハーモニー本郷」を開設。同年、特別養護老人ホームの設置許
可を得て、翌年、特養老人ホーム「ハーモニーハウス」を開設。H15 年に福島県より
高齢者排泄自立支援事業の対象事業所に選定され、介護の質的向上に研究協力するこ
ととなった。H16 年9月にはケアハウス「ハーモニーあいづ」を開所。
H16 年1月現在、120 名の職員で訪問介護を含めて 200 名以上の高齢者の介護をして
いる。
収益事業としてではなく、建設業の利益を還元する社会貢献事業として位置づけてい
る。
‐
事業規模が大きくなっても良質の介護を提供することが課題。
参考: 社団法人福島県建設業協会HP、『新分野へ挑戦する建設業』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-24
21
福祉
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
在宅介護サービス、介護住宅改修等介護ビジネスへの参入
(株)北川建設
滋賀県守山市下之郷町 402
TEL
077-582-2119
E-mail
進出事業の体制
社内体制
63 人
FAX 077-583-6688
info@k-kitagawa.co.jp
/
URL
http://www.k-kitagawa.co.jp
別会社は設立せず、担当部署として社内に生活支援事業部を新設。介護関係の従業員を新規採
用した。
会社名
‐
所在地
‐
問い合わせ先
/
/
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
‐
/ URL
‐
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼セミナーなどで住宅建設と在宅介護の密接な関係に気付いたのがきっかけ∼
会社の将来に不安を抱く中、介護施設のコンサルタントのセミナーなどを通じて、住
宅建設と在宅介護とは密接な関係にあると気づいたのがきっかけ。H12 年、建設業主
体であった社内体制を事業部制に再編成して生活支援事業部(現生活創造事業部)を
設置、介護事業に進出した。介護関係の従業員は新規に採用した。
内容
∼介護事業に係るノウハウを建物づくりにも活用∼
訪問介護サービス、介護リフォーム事業、デイサービス施設による通所介護事業など
を展開する。介護事業から得たノウハウを建物づくりに活かし、従来の介護を超えて
暮らし方の提案まで行う。H14 年に黒字化を達成し、H16 年2月現在で年間売上 1.7
億円にまで成長した。公的支援として、能力開発機構の雇用・新規事業助成金を利用
した。
成功要因
苦心した点
介護事業に進出することへの理解を地元や建設業界から得るのに苦労した。社内から
は、建設業が縮小されるという不安の声が出た。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
建設業で獲得した信頼が介護事業を展開する上でも役に立っている。
公共工事依存から脱却し、H15 年度より公共工事から一切手を引く決心がついた。介
護支援事業を通じて住宅、リフォーム部門の受注が増え、また住宅建築に関するノウ
ハウを得られた。今後、街中に歩いていける通所施設を数多く設置するなどの提案を
行うことにより工事受注拡大につなげたい。
参考: 建設業振興基金HP、『新分野へ挑戦する建設業』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-25
22
福祉
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
介護施設の運営を中心とした介護ビジネスへの参入
美保テクノス(株)
鳥取県米子市昭和町 25
/
TEL
FAX 0859-22-0268
0859-33-9211
E-mail
進出事業の体制
社内体制
‐ /
/
URL
http://www.miho.co.jp
社内に介護福祉部を新設し、他に別会社を複数設立している。介護事業の従業員を新規採用し
た。
会社名
メディカ・サポート(株)
所在地
‐
問い合わせ先
105 人
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
‐
/ URL
‐
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼病院関係者との共同出資により別会社を新設、介護事業に参入∼
国や県の補助金で運営される施設は今後減少し大型の施設はできなくなるので、民間
が介護事業の新たな担い手となる。そこで介護事業は有望な分野と考え進出を決めた。
H11 年、介護保険導入に合わせて当社と病院関係者の共同出資により白鳥ケアサービ
ス(株)、続いて(株)美保企画を設立。H14 年にはメディカ・サポート(株)を設
立し介護医療分野へ本格参入した。
内容
∼通所、施設、福祉器具レンタル等、福祉に係る様々なサービスを提供∼
「白鳥ケアサービス」の設立により介護福祉器具レンタル、ケアプラン作成、リフォ
ーム事業に進出。さらに「美保企画」により優良賃貸住宅を開設し、
「メディカ・サポ
ート」により介護付き有料老人ホーム経営を開始した。
当社の介護福祉部が別会社で行う介護関連事業の企画立案、立ち上げを行う。
現時点では新規事業の人員は社外から雇用している。
成功要因
苦心した点
これからは可能な限り社内において人材育成や新規事業への異動を進めたいが、簡単
ではない。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
美保テクノス(株)が所有する不動産を活用して施設を建設している。
各地の施設間連携を図り多機能性を発揮したい。介護事業の経験を活かし施設建設の
受注増につなげたい。社内で人材育成を図りたい。
参考: 『新分野へ挑戦する建設業』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-26
23
福祉
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
介護用住宅改修など介護事業への参入
大谷建設(株)
山口県宇部市助田町7−13
TEL
0836-33-7878
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
/
72 人
FAX 0836-33-1056
oomac14@ymg.urban.ne.jp
(株)はんど
所在地
山口県宇部市小松原町2−10−24
TEL
0836-37-2377
/
FAX
E-mail vivall@40net.co.jp
取組の
きっかけと経緯
URL
http://www.ootani.co.jp
従業員 30 名体制の別会社を設立している。
会社名
問い合わせ先
/
0836-37-2378
/
URL
‐
∼介護保険制度導入に併せて介護事業に参入∼
高齢者や障害者の生活に欠かせない居住性の問題が建設業と密接に関係していると考
え、介護事業に進出した。介護保険制度の導入に合わせて、H11 年に(株)はんどを
設立した。
取 組 概要
内容
∼住宅改修、福祉用具の販売・レンタルなどの事業運営、地元密着度を重視∼
別会社(株)はんどを設立し、現在2店舗を開設して住宅改修、福祉用具の販売・レ
ンタルを行っている。
事業開始3年目のH15 年度には黒字化に成功した。
介護関係者向け施工実例集の作成や住宅改修セミナーの開催等を通じて地元密着度を
高めている。
成功要因
苦心した点
住宅改修業務は受注単価が低く、介護保険制度の浸透にも時間を要し、さらに制度適
用の申請手続きも煩雑であった。そのため、採算ラインに達するまで予定より時間が
かかった。
既存の経営資源
活用状況
介護保険を利用して住宅改修を行う時に必要な「住宅改修を必要とする理由書」の作
成には、家屋の構造に関する知識が必要となるが、当社は建設業の経験があるため利
用者の相談に乗ることができる。
取組の成果と
今後の展望
今後2∼3店舗を出店する計画である。将来的には工務店を対象にFC化を目指す。
参考: 『新分野へ挑戦する建設業』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-27
24
福祉
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
造園会社が園芸療法を活かしてデイサービス施設に参入
(株)馬原造園建設
宮崎県宮崎市大字瓜生野字垂門 3711
TEL
0985-30-3030
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
/
FAX 0985-30-3035
mahara@mahara.co.jp
/
URL
デイサービスセンター「この気なんの気」
所在地
宮崎県宮崎市大字本郷南方 5468-82
TEL
0985-56-9600
/
FAX
0985-56-3019
E-mail konoki@deluxe.ocn.ne.jp
取組の
きっかけと経緯
取 組 概要
内容
http://www.mahara.co.jp/index.html
社内に福祉事業部を設ける。専門家を含めてほとんどが新規雇用。
会社名
問い合わせ先
22 人
/
URL
http://www.mahara.co.jp/fukusi.html
∼遊休地活用とコンサルタントのアドバイスで新分野に展開∼
H12 年に東京から来たコンサルタントの講演で介護保険関連事業が有望との話を聞い
ていた。
H14 年に公共事業が減少する中で遊休資産となっていた資材置き場の処分を考えたが
うまくいかなかった。そこで、福祉分野への進出を考え、当時のコンサルタントと相
談し、市場調査や事業計画作成、資金借り入れ要請などの準備を進め、同年に施設を
オープンさせた。
∼介護保険を活かしてデイサービスと居宅介護支援を展開∼
介護保険法によるデイサービス(定員 35 名)と居宅介護支援を実施。
利用者には園芸療法の一環として、植物を育てるサービスメニューがあり施設の特色
となっている。
成功要因
苦心した点
造園業を活かして「園芸療法」を取り入れることで建設会社が行うことの違和感をな
くしたことと、利用者に対し患者扱いではなく心のこもったサービスを徹底したこと、
本業の信用力で融資を受けたことなどが成功要因である。
既存の経営資源
活用状況
遊休化している資材置き場、造園業としての植物のノウハウ、さらに建設会社として
の施設設計ノウハウなどを活用している。
取組の成果と
今後の展望
事業が黒字体質となってきたとともに、一部本業の人材を活用できた。ショートステ
イ事業にも展開を図りたいとしている。
参考: ヒアリングによる
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-28
25
福祉
県内土木業界初のデイサービスセンターを開設・運営
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
第一建設(株)
宮崎県宮崎市花ヶ島町小無田 662−5
TEL
0985-24-5056
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
/
FAX 0985-24-5092
info@daiichi-kensetsu.jp
/
デイサービスセンターはまゆう
所在地
宮崎県東緒県郡高岡町大字小山田 212−5
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
取組の
きっかけと経緯
取 組 概要
内容
URL
‐
子会社が運営し、センター長は本社から派遣している。
会社名
問い合わせ先
30 人
‐
/ URL
‐
∼介護保険法の施行を契機に福祉分野に進出∼
10 年以上前から企業体質を変換する必要性を感じており、産業廃棄物処理など様々な
新分野を模索していた。
介護保険法の施行が直接の契機となって事業化を決定した。
∼本社からの社員派遣と新規採用スタッフにより運営∼
H16 年6月、宮崎市と隣接する高岡町にデイサービスセンターはまゆうを開所した。
子会社が運営し、センター長は本社から派遣、スタッフは生活指導員や看護師など 11
人である。
定員は 25 人で、周辺1市5町を対象地域としている。当初は低い利用率に悩んだが、
H16 年下期には採算ラインに乗った。
成功要因
苦心した点
当初は試行錯誤の連続であり、特に低い利用率に悩んだ。この要因を地域密着経営と
経営者マインドの不足とみた社長が経験豊富なスタッフを登用、サービス内容を見直
すとともに広報活動を行い利用者数が一気に倍増した。
既存の経営資源
活用状況
元々資材置き場として利用していた敷地を活用した。また、本社社員にもホームヘル
パーなどの福祉関係の資格取得を加算手当てに含めるなど積極的に奨励している。
取組の成果と
今後の展望
事業安定化のめどは付きつつある。さらにサービスの質を高めて地域に密着した経営
を推しすすめたい。経営的には経常利益年間 1000 万円を安定的に確保できる体制にし
たい。
参考: 『財界九州』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-29
26
環境
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
環境対応関連事業への参入
小川組土建(株)
北海道深川市文光町8−33
TEL
0164-22-1234
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
23 人
FAX 0164-22-1356
m-ogawa@ogawa-con.com
/
URL
http://ogawajv1.wvn.biz/index.htm(工事中)
別会社を設立している。
会社名
(有)リバー産業
所在地
北海道深川市光町8−30
問い合わせ先
/
TEL
0164-26-8668
/
FAX
E-mail info@river2000.com
0164-26-8600
/
URL
http://www.river2000.com
内容
∼ドイツ・アウロ社製品の代理店契約などを元に環境バイオ事業に進出∼
H10 年、シックハウス対策に効果があるドイツ・アウロ社製品の北海道地区代理店と
なった。H12 年、環境関連事業を本格的に展開するため(有)リバー産業を設立し建
設業以外の事業を全て移管した。同年、アウロ関係者から米国製有用微生物製剤を紹
介されたのを契機に(有)バイオフューチャーと北海道総代理店契約を締結し、汚染
浄化や環境修復などの環境バイオ事業に進出した。現在、環境関連事業の年間売上は
5千万円程度である。小川組土建(株)建設部門から5名が(有)リバー産業に出向
している。
成功要因
苦心した点
情報を持っている企業にすぐ接触したこと、代理店契約を結び経費や事業リスクを軽
減しつつ事業化までの時間を短縮できたこと、ホームページを通じて情報発信したこ
となどが成功の要因である。
既存の経営資源
活用状況
資料作成、試験研究データ、報告書作成などにおいて建設業で培ったノウハウが活か
されている。
取組の成果と
今後の展望
環境関連事業のおかげで、グループ全体として雇用の維持につながっている。建設業
は「改修・維持・リフォーム」などサービス業態へシフトしてきている。当社は自然
環境の維持・修復等の環境バイオ事業と建設を結びつけて「地域建設サービス業」と
して展開し、将来的には「地域環境サービス業」を目指す。
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼シックハウス問題の報道が取組のきっかけ∼
H8頃からシックハウス問題が報道され始め、建設業者として問題意識を持ち始めた。
社内での検討の末、シックハウス対応仕様の木造マンション建設に取り組むこととな
り、これが環境ビジネス進出のきっかけとなった。
参考: 『建設業等の新分野進出・多角化事業』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-30
27
環境
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
産業廃棄物からのリサイクル品製造と農業生産法人の設立
橋場建設(株)
北海道上川郡風連町西町 198
TEL
01655-3-2541
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
/
31 人
FAX 01655-3-2540
hasiba@hokkai.or.jp
/
http://hasiba.co.jp
別会社を設立している。
会社名
北海道カーボナイズ(株)
所在地
北海道上川郡風連町字豊里 509−7
問い合わせ先
URL
TEL
01655-3-4589
/
FAX
E-mail hck6939@hokkai.or.jp
01655-3-4590
/
URL
http://www.carbonize.co.jp
内容
∼廃棄物処理に係るリサイクル品を製造・販売、製品を農業運営にも活用∼
H6年、廃棄物処理によるリサイクル品製造を目的に北海道カーボナイズ(株)を設
立、町から企業誘致補助金を得て3億円のプラントを設置した。ここでリサイクルし
た木酢液、木炭などをネット直販やホームセンターを通じて販売している。H15 年に
は五大農園(株)を設立し農業に参入。近隣農家から遊休農地を取得し約 35haの農
地を確保し、札幌の農業資材納入業者である大学農園(株)から指導を受けながら野
菜の有機・無農薬栽培を開始した。橋場建設から2名が五大農園に出向している。
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼プラントメーカーの紹介や町の助成で事業化を決意∼
土木工事等に伴い排出される抜根などの処理が当社でも問題となっていた折に、取引
先から長野県の廃棄物処理プラントメーカーを紹介され施設の設置を検討した。風連
町から工業団地への立地と助成の見通しが立ち、事業化を決めた。
成功要因
苦心した点
グループ3社の連携によって相乗効果を発揮している。
既存の経営資源
活用状況
北海道カーボナイズ(株)は橋場建設(株)の行う工事から出る廃棄物を処理する。
五大農園(株)は橋場建設(株)保有の機械や北海道カーボナイズ(株)の生産する
木酢液等を活用する。
取組の成果と
今後の展望
当社の木酢液は医薬品・医薬部外品になっていないので効能を表示できないのが悩み。
農業に関しては、初年度は農地取得に手間取り収穫は予想を下回ったが、H16 年度は
1億5千万円の売上を見込む。課題は産直ルートの開拓で、百貨店との商談や契約栽
培、通販サイト立ち上げなどを考えている。
参考: 『建設業等の新分野進出・多角化事業』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-31
28
環境
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
有機廃棄物等を利用したリサイクル事業
(株)岡山建設
青森県六ヶ所村大字倉内字芋ヶ崎 324−2
TEL
0175-74-2325
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
oka01@jomon.ne.jp
/
URL
‐
別会社を設立している。
(株)エドヴィック
所在地
青森県六ヶ所村大字倉内字笹崎 1031−2
TEL
0175-68-2211
/
FAX
E-mail edovic@edovic.com
取組の
きっかけと経緯
取 組 概要
内容
成功要因
苦心した点
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
63 人
FAX 0175-74-2537
会社名
問い合わせ先
/
/
0175-68-2222
URL
http://www.edovic.com
∼家畜糞尿と農作物残査処理の需要を元に環境事業を選択∼
六ヶ所村近辺では、農家が排出する家畜糞尿と農作物残渣の適正処理が課題になって
いたため、この状況を生かした新事業に環境事業を選択した。
H2年に相和物産(株)を設立、その後の実績を生かしてH13 年には(株)エドヴィ
ックを設立した。
∼家畜糞尿を原料とするリサイクル品を製造・販売∼
H2年に相和物産(株)を設立し家畜糞尿を原料とする緑化基盤材の製造・販売を開
始、現在では青森・十和田両市の下水汚泥処理も行う。
H13 年には新会社(株)エドヴィックを設立し、有機廃棄物再生利用のコンサルティ
ングや廃棄物処理システムの設計・製造・販売を行う。
リサイクル事業は企業、行政、農家など関連する様々な分野の連携が必要である。当
社はビジネスの話があれば常にチャレンジし連携体制を築いてきた。
‐
有機廃棄物利用の堆肥を用いた持続的農業と安全な農作物の地域還元、さらにバイオ
マス発電事業の実現を目指す。
参考: 『新分野へ挑戦する建設業』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-32
29
環境
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
自然(太陽、雪、風、木、水)を利用したエネルギーの開発
工藤建設(株)
岩手県水沢市真城字北舘 38−1
TEL
0197-23-4642
E-mail
進出事業の体制
社内体制
40 人
FAX 0197-25-7609
kkudo@ku-dos.co.jp
/
URL
http://www.ku-dos.co.jp
別会社は設立せず、社内に2名体制の研究開発事業部を設置。研究開発担当社員は製造・設計
経験者を新規採用した。
会社名
‐
所在地
‐
問い合わせ先
/
/
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
‐
/ URL
‐
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼大学教授との出会いがきっかけでクロスフロー型風車の開発に着手∼
当社では「環境保全事業」を最重要課題と捉え、環境分野の新規事業に取り組んでい
る。技術開発担当の社員は全て新規に採用している。新分野進出の着手はH9年に開
始したクロスフロー型風車の開発からで、これは工学院大学教授と当社社長との出会
いがきっかけとなった。
内容
∼風力発電装置の販売を契機に環境配慮型公共事業も受注∼
クロスフロー型風力発電装置の開発施工の他、木質バイオマス利用なども手がけてい
る。中でも風力発電装置は既に道の駅や小学校への設置実績がある。装置の販売を契
機として、環境配慮型公共事業の受注にも繋げており、本業への好影響にもつながっ
ている。風力発電の性能評価は岩手大学と共同で実施した。H14 年より(株)タカシ
ュウと提携し発電装置の製造・販売を委託している。当社は製造は行わず、当社で設
計したものを製造委託している。現在、新規事業全体の年間売上は1千万円程度で赤
字である。
成功要因
苦心した点
受注産業である建設業は、新しい発想を商品化してゆく製造業のプロセスになじみに
くく、発想は出てもなかなか製造・販売まで至らないことに苦労した。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
研究開発担当の社員は全て製造・設計経験者を新規採用した。
自社の取り組みが新聞等で取り上げられ知名度が上がった。6年間の研究開発により
自社技術の優位性が増した。土木以外の知識を蓄積したことで発注者への提案力が増
し、社員の士気も向上した。課題は利益が上がる段階まで持っていくこと。他に技術
的課題として、発電装置の街灯部分の電球を高圧ナトリウムから白色LEDに変更す
る取り組みを行っている。
参考: ヒアリングによる
分野
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
業種
新規
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
事業
規模
本業
5 人以下
添-33
30
環境
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
木くずを活用したリサイクル商品の開発
(株)阿部総業
岩手県胆沢郡胆沢町若柳字愛宕 796
TEL
0197-46-5155
E-mail
/
dot1660@abesohgyo.co.jp
進出事業の体制
新会社を設立した。
会社名
(有)ラナシステム
所在地
岩手県胆沢郡胆沢町若柳字愛宕 250
TEL
0197-49-2843
/
FAX
/
取 組 概要
内容
URL
http://www.abesohgyo.co.jp
0197-49-2843
E-mail ranasystem@mx36.tiki.ne.jp
取組の
きっかけと経緯
約 50 人
FAX 0197-46-4155
社内体制
問い合わせ先
/
/
URL
http://www.ranasystem.com/
∼木くず中間処理施設の営業がきっかけ∼
H13 年、木くず中間処理施設の営業を開始したのを契機に環境関連の新分野へ進出し
た。
∼木くずを活用し木質有機土壌を開発。商品化を目指し大学との共同研究を推進∼
H13 年に建設副産物などの木くず中間処理施設の営業を開始し、日量 240tの木くず
を処理する。チップは畜舎、暗渠材、ボイラー燃料などとして利用している。H16 年
に木質チップ・加工・販売を担う専門会社(有)ラナシステムを設立し、業務を引き
継いでいる。10 月には岩手大学農学部との共同研究で、木質チップと乳酸菌を混合し、
完熟させた有機特殊堆肥「乳酸エコチップ」の商品開発に成功し、産地直売所等で販
売を開始した。H16 年冬からは木質ペレット製造工場を立ち上げ、製造及び供給事業
を開始する。
成功要因
苦心した点
岩手大学農学部教授との共同研究により、
「エコ養土」の肥料効果や土質改善効果が確
認され、このデータに基づいて関連製品の開発や高品質の木質有機土壌の開発研究に
繋がっている。
既存の経営資源
活用状況
当社創業時から産業廃棄物処理業を展開しているため、既存の施設・ノウハウなどが
活用できた。
取組の成果と
今後の展望
当面の目標は、エコ養土を早期に商品化し県から再生資源利用認定を受けること。さ
らに、この事業を全国に広め循環型社会の形成に貢献したい。
参考: 『新分野へ挑戦する建設業』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-34
31
環境
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
家畜排泄物の低コスト処理施設の開発・施工
仙舗建設(株)
宮城県仙台市若林区伊在字東通 16−1
TEL
022-287-3901
E-mail
進出事業の体制
社内体制
URL
15 人
FAX 022-287-3905
‐
特に別会社は設立せず、担当部署として3人体制の環境事業部を設けた。
会社名
‐
所在地
‐
問い合わせ先
‐ /
/
/
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
‐
/ URL
‐
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼他業者から聞いた微生物の話がきっかけ∼
建設業本体の先行きに不安を持っていた折に、業者から微生物についての話を持ち込
まれたのがきっかけ。代表者の実家が農家で、酪農家・畜産農家の苦労を知っていた
ことも発端となった。
内容
∼東北大学等と連携し家畜排泄物処理システムを開発、畜産農家から施工の受注∼
当社が東北大学等と連携して微生物を用いた無放流型畜舎汚水処理システム「NSク
ローズドシステム」を開発。これにより、家畜排泄物(汚水)処理にあたる酪農家・
畜産農家の負担を軽減しつつ、従来型の設備と比べコストを抑制した。
宮城県等の畜産農家からこのシステムを使った低コストのし尿処理施設を受注・施工
している。
成功要因
苦心した点
成功要因は、システムの開発にあたって、共同研究を行う相手先(東北大学等)を見
つけることができた点である。苦労した点は、補助金の申請が煩雑で手間がかかった
ことである。
既存の経営資源
活用状況
従業員の事務・営業等の通常の職務能力とともに、施設建設のための技能等が活用で
きている。
取組の成果と
今後の展望
売上は4千万円に達しており、本業収益へ貢献している。取引先が増加するなどビジ
ネスの幅が拡大。マスコミ等の取材が増え自社PRの機会が増えた。また、従業員の
雇用を維持できた。
今後の課題としては、環境整備に対する国や自治体の対応や、本システムを導入する
畜産農家への補助金など法的面での整備が問題となってくる。
参考: ヒアリングによる
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-35
32
環境
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
建設発生土を高品質な改良土へリサイクル
五十嵐建設(株)
新潟県新潟市青山1−12−8
TEL
025-231-2116
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
/
35 人
FAX 025-231-2119
i2312116@blue.ocn.ne.jp
/
URL
3 社共同出資による企業体として運営している。従業員は5名で、うち3名が本社からの派遣。
会社名
新潟土質改良センター
所在地
新潟県中蒲原郡亀田町大字鵜ノ子字鮫面 733
問い合わせ先
TEL
025-287-5031
E-mail
取組の
きっかけと経緯
内容
取 組 概要
成功要因
苦心した点
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
http://www.ikarashi-kensetsu.com
-
/
/ URL
FAX
025-287-5080
-
∼建設リサイクル推進計画'02 がきっかけ∼
建設リサイクル推進計画'02 をうけ、建設発生土のリサイクル営業に取り組んだ。
∼他社との共同出資による企業体として建設発生土のリサイクル事業を運営∼
福田道路(株)、敦井産業(株)との共同出資で新潟土質改良センターを開設した。
当センターは建設発生土を受け入れ、自走式土質改良機によって改良土をリサイクル
する事業を展開している。
従業員は5名で、そのうち3名が当社から派遣されている。
自走式土質改良機は従来の工法に比べ高品質・無公害であり、全体として低コストに
なっている。また建設発生土の工事間流用がスムーズになる利点がある。
公共工事においては新技術機械であるため理解がなかなか得られず設計等に十分反映
されなかったが、建設リサイクル'02 により機運が高まり需要も増加した。
共同出資会社へ当社から3名が出向している。
自走式土質改良機は高品質の改良土を高効率で作ることができ、好評である。この改
良機の所有により受注機会が拡大している。
今後は、残土の自由処分を続ける業者に対して、その処分代があれば改良土代が支払
えること、当社がリサイクルに貢献し環境に配慮している企業であることをPRして
いきたい。
参考: 『建設業等の新分野進出・多角化事業』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-36
33
環境
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
木質バイオマスの資源ガス化・水素製造技術の事業化
相村建設(株)
新潟県上越市大字下源入 186−6
TEL
025-543-3456
E-mail
進出事業の体制
社内体制
96 人
FAX 025-543-3457
info@aimura.co.jp
/
URL
http://www.aimura.co.jp
別会社は設立せず、平成 13 年に開発部を新設。研究開発は建設部門からの人員を活用。
会社名
‐
所在地
‐
問い合わせ先
/
/
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
‐
/ URL
‐
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼環境規制の整備に伴う時代の要請∼
建設リサイクル法やダイオキシン類対策特措法など環境規制が整備されたため従来の
直接燃焼による処理が困難になり、資源リサイクルが時代の要請となっている。
内容
∼木質バイオマスの資源のガス化装置を開発、産学官連携による実用化の途上∼
木質バイオマスをガス化し電気、熱さらに水素ガスを高効率に回収する装置を開発し
ている。H13 年に社内に開発部を新設し建設部門から人員移籍して研究開発を開始し
た。東京理科大学やシンクタンク、ガス化プラントメーカーと連携して実用化を目指
している。開発には上越市などの補助事業制度を活用し、H15 年度にNEDO補助事
業・事業化可能性調査を実施した。
成功要因
苦心した点
本業とは異なる化学分野の基礎的な知識の蓄積に苦労した。また、異業種からの取組
みなので補助事業等で評価を得ることが難しい。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
建設部門からの人員を活用し研究開発を行った。
「有機物系廃棄物のガス化装置」について、H15 年 11 月に特許を出願した。実験で
高濃度の水素ガス発生を確認し、ガス化プロセスの有効性を検証できた。環境事業に
取り組むことで企業イメージが高まった。他地域の建設業者との交流から、地域を越
えた提携の可能性が出てきた。課題はガス化プロセスの完成度を高めること、製品の
コストダウン、地域住民の水素エネルギー利用に対する理解と協力を得ること。今後、
実用化に向けた実証実験へ移行し、モデル地域でエネルギー供給システムの構築を目
指す。
参考: 『建設企業の新分野・新市場進出事例集』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-37
34
環境
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
雪を利用した新エネルギー利用施設の提案
(株)坂詰組
新潟県阿賀野市保田 4177−1
TEL
0250-68-5555
E-mail
進出事業の体制
社内体制
‐
所在地
‐
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
取組の
きっかけと経緯
内容
取 組 概要
成功要因
苦心した点
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
URL
80 人
FAX 0250-68-3772
‐
別会社は設立せず、新たな組織も特に立ち上げていない。
会社名
問い合わせ先
‐ /
/
/
‐
/ URL
‐
∼マイナスイメージの雪をエネルギー源に∼
雪といえばマイナスイメージがつきまとうが、そこから新しいエネルギー資源が生ま
れることに魅力を感じたのがきっかけである。
∼雪氷・バイオマスなど新エネルギー利用施設の提案∼
雪氷・バイオマスといった新エネルギー利用施設の提案を行っている。
H15 年に雪山の融解保存実験を行った結果、平野部でも雪氷利用が可能なことが実証
された。この結果をもとに、JA・福祉法人・食に関係する企業等に提案営業を継続
している。
電力コスト削減や、他企業との差別化を図りたい企業が当社の事業に関心を示してい
る。(財)雪だるま財団や電源開発などと情報交換を行っている。
新組織は立ち上げずに新事業を展開している。
雪の確保の対応策をたてた。「雪」が持つプラス面の PR に苦労している。
‐
他製品・食品・食物との差別化を考える企業や、電力コスト削減を図りたい企業が関
心を持ってくれている。100%新エネルギーに頼るのではなく、従来の電力エネルギー
に新エネルギーを組み合わせて効率を上げ、環境に配慮しエネルギーを確保する。新
エネルギー利用施設への補助金の対象が「新設」に限られているので、
「改修」施設へ
も広げてほしい。
参考: 『建設企業の新分野・新市場進出事例集』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-38
35
環境
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
間伐材を活用した舗装技術を実用化・施工
小木曽建設(株)
長野県下伊那郡豊丘村神稲 9313
TEL
0265-35-1600
E-mail
進出事業の体制
社内体制
‐
所在地
‐
内容
取 組 概要
成功要因
苦心した点
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
FAX 0265-35-7499
webmaster@ogiken.co.jp
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
取組の
きっかけと経緯
49 人
/
URL
http://www.ogiken.co.jp
別会社は設立していない。
会社名
問い合わせ先
/
/
‐
/ URL
‐
∼社長の息子の発案で間伐材を活用した舗装を開発∼
有数の森林県である長野県では間伐材の利用促進が課題となっている。これを背景と
して、当社社長の息子の発案で間伐材を活用した舗装の開発を開始。社内研究開発は
発案者単独で進める一方、森林組合と開発提携した。
∼間伐材利用のウッドブロック舗装を実用化、公共工事受注を目指し事業展開中∼
木材の腐敗防止のための透水性舗装とウッドブロックを組み合わせた新しい舗装技術
を実用化した。地方自治体の公園緑地課等を顧客領域と考えているが、発注者側の新
工法への認知度が低く当面は民間工事を主体に施工してゆく方針である。新規の資金
調達や人材採用はせずに新事業を展開している。
開発の成功要因は、社長の地縁で森林組合との提携を友好的に進めることができたこ
と、既存の社有施設・人的資源を活用できたこと、県内の試験設備を利用できたこと
である。
開発のための実験場、資機材および労務は社有施設や本業の体制を活用して十分にま
かなうことができた。
新事業の実施は企業イメージの向上や開発マインドの定着につながった。自治体の「仕
様基準」が既存技術に限られ新技術が公共事業に採用されない問題を改善してほしい。
参考: 『建設業の新分野進出』
、建設業振興基金HP
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-39
36
環境
環境・景観面に配慮した新舗装材の開発
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
(株)イマムラテクノ
宮崎県宮崎市大字小松 969
TEL
0985-47-3822
E-mail
進出事業の体制
社内体制
‐
所在地
‐
取 組 概要
内容
成功要因
苦心した点
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
FAX 0985-47-4661
imamurap@osu.bbiq.jp
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
取組の
きっかけと経緯
43 人
/
URL ‐
別会社は設立していない。
会社名
問い合わせ先
/
/
‐
/ URL
‐
∼塗装の世界において取り組まれていた環境への配慮が取組のきっかけ∼
建築物や橋梁の塗装、防水工事を公共工事などで行っていたが、バブル経済崩壊前後
から危機感を感じていた。当時塗装の世界において環境への配慮が取り組まれていた
こともあり、地域の資源や自然の素材を生かした新舗装材の開発に取り組むこととし
た。
∼県産の自然素材を活用し新しい舗装材を開発、実用化∼
県産の自然素材(ビリ、砕石、真砂土、シラス等)を一定の割合で配合した、無機系
の透水性舗装(クリーンロード)を開発し、園路、歩道、広場等に幅広く用いられて
いる。さらに、真砂土を袋詰製品化し、散水するだけで固まる誰にでも出来る簡単施
工の自然舗装材(ハーデンソイル)も開発実用化し、営業展開をしている。
何れも透水性・強度・環境配慮性・照り返し・防草・土砂流出防止の機能を有する。
経営革新支援法に基づく経営革新計画の承認を得、さらに宮崎県産業支援財団の助成
を得た上で新舗装材の開発に成功した。製品化のためには宮崎大学地域共同研究セン
ターでの技術指導などを得られたことが助けとなった。
本業の塗装・舗装業務の技術が活用できた。
開発した商品は取引先の反応もよく、新商品の性能に惚れ込んだ県外企業から工場を
作りたいと申し出があり、共同で準備を進めている。今後も様々なつながりを大切に
しながら可能性を広げたい。
参考: 『経営読本』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-40
37
環境
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
廃ガラスビンを景観舗装材に活用
(株)田島組
鹿児島市西伊敷7−24−13
TEL
099-218-1288
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
/
50 人
FAX 099-220-3323
info@tajima-gumi co jp
/
http://www tajima-gumi co jp/
別会社を設立した。
会社名
(有)日忠交易
所在地
鹿児島県薩摩郡さつま町永野 1478−22
問い合わせ先
URL
TEL/FAX
E-mail
0996-58-0638
-
/ URL
-
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼「容器包装リサイクル法」施行が新事業のきっかけ∼
「容器包装リサイクル法」の施行に伴い、排出される廃ガラス瓶の再資源化すること
を目的として、平成 10 年6月に新会社を設立、新事業に参入した。
内容
∼廃ガラスビンを景観舗装材に活用∼
県内自治体より空きビンを回収し、固定式ガラス瓶破砕機の連続エッジレス方式でガ
ラスカレット(ガラス破砕片)を製造し、ガラス再生品として、公園・歩道等にデザ
イン(レンガ調、絵柄など)を施した透水性景観舗装や、夜間目に付くアスファルト
カレット舗装等に再利用した。現在、国土交通省の宮之城地区景観整備や川辺ダム、
各地のリバーフロント事業、鹿児島市の歩道など数多くの施工実績を上げている。
成功要因
苦心した点
「地産地消」の重要性が認識され始めている現在、リサイクル製品である本製品は発
注者側が採用するに当たり有利になっている部分があると思う。しかし、リサイクル
製品は新品よりもコストがかかってしまうので、単価の面で発注者側の要望とズレが
生じてしまうこともある。現在は「リサイクル」という言葉だけが先行してしまって
いる現状がある。行政側の協力なしにはこのリサイクル業は成り立たないので、より
実効的な支援・協力が必要である。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
当社の実績により、平成 13 年 10 月にリサイクル推進協議会よりリサイクル推進功労
者として表彰を受け、平成 14 年度には国土交通省九州地方整備局主催の「新技術説明
会(九州建設技術開発会議)」において当社の技術を発表するなど、自社の知名度アッ
プに貢献した。
参考: 田島組HP、ヒアリングによる
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-41
38
リフォーム 福祉住環境、土木環境ビジネスへの進出
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
加藤組土建(株)
北海道函館市千歳町3−2
TEL
0138-23-7101
E-mail
進出事業の体制
社内体制
71 人
FAX 0138-26-6930
info@katogumi.com
/
URL
http://www.katogumi.com
別会社は設立せず、社内に担当部署を設置している。ケアマネジャーを新規採用した。
会社名
‐
所在地
‐
問い合わせ先
/
/
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
‐
/ URL
‐
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼建設産業施策大綱がきっかけ∼
H7年に建設省(当時)が示した「建設産業施策大綱」を契機に、環境変化に対して
新たな経営戦略で臨む必要があると考えた。H13 年にリフォーム事業室(現在、福祉
事業部)、H14 年に環境事業室(現在、工事部環境事業G)をそれぞれ設置し新規事
業に参入した。
内容
∼専門資格を持つ者を中心とした福祉住環境のリフォームの提案∼
リフォーム事業では社内に「居宅介護支援事業所KDケアネット」を設置し、新規採
用したケアマネジャーを中心として要介護者に直接関わりながらリフォームの提案を
行っている。福祉事業部のスタッフは福祉住環境コーディネーターの資格を持つ。産
官の異業種間ネットワークを作り住宅改修の勉強会等を開催し、またアネカムジャパ
ン(株)と新型手すりの共同開発契約を結ぶなど外部との連携を積極的に行っている。
H14 年より開始した環境事業では、地質汚染調査など複数の環境関連事業を展開して
いる。これら新事業に社内から6名を専任スタッフとして配置している。
成功要因
苦心した点
リフォーム専用サイトで情報発信して新たな顧客を開拓した。また社内に人材や情報
が無い場合は積極的に外部と連携して効率的にビジネスを展開している。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
環境事業の展開にあたり、土木工事で培ったコンクリート技術を活用している。
環境関連では、道内中堅6社とともに結成した「とりりおん北海道」で産学官の研究
コンソーシアムをH16 年度に立ち上げる意向。また「とりりおん」7社で事業協同組
合を設立。介護分野では下岡建設(京都府)などと「マスカット」を設立し、土地オ
ーナーに対し特定有料老人ホームを提案する事業を開始、全国展開を狙う。
参考: 『建設業等の新分野進出・多角化事業』、建設業振興基金HP
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-42
39
リフォーム 住宅・店舗等のリフォームの設計・施工
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
(株)大建建設
新潟県新潟市浜谷町1−2−6
TEL
025-271-5521
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
info@heartlifedaiken.com
所在地
新潟県新潟市河渡2−2−12
URL
http://www.heartlifedaiken.com/index.htm
TEL
Daiken
025-271-6366
/
FAX
025-271-7307
E-mail info@heartlifedaiken.com
内容
/
新会社は設立していない。店長やリフォームアドバイザーを新規採用。
ハートライフ
取組の
きっかけと経緯
16 人
FAX 025-271-5913
会社名
問い合わせ先
/
/
URL
http://www.heartlifedaiken.com/index.htm
∼高齢化社会による需要を見込んでリフォーム事業に進出∼
公共投資の大幅な減少と景気後退の影響で本業の先行きが不安となる中、高齢化社会
でニーズが高まっているリフォーム事業に進出した。
取 組 概要
∼地域密着の営業を行いリフォーム事業の設計・施工を展開。助成制度を活用∼
一般の住宅、共同住宅、店舗等のリフォームに関する設計・施工を行う。
本業で養ったネットワークや会社の信用を最大限に生かすため、ショールームを兼ね
た店舗を開設し地域密着の営業を行っている。
事業資金は自己資金で調達した他、中小企業雇用創出人材確保助成金および中小企業
高度人材確保助成金を活用している。
成功要因
苦心した点
本業と関連するので苦労は少なかったが、新築とリフォームのどちらに進出するかで
検討を要した。
既存の経営資源
活用状況
経営者等の人的ネットワーク、仕入先、土地等で本業の経営資源を活用できている。
取組の成果と
今後の展望
本業で養った人間関係を通じた受注や、新聞折込、ポストイン、フェア開催等でまず
まずの成果をあげた。
今後の課題は認知度を高め売上に結びつけることと、数ある他のリフォーム業者との
差別化を図ることである。
そのために顧客満足を徹底し当社の「ウリ」を確立する。
参考: 『建設企業の新分野・新市場進出事例集』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-43
40
その他
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
本業の経験を活かし清掃・介護・警備事業を展開
(株)サンエス工業
北海道登別市栄町3−12−1
TEL
0143-86-8111
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
kiyomasa@ax2.mopera.ne.jp
所在地
北海道登別市栄町3−12−1
TEL
0143-86-0688
/
FAX
取 組 概要
成功要因
苦心した点
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
URL
‐
0143-86-0677
E-mail info@kitanihon-bs.co.jp
内容
/
別会社を設立している。社員2名を新規採用した。
北日本ビルサービス(株)
取組の
きっかけと経緯
12 人
FAX 0143-86-8112
会社名
問い合わせ先
/
/
URL
http://www.kitanihon-bs.co.jp
∼下請け企業からの脱却、本業の経験を生かせる業種に参入∼
下請け企業からの脱却を図り、建築関連の仕事の経験を生かせる業種に参入した。
H3年、北日本ビルサービス(株)を設立し,社員数名で清掃事業を開始した。
H11 年には福祉事業部を新設して福祉関連事業に進出。現在、介護事業部は正社員4
名とホームヘルパー20 名で展開中。
同年、社員2名を新規採用し警備事業部を立ち上げた。
∼清掃・介護・警備事業を展開、売上は 4.7 億円∼
清掃事業は初年度に3千万円を売上げ、H10 年には年商3億円を達成した。
介護事業はH12 年に介護保険適用事業所となり、H15 年の売上は5千万円となった。
警備事業の初年度の売上は 500 万円であったが、H15 年度は年商 1.3 億円を達成した。
清掃・介護・警備の3事業を合わせた北日本ビルサービス(株)のH15 年度の売上は
4.7 億円にのぼる。
清掃事業は新築件数の減少や価格競争等で収益が厳しい。
清掃事業では建築関連の仕事の経験を活かすことができる。
介護事業は訪問介護以外に、高齢者向けマンションと 30 人定員のディ・サービスセン
ターを4月開設した。
参考: 『新分野へ挑戦する建設業』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-44
41
その他
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
天然温泉入浴施設の経営
丸富士三浦建設(株)
北海道河西郡芽室町東芽室基線3
TEL
0155-62-1966
E-mail
進出事業の体制
社内体制
所在地
‐
marufuzi@jeans.ocn.ne.jp
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
取 組 概要
内容
成功要因
苦心した点
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
FAX 0155-37-6044
/
URL
http://www1.ocn.ne.jp/ marufuzi/
理師等を雇用している。
‐
取組の
きっかけと経緯
17 人
別会社は設立せず、温泉業務に充てるため、女性 16 名を雇用した。また、2号店のため更に調
会社名
問い合わせ先
/
/
‐
/ URL
‐
∼温泉好きの社長の趣味を反映∼
本業の経営方針を収益重視に転換し負債の圧縮につとめ、投資余力が出てきたH5年
頃から新分野進出の検討を開始。
高度な技術を必要としない・過当競争になりにくい・一過性に終わらない、という条
件で様々な可能性を探った。最終的には温泉好きの社長の趣味が反映し、温泉施設を
建設することになった。
∼温泉施設の建設、運営、助成金を活用∼
H8年、社長自らが基本設計を行い 3.3 億円を投じて温泉施設「鳳の舞」を建設した。
年間 24 万人の入浴客を安定的に確保している。H14 年度の売上は 9600 万円で利益は
当社全体の半分を占めている。国の地域雇用開発助成金を受け、立ち上げ時の運営資
金に活用した。また、公衆浴場への助成制度などで町から毎年助成を受けている。
新分野への投資余力が出てくるまで内部留保を確保したこと。施設の水準を確保した
こと。徹底的な社員教育をしたこと。助成金等を有効に利用したこと。
施設はすべて自社で施工しており、経費の節減が図られている。
温泉事業は安定的な収入源となっており、建築部門が悪いときでも補うことができて
いる。既存温泉施設を改修してH16 年には2号店をオープンする。ビジネスホテルも
併設して、宿泊部門にも新たに乗り出す。また、賃貸マンション経営・管理受託事業
にも進出しており、今後拡大していきたいと考えている。
参考: 『建設業等の新分野進出・多角化事業』『新分野へ挑戦する建設業』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-45
42
その他
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
テーマ施設を利用したテナントビル開発
(株)八重樫工務店
宮城県柴田郡大河原町字新南 20−5
TEL
0224-52-1736
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
office@yaegashi-k.co.jp
所在地
宮城県柴田郡大河原町字新南 34−5
TEL
0224-52-3960
E-mail ‐
取 組 概要
内容
成功要因
苦心した点
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
/
URL
http://www.yaegashi-k.co.jp
関連会社「仙南ハウス産業(株)」がビルを管理している。
仙南ハウス産業(株)
取組の
きっかけと経緯
53 人
FAX 0224-53-4788
会社名
問い合わせ先
/
/
/ URL
FAX
0224-52-3962
http://www.shsk.co.jp
∼関連会社所有の市街地の駐車場を有効活用∼
関連会社仙南ハウス産業(株)が所有する市街地の平面駐車場を有効活用したいと考
え、ビル開発に着手した。ビルに付加価値を与えるためラーメンをテーマにした施設
を作ることにした。
∼テナントビルを開発、競争意識やエンターテイメント性を高める契約方式∼
5階建て立体駐車場付きテナントビルを開発し、ラーメンのテーマ施設「ラーメン国
技場仙台場所」をオープンさせた。
1階部分に数店舗のラーメン屋が単年契約で入居し、売上が低い2店舗とは契約更新
しない方式で競争意識やエンターテイメント性を高めている。
2∼5階フロアはテナントスペースとしている。
‐
関連会社が所有する不動産を有効活用した。
様々なイベントを提供し、ビルの魅力をさらに引き出したい。
参考: 『新分野へ挑戦する建設業』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-46
43
その他
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
モザイキング技術を応用した画像処理技術の開発
会津土建(株)
福島県会津若松市追手町5−36
TEL
0242-26-4500
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
63 人
FAX 0242-29-5911
info@adoken.co.jp
/
URL
http://www.adoken.co.jp
別会社を設立している。インターネットで世界各国から技術者を募集し研究活動。
会社名
(株)エマキ
所在地
福島県会津若松市東栄町2−8
問い合わせ先
/
TEL
0242-29-1910
E-mail ‐
/
/ URL
FAX
0242-29-5916
http://www.emaki.com
内容
∼新しい画像技術を開発、国際的に産学連携し実用化、売上は毎期倍増∼
複数の画像をつなぐことによって広い領域を一目で把握できる全体像を作成する画像
技術「Mofix]を開発した。この技術は工事の進捗状況の把握や計画段階での完
成状況の予測、災害時の全体状況の把握などに用いられる。ヘブライ大学のモザイキ
ング技術を導入し、技術の実用化に向けてはインターネットで世界各国から技術者を
募集し会津大学とも協力して研究を行った。「エマキ」の売上は毎期倍増し、H15 年
度で 2.2 億円となっている。最近では、新潟中越地震による新幹線被災状況を空中連
続画像として全国紙に配信した。
成功要因
苦心した点
新しい取組みであるため、顧客、特に役所に対する技術営業に苦労した。技術展示会
を多く実施し様々な賞を受賞したことや、ホームページで最近の技術を紹介したこと
が売上の増加につながった。
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼IT技術の開発と社内活用がきっかけ∼
情報の一元化、コンピュータネットワークの構築などIT技術の開発と社内活用がき
っかけとなった。H12 年、完全独立の画像処理会社「エマキ」を設立、当社社長は会
長として全体統括し代表者は別人としている。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
会津土建からIT技術者を転籍させ、画像処理の受注に対応させている。
会津土建が「Mofix」を使用することで工事発注者の顧客満足度が上がり、さら
にこのことによって「Mofix」の認知度が高まるというシナジー効果が生まれて
いる。今後の課題としては、維持管理の分野で必要とする多大な情報量を有効に利用
できるシステムを、国土交通省などの顧客に提供していきたい。
参考: 『建設業の新分野進出』
、建設業振興基金HP
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-47
44
その他
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
コンビニ、レストランの運営や農業経営
遠藤建設(株)
新潟県佐渡市八幡 1966−1
TEL
0259-57-3111
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
103 人
FAX 0259-52-4567
honsha@endo-co.sado.jp
/
URL
http://www.sado.co.jp/endo-sumai/
新会社「(株)ハッピーステーション」設立。総務、サービスの2部門 30 人体制で運営。
会社名
(株)ハッピーステーション
所在地
新潟県佐渡市中原 315−3
問い合わせ先
/
TEL
0259-57-4701
/
FAX
E-mail happy-2@e-sadonet.tv
0259-51-4701
/
URL ‐
内容
∼コンビニ、レストランなどフランチャイズ営業、他には農業経営にも進出∼
H8年に開始したコンビニエンスストアは現在6店舗で、売上は安定している。
H12 年には子会社からフランチャイズのファミリーレストランを開店させた。
これまでの建設資金は当社が建設費用を負担、子会社は地代家賃を支払う。
この他にも、H12 年に農業生産法人「(有)アイランドファーム」を設立し農業経営
にも取り組んでいる。
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼地元に無かったコンビニエンスストアに着目∼
公共事業の受注は将来増加状況に無いことから、いち早く異業種参入を模索した。
佐渡に無かったコンビニエンスストアに着目し、H11 年に子会社(株)ハッピーステ
ーションを設立した。
成功要因
苦心した点
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
コンビニなど小売・サービス業のノウハウがなく、成功を判断する損益分岐点を示せ
ず、内部の理解を得るのが容易ではなかった。人材確保も大変だった。
フランチャイズは本部機能が充実しきめ細かい指導をしてくれる点が役に立つ。
今までは建設費用として遠藤建設(株)の資金を活用している。
当社には定期的に地代家賃が支払われ、遊休資産の活用につながっている。サービス
業が窓口となり、本体の土木建築に情報収集の面で貢献している。
今後の新規事業としては、セレモニーホール、オリジナル弁当工場、コンビニ増店な
どを検討している。
参考: 『建設業等の新分野進出・多角化事業』『新分野へ挑戦する建設業』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-48
45
その他
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
惣菜専門店の運営
(株)ナカタニ建設
山口県玖珂郡和木町和木5−8−37
TEL
0827-52-2651
E-mail
進出事業の体制
社内体制
‐
所在地
‐
内容
取 組 概要
成功要因
苦心した点
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
FAX 0827-53-7666
rgtcb309@ybb.ne.jp
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
取組の
きっかけと経緯
6人(パート 35 人)
/
URL
‐
社内に外食事業部を新設している。調理はすべてパートタイマーが行っている。
会社名
問い合わせ先
/
/
‐
/ URL
‐
∼脱建設業に賭ける∼
建設不況のあおりで売上が急減し、脱建設業に生き残りをかけた。
∼総菜専門店の開店、高収益を実現∼
新設された外食事業部のもと、惣菜専門店「健康家族まな板のおと」を開店した。
惣菜は全てパートタイマーの主婦が店内で調理する。
この3年半で岩国市内に3店舗出店し、
営業利益率 20%という高収益を実現している。
銀行や建設業界関係者などで新規事業に反対する者が多く、軌道に乗るまで支援活動
が殆ど無かった。出店にふさわしい土地を見つけるのに苦労した。
成功要因は、事前調査での来客予測がほぼ当たっており計画的な経営ができているこ
と、独自の店舗運営に対する顧客の支持が多いことである。
当社の建築機能を活用し、店舗建築コストを 30%削減することができた。
新たな収益源を確保し、建設業運営での高額な借入金を返済するめどが立ちつつある。
それにより銀行や保証人から信頼されつつある。また、新規事業に挑戦することで経
営者の資質が向上した。
課題は多店舗展開を図るための出店資金と人材の確保である。
今後は定食など複数の業態に挑戦し、H20 年には株式公開を目指す。
参考: 『新分野へ挑戦する建設業』、建設業振興基金HP
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-49
46
その他
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
焼酎製造に参入
旭建設(株)
宮崎県日向市向江町1−200
TEL
0982-52-1234
E-mail
進出事業の体制
社内体制
/
/
65 人
FAX 0982-52-2100
asahi01@construction.co.jp
/
http://www.construction.co.jp/
社内に新規事業部を立ち上げた。社長を含めた3名体制で運営している。H18 年までに 12 人を
地元で雇用する予定。
会社名
(株)富乃露酒造店
所在地
宮崎県東臼杵郡東郷町大字山陰辛 212−1
問い合わせ先
URL
TEL
‐
/ FAX
E-mail ‐
‐
/ URL
‐
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼休業状態だった蔵元から営業権を譲り受け∼
社長がもともと地域文化を発信したいと思っており、
「ふるさとと食文化」をキーワー
ドに新分野進出を模索していた。酒類製造免許を新規に取得することが困難であった
ため、すでに免許を持つ業者から営業権を譲り受けるため、蔵元を回り、当時鹿児島
県に本社を置く富乃露酒造店から免許を得た。東郷町有地 3300 平方メートルを買い受
け、総事業費約4億円をかけて工場を建設、H16 年8月に仕込みを開始した。
内容
∼地元唯一の酒造の復活、地元密着の焼酎を志向∼
酒類製造の営業権を休業中の蔵元から譲り受け、焼酎製造を開始。地元唯一の蔵を失
っていた東郷町も歓迎し、誘致企業として招かれた。年間製造量 400 石を計画してお
り、すでに関係者からの問い合わせがきているが、地元密着の焼酎を目指し、今のと
ころ全国展開を考えていない。初蔵出しは、H16 年 12 月の予定である。
成功要因
苦心した点
富乃露酒造店が休業中であったことなどの多くの偶然や幸運が重なり、焼酎業界に参
入できた。銘柄名やラベルの選定、地元農家との話し合い、販路開拓など仕事は多忙
だが、ゼロからやれる楽しさもある。また、焼酎製造資金を得るために銀行保証付私
募債を発行した。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
今後は 13 年∼15 年後の単年度黒字を目指している。
参考: 『財界九州』『宮崎日日新聞 2004.1.7』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-50
47
その他
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
地元の湧水を生かした飲料水事業への参入
ヤナセ緑化(株)
宮崎県宮崎市大字浮田 524−1
TEL
0985-48-1188
E-mail
進出事業の体制
社内体制
-
/URL
/
/
10 人
FAX 0985-48-1188
-
社内に水事業準備室を設立。従業員として地元から 11 人以上を採用する予定。
会社名
飲料水工場
所在地
宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町大字鞍岡 5546−1
問い合わせ先
TEL
0985-62-4400
E-mail ‐
取組の
きっかけと経緯
取 組 概要
内容
成功要因
苦心した点
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
/
/ URL
FAX
0985-62-3030
‐
∼地下水を掘り当て天然水事業に参入∼
公共事業の減少で建設市場の伸びが期待できないため、10 年前から危機感を持ってい
た。健康に関心があったため、天然水を利用した事業展開を計画。近くに湧水がある
場所があったため、地下水を採取できるか確信は無かったがボーリングを実施し、地
下水を確保した。その後現地にミネラルウオーター工場を建設することとした。
∼工場を建設中。ドラッグストアやインターネットでの販売を予定∼
ボーリングして確保した地下水を新設した工場で加熱殺菌し、ペットボトルに詰め出
荷をする予定。県や町の誘致企業に認定され、立地協定を結んでいる。工場の建物面
積は 270 平方メートルで、投資額は約 8300 万円となっている。H16 年 11 月に着工し、
H17 年4月に操業する予定である。従業員として地元から 11 人以上を採用する。商
品名は「日向天照水」で、4月に販売予定である。関東や関西に店舗を持つドラッグ
ストアでの取り扱いが決まっており、自社でもインターネット通販を行う。
天然水事業にかけては素人なので、知識を得れば得るほど事業の展開を難しく感じた。
天然水は数多くある中で、差別化を図ることに苦労した。岐阜薬科大学の応援を得て
いることが強味である。
H19 年度には生産額約5千万円を目指している。全国に発信できるよう頑張りたい。
参考: 『宮崎日日新聞 2004.9.10』
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-51
48
その他
本 社 会 社情 報
会社名
所在地/従業員
問い合わせ先
公衆温泉の建設・運営
(株)渡辺組
鹿児島県鹿児島市武2−4−1
TEL
099-286-0800
/
/
125 人
FAX 099-286-0804
E-mail watanabe@k-watanabegumi.co.jp / URL http://www.minc.ne.jp/watanabe/index.html
進出事業の体制
社内体制
既にスイミングスクールを経営していた関連別会社が公衆温泉も経営。
会社名
(株)メルヘンスポーツ
所在地
鹿児島県鹿児島市武2−4−1
問い合わせ先
TEL
099-286-0810
E-mail
/
FAX 099-286-0821
meru@meru.co.jp
/
URL
http://www.meru.co.jp
取 組 概要
取組の
きっかけと経緯
∼温泉源のある遊休資産を有効活用∼
昨今の健康志向や温泉ブームを受けて、当社でも温泉源のある遊休資産の有効活用法
を検討していた。既に当社は関連会社㈱メルヘンスポーツによるスイミングスクール
経営を行っており、そこで得た水質管理技術のノウハウを活用することで、他には無
い新しい形態の公衆浴場経営に取り組む事となった。
内容
∼公衆温泉の建設・運営∼
34 年前取得した遊休不動産(前隼人営業所跡 900 坪)を活用し、公共工事の閑散期の
4月から9月に自社で建築した。また、水の管理については、すでに実績あるスイミ
ング施設の技術・ノウハウを応用し、最先端の施設となっている。当初は別の業態の
温泉の活用を考えていたが、地元の意向やニーズを重視して、公衆浴場「日当山温泉
花の湯」をオープンさせた。
成功要因
苦心した点
公共事業の閑散期に建設したことで、建設コストを抑える事が出来、なおかつ温泉が
最も振う秋∼冬季のシーズンにオープンを間に合わせたことで安定した顧客の確保に
つながった。また、温泉だけではなく、食事コーナーや休憩場にマッサージ機、自動
販売機を設置する等して、お客様の利便性向上に努めた。
既存の経営資源
活用状況
取組の成果と
今後の展望
今まで以上にお客様に安心感を与える徹底した水質管理とサービス向上に努め、新規
顧客獲得はもちろん、一度足を運んで頂いたお客様に「またここの温泉に来たい」と
いう満足感を与えられるような魅力あふれる温泉づくりを進めていきたい。
参考: (株)渡辺組HP、ヒアリングによる
分野
新規
事業
業種
規模
本業
農業
福祉
環境
リフォーム
その他
土木
建築
管工事
舗装
その他
10 人以下
20 人以下
50 人以下
51 人以上
5 人以下
添-52
添付資料 2
宮崎県建設産業実態調査
(アンケート調査)結果
添付資料2
■アンケート調査概要
アンケート調査結果
目次
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
添-54
問1-1
事務所の所在地(SA)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
添-59
問1-2
会社創業年(SA)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
添-59
問1-3
会社形態及び資本金規模(SA)
問1-4
営業内容(MA)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
添-60
問1-5
常勤職員数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
添-61
問1-6
完工高
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
添-62
問1-7
元下比率
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
添-63
問1-8
外注比率
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
添-63
問2-1
経営状況/完工高(SA)
問2-2
経営状況/経常利益(SA)
問2-3
今期の見通し/完工高(SA)
問2-4
今期の見通し/経常利益(SA)
問3
経営上の課題(MA)
問4
問3の「経営上の課題」のうち、最も重要な課題(SA)
・・・・
添-72
問5
問4の「最も重要な課題」に対する取り組み状況(SA)
・・・・
添-73
問6
完工高減少時の対応(MA)
問7
これまで以上に完工高が減少した場合の対応(MA)
問8
経営基盤強化策(MA)
問9
問8の「経営基盤強化策」のうち、最も効果の上がる
経営基盤強化策(SA)
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
添-60
添-64
・・・・・・・・・・・・・・・・・
添-66
・・・・・・・・・・・・・・・・
添-68
・・・・・・・・・・・・・・・
添-70
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
添-72
・・・・・・・・・・・・・・・・・
添-75
・・・・・・
添-76
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
添-77
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
問10
現在の事業の状況(SA)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
問11
今後3年程度における事業の展望(SA)
問12
今後3年間の事業展開として建設業のみを行っていく理由
問13
建設業以外に現在行っている事業分野、将来の多角化・事業転換する
・・・・・・・・・・・
・・・・
添-77
添-78
添-81
添-84
先として可能性・関心のある事業分野(MA)
・・・・・・・・・・
添-87
問14
問13の新分野で最も有効活用できる経営資源(SA)
・・・・・・
添-92
問15
新分野進出を行うにあたっての問題点や苦心(FA)
・・・・・・
添-95
問16
多角化・他業種転換への取り組みに期待する支援施策(MA)
問17
自由意見(FA)
アンケート調査票
・・
添-96
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
添-98
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
添-99
(SA)…シングルアンサー。複数の選択肢から1つのみ選択する設問。
(MA)…マルチアンサー。該当する選択肢をすべて選択する設問。
(FA)…フリーアンサー。自由記述の設問。
添-53
■アンケート調査概要
(1)調査目的
宮崎県の建設業は県民生活の基盤となる住宅・社会資本整備を担う産業であるととも
に、地域経済の担い手として重要な地位を占めている。しかし、昨今の建設投資の減少
により建設業が全般的に厳しい状況に置かれており、企業数の減少が避けられない状況
となっている。このような中で従来の経営基盤強化を中心とする対応では限界があり、
新分野進出などにより雇用を維持しつつ、生き残りを図っていくような対応が求められ
ている。
そこで、本アンケート調査は、新分野進出を行う可能性の高い企業に対して、経営の
実態・実感という現状とともに、新分野進出を中心とする今後の経営への展望と課題な
どを把握することにより、宮崎県の実態と特徴に即した建設業振興方策検討の基本情報
を得ることを目的として実施した。
なお、本アンケートは九州地域の地方中小・中堅建設業の振興方策を提言することを
目的に実施した「地方中小・中堅建設業の今後の振興方策に関する調査」の中で実施した
ものである。
(2)調査実施概要
①調査事項
・回答企業の概要
− 業種、所在地、会社形態、規模
・回答企業の経営実態
− 最近の経営状況、今期の見通し(完工高、経常利益)
− 従業員数、臨時社員数、完工高、元下比率、外注比率
・回答企業の経営環境
− 経営課題に対する認識
− 経営課題に対する取り組み状況、等
・回答企業の当面の対応策
− 完工高減少への対応
・回答企業の今後の事業の方向性
− 経営基盤強化策
− 事業展望
− 事業多角化の状況
− 多角化を含めた事業の方向性、進出先事業分野
②調査対象
宮崎県において事業者登録を行っている建設業者1,077社
③調査対象の選定方法
Aランク以上の企業の全て及びB、Cランクの企業の一部を対象とした。
④調査実施スケジュール
・調査票送付
平成16年6月17日
・回答締切
平成16年7月 2日
・実質回答締切
平成16年7月20日
⑤調査票回収状況
・送付票数
・単純回収票数
・有効回収票数
1,077票
831票
830票(有効回収率77%)
添-54
(3) アンケート調査結果概要
本アンケート調査の結果概要は以下のとおりである。
①宮崎県の建設業の経営状況
約 7 割の企業が完工高、経常利益とも減少傾向であり、総じて非常に厳しい経営
状況である。なかでも公共依存度の高い土木工事業や舗装工事業が特に厳しい状況
にある。また、常勤職員が 50 人未満を中心に小規模な企業ほど経営が厳しい。
②企業の経営課題と対応状況
経営上の課題としては受注拡大との回答が多く、建設業の特色が現れているとい
える。その課題への取組状況としては、業績が悪い企業ほど何をしたらいいかわか
らないなど消極的であり、業績が好調な企業はすでに課題対応の取り組みを始めて
いたりプロジェクトチームでの検討を始めているなど積極的に対応している。
全般的に完工高が減少している中で、企業はこれまで人件費の抑制や営業活動の
強化など従来業務の枠組みの範囲内で対応していた。しかし、これまで以上に減少
した場合は、人員削減など失業者の発生につながる対応や、新分野進出、合併・協
業化などこれまでほとんど行ってこなかった対応を検討する企業が多くなっている。
数は少ないながらも一部の企業に、従来の枠組みにとらわれない対応の有効性が認
識されていることが伺える。
③今後の事業展開の意向
3/4 の企業が現在建設業のみを行っており、そのうち約 2/3 が引き続き建設業のみ
行っていく意向を持っている。その理由は業績により異なり、業績が悪い企業は、
建設投資がいずれ以前のように戻ると思うとの回答に象徴されるように危機感の無
さを表している一方、業績が良い企業は、本業のみでもやっていけるとの回答にみ
られるように本業での自信を表している。
一方、現在既に新分野に進出している企業は 2 割程度あり、大規模企業や業績が
良い企業ほどその割合が高い。また、今後の展望として新分野を志向する企業は 3
割程度あり、現在は新分野を行っていなくとも関心のある層が少なからずあること
が分かる。関心のある新分野は本業の業種により一定の傾向がみられ、建築工事業
がリフォーム工事業関連を、土木工事業や舗装工事業が土を扱うという面で共通性
のある農業関連を選んでいるなど、本業と関連のある分野の志向が高くなっている。
そこで活用できる経営資源も、目指す新分野の特性や本業の業種を反映したものと
なっている。
また、新分野進出にあたり問題となるのは資金やノウハウであり、企業が求める
支援施策もそれを反映して融資・助成制度などの資金的支援が最も多く、次いでア
ドバイザーの派遣となっている。
なお、将来の方向性を決めかねている企業も少なからずあり、その多くは業績が
悪い企業、あるいは小規模な企業となっている。
④自由意見
公共工事の発注量増加など行政への要望が最も多く、公共依存的体質から抜けき
れていないことが伺える。しかしながら、前向きな自助努力の必要性について記載
する企業もあり、新しい経営環境に対応していこうとする姿勢も一部に伺える。
添-55
(4)各設問要約
問 1−1
問 1−2
事務所の所在地
会社創業年
問 1−3
問 1−4
会社形態及び
資本金規模
営業内容
問 1−5
問 1−6
問 1−7
問 1−8
常勤職員
完工高
元下比率
外注比率
問 2−1
経営状況/
完工高
問 2−2
経営状況/
経常利益
問 2−3
今期の見通し/
完工高
問 2−4
今期の見通し/
経常利益
問3
問4
経営上の課題
最も重要な課題
問5
最重要課題への
取組状況
問6
完工高減少時の
対応
これまで以上に減
少した場合
経営基盤強化策
最も効果の上がる
経営基盤強化策
現在の事業の状況
問7
問8
問9
問 10
土木事務所別に見ると、宮崎、都城、日向、延岡という順になっている。
高度成長期創業の企業が多く、バブル経済崩壊後の創業はほとんどな
い。
最も多いのは、資本金 1 千万以上 3 千万未満の法人で全体の 2/3 を占め
ている。
全体の約 8 割が土木工事業で 2 位の建築工事業を大きく引き離してい
る。
概ね 10 人前後の企業が多く、
1/4 が家族経営的な 5 人以下となっている。
全体の約半数が 1 億円以上 5 億円未満に集約されている。
全体の約 1/4 が元請比率 10 割となっており、最も多い。
最も多いのが自社 9 割外注 1 割の企業である。自社 0 割という企業もみ
られる。
総じて厳しい状況である。
特に公共工事に依存する土木工事業や舗装工事業が減少している。
小規模な企業ほど厳しい状況である。
総じて厳しい方向に向かっている。
特に厳しいのが土木工事業であり、比較的好調なのが電気工事業であ
る。
小規模な企業ほど状況が厳しい。
総じて前期よりも減る見通し。
特に厳しいのが管工事業であり、比較的好調なのが建築工事業、電気工
事業である。
総じて厳しい状況である。
特に厳しいのが舗装工事業であり、比較的好調なのが建築工事業、電気
工事業である。
大規模な企業に業績が比較的良い企業が多い。
全般的に金銭面の課題が上位にあがっているが、飛びぬけて多いのは
「受注拡大」である。
IT化や人材確保については、経営課題の一つとしては高率であるが、
最も重要な課題という回答では低くなっている。
全体の 4 割が何らかの対応を行っているが、半数以上の企業は経営者と
しての課題認識にとどまっている状況である。
電気工事業者は他業種と比べて対応の進んでいる企業が多い。
小規模な企業ほど対応に迷っている企業が多い。
業績が良い企業ほど対応が進んでおり、逆に業績が悪い企業ほど対応が
遅れている。
人件費の抑制や営業活動の強化など、自社の従来業務の枠組みの範囲内
での対応が多く、経営の多角化や協業化などの対応は少ない。
人員の削減など失業者の発生につながる対応や多角化・協業化などこれ
までほとんど行ってこなかった対応を検討する企業が増えている。
コストダウン、人材、IT活用による合理化などの回答が多くなってい
るが、最も重要な課題としてはIT活用の重要性が下がり経営の協業化
とする回答が多くなっている点が特徴的である。
全体の 3/4 が建設業のみをおこなっており、2 割が建設業以外の事業も
行っている。大規模な企業や業績が良い企業ほど新分野の事業を行って
いる割合が高い。
添-56
問 11
今後 3 年程度にお
ける事業の展望
問 12
建設業のみ行って
いく理由
問 13
新分野進出先とし
て可能性・関心の
ある事業分野
(既に進出してい
る分野も含む)
問 14
新分野で最も有効
活用できる経営資
源
問 15
新分野進出に係る
問題点や苦心
多角化・他業種転
換への取り組みに
期待する支援施策
自由意見
問 16
問 17
建設業のみ行っているとの回答が多いが、新分野を志向する企業の割合
が上がっている。
業績が良い企業ほど新分野を志向しており、業績が悪い企業ほど将来の
方向性に迷いを持っている割合が高い。
回答結果は分かれたが、建設投資が以前のように戻ると思うためという
危機感の無い回答が 1 割以上あることが着目される点であり、小規模な
企業や業績の悪い企業ほどその割合が高い。
逆に業績の良い企業は建設業のみでやっていけると思うとの回答をし
ており、本業での自信を表している。
農業、リフォーム、環境関連が多く、やや下がって福祉関連、不動産業
となっている。
無回答も多く、建設業のみでの生き残りは困難と思っていても、具体的
に分野を絞りきれていない企業が相当数あると考えられる。
建築工事業がリフォーム関連や不動産業を、舗装工事業が農業関連を選
んでおり、本業関連分野を志向していることが分かる。
小規模な企業では農業、大規模な企業では福祉に関心を示す企業が多
い。
活用できる経営資源としては、人材、不動産、ノウハウが上位にある。
また無回答も多く、新分野進出の重要性はわかっていても活用できる経
営資源が分からない企業が多いことが分かる。
建築工事業がノウハウ、管工事や電気工事業が人材やノウハウ、舗装工
事業がトラックなどの資産を挙げており、各企業が志向する新分野先を
反映した回答内容となっている。
企業の規模が大きくなるほど人材を活用できるとの回答が多くなって
いる。
志向する新分野先がリフォーム関連の企業は人材やノウハウを、農業関
連の企業はトラックなどの資産や不動産、福祉関連の企業は不動産や資
本、環境関連の企業は人材やトラックなどの資産を選んでおり、各分野
を志向する企業の特性が回答に反映されていると考えられる。
資金面についての意見が最も多く、次いで人材についての意見が続い
た。
資金的支援が最も多く、全体の半数以上を占めており、次いでアドバイ
ザーの派遣が続いている。
前問で問題点として上げられた意見に対応したものと考えられる。
公共工事の発注量増加など行政への要望が最も多く、公共依存的体質か
ら抜けきれていないことが伺える。しかしながら、前向きな自助努力の
必要性について記載する企業もあり、新しい経営環境に対応していこう
とする姿勢も一部に伺える。
◆注記
1 従業員規模でのクロス集計は 301 人超のサンプル数は 2 社しかなく企業名が特定できる可
能性があるため 101 人∼300 人のサンプルと合わせて分析している。
2 分析コメントの作成にあたっては、全体平均との比較を中心に記述している。
3 クロス集計の結果については表形式で示している。各表の頭には集計に関わる設問番号
(例:問○)の後に枝番を付けている。
添-57
問1-1
事務所の所在地(SA)
回答企業を宮崎県の土木事務所別の所在地で見ると、都市圏の大きさに比例するように、宮
崎、都城、日向、延岡という順になっている。
問1-1 事務所の所在地(SA)
N=830
西臼杵
4%
無回答
1%
延岡
10%
宮崎
22%
日向
12%
日南
6%
高鍋
5%
串間
4%
西都
5%
高岡
5%
問 1-2
都城
18%
小林
8%
会社創業年(SA)
回答企業の創業年を、ほぼ 15 年ごとの区切りで見ると、全体の 9 割が戦後に創業された企業
である。このうち、1961∼1975 年のいわゆる高度成長期に創業された企業の割合が最も高く、
バブル経済が崩壊した時期である 1991 年以降はほとんど増加していない。
問1-2 会社創業年(SA)
N=830
1925年
以前
1%
無回答
7%
1991年
以降
3%
1926∼1945年
3%
1976∼1990年
29%
1946∼1960年
24%
1961∼1975年
33%
添-59
問 1-3
会社形態及び資本金規模(SA)
会社形態・資本金規模では、資本金 1 千万円以上 3 千万円未満の法人が全体の 2/3 を占めて
いる。次いで有限会社に相当すると思われる資本金 3 百万円以上 1 千万円未満の法人が 19%とな
っている。
問1-3 会社形態及び資本金規模(SA)
資本金3億円以上の法
人
0%
資本金1億円以上3億
円未満の法人
0%
個人事業
0%
N=830
無回答
0%
資本金3百万円未満の
法人
2%
資本金3千万円以上1
億円未満の法人
13%
資本金3百万円以上1
千万円未満の法人
19%
資本金1千万円以上3
千万円未満の法人
66%
問 1-4
営業内容(MA)
全体の約 8 割が土木工事業であり、2 位の建築工事業の 27%を大きく引き離している。続い
て、管工事業、舗装工事業、電気工事業となっている。その他の内容としては、とび、造園な
どが多くなっている。
問1-4 営業内容(MA)
N=830
79.2
土木工事業
27.3
建築工事業
16.7
管工事業
7.8
電気工事業
11.0
舗装工事業
8.8
その他
0.1
無回答
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
%
添-60
問 1-5 常勤職員数
職員数は、技術系、事務系、非常勤職員に分けて聞いており、集計は、「技術系のみ」、「技術
系+事務系(常勤職員)」、「技術系+事務系+非常勤職員」の区分で行った。
問 1-5-1 常勤職員(技術系のみ)
問1-5-1 常勤職員(技術系のみ)
51∼100人
2%
101∼300人
0%
N=830
300人超
0%
無回答
3%
21∼50人
8%
0∼5人
37%
11∼20人
20%
6∼10人
30%
問 1-5-2 常勤職員(技術系+事務系)
常勤職員数で見ると、0∼5 人が 25%、6∼10 人が 36%、11∼20 人が 23%となっており、概
ね 10 人前後の企業が多くなっている。一部ではあるが 100 人以上、300 人以上という企業もあ
る。調査対象であるAランク以上の企業であっても 1/4 は家族経営的な 0∼5 人となっている。
問1-5-2 常勤職員(技術系+事務系)
101∼300人
1%
51∼100人
2%
N=830
300人超
0%
無回答
2%
21∼50人
11%
0∼5人
25%
11∼20人
23%
6∼10人
36%
添-61
問 1-5-3 常勤職員(技術系+事務系)+非常勤職員
問1-5-3 常勤職員(技術系+事務系) + 非常勤職員
51∼100人
2%
101∼300人
1%
300人超
0%
N=830
無回答
2%
0∼5人
15%
21∼50人
14%
6∼10人
33%
11∼20人
33%
問 1-6
完工高
完工高の分布は 1 千万円未満から 50 億円以上まで広がっているが、全体の約半数が完工高 1
億円以上・5 億円未満に集約されている。次いで、5 千万円以上・1 億円未満が 17%となってい
る。
問1-6 完工高
N=830
1千万円未満
2%
50億円以上
1%
無回答
9%
1千万円以上・3千万円
未満
3%
3千万円以上・5千万円
未満
5%
10億円以上・50億円未
満
6%
5千万円以上・1億円未
満
17%
5億円以上・ 10億円未
満
9%
1億円以上・ 5億円未満
48%
添-62
問 1-7
元下比率
全体の約 1/4 にあたる 23%が元請比率 10 割となっており、元請比率が下がるに従って、回答
構成比も下がっている。元請 5 割までを取ると、75%以上になっている。
問1-7 元下比率
元請0割、 下請10割
1%
元請1割、 下請9割
無回答
2%
4%
元請2割、 下請8割
4%
元請3割、 下請7割
5%
N=830
元請10割、下請0割
23%
元請4割、 下請6割
7%
元請5割、 下請5割
7%
元請9割、 下請1割
15%
元請6割、 下請4割
9%
元請7割、 下請3割
10%
問 1-8
元請8割、 下請2割
13%
外注比率
外注比率で最も多かったのは、自社 9 割・外注 1 割の企業で 24%となっている。次いで、自
社 8 割・外注 2 割が多くなっており、自社 10 割・外注 0 割、自社 7 割・外注 3 割と続いている。
注目すべき点として、自社 0 割・外注 10 割という形態で、いわゆる「丸投げ」的な業務を行っ
ている企業も見られる。
自社0割、 外注10割
1%
問1-8 外注比率
N=830
自社1割、 外注9割
1%
自社2割、 外注8割
2%
無回答
8%
自社10割、外注0割
13%
自社3割、 外注7割
3%
自社4割、 外注6割
4%
自社5割、 外注5割
4%
自社9割、 外注1割
24%
自社6割、 外注4割
7%
自社7割、 外注3割
13%
自社8割、 外注2割
20%
添-63
問 2-1
経営状況/完工高(SA)
前期の完工高を、3 年前の完工高と比較した場合、やや減少 33%、大きく減少 37%となって
おり、合わせると 70%の企業が完工高の減少に直面している。
業務内容別に見ると、完工高がやや減少又は大きく減少を選んだ企業を合わせると、全体の
平均以上に業績が悪化しているのは土木工事業と舗装工事業であった。逆に圧倒的に割合が低
いのが 49.2%の電気工事業である。公共工事に依存する業界ほど完工高が減少していることが
伺える。
問2-1-1 経営状況/完工高(SA)
N=830
無回答
1%
大きく増加
4%
やや増加
9%
大きく減少
37%
あまり変化はない
16%
やや減少
33%
問2-1-2
経営状況/完工高(SA)
(業務内容別)
(%)
1
大
き
く
増
加
サ
ン
プ
ル
数
全体
1.土木工事業
業
務
内
容
2
や
や
増
加
3
はあ
なま
いり
変
化
4
や
や
減
少
5
大
き
く
減
少
無
回
答
1,253
4.0
10.2
14.9
34.0
36.0
0.9
657
2.7
9.3
14.0
32.6
40.5
0.9
2.建築工事業
227
5.3
12.8
15.9
37.0
29.1
0.0
3.管工事業
139
3.6
10.8
14.4
40.3
29.5
1.4
4.電気工事業
65
15.4
7.7
26.2
27.7
21.5
1.5
5.舗装工事業
91
2.2
15.4
7.7
28.6
45.1
1.1
6.その他
73
4.1
5.5
19.2
38.4
31.5
1.4
1
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
無回答
添-64
<問 2-1 経営状況/完工高 つづき>
企業規模別に見ると、5 人以下の企業、11 人以上 20 人以下の企業、21 人以上 50 人以下の企
業が大きく減少との回答が多く、6 人以上 10 人以下の企業、11 人以上 20 人以下の企業、51 人
以上 100 人以下がやや減少との回答が多かった。経営状況は小規模企業により大きな影響を与
えていることが考えられる。
問2-1-3
経営状況/完工高(SA)
(職員数(常勤(技術系+事務系))別)
(%)
1
大
き
く
増
加
サ
ン
プ
ル
数
全体
2
や
や
増
加
3
はあ
なま
いり
変
化
4
や
や
減
少
5
大
き
く
減
少
無
回
答
830
4.2
9.3
15.5
32.9
37.1
1.0
1.0∼5人
207
1.9
10.1
14.5
29.0
43.5
1.0
2.6∼10人
301
4.7
8.6
17.3
34.6
33.9
1.0
3.11∼20人
192
5.2
7.8
12.0
34.4
39.6
1.0
常
勤
4.21∼50人
94
4.3
9.6
20.2
30.9
35.1
0.0
5.51∼100人
13
7.7
15.4
15.4
46.2
15.4
0.0
9
0.0
44.4
0.0
22.2
22.2
11.1
14
14.3
0.0
21.4
42.9
21.4
0.0
︵
職
員
数
︶
6.101人超
無回答
添-65
問 2-2
経営状況/経常利益(SA)
直近の決算では経常利益ベースで、85%が黒字、14%が赤字となっている。これを 3 期前と
比較すると、
「ともに黒字であるが、利益額は減少」という回答が 62%を占めており、次いで、
「ともに黒字で、利益額は概ね変化なし」が 14%、
「3 期前は黒字だが現在は赤字」も 10%に上
っている。建設業の経営は総じて厳しい方向に向かっていることが分かる。
業務内容別に見ると、全体平均との比較で明らかに悪化傾向(選択肢 3、4、6)であるのが土
木工事業である。一方、好調である(選択肢 1、2、5)のは電気工事業である。
問2-2-1 経営状況/経常利益(SA)
N=830
ともに赤字
4%
無回答
1%
ともに黒字で、利益額は
増加
6%
3期前は赤字だが現在
は黒字
3%
ともに黒字で、利益額は
概ね変化なし
14%
3期前は黒字だが現在
は赤字
10%
ともに黒字であるが、利
益額は減少
62%
問2-2-2
経営状況/経常利益(SA)
(業務内容別)
(%)
3
額あ と
はる も
減がに
少 黒
利字
益で
、
業
務
内
容
、
全体
2
概で と
ね も
変利に
化益黒
な 額字
しは
、
1
増で と
加 も
利に
益黒
額字
は
サ
ン
プ
ル
数
4
字だ 3
が期
現前
在は
は黒
赤字
5
字だ 3
が期
現前
在は
は赤
黒字
6
と
も
に
赤
字
無
回
答
1,253
5.7
13.6
61.5
9.8
3.4
4.9
1.0
1.土木工事業
657
4.1
12.6
62.6
11.1
3.0
5.5
1.1
2.建築工事業
227
4.4
15.0
59.9
9.3
4.4
6.2
0.9
3.管工事業
1.4
139
8.6
13.7
61.9
8.6
2.9
2.9
4.電気工事業
65
16.9
20.0
50.8
3.1
6.2
1.5
1.5
5.舗装工事業
91
6.6
8.8
62.6
13.2
4.4
4.4
0.0
6.その他
73
8.2
17.8
63.0
4.1
1.4
4.1
1.4
1
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
無回答
添-66
〈問 2-2 経営状況/経常利益 つづき〉
企業規模別に見ると、3 期前も前期もともに赤字と答えた企業はすべて職員 50 人以下の企業
である。長く赤字が続いているのは小規模な企業であるといえる。
また逆に、51 人以上 100 人以下の企業と 101 人以上の企業で、ともに黒字で利益額が減少し
ていないと答えた企業が多く、規模の大きな企業の中で業績を伸ばしているところが比較的多
いことが伺える。
問2-2-3
経営状況/経常利益(SA)
(職員数(常勤(技術系+事務系))別)
(%)
、
3
額あ と
はる も
減がに
少 黒
利字
益で
、
2
概で と
ね も
変利に
化益黒
な 額字
しは
、
1
増で と
加 も
利に
益黒
額字
は
サ
ン
プ
ル
数
4
字だ 3
が期
現前
在は
は黒
赤字
5
字だ 3
が期
現前
在は
は赤
黒字
6
と
も
に
赤
字
無
回
答
5.8
13.6
61.3
10.4
3.4
4.5
1.1
職
員
数
207
4.8
13.0
51.7
17.9
4.8
6.3
1.4
2.6∼10人
301
3.3
14.0
62.5
11.3
3.7
5.0
0.3
3.11∼20人
192
5.7
13.5
69.8
4.7
2.6
2.1
1.6
常
勤
4.21∼50人
94
8.5
12.8
68.1
4.3
2.1
4.3
0.0
5.51∼100人
13
30.8
30.8
30.8
7.7
0.0
0.0
0.0
9
22.2
0.0
44.4
11.1
0.0
0.0
22.2
14
21.4
14.3
57.1
0.0
0.0
7.1
0.0
︵
830
1.0∼5人
︶
6.101人超
無回答
添-67
問 2-3
今期の見通し/完工高(SA)
完工高の今期の見通しは、60%の企業が前期より減る見通しとしており、前期より増える見
通しの 15%を大きく上回っている。
業務内容別に見ると、全体的に減少傾向の中でも、建築工事業と電気工事業が比較的好調で
ある一方で管工事業が特に厳しい見通しとなっている。
問2-3-1 今期の見通し/完工高(SA)
N=830
無回答
1%
前期より増える見通し
15%
前期とほぼ同じ見通し
24%
前期より減る見通し
60%
問2-3-2
今期の見通し/完工高(SA)
(業務内容別)
(%)
1
え前
る期
見よ
通り
し増
サ
ン
プ
ル
数
全体
業
務
内
容
2
同前
じ期
見と
通ほ
しぼ
3
る前
見期
通よ
しり
減
無
回
答
1,253
15.7
23.9
59.2
1.2
1.土木工事業
657
14.6
24.0
60.1
1.2
2.建築工事業
227
21.6
22.0
56.4
0.0
3.管工事業
139
9.4
25.2
64.0
1.4
65
20.0
20.0
56.9
3.1
4.電気工事業
5.舗装工事業
91
13.2
27.5
58.2
1.1
6.その他
73
19.2
23.3
54.8
2.7
1
0.0
100.0
0.0
0.0
無回答
添-68
〈問 2-3 今期の見通し/完工高 つづき〉
これは、企業規模により違いは認められない。
問2-3-3
今期の見通し/完工高(SA)
(職員数(常勤(技術系+事務系))別)
(%)
1
え前
る期
見よ
通り
し増
サ
ン
プ
ル
数
2
同前
じ期
見と
通ほ
しぼ
3
る前
見期
通よ
しり
減
無
回
答
830
14.8
23.6
60.4
1.2
職
員
数
1.0∼5人
207
13.5
19.3
66.2
1.0
2.6∼10人
301
15.6
27.6
56.1
0.7
3.11∼20人
192
12.5
25.5
59.4
2.6
常
勤
4.21∼50人
94
18.1
18.1
63.8
0.0
5.51∼100人
13
23.1
23.1
53.8
0.0
9
11.1
11.1
66.7
11.1
14
21.4
21.4
57.1
0.0
︵
全体
︶
6.101人超
無回答
添-69
問 2-4
今期の見通し/経常利益(SA)
経常利益の今期の見通しは、59%の企業が前期より減る見通しとしており、前期より増える
見通しの 11%を大きく上回っている。
業務内容別に見ると、全体的に減少傾向の中でも建築工事業と電気工事業が比較的好調であ
る一方、舗装工事業の 64.8%が前期より減る見通しとなっており厳しい状況である。
問2-4-1 今期の見通し/経常利益(SA)
N=830
無回答
1%
前期より増える見通し
11%
前期とほぼ同じ見通し
29%
前期より減る見通し
59%
問2-4-2
今期の見通し/経常利益(SA)
(業務内容別)
(%)
1
え前
る期
見よ
通り
し増
サ
ン
プ
ル
数
全体
業
務
内
容
2
同前
じ期
見と
通ほ
しぼ
3
る前
見期
通よ
しり
減
無
回
答
1,253
10.9
29.2
58.6
1.3
1.土木工事業
657
10.8
29.1
58.8
1.4
2.建築工事業
227
13.2
30.8
55.5
0.4
3.管工事業
139
10.1
30.2
58.3
1.4
4.電気工事業
65
13.8
24.6
58.5
3.1
5.舗装工事業
91
6.6
28.6
64.8
0.0
6.その他
73
9.6
27.4
60.3
2.7
1
0.0
100.0
0.0
0.0
無回答
添-70
〈問 2-4 今期の見通し/経常利益 つづき〉
企業規模別に見ると、前期より増える見通しとしている企業が職員数 21 人以上の企業に比較
的多く、厳しい環境の中でも、大規模な企業を中心に経営が好調な企業があると考えられる。
問2-4-3
今期の見通し/経常利益(SA)
(職員数(常勤(技術系+事務系))別)
(%)
1
え前
る期
見よ
通り
し増
サ
ン
プ
ル
数
全体
2
同前
じ期
見と
通ほ
しぼ
3
る前
見期
通よ
しり
減
無
回
答
10.7
28.8
59.2
1.3
職
員
数
207
9.7
23.7
65.7
1.0
2.6∼10人
301
10.3
32.9
55.8
1.0
3.11∼20人
192
9.4
28.6
59.9
2.1
常
勤
4.21∼50人
94
14.9
27.7
57.4
0.0
5.51∼100人
13
23.1
38.5
38.5
0.0
9
22.2
0.0
55.6
22.2
14
7.1
35.7
57.1
0.0
︵
830
1.0∼5人
︶
6.101人超
無回答
添-71
問3
問4
経営上の課題(MA)
問 3 の「経営上の課題」のうち、最も重要な課題(SA)
企業の経営上の課題は、複数回答で「受注拡大」が飛びぬけて高くなっており、次いで「契
約単価低下への対応」
「人材育成・技術力向上」
「人件費抑制」
「資機材のコスト削減」などとな
っている。経営資源として見ると金銭面の課題が上位に挙がっている。
そのうち最も重要な課題でも、問 3 と同様の結果となっている。両方の回答の比較で特徴的
なこととして、「情報化・ITへの対応」「人材確保」などは課題とはなっているが、最も重要
な課題という回答では低くなっている。
問3,4 経営上の課題(MA)、最も重要な課題(SA)
N=830
12.4
人材確保
2.5
14.7
人員削減
3.9
40.1
人材育成・技術力向上
10.2
29.8
人件費抑制
6.1
5.4
外注化の推進
0.1
外注の削減
0.2
6.6
資機材の導入・更新
1.2
0.1
資機材の長期利用
0.2
2.7
18.4
資機材のコスト抑制
1.8
41.8
契約単価低下への対応
16.4
62.4
受注拡大
44.3
9.6
資金調達
2.3
9.9
有利子負債の削減
2.2
情報化・ITへの対応
2.3
15.7
その他
1.0
0.7
特にない
0.8
0.1
経営上の課題
経営上の課題のうち、最も重要な課題
3.6
無回答
6.4
0
10
20
30
添-72
40
50
60
70
%
問5
問 4 の「最も重要な課題」に対する取り組み状況(SA)
最重要課題への取組として、「すでに実行を始めている」は 19%あり、「一通りの検討を行っ
たが、実行に至っていない」が 15%、
「社内のプロジェクトチームで検討を行っている」が 7%
となっており、全体の 4 割は何らかの対応を行っている。一方で全体の半数以上の企業は「何
をしていいかわからない」
「経営者の頭の中で構想を練っている」という状況で経営者としての
課題認識にとどまっている状況である。
業務内容別に見ると、電気工事業者が、プロジェクトチームで検討を行っている企業が 12.3%、
すでに実行を始めているのが 26.2%と、平均と比較してかなり対応が進んでいる企業が多いこ
とが伺える。
問5-1 問4の「最も重要な課題」に対する取り組み(SA)
N=830
無回答
6%
課題としてはあるが、何
をしていいかわからない
20%
すでに実行を始めてい
る
19%
一通りの検討を行った
が、実行に至っていない
15%
経営者の頭の中で構想
を練っている
33%
社内のプロジェクトチー
ムで検討を行っている
7%
問5-2
問4の「最も重要な課題」に対する取り組み状況(SA)
(業務内容別)
(%)
っ
4
い実を一
な 行行通
いに り
至たの
が検
て 討
ェ
3
行ム ジ社
で 内
て検クの
い討 ト プ
るをチロ
っ
っ
、
ー
業
務
内
容
、
全体
1.土木工事業
2
練中経
で営
て 構者
い想の
るを頭
の
っ
1
か し あ課
ら てる題
な いが と
いい し
か何 て
わをは
サ
ン
プ
ル
数
5
始す
めで
てに
い実
る行
を
無
回
答
1,253
19.0
33.4
7.0
15.1
19.8
5.7
657
20.1
33.0
5.6
14.6
19.8
6.8
2.建築工事業
227
23.3
34.4
8.4
13.7
16.3
4.0
3.管工事業
139
18.7
36.0
5.0
16.5
17.3
6.5
65
6.2
35.4
12.3
18.5
26.2
1.5
4.電気工事業
5.舗装工事業
91
13.2
28.6
7.7
16.5
26.4
7.7
6.その他
73
15.1
32.9
13.7
16.4
20.5
1.4
1
0.0
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
無回答
添-73
〈問 5 問 4 の「最も重要な課題」に対する取り組み状況 つづき〉
企業規模別に見ると、10 人以下の企業は何をしていいかわからないと答えている企業が多い。
また、11 人以上の企業ではすでに実行している割合が平均より多く、対応が進んでいることが
わかる。また、11 人以上の企業では社内のプロジェクトチームで検討を行っているとの回答も
多く、まず具体的な行動に移すことが、完全な実行への道を開くことが伺える。
最近の経常利益別に見ると、ともに黒字で利益額も増えている企業は、社内のプロジェクト
チームで検討を行っている企業が 14.6%、すでに実行を始めている企業が 22.9%と高率であり、
業績が好調な企業ほど対応が進んでいることが伺える。逆に黒字から赤字に転落した企業やと
もに赤字である企業は、何をしていいかわからないと答えている割合が高く、対応が遅れてい
ることが分かる。
問5-3
問4の「最も重要な課題」に対する取り組み状況(SA)
(職員数(常勤(技術系+事務系))別)
(%)
4
い実を 一
な 行行通
いに り
至たの
が検
て 討
ェ
っ
、
ー
5
始す
めで
てに
い実
る行
を
っ
3
行ム ジ社
で 内
て検クの
い討 ト プ
るをチロ
っ
、
2
練中経
で営
て 構者
い想の
るを頭
の
っ
1
か し あ課
ら てる題
な いが と
いい し
か何 て
わをは
サ
ン
プ
ル
数
無
回
答
830
19.5
33.1
7.0
15.2
19.2
6.0
職
員
数
1.0∼5人
207
32.9
27.5
1.4
18.4
13.0
6.8
2.6∼10人
301
19.6
34.6
6.3
15.6
17.3
6.6
3.11∼20人
192
13.0
33.9
10.4
14.6
21.9
6.3
常
勤
4.21∼50人
94
6.4
34.0
12.8
10.6
31.9
4.3
5.51∼100人
13
7.7
53.8
7.7
7.7
23.1
0.0
9
0.0
33.3
33.3
0.0
33.3
0.0
14
21.4
50.0
0.0
14.3
14.3
0.0
︵
全体
︶
6.101人超
無回答
問5-4
問4の「最も重要な課題」に対する取り組み状況(SA)
(最近の経常利益別)
(%)
っ
4
い実を一
な 行行通
いに り
至たの
が検
て 討
ェ
3
行ム ジ社
で 内
て検クの
い討 ト プ
るをチロ
っ
、
っ
、
ー
最
近
経
の
常
経
利
営
益
状
況
2
練中経
で営
て 構者
い想の
るを頭
の
っ
1
か し あ課
ら てる題
な いが と
いい し
か何 て
わをは
サ
ン
プ
ル
数
5
始す
めで
てに
い実
る行
を
無
回
答
全体
1.ともに黒字で、利益額は増加
830
19.5
33.1
7.0
15.2
19.2
6.0
48
14.6
37.5
14.6
8.3
22.9
2.1
2.ともに黒字で、利益額は概ね変化なし
113
17.7
34.5
8.8
13.3
18.6
7.1
3.ともに黒字であるが、利益額は減少
509
18.5
33.8
7.3
15.9
18.9
5.7
4.3期前は黒字だが現在は赤字
86
29.1
24.4
3.5
19.8
17.4
5.8
5.3期前は赤字だが現在は黒字
28
14.3
39.3
0.0
17.9
17.9
10.7
6.ともに赤字
37
24.3
35.1
2.7
8.1
21.6
8.1
9
33.3
11.1
0.0
11.1
33.3
11.1
無回答
添-74
問6
完工高減少時の対応(MA)
これまでの対応としては、「賃金等人件費の抑制」「営業活動の強化」「人員削減」「資金の借
入」などの順となっており、自社の従来事業の枠組みでの対応が多く、
「経営の多角化(新分野
進出など)」「合併・協業化」などの対応は相対的に低くなっている。
問6 完工高減少時の対応(MA)
N=830
44.0
営業活動を強化して対応した
20.1
資金を借り入れて対応した
賃金等人件費の抑制を実施した
47.1
26.9
事業を縮小し、人員を削減した
1.8
合併・協業化などを実施した
10.5
経営の多角化(新分野進出など)を行った
6.1
特に対応をしなかった
2.8
その他
4.7
無回答
0
5
10
15
添-75
20
25
30
35
40
45
50
%
問7
これまで以上に完工高が減少した場合の対応(MA)
「営業活動の強化」「賃金等人件費の抑制」は過去の対応と同様に高いものの、今後は「人員
削減」という失業者の発生につながる対応を検討する企業が増えている点に着目する必要があ
る。また、
「経営の多角化(新分野進出など)」
「合併・協業化」などこれまでほとんど行ってこ
なかった対応を検討する企業が多くなっている。
また、選択肢にはなかったが、「その他」の具体的な記述より、廃業という回答が 8 社見られ
る。
問7 これまで以上に完工高が減少した場合の対応(MA)
N=830
40.5
営業活動の強化
4.9
資金の借り入れ
28.2
賃金等人件費の抑制
31.2
事業を縮小し、人員を削減
12.4
合併・協業化など
27.6
経営の多角化(新分野進出など)
4.1
特に対応は考えられない
3.0
その他
6.1
無回答
0
5
10
15
添-76
20
25
30
35
40
45
%
問8
問9
経営基盤強化策(MA)
問 8 の「経営基盤強化策」のうち、最も効果の上がる経営基盤強化策(SA)
これまで取り組んできた経営基盤強化策では、
「コストダウンの徹底」
「人材資源の強化」「I
Tの活用による経営の合理化・効率化」などが多くなっている。
そのうち最も効果の上がる経営基盤強化策としては、問 8 回答とほぼ同様となっているが、
IT活用の重要性が下がり「異業種や同業種による経営の協業化」が高くなっている点が特徴
的である。数は少ないながらも一部の企業に、従来の枠にとらわれない対応の有効性について
認識されていることが伺える。
問8,9 経営基盤強化策(MA)、最も重要な課題(SA)
N=830
46.4
人材資源の強化
17.8
74.8
コストダウンの徹底
49.8
7.3
設計・積算、資材調達などの共同化
3.3
20.0
ITの活用による経営の合理化・効率化
3.5
8.8
異業種や同業種による経営の協業化
8.3
9.8
特に経営基盤強化策は実施していない
0.7
2.0
その他
取り組んできた経営基盤強化策
1.3
そのうち、最も効果の上がる経営基盤強化策
5.4
無回答
15.3
0
10
20
30
40
50
60
70
80
%
添-77
問 10
現在の事業の状況(SA)
新分野進出などの必要性が高まっている中で、その前提としての現在の事業の状況を見ると、
全体の 3/4 が「建設業のみを行っている」、2 割が「建設業以外の事業」も行っている。
これは、業務内容により違いは見られない。
問10-1 現在の事業の状況(SA)
N=830
実質的に建設業は行っ
ておらず建設業以外の
事業のみを行っている
0%
どの事業も行っておらず
事実上廃業状態である
0%
無回答
4%
建設業も行っているが
建設業以外の事業が中
心である
1%
建設業が中心ではある
が建設業以外の事業も
行っている
19%
建設業のみを行ってい
る
76%
問10-2
現在の事業の状況(SA)
(業務内容別)
(%)
っ
っ
5
廃て ど
業おの
状ら事
態ず業
で事も
あ実行
る上
無
回
答
っ
3
4
で 外い建 い業建は実
あの る 設 る の設行質
る 事が業
み業 的
業建 も
を以てに
が設行
行外お建
中業
のら設
心以て
て 事ず業
っ
業
務
内
容
っ
全体
1.土木工事業
2
行以は建
外あ設
てのる業
い事がが
る 業建中
も 設心
業で
っ
1
行建
設
て業
いの
るみ
を
サ
ン
プ
ル
数
1,253
73.7
20.4
1.9
0.2
0.0
3.8
657
75.5
18.7
1.1
0.0
0.0
4.7
2.建築工事業
227
71.4
23.8
2.6
0.0
0.0
2.2
3.管工事業
139
72.7
20.9
1.4
0.7
0.0
4.3
4.電気工事業
65
72.3
23.1
4.6
0.0
0.0
0.0
5.舗装工事業
91
75.8
17.6
1.1
0.0
0.0
5.5
6.その他
73
65.8
24.7
6.8
1.4
0.0
1.4
1
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
無回答
添-78
〈問 10 現在の事業の状況 つづき〉
企業規模別に見ると、20 人以下の企業は建設業のみを行っている比率が平均以上であり、21
人以上の企業は建設業以外の事業も行っている企業が多い。これは比較的大規模な企業は自社
業務に関連して、産業廃棄物(主に建設廃棄物)の収集運搬業務や処理業務を一体的に行って
いる場合が多いことから、このような傾向があらわれていると考えられる。(後述する問 13-6
において、既に進出している新分野として一番多かったのは環境・リサイクル関連である)
最近の経常利益別に見ると、経常利益が好転あるいは黒字で利益額維持の企業の 2 割以上が
現在の事業の状況として建設業が中心ではあるが建設業以外の事業も行っているとしており、
経営が順調な企業は既に建設業以外の新分野の事業を行っていることがわかる。
問10-3
現在の事業の状況(SA)
(職員数(常勤(技術系+事務系))別)
(%)
っ
っ
っ
5
廃て ど
業おの
状ら事
態ず業
で事も
あ実行
る上
無
回
答
っ
3
4
で 外い建 い業建は実
あの る 設 る の設行質
る 事が業
み業 的
業建 も
を以てに
が設行
行外お建
中業
のら設
心以て
て 事ず業
っ
全体
2
行以は建
外あ設
てのる業
い事がが
る 業建中
も 設心
業で
っ
1
行建
設
て業
いの
るみ
を
サ
ン
プ
ル
数
830
75.7
18.8
1.4
0.1
0.0
4.0
207
79.7
15.0
0.5
0.0
0.0
4.8
2.6∼10人
301
78.7
14.6
1.7
0.0
0.0
5.0
3.11∼20人
192
78.6
17.7
1.0
0.0
0.0
2.6
常
勤
4.21∼50人
94
62.8
29.8
3.2
1.1
0.0
3.2
5.51∼100人
13
30.8
69.2
0.0
0.0
0.0
0.0
9
22.2
77.8
0.0
0.0
0.0
0.0
14
71.4
21.4
7.1
0.0
0.0
0.0
︵
職
員
数
1.0∼5人
︶
6.101人超
無回答
問10-4
現在の事業の状況(SA)
(最近の経常利益別)
(%)
っ
っ
っ
5
廃て ど
業おの
状ら事
態ず業
で事も
あ実行
る上
無
回
答
っ
3
4
で 外い建 い業建は実
あの る 設 る の設行質
る 事が業
み業 的
業建 も
を以てに
が設行
行外お建
中業
のら設
心以 て
て 事ず業
っ
最
近
経
の
常
経
利
営
益
状
況
2
行以は建
外あ設
てのる業
い事がが
る 業建中
も 設心
業で
っ
1
行建
設
て業
いの
るみ
を
サ
ン
プ
ル
数
全体
1.ともに黒字で、利益額は増加
830
75.7
18.8
1.4
0.1
0.0
48
64.6
29.2
4.2
0.0
0.0
2.1
2.ともに黒字で、利益額は概ね変化なし
113
71.7
20.4
3.5
0.0
0.0
4.4
3.ともに黒字であるが、利益額は減少
4.0
509
77.8
17.5
0.6
0.2
0.0
3.9
4.3期前は黒字だが現在は赤字
86
79.1
16.3
1.2
0.0
0.0
3.5
5.3期前は赤字だが現在は黒字
28
67.9
25.0
0.0
0.0
0.0
7.1
6.ともに赤字
37
73.0
18.9
5.4
0.0
0.0
2.7
9
66.7
22.2
0.0
0.0
0.0
11.1
無回答
添-79
〈問 10 現在の事業の状況 つづき〉
また、今期の経常利益の見通し別に見ると、経常利益が前期より増える見通しとしている企
業は建設業のみの企業割合がやや小さく建設業以外の事業を行っている(選択肢 2、3)企業の
割合が大きくなっている。
これより、企業業績を伸ばすには新分野進出が有効と考えられる。
問10-5
現在の事業の状況(SA)
(今期の経常利益見通別)
(%)
っ
っ
5
廃て ど
業おの
状ら事
態ず業
で事も
あ実行
る上
無
回
答
っ
3
4
で 外い建 い業建は実
あの る 設 る の設行質
る 事が業
み業 的
業建 も
を以てに
が設行
行外お建
中業
のら設
心以 て
て 事ず業
っ
無回答
っ
全体
1.前期より増える見通し
経 今
見
益 常 期 2.前期とほぼ同じ見通し
通
利 の 3.前期より減る見通し
2
行以は建
外あ設
てのる業
い事がが
る 業建中
も 設心
業で
っ
1
行建
設
て業
いの
るみ
を
サ
ン
プ
ル
数
830
75.7
18.8
1.4
0.1
0.0
89
69.7
22.5
3.4
0.0
0.0
4.5
239
76.2
15.9
2.5
0.4
0.0
5.0
491
76.4
19.8
0.6
0.0
0.0
3.3
11
81.8
9.1
0.0
0.0
0.0
9.1
添-80
4.0
問 11
今後 3 年程度における事業の展望(SA)
建設業の経営が厳しくなる中で、今後 3 年間程度の事業の展望を聞くと、依然として「建設
業のみを行っている」という回答が 48%に上っている。
「建設業が中心ではあるが建設業以外の
事業も行っている」は現状で 19%であったものが、3 年後の展望では 29%となっており、10 ポ
イント上昇している。さらに、
「建設業も行っているが建設業以外の事業が中心である」は現状
で1%であったものが 4%になっており、3 ポイント上昇している。また、「将来の方向を決め
かねている」が 15%となっており、新分野進出への戸惑いも見られる。
問11-1 今後3年間程度における事業の展望(SA)
N=830
その他
0%
無回答
4%
将来の方向性を決めか
ねている
15%
建設業は行っておらず
建設業以外の事業のみ
を行っている
0%
建設業も行っているが
建設業以外の事業が中
心である
4%
建設業のみを行ってい
る
48%
建設業が中心ではある
が建設業以外の事業も
行っている
29%
添-81
〈問 11 今後 3 年程度における事業の展望 つづき〉
業務内容により違いは認められない。
企業規模別に見ると、10 人以下の企業は将来の方向性を決めかねていると回答する企業が平
均より多い。11 人以上の企業は、建設業が中心ではあるが建設業以外の事業も行っていると選
択する企業が平均より多い。21 人以上の企業になると将来の方向性を決めかねているとの回答
は激減し、大規模企業ほど今後の展望として明確な方針を有していることが伺われる。
問11-2
今後3年程度における事業の展望(SA)
(業務内容別)
(%)
4
行外お建
のら設
て 事ず業
い業建は
る の設行
み業
を以て
っ
っ
っ
業
務
内
容
っ
全体
2
3
行以は建 で 外い建
外あ設 あのる設
て の る 業 る 事が業
い事がが
業建 も
る 業建中
が設行
も 設心
中業
業で
心以て
っ
1
行建
設
て業
いの
るみ
を
サ
ン
プ
ル
数
5
決将
め来
かの
ね方
て向
い性
るを
6
そ
の
他
無
回
答
1,253
45.1
31.7
4.4
0.2
14.1
0.2
4.3
1.土木工事業
657
44.1
30.3
3.5
0.2
16.6
0.3
5.0
2.建築工事業
227
44.9
37.0
4.4
0.0
10.1
0.0
3.5
3.管工事業
139
48.2
30.2
5.8
0.0
11.5
0.0
4.3
65
49.2
30.8
9.2
0.0
9.2
1.5
0.0
4.電気工事業
5.舗装工事業
91
42.9
30.8
2.2
0.0
17.6
0.0
6.6
6.その他
73
47.9
31.5
8.2
1.4
9.6
0.0
1.4
1
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
3
で外い建
あのる設
る 事が業
業建 も
が設行
中業
心以 て
4
行外お建
のら設
て 事ず業
い 業建は
る の設行
み業
を以て
無回答
問11-3
今後3年程度における事業の展望(SA)
(職員数(常勤(技術系+事務系))別)
(%)
っ
っ
っ
っ
全体
2
行以は建
外あ設
てのる業
い事がが
る 業建中
も 設心
業で
っ
1
行建
設
て業
いの
るみ
を
サ
ン
プ
ル
数
5
決将
め来
かの
ね方
て向
い性
るを
6
そ
の
他
無
回
答
46.6
29.3
4.0
0.1
15.3
0.4
4.3
職
員
数
207
43.0
24.6
4.8
0.0
22.7
0.5
4.3
2.6∼10人
301
49.8
24.6
2.3
0.3
16.9
0.3
5.6
3.11∼20人
192
51.0
30.7
1.6
0.0
14.1
0.0
2.6
常
勤
4.21∼50人
94
42.6
40.4
10.6
0.0
1.1
1.1
4.3
5.51∼100人
13
15.4
61.5
15.4
0.0
0.0
0.0
7.7
9
11.1
88.9
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
14
50.0
35.7
7.1
0.0
7.1
0.0
0.0
︵
830
1.0∼5人
︶
6.101人超
無回答
添-82
〈問 11 今後 3 年程度における事業の展望 つづき〉
最近の経常利益別に見ると、経常利益を赤字から黒字化した企業の 39.3%が 3 年後に建設業
以外の事業も行っているとする展望を有しており、新分野を志向していると考えられる。また、
業績が不振な企業(選択肢 3、4、6)ほど将来の方向性を決めかねていると回答する割合が高い。
経常利益の見通し別に見ると、経常利益が前期よりも増える見通しとしている企業の 4 割近
くが今後の展望として建設業以外の事業も行っているとしており、新分野進出を志向している
と考えられる。経常利益が前期よりも減る見通しの企業は、将来の方向性を決めかねていると
する企業の割合が高く、今後に迷いを持っていることが伺われる。
問11-4
今後3年程度における事業の展望(SA)
(最近の経常利益別)
(%)
4
行外お建
のら設
て 事ず業
い業建は
る の設行
み業
を以て
っ
っ
っ
っ
最
近
経
の
常
経
利
営
益
状
況
2
3
行以は建 で 外い建
外あ設 あのる設
て の る 業 る 事が業
い事がが
業建 も
る 業建中
が設行
も 設心
中業
業で
心以て
っ
1
行建
設
て業
いの
るみ
を
サ
ン
プ
ル
数
5
決将
め来
かの
ね方
て向
い性
るを
6
そ
の
他
無
回
答
全体
1.ともに黒字で、利益額は増加
830
46.6
29.3
4.0
0.1
15.3
0.4
4.3
48
54.2
25.0
6.3
0.0
10.4
2.1
2.1
2.ともに黒字で、利益額は概ね変化なし
113
50.4
32.7
5.3
0.9
5.3
0.0
5.3
3.ともに黒字であるが、利益額は減少
509
46.6
28.3
3.7
0.0
16.9
0.2
4.3
4.3期前は黒字だが現在は赤字
86
40.7
29.1
2.3
0.0
23.3
1.2
3.5
5.3期前は赤字だが現在は黒字
28
39.3
39.3
0.0
0.0
14.3
0.0
7.1
6.ともに赤字
37
43.2
29.7
8.1
0.0
16.2
0.0
2.7
9
55.6
33.3
0.0
0.0
0.0
0.0
11.1
無回答
問11-5
今後3年程度における事業の展望(SA)
(今期の経常利益見通し別)
(%)
っ
っ
4
行外お建
のら設
て 事ず業
い業建は
る の設行
み業
を以て
っ
っ
経 今
常 期
通
利 の
益 見
2
3
行以は建 で 外い建
外あ設 あのる 設
て の る 業 る 事が業
い事がが
業建 も
る 業建中
が設行
も 設心
中業
業で
心以 て
っ
1
行建
設
て業
いの
るみ
を
サ
ン
プ
ル
数
5
決将
め来
かの
ね方
て向
い性
るを
6
そ
の
他
無
回
答
全体
1.前期より増える見通し
830
46.6
29.3
4.0
0.1
15.3
0.4
89
44.9
37.1
1.1
0.0
10.1
2.2
4.5
2.前期とほぼ同じ見通し
239
53.1
23.4
5.0
0.0
13.0
0.0
5.4
3.前期より減る見通し
491
43.4
31.0
4.1
0.2
17.5
0.2
3.7
11
63.6
18.2
0.0
0.0
9.1
0.0
9.1
無回答
添-83
4.3
問 12
今後 3 年間の事業展開として建設業のみを行っていく理由
問 10、問 11 でいずれも建設業のみを行っていくと回答した企業を対象にその理由を聞いたと
ころ、多様な回答結果となった。最も多い回答は「建設業のみでもやっていけると思うため」
で 31%であり、ついで「多角化や事業転換をおこなっても、自社がうまくいく自信がないため」
が 24%となっている。他にもいくつかの理由があるが、
「景気回復などによりいずれ建設業界の
厳しい環境も改善され、以前のように戻ると思うため」という危機感の無い回答が 13%となっ
ていることも着目される点である。
問12-1 今後3年間の事業展開として建設業のみを行っていく理由
N=385
その他
2%
無回答
1%
3年間の間では時間的
に無理だと思うため
9%
以前のように戻ると思う
ため
13%
自社がうまくいく自信が
ないため
24%
建設業のみでもやって
いけると思うため
31%
経営的に魅力ある進出
先が見あたらないため
20%
添-84
〈問 12 今後 3 年間の事業展開として建設業のみを行っていく理由 つづき〉
業務内容により違いは認められない。
企業規模別に見ると、5 人以下の企業は自社がうまくいく自信がないとした企業が 40.4%と
高率であり、新分野進出への自信の無さを伺わせる。一方、以前のように戻ると思うとする企
業も、小規模なほど多く、規模の小さい企業ほど危機感の無い企業が多く存在していることが
伺われる。また、6 人以上の企業の多くが建設業のみでやっていけるとしているが、これには
根拠なく楽観視している企業と今後に自信を有している企業との 2 種に分かれると思われる。
問12-2
今後3年間の事業展開として建設業のみを行っていく理由
(業務内容別)
(%)
全体
業
務
内
容
2
思や建
う 設
たて業
めいの
けみ
るで
とも
っ
1
る以
と前
思の
うよ
たう
めに
戻
サ
ン
プ
ル
数
3
たる経
ら 進営
な 出的
い先に
たが魅
め見力
ああ
4
めく自
自社
信が
がう
なま
いく
たい
5
と時3
思間年
う 的間
たにの
め無間
理で
だは
6
そ
の
他
無
回
答
562
13.7
31.1
20.1
23.1
9.4
1.6
1.土木工事業
288
13.5
29.2
20.1
24.3
10.1
1.7
0.9
1.0
2.建築工事業
101
9.9
35.6
19.8
27.7
5.0
2.0
0.0
3.管工事業
67
14.9
32.8
22.4
19.4
9.0
0.0
1.5
4.電気工事業
32
12.5
43.8
18.8
15.6
0.0
6.3
3.1
5.舗装工事業
39
17.9
25.6
20.5
17.9
17.9
0.0
0.0
6.その他
35
20.0
25.7
17.1
20.0
17.1
0.0
0.0
0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
無回答
問12-3
今後3年間の事業展開として建設業のみを行っていく理由
(職員数(常勤(技術系+事務系))別)
(%)
全体
2
思や建
う 設
たて業
めいの
けみ
るで
とも
っ
1
る以
と前
思の
うよ
たう
めに
戻
サ
ン
プ
ル
数
3
たる経
ら 進営
な 出的
い先に
たが魅
め見力
ああ
4
めく自
自社
信が
がう
なま
いく
たい
5
と時3
思間年
う 的間
たにの
め無間
理で
だは
6
そ
の
他
無
回
答
13.0
31.4
19.7
24.2
8.8
1.8
1.0
職
員
数
89
19.1
16.9
18.0
40.4
5.6
0.0
0.0
2.6∼10人
149
13.4
34.9
14.8
21.5
8.7
4.7
2.0
3.11∼20人
98
8.2
32.7
30.6
16.3
11.2
0.0
1.0
常
勤
4.21∼50人
40
7.5
50.0
15.0
20.0
7.5
0.0
0.0
5.51∼100人
1
0.0
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
6.101人超
1
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
無回答
7
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
︵
385
1.0∼5人
︶
添-85
〈問 12 今後 3 年間の事業展開として建設業のみを行っていく理由 つづき〉
最近の経常利益別に見ると、3 期前も前期も赤字である企業の 31.3%が今後建設業のみ行っ
ていく理由として景気が以前のように戻ると思うためとしており、経営状況の厳しい企業ほど
危機感が欠如していることが伺われる。一方、3 期前も前期もともに黒字でかつ利益額も減少し
ていない企業の 4 割程度が建設業のみでもやっていけると思うためとしており、専業での生き
残りに自信を見せている。黒字ではあるが利益額は減少している企業の 24.6%が経営的に魅力
ある進出先が見当たらないためとしている。これは逆にいうと魅力さえ感じれば新分野に進出
する可能性があるともいえ、適切な支援策や情報によっては今後新分野へ進出する層であると
考えられる。
今期の見通し(経常利益)別に見ると、前期よりも増える見通しとなっている企業の 41.0%
が建設業のみでもやっていけると思うためとしており他企業に比べて高率となっており、本業
での自信を表している。
問12-4
今後3年間の事業展開として建設業のみを行っていく理由
(最近の経常利益別)
(%)
最
近
経
の
常
経
利
営
益
状
況
2
思や建
う 設
たて業
めいの
けみ
るで
とも
っ
1
る以
と前
思の
うよ
たう
めに
戻
サ
ン
プ
ル
数
3
たる経
ら 進営
な 出的
い先に
た が魅
め見力
ああ
4
めく自
自社
信が
がう
なま
いく
たい
5
と時3
思間年
う 的間
たにの
め無間
理で
だは
6
そ
の
他
無
回
答
全体
1.ともに黒字で、利益額は増加
385
13.0
31.4
19.7
24.2
8.8
1.8
1.0
26
11.5
46.2
19.2
7.7
15.4
0.0
0.0
2.ともに黒字で、利益額は概ね変化なし
57
236
15.8
11.0
38.6
30.1
10.5
24.6
21.1
23.3
10.5
7.6
1.8
2.1
1.8
1.3
34
5.9
23.5
17.6
44.1
8.8
0.0
0.0
11
16
18.2
31.3
27.3
31.3
0.0
0.0
45.5
18.8
9.1
12.5
0.0
6.3
0.0
0.0
5
60.0
0.0
20.0
20.0
0.0
0.0
0.0
3.ともに黒字であるが、利益額は減少
4.3期前は黒字だが現在は赤字
5.3期前は赤字だが現在は黒字
6.ともに赤字
無回答
問12-5
今後3年間の事業展開として建設業のみを行っていく理由
(今期の経常利益見通別)
(%)
全体
経 今 1.前期より増える見通し
常 期 2.前期とほぼ同じ見通し
通
利 の
益 見 3.前期より減る見通し
無回答
2
思や建
う 設
たて業
めいの
けみ
るで
とも
っ
1
る以
と前
思の
うよ
たう
めに
戻
サ
ン
プ
ル
数
3
たる経
ら 進営
な 出的
い先に
たが魅
め見力
ああ
4
めく自
自社
信が
がう
なま
いく
たい
5
と時3
思間年
う 的間
たにの
め無間
理で
だは
6
そ
の
他
無
回
答
385
13.0
31.4
19.7
24.2
8.8
1.8
1.0
39
7.7
41.0
25.6
20.5
2.6
0.0
2.6
127
16.5
29.9
18.9
22.0
10.2
2.4
0.0
212
10.8
30.2
19.3
26.9
9.4
1.9
1.4
7
42.9
42.9
14.3
0.0
0.0
0.0
0.0
添-86
問 13 建設業以外に現在行っている事業分野、将来の多角化・事業転換する先として可能性・関
心のある事業分野(MA)
可能性のある分野として挙がったのは「農業関連」「リフォーム工事事業関連」「環境・リサ
イクル関連」が 20%以上となっており、やや下がって「福祉・介護事業関連」
「不動産・不動産
管理業」となっている。
無回答も 14%と多くなっており、建設業のみでの生き残りは困難と思っていても、具体的に
分野を絞りきれていない企業が相当数あると考えられる。
問13-1 建設業以外に現在行っている事業分野、将来の多角化・事業転換する先として
可能性・関心のある事業分野(MA)
N=445
リフォーム工事業関連
23.1
不動産業・不動産管理業
13.3
農業関連
24.3
林業関連
4.9
漁業関連
0.2
福祉・介護事業関連
18.9
環境・リサイクル関連
22.7
観光関連
2.5
製造業
4.9
物販
5.6
飲食関連
7.0
その他
4.7
無回答
14.4
0
5
10
15
20
25
30
%
添-87
◎当該事業分野を選んだ理由の主な意見
自由記入欄で当該事業分野を選んだ理由として挙げられている意見をまとめると、各進出分野
により異なる傾向が見られた。農業、リフォーム、環境関連については現業との関連が深いこと
を理由に挙げる企業が多く、福祉関連、不動産業については周囲の環境を理由に挙げる企業が多
い。
進出分野
農業
区分
業界特性
周囲の環境
現業との関
連
業界特性
リフォーム
周囲の環境
現業との関
連
業界特性
周囲の環境
環境
現業との関
連
業界特性
福祉
周囲の環境
現業との関
連
業界特性
周囲の環境
不動産
現業との関
連
内容
・高齢化しており担い手が減少傾向にある、休耕地が増え
る。
・初期投資が少なく、手早く始められる。
・時代の流れ、食糧不足になる、食料を海外に頼るべきで
はない。
・中小零細が多く、事業としての可能性がある。
・健康で安全な食への高まりがある。
・周囲に農業関係者がいる。
・会社の立地条件からみて合っている。
・農協等に技術面・経営面で相談に乗ってもらえそう。
・閑散期・繁忙期がずれて労働力調整がしやすい。
・農業土木工事をしているので農業と関連がある。
・社内の人材が生かせる、従業員で農業者がいる。
・自社の重機、機械力を生かせそう。
・既に農地を保有している。
・過去にやったことがあり、経験がある。
・今後新築が減少し、その分リフォーム工事分野の需要拡
大が見込める。
・リフォームは資金も安くすみ、話が進めやすい。
−
・建設業に関連する分野であり参入しやすい。
・これまで住宅を建設してきたので、その客への営業の徹
底を行う。
・他に何も思い浮かばない。
・これからは社会的に求められる分野であり、将来的に期
待のもてる事業だと思う。
・産業廃棄物処理場が 1 社しかなく、処理が滞っている。
・既存の産廃処分場が利用できるとともに、将来的に産廃
処理問題が浮上すると予想される。
・ソーラー発電に詳しい知人がおり、ノウハウを勉強中。
・建設業に関連がある。本業の延長線上にある。
・保有している重機や車が生かせる。
・建設工事の合間に、社員が未就労にならないように太陽
光発電取付販売、エコ給湯設備、合併浄化槽工事などを
行い、少しでも利益になるようにとすでに始めている。
・産業廃棄物処理施設があり、自社の解体工事からの廃棄
物から処理を始めている。
・少子高齢化の時代であり、今後必要性が増大すると思わ
れる。
・福祉関係に精通した人材がいる。
・自身が要介護老人を抱えて苦労している。
・建設業と関連することが多い。
・自社の土地の有効活用を図りたい。
・商用店舗の賃貸で安定した収入を見込める。
・自分に信頼できるブレーンがいた。
・既に自ら不動産事業を行っている。
・遊休資産(土地)の有効活用を図る。
・不動産業に伴う建設工事をやりたい。
・建設業と関連があり、現在までにノウハウを得てきた。
添-88
〈問 13 建設業以外に現在行っている事業分野、将来の多角化・事業転換する先として可能性・
関心のある事業分野 つづき〉
業務内容別に見ると、建築工事業者は進出先としてリフォーム工事業関連に 27.4%、不動産
業・不動産管理業に 16.8%が関心を示している。これは建築工事業者にとってこの分野は本業
の周辺分野とも言える近い分野であり、さしたる投資も必要とせず始めやすい分野であるから
と考えられる。また、舗装工事業者の 25.7%が農業関連に関心を示しているが、これも農道整
備など、本業が既に同分野に関連があるからと考えられる。
これを企業規模別に見ると、小規模な企業で農業関連に関心を寄せる割合が高いが、これは
もともと家族的経営の建設業者においては経営者や従業員が個人的に兼業で農家を行っている
例が多いためと考えられる。21 人以上の大規模な企業で環境・リサイクル関連に関心を示して
いる企業の割合が高いのは、建設廃材の処理などで既に廃棄物収集運搬等を行っている企業が
多いと考えられるからである。福祉・介護事業関連に関心を示すのは 51 人以上の企業であり、
規模や経営資源に比較的恵まれた企業が選出先として有力視していると考えられる。
問13-2
建設以外に現在行っている事業分野、将来の多角化・事業転換する先として
可能性・関心のある事業分野(MA) (業務内容別)
(%)
全体
業
務
内
容
1
事リ
業フ
関
連
ム
工
ォー
サ分
ン析
プ
ル
数
2
動不
産動
管産
理業
業・
不
3
農
業
関
連
4
林
業
関
連
5
漁
業
関
連
6
業福
関祉
連・
介
護
事
7
ク環
ル境
関・
連リ
サ
イ
8
観
光
関
連
9
製
造
業
10
物
販
11
飲
食
関
連
12
そ
の
他
無
回
答
1,023
16.6
9.2
16.4
3.3
0.2
13.3
15.9
1.3
3.4
3.7
4.6
3.5
8.5
1.土木工事業
541
14.4
8.7
19.0
3.9
0.2
13.1
15.3
1.7
2.8
3.0
4.6
3.3
10.0
2.建築工事業
197
27.4
16.8
10.7
2.0
0.0
14.7
12.7
0.5
1.5
3.0
3.0
2.5
5.1
3.管工事業
100
20.0
5.0
16.0
3.0
1.0
11.0
19.0
0.0
7.0
5.0
7.0
5.0
1.0
48
12.5
4.2
6.3
0.0
0.0
14.6
22.9
2.1
6.3
10.4
6.3
4.2
10.4
4.電気工事業
5.舗装工事業
74
5.4
5.4
25.7
5.4
0.0
12.2
13.5
1.4
5.4
4.1
4.1
2.7
14.9
6.その他
57
14.0
5.3
8.8
1.8
0.0
14.0
24.6
0.0
5.3
3.5
5.3
7.0
10.5
6
0.0
0.0
16.7
16.7
0.0
16.7
16.7
16.7
0.0
16.7
0.0
0.0
0.0
無回答
問13-3
建設以外に現在行っている事業分野、将来の多角化・事業転換する先として
可能性・関心のある事業分野(MA) (職員数(常勤(技術系+事務系))別)
(%)
1
事リ
業フ
関
連
ム
工
全体
ォー
サ
ン
プ
ル
数
2
動不
産動
管産
理業
業・
不
3
農
業
関
連
4
林
業
関
連
5
漁
業
関
連
6
業福
関祉
連・
介
護
事
7
ク環
ル境
関・
連リ
サ
イ
8
観
光
関
連
9
製
造
業
10
物
販
11
飲
食
関
連
12
そ
の
他
無
回
答
23.1
13.3
24.3
4.9
0.2
18.9
22.7
2.5
4.9
5.6
7.0
4.9
14.4
職
員
数
118
16.9
10.2
29.7
4.2
0.0
12.7
12.7
0.8
3.4
5.9
5.1
5.1
17.8
2.6∼10人
152
25.7
13.8
21.1
5.3
0.7
19.1
20.4
2.0
2.0
4.6
7.9
6.6
17.8
3.11∼20人
94
23.4
11.7
26.6
7.4
0.0
21.3
26.6
3.2
5.3
7.4
6.4
3.2
12.8
常
勤
4.21∼50人
54
22.2
16.7
24.1
1.9
0.0
14.8
33.3
5.6
14.8
5.6
11.1
3.7
3.7
5.51∼100人
12
41.7
25.0
8.3
0.0
0.0
33.3
33.3
0.0
16.7
8.3
0.0
0.0
0.0
6.101人超
8
37.5
25.0
12.5
0.0
0.0
62.5
37.5
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
12.5
無回答
7
28.6
14.3
14.3
14.3
0.0
42.9
71.4
14.3
0.0
0.0
14.3
14.3
14.3
︵
445
1.0∼5人
︶
添-89
〈問 13 建設業以外に現在行っている事業分野、将来の多角化・事業転換する先として可能性・
関心のある事業分野 つづき〉
最近の経常利益別に見ると、経営状況の好・不調により、特に傾向に違いは認められない。
また、今期の経常利益の見通し別に見ると、前期より増える見通しの企業は、リフォーム工
事業関連や不動産業・不動産管理業に関心を示す割合が高い。これは、経常利益の見通しが比
較的好調な企業が建築工事業に多いことから(問 2-4-2)
、本業に近いリフォームや不動産業を
志向するものと考えられる。また、前期より減る見通しである企業は、農業関連に関心を示す
割合が高い。これは経常利益の見通しが比較的低調な企業が舗装工事業に多いことから(問
2-4-2)、農道整備などで本業に関連のある農業を志向するものと考えられる。
問13-4
建設以外に現在行っている事業分野、将来の多角化・事業転換する先として
可能性・関心のある事業分野(MA) (最近の経常利益別)
(%)
︵
︶
経 経 2.ともに黒字で、利益額は概ね変化なし
常 営 3.ともに黒字であるが、利益額は減少
利 状 4.3期前は黒字だが現在は赤字
益況
5.3期前は赤字だが現在は黒字
6.ともに赤字
1
事リ
業フ
関
連
ム
工
445
23.1
13.3
24.3
4.9
0.2
18.9
22.7
2.5
4.9
5.6
7.0
4.7
14.4
22
22.7
18.2
13.6
0.0
0.0
13.6
36.4
4.5
13.6
4.5
4.5
0.0
13.6
2
動不
産動
管産
理業
業・
不
3
農
業
関
連
4
林
業
関
連
5
漁
業
関
連
6
業福
関祉
連・
介
護
事
7
ク環
ル境
関・
連リ
サ
イ
8
観
光
関
連
9
製
造
業
10
物
販
11
飲
食
関
連
12
そ
の
他
無
回
答
56
26.8
12.5
19.6
5.4
0.0
19.6
21.4
0.0
3.6
7.1
7.1
5.4
16.1
273
22.3
14.3
25.6
6.2
0.4
19.0
23.1
2.9
4.8
5.9
7.0
3.7
13.6
52
19.2
9.6
26.9
1.9
0.0
15.4
17.3
1.9
3.8
1.9
5.8
13.5
17.3
17
29.4
0.0
23.5
5.9
0.0
17.6
23.5
5.9
5.9
11.8
11.8
0.0
23.5
21
28.6
14.3
23.8
0.0
0.0
19.0
23.8
0.0
4.8
4.8
9.5
4.8
4.8
4
25.0
25.0
25.0
0.0
0.0
75.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
25.0
無回答
問13-5
ォー
全体
1.ともに黒字で、利益額は増加
サ
ン
プ
ル
数
建設以外に現在行っている事業分野、将来の多角化・事業転換する先として
可能性・関心のある事業分野(MA) (今期の経常利益見通別)
(%)
無回答
1
事リ
業フ
関
連
ム
工
2
動不
産動
管産
理業
業・
不
3
農
業
関
連
445
23.1
13.3
24.0
4.9
50
28.0
24.0
20.0
4.0
112
25.0
14.3
20.5
279
21.9
11.1
4
0.0
0.0
ォー
全体
経 今 1.前期より増える見通し
見
益 常 期 2.前期とほぼ同じ見通し
通
利 の 3.前期より減る見通し
サ
ン
プ
ル
数
4
林
業
関
連
6
業福
関祉
連・
介
護
事
7
ク環
ル境
関・
連リ
サ
イ
0.2
18.4
22.7
2.5
4.9
5.6
7.0
4.7
0.0
20.0
12.0
2.0
4.0
4.0
8.0
4.0
12.0
6.3
0.0
20.5
25.0
2.7
3.6
9.8
4.5
5.4
11.6
26.5
4.7
0.4
17.6
24.0
2.5
5.7
4.3
7.9
4.7
15.4
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
添-90
5
漁
業
関
連
8
観
光
関
連
9
製
造
業
10
物
販
11
飲
食
関
連
12
そ
の
他
無
回
答
13.9
〈問 13 建設業以外に現在行っている事業分野、将来の多角化・事業転換する先として可能性・
関心のある事業分野 つづき〉
本設問は、既に新分野に進出している企業と未進出の企業の両者を分けずに聞いているが、
ここでは両者の違いにより志向する事業分野が異なるか否かを検討する。なお、進出済み企業
が選択する事業分野は、実際に進出している分野と、進出はしていないが関心のある分野の両
者を含んでいる。
進出済み企業が選択した分野としては、環境・リサイクル関連が最も多い。これは自社の業
務に関連して、産業廃棄物(主に建設廃棄物)の収集運搬業務や処理業務を一体的に行ってい
るからと考えられる。(問 10-3 のコメント欄参照)他には不動産業・不動産管理業やリフォー
ム工事業関連など本業関連分野の回答が多い。
未進出企業が関心を持つ分野としては、農業関連が最も多く、次いでリフォーム工事業関連
となっている。建設業のみを行っている企業は小規模なところが多く(問 10-3 参照)、多くの
投資を必要とせず比較的簡単に始められるとして同分野を志向しているものと考えられる。逆
に、一定の資本(不動産)が必要とされる不動産業・不動産管理業を選択する企業はかなり少
なくなっている。
また、進出未進出を問わず福祉・介護事業関連に関心を示す企業が多い。
なお、未進出企業には無回答も多く、今後の展望として新分野進出を志向していても具体的
な進出分野を絞りきれていない企業が多いことが伺える。
問13-6 建設以外に現在行っている事業分野、将来の多角化・事業転換する先として
可能性・関心のある事業分野(MA) (新分野進出の有無別)
N=455
%
25.0
20.9
20.0
15.0
19.6
18.2
13.0
14.9
13.113.4
11.2
12.8
12.2
10.0
6.2
0.00.4
添-91
製造業
建設業のみを行っている会社の回答(1)
観光関連
環 境 ・リ サ イ ク ル 関 連
福 祉 ・介 護 事 業 関 連
漁業関連
林業関連
農業関連
不 動 産 業 ・不 動 産 管 理
業
リ フ ォー ム 工 事 業 関 連
0.0
3.64.3
4.55.1
1.5
3.03.6
3.6
無回答
1.81.8
そ の他
2.9
飲食関連
4.2
物販
4.2
5.0
新分野に進出済の会社の回答(2,3,4)
問 14
問 13 の新分野で最も有効活用できる経営資源(SA)
新分野進出で有効活用できる経営資源は、「建設技術者などの人材」「土地・建物などの不動
産資産」「技術力・ノウハウ」がいずれも 18%程度で並んでいる。
また、無回答も 24%と高く、新分野進出の重要性はわかっていても自らの経営に照らし合わ
せて何にどのような経営資源が活用できるかがわからない企業が多いことが伺える。
問14-1 問13の新分野で最も有効活用できる経営資源(SA)
N=445
18.2
建設技術者などの人材
10.1
建設機械やトラックなどの資産
18.4
土地・建物などの不動産資産
7.2
資金
18.4
技術力・ ノウハウ
3.4
その他
24.3
無回答
0
5
10
15
20
25
30
%
添-92
〈問 14 問 13 の新分野で最も有効活用できる経営資源 つづき〉
業務内容別に見ると、建築工事業では技術力・ノウハウを挙げる企業が多い。これは問 13-2
において示したとおり、建築工事業者が関心のある分野として挙げているのがリフォーム工事
業関連等、建築業の周辺分野であるからと考えられる。
管工事業や電気工事業などの専門工事業者は専門分野に長けている人材や社として持ってい
る技術力・ノウハウを活用できると回答している。
舗装工事業においては建設機器やトラックなどの資産を挙げている回答が多いが、これは舗
装工事業者は農業関連を志向していることから(問 13-2 参照)、農地整備を視野にいれている
ものと考えられる。
企業規模別に見ると、企業の規模が大きくなるほど、建設技術者などの人材を活用できると
の回答が多くなっている。これは事業に携わることのできる人数の差であると考えられる。
問14-2
問13の新分野で最も有効活用できる経営資源(SA)
(業務内容別)
(%)
全体
業
務
内
容
2
どト建
のラ設
資 機
産ク械
なや
ッ
1
な建
ど設
の技
人術
材者
サ
ン
プ
ル
数
3
産な土
資ど地
産の ・
不建
動物
4
資
金
5
ノ技
ウ術
ハ力
ウ ・
8
そ
の
他
無
回
答
691
19.1
10.7
18.5
6.7
19.0
2.9
23.2
1.土木工事業
369
19.0
11.9
19.5
6.8
15.2
3.5
24.1
2.建築工事業
126
20.6
4.8
21.4
4.0
24.6
0.8
23.8
3.管工事業
72
23.6
12.5
15.3
11.1
27.8
0.0
9.7
4.電気工事業
33
21.2
0.0
6.1
12.1
21.2
6.1
33.3
5.舗装工事業
52
15.4
17.3
15.4
5.8
11.5
5.8
28.8
6.その他
38
10.5
15.8
18.4
2.6
28.9
2.6
21.1
1
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
無回答
問14-3
問13の新分野で最も有効活用できる経営資源(SA)
(職員数(常勤(技術系+事務系))別)
(%)
2
どト建
のラ設
資 機
産ク械
なや
ッ
1
な建
ど設
の技
人術
材者
サ
ン
プ
ル
数
3
産な土
資ど地
産の ・
不建
動物
4
資
金
5
ノ技
ウ術
ハ力
ウ ・
8
そ
の
他
無
回
答
445
18.2
10.1
18.4
7.2
18.4
3.4
24.3
職
員
数
118
12.7
9.3
22.9
6.8
13.6
2.5
32.2
2.6∼10人
152
19.1
7.9
20.4
7.9
15.8
2.6
26.3
3.11∼20人
94
19.1
13.8
11.7
6.4
24.5
5.3
19.1
常
勤
4.21∼50人
54
20.4
14.8
20.4
5.6
20.4
5.6
13.0
5.51∼100人
︵
全体
1.0∼5人
︶
12
33.3
0.0
0.0
16.7
41.7
0.0
8.3
6.101人超
8
37.5
0.0
25.0
0.0
25.0
0.0
12.5
無回答
7
14.3
14.3
0.0
14.3
14.3
0.0
42.9
添-93
〈問 14 問 13 の新分野で最も有効活用できる経営資源 つづき〉
関心のある進出分野別に見ると、リフォーム工事業関連については人材・ノウハウが活用で
きるとする回答が多かった。これは同分野に関心を示す企業が建築工事業者に多いことから(問
13-2 参照)、既に本業において基本的な技術やそれを有する人材が揃っていることを示している。
農業関連については、トラックなどの資産や不動産などを挙げている企業が多いが、これは
農地整備と建設業との関係性を示す回答と考えられる。
福祉・介護事業関連については、不動産や資金などを挙げている企業が多い。同分野に進出
するには施設や新規の人材が必要なので、一定の資本(動産・不動産含めて)を有する企業で
ないとなかなか進出できないことが伺われる。
環境・リサイクル関連については、人材やトラックなどの資産を挙げている企業が多い。こ
れは既に事業を行っている例が多いと見られることから、実際に運営するにあたっても必要と
される資源を挙げているものと考えられる。
問14-4
問13の新分野で最も有効活用できる経営資源(SA)
(問13の進出分野別)
(%)
全体
3
産な土
資ど地
産の ・
不建
動物
4
資
金
5
ノ技
ウ術
ハ力
ウ ・
8
そ
の
他
無
回
答
652
19.5
9.8
19.2
6.9
17.9
3.4
23.3
103
34.0
1.0
9.7
4.9
35.9
1.0
13.6
59
16.9
5.1
42.4
6.8
8.5
3.4
16.9
3.農業関連
108
18.5
23.1
24.1
6.5
9.3
2.8
15.7
4.林業関連
22
22.7
27.3
4.5
4.5
22.7
0.0
18.2
5.漁業関連
1
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
6.福祉・介護事業関連
84
15.5
8.3
29.8
11.9
13.1
7.1
14.3
7.環境・リサイクル関連
1.リフォーム工事業関連
2.不動産業関連
問
1
3
の
進
出
分
野
2
どト建
のラ設
資 機
産ク械
なや
ッ
1
な建
ど設
の技
人術
材者
サ
ン
プ
ル
数
101
28.7
13.9
11.9
7.9
17.8
4.0
15.8
8.観光関連
11
9.1
9.1
27.3
0.0
9.1
0.0
45.5
9.製造業
22
0.0
9.1
13.6
0.0
45.5
4.5
27.3
10.物販
25
4.0
8.0
12.0
8.0
36.0
4.0
28.0
11.飲食関連
31
9.7
3.2
32.3
19.4
16.1
9.7
9.7
12.その他
21
19.0
9.5
23.8
4.8
14.3
4.8
23.8
無回答
64
9.4
0.0
1.6
1.6
4.7
0.0
82.8
添-94
問 15
新分野進出を行うにあたっての問題点や苦心(FA)
自由記入欄で問題点として挙げられている意見をまとめると、資金面についての意見が一番多
く、次いで人材についての意見が続いた。
分野
回答数
資金面
14
人材面
13
ノウハウ
6
営業力
2
手続き
4
問題なし
5
その他
21
内 容
・経営審査があるので、決算時期に借入金や土地の棚卸し資産
があると減点の対象となるので思い切った投資ができない。
・収入とならないうちに、先行投資があるので資金的に苦しい。
共倒れになりかねない。
・資格保有者などの専門人材の確保に苦労した。
・責任者としての人材の不足、育成が難しい。
・新分野についてのノウハウがない。
・建設業と違いユーザーに対し真剣に営業しなくてはビジネス
にならない。
・農業法人の設立や都市計画法など難しい点が多い。
・7∼8年前から構想を持って進出したため苦心がなかった。
・創業時から建設業と製造業の兼業で一方がよいときは一方が
補完してやってきた。
・リフォーム事業に進出し、新築需要の低迷を補うことができ
た。
・競合他社が出てきてすぐに価格競争になる。採算が取れるま
で資金繰りが困難になる。
・全く新しい分野ではフランチャイズに加盟して指導してもら
う。
・飲食業に進出したが、単価の安さに労務体制がついて行かな
い。
添-95
問16
多角化・他業種転換への取り組みに期待する支援施策(MA)
期待する支援施策としては、「融資・助成制度の充実」が最も多く、全体の半数以上を占めて
いる。次いで、
「新分野進出アドバイザーの派遣」が 30%近くに達している。この他、セミナー
の開催や事例集の作成、新分野進出マニュアルの作成、規制緩和などは 10%程度となっている。
これは、前問で問題点として、資金や人材を挙げる例が多く、これに対応したものと考えられ
る。
規制緩和の具体的な内容としては、農業特区や行政手続きの簡素化などが挙がっている。
問16-1 多角化・他業種転換への取り組みに期待する支援施策(MA)
N=445
28.3
新分野進出アドバイザーの派遣
11.2
セミナーの開催
融資・助成制度の充実
55.5
11.7
事例集の作成
12.6
新分野進出マニュアルの作成
8.1
規制緩和(構造改革特区を含む)
その他
0.9
19.3
無回答
0
10
20
30
40
50
60
%
添-96
〈問 16 多角化・他業種転換への取り組みに期待する支援施策 つづき〉
関心のある進出分野別に見ると、求める支援施策には違いは認められない。
問16-2
多角化・他業種転換への取り組みに期待する支援施策(MA)
(%)
7.5
39.1
7.6
166
19.3
11.4
38.0
10.2
94
19.1
7.4
34.0
7.4
3.農業関連
172
24.4
7.6
40.7
8.7
4.林業関連
35
17.1
8.6
45.7
5.漁業関連
2
50.0
0.0
0.0
6.福祉・介護事業関連
136
22.1
5.9
7.環境・リサイクル関連
165
20.0
7.9
2.不動産業関連
9
そ
の
他
無
回
答
︵
19.6
5
8
成 ニ 新 含造規
分 む改制
ア野
革緩
ル進
特和
の出
区
作マ
を構
︶
4
事
例
集
の
作
成
ュ
の
開
3
度融
の資
充・
実助
成
制
1,016
1.リフォーム工事業関連
問
1
3
の
進
出
分
野
2
催セ
ミ
ナ
ー
全体
1
派ド新
遣バ分
イ野
ザ進
出
のア
ー
サ分
ン析
プ
ル
数
8.3
7.8
0.4
9.8
9.0
3.6
0.6
7.8
10.6
10.6
0.0
10.6
8.7
7.0
0.0
2.9
2.9
2.9
20.0
0.0
2.9
0.0
50.0
0.0
0.0
0.0
40.4
6.6
8.8
9.6
0.0
6.6
40.0
7.3
10.9
8.5
0.6
4.8
8.観光関連
17
5.9
0.0
58.8
5.9
5.9
17.6
0.0
5.9
9.製造業
33
18.2
6.1
45.5
0.0
6.1
3.0
3.0
18.2
10.物販
41
12.2
7.3
46.3
14.6
7.3
7.3
0.0
4.9
11.飲食関連
52
25.0
5.8
46.2
5.8
3.8
11.5
0.0
1.9
12.その他
30
10.0
6.7
43.3
6.7
3.3
13.3
3.3
13.3
無回答
73
12.3
4.1
19.2
5.5
4.1
0.0
0.0
54.8
添-97
問17 自由意見(FA)
自由記入欄で挙げられた意見をまとめると、公共工事の発注量増加など行政への要望・提言が
最も多く、公共依存的体質から抜け切れていないことが伺える。しかしながら、前向きな自助努
力の必要性について記載する企業もあり、新しい経営環境に対応していこうとする姿勢も一部に
伺える。
◎代表的な意見
区分
発注量増大
発注方法改
善
評価の適正
化と不適格
業者の排除
受注・資材
価格
行 研修・講習
政 会等
へ
の
要
望
・ 規制・制度
提
言
その他
苦境の訴え
自助努力の必要
性
新分野関連
その他
代表的な意見
・公共事業の予算を増やして欲しい。
・予算増は望めないが、発注件数を増やして欲しい。
・地元企業や専門工事業に優先発注して欲しい。
・受注参加の機会を平等にして欲しい。
・技術者数など経審内容のチェックの厳格化をして欲しい。
・小規模でも技術がしっかりしている会社は指名して欲しい。大手(A,B
クラス)だけに指名を集中させないで欲しい。
・事業転換や新分野進出する場合は経審点数の加点をして欲しい。
・常勤技術者のいない企業等の整理が必要である。
・労務費単価が値下がりする中で従業員の給料は下げられない。労務
費単価を上げて欲しい。
・社員教育の費用が高額で年に1∼2人しか資格受検させられない。
県で安価な教育講習を考えて欲しい。
・建設業の将来予想等に関するセミナーを開いて欲しい。
・JV を行う際のノウハウを示して欲しい。
・CALS/EC の講習会はいつも下のクラスに合わせて基本ばかりである。
クラス毎にして高度な講習もして欲しい。
・公共事業は PFI 方式による発注を検討して欲しい。
・建設業で人材派遣を認めて欲しい。
・農地法や都市計画法を緩和して開発しやすくして欲しい。
・公共事業イコール悪という風潮等があるが、地域貢献の部分も PR
が必要である。
・多角化、他業種転換にはどこまで資本投資をすればよいのか、経験
不足のためわかりづらい。
・建設業者が多すぎるので、合併・協業を進めるほか、国の補助金を
使い廃業社を増加させる。
・現在の特A∼DクラスをBクラスまでとし、他はランク外として少
しでも業者数を減らす。
・協業化した企業体に県、市町村の後押しがあれば、大幅なリストラ
に踏み切ることなくソフトランディングできる。
・山間部では急に公共事業をなくすと生活できなくなり村が崩壊する。
・体力のあるうちに新分野へと思う反面、廃業も選択肢の一つと考え
ている。
・NHK の特集やこのアンケートを見て人ごとではないと思っているが、
10 名以下ではどうしたらよいかわからない。
・将来は合併、協業化等により事業者の適性数、体質改善(技術・資
本)が必要である。
・今度の改革で今までの親分・子分の建設業ではなく、新しい形がで
きると思い、頑張って生き残りを図っている。
・数年前に新分野進出をしたが、資金が続かず断念した。
・新分野進出について2∼3年前より考えているが、そのきっかけが
ない。取組についての支援、施策を要望する。
・地域の資源を官・民で考えてみたい。
添-98
宮崎県建設産業実態調査
平成16年6月 宮崎県土木部
(1) 本調査は、県の建設行政運営の基礎資料とするため、建設産業の実態を把握することを目的として行うものです。
(2) 本調査は宮崎県の有資格業者である企業の皆様の中から、企業規模等を考慮して約1,000社を対象に実施し
ております。本調査は統計データとしてとりまとめ、個別のご回答結果は開示致しません。
(3) ご回答は平成16年6月1日現在の状況を基にご記入下さい。
◎ご記入いただいた調査用紙は、同封の返信用封筒に入れ 7月2日(金)までにご投函下さい。
(お問合せ先) 〒880-8501 宮崎市橘通東2−10−1 TEL:0985-26-7176
宮崎県土木部管理課建設業担当
担当:長友・前口
問1.貴社の県内の主たる営業所の所在地、会社創業年、会社形態と資本金規模、主たる営業内容(28許可業種)
のそれぞれに関してご記入下さい。(職員数以下の項目は数字でお答え下さい)
主たる営業所
会社形態及び
資本金規模
主たる営業内容
(2つまで○)
市町村名(
1.
2.
4.
6.
1.
4.
)
個人事業
資本金3百万円未満の法人
資本金1千万円以上3千万円未満の法人
資本金1億円以上3億円未満の法人
土木工事業
2. 建築工事業
電気工事業
5. 舗装工事業
常勤職員: 事務系
職員数
完工高
会社創業年
人 技術系
西暦
年
3. 資本金3百万円以上1千万円未満の法人
5. 資本金3千万円以上1億円未満の法人
7. 資本金3億円以上の法人
3. 管工事業
6. その他(
人
非常勤職員(日給制など):
)
人
※経営事項審査における分類方法と同じです。
前期の完工高
百万円
(「前期」の意味は下記「回答にあたって」をお読み下さい)
元下比率
元請工事
割/下請工事
割(金額ベースとし、共に整数で合計10割となるようにご記入下さい)
外注比率
自社施工
割/外注
割(金額ベースとし、共に整数で合計10割となるようにご記入下さい)
(回答にあたっての注意事項)
「前期」とは、平成 16 年 6 月 1 日現在で、決算が確定している直近の会計期間をいいます。
貴社の収益の現状と見通しに関してお伺い致します
問2.貴社の完工高や経常利益の状況に関してご記入下さい。(いずれもあてはまるもの1つに○)
完工高
経常利益
最
近
の
経
営
状
況
今
期
見
通
し
問2−1.前期の完工高は、3期前と比べてどのような
状況ですか。
1. 大きく(概ね2割以上)増加
問2−2.前期の経常利益は、3期前と比較するとどのような状
況ですか。
1. 3期前も前期もともに黒字で、利益額は増加
2. やや(概ね 0.5 割∼2割)増加
2. 3期前も前期もともに黒字で、利益額は概ね変化がない
3. あまり変化はない
3. 3期前も前期もともに黒字であるが、利益額は減少
4. やや(概ね 0.5 割∼2割)減少
4. 3期前は黒字であったが、前期は赤字
5. 大きく(概ね2割以上)減少
5. 3期前は赤字であったが、前期は黒字
問2−3.今期の完工高の見通しは、前期と比べてどの
ようになっていますか。
1. 今期の完工高は前期より増える見通し
6. 3期前も前期もともに赤字
問2−4.今期の経常利益の見通しは、前期と比べてどのように
なっていますか。
1. 今期の経常利益は前期より増える見通し
2. 今期の完工高は前期とほぼ同じ見通し
2. 今期の経常利益は前期とほぼ同じ見通し
3. 今期の完工高は前期より減る見通し
3. 今期の経常利益は前期より減る見通し
添-99
貴社の経営課題に関してお伺い致します
問3.貴社の経営上の課題はどのようなことだと考えていますか。(あてはまるもの3つまで○)
1. 人材確保
2. 人員削減
3. 人材育成・技術力向上
4. 人件費抑制
5. 外注化の推進
6. 外注の削減
7. 資機材の導入・更新
8. 資機材の長期利用
9. 資機材のコスト抑制
10. 契約単価低下への対応
11.受注拡大
12. 資金調達
13. 有利子負債の削減
14. 情報化・ITへの対応
15. その他(
16. 特にない
問4.問3でお答え頂いた貴社の経営上の課題のうち、当面最も重要な課題はどのような
ことだと考えていますか。問3で○を付けたもののうち1つの数字を右欄にご記入下
さい。
問5.問4でお答え頂いた「当面最も重要な経営課題」に対する、現在の取り組み状況はどのようになっていますか。
(最も近いもの1つに○)
1. 課題としてはあるが、何をしていいかわからない
2. 経営者(経営陣)の頭の中で構想を練っている
3. 社内のプロジェクトチームなど、専任のスタッフが検討を行っている
4. 一通りの検討を行ったものの環境が整わず実行には至っていない
5. すでに実行を始めている
完工高減少への対応に関してお伺い致します
問6.これまでの貴社の経営において完工高が減少した際にどのような対応策を実施したことがありますか。
(あてはまるもの全てに○)
1. 営業活動を強化して対応した
2. 資金を借り入れて対応した
3. 賃金等人件費の抑制を実施した
4. 事業を縮小し、人員を削減した
5. 合併・協業化などを実施した
6. 経営の多角化(新分野進出など)を行った
7. 特に対応をしなかった
)
8. その他(具体的に:
問7.今後これまで以上に完工高が減少した際に、上記の対応策以外にどのような対応策を検討しますか。
(あてはまるもの2つまで○)
1. 営業活動の強化
2. 資金の借り入れ
3. 賃金等人件費の抑制
4. 事業を縮小し、人員を削減
5. 合併・協業化など
6. 経営の多角化(新分野進出など)
7. 特に対応は考えられない
)
8. その他(具体的に:
添-100
)
貴社の今後の事業の方向性に関してお伺い致します
問8.貴社が現在までに取り組んできた経営基盤強化策はどのようなものがありますか。
(あてはまるもの全てに○)
1. 人材資源の強化
2. コストダウンの徹底
3. 設計・積算、資材調達などの共同化
4. ITの活用による経営の合理化・効率化
5. 異業種や同業種による経営の協業化
6. 特に経営基盤強化策は実施していない
)
7. その他(具体的に:
問9.問8の選択肢のうち最も効果の上がる経営基盤強化策はどのような
ことだと考えていますか。上記の選択肢の数字を右欄にご記入下
さい。
問10.貴社の現在の事業の状況はどのようになっていますか。(あてはまるもの1つに○)
1. 事業として建設業のみを行っている
2. 建設業が中心ではあるが建設業以外の事業も行っている
3. 建設業も行っているが建設業以外の事業が中心である
4. 実質的に建設業は行っておらず建設業以外の事業のみを行っている
5. どの事業も行っておらず事実上廃業状態である(→問17へ)
問11.3年程度先における事業の展望としてどのようにお考えでしょうか。(最も近いもの1つに○)
1. 事業として建設業のみを行っている (→問12へ)
2. 建設業が中心ではあるが建設業以外の事業も行っている
3. 建設業も行っているが建設業以外の事業が中心である
4. 建設業は行っておらず建設業以外の事業のみを行っている
5. 将来の方向性を決めかねている
)
6. その他(具体的に:
問12.(問10で1と答え、かつ問11で1と答えた方のみお答え下さい)今後3年間の事業展望として建設業のみを行
っていく理由は何ですか。(最も近いもの1つに○)(→回答後は問17にお進み下さい。)
1. 景気回復などによりいずれ建設業界の厳しい環境も改善され、以前のように戻ると思うため
2. 他社にはない強み(技術力や営業力、低コストなど)があり、建設業のみでもやっていけると思うため
3. 多角化や事業転換を行いたいが、経営的に魅力ある進出先が見あたらないため
4. 多角化や事業転換を行なっても、自社がうまくいく自信がないため
5. いずれ多角化や事業転換を行う予定だが、3年間の間では時間的に無理だと思うため
)
6. その他(具体的に:
添-101
問13.建設業以外に現在行っている事業分野、将来において多角化・事業転換する先として可能性・関心のある事業
分野はどのような分野ですか。あてはまる事業分野に○をつけ、理由もあわせてご記入下さい。
(あてはまるものすべてに○)
1. リフォーム工事業関連
2. 不動産業・不動産管理業
3. 農業関連
4. 林業関連
5. 漁業関連
6. 福祉・介護事業関連
7. 環境・リサイクル関連
8. 観光関連
9. 製造業
10.物販
11.飲食関連
その事業分野を選んだ理由をご記入下さい
12.その他(具体的に:
)
問14.問13の新分野に進出する場合、最も有効に活用できると思う貴社の経営資源は何ですか。
(あてはまるもの1つに○)
1. 建設技術者などの人材
2. 建設機械やトラックなどの資産
3. 土地・建物などの不動産資産
4. 資金
5. 技術力・ノウハウ
)
6. その他(具体的に:
問15.多角化・新分野進出を行ったことのある企業にお伺いします。(→行ったことがない方は問16にお進み下さ
い。)多角化・新分野進出を行うにあたっての問題点や事業化にあたって苦心したことについてご記入下さい。
問16.貴社が多角化・他業種転換に取り組むにあたって、どのような支援施策があれば取組が容易になると思います
か。(あてはまるもの2つまで○)
1. 新分野進出アドバイザーの派遣
2.セミナーの開催
3. 融資・助成制度の充実
4.事例集の作成
5. 新分野進出マニュアルの作成
)
6.規制緩和(構造改革特区を含む)(具体的に:
7. その他(具体的に:
)
問17.建設業の振興に関してご意見等がございましたらご自由にご記入下さい。(自由記述)
添-102