第3回愛媛県臨床工学技士会学術大会 - 一般社団法人愛媛県臨床工学

第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会 抄録集
第3回愛媛県臨床工学技士会学術大会
期間 : 平成 27年 10 月 25 日(日)
会場 : 四国医療技術専門学校
大会長 : 田邊 芳郎 (社会福祉法人恩賜財団 済生会今治病院)
主催 : 一般社団法人愛媛県臨床工学技士会
後援 : 公益社団法人 日本臨床工学技士会
一般社団法人 岡山県臨床工学技士会
一般社団法人 島根県臨床工学技士会
一般社団法人 山口県臨床工学技士会
一般社団法人 広島県臨床工学技士会
一般社団法人 鳥取県臨床工学技士会
一般社団法人 香川県臨床工学技士会
一般社団法人 徳島県臨床工学技士会
一般社団法人 高知県臨床工学技士会
(順不同)
大会事務局 : 社会福祉法人恩賜財団 済生会今治病院 臨床工学部内
〒799-1592 愛媛県今治市喜田村 7 丁目1-6
TEL : (0898)47-2500
FAX : (0898)48-5096
E-mail : ece.gakujyutu@ehimeces.or.jp
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会設立記念学術大会 抄録集
学術大会実行委員会
実行委員長
大西
副実行委員長 宮﨑
実行委員
彩
昌彦
佐藤循環器科内科
住友別子病院
泉 伸二
濵田 覚
青木 究
喜井 澄香
広瀬病院
松下クリニック
香川労災病院
長谷川病院
桑原
清水
西岡
野村
山本
済生会西条病院
四国がんセンター
武智ひ尿器科・内科
三島外科胃腸クリニック
木村内科医院
将司
俊行
善和
祐介
将太
監事
池田
青野
義仁
迅矢
よつば循環器科クリニック
くろみつクリニック
(順不同)
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会 抄録集
「第3回学術大会」開催にあたり
第3回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会
大会長
田邊 芳郎
(済生会今治病院
臨床工学部)
会員及び関係各位におかれましては、日頃より当技士会活動に対し御理解と御協力を賜
り厚く御礼申し上げます。
この度、愛媛県臨床工学技士会では、『第3回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術
大会』を開催する運びとなりました。
本学術大会は、愛媛県内における臨床工学技士や臨床工学技士を目指す学生のために研
究発表の場を設けることを目的として、平成25年度より新たな活動の一環として取り組
んで参りました。まだまだ歴史の浅い学術大会ではありますが、特に若いCEの方には、
この大会を経て全国規模の学術大会でも積極的に発表していただく為のステップアップ
になれば幸いでございます。今大会は、会員皆様のご協力の下、21題の一般演題のご応
募をいただきました。ご応募いただいた皆様、本当にありがとうございました。今後も継
続して気軽に発表及び討論できる場を当技士会としてご用意していきたいと考えており
ますので、今後も積極的な演題のご応募をお願いいたします。
今大会では、循環器セミナーを主会場とは別の会場を用意して開催することとなりまし
た。循環器業務を専任であたられている方や、循環器業務に興味がある方はぜひとも積極
的にご参加下さい。また県下でもCEが手術室へ配置される施設が多くなり、各施設にお
ける手術室業務の内容やその違いを知っていただくために、県内5施設の演者による手術
室業務のワークショップを企画いたしました。大会の花形である特別講演では、亀田総合
病院医療技術部ME室長である高倉照彦先生に、CEの育成に関するご講演をいただく予
定となっております。講演やセミナー、ワークショップにてご講演いただく皆様、お忙し
い中講演依頼をご快諾いただきましたこと、心より御礼申し上げます。
一方、日頃よりご支援を賜っております賛助会員の皆様からは、展示及び広告のお申込
みをいただきましたこと、また今回も会場を御提供いただきました四国医療技術専門学校
関係の皆様には、当技士会を代表いたしまして心より御礼申し上げます。なお、都合上、
展示及び抄録集広告の募集枠数に上限を設けさせていただきました。やむなくお断りさせ
ていただいた企業の皆様には、この場をお借りして深くお詫び申し上げます。
最後になりますが、多くの皆様が学術大会に参加され、有意義な時間を過ごしていただ
けるよう努めて参りますので、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会設立記念学術大会 抄録集
交通のご案内
~アクセス~
○伊予鉄道 古町駅より : 徒歩 5 分
○伊予鉄道 本町 4 丁目電停より : 徒歩 1 分
○JR松山駅より : 徒歩 15 分
(周 辺 地 図 )
※お車でお越しの方の駐車場について
*周辺コインパーキングは当会ホームページ上でもご案内しております。
当会ホームページアドレス http://www.ehimeces.or.jp/
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会 抄録集
四国医療技術専門学校周辺コインパーキング
会場
1.
エンゼルパーキング平和通 6 丁目
60 分 100 円
2.
MA 平和通 6 丁目パーキング
60 分 100 円 最大 600 円
3.
ヴァレーレ萱町
60 分 100 円
4.
城西パーク
30 分 100 円
5.
パーキングドリーム
30 分 100 円
6.
萱町第 2
60 分 100 円
7.
札の辻パーク
30 分 100 円
8.
萱町パーキング
30 分 50 円
9.
味酒パーキング
30 分 50 円
10. 月極駐車ステーション
白ラインは月極駐車場ですのでご注意ください
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会設立記念学術大会 抄録集
参加者へのご案内とお願い
■期間・会場のご案内
期間:平成 27年 10 月 25 日(日)
会場:四国医療技術専門学校
■参加受付
受付場所 ; 四国医療技術専門学校 正面ロビー
受付時間 ; 8:30~
■参加費
会員
;
非会員(医療職に携わる方) ;
学生
;
1000 円
3000 円
無料
■ ランチョンセミナーについて
※ランチョンセミナーは事前申込制となっております。
お申込みは一般社団法人愛媛県臨床工学技士会のホームページから申込書をダウンロー
ドして頂き、必要事項を記入して FAX していただくか、同じく当会ホームページの申し込みフ
ォームに必要事項を入力して送信して下さい。
1) FAXの場合
「
0898‐48‐5096
」
2) ホームページからの場合 「 http://ehimeces.or.jp/」
ランチョンセミナーのお弁当引換券は当日の受付時に配布します。
事前申し込みがない場合は、お弁当をお渡し出来ない場合がございますのでご注意く
ださい。
* 配布はお1人様につき1枚にてお願いいたします。
*申込み期限 平成 27 年 10 月9日(金)
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会 抄録集
■クローク
クロークのご用意は致しておりません。お荷物・貴重品の取り扱いについては各個人で管理
していただきますようご了承ください。
■ランチョンセミナーについて
ランチョンセミナーのお弁当引換券は当日の受付時に配布します。お弁当の数には限り
がありますので、ご了承ください。
* 配布はお1人様につき1枚にてお願いいたします。
■呼び出し
会場内の呼び出しは原則として行いません。
■紛失物
忘れ物、落し物等は大会事務局にてお預かりいたします。心当たりのある場合は、受付
もしくは大会事務局に申し出てください。
■ 専門臨床工学技士認定制度に関する単位取得について
本大会は、JACE 学術機構 専門臨床工学技士認定制度における「血液浄化専門臨床
工学技士」・「不整脈治療専門臨床工学技士」の単位を申請中です。申請状況は、一般社
団法人愛媛県臨床工学技士会ホームページ上でご案内致します。単位付与につきまして
は、JACE 学術機構ホームページ(http://jacet.net/academy/?page_id=10)をご参照くだ
さい。
以上のほか、透析技術認定士の単位申請が可能な場合があります。
単位申請が可能かどうかは透析療法合同専門委員会へお問い合わせください。
※ただし、登録手続きは行っておりません。各自で申請をお願いいたします。
※参加証明は、参加証についております「参加証明書」にて行ってください。
その他の注意事項
・
・
館内は全面禁煙です。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
発表会場内では携帯電話はマナーモードにしていただくか、電源をお切りください。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会設立記念学術大会 抄録集
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司会、座長へのお願い
▼
■ 司会、座長へのお願い
1)会場内での待機について
ご担当セッション開始 10 分前には座長席付近にあります「次座長席」へご着席ください。
2)進行について
担当セッションは必ず時間内に終了いただきますよう、格段のご配慮をお願いいたします。
▼ 発表者へのご案内とお願い ▼
■ 発表者へのお願い
【一般演題の発表者】
一般演題は 1 演題9分(質疑応答含む)となります。
座長の進行のもと時間厳守のほどよろしくお願いいたします。
2)データ受付について
【データ受付場所】 : 8 階 すみれホールデーター受付
*あらかじめ発表前に会場内 PC 受付にて、受付とデータ試写をお済ませください。
3)会場内での待機について
ご担当プログラム開始 10 分前までには発表演台付近にあります「次演者席」にご着席くだ
さい。
4)発表データ作成について
1、発表形式
ご発表はデジタルプレゼンテーションのみとなります。また、発表中のスライド操作に関しま
しては演台のキーボード、マウスをご使用の上、ご自身でお願いいたします。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会 抄録集
2、PC 環境
大会事務局では PC を以下の環境でご用意いたします。
OS : Windows 7
Power Point Ver. : 2003、2007、2010、2013
* Macintosh はご用意しておりませんので、必ずご自身のパソコンを持込み試写確認
をお願いいたします。
3、発表データの持込について
発表データは USB フラッシュメモリもしくは、SD カードでお持込ください。
*MO、フロッピーディスク、CD-ROM(CD-R)等他メディアでは受付できませんので予
めご了承ください。
4、発表 PC の持込について
持込 PC の接続は MiniD-Sub15 ピン 3 列コネクターとなります。パソコンのコネクター端子
の形状をよくご確認の上、上記以外の場合は接続端子をご持参下さい。また、外部ディス
プレイ出力が可能であることを必ずご確認の上お持込ください。
* バッテリー切れを防ぐため、必ず電源アダプターをご持参ください。
* スクリーンセーバー、省電力モードは OFF の状態でお持込ください。
* 再起動の可能性がございます。パスワード入力が不要な状態でお持込ください。
5、作成推奨フォント、文字サイズ
文字化けを防ぐこと及びスライドの見易さを考慮し、大会事務局では下記フォントと文字
サイズを推奨いたします。
フォント
: 日本語・・・MS ゴシック・MSP ゴシック・MS 明朝・MSP 明朝
外国語・・・Century・Century Gothic
文字サイズ : 28 ポイント以上
6、データの取り扱いについて
各発表者からお預かりした発表データは、大会事務局の責任において大会終了後に破棄
いたします。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 日程表
第一会場
第二会場
学生
(すみれホール)
(7F基礎医学実習室)
ホール
8:30
受付開始
8:50
開会式
9:00
一般演題(9:00~9:50)
【代謝1】
No,1~5
9:20~10:00
ペースメーカの基礎
日本ライフライン株式会社
10:00
一般演題(10:00~10:50)
【ME・その他1】
10:10~10:50
No,6~10
ペースメーカチェックの実際
日本ライフライン株式会社
機器
11:00
特別講演(11:00~12:00)
11:00~11:40
『臨床工学技士の育成』
亀田総合病院
ペースメーカと医療機器
展示
日本ライフライン株式会社
医療技術部 ME 室長
高倉照彦先生
12:00
ランチョンセミナー(12:00~13:00)
ランチョンセミナー(12:00~13:00)
『デバイス治療における
『オンライン HDF の設定条件を考える』
(社医)川島会
川島病院
ホームモニタリングシステムについて』
臨床工学部
道脇宏行先生
バイオトロニックジャパン株式会社
営業戦略企画部
中島正雄先生
13:00
ワークショップ(13:10~14:40)
『当院における手術室業務と
最近のトピックス』
高瀬和則(市立宇和島病院)
機器
久枝正実(県立中央病院)
展示
山田文哉(愛媛大学医学部附属病院)
清水俊行(四国がんセンター)
藤原零士(住友別子病院)
15:00
一般演題(15:00~16:10)
一般演題(15:00~15:40)
【代謝2・その他2】
【循環・人工心肺】
No,17~21
16:10
No,13~16
閉会式
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会 抄録集
第一会場(8階すみれホール)
【特別講演】 11:00~12:00
司会:田邊 芳郎 (済生会今治病院)
演題:
『臨床工学技士の育成』
講師:高倉 照彦(亀田総合病院 医療技術部 ME 室長)
【ランチョンセミナー】 12:00~13:00
司会:西岡 善和(武智ひ尿器科・内科)
演題:
『オンライン HDF の設定条件を考える』
講師:道脇 宏行(川島会
川島病院 臨床工学部)
共催:ニプロ株式会社
【ワークショップ】 13:10~14:40
司会:吉岡 淳志(積善会十全総合病院)
テーマ:
『当院における手術室業務と最近のトピックス』
高瀬 和則(市立宇和島病院)
久枝 正実(愛媛県立中央病院)
山田 文哉(愛媛大学医学部附属病院)
清水 俊行(四国がんセンター)
藤原 零士(住友別子病院)
第二会場(7階基礎医学実習室)
【循環器セミナー】 9:20~10:00
演題:
『ペースメーカの基礎』
講師:日本ライフライン株式会社
【循環器セミナー】 10:10~10:50
演題:
『ペースメーカチェックの実際』
講師:日本ライフライン株式会社
【循環器セミナー】 11:00~11:40
演題:
『ペースメーカと医療機器』
講師:日本ライフライン株式会社
【ランチョンセミナー】 12:00~13:00
司会:青木 究(香川労災病院 MEセンター)
演題:
『デバイス治療におけるホームモリタリングシステムについて』
講師:中島正雄 (バイオトロニックジャパン株式会社)
共催:バイオトロニックジャパン株式会社
株式会社グッドマン
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会設立記念学術大会 抄録集
一般演題(代謝1)
第一会場(9:00~9:50)
座長:池井 優太(武智ひ尿器科・内科)
野村 祐介(三島外科胃腸クリニック)
No1 前希釈 on-line HDF における FIX-S の溶質除去特性
○大西雄飛(オオニシ ユウヒ)(臨床工学技士) 野村祐介 佐藤竜二 藤原繁彦 溝渕剛士 溝渕正行
医療法人恵仁会 三島外科胃腸クリニック 透析センター
No2 日機装社製ヘモダイアフィルタ GDF-21M の性能評価
○近藤弘樹、河野将太、白石理、髙橋祐樹、真鍋浩紀、海田敬史、藤原零士、宮﨑昌彦
医療法人住友別子病院 診療部臨床工学室
No3 前希釈 on-lineHDF における MFX-30U の検討・評価
○白石幸裕 前田良輔 西岡善和 武智伸介
武智ひ尿器科・内科 臨床工学技士
No4 ビタミン E 固定化膜の栄養関連指標に与える影響
○杉田 潤
医療法人社団 重信クリニック 臨床工学技士
No5 下腿の引きつりと除水による下腿血流量の関係性
〇荒水裕 1) 石井博 2) 桑原将司 1) 三木正子 1)
済生会西条病院 医療機器管理室 1)
日野貴博 1) 岡田未奈 1)
藤田康隆 1)
外科 2)
一般演題(ME・その他1)
第一会場(10:00~10:50)
座長:氏家 昌樹(済生会今治病院)
一色 謙介(済生会今治病院)
No6 物品管理データーベースの導入について~使用期限切れ防止と物品の把握~
○高橋 祐樹、白石理、真鍋浩紀、藤原零士、宮﨑昌彦
医療法人住友別子病院 診療部臨床工学室
No7 JMS 社製輸液ポンプ OT-808 のバッテリリフレッシュの必要性の検討
○海田敬史、白石理、髙橋祐樹、真鍋浩紀、藤原零士、宮﨑昌彦
医療法人住友別子病院 診療部臨床工学室
No8 ME 機器センターにおけるボンベ管理運用について
○塚本伶央奈、川上千晶 、山田文哉
愛媛大学医学部附属病院
ME 機器センター
No9 慢性維持透析患者に合併する睡眠時無呼吸症候群
○藤田康隆 1) 金子伸吾 2) 桑原将司 1) 三木正子 1) 荒水裕 1) 日野貴博 1) 岡田未奈 1)
済生会西条病院 医療機器管理室 1) 同循環器科 2)
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会 抄録集
No10 女性技士が子育てと仕事を両立させるための問題点の提起
○喜井澄香
一般社団法人愛媛県臨床工学技士会 組織委員会女性部
第二会場 15:00~15:40
一般演題(循環・人工心肺)
座長:塚本 伶央奈(愛媛大学医学部附属病院)
中岡 慎太郎(よつば循環器科クリニック)
No11 植込み型除細動器移植患者の運転に関する認識度調査~改正道路交通法施行にあたり~
○石原隆史、浅木康志、橋本美和、小田真矢、山本尊義、山田文哉
愛媛大学医学部附属病院
ME 機器センター
No12 冠静脈内心外膜側通電により成功した WPW 症候群の1例
○宮田 圭¹⁾ 川田 好高²⁾
1)愛媛県立中央病院 医療機器管理室
臨床工学技士、2)愛媛県立中央病院
循環器内科
No13 当院に置ける DUF の回路変更について
○新田拓夢
済生会今治病院臨床工学部
No14 寒冷凝集素症に対する人工心肺
○深田 早敏
済生会今治病院臨床工学部
第一会場 15:00~16:10
一般演題(代謝2・その他2)
座長:桑原 将司(済生会西条病院)
岡田 未奈(済生会西条病院)
No15 ASO に対する DF サーモの有効性と IgM 量のコントロールの検討
○坂東 利紗、別府 信幸、長生 浩輔、徳森 美佳、中村 智也 、櫛部 圭吾、
乗松 由香、川口 達也、東 幸司、長野 準也
済生会松山病院 ME 部 臨床工学技士
No16 人工透析管理システム MiracleDIMCS UX を導入して
○水尾勇太 山本将太 森菜留美 椿本康平 登口麻衣 平井芳弘
(医)木村内科医院
No17 Future Net Web+システムエラー時のバックアップ対応と帳票作成ツールの活用について
○堀田修平
済生会今治病院臨床工学部
No18 当院における透析中運動療法の取り組み
○井上徹也(イノウエ テツヤ)(臨床工学技士) 野村祐介 佐藤竜二 藤原繁彦 溝渕剛士 溝渕正行
医療法人恵仁会 三島外科胃腸クリニック 透析センター
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会設立記念学術大会 抄録集
No19 災害発生時の臨床工学技士の取り組み~迅速な治療再開をめざして~
◯山本大輔 山本良輔 大西彩 高橋妙子 佐藤譲
医療法人佐藤循環器科内科
No20 微粒子ろ過フィルターEF-02 の使用期間延長による機能性評価
○河野将太、白石理、髙橋祐樹、真鍋浩紀、海田敬史、藤原零士、宮﨑昌彦
医療法人住友別子病院 診療部臨床工学室
No21 透析監視装置およびベッド周囲における環境整備の実態~ATP 拭き取り検査を用いて~
○宮﨑詩織、久保昌史、高橋尚人、仲野彩子、石川健仁、小森久司
社会医療法人 同心会 西条中央病院 臨床工学部
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
~抄録集~
特別講演
ランチョンセミナー
ワークショップ
一般演題抄録
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
特別講演
8階すみれホール
11:00~12:00
臨床工学技士の育成
亀田総合病院
ME 室
髙倉照彦
臨床工学技士の育成をどうするか
はじめ
いつの時代でも新人が入職してくると「今どきの新人は」と多忙を理由に新人育成に
前向きではない指導者もいる。では「自らはどうであったのか?」もし指導方法に不満
があるものの、それでも同じ方法で事を繰り返すのは誰でもできる。それを繰り返さぬ
よう改善することが技士の資質である。今も昔も新人達は輝きを放つ原石として何も変
わっていないのである。どちらかといえば毎年同じ指導をして満足している指導者が変
わろうとせず「今どきの‥‥」と言って放棄しているようにも思える。
新人教育は通常 OJT (On the Job Training)で仕事の進め方や知識を身につけていく。
また内部の教育マニュアルに沿った指導では評価に趣をおいている。今回、短い時間の
なかで新人から指導者までを通しての教育を受ける側、教育をする側について述べてみ
る。
1. 職務記述書
JCIという国際医療認定制度の要求事項に「職員の資格及び教育」の要求項目があ
るので紹介する。その中で最も基本的な①資格確認と人材保障②職務記述書の作成③職
務遂行に必要な能力保障を証明することになっている。その中の職務記述書は大変便利
であり是非まねてほしい。
医療職の業務内容は全て法律が原点となっている。そこから各種業務が広がり現在の
「臨床工学技士基本業務指針 2010」がある。臨床工学技士の業務は何かとは「臨床工
学技士法」第四章業務等 第 37 条臨床工学技士は保健師助産師看護法第 31 条及び 32
条の規定にかかわらず、診療の補助として生命維持管理装置の操作を行うことを業とす
ることができる。 この法に従って業務が遂行されている。医療現場で職務が行われて
いることの証明するのが「免許」である。職務記述書はどのような法律に基づき業務し
ているか、技能は身に付けたか等証明するのに必要である。
実際には免許書複製をファイルする。(本来なら厚生労働省に人事部が確認)次に医療
職であればBLS(一次救命処置)の技能が臨床で働く上で必須で受講終了証が求めら
れている。このように職務を実行する裏づけ証明のひとつ一つが能力保障で必要となる。
たとえば輸液ポンプの点検が行なえるまでには、どのような教育をおこなって業務に携
わっているか、第三者が見ても分かるように整理しておく。これら職務記述書を管理運
用するのが責任者の仕事であり業務遂行に必要な技能証明になる。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
2.新人教育
① コミュニケーション
新人には実務以外にもコミュニケーション力を高めるように努力する。臨床工学とい
う枠組みの中で仕事を覚えるだけでは、あらゆる診療科において医療現場では通用しな
くなる。医師、看護師、事務職など縦、横の人間関係を新人のうちから構築しておくこ
とで中間管理職になる頃には、その仲間たちも中間管理職になり何かと頼りになる仲間
になる。
② 考える力
何でも問題が発生すると「どうしたら良いですか?」と先輩に指示を受ける者がいる。
珍しいことではないが新人のうちから主任になったつもりで自分ならどうするかを考
えておく。そして、相談する時には自分だったらどうするかを先に伝え、それに対して
指示をもらうように習慣化しておくとよい。
失敗する者は常に何かに挑戦している者で、失敗をしない者は平凡な実務で満足してい
る者である。
どんなことでも新人のうちに正しい手順を身につけること。正しい手順で学べば体がい
つまでもおぼえていてくれる。手抜きの仕事は楽でいつでも覚えられるが、誤った(楽
する)手順は一度覚えると癖が抜けなくなる。
3.中堅教育
上下の挟間として最も嫌われる階級であるが、しかし最も現場を把握できている技士
である。問題発生しても一人で即対応できる実力はある。言い換えれば組織を動かして
いる司令塔である。何でも対応できる力を付けたのは新人からの「考えろ」が成果とし
ての出はじめるころである。
① 命令では人は動かない
リーダ的存在になり部下に命じるだけでは何も動かない。上司が真実を話さなけれ
ば部下は自分も嘘をついても良いと思う。常に上司は部下の鏡であることを忘れる
な。上司が何かにチャレンジしていれば部下はその姿を視て後輩達はマネをする。
こうして部下の能力を引き出す方法もある。
② 良き指導者
臨床工学技士のトレーニングは臨床現場で指導をすることが多い。これは特に教育に
お金がかかることがないので後輩の指導がしやすい方法である。
しかし指導者のスキル不足では成果がでないこともある。いま効果的な指導方法にコ
ーチングのスキルを身につけることを勧める。部下は任せてこそ能力は伸びる。適性を
見抜いて任せてみる。かつ任せっぱなしにはしないでフォローは必ずおこなう。最終的
には全責任は指導者が請け負うこと。成功は部下の手柄にする。このことを実行できる
指導者が良き指導者ではなかろうか。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
4.管理職
臨床工学技士としての集大成ではない。管理者には強力なコミュケーション能力要求
されている。組織をまとめることは明確なビジョンを掲げ浸透させること。部署の方向
性が明確であれば部下は後輩の指導もしやすく有効な時間活用ができる。昔のことは通
用しない若い部下の意見を聴くこと。時には自分の考えを変えることで組織をまとめる
ことができる。
最後に管理職に求められるのは即時判断できること。常にあらゆる情報を持ち現状把握
しておくことが管理職の仕事である。判断が間違っていたら責任を取って修正に努力す
る者が能力のある管理者である。辞めることは誰でも簡単にできる自己逃避である。
5.おわり
医療安全管理室に寄せられる事故を分析していると、大半は教育不足でおこる事例が
見受けられる。知っているようで知らない思い込み等である。しっかりとした知識があ
れば未然に防げることが多いように思える。無知なほど恐ろしいことはない。医療安全
の最大の防御策の一つに教育にあると言っても過言ではない。その教育の在り方は何時
の時代も議論され実践されている。
ランチョンセミナー
7階基礎医学実習室
12:00~13:00
デバイス治療におけるホームモニタリングシステムについて
バイオトロニックジャパン株式会社
営業戦略企画部 中島正雄
共催【バイオトロニックジャパン株式会社】【株式会社グッドマン】
最近の医療機器は、日進月歩で様々な開発がなされ、医療環境も日々改良されつつあり
ます。
心臓ペースメーカや ICD、CRT-D に関しましても、禁忌だった MRI 検査が条件付きで使
用可能となり、患者様管理におきましても、ホームモニタリングシステムを活用し、安
全を確保しながら効率良く管理することが可能となっております。
デバイスにおける様々な機能の中でも、ホームモニタリングシステムは臨床工学技士
様のご尽力によって成り立っている病院も多く、ドクターとの信頼関係を構築する上で
も最適なシステムだと考えております。
今回改めて、ホームモニタリングとはどういうシステムなのか?患者様にとってどのよ
うなメリットがあるのか?という事をお伝えしたいと思います。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
ランチョンセミナー
8階すみれホール
12:00~13:00
オンライン HDF の設定条件を考える
(社医)川島会
川島病院
臨床工学部
道脇宏行
2012 年 4 月の診療報酬改訂以降、わが国におけるオンライン HDF 患者数は急激に増加
し、2013 年末には慢性透析患者数の約 10%を占める 31,276 名が HDF 療法を受けている。
HDF 療法の内訳をみてみるとオンラインが 75.0%を占め、そのうちの実に 90.8%が前希釈
法を選択しており、平均置換液量は 40.6L と報告されている。
前希釈法が選択される背景には、アルブミンとα1-MG の分画除去特性や生体適合性に
優れるなどの報告によるところが大きいと考えられるが、アルブミン結合毒素の問題や
透析歴長期化による不定愁訴の出現、HDF フィルタの開発などがすすむ現在においては考
え方を少し変える必要性があるのかもしれない。われわれがこれまでに評価した治療別
溶質除去特性や臨床効果などをまとめたところ、分画除去性能や培養系を用いた IL-6、
PTX3 の治療前後の変化率、アルブミンの酸化還元型比など、希釈法による有意な差は認
められなかった。生体適合性の観点からはまだ十分な評価ができていないが、現段階で
は、アルブミンも含めた大分子量物質の効率的な除去が患者の不定愁訴を改善させる印
象を持っている。
アルブミンの除去に関しては多くの議論があるが、1 セッションあたり 10g 程度の漏出
量であるならば、血清アルブミン値は一定値を保持することが可能であり、栄養指標な
どにも影響がないことを確認している。むしろ、積極的に除去することで有用な還元型
アルブミン比率を上昇させ、入院や合併症によるイベントなども抑えられることを報告
している。もちろん、すべての患者が対象とはならず、状態の変化には注意が必要であ
る。
統計調査結果が示す前希釈法、平均 40.6L 置換の条件は透析困難症など溶質除去が問
題ではない症状に対しては有効であれ、効率的な大分子量物質の除去といった HDF 本来
の目的を達成するにはいささか不十分であり、ハイパフォーマンス膜を用いた HD にも劣
ることが予想される。オンライン HDF は適応の縛りがなく、どのような症状の患者にも
適応可能であることから、症状や用途に応じた治療条件を検討していくことが重要であ
る。そうすることで更なる臨床効果が明らかとなり、真の最良血液浄化法に成り得ると
期待している。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
ワークショップ
8階すみれホール
13:10~14:40
当院における手術室業務と最近のトピックス
市立宇和島病院における CE の手術室業務
市立宇和島病院
高瀬和則
当院の手術対象診療科は 11 科で手術室は 7 室で運用しています。昨年度の手術件数は 4247 件
でその内麻酔管理手術件数は 1995 件で常に 2000 件台を維持している現状にあります。
近年、医療機器の高度化、手術様式の進歩に伴う精密な医療機器の取り扱いなど手術室での
CE に求められる知識・技術は幅広いものになっておりますが当院では手術室専属業務体制をと
っていないのが現状です。
当院の手術室での CE 業務の概要は各種点検業務と不定期で依頼される臨床業務や機器操作な
どになります。
その中で主な業務は脳外科・耳鼻科・整形外科領域での術中モニタリングや各種ナビゲータシス
テム操作、心臓血管外科領域での人工心肺や血管内治療に関わる業務、泌尿器科領域でのロボッ
ト支援手術、その他神経刺激や各種レーザー操作などになります。
愛媛県立中央病院手術部業務
愛媛県立中央病院
医療機器管理室
臨床工学技士
久枝 正実
愛媛県立中央病院は病床数 827 床(平成 26 年 4 月現在)、手術件数は平成 26 年で 8,027 件と
なっている。その中で臨床工学技士の関わる手術も年々増加傾向にある。手術部業務導入のきっ
かけは、心臓血管外科手術における人工心肺装置の操作業務から始まり、麻酔器、電気メス等、
ME 機器の始業点検、定期点検、近年より手術支援ロボットの管理、ナビゲーションシステムの
操作、神経刺激装置操作等と業務の拡大に至っている。
平成 26 年度の業務対応数は、手術支援ロボット装置対応 69 件、ナビゲーションシステム対応
51 件、レーザー装置対応 21 件、自己血回収装置対応 7 件、心臓血管外科開心術業務 178 件であ
った。
今年度より脳神経外科手術における神経刺激装置管理業務を取り入れることとなった。また、
今年度中に経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)の導入も予定されており関連する業務に対し、
ハートチームの一員としてカンファレンスや研修に参加している。
現状の業務に対する人員配置は、手術室選任者 1 名、兼任者 1~3 名で対応を行っている。兼
任者は透析室業務と手術部業務を兼務しており、1 週間単位で部署をローテーションしている。
今後は、専門的な知識を要する業務の増加に伴い専任者の増員を検討している。
年々、手術室内の ME 機器は専門的な知識を要する機器が増加してきている。当院ではそのよ
うな機器に対しての業務要請が増加しており、それに対して夜間対応や専任者の人員確保等の問
題を考慮しつつ業務の拡大をおこなっていきたい。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
愛媛大学における手術室業務の取組み
愛媛大学医学部附属病院 ME 機器センター
臨床工学技士
山田文哉
我々、臨床工学技士は、手術室と深い関わりを継続し今日を向かえている。現在では手術領域以
外の業務も広がり、多岐にわたる診療チームへの介入、当直制度の導入、そして医療機器全般に
関連した管理者ともなってきている。
当院では、ME 機器センターが開設された 2002 年に、それまで所属していた手術部を離れ、手
術室に出向して業務を実施することとなった。医療機器の中央管理と手術室以外での業務拡大が
要因であったが、手術に関連した業務は全体業務の80%と多くを占めていた。
手術に関連した、それから 13 年の変遷と現状について報告する。
四国がんセンターにおける手術室業務と最近のトピックス
四国がんセンター
ME 室
臨床工学技士
清水俊行
当院は松山市南東部に位置し、がん政策医療ネットワークの四国ブロック基幹医療施設であると
ともに、全国がんセンター協議会加盟施設の一員として、また愛媛県の都道府県がん診療連携拠
点病院として、がん撲滅に取り組んでいる 405 床のがん専門病院で、現在、臨床工学技士(以下
CE)は 2 名体制で勤務している。当院の手術室は 7 室あり、年間約 2500 件の手術を行っており、
その中で CE は様々な手術室業務を行っている。手術前の麻酔器の始業点検や内視鏡外科手術の
モニター・配線等の確認、血ガス装置、オペ録画システムの日常点検などから始まり、各診療科
の術式により、ダヴィンチ Si サージカルシステムやラジオ波焼灼療法(以下 RFA)
、顕微鏡や炭
酸ガスレーザー、CUSA、神経刺激装置、ELPS など機器のセッティングや操作など臨床支援業務を
行っている。今回は当院における CE の手術室業務や手術室における役割を紹介する。また当院
では治験や臨床研究などを積極的に行っており、我々CE も臨床研究等に参画する機会も多い。
今回はその中でも手術室業務に関連している乳がんにおける RFA について述べる。乳がん RFA の
臨床研究は低侵襲かつ整容性に優れ、その治療効果について多施設共同研究が進んでおり、この
臨床研究に参加しているのは四国では当院だけである。乳がん RFA の概要や焼灼プロトコル、CE
の役割について最新のトピックスを踏まえ報告する。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
住友別子病院における手術室業務と最近のトピックス
医療法人 住友別子病院 臨床工学室 臨床工学技士
藤原零士
当院は、2 次救急指定病院、地域がん診療連携拠点病院に指定されており、新居浜市を中心と
した東予地域の中核病院である。臨床工学技士は、11 名在籍しており、手術室業務の担当は、専
属 1 名、兼任 1 名の計 2 名配属されている。手術室業務への介入は、看護部より手術室内にある
医療機器の保守管理依頼があり、2010 年から行なっている。
手術室介入当初は、内視鏡装置の操作や各医療機器管理など、マニュアルを作成し出来る範囲
で日常点検を実施する事からスタートした。現在では、医療機器の管理と操作を中心に業務の拡
大を行ない、80 台ほどの特定保守管理機器の管理を実施している。麻酔器や電気メスなどの特定
保守管理機器の日常点検と CE で点検可能な装置の定期点検、また、内視鏡装置の操作や内視鏡
機器の点検などの内視鏡手術関連の業務を主な業務として行なっている。
最近のトピックスとして、内視鏡業務の立会い初年度は 270 件だったが、年々、内視鏡下で行
なわれる手術が増加しており、今年度は 600 件ほどの内視鏡業務の立会いが予想されている。各
科共に内視鏡装置を用いた新たな手術が行なわれ、それに伴い CE が活躍する場面も増加してい
る。また、ME 機器管理では、絶縁検知器を用いた内視鏡鉗子の定期点検を実施したところ、目
視の点検では発見できなかった異常が発見された。そのため、今年度より内視鏡鉗子の洗浄・点
検業務への業務介入を予定している。
今後の展望として、ME 機器管理だけではなく複雑な器材が多い整形外科の手術など専任が望
ましい場所での活躍の場を広げ、手術室専任 CE の増員を目指したい。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
一般演題 No1
一般演題 No2
前希釈 on-line HDF における FIX-S の溶質除去特性
日機装社製ヘモダイアフィルタ GDF-21M の性能評価
三島外科胃腸クリニック 透析センター
医療法人住友別子病院
○大西雄飛(オオニシ ユウヒ)(臨床工学技士)
○近藤弘樹、河野将太、白石理、髙橋祐樹、真鍋浩紀、
野村祐介 佐藤竜二 藤原繁彦 溝渕剛士 溝渕正行
診療部臨床工学室
海田敬史、藤原零士、宮﨑昌彦
【目的】
[目的]
ATA 膜ヘモダイアフィルタ FIX-210S(FIX)による前希釈
当院で新規導入したヘモダイアフィルタ GDF-21M の
on-line HDF(O-HDF)の溶質除去特性を ABH-21P(ABH)と
溶質除去性能の評価を行なったので報告する。
比較した。
【対象・方法】
[対象、方法]
維持透析患者 8 名に対して TR-3000MA を使用し,血液流
当院に通院する維持透析患者 6 名を対象とし、4h の
量 250ml/min・透析液流量 600ml/min・置換液量 10L/hr
前希釈 on-line HDF、QB230ml/min、QD650ml/min、
の,前希釈 O-HDF における UN.IP.β2MG.α1MG の除
QS9.0l/h、
総置換液量 36.0L の条件で評価を行なった。
去率,除去量,クリアスペース(CS)
,α1MG/Alb 分離
廃液部分貯留法を用いてα1MG、β2MG の除去量、ア
能,TMP の経時変化と変化率.Alb 漏出量について,治
ルブミン漏出量を算出した。また、治療前後の採血より
療開始~2 時間の前半値と 2~4 時間の後半値及び 4 時
BUN、Cr、UA、α1MG、β2MG の除去量、除去率、
間値で比較検討した。
クリアスペース、クリアスペース率を算出した。
【結果】
溶質除去効率は UN.IP.β2MG で同程度であったが,
[結果、考察]
α1MG では後半値・総量で FIX が有意に高値を示し,特
GDF-21M は、Alb の漏出を抑えながら小分子量物質
に後半値に除去効率の差を認めた。Alb 損失量は FIX が
およびβ2MG 領域の低分子量蛋白の十分な除去性能を
有意に高値を示し,α1MG/Alb 分離能は ABH が有意に
有するヘモダイアフィルタである事が示唆された。この
高値を認めた。TMP の経過は FIX が緩やかに推移し変化
事から GDF-21M は、Alb 値の低い患者に対して積極的
率も低値であった。
に on-line HDF を行なう事が出来るヘモダイアフィル
【結論】
タであると考えられる。
FIX はファウリングの少ない膜であり,後半でもα1-MG
の除去効率が保持されているため,個々の Alb 損失量を
[結語]
考慮した長時間 O-HDF に適した膜と考えられる。
GDF-21M は Alb 漏出を抑えながら、小分子量物質およ
びβ2MG 領域の低分子量蛋白の除去が出来るヘモダイ
アフィルタである。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
一般演題 No3
一般演題 No4
前希釈 on-lineHDF における MFX-30U の検討・評価
ビタミン E 固定化膜の栄養関連指標に与える影響
武智ひ尿器科・内科
医療法人社団
○白石幸裕 前田良輔
西岡善和
○杉田
武智伸介
重信クリニック
潤(臨床工学技士)
【目的】
【目的】
ビタミン E 固定化ポリスルホンダイアライザ(VPS-HA)
当院では、限られた透析条件の中で積極的な低分子蛋白
の特長を確認するため、機能分類 IV 型ダイアライザ使
領域物質の除去を目指している。現状、積極的な溶質除
用の慢性維持透析患者のダイアライザを VPS15-HA に変
去を行う際には、MFX-25U を使用している。今回、ニプ
更し、栄養状態に与える影響について検討した。
ロ社より同シリーズの MFX-30U が発売された。有効膜面
【対象】
対象は平均年齢 70.8±8.5 歳、平均透析歴 42.6±22.3
積が上がった事で、より高い溶質除去性能を有する可能
月の慢性維持透析患者 12 例。FB-150Uβeco(CTA 膜 3
性があると思われた。そこで、前希釈 on-lineHDF の補
例)
、NV-15U(ポリスルホン膜 4 例)
、NF1.6H(PMMA 膜 5
液量を変える事で溶質除去にどのように変化がでるか、
検討・評価を行ったので報告する。
例)を 1 年以上継続使用している慢性維持透析患者計
12 例のダイアライザを VPS-15HA(ポリスルホン膜)に
【対象・方法】
変更し、変更前と変更後の栄養指標について比較検討を
対象は当院維持透析患 6 名。MFX-30Ueco を使用し、時
行った。さらに、生化学データ、透析指標、及び貧血指
間:4hr、コンソール:GC-110N(JMS)
、QB:280ml/min、
標、透析中の血圧変動、処置回数についても比較検討を
QD:600ml/min、QS:40・60・80・100L とした。
血液検査項目:BUN・Cr・P・β2-MG・α1-MG・ALB
行った。
【方法】
データの比較は、VPS-15HA 変更 12 ヶ月前の前年同月の
検討項目:TMP・除去量・除去率・クリアランス・クリ
各種データと比較し、
アスペースとした。
対応ある t-検定を用いて有意差検定を行った。
【結果】
【結果】
TMP の上昇はみられず、補液量 100L でも 60mmHg と低い
VPS-15HA 変更後血清 Alb、GNRI、nPCR、%CGR の栄養指
値を示した。
標改善傾向を認めた。透析開始 2 時間後、終了時の血圧
ALB の除去量は、どの補液量でも 6g以上と高い除去効
は上昇傾向であった。処置回数は減少した。
率を有していた。
クリアスペース・分離能から MFX-30U では補液量を変化
させても、除去性能に違いが出なかった。
【考察・結語】
今回の結果で MFX-30U は、補液量の設定に関係なく高い
除去能力を有しているため、幅広い物質除去に対応可能
ではないかと思われた。しかし、ALB の除去量が大きく
なるため使用には十分な配慮が必要となる。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
一般演題 No5
一般演題 No6
下腿の引きつりと除水による下腿血流量の関係性
済生会西条病院 医療機器管理室
1)
外科
物品管理データーベースの導入について
2)
~使用期限切れ防止と物品の把握~
〇荒水裕 1) 石井博 2) 桑原将司 1) 三木正子 1) 日野
貴博
1)
岡田未奈
1)
藤田康隆
医療法人住友別子病院
1)
○高橋
1.
はじめに
診療部臨床工学室
祐樹、白石理、真鍋浩紀、藤原零士、宮﨑昌彦
背景...内視鏡室では、上部・下部・気管支・胆膵
透析時の下腿ひきつりはしばしば見られる。その原因と
系など様々な検査が行なわれている。また、検査
して過度なドライウェイトの設定、電解質異常など様々
内容・状況によって、使用する処置具が異なって
ある。今回透析時よく下腿の引きつりを訴える患者に対
いる。そのため、多種類の処置具が保管されてお
し、現在使用中の旭化成社製 APS-15EA(Ⅴ型)とバク
り、使用期限・在庫数の把握が困難になっている。
スター社製 H12-3400 ヘモダイアライザー(以下 H12)で
そこで、処置具の物品管理を円滑にできるように
透析時の下腿血流量を測定し、H12 使用時の下腿の温度
2014 年 2 月より臨床工学室で作成した物品管理デ
変化を測定したので報告する。
ーターベースを導入したので、現在までの成果を
方法
報告する。
2.
On-lineHDF post8.4L(APS-15EA)施行中の透析時よく
方法…商品名・ロットナンバー・使用期限が記載
下腿の引きつりを訴える患者 1 名(性別:男性、年齢:64
されているバーコード(GS1-128)を利用した物
歳、透析歴:3 年 5 か月、DM)に対し、JMS 医療用レーザ
品管理を行なった。物品管理するにあたり内視鏡
ー血流計 ポケット LDF を使用し、下腿血流量を測定し
室は、PC 環境が不十分であった。また、大半の処
た。その後、H12 へ変更し同様に下腿血流量を測定した。
置具が倉庫に収納されているため、倉庫内で物品
また同時に日本アヴィオニクス社製 Avio Handy
管理作業ができるようワイヤレスバーコードリー
Thermo
ダーと iPad を用いた。導入するにあたって、物品
TVS-200ME を使用し下腿の温度変化を測定し
た。
管理データーベースの必要性を内視鏡スタッフに
結果
理解してもらうため物品管理データーベースの説
APS-15EA では、透析開始から終了にかけて下腿血流量
明会を行なった。
は低下した。H12 では透析開始から 1 時間後にかけて下
3.
結果…物品管理データーベース導入時に対象物品
腿血流量は上昇したが、後半にかけて低下し終了時の血
を登録したところ使用期限切れ物品 33 品を発見
流量は APS-15EA と同程度であった。下腿の温度変化は
した。導入時より 2015 年 4 月までに、使用期限
血流量低下とともに低下した。また、血流量が 5ml/min
切れ物品は 3 品に抑えることができた。
より下回った 3 件では下肢の引きつりを認めた。
4.
まとめ…使用期限が切れた物品は、使用頻度の低
考察
い物品が多かった。そのため、内視鏡会にて在庫
H12 を使用しての下腿血流量上昇はブラジキニンの作
数の見直しを行なう必要性が示唆された。データ
用によって末梢が拡張したためと考える。しかし、透析
ーベースについては、使用するにあたって必要な
終了時の下腿血流量は APS-15EA と同程度であること、
機能があればデーターベース担当 ME と話し合い
血流計から得られたデータからも除水量が増えた場合
を行いアップデートしていく。
下腿血流量が 5ml/min を下回ることから、下腿血流量は
5.
ダイアライザーに依存せず除水量に依存すると考えら
結語…物品管理データーベースは、使用期限切れ
の防止・在庫数の把握に有用であった。
れ、時間延長、段階的な除水で血流量を保持することが
重要であると考える。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
一般演題 No7
一般演題 No8
JMS 社製輸液ポンプ OT-808 のバッテリリフレッシュ
ME 機器センターにおけるボンベ管理運用について
の必要性の検討
愛媛大学医学部附属病院
医療法人住友別子病院 診療部臨床工学室
○塚本伶央奈、川上千晶 、山田文哉
○海田敬史、白石理、髙橋祐樹、真鍋浩紀、藤原零士、
【はじめに】一酸化窒素吸入療法や窒素を利用した低酸
宮﨑昌彦
ME 機器センター
素性呼吸管理は、小児科領域における治療選択として多
【背景】 2013 年に、JMS 社製輸液ポンプ OT-808 を
数の報告が行なわれている。当院では、人工呼吸器と併
採用することとなった。採用するにあたり管理方法を検
用した治療環境を考慮し、特化した治療用ガスボンベを
討したところ、OT-808 のメーカー指定の点検方法は、
中央管理機器備品として ME 機器センターで管理運用
日常点検と定期点検の他に 3 ヶ月に 1 回バッテリリフ
している。しかし、他施設でのボンベ取り違えによる医
レッシュが必要だった。従来、当院で使用していた輸液
療事故の報告は後を絶たず、当院でも同様の医療事故を
ポンプは、日常点検と 6 ヶ月に 1 回の定期点検で管理
発生させる危険性があったため事故を未然に防ぐ対策
していたので、煩雑にならないように同様の点検間隔で
を立案した。当院での現状及び今後の方針を報告する。
管理できないか検討したので報告する。
【方法】ボンベの種類別に色の異なる名札を取付け、カ
【方法】 3 ヶ月の間隔でリフレッシュと定期点検を交
テゴライズを行なった。また、併せてボンベの所在と使
互に行なった 15 台を A 群、6 ヶ月ごとに定期点検のみ
用状況、残圧の確認を定期的に実施する事とした。使用
を行なった 15 台を B 群として、2 年後に OT-808 全台
の際には ME 機器センターの臨床工学技士がボンベ使
のバッテリテストを行ない、放電開始から電池電圧警報
用における準備段階から治療チームに参加するように
1、電池電圧警報 2、電源が切れるまでの 3 つの時間を
した。
装置履歴から確認し評価を行なった。
【結果及び現状】ガスボンベごとに取り付ける名札構成
【結果】 電池電圧警報 1 発生までの時間が A 群で、118
を統一したことで、名札の内容と配色で視覚的判別が容
±18.5 分、B 群で 67±31.4 分(p<0.004)
、電池電圧警
易になった。また、臨床工学技士が日常的に運用状況を
報 2 発生までの時間が A 群で 182±19.9 分、B 群で 158
確認することで、安全に対する意識向上と治療に対する
±18.3 分(p<0.05)
、電源が切れるまでの時間が A 群
知識向上に繋がった。更に、その専門知識を擁した職員
で 185±19.9 分、B 群で 162±18.3 分(p<0.06)であ
が業務を担うことにより、複雑なガスの組合せや人工呼
った。3 つの項目全てにおいて、B 群の動作時間が有意
吸器との連結間違いを防止できた。
に短縮した。
【考察】現在、医療用ガスに分類されないガスも病院内
【考察】 B 群では、メモリー効果により電池電圧が低
に存在する。ボンベの外観には取扱業者等の会社名称表
下して電池電圧警報 1 発生までの時間が短縮した事が
示、配色等の取決めが無いものもあり、用途間違いの要
示唆された。また、A 群と B 群は共に、定期点検時の
因となっている。また、規格基準の相違も誤認識の要因
バッテリテストで電源が切れるまで放電していたがこ
と考える。今後、臨床工学技士による積極的な医療用ガ
れは、リフレッシュ機能の代用にはなっていなかった事
ス管理への介入を行い、ヒューマンエラーが起きない環
が示唆された。
境を整えたい。
【まとめ】 3 ヶ月毎のバッテリリフレッシュは、バッ
テリ残量を正しく表示する為に必要だった。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
一般演題 No9
慢性維持透析患者に合併する睡眠時無呼吸症候群
済生会西条病院
医療機器管理室 1) 同循環器科 2)
○藤田康隆 1) 金子伸吾 2) 桑原将司 1) 三木正子 1)
荒水裕 1) 日野貴博 1) 岡田未奈 1)
[背景]
睡眠時無呼吸症候群(以下 SAS)は生活習慣病の
[考察]
今回の検証では、 慢性維持透析患者における合
発症・増悪に関連が大きいとされている。特に、慢性維持
併症の特徴解析には至らなかった。陽圧治療器は心不全の
透析患者では、健常人に比べ SAS 有病率が明らかに高く、
患者に対し、心負荷軽減の目的で使用されることも多いが、
尿毒症による中枢神経抑制作用により上気道の筋緊張低
EF が悪い症例に対し、陽圧呼吸療法は心臓に負荷を与え
下あるいは横隔膜と上気道筋活性の不一致、水分過剰によ
るとの報告もある。適切な使用方法を検討していくため、
る上気道浮腫、心不全の合併などがあると報告されている。
心エコー、BNP など、検査の定期化と継続により、一人で
当院の慢性維持透析患者においても検査、治療が必要と考
も多くの患者が十分な治療を受けられるよう、努力してい
え、検討することとした。
きたい。
[方法]
2014 年 2 月から 2015 年 7 月の間に、
全 107 人中、
同意が得られた 65 人に対し簡易 SAS 検査(Philips
Smartwatch
PMP-300E)を透析日・非透析日それぞれ装着
し、結果を解析した。平均年齢は 68.14±10 歳で、DM24
名・非 DM41 名であった。得られた結果から治療が必要な
患者に陽圧治療器を導入し、陽圧治療器から得られる呼吸
状態の情報を解析した。
[結果]
65 人中 56 人に SAS(呼吸障害指数(以下 RDI 値)5
以上)を認めた。年齢、DM・非 DM による RDI 値の比較で有
意差は見られなかった。
自覚症状や心不全の合併の有無、透析中の血圧コントロー
ルなどを評価した上で 16 名が治療対象と判断し、在宅で
の陽圧治療を導入した。その後、毎月 1 回のデータ解析を
行い、循環器科医による回診・指導を行った。陽圧治療器
から得られる無呼吸低呼吸指数(以下 AHI)の改善は全例で
認められた。また、1 人の患者において透析中除水困難の
改善が見られた。一方で、16 人中 6 人は、マスク装着や
陽圧による違和感などが原因で装着継続困難にて治療中
止となった。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
一般演題 No10
女性技士が子育てと仕事を両立させるための問題点の提起
一般社団法人愛媛県臨床工学技士会 組織委員会女性部
○喜井澄香
近年、厚生労働省の政策では、職場における子育て支援を
最後に、女性技士も男性と同じ立場で仕事を続けたい、評価
推進している。日本臨床工学技士会でも女性技士の増加に
も同等でありたい思いがある。子供を授かる事は夫婦の喜び
伴い、男女共同参画委員会で女性が仕事を続けていく為の
であり出産は女性だけに与えられた特権であると自信を持ち
環境整備の推進を挙げており、女性技士が現実に直面してい
続けられる環境創りが一番の課題であると考える。
る職務継続の難しさが記されている。その理由として、上位を
占めているのが妊娠・出産・子育てである。現在男性の育児休
暇取得の推進などの政策により改善されつつあるが、母である
女性の育児への負担は大きく、退職せざるを得ないのが現実
である。
私は現在、会社員の夫、小学 4 年生と保育園に通う 2 歳の子
供の 4 人家族である。新築を機に実家近くに引越し、幸いなこ
とに両親の協力を得て仕事を続けているが、子供二人を育て
る為に年老いた両親を頼る事となり感謝と共に心苦しい思い
をしているのもまた事実である。
私は新人技士の頃は、『女性も一生仕事を続けられる』・『結
婚・出産をしても変わらず仕事を続けられる』と考えていた。し
かし、出産後現実は違うと気づく。仕事と育児の両立には、女
性ならではの幾つかの壁が存在する。1 つ目の壁は、育児休
暇取得による人事評価の格差があるのではないかという不安
である。結婚し子供に恵まれるという事は、夫婦にとって何物
にも代えがたい喜びであり母になるという事は女性の特権であ
る。しかし人事評価は、休暇の分だけ遅れるのではないかとい
う不安があり家族計画さえ悩ましく思えてくる。2 つ目の壁は、
技士独特の勤務時間である。施設の透析開始時間にもよるが
早朝の出勤が必須である。独身時代であれば問題無いが、女
性技士は、家族が出来てわかる壁である。家族と活動時間が
違い母として家庭を思うと後ろ髪を引かれる気持ちもある。3 つ
目の壁は、子育てのサポートの有無である。以上の壁をクリア
する為に、出産後の女性技士の苦悩は計り知れない。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
一般演題 No11
一般演題 No12
植込み型除細動器移植患者の運転に関する認識度調査
冠静脈内心外膜側通電により成功した WPW 症候群の1例
~改正道路交通法施行にあたり~
1) 愛媛県立中央病院
医療機器管理室
2) 愛媛県立中央病院
循環器内科
愛媛大学医学部附属病院
ME 機器センター
○石原隆史、浅木康志、橋本美和、小田真矢、山本尊義、
山田文哉
○宮田
圭¹⁾ 川田
臨床工学技士
好高²⁾
症例は、20代男性、WPW 症候群と診断される。
背景:平成 26 年 6 月より改正道路交通法が施行され、植
電気生理学的検査にて左側自由壁に Kent 束を認めた。
込み型除細動器(ICD、CRT-D)植込み患者に対する情報
Kent 束を介する順・逆伝導の両伝導は存在したが、減衰
提供や診断書作成がこれまで以上に重要となった。
伝導は認めなかった。HRA,RV からの誘発刺激では上室性
目的:ICD、CRT-D 植込み患者の運転に関する認識度と
頻拍は誘発されなかったが、イソプロテレノール投与下で
現状を明らかにすること。
の Kent 束順伝導が 200bpm でも 1:1 伝導を認められ、偽
方法:当院デバイス外来に通院中の ICD、CRT-D 植込み
性心室頻拍のリスクがあるためアブレーションを行った。
患者 45 名に任意のアンケート調査を実施した。質問項目
通電は弁上から行ったが、離断までの時間が長いため、一
は職業、運転免許の有無、実際の自動車運転の有無といっ
過性離断が得られるのみで再伝導を繰り返した。弁下アプ
た日常生活に関する質問に加え、法改正の認識、公安委員
ローチに変更し、イリゲーションカテーテルにて通電を行
会への届け出の有無など法律に関する内容も含めた。
ったが同様に一過性の離断しか得られなかった。再度弁上
結果:平均年齢 64±14 歳、男性 37 名、女性 9 名。ICD27
から通電を行うが一過性の離断しか得られず心外膜側に
名、CRT-D19 名。36 名が運転免許を所持しており、その
Kent 束の存在が疑われた。
うち 27 名が運転を継続していた。植込み後の運転制限に
心内電位にて AV 間隔最短の電位を認めたため通電を行う。
関しては免許保持者のうち 29 名(63%)が認知していた
イリゲーションカテーテルによる 30W の通電にて約2秒
が、実際に公安委員会へ届け出をしていた患者は 16 名
で Kent 束の離断が得られた。Kent 束の再伝導はなく、治
(35%)であった。また、32 名が今後も運転を継続した
療成功にて終了となる。
いという希望を持っていた。運転を希望する理由は、仕事、
冠静脈内心外膜側の通電により左側自由壁心外膜束に
日常生活のためという回答が一番多かった。特に若年層や
Kent 束を有している WPW 症候群に対して Kent 束離断に成
就労者からは運転制限は仕事上の問題が生じるといった
功した症例を経験したので報告する。
回答もあった。また、公共交通機関が普及しておらず、生
活に自動車が必要不可欠と回答した患者が 22 名存在した。
結論:運転制限に関する認識度は比較的高い反面、実際の
届け出は不十分であった。若年就労者や地方在住の患者に
とって、自動車運転の可否は非常に大きな問題であること
が改めて明らかになった。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
一般演題 No13
当院に置ける DUF の回路変更について
済生会今治病院 臨床工学部
○新田拓夢
【はじめに】
また、それぞれ 1 つずつのローラーポンプを使用して完全
この演題は第 41 回日本体外循環技術医学会大会で発表し
ポンプコントロールとした。これにより DUF、除水を状
たものです。
況によって切り替えることができる。
当院では約 230 名の透析患者が通院しており、その中から
【結果】
ポンプ症例の開心術を受けられる方も少なくない。その場
ポンプコントロールにしたことで DUF 操作がほぼ自動的
合医師の意向により前日に透析治療を受け、極力手術後 2
となり従来の鉗子操作を排除でき、操作者への負担の軽減
日は透析を行わないことになっている。
となった。また、ダブルチューブ回路で DUF を行う際に
しかし開心術中には心筋保護液の使用によるカリウム値
メスシリンダーを用いて補液量と廃液量を測定したが同
の上昇や、生体反応における電解質の変化、血液希釈など
量となった。これより in out バランス誤差をなくすこと
の発生がつきものである。そこで当院では DUF を積極的
できた。
に行っている。
【結論】
その方法は ECUM の廃液ラインをメスシリンダーにセッ
今回の回路変更によって人工心肺操作者への DUF 操作に
トし、鉗子開閉操作によって除水する。また、補液バッグ
よる負担を軽減し、in out バランスの誤差を排除すること
とリザーバーを繋ぐ補液ラインを鉗子開閉操作によって
ができたので、有用であったといえる。
補液するというものであった。
しかし、この方法では度重なる鉗子操作による人工心肺操
作者への負担や補液バックや排液用メスシリンダーなど
の目盛りの目測による in out バランスの誤差などが生じ
る。
今回 ECUM 用の排液ラインを改良し、ローラーポンプコ
ントロールでの DUF を行ったので報告する。
【目的】
DUF 操作での度重なる鉗子操作などによる人工心肺操作
者への負担の軽減。また、メスシリンダーや補液バックな
どの目盛りの目測による in out バランス誤差の排除を目
的とし、回路変更を行った。
【方法】
ECUM の排液ラインを二股に分岐し、片方は DUF 用ラ
インとして補液バックとリザーバーを繋ぐ補液用ライン
と排液用ラインのダブルチューブにし、もう片側は除水の
みのラインとして回路変更した。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
一般演題 No14
寒冷凝集素症に対する人工心肺
済生会今治病院
○深田
早敏
【目的】
寒冷凝集素症(Cold agglutinin disease)は,自己免疫性溶血
性貧血の 1 種であり,冷式自己抗体を有する。この冷式自
己抗体は,低温環境下で赤血球を凝集させ末梢循環不全を
引き起こす。今回,左房粘液腫の術前の不規則抗体検査で
冷式抗体検出あり、寒冷凝集症の診断の患者様の人工心肺
を経験したので報告する。
【方法】
症例は左房粘液腫と診断された 82 歳女性。術前カンファ
レンスにて寒冷凝集素症である事が報告され、体外循環は
常温人工心肺下にて左房粘液腫摘出術を行う、また心筋保
護も常温にて注入予定などが申し送られた。
【結果】
体外循環中、直腸温36.5℃を目標にまた心筋保護液は
20min/毎に既定量を37℃にて注入、特に変わりなく終
了するはずであった。しかし大動脈をクランプ解除しウィ
ニングも終盤に自己血回収装置のリザーバー内が凝血塊
のようになり、凝集を疑いリザーバーをヒーターにて加温
したところ血液は解離したように戻った。オペレーターの
判断にて自己血回収装置の回路は交換しヒーターで加温
したままで無事手術は終了した。
【結論】
今回、寒冷凝集症の体外循環を経験した。
術前検査にて判明していたのでカンファレンスにてスタ
ッフに事前に周知が出来ていた。
出来る準備は全部したはずであった、にも関わらず自己血
回収装置のことは残念ながらチェックされていなかった。
これは物事に万全は無く今後の反省点になった。
本症例のように、寒冷凝集素の存在が術前検査で判明して
いる症例だけでなく判明されていない事もあり,体外循環
中に赤血球の凝集を認めた際,血液凝固とともに寒冷凝集
素の存在も考慮して対処する必要がある。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
一般演題 No15
ASO に対する DF サーモの有効性と IgM 量のコントロール
の検討
済生会松山病院
○坂東
ME 部
臨床工学技士
利紗、別府 信幸、長生
中村
智也、櫛部 圭吾、乗松
川口
達也、東 幸司、長野
浩輔、徳森
美佳、
由香、
準也
【背景】近年、糖尿病性腎症を原疾患とする患者の増加に
SPP 値の改善が認められた。今回は 1 回おきに処理量を変
伴い、閉塞性動脈硬化(ASO:arteriosclerosisobliterans)
更したが、治療効果に影響はなかった。
患者が年々増加している。しかし、糖尿病を合併している
【考察】
透析患者は閉塞性動脈硬化症の進行が早く、下肢切断に至
血漿処理量のコントロールにより、温存する IgM 量を調節
る症例も少なくない。
できる可能性が示唆された。
【目的】二重濾過血漿交換療法(DFPP:Double filtration
【結語】
plasmapheresis) による治療は、アルブミン等の低・中分
粘性に関与するフィブリノーゲンの調査も行い、血漿処理
子量成分を補充液とともに体内に戻す方法であるが、分子
量と DF サーモの作用機序の関係も分析する所存である。
量の大きい一部の有効成分が補充できないため、過去の文
献では DFPP による免疫系蛋白(IgM)の減少が指摘され、治
療間隔の考慮が必要と提言されている。
今回、我々は DFPP の変法である DF サーモで治療する機会
を得た。よって過去に報告された IgM の除去率と半減期か
ら IgM の減少量と回復量を予測し、それを基に血漿処理量
のコントロールを行い、一定量の IgM を患者に温存する治
療が可能であるかを検討し、治療効果についても評価した。
【対象】
2013 年 11 月に ASO と診断された透析患者 1 名(75
歳、男性、糖尿病性腎症、透析歴 5 年)
。右第 1 趾爪部皮
下膿瘍形成。
【治療方法】治療は週 1 回の間隔にて計 10 回、奇数回数
3000ml、偶数回数 2000ml と血漿処理量を変更。IgM は DF
サーモ施行前後で測定。治療効果の判断は膿瘍の改善とし、
副次的判断として皮膚灌流圧(SPP:Skin Perfusion
Pressure)を測定した。なお、IgM の予測推移については、
3000ml 処理の除去率を 55%、2000ml 処理の除去率を 45%、
1 週間での回復量を前値の 1/4 として算出。
【結果】IgM の変動は予測していた除去率よりも大きかっ
たが、各週の DF サーモ治療前の推移は予測値から大きく
外れるものではなかった。また、施行回数と共に濃瘍及び
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
一般演題 No16
一般演題 No17
人工透析管理システム MiracleDIMCS UX を導入して
Future Net Web+システムエラー時のバックアップ対応と
(医)木村内科医院
帳票作成ツールの活用について
○水尾勇太
山本将太
森菜留美
椿本康平
登口麻衣
済生会今治病院臨床工学部
平井芳弘
○堀田修平
【はじめに】
【背景】
当院では、開院当初より紙カルテにて運営してきた。
当院では 2011 年 5 月より、日機装社製透析通信システム
今回、透析情報のサーバー・ペーパーレス化を目的とし
Future Net Web+(以下 FNW)を導入し、2015 年 8 月現在
MiracleDIMCS UX を導入したのでその経験を報告する。
まで 2 度のシステムエラーを経験した。そこで、FNW が何らか
【方法】
の機械的トラブルにより使用できない事態を想定し、その時
人工透析管理システム東レ社製 MiracleDIMCS UX、電子
のバックアップ対応についての取り組みを報告する。それと、
カルテパナソニック社製 Medicom-HRⅢ、東レ社製コン
スタッフの趣旨多様なニーズに応え、データ管理を簡易にする帳票
ソール TR-3000M、TR-3000MA、TR-3300M と情報連携
作成ツールの当院での活用について報告する。
をした。
【方法】
【結果】
2013 年 5 月に統合サーバ差分バックアップエラーにより体重測定通
体重の記録、除水量の計算等を自動で行うことにより業務
信エラーが起こった。2013 年 6 月に FNW のクライアント AP の動
の簡素化を行うことができた。また、投薬ミスや透析条件
作エラーにより FNW の WEB 画面が起動不能となった。こ
設定ミスなど人為的ミスの減少にもつながった。電子カル
の 2 つの事例を経験して、当院独自のバックアップを作成した。
テと連携することにより患者情報や検査結果の共有が可
【結果】
能となった。しかし、スタッフの中にはパソコンが苦手な
バックアップシステムを作成したことで FNW の機械トラブル時にも
方もおりパソコン操作に支障があることもあった。
対応可能となった。院内の PC ネットワークだけで当院独自のバ
【まとめ】
ックアップシステムを作成したことにより、コストをかけず容易に患
安全管理の向上、業務の効率化、情報の共有化等利便性も
者情報管理ができた。それと帳票作成ツールの活用により、
高く、ペーパーレス化を行うことができた。スタッフのパ
当院での透析患者の様々なデータ管理が迅速かつ容易にで
ソコン操作の習熟や軽微なミスなどを減らし安全な透析
きた。
を提供できる様に努めていきたい。
【課題】
透析記録用紙は個別にバックアップコピーしており時間がかか
るので、コピーにかかる時間短縮が必要であると考える。そ
れと帳票作成ツールについてはまだまだ思うように表示でき
ない部分などがあり、さらなる知識の向上と技術の習得が
必要であると考える。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
一般演題 No18
一般演題 No19
当院における透析中運動療法の取り組み
災害発生時の臨床工学技士の取り組み
医療法人恵仁会
~迅速な治療再開をめざして~
三島外科胃腸クリニック透析センター
○井上徹也(イノウエ テツヤ)(臨床工学技士)
野村祐介 佐藤竜二
藤原繁彦
溝渕剛士
医療法人佐藤循環器科内科
溝渕正行
◯山本大輔 山本良輔 大西彩 高橋妙子 佐藤譲
【はじめに】日本の今後の高齢化の進展においては,団塊
【目的】臨床工学技士(以下CE)は透析関連機器の災害に
の世代が後期高齢者となる 10 年後の 2025 年には 4 人に 1
対する設備を熟知し災害発生時に被災状況の把握や治療
人が 75 歳以上となる超高齢社会が到来すると言われてい
再開へ向けた迅速な対応が求められるが、近年、新人スタ
る(2025 年問題).当院の透析患者においてもすでに高齢
ッフの増加や異動等により対応可能なスタッフが減少し
者の割合は多く,現在平均年齢 68 歳であるが 10 年後さら
た。今回すべてのCEが対応できることを目標とした透析
なる高齢化が進むことが推測される.
関連機器や防災設備に関する講習やフローシートに基づ
また高齢化に伴い近年「サルコペニア」
,
「フレイル」とい
いた訓練を実施したので報告する。
った加齢による衰弱が ADL の低下を引き起こす要因とし
【方法】対象は本院在職中のCE11 名(平均経験年数 5.9
て問題視されている.このような背景から当院では透析患
年±5.2 年)、災害発生時の行動マニュアルやフローシー
者に年齢を重ねられても元気で透析に通って頂けるため
ト及び透析関連機器の運転再開へ向けた点検チェックリ
に,透析中の時間を利用した透析中運動療法の取り組みを
ストを作成し、その効果を訓練前後のアンケート調査にて
開始したので報告する.
検証した。
【方法】まず運動療法を実施するにあたり運動負荷試験を
【結果】院内の防災訓練時(2回/年)に合わせて、作成し
行い負荷量,目標心拍数,血圧変動などを記録する.運動
たフローシートやチェックリストを使用した設備講習や
負荷試験ではエルゴメータを使った Ramp 負荷で自覚的運
訓練を実施した。
講習や訓練へのCEの参加率は 100%で、
動強度 Borg スケールを用い Borg 指数 13「ややきつい」
アンケート結果では、訓練実施前、透析関連設備やその役
時点の負荷を記録し運動強度を決定する.ただし運動負荷
割について全て知っていると回答したのは 27.3%、一部
試験が困難な患者では最も低負荷な運動療法を実施する.
は知っている 63.6%、ほとんど知らなかった 18.2%であ
透析中の運動療法については透析前半(2 時間以内)に行い,
ったが、訓練後、全てを理解できたのは 90.9%であった。
ストレッチ→エルゴメータ→チューブトレーニング→ス
当院が行っている災害対策について知っていると回答し
トレッチの流れで実施し,方法については当院で作成した
たのは 63.3%、災害発生時の対応ができると回答したの
資料を渡し,正しいフォームで行えるように理学療法士に
は 27.3%であったが、訓練後は全員が理解できたと回答
よる指導を行っている.また身体機能評価(握力,10m 歩
した。また、講習、訓練を2回/年の頻度で行いたいとの
行時間,片脚立位時間,CS-30,上腕周囲径,大腿周囲径),
意見が最も多かった。
FIM(Functional Independence Measure),In Body による
【考察・結語】今回、講習や訓練を実施することで自施設
体成分分析を行い,評価を継続して行っている.
における透析関連装置や防災設備に対する関心や理解度
【まとめ】現在 11 名の患者が継続して透析中運動療法を
が高まった。今回作成したマニュアルやフローシートによ
実施している.透析中に運動をする際には,バイタルの変
り、被災状況の確認と治療再開に向けた点検が容易になっ
化などリスクもあるが,スタッフが十分に観察し,また患
た。今後もCE全員が透析関連装置や防災設備を熟知した
者にも正しく運動を行えるように指導することで安全に
上で日中、夜間、休日、いつ起こるかわからない災害に備
実施することができる.今後も継続して透析中運動療法の
え臨機応変に対応できるよう定期的に講習と訓練を実施
取り組みを実施し,患者の ADL 向上に努めたい.
していきたい。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
一般演題 No20
一般演題 No21
微粒子ろ過フィルターEF-02 の使用期間延長による
透析監視装置およびベッド周囲における環境整備の実態
機能性評価
~ATP 拭き取り検査を用いて~
医療法人住友別子病院
診療部臨床工学室
社会医療法人
○河野将太、白石理、髙橋祐樹、真鍋浩紀、海田敬史、
同心会
西条中央病院
臨床工学部
○宮﨑詩織、久保昌史、高橋尚人、仲野彩子、石川健仁、
藤原零士、宮﨑昌彦
小森久司
【目的】
【はじめに】透析室は、多くの患者が 1 つのフロアーで治
当院では、日機装社製微粒子ろ過フィルターEF-02(以下
療し、血液が飛散しやすい特殊な環境にあり、感染対策は
EF-02)を使用している。メーカー推奨交換期間は 3 ヶ月
重要である。そこで、透析監視装置およびベッド周囲にお
となっているが、
交換後 3 ヶ月でエンドトキシン活性値(以
ける環境整備について、ATP 拭き取り検査を実施し、汚れ
下 ET)を検出したことは無く、また、生菌数も基準値以内
を数値化することで、効果的な清掃が行なわれているか検
である。そこで、交換期間の延長により EF-02 の機能的
証したので報告する。
劣化が生じるかを検証する為、EF-02 の使用期間を最大 6
【方法】患者使用後に、ATP 拭き取り検査を実施。その後、
ヶ月まで延長して測定を行ない、ET 及び生菌数を観察し
スタッフ2名(A 氏,B 氏)それぞれが花王社製「医療施
たので報告する。
設用セイフキープ」で清拭後、再度検査を実施した。
【方法】
【対象】透析監視装置画面、ブザー停止スイッチ、チャン
給液ラインの EF-02 出口部に採取ラインを取り付け、交
バーホルダー、ダイアライザホルダー、血圧測定スイッチ、
換後 3 ヶ月から 1 ヶ月ごとに ET 測定と、透析液を 100L
ベッドリモコン、オーバーテーブルの計7箇所
採取し、M-TGA 培地にて 25℃で 1 週間培養を行ない発生
【結果】両者とも、ほとんどの箇所で清掃後の ATP 値は減
したコロニー数を測定した。
少したが、A 氏では、透析監視装置画面・ブザー停止スイ
【結果】
ッチにおいて、B 氏では、ブザー停止スイッチ・チャンバ
交換 4 ヶ月後では ET>0.001EU/ml、生菌数 0CFU、交換
ーホルダーにおいて、清掃後の ATP 値が増加した。
5 ヶ月後では ET>0.001EU/ml、生菌数 0CFU、交換後 6
【考察】汚染を示す数値に大きなバラつきが見られ、清掃
ヶ月経過後の測定でも ET>0.001EU/ml、生菌数 0CFU で
後の数値も清掃者によってバラつきがあったのは、清掃方
あった。
法の違いに原因があるのではないかと考えられた。また、
【考察】
環境表面には、凹凸の有無など形状に多様性があり、一方
推奨交換期間を 3 ヶ月過ぎた状態でも ET 及び生菌数に変
向に拭くだけでは十分な環境整備が出来ていなかったと
化はなかった。また、日本臨床工学技士会が定めている透
考えられた。
析液清浄化ガイドラン Ver.2.01 の管理基準値内であった。
【結語】汚れを数値化することにより、感染予防対策を意
この結果から、基準値内であれば交換時期の延長が可能で
識した効果的な清掃が十分に行なわれていないことが可
あると示唆された。
視化された。現在、清掃方法は統一されておらず、スタッ
【結語】
フ個々の裁量に任せているため、今後は、研究結果を基に
EF-02 の交換期間延長による ET、生菌数に変化はなかっ
清掃手順の作成が必要ではないかと考える。
た。
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会抄録集
発行日
平成 27年 10 月 7 日
発行
一般社団法人愛媛県臨床工学技士会
事務局
済生会今治病院 臨床工学部
〒799-1592 今治市喜田村7丁目 1 番 6 号
TEL (0898)47-2500
FAX (0897)48-5096
E-mail: ece.office@ehimeces.or.jp
発行人 田邊 芳郎
編 集
山本 将太 青木
究
印 刷
(株)コーノ・ディレクション
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第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 抄録集
謝辞
第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会抄録集の出版にあたり、
ご広告を戴きました下記の皆様に厚く御礼申し上げます。
平成 27 年 10 月 25 日
第 3 回一般社団法人愛媛県臨床工学技士会学術大会 大会長
田邊 芳郎
広告索引
株式会社サナス
扶桑薬品工業株式会社
鳥居薬品株式会社
テルモ株式会社
旭化成クラレメディカル株式会社
ニプロ株式会社
学校法人すみれ学園 四国医療技術専門学校
アムテック株式会社
日本ライフライン株式会社
中外製薬株式会社
東レ・メディカル株式会社
株式会社陽進堂
(順不同)
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