スライド 1 - エネルギー科学科

エンジン燃焼や伝熱技術に関する先端的研究を
通して環境調和型熱エネルギー変換システムを実現!
化石燃料を急速に消費して莫大なCO2を排出し,深刻な地球温暖化を招いている
我々人類ですが,大部分の燃料はエンジンや発電機など,燃焼で発生した熱を仕事に変える
「エネルギー変換機器」で消費されています.「エネルギー変換機器」には冷蔵庫やエアコンの
ように冷媒に仕事を与えることで結果的に低温の空間(室内)から高温の空間(屋外)への熱の
流れを生じさせるものも含まれますから,身の周りにはエネルギー変換機器が溢れていると
PCや携帯電話,AFカメラのように,半世紀前の“未来の夢”が既に実用化している物が多々ある中で,
いっても過言ではなく,その効率向上が資源の枯渇や温暖化の抑制に直結することは明らかで
す.
だけは
本研究分野では,大はタンカー用ディーゼルエンジンから小はCPUの液冷装置にいたる,幅広
いエネルギー変換機器の大幅な効率向上と低公害化を通じた環境調和を目指す様々な研究
を進めています.多数の企業と活発に共同研究を進めていること,海外の大学と交換留学や留
学生受入れを積極的に進めていること(ドイツ3大学に延べ11人/8年の大学院生が留学)も特
筆に値すると考えています.ごく一部ではありますが,研究内容を以下にご紹介します.
熱機関工学講座: “燃焼の基礎研究から燃焼制御を実現するハードウェアの開発まで”
エンジン燃焼のシミュレーションでも数値流体力学は強
力な武器ですが,ディーゼルエンジンの噴霧の分裂や燃
焼といった領域では未だ多くの改良が求められています.
本研究室では,排気ガス浄化のため燃料とともに水を噴
射した場合の燃料液滴と水液滴の挙動を独自のモデル
を用いて解析したり,分析が困難な燃料の燃焼特性を計
算結果に反映させることを試みています.また,大型可
視化エンジンや燃焼容器を用いて,予測結果の妥当性を
検証しています.さらに,エンジン燃焼のシミュレーション
で近年になって大きく進化した詳細化学反応モデルを用
いた大型ガスエンジンの燃焼予測にも取り組んでいます.
水噴射無し 水噴射あり
大型可視化
エンジン
水噴射の効果
予測結果(右上)
燃焼温度の比
較結果(右下)
16 ms 28 ms 16 ms 28 ms
実験
計算
12° ATDC 17° ATDC 22°
ATDC
熱エネルギー変換システム学講座: “伝熱の基礎研究から空調システムの開発まで”
酷暑期の電力不足やフロン系冷媒によるオゾン層破壊
など,空調機の高効率化や低公害化が重要なことは論
螺旋溝付管断面
単段単層型吸着式
システムの吸着工程
Qcond Cooling
water
を待ちませんが,例えば自然冷媒である CO2の伝熱流
Condenser
動や沸騰特性には不明な点も多く,それらの計測と特性 螺旋溝付管内面
を活用できる新しい空調機システムが望まれています.
Liquid
refrigerant
本研究室では, 詳細な物性計測と極限的高温高圧下の
活性炭素繊維
可視化計測を組み合わせて,螺旋溝付き管内部のCO2
(A-20)
冷媒の沸騰伝熱特性を明らかにしたり,活性炭素繊維と
CPU冷却器伝熱面概要
水冷媒によるアドバンスト吸着式冷凍システムの開発な
Q
どを進めています.さらに,高集積度CPUを沸騰伝熱に
より効果的に冷却する熱交換機の開発も行っています.
Vapor
refrigerant
V1
SE 1
V2
Evaporator
Chilled water
eva
九州大学 工学部 エネルギー科学科 (大学院担当: 総合理工学府 環境エネルギー工学専攻)
教授 高崎 講二・教授 小山 繁・准教授 田島 博士・准教授 Bidyut B. SAHA ・助教 桑原 憲
TEL 092-583-7591 FAX 092-583-7593 E-mail: takasaki@ence.kyushu-u.ac.jp