1. 構成素子から見たコンピュータの歴史について, 以下の問に答えよ. (1

1.
構成素子から見たコンピュータの歴史について, 以下の問に答えよ.
(1) 第 1 世代の構成素子を答えよ. 真空管
(2) 第 2 世代の構成素子を答えよ. トランジスタ
(3) 第 3 世代の構成素子を答えよ. IC
(4) 第 4 世代の構成素子を 3 種類答えよ. LSI・VLSI・ULSI
(5) 第 5 世代のコンピュータは非ノイマン型となるとされている. その例を 3 つ挙げよ.
量子コンピュータ・ニューロコンピュータ・DNA コンピュータ
2. アーキテクチャからみたコンピュータの歴史について, 以下の文章の空欄を埋めよ.
・初めての計算機は, 歯車で計算する( バベッジ ) の(
階差機関
)であった.
・初めての電子計算機は, アタナソフとベリーによる( ABC )であった. 汎用計算機として, 1946 年に公開
された( ENIAC
)は, 約 18000 本の真空管と 50 万本の配線を用いた(ワイヤードプログラム) である.
・( メモリストアードプログラム)はフォン・ノイマンによって始めて提唱され, その例として( EDVAC )が挙
げられていたが, 先に開発されたのは( EDSAC )であった.
・( i4004 )は世界初のマイクロプロセッサである. 1971 年に intel が開発した. 日本人の( 嶋正利 ),
ビジコン社が開発に深く関与した.
・(a)トランジスタの集積密度が, 18 ~ 24 ヶ月毎に倍になるというのは( ムーア )の法則と呼ばれている.
3.
2.(a) の法則が提唱されているが, CPU の動作周波数には変化が見られない. その理由を 3 点挙げよ.
・CPU 内の電子が電線を流れず, 誤作動を起こすから
・CPU を物理的に小さく加工できないから
・CPU を狭くしていくことで排熱が大変になり, 熱のせいで誤作動を引き起こすから
4.
コンピュータアーキテクチャの中の CPU について, 以下の図(A), (B)の空欄を埋めよ.
(A)パソコンの構成
CPU
制御装置
演算装置
主記憶装置
メモリモジュール
補助記憶装置
出力装置
ビデオ
ノースブリッジ
ディスプレイ
アダプタ
制御装置
制御装置
ハードディスク
フロッピー
サウスブリッジ
ディスク
ドライブ
ドライブ
光ディスク
制御装置
補助記憶装置
装置
ドライブ
(B)コンピュータの五大装置
出力装置
記憶装置
入力装置
制御装置
演算装置
5.
中央処理装置(CPU) について説明せよ.
メモリ内のプログラムを実行する装置.
6.
コンピュータアーキテクチャの構成要素を 3 つ答えよ.
・CPU アーキテクチャ
・メモリ アーキテクチャ
・入出力アーキテクチャ
7.
次の CPU アーキテクチャに関する文章を完成させよ.
コンピュータの CPU は, 次のような構成をなす. まず, 演算を行う(1) がある. (1) は, 四則演算などの算術
演算や論理積・論理和などの論理演算を行う. 演算結果は, (2) へ格納される. (2) は, 主記憶からのデータを一
時蓄えたりもする.(3) は, 主記憶からの命令を格納するレジスタである. 命令は一度(3) に格納されて(4) で翻
訳される. 翻訳された命令は各装置に制御信号が送信される.
主記憶からデータを取得する場合は, (5)へ取得するデータが格納されている番地がセットされる. この番
地は(6) を介して主記憶にセットされる. 一方, 主記憶からのデータは, セットされた番地からデータを(7) へ
一時格納した後(8) を介して(1)や(2), (3) へ伝達する.
フラグ
(FR)
(7)
(3)
(1)
(4)
読み・書き
制御装置
(2)
主
記
憶
装
置
(5)
プログラムカウンタ
(PC)
: (8)
: (6)
(1)
ALU
(2) 汎用レジスタ (3)
(6)アドレスバス (7) MR/DR
(8)
: (9)
命令レジスタ (4)
データバス
デコーダ (5) メモリアドレスレジスタ
(9) コントロールバス
8. バスについて以下の問に答えよ.
(a)バスについて説明せよ.
CPU から各装置へ アドレス・データ・コントロール情報をやりとりするための伝送路.
(b)次の空欄を埋めよ.
・( データバス ):実際に処理するデータを伝送する.
・( アドレスバス ):主記憶上のどこに目的のデータがあるかを示すアドレス情報を伝送する.
・(コントロールバス):制御情報を伝送する.
(c)次の文章を完成させよ.
バスはその構造から分類した場合, CPU 内部, および CPU とメインメモリや入出力制御装置間における
データ転送路である(A.
), 入出力制御装置間をつなぐ伝送路である(B. 外部バス
), そ
して拡張カードとやりとりする為の伝送路である(C. 拡張バス
)が存在する.
A. には CPU 内の構成要素間の接続を行う( プロセッサバス
), CPU とメインメモリの間の接続を行
う(メモリバス), そして CPU とメインメモリや入出力制御装置間の接続を行う(システムバス)がある.B. に
は入出力装置間の接続を行う( 入出力バス )がある. C には intel 社が開発した( PCI ), IBM 社が開発した
( ISA ), およびそれを拡張した( EISA )がある.
内部バス
9. レジスタについて, その利点と欠点を織り交ぜながら説明せよ.
CPU 内にある読み書きが非常に高速にできる記憶装置だが, 非常に高価である.
10. フラグレジスタ、プログラムカウンタ、汎用レジスタについて説明せよ.
・フラグレジスタ…演算結果などの正誤・状態変化を格納する
・プログラムカウンタ…次に実行される命令が格納されている主記憶装置上のアドレスを記憶する
・汎用レジスタ…演算結果やデータを一時的に格納し, アドレス修飾にも用いられる.
11. 汎用レジスタはアドレス修飾にも利用できる. そのときの汎用レジスタの名称を 2 つ答えよ.
( インデックスレジスタ )
(
ベースレジスタ
)
12. 次の文章の空欄を埋めよ.
・(A. 機械語 )とは, CPU が直接理解する命令である. これは 2 進数で記述されており, 読みにくく長く
なるので, 人間にわかりやすい形にした( アセンブリ言語 )で書き直される. 文法は(CPU アーキテクチャ)に
依存するため, 移植性は( 低く )なっている. 基本的には(A.)と 1 対 1 に対応している.
・(A) は, 命令をコード化して記述する(命令コード)部, およびデータやデータが格納されている場所のアド
レスを記述する( オペランド )部に分かれている. これによって, 命令が度のデータに対して操作を行うかを
指定しており, これを(アドレス指定(アドレッシング))と言う.
13. 次の文章の空欄を埋めよ.
・アドレスの指定方式は, (1), (2), (3), (4)の 4 つがある.
・(1)は, オペランドのアドレスそのものがアクセスする番地である方法である.
・(2)は, 命令のオペランドが示すアドレスを参照し, その値をアクセスするアドレスとする方法である. 実
際にアクセスするアドレスを(5) という.
・(3)は, 主記憶へのアクセスではなくオペランドの値がそのままデータという方式である.
・機械語命令は, オペランドと命令に分かれている. 仮に 32 bit の機械語命令があったとすると, 実際にオ
ペランドとして使える部分は 32bit より小さい. つまり, (1) の方式だとアドレスの指定法指揮としては効率
が悪い. そこで(4) の方式が生まれた. (4) には, 以下に示す 3 つがある.
・(6)はオペランドの値とプログラムカウンタを足し合わせて, それを(5) とする方法である.
・(7)は, オペランド部のアドレスとインデックスレジスタとの和を(5) とする方法である.
・(8)は, (9) とオペランドの和を(5) とする方式である. 主記憶のどこへでもプログラムをロードできるため,
(10) な指定法式という. これは(11) で必要になる.
(1)直接アドレス指定方式(2)間接アドレス指定方式(3)即値オペランド方式(4)アドレス修飾方式
(5)実効アドレス(6)相対アドレス指定方式(7)インデックスレジスタ方式(8)ベースアドレス方式
(9)ベースレジスタ(10)再配置可能(11)マルチプログラミング
14. 次の問に答えよ.
(a) 次の文章を埋めよ.
1945 年, フォン・ノイマンが「(プログラム内蔵方式)」の計算機「(EDVAC)」を提唱し, 現在のコ
ンピュータの基礎となった. これは, プログラムやデータを主記憶に格納し, 順次プログラム命令を取り出し
て実行する方式であるため, (逐次制御方式)とも呼ばれる. このようなコンピュータをノイマン型コンピュー
タと言う.
(b) (a) の下線部の記述について, ノイマン型コンピュータのボトルネック(フォン・ノイマンのボトルネッ
ク) について説明せよ.
CPU が遅い主記憶装置とやりとりをすることが, 処理速度の足かせになるということ.
15. 次の文章を埋めよ.
・機械語命令を主記憶上に格納したあとのデータ処理について考える. これは, 2 つのステージを繰り返し
ながら処理される. 1 つは, 主記憶装置から機械語命令を取り出す操作(fetch), もう一つは機械語命令の実行
(execution)である. この 2 つをまとめて(命令サイクル)といい, 6 つの処理からなる. 1 つ 1 つの処理のこ
とを(ステージ)という.
16. 次の I から VI を適切な順序に並び替えよ. また, それぞれが命令の取り出し時の作業なのか命令の実行時の
作業なのかを分類せよ.
I. 命令のオペランド部より主記憶上の実効アドレスを計算 3, execution 時
II. 演算結果を主記憶などへ格納 6, execution 時
III. 取り出された命令の解読(デコード) 2, execution 時
IV. 機械語命令の命令コード部の指示により命令を実行 5, execution 時
V. 主記憶上から命令を取り出す(命令フェッチ) 1, fetch 時
VI. 計算された実効アドレスを基に主記憶装置からデータを取り出す(オペランドフェッチ)4, execution 時
17. 次の文章を埋めよ.
・1 つ 1 つのステージに要する時間を( A. 1 マシンサイクル )という. (B. クロック(パルス信号))は
A を作り, パルス信号は( 水晶発振器 )などによって生成される.
・コンピュータ内部では, 各装置毎に B. が異なっているので, ( 同期 )をとって A を作っている.
・1 命令あたりに必要な B. 数を( CPI )という. 動作周波数のことを( クロック周波数 )といい,その単位は(ヘ
ルツ(Hz))である.
・1 秒の間にどれだけ多くの命令を実行できるかを 100 万の単位で表したものを( MIPS )という. これが
(大きい)ほど高速である.
18. 次の文章を埋めよ.
・( A. 割り込み )とは, 緊急の特別な事象や条件が発生したとき, 通常サイクルを中断し, その事象に対応す
る処理を実行することで, これは( B. 割り込み処理ルーチン )とも呼ばれる. B. が終わった後, 再び中段時点
から元のサイクル処理を再開させる. A. を上手に利用すれば, ( 並行処理 )や( マルチプログラミング )が可能
となる.
・A. で大切な事は, (C. 優先順位 )を決め, (D. 高い )順に処理をすることである. D. C. の A. は, 低い C. の A.
の処理中でも A. が可能であり, ( 多重割り込み )と呼ばれる.
19. 次の問に答えよ.
(1) 5 つの割り込みの原因となる事柄を, 優先順位が高い順に並べよ. また, それぞれが内部割り込みか外部
割り込みか答えよ.
1. 機械チェック割り込み (外部割り込み)
2. 外部割り込み
(外部割り込み)
3. SVC 割り込み
(内部割り込み)
4. プログラム割り込み
(内部割り込み)
5. 入出力割り込み
(外部割り込み)
(2) (1) の 1. の割り込みについて, 以下の空欄を埋めよ.
・(1)の 1. の割り込みは, 主に( CPU の異常 ), ( 電源の異常 ), (装置の故障・誤作動などの異常 ), ( メモリの
異常 )などが起きたときに生じる.割り込みを放置するとコンピュータの動作そのものが危うくなる可能性
があるものであるため、通常優先度は最優先に設定される.
(3) (1) の 2. がどんな割り込みかを説明し, その例を 5 つ挙げよ.
CPU の外部で起こる割り込み. 機械チェック割り込み/ 入出力割り込み/ タイマ割り込み / CPU タイマ割
り込み / コンソール割り込み / 再起動割り込み などがある.
(4) (1) の 3. について, 以下の空欄を埋めよ.
・(1)の 3. の割り込みは, ユーザプログラムから SVC 命令やモニタコール命令の実行要求が来たときに発生
する.たとえば, ユーザプログラムで OPEN, READ などの入出力命令を実行した時である. これを
(特権命令)(いわゆる低レベル入出力 / システムコール) という.
・CPU には複数の状態があり, 1 つに(ユーザプログラム実行)状態がある. このことを(ユーザプログラム)
モードと言う. このモードの時, 一部の命令を実行できなかったり, 一部のメモリ空間にアクセスできな
かったりする.
もう 1 つの状態として(スーパバイザ実行)状態があり, このことを(スーパバイザ)モードと言う. このモー
ドの場合, すべての命令を実行でき, すべてのメモリ空間にアクセスできる.
(5) (1) の 4. がどんな割り込みかを説明し, その例を 4 つ挙げよ.
ユーザプログラムの実行時のプログラムエラーによって生じる割り込みで, オーバーフロー, アンダーフ
ロー, 0 除算, 記憶保護違反などが例として挙げられる.
(6) (1)の 5. の割り込みについて説明せよ. また, この割り込み中に行われていることを答えよ.
説明 : 入出力が終了したときに生じる割り込み
行われていること: マルチプログラミング
20. 割り込みの仕組みについて, 以下の文章を埋めよ.
・命令サイクル(命令フェッチ+命令の実行)の終了時点で, 割り込みの有無を判断し, 割り込みがある場合に
は割り込み処理(割り込み処理ルーチン)を実行する. その内容は以下の様になっている.
1.CPU の状態などを示す( PSW)を主記憶の固定領域( 旧 PSW 領域 )に退避する.
2.割り込みの種類に応じた(新 PSW)を CPU に読み込む. このとき, CPU 内の汎用レジスタ, 浮動小数点
数レジスタなどの内容を主記憶の特定領域に避難させておく.
3.( 割り込み処理ルーチン )を実行する.
4.旧( PSW )を( 現 PSW レジスタ )へ復元し, 中断されていたプログラムの実行を再開する.
21. 次のプログラム状態語の一般的フォーマットの図を完成させよ.
入出力・外
(1)記憶保護
割り込みの
部割り込み
キー
種類
(3)命令長
演算フラグ
(4)プログラ 次に実行す
ム割り込み
マスクビッ
マスクビッ
ト
ト
る PC の内容
・機械チェック割り込みマスクビット
・実行待ち状態か実行可能状態か
・(2)特権モードか非特権モードか
22. 次の文章の空欄を埋めよ.
・処理してほしくない割り込みを発生させなくするには, ( 割り込みマスク)を用いる. これを実現するには,
(PSW)の該当マスクビットを( 0 )にする. これが可能なものと不可能なものがあり, たとえば
( プログラム割り込みの一部 )と(SVC 割り込み)は不可能である. このような不可能なものを(NMI)という.
23. ワイヤードロジック方式について説明し, その良い点と悪い点を述べよ.
説明: 機械語命令の制御に必要な論理構成を実配線で実現する方法
良い点: 処理が高速
/ 悪い点: 設計が困難・修正が大変
24. 次の文章を埋めよ.
(マイクロプログラム制御方式)とは, 機械語命令より低レベルの(A.マイクロ命令)を組み合わせた(B. マイク
ロプログラム)で, B. を CPU 内の(制御記憶(CS))に格納し, 随時使用する方式である. A を解読するのは(マイ
クロ命令デコーダ), B. の A.を(クロックサイクル)単位で取り出すのが(マイクロプログラムカウンタ)であ
る. 1 命令の実行に要するサイクル数は(多く)なる.
25. 24. の方式の良い点と悪い点を述べよ.
良い点 : 設計や修正, 機能変更が容易・拡張性が高い
悪い点 :処理が低速
26. RISC と CISC について説明せよ.
RISC : 命令数を減らした構成のコンピュータ. ワイヤードロジック方式で作成し LSI 化した CPU.
CISC : 複雑な命令セットで構成したコンピュータ. マイクロプログラム制御方式による CPU.
27. 24. の方式がもたらした恩恵について, 以下の文章を埋めよ.
24. の方式は以下の 4 つの恩恵をもたらせた. 1 つ目は(ファームウェア)である. これは, ハードウェアとソ
フトウェアの中間で, マイクロ命令の変更のみで修正が可能になる. 2 つ目は(マイクロ診断)である. これは,
マイクロプログラムを利用したハードウェアの異常検出に使われる. 3 つ目は(エミュレーション)である.
アーキテクチャ群の異なる計算機のマイクロプログラム群を, 別の計算機で実行することが可能になる. 4
つ目は(ダイナミックマイクロプログラミング)である. これは, マイクロプログラムを容易に設計-変更が可
能にでき, アプリケーションに応じた命令セットをこれで実現可能なため, 様々な応用に柔軟に対応できる.
28. 次の RISC と CISC についての歴史の文章を埋めよ.
・RISC と CISC の 2 種類が生まれた理由は以下のようなものである. はじめに, C 言語をはじめ多くの高級
言語が開発されるようになった. そこで, 高級言語と機械語の間に隔たり(セマンティックギャップ)が生じる
様になり, その結果命令はどんどん複雑化していった.
・RISC は CISC の欠点を補う. RISC は高速実行処理を目指した計算機で, よく使われる命令を(ワイヤード
ロジック方式)によりどんどん高速化していった. また, マシンサイクルに必要なクロックを少なくしている.
これは, (1 命令サイクル)を 1 クロックにすることで実現している. また, RISC は命令数・アドレス指定方式
を(減ら)し, 命令形式も(固定長)にすることで, 解読時間を少なくしている. また,(ロードストアアーキテク
チャ)を採用し, 記憶装置間の読み書きは(ロード・ストア)のみ, 演算命令は(レジスタ )のみに限定している.
また, コンパイラの工夫やパイプライン処理の適用によって, 高速化を図っている.
・現在のパソコン市場で広く用いられているのは(CISC)で, (RISC)はゲーム機や PDA, 携帯電話などの(組み
込み)市場をほぼ独占している.