航空産業の未来に向けたアイディアコンテストの最優秀チーム発表

GDM 36/2009R
2009 年 6 月 23 日
航空産業の未来に向けたアイディアコンテストの最優秀チーム発表
欧州を代表する航空機メーカー、エアバス(本社:仏トゥールーズ、社長兼 CEO:トム・エンダー
ス)は 6 月 19 日、「パリ航空ショー」にて、航空産業の未来に向けたアイディアコンテスト「Fly
Your Ideas」で最優秀賞に選ばれたチームを発表した。最優秀賞を獲得したのはオーストラリアの
クイーンズランド大学「COz」チーム。同チームが提案したアイディアはヒマ(トウゴマ)を使用
して植物だけをベースに製造した複合材料を客室構造部に使用するというもの。その目的は、再生
不可能な資源への依存を減らし、航空機が寿命を終えた際の処理を改善することによって結果的に
二酸化炭素削減に貢献すること。チームは繊維の製造やテストなどを行いその可能性について包括
的に分析、物理的にも環境的にも有望なアイディアであることを証明した。
COz チームはスイス、香港、ドイツと様々な国籍の学生 3 名から成るチーム。19 日に最優秀賞の授
賞式が開催され、チームはエアバスのトム・エンダース社長兼最高経営責任者(CEO)から賞金 3
万ユーロを授与された。また、シンガポール国立大学の「Solaire Voyager」チームが優秀賞に選
ばれ、賞金 1.5 万ユーロを獲得した。Solaire Voyager チームは電気を生み出すために光電池を航
空機に搭載させた太陽光電池技術のアイディアを提案した。
このアイディアコンテストは 2008 年 10 月に開始され、合計で 82 ヶ国から 2,350 人以上の大学生
が参加した。世界中の大学生を対象に、航空産業の未来を築く斬新なアイディアや環境への影響を
最小限に抑えるアイディアを募集。若い世代の航空産業への関心を促すことも目的の一つであった。
最終ラウンドに進出したのは 5 チーム。18 日に各チームは最終プレゼンテーションを選考委員の前
で行った。最終ラウンドにおける選考委員は、エンジニアリング、環境問題、人事、マーケティン
グなど、様々な分野における専門家で、エアバスを代表する 5 名と産業界を代表する 5 名で構成さ
れた。
エアバスは年間 20 億ユーロを研究開発に充てている。これは年間売上の 7%以上に相当する。エア
バスは今年世界中で約 300 人のエンジニアを雇用する予定。
エアバスは世界を代表する航空機メーカー。100 座席から 500 座席以上を装備する最新の航空機フ
ァミリーを幅広く提供する。設立以来これまでに 400 社以上から 9,200 機以上の受注を獲得し、す
でに 5,700 機以上を引き渡している。2008 年度の売上は約 270 億ユーロ。従業員は 80 カ国以上か
ら約 5 万 2,000 人。日本、米国、中国、中東に子会社を置く他、ハンブルク、フランクフルト、ワ
シントン D.C.、北京、シンガポールに補修部品センターを、またトゥールーズ、マイアミ、ハンブ
ルク、北京に訓練センターを設けている。
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