第 7 号 H26 年 度 夏 ( 発 行 ) 東 京 都 リハビリテーション病 院 医療福祉連携室 〒 131-0034 東 京 都 墨 田 区 堤 通 2-14-1 TEL: 03-3616-8600 FA X : 0 3 - 3 6 1 6 - 8 6 9 9 http://www.tokyo‐ reha.jp 【 P h o to b y Ku r o s a w a 】 平 成 26 年 度 新 任 のご挨 拶 院長 新井康久 平 成 26 年 4 月 1 日 付 けで林 𣳾史 先 生 の後 任 として東 京 都 リハビリテーション病 院 長 を拝 命 いたしました新 井 康 久 と申 します。 このたび新 任 挨 拶 の執 筆 依 頼 を受 けました が、まだ就 任 後 1 ヵ月 で病 院 内 をすべて把 握 しておりませんので自 己 紹 介 を兼 ねてひと こ と 申 し 述 べ させ てい た だ き ま す 。 私 は昭 和 30 年 に東 京 の北 区 で生 まれ、 その後 ずっと東 京 で育 ちました。いわゆる江 戸 っ子 ではありませんが、江 戸 っ子 気 質 は持 っ てい る も の と 自 負 してい ま す 。 私 が 小 学 校 3 年 時 の昭 和 39 年 10 月 10 日 に東 京 オリン ピックが開 催 されました。当 時 、家 には白 黒 テレビがあり、みんなで開 会 式 の選 手 入 場 行 進 を見 たことを鮮 明 に覚 えております。数 年 前 に 映 画 で 話 題 に なりま した 「 AL W AY S 三 丁 目 の夕 日 」の映 像 シーンを想 像 していただけ ればイメージが湧 くかと思 いますが、あのころ の東 京 は高 速 道 路 やビルの建 設 ラッシュで あり、所 得 倍 増 計 画 のもと社 会 全 体 が成 長 期 で あ り 、 景 気 が 良 く て非 常 に 活 気 に 満 ち 溢 れ てい た よ うに 感 じま す 。 そ の 東 京 で 2 0 2 0 年 に 再 度 東 京 オ リ ン ピッ ク が 開 催 され る こ と が 決 定 し 、 準 備 が 進 め られ てい る よ うで す が 、 環 境 に配 慮 したエコノミックで治 安 の良 い大 会 が 開 催 され る よ う 願 っ てお り ま す 。 さて東 京 都 福 祉 保 健 局 の統 計 では東 京 の 総 人 口 は 2 0 1 5 年 以 降 減 少 に 転 じる こと が 見 込 ま れ てお り 、 2 0 4 0 年 に か けて 6 5 歳 以 上 人 口 が 2 6 8 万 か ら 4 1 2 万 と 1 . 5 倍 に 、ま た 75 歳 以 上 人 口 が 123 万 から 214 万 と 1.7 倍 になる予 想 であります。また合 計 特 殊 出 生 率 は 全 国 で 最 も 少 なく 平 成 2 5 年 に は全 国 で 唯 一 2 人 を 割 り 込 む 1 . 9 8 人 で あ った こと よ り 東 京 は少 子 高 齢 化 の自 治 体 代 表 といえるで し ょ う 。 さ らに 世 帯 構 成 で は 7 5 歳 以 上 の 単 独 世 帯 数 と世 帯 主 が 75 歳 以 上 の夫 婦 のみの 世 帯 数 が それ ぞ れ 1 . 7 倍 に 増 加 す る こと が 見 込 まれており、今 後 の東 京 では独 居 高 齢 者 や高 齢 者 夫 婦 の割 合 が増 えるのは確 実 であ ります。このような状 況 を考 慮 しますと国 の方 針 である地 域 包 括 ケアシステムの構 築 が喫 緊 の課 題 といえるのではないでしょうか。その 構 築 に向 けて在 宅 療 養 の中 核 的 サービスで ある介 護 サービスと医 療 サービスの充 実 と連 携 とが必 要 になります。訪 問 リハビリテーショ ンは地 域 に密 着 した関 係 が必 須 ですが、リハ ビリテーション専 門 職 数 が少 なく質 も担 保 さ れていないのが現 状 です。当 院 で行 っている 墨 田 区 在 宅 リハ支 援 事 業 が今 後 うまく機 能 していくとともに、さらに墨 田 区 以 外 の東 京 都 全 体 に も 在 宅 リ ハ サ ポー ト 医 制 度 が 拡 大 され る こと を願 っ てい ま す 。 今 後 は病 院 長 として当 院 の発 展 のために 誠 心 誠 意 努 力 いたしますので皆 様 方 のご支 援 を 何 卒 、 よろ しく お 願 い 申 し上 げま す 。 2014年 4月 吉 日 チョット 第5回 共生共存 東 京 都 リハビリテー ショ ン病 院 副院長 柳原 幸治 ・ 東 京 大 学 リ ハ ビ リ テー ショ ン 科 非 常 勤 講 師 ・ 日 本 リ ハ ビ リ テー ショ ン 医 学 会 、 専 門 医 、臨 床 医 、指 導 医 ・ 身 体 障 害 者 福 祉 法 1 5 条 指 定 医 ( 音 声 、言 語 機 能 障 害 、 咀 嚼 機 能 障 害 、肢 体 不 自 由 ) ・義 肢 装 具 適 合 判 定 医 (研 修 終 了 ) ・日 本 神 経 心 理 学 会 会 員 ・ 日 本 摂 食 ・ 嚥 下 リ ハ ビ リ テー ショ ン 学 会 会 員 私 の考 え方 人 前 で言 うと、“医 者 なのに何 で”、といわれ そうなことをいっぱい考 えています。たとえば感 染 症 。はしかや結 核 、インフルエンザにかかりそ うな時 や人 を、予 防 接 種 その他 で軽 減 しようと いう考 え方 。天 然 痘 のように撲 滅 に成 功 したウィ ルスはありますが、どうなのかな~と。そもそもウィ ル ス は 人 類 発 生 前 か ら存 在 し て い た 、 生 命 体 の 一 部 (自 己 複 製 機 構 は持 っていますが、細 胞 、 細 胞 壁 を持 たないウィルスは、生 物 に数 えられ てない)です。生 命 体 の一 部 という言 い方 は、生 命 の仲 間 という意 味 ではなく、私 たちの遺 伝 子 の 10%前 後 はウィルスの遺 伝 子 ででき ていると 言 うことです(活 動 していないのかもしれません が)。ウィルスは、細 胞 の中 に入 って,宿 主 の遺 伝 子 に組 み込 まれて初 めて、自 分 の複 製 がで きるので、消 えずに残 っている遺 伝 子 はたくさん あるはずです。遺 伝 子 だけではないのです。私 たちの知 っている、エネルギーを作 り出 すミトコン ドリア。あれは別 の種 類 の生 命 体 が、体 細 胞 の 中 に寄 生 (というより共 生 、初 期 の細 胞 は簡 単 に癒 合 したりしていました)した例 です。独 自 の DNA を持 ち、母 親 からしか遺 伝 しません(つまり 私 た ちの も っ てい る ミ ト コ ン ドリ ア D N A は 卵 細 胞 の 中 に あ った D N A の み で 、 精 子 から は D N A は 伝 達 されません)。原 始 の生 物 のほとんどは、酸 素 を利 用 してエネルギーを生 み出 す仕 組 みを 持 たず、むしろ酸 素 は生 命 体 によって有 害 だっ たのです。ミトコンドリアは酸 素 をエネルギー生 産 に利 用 していて、それを取 り込 むことで他 の 生 命 体 は、酸 素 の多 くなった地 球 で生 き延 びる ことができました。また母 親 からしか遺 伝 しないミ ト コ ン ドリ アの お か げで 、人 類 が ア フリ カ の 一 人 の 女 性 から発 生 してきたことが分 かったのです。自 然 界 は 、 自 分 に と っ て都 合 が 悪 い 物 が 出 現 した とき、その排 除 に失 敗 すると、それを撲 滅 するの ではなく、それをうまく利 用 したりして共 存 する道 を選 んできました。細 胞 の中 でもそうです。細 菌 やウィルスもそのようにして共 存 してきたと言 える のではないかと。今 は人 類 に都 合 のいい方 向 に 自 然 界 を変 えようとしていますが、たとえば集 団 免 疫 の低 下 した現 代 社 会 に、結 核 や麻 疹 がひ とたび流 行 すれば、多 くの犠 牲 者 が出 るのはわ かりきっています。昔 は、はしかはもらいに行 って でもかかるべき流 行 病 で、ひとたびかかると終 生 免 疫 を得 ると考 えていました。確 かに終 生 免 疫 は怪 しくなってきていますが、再 感 染 でも軽 症 で 済 むことは事 実 で、初 感 染 での致 死 率 もある程 度 はやむを得 ないと考 えることができれば、予 防 接 種 ではなくかかっておいた方 が良 い病 気 かも しれません。個 人 のレベルでは、自 分 や自 分 の 子 供 が か か っ て 死 んだ ら ど う す る ん だ っ て 言 わ れ そうですが、排 除 することだけを考 えると、将 来 の人 類 は遺 伝 子 的 にも過 去 の遺 物 になって、 生 物 学 的 に新 しい環 境 に適 応 できる能 力 を失 ってしまう可 能 性 すらあるのではないかと・・・。こ の共 生 、共 存 という考 え方 、とっても重 要 で、医 学 ・医 療 の考 え方 にもこれがもっと入 るべきと考 えているのですが、それはまたの機 会 にします。 2014.5.23 新 任 医 師 紹 介 【1 出 身 大 学 2 指 定 医 ・認 定 医 など 3プロフィール】 大 江 康 子 リハ ビ リテー ショ ン 科 1.福 島 県 立 医 科 大 学 医 学 部 卒 2.医 学 博 士 ,日 本 神 経 学 会 認 定 神 経 内 科 専 門 医 ,日 本 脳 卒 中 学 会 認 定 専 門 医 , 総合内科専門医 3 . これ ま で は、 脳 卒 中 の 急 性 期 の 病 棟 に 携 わ っ てい ま した 。 これ ま で は、 回 復 期 リ ハ ビ リテーション病 院 に転 院 していくところまでの現 場 でしたが、これからは、 自 宅 退 院 への 橋 渡 し を行 う 回 復 期 リ ハ ビ リ テー ショ ン で の 臨 床 を 勉 強 し てい き た い と 思 っ てい ま す 。 杉 徳 臣 リ ハビ リ テーシ ョ ン 科 1.九 州 大 学 卒 2.義 肢 装 具 等 適 合 判 定 医 師 講 習 会 修 了 、回 復 期 リハビリテーション病 棟 医 師 研 修 会修了 3 . 初 期 研 修 終 了 後 から 回 復 期 リ ハ ビ リ テー ショ ン 病 棟 に 携 わ り 、 3 年 の 月 日 が 経 過 し ました。ただ漫 然 とリハビリを行 えばよいというものではなく、御 本 人 の現 在 の状 況 およ び 社 会 的 背 景 に 合 わ せ て ゴ ー ル設 定 を 行 い 、そ の 目 標 に 向 か っ て各 職 種 が 連 携 し て 取 り組 んでいけるように配 慮 しております。御 家 族 におきましても、何 か疑 問 点 やご希 望 が あ りま した ら、 い つ で も お 申 し付 け 頂 き ま す よ う よろ しく お 願 い 申 し上 げま す 。 五 十 嵐 祐 嗣 リハ ビ リテ ーシ ョ ン 科 1.東 邦 大 学 医 学 部 卒 2.産 業 医 3 . 社 会 人 と し て 約 1 5 年 過 ご し 、一 念 発 起 して 3 9 歳 で 医 学 部 に 入 りま した 。一 般 的 な ことなら一 通 りこなせる赤 ひげ先 生 を目 指 しております。リハビリ医 は医 学 的 に広 い知 識 を要 求 され、かつ、患 者 さまの背 景 を理 解 するために、社 会 制 度 などにも精 通 する 必 要 が あ りま す 。ま た 、様 々 な ス タ ッ フ と 共 に タッ グ を 組 んで 臨 み ま す 。良 い 医 療 は 良 い 連 携 から生 まれると信 じ、チームワークを大 切 にしていく所 存 です。どうぞよろしくお願 い 致 しま す 。 三 並 正 芳 リハ ビ リテー ショ ン 科 こ んに ちは 、 2 0 1 4 年 4 月 1 日 よ り 、 東 京 都 リ ハ ビ リ テー ショ ン 病 院 の 診 療 部 医 員 と して 配 属 に な りま した 、 三 並 正 芳 と 申 しま す 。 こ れ まで の 1 年 間 は 急 性 期 病 院 に お い て、 他 科 よりリハビリテーションのコンサルテーションに対 応 していました。現 在 、後 期 レジデン ト 2 年 目 と な りま す 。ま っ た く 初 め ての 回 復 期 病 院 に 赴 任 し 、 数 か 月 が 経 過 い た しま し た が 、未 だ 戸 惑 う こと しば しば で す 。 何 卒 、今 後 と も ご指 導 ご 鞭 撻 下 さ れ ば 幸 い で す 。 秋 元 利 之 リハ ビ リテー ショ ン 科 1.順 天 堂 大 学 医 学 部 卒 2 . 日 本 整 形 外 科 学 会 専 門 医 、産 業 医 3.整 形 外 科 医 からリハビリテーション医 に 転 進 することになりました。脳 ・神 経 疾 患 に 関 しては、初 心 者 です。しばらくは、お許 しください。いつでも、のみやドリルは使 えるよ う 心 づ も り は して い ま す 。よ ろ し く お 願 い しま す 。 退 職 に当 たってのご挨 拶 林 𣳾史 平 成 26年 3月 31日 に職 を辞 するまでの8年 間 、職 員 の皆 様 方 、また地 域 の 医 療 関 係 者 の方 々に仕 事 を支 えて いただきました前 病 院 長 の林 𣳾史 です。平 成 2 年 4 月 の 開 設 時 から の 副 院 長 期 間 を合 わ せ ま す と 約 1 3 年 間 に わ た り 東 京 都 リ ハ ビ リ テ ー ショ ン 病 院 に お 世 話 に な りま した 。 病 院 開 設 時 は総 人 口 に占 める高 齢 者 人 口 が14%以 下 の高 齢 化 社 会 、病 院 から南 千 住 駅 の間 に高 層 建 築 物 は皆 無 、広 い運 動 公 園 に ひばりが囀 り、コウモリが乱 舞 する牧 歌 的 な状 況 でした。しかし、病 院 長 退 職 時 には人 口 に占 める高 齢 者 人 口 が21%以 上 の超 高 齢 社 会 となり、リハビリテーション医 療 が包 括 的 な高 齢 者 医 療 体 制 に組 み込 まれそう な、 緊 迫 した 状 況 に なっ てい ま す 。 この大 切 な時 期 に院 長 職 を離 れて申 し訳 ない気 持 ちですが、幸 いにも情 熱 溢 れる新 井 新 院 長 の も と に 多 く の リ ハ ビ リ テー ショ ン 医 が 参 集 し 、 全 職 員 が 更 な る 高 み へ と 歩 み 始 め てい る の に 接 し 、 今 後 の 病 院 に 大 き な夢 を 託 し てサ ン デ ー 毎 日 の 生 活 に 入 る こ と が 出 来 ま し た 。 職 員 の 皆 様 方 、そして地 域 の皆 様 方 には「今 後 とも東 京 都 リハビリテーション病 院 の発 展 によろしく」と申 し上 げま し て 、 退 職 に 当 た っての 御 挨 拶 と させ て い た だ き ま す 。 新任事務長ご挨拶 平 成 2 6 年 7 月 1 6 日 付 で 当 院 事 務 長 に 就 任 い た しま した 中 山 政 昭 で す 。 前 職 は都 庁 福 祉 保 健 局 で 、介 護 保 険 制 度 運 営 や 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム の 整 備 な ど、 東 京 都 の 高 齢 社 会 対 策 に 関 す る 施 策 の 推 進 に 携 わ っ てお り ま した 。 急 激 に 高 齢 化 が 進 む 東 京 に あ って は 、高 齢 者 が 住 み 慣 れ た 地 域 で 暮 ら し 続 け られ る よう 、 医 療 や 介 護 、 生 活 支 援 サ ー ビ ス 、 住 ま い などが 切 れ 目 な く 適 切 に 提 供 され る 「 地 域 包 括 ケ ア シ ステ ム 」 の 構 築 が 急 務 と な ってい ま す 。 こ う した 中 、リ ハ ビ リ テー シ ョ ン 専 門 病 院 と しての 当 院 の 役 割 はま す ま す 高 ま る と と も に 、 都 民 か らの 期 待 も ま た 大 き い も の が ある と 考 え ま す 。 当 院 の 運 営 理 念 、及 び 基 本 方 針 に 掲 げ た 目 標 に 向 け て 、 関 係 部 署 ・ 機 関 と の 円 滑 な 連 携 を 図 り 、 事 務 室 から 院 の 運 営 を支 え てま い りま す 。 ど うぞ よろ しく お 願 い い た しま す 。 研修会開催案内 区 東 部 地 域 リ ハ ビ リ テー ショ ン 支 援 セ ン タ ー 事 業 主 催 平 成 26 年 度 リ ハ ビ リ 多 職 種 連 携 研 修 会 認 知 症 に 対 す る リ ハ ビ リ テ ー ショ ン に つ い ての 研 修 会 を 開 催 い た しま す 。 日 時 :平 成 26 年 10 月 頃 平 成 26 年 度 摂 食 嚥 下 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 研 修 会 「 摂 食 嚥 下 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 研 修 会 」 を 開 催 い た しま す 。各 分 野 の 専 門 家 からの 講 義 と 実 習 を 織 り 交 ぜ た 無 料 の 講 習 会 で す の で 、皆 様 奮 っ て ご参 加 下 さい 。 日 時 :平 成 27 年 2 月 頃 高 次 脳 機 能 障 害 「 専 門 的 リ ハ ビ リ テー ショ ン の 充 実 」 事 業 主 催 平 成 26 年 度 高 次 脳 機 能 障 害 専 門 職 種 研 修 会 日 時 :平 成 26 年 度 11 月 頃 本誌に関するお問い合わせやご意見は、下記アドレスまでお寄せ下さい。 renkei@tokyo-reha.jp 東 京 都 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 病 院 は 東 京 都 の 指 定 管 理 者 制 度 に 基 づ き( 公 社 )東 京 都 医 師 会 が 運 営 す る 病 院 で す 。
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