デジタルマンモグラフィ の基礎の基礎2

京都マンモグラフィ研究会
デジタルマンモグラフィ
の基礎の基礎2
岐阜医療科学大学保健科学部
放射線技術学科
篠原 範充
Image J
•アメリカ国立衛生研究所(National Institute
for Health :NIH)において開発されたオープ
ンソースの画像処理・解析ソフトウエア
•多くの優れた特徴を備えているため、医療の分
野に限らず画像を扱う様々な研究分野で使用
されている
Image J
① 使用する環境を選ばない
Windows、Linux、Mac など、JAVAがあれば動作
② 拡張性が高い
プラグイン開発や、マクロ言語による機能拡張が可能
③ 扱えるファイルのタイプが豊富
• DICOM,JPEG,GIF,BMP,TIFFなどの画像フォーマット
• RAWデータやテキストデータの読み込み・書き出しが可能
• 8~64bitの濃淡画像とカラー画像まで対応しており、濃度階
調数が大きいCTやMRI、DR画像なども、原画像のまま表示
・Image Jを検索
(http://rsb.info.nih.gov/ij/)
・ダウンロード
・自分のOSに合わせて
選択して下さい.
JAVAは付いているもの
を選択する方がいいので
With ●● を選択
・保存するとアイコンが生成
・クリックしてインストールを
実行して下さい
・適当な場所に保存して下さい.
・起動しましょう
Image J
デジタルマンモグラフィ品質管理マニュアルでは
下記のツールが操作できればよい
画像の入出力
印刷
画像編集(コピー,貼り付け,切り取り)
ROI設定,オプション選定
画像計測,画像解析,グラフ表示
Image J
選択ツール
画像スクロール(移動)
拡大鏡
画像を開きましょう
その前に
・サンプリング間隔
・濃度分解能
・マトリックス数
・画像のフォーマット
は確認できていますか?
画像を開きましょう
画像を開き,既定の測定場所にROIを設定する
には,検出器のサンプリングピッチを参考に
60mmは,50μmでは何ピクセルですか?
60mm→60000μm
60000μm÷50μm=1200 pixels
60mmは,100μmでは何ピクセルですか?
60000μm÷100μm=600 pixels
画像を開きましょう
DICOMであれば,特に意識しなくてよい
進数の表現
多くの場合,2進数→8bit
16進数を使用している場合
→unsigned value(正の値):ほとんどのMMG
→signed value(正負の値に対応)
濃度分解能
8bit(256階調)
→8bit 1byte
10bit(1024階調)
→16bit 2byte
12bit(4096階調)
→16bit 2byte
16bit(65536階調) →16bit 2byte
画像を開きましょう
DICOMであれば,特に意識しなくてよい
画像フォーマット
ファイル情報(file header)
画像情報(image header)
画像データ
(image DATA)
BMP,TIFF,JPEG,GIF
情報が含まれているため
それを読み込むことで
通常のPCで操作可能
DICOM
通常では,開くことができな
いが,ImageJは対応済み
RAW
ImegeJでも編集可能
オリジナルフォーマット
原則開くことができない
画像を開きましょう
DICOMであれば,特に意識しなくてよい
エンディアネス
ビックエンディアン
リトルエンディアン
2byte以上の画像で必要な知識(10bit以上)
10 00
上位byte 下位byte
ビックエンディアン 1000
リトルエンディアン 0010:多くのMMG
画像を表示・処理の
ためのメモリ
→画像データを読み
込むためのメモリ領
域をあらかじめ確保
マンモは,データ量が
大きいので必須です
システムに合わせて
設定しましょう
画像を開きましょう
座標(cm)
画素値
が表示
ピクセル
で焦点を
合わせたい
場合
0に変更
1.0に変更
座標
がピクセル
に変更
矩形ツール
で測定したい
領域を選択し
ましょう
ROI
256×256
座標
X:1000
Y:1000
拡大を
利用
Analyze
→Mesure
ROIの
大きさは
h:高さ
W:幅を参照
測定場所にROIを
移動させましょう!
ROIにマウスを合わ
せる
手
から
矢印
に変更するまで待っ
て下さい
Analyze
→Mesure
何が測
定できま
すか?
画素値
標準偏差
その他,
最大値,
最小値,
重心
中央値
・・・・
ROIの設定
適切な場所に
ROIを設定するこ
とは困難でした.
でも,下記の手順
で簡単に設定
Edit
→Selection
→Specify
ROIの設定
通常は,座標は
左角なので
Centeredに
チェックを入れれ
ば,座標設定が
しやすい
観察
しにくい
ですよね
何が
映って
いるか
観察が可能に
なります.
階調変更により
測定値が変わる
のでは?
と心配の方も
いるかもしれま
せん.
答えは,
階調に左右され
ませんので,観
察しやすくして
正しい位置の
確認をしてくだ
さい.
Imege J
医療における使用用途は,多岐にわたります.
・フィルタリング:難 CADセミナー
・3次元画像作成
・差分画像の作成:難 CADセミナー
・ボケマスク処理:難 CADセミナー
・フーリエ変換:難 CADセミナー
・MTF(SCTF):難 DRセミナー
・WS(NPS) :難 DRセミナー
詳しくは,書籍
日本放射線技術学会雑誌,INNERVISIONでご確認を
ご希望があれば,可能な範囲でお答えします.
Imege J
・特性曲線の作成
・AECの作動確認
・ACR推奨ファントムへの適用
特性曲線
画素値の平均vs相対線量のグラフを書く.
横軸は,線量あるいは相対線量
相対線量=Log10(線量/標準線量)
ステップファントムでBootstrap法でも可能
AECの作動確認
AECの作動確認
被写体厚・乳腺密度を考慮して一定の画像濃度
を得るために線量を制御する機構
画質と線量のバランスを決める重要な役割
ディジタルマンモグラフィでは
画質と線量のバランスを変えることができる.
光学濃度→画質
AECの作動確認
アナログ,CR系
→検出器を透過したX線を半導体素子で検出
FPD
→検出器透過後のX線を検出できないため,
わずかなX線を照射して,これらの信号値を
検出器より読み出して照射線量を制御
AECの作動確認
画質の指標:
CNR(contrast to noise ratio)
コントラストとノイズのバランスの比
AECの作動確認
・乳房支持台上にPMMA40mmを配置
アルミ箔(厚さ0.2mm,純度99.9%)を置く.
圧迫板あり ・ 臨床条件
・画像データより 画素値の平均(mBG, mAl)
標 準 偏 差 (σBG,σAl)
CNR 
m

BG

2
m
Al

2

BG
2
Al
詳細は,マニュアルを参照
ROIAl
mAl, σAl
ROIBG
mBG, σBG
60mm以上
20mm
20mm
20mm
30mm
30mm
60mm
胸壁端
60mm以上
20mm
Al板
AECの作動確認
PMMAの厚さを2cmから4cmに変えて行い,
AEC動作を確認する.
臨床条件での平均乳腺線量を測定
→画質と線量とのバランスを評価
FPDのユーザーは,加算的ラグ,乗算的
ラグなどの項目を確認できることが望まし
いと考える.(ゴーストとラグ)
ACR推奨
ファントム
ACR推奨ファントム
精中委HPより
ACR 推奨ファントムの中心濃度
1.5 ± 0.15 となる条件で撮影する。
アクリルディスクとファントムの
濃度の差が 0.4 以上
TM-5(井原電子工業)アパーチャ3mm
100μm → 30×30 pixels
基準日の模擬石灰化試料
各々の画素値(Cc1, Cc2, Cc3, Cc4, Cc5,Cc6)
各日の模擬石灰化試料
各々の画素値(Cp1, Cp2, Cp3, Cp4, Cp5,Cp6)
を測定する.模擬石灰化試料ごとに相対値を
求めて,6個のデータの平均をとる.
基準日の模擬腫瘤試料の画素値(Mc)
各日の模擬腫瘤試料の画素値(Mp)
Cc1 Cc 2 Cc 3 Cc 4 Cc 5 Cc 6
Cal  (





)/6
C p1 C p 2 C p 3 C p 4 C p 5 C p 6
Mc
Mass 
Mp
相対値(測定日/基準日)
1週間ごとの画素値測定
1.20
1.15
1.10
1.05
1.00
0.95
0.90
0.85
0.80
石灰化
腫瘤
0
5
10
期間(週)
15
20
注 意
・DICOMデータが取り出せないかもしれない?
・規格化処理後?画像処理後?,
階調処理後?,コンソール上?,PACS上?
・そもそもこのデータは?
目的と施設の環境に合わせて必要なデータを考
えて,何か管理したいですね?
最後に
ダイナミックレンジ,乗算的ラグ,加算的ラグ
などは,上記方法を用いれば可能です.
挑戦してみてください
お問い合わせ:
岐阜医療科学大学 放射線技術学科
講師 篠原 範充
MAIL shinohara@u-gifu-ms.ac.jp